JP3776086B2 - 可変式シリンダー錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外筒に対して内筒を回動可能または回動不能にする常用キーのキーコードが必要に応じて設定変更できるピンタンブラ方式の可変式シリンダー錠の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のピンタンブラ方式の可変式シリンダー錠は、前後方向に嵌合孔が形成された外筒と、該嵌合孔に回動可能かつ軸方向に移動不能に嵌合される内筒と、該外筒と内筒に半径方向に形成された複数個のピン孔間を出入りするピン群と、該内筒の前後方向のキー挿入溝に挿入され、前記ピン群を移動させて内筒を外筒に対して回転可能または回転不能にするキーとからなり、
前記外筒と内筒の複数個のピン孔は前後方向に整列して複数列に配置されており、外筒の前記嵌合孔の内周面には、内筒を回動させたとき内筒の前記キー挿入溝と連通する第1通し溝及び第2通し溝が前後方向に同等幅に形成されており、
内筒を回動させたとき相連通する内筒及び外筒の少なくとも一組の前記ピン孔にはボトムピン、チェンジピン、ドライバーピン及びスプリングよりなるピン群が収容される一方、残余の組の前記ピン孔にはボトムピン、ドライバーピン及びスプリングよりなる他のピン群が収容されており、
前記キーを内筒の前記キー挿入溝に所定深さまで挿入するとき、挿入末端域においてキーが内筒の中心軸線と平行に移動してキーの背部が前記第1通し溝から脱出してキー挿入溝に入り込み、キーのキーコード用凹凸部によって前記ボトムピンが押されるように構成されている(特開2002−4657号公報参照)。
【0003】
この可変式シリンダー錠では、キーコードの設定変更を終了した後、前記キーは背部を前記第2通し溝に嵌合された状態で内筒のキー挿入溝から抜き取られる一方、外筒に対して内筒を回転可能(解錠状態)から回転不能(施錠状態)に設定した後、前記キーは背部を前記第1通し溝に嵌合された状態で内筒のキー挿入溝から抜き取られるのであるが、前記第1通し溝と第2通し溝の幅寸法が同等に形成されているため、解施錠における内筒の回転域とキーコード設定変更における内筒の回転域は峻別されている。すなわち、解施錠における内筒の回転方向を時計回り方向とすれば、キーコード設定変更における内筒の回転方向は反時計回り方向に規定されている。
【0004】
扉等の開閉体をボックス本体等の固定枠体に対して錠止する通常の使用形態では、固定枠体側に設置した受金体と係脱する止め金板が内筒の先端軸部に嵌合され、ボルトまたはナットによって内筒に締付け固着されており、解施錠における止め金板の回転方向と回転角度は、内筒の軸部に嵌合された規制円盤が外筒側の規制溝の端面壁に係脱することによって規制されている。
そのため、キーコードの設定変更を実行したいときには、前記ボルト・ナットによる締付け固着を解除して、前記規制円盤と止め金板を内筒の軸部から一旦取外し、キーコードの設定変更を終了した後、規制円盤と止め金板を内筒の前記軸部に再度嵌め合わせ、ボルト・ナットによって締付け固着し直さなければならす、この作業手間が煩雑であった。
【0005】
また、前記可変式シリンダー錠では、前記キーの主体部分の横断面における縦寸法は、キー挿入溝の横断面における縦寸法と合致しているのであるが、キーの挿入当初から挿入末端域に近づくまでの間においては、キーの主端部分は前記キー挿入溝と前記第1通し溝にまたがって挿入される。そのため、第1通し溝の横断面における縦寸法が余剰寸法として存在することになり、キーの挿入過程においてキーの主体部分が内筒の中心軸線に対して振れる余地を与えることになる。この振れが大きいときには、キーの先端がボトムピンの内端部に突き当たってキーの以後の挿入が阻止されてしまい、キーの挿入をやり直さなければならなかった。あるいは、錠機構が故障したものと誤認され、錠の製造・販売元に補修交換が求められることにもなった。
【0006】
可変式シリンダー錠を含めてピンタンブラー方式のシリンダー錠では、内筒の前記キー挿入溝を正面側から見たとき、ボトムピンの内側端部がキー挿入溝に現れているため、ピッキング用具による抉じ開けに対して弱いという難点があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−4657号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、解施錠における内筒の回転域とキーコード設定変更における内筒の回転域が同じであるため、規制円盤や止め金板を着脱するという余分の手間を必要とせずに、キーコードの設定変更が簡単かつ迅速に行なえる可変式シリンダー錠を提供することである。
本発明の別の目的は、キーの挿入が振れを伴なわずに円滑に行われるため、錠機構の故障と誤認される恐れがなく、作動の安定性に優れた可変式シリンダー錠を提供することである。
本発明の更に別の目的は、ボトムピンの内端部が隠蔽されるため、キー挿入溝の正面側からのピッキング操作が容易でなく、セキュリティにおいて改善された可変式シリンダー錠を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明にあっては、可変式シリンダー錠は、前後方向に嵌合孔が形成された外筒と、該嵌合孔に回転可能かつ軸方向に移動不能に嵌合される内筒と、該外筒と内筒に半径方向に形成された複数個のピン孔間を出入りするピン群と、該内筒の前後方向のキー挿入溝に挿入され、前記ピン群を移動させて内筒を外筒に対して回転可能または回転不能にする常用キーと、前記キー挿入溝に挿入され、キーコードを設定変更するチェンジキーとからなり、
前記外筒と内筒の複数個のピン孔は前後方向に整列して複数列に配置されており、外筒の前記嵌合孔の内周面には、内筒を回転させたとき内筒の前記キー挿入溝と連通する第1通し溝及び第2通し溝が前後方向に形成されており、第1通し溝は前記常用キーとチェンジキーの各背部が嵌合されるように幅広に設けられている一方、第2通し溝は前記チェンジキーの背部のみが嵌合されるように幅狭に設けられており、
内筒を回転させたとき相連通する内筒及び外筒の少なくとも一組の前記ピン孔にはボトムピン、チェンジピン、ドライバーピン及びスプリングよりなるピン群が収容される一方、残余の組の前記ピン孔にはボトムピン、ドライバーピン及びスプリングよりなる他のピン群が収容されており、
前記常用キーまたはチェンジキーを内筒の前記キー挿入溝に所定深さまで挿入するとき、挿入末端域において常用キーまたはチェンジキーが内筒の中心軸線と平行に移動して常用キーの背部またはチェンジキーの背部が前記第1通し溝から脱出してキー挿入溝に入り込み、常用キーまたはチェンジキーのキーコード用凹凸部によって前記ボトムピンが押される。
【0010】
請求項2の発明にあっては、請求項1の発明の前記構成に加えて、前記常用キーとチェンジキーの腹部にはガイド溝が各キーの長さ方向に形成されており、前記内筒のキー挿入溝の入口部の内壁面には前記ガイド溝の先端側開口から前記ガイド溝に嵌合されるガイド突起が設けられており、前記内筒には前記キー挿入溝の奥端部に上向き勾配の傾斜カム面を有するカム体が設けられており、前記ガイド溝の基端部には下がり勾配の傾斜溝部が前記傾斜カム面と平行に形成されている。
請求項3の発明にあっては、請求項1または請求項2の発明の前記構成に加えて、前記内筒の前記キー挿入溝の入り口部には前記ボトムピンの内端部を隠蔽する延長壁部が形成されており、前記常用キーとチェンジキーの各基端部には前記ガイド溝の前記傾斜溝部と平行に前記延長壁部用の逃げ凹部が形成されている。
請求項4の発明にあっては、請求項1、請求項2または請求項3の発明の前記構成に加えて、前記内筒の前端部外周に形成した外向きフランジ部によって前記第2通し溝の前端開口が隠蔽される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下詳細に説明する。
本発明の一例の可変式シリンダー錠1は、外筒2、内筒3、二種類のピン群4、5及び孔閉塞板6を有している。
外筒2は図1及び図2に示したように側面部が平行面に形成された略円筒状本体20を有し、該外筒本体20の中心部に嵌合孔21が形成されており、図10に示したように外筒本体20には外周面から嵌合孔21に貫通して4組のピン孔22,23,24,25の列が半径方向に形成されている。
【0012】
該ピン孔22とピン孔23の各孔列は各5個の等ピッチで整列したピン孔によって構成されており、該ピン孔24とピン孔25の各孔列は各6個の等ピッチで整列したピン孔によって構成されている。
外筒2の中心に対するピン孔22とピン孔23の配置角度は45度であり、ピン孔23とピン孔24の配置角度は90度であり、ピン孔24とピン孔25の配置角度は45度である。前記各ピン孔の外端部には孔閉塞板6の嵌合溝26が形成されている。
【0013】
外筒2には嵌合孔21の内面部に略方形断面の第1通し溝27と第2通し溝28が前後方向に形成されており、図11に示したように第1通し溝27と第2通し溝28の前端は、嵌合孔21の前端大径部21aに開口している。図10に示したように第2通し溝28は前記ピン孔24の列に対面している。第1通し溝27と第2通し溝28の後端は、嵌合孔21の後端大径部21bに開口している。 図11に示したように嵌合孔21の後端大径部21bと嵌合孔本体部分との間には環状フランジ部29が内向きに形成されている。
前記各ピン孔の個数及び角度間隔は図示のものに限定されず、各ピッチは必ずしも等ピッチでなくてもよい。
【0014】
内筒3は図1及び図2に示したように略円筒状本体30の前端に外向きフランジ部31が形成され、外筒2の前記嵌合孔21の本体部分に内筒本体30が回転可能に嵌合され、嵌合孔21の前端大径部21aに外向きフランジ部31が回転可能に嵌合される。内筒3の後部の中径軸部32に形成した環状溝33には止めリング11が嵌合され、該止めリング11は外筒2の前記環状フランジ部29の背面に当接することによって内筒3の軸方向への移動を阻止している。
外向きフランジ部31には、正面側から見たときキーの抜き差し位置において外筒2の第1通し溝27または第2通し溝28と重なる位置に来るキー背部通過用溝31aが形成されている。
【0015】
内筒本体30には、図10に示したように中央部にキー挿入溝34が前後方向に形成され、キー挿入溝34の両側に2組のピン孔35,36の列が半径方向に形成されている。該ピン孔35の孔列は5個の等ピッチで整列したピン孔によって構成されており、該ピン孔36の孔列は6個の等ピッチで整列したピン孔によって構成されている。内筒3の中心に対するピン孔35とピン孔36の配置角度は135度であり、ピン孔36とキー挿入孔34の配置角度は135度であり、キー挿入溝34とピン孔35の配置角度は90度である。各ピン孔35,36の内側端部はボトムピンの落ち込み阻止のために狭隘部を介してキー挿入溝34に開口している。
内筒本体30の前面部には斜め下向きに延長壁部30aが形成されており、キー挿入溝34の入り口部の上辺部付近を隠蔽している。
【0016】
図2及び図11に示したように内筒3がキーの抜き差し位置まで回転させられたとき、相連通する内筒3の各ピン孔35と外筒2の各ピン孔22には、ボトムピン51、ドライバーピン53及びスプリング54よりなるピン群5が収容されている一方、相連通する内筒2の手前から2番目,3番目,5番目及び6番目の各ピン孔36と外筒2の手前から2番目,3番目,5番目及び6番目の各ピン孔24には、ボトムピン41、チェンジピン42,ドライバーピン43及びスプリング44よりなる別のピン群4が収容されている。また、相連通する内筒2の手前から1番目及び4番目の各ピン孔36と外筒2の手前から1番目及び4番目の各ピン孔24には、ボトムピン51,ドライバーピン53及びスプリング54よりなる前記ピン群5が収容されている。
【0017】
内筒3の外向きフランジ部31の外側面に形成された横孔37には、ピンよりなるガイド突起38が挿し込み固着されており、ガイド突起38の内端部はキー挿入溝34の片側内壁面より突出している。キー挿入溝34の奥端部には図11に示したように略直角三角形板状のカム体7が密に嵌合されており、横断ピン73によって内筒本体30に固着されている。カム体7は上向き勾配の傾斜カム面71を有しており、該傾斜カム面71の上端には垂直停止面72が形成されている。
内筒3の後端小径軸部39には、公知手法にしたがって回転角度制御用の規制円盤と止め金板が相対回転不能に嵌合され、ナットによって締付け固着される。
【0018】
図3及び図5に示したように常用キー8の主体部分は背部81と腹部82とからなり、背部81は図10に示したように外筒2の第1通し溝27に嵌合される。腹部82の片側の側面には断面矩形状のガイド溝83が常用キー8の長さ方向に形成されている。背部81と腹部82の先端面は斜め下向きのカム斜面84に形成されており、ガイド溝83の先端は該カム斜面84に開口している。ガイド溝83の基端部には下がり勾配の傾斜溝部85がカム斜面84と平行に形成されている。
常用キー8の腹部82には、図3及び図10に示したように2列のキーコード用凹凸部86,87が135度の配置間隔で側面部とエッジ部に形成されている。腹部82の根元部には、内筒3の前記延長壁部30aが入り込む逃げ用凹部88を斜め下向きに形成してある。
【0019】
図6及び図8に示したようにチェンジキー9の主体部分は背部91と腹部92とからなり、背部91は図14に示したように挿し込み時には外筒2の第1通し溝27に嵌合され、抜き取り時には外筒2の第2通し溝28に嵌合される。該背部91は摘み部側の根元部分を除いて、腹部92よりも肉薄に形成されている。該腹部92の片側の側面には断面矩形状のガイド溝93がチェンジキー9の長さ方向に形成されている。背部91と腹部92の先端面は斜め下向きのカム斜面94に形成されており、ガイド溝93の先端は該カム斜面94に開口している。ガイド溝93の基端部には下がり勾配の傾斜溝部95がカム斜面94と平行に形成されている。
チェンジキー9の腹部92には、図6及び図14に示したように2列のキーコード用凹凸部96,97が135度の配置間隔で側面部とエッジ部に形成されている。腹部92の根元部には、内筒3の前記延長壁部30aが入り込む逃げ用凹部98を斜め下向きに形成してある。
【0020】
この実施態様の可変式シリンダー錠では、図1に示したように常用キー8を内筒3のキー挿入溝34から抜き取った施錠状態では、図2に示したように各ピン群4のドライバーピン43が外筒2のピン孔24と内筒3のピン孔36に跨って嵌合している一方、各ピン群5のドライバーピン53が外筒2のピン孔22と内筒3のピン孔35に跨って嵌合しているため、内筒3は外筒2に対して回転不能に拘束されている。このとき、外筒2のピン孔23には別のドライバーピン43の全体が嵌合しており、外筒のピン孔25には別のドライバーピン53の全体が嵌合している。
外向きフランジ部31のキー背部通過用溝31aは正面側から見て外筒2の第1通し溝27に重なる位置にあり、キー背部通過用溝31aは第1通し溝27と相連通している。
【0021】
常用キー8のガイド溝83の先端開口を内筒3のガイド突起38に合わせるとともに、常用キー8の背部81を外向きフランジ部31のキー背部通過用溝31aに合わせて、常用キー8を内筒3のキー挿入溝34に差し込むと、ガイド突起38とガイド溝83の誘導作用によって常用キーの背部81は第1通し溝27の内底面に摺接した状態でキー挿入溝34に挿入され、挿入過程において常用キー8が内筒3の中心軸線に対して振れたり揺らぐことがなく、一直線状に差し込まれる。そのため、常用キー8の先端がボトムピン41,51の内端部側面に突き当たって挿入が阻止されることがない。
【0022】
図16に示したように外筒2の第1通し溝27及び内筒3のキー挿入溝34に対する常用キー8の挿入が進行して、常用キー8のカム斜面84が前記カム体7の傾斜カム面71に突き当たったときには、ガイド突起38はガイド溝83の主体部分と傾斜溝部85の交差部に来ている。この後、常用キー8を更に押し込むと、前記カム斜面84と傾斜カム面71の誘導作用及びガイド突起38と傾斜溝部85の誘導作用によって、常用キー8は内筒3の中心軸線と平行に移動して押し上げられる。
この押し上げ動作によって常用キー8の背部81は外筒2の第1通し溝27から脱出し、腹部82と背部81の全断面が内筒3のキー挿入溝34内に入り込み、腹部82のキーコード用凹凸部86,87が対応するピン群4,5のボトムピン41,51を押し上げる。
【0023】
図9、図10及び図11に示したように各ピン群4,5の各ボトムピン41,51が所定距離を押し上げられることによって、ピン群4においてはチェンジピン42とドライバーピン43の接触点が外筒2と内筒3間のシャーラインに移動し、ピン群5においてはボトムピン51とドライバーピン53の接触点が外筒2と内筒3間のシャーラインに移動する。そのため、外筒2に対する内筒3の回転拘束が解除されて解錠状態となる。
そこで、図10において内筒3を常用キー8によって時計回り方向に45度回転させると、内筒3の後端小径軸部39に装着された止め金板(図示していない)が固定枠体側の受金部(図示していない)から離脱し、扉が開放可能となる。
このように内筒3を回転させたとき、外向きフランジ部31のキー背部通過用溝31aは正面側から見て外筒2の第2通し溝28に重なる位置に来ている。
【0024】
このように内筒3を施錠位置から解錠位置へと回転させたとき、内筒3のキー挿入溝34が外筒2の第2通し溝28に対面する位置に来るが、第2通し溝28の円周方向の幅寸法は常用キー8の背部81の板厚よりも狭く形成されているため、常用キー8の背部81が第2通し溝28内に落ち込むことがない。すなわち、本例の可変式シリンダー錠は、常用キー8は施錠位置の1箇所のみで抜き差しすることができる。
【0025】
常用キー8によって内筒3を施錠位置まで回転させてから、常用キー8を内筒3のキー挿入溝34と外筒2の第1通し溝27及び外向きフランジ部31のキー背部通過用溝31aから引き抜くと、引き抜き直後にスプリング44,54の作用によって各ピン群4,5のドライバーピン43,53が内筒3に向かって押されるため、ドライバーピン43,53の一部が内筒3のピン孔36,35に入り込み、内筒3が外筒2に対して回転拘束される。
【0026】
次にキーコードの設定変更を実行する必要が生じたときには、内筒3が回転停止した状態において、図20に示したようにチェンジキー9のガイド溝93の先端開口を内筒3のガイド突起38に合わせるとともに、チェンジキー9の背部91を外向きフランジ部31のキー背部通過用溝31aに合わせて、チェンジキー9を外筒2の第2通し溝28及び内筒3のキー挿入溝34に差し込む。
このとき、ガイド突起38とガイド溝93の誘導作用によってチェンジキー9は、背部91が第1通し溝27の内底面に摺接した状態でキー挿入溝34に挿入され、挿入過程においてチェンジキー9が内筒3の中心軸線に対して振れたり揺らぐことがなく、一直線状に差し込まれる。そのため、チェンジキー9の先端がボトムピン41,51の内端部側面に突き当たって挿入が阻止されることがない。
【0027】
図17に示したように外筒2の第2通し溝28及び内筒3のキー挿入溝34に対するチェンジキー9の挿入が進行して、チェンジキー9のカム斜面94が前記カム体7の傾斜カム面71に突き当たったときには、ガイド突起38はガイド溝93の主体部分と傾斜溝部95の交差部に来ている。この後、チェンジキー9を更に押し込むと、前記カム斜面94と傾斜カム面71の誘導作用及びガイド突起38と傾斜溝部95の誘導作用によって、チェンジキー9は内筒3の中心軸線と平行に移動して押し上げられる。
この押し上げ動作によってチェンジキー9の背部91は外筒2の第2通し溝28から脱出し、腹部92と背部91の全断面が内筒3のキー挿入溝34内に入り込み、腹部92のキーコード用凹凸部96,97が対応するピン群4,5のボトムピン41,51を押し上げる。
【0028】
図14及び図15に示したように各ピン群4,5の各ボトムピン41,51が所定距離を押し上げられることによって、ピン群4においてはチェンジピン42とドライバーピン43の接触点が外筒2と内筒3間のシャーラインに移動し、ピン群5においてはボトムピン51とドライバーピン53の接触点が外筒2と内筒3間のシャーラインに移動する。そのため、外筒2に対する内筒3の回転拘束が解除される。図14において内筒3をチェンジキー9によって時計回り方向に45度回転させると、外向きフランジ部31のキー背部通過用溝31aが正面側から見て外筒2の第2通し溝28に重なる位置に来る。
【0029】
この段階では、内筒3のピン孔35が外筒2のピン孔22に対面する位置に来ている一方、内筒3のピン孔36が外筒2のピン孔24に対面する位置に来ているから、チェンジキー9を内筒3のキー挿入溝34から引き抜くと、チェンジキー9のキーコード設定用凹凸部96,97に対応してピン群5のボトムピン51は外筒2のピン孔22に適宜に出入りし、ピン群4のチェンジピン42は外筒2のピン孔24に適宜に出入りする。
このチェンジキー9の抜き取りの開始直後に、前記カム斜面94と傾斜カム面71の誘導作用及びガイド突起38と傾斜溝部95の誘導作用によって、チェンジキー9は内筒3の中心軸線と平行に移動して引き下げられ、チェンジキー9の背部91が外筒2の第2通し溝28及び外向きフランジ部31のキー背部通過用溝31aに落ち込む。
【0030】
チェンジキー9が内筒3のキー挿入溝34及び外筒2の第2通し溝28並びに外向きフランジ部31のキー背部通過用溝31aから抜き取られたときには、キーコード設定用凹凸部96,97に対応して各ピン群4のチェンジピン42が外筒2のピン孔24内に移動するか、内筒3のピン孔36内に移動しており、チェンジピン42が内筒3側に存在するか、あるいは外筒2側に存在するかによって、シリンダー錠1は新しいキーコードに設定され、そのキーコードを有する別の新しい常用キー8が使用可能となる。
このように動作する本例の可変式シリンダー錠では、解施錠における内筒3の回転域とキーコード設定変更における内筒3の回転域が同じであるため、キーコード設定変更に際して規制円盤や止め金板をその都度着脱する必要がない。
【0031】
解施錠の実行やキーコードの設定変更における内筒3の回転角度は、上記角度に限定されず、ピン群4,5の列数や配置角度を調整すれば種々変更することができる。また、ガイド溝83,93もキー腹部82,92の左右両側に形成し、ガイド突起38を左右一対に設けることもできる。また、解施錠における内筒3の回転域内に、キーコード設定変更における内筒3の回転域を含ませることもできる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明の可変式シリンダー錠では、外筒の第1通し溝は常用キーとチェンジキーの各背部が嵌合されるように幅広に設けられている一方、第2通し溝はチェンジキーの背部のみが嵌合されるように幅狭に設けられており、解施錠における内筒の回転域とキーコード設定変更における内筒の回転域が同じであるか、あるいは解施錠における内筒3の回転域内にキーコード設定変更における内筒3の回転域が含まれているため、規制円盤や止め金板をその都度着脱するという余分の手間を必要とせずに、キーコードの設定変更が簡単かつ迅速に行なえる。
【0033】
請求項2の発明の可変式シリンダー錠では、常用キーとチェンジキーの腹部にはガイド溝が各キーの長さ方向に形成され、内筒のキー挿入溝の入口部には前記ガイド溝の先端側開口から嵌合されるガイド突起が設けられ、内筒のキー挿入溝の奥端部には上向き勾配の傾斜カム面を有するカム体が設けられ、ガイド溝の基端部には下がり勾配の傾斜溝部が前記傾斜カム面と平行に形成されているため、常用キーやチェンジキーの挿入が振れを伴なわずに円滑に行われることになり、キー先端がボトムピンの内端部側面に突き当たって挿入不能となることによって、錠機構の故障と誤認される恐れがなく、作動の安定性に優れている。
【0034】
請求項3の発明の可変式シリンダー錠では、内筒の前記キー挿入溝の入り口部にはボトムピンの内端部を隠蔽する位置まで延長壁部が形成されており、常用キーとチェンジキーの各基端部にはガイド溝の前記傾斜溝部と平行に延長壁部用の逃げ凹部が形成されているため、キー挿入溝の正面側からのピッキング操作が容易でなく、セキュリティにおいて改善される。
【0035】
請求項4の発明の可変式シリンダー錠では、内筒の前端部外周に形成した外向きフランジ部によって第2通し溝の前端開口が隠蔽されているため、錠の内部構造を察知され難く、セキュリティが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一例に係る可変式シリンダー錠の正面図であり、施錠状態を示している。
【図2】 図1のA‐A断面図である。
【図3】 図1の可変式シリンダー錠に使用する常用キーの右側面図である。
【図4】 図3の常用キーの背面図である。
【図5】 図3のB−B線断面図である。
【図6】 図1の可変式シリンダー錠に使用するチェンジキーの右側面図である。
【図7】 図6のチェンジキーの背面図である。
【図8】 図6のC−C線断面図である。
【図9】 図1の可変式シリンダー錠に図3の常用キーが挿入された状態における図2に対応した断面図である。
【図10】 図9のD−D線断面図である。
【図11】 図10のE−E線断面図である。
【図12】 図1の可変式シリンダー錠における内筒中間部の底面図である。
【図13】 図11のF−F線断面図である。
【図14】 図1の可変式シリンダー錠に図6のチェンジキーが挿入された状態における図2に対応した断面図である。
【図15】 図14のG−G線断面図である。
【図16】 常用キーが挿入末端域近くまで挿入されたときにおける図11に対応した断面図である。
【図17】 チェンジキーが挿入末端域近くまで挿入されたときにおける図15に対応した断面図である。
【図18】 常用キーによって内筒が解錠位置(キーコード変更位置)に回転させられたときにおける図10に対応した断面図である。
【図19】 キーコード変更位置においてチェンジキーが所要深さまで挿入されたときの図14に対応した断面図である。
【図20】 チェンジキーを挿入する過程における可変式シリンダー錠の前端部の横断面図である。
【符号の説明】
1 可変式シリンダ錠
2 外筒
3 内筒
4 チェンジピンを含むピン群
5 チェンジピンを含まないピン群
6 孔閉塞板
7 カム体
8 常用キー
9 チェンジキー
11 止めリング
20 外筒本体
21 嵌合孔
21a 前端大径部
21b 後端大径部
22 ピン孔
23 ピン孔
24 ピン孔
25 ピン孔
26 嵌合溝
27 第1通し溝
28 第2通し溝
29 環状フランジ部
30 内筒本体
30a 延長壁部
31 外向きフランジ部
31a キー背部通過用溝
32 中径軸部
33 環状溝
34 キー挿入溝
35 ピン孔
36 ピン孔
37 横孔
38 ガイド突起
39 後端小径軸部
41 ボトムピン
42 チェンジピン
43 ドライバーピン
44 スプリング
51 ボトムピン
53 ドライバーピン
54 スプリング
71 傾斜カム面
72 垂直停止面
73 横断ピン
81 背部
82 腹部
83 ガイド溝
84 カム斜面
85 傾斜溝部
86 キーコード用凹凸部
87 キーコード用凹凸部
88 逃げ用凹部
91 背部
92 腹部
93 ガイド溝
94 カム斜面
95 傾斜溝部
96 キーコード用凹凸部
97 キーコード用凹凸部

Claims (4)

  1. 前後方向に嵌合孔が形成された外筒と、該嵌合孔に回転可能かつ軸方向に移動不能に嵌合される内筒と、該外筒と内筒に半径方向に形成された複数個のピン孔間を出入りするピン群と、該内筒の前後方向のキー挿入溝に挿入され、前記ピン群を移動させて内筒を外筒に対して回転可能または回転不能にする常用キーと、前記キー挿入溝に挿入され、キーコードを設定変更するチェンジキーとからなる可変式シリンダー錠であって、
    前記外筒と内筒の複数個のピン孔は前後方向に整列して複数列に配置されており、外筒の前記嵌合孔の内周面には、内筒を回転させたとき内筒の前記キー挿入溝と連通する第1通し溝及び第2通し溝が前後方向に形成されており、第1通し溝は前記常用キーとチェンジキーの各背部が嵌合されるように幅広に設けられている一方、第2通し溝は前記チェンジキーの背部のみが嵌合されるように幅狭に設けられており、
    内筒を回転させたとき相連通する内筒及び外筒の少なくとも一組の前記ピン孔にはボトムピン、チェンジピン、ドライバーピン及びスプリングよりなるピン群が収容される一方、残余の組の前記ピン孔にはボトムピン、ドライバーピン及びスプリングよりなる他のピン群が収容されており、
    前記常用キーまたはチェンジキーを内筒の前記キー挿入溝に所定深さまで挿入するとき、挿入末端域において常用キーまたはチェンジキーが内筒の中心軸線と平行に移動して常用キーの背部またはチェンジキーの背部が前記第1通し溝から脱出してキー挿入溝に入り込み、常用キーまたはチェンジキーのキーコード用凹凸部によって前記ボトムピンが押されるようにした可変式シリンダー錠。
  2. 前記常用キーとチェンジキーの腹部にはガイド溝が各キーの長さ方向に形成されており、前記内筒のキー挿入溝の入口部の内壁面には前記ガイド溝の先端側開口から前記ガイド溝に嵌合されるガイド突起が設けられており、前記内筒には前記キー挿入溝の奥端部に上向き勾配の傾斜カム面を有するカム体が設けられており、前記ガイド溝の基端部には下がり勾配の傾斜溝部が前記傾斜カム面と平行に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の可変式シリンダー錠。
  3. 前記内筒の前記キー挿入溝の入り口部には前記ボトムピンの内端部を隠蔽する延長壁部が形成されており、前記常用キーとチェンジキーの各基端部には前記ガイド溝の前記傾斜溝部と平行に前記延長壁部用の逃げ凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変式シリンダー錠。
  4. 前記内筒の前端部外周に形成した外向きフランジ部によって前記第2通し溝の前端開口が隠蔽されることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の可変式シリンダー錠。
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