JP3776008B2 - 露光条件出し方法 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程において、露光条件出しを行うための露光条件出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では、半導体ウエハ(ウエハ)の表面にレジスト膜を形成した後、レジスト膜に所定のパターンで露光し、そして、露光されたウエハを現像処理することにより、ウエハ上に所定のパターンが形成される。
【0003】
この露光処理を行うに先立って、通常、露光量とフォーカス値を最適な値に定める露光条件出しという作業が行われる。これは、露光装置のコンディション、例えば、光源強度や安定性、光路長等が微小に変化しており、そのために露光装置の操作パネル上での設定値を一定としても、その結果として必ずしもウエハ上にいつも同じ形状精度を有する現像パターンが得られるとは限らないためである。従って、この露光条件出しは、所定のパターンを製品に形成するために必要不可欠な作業であり、例えば、1週間や1日といった間隔で定期的に行われる。
【0004】
一般的な露光条件出しは、例えば、以下の工程に従って行われる。つまり、最初に、レジスト膜が形成された1枚のウエハに、所定のパターンが形成されているマスク(レチクル)を用いて、列方向で露光量を変え、行方向でフォーカス値を変える等してマスクのパターンで露光する。次に、露光処理されたウエハをベーク処理し、さらに現像処理を施して、得られた現像パターンを、走査型電子顕微鏡(SEM)等により観察する。そして、この観察結果から最も良好な現像パターンを与える露光条件を決定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マスクまたはウエハ上の微細パターンの線幅測定等を測長SEMを用いて行う露光条件出しにおいては、測定者の測長SEMの操作への習熟が必要であり、また、測定者によって測定値の判断に要する時間が異なる。このため、最適露光条件の決定に長時間を要し、生産効率を高めることが困難である。また、測定者によって最適露光条件の選択判断が異なり露光条件が逐次変更される等によっても、生産効率の向上が妨げられている。
【0006】
さらに、近年、露光処理の複雑化によって露光条件出しの工数が増大して、露光条件出しが長時間化していることから、露光条件出し時間を短縮することが望まれている。さらにまた、露光装置の故障やコンディションの変化を迅速に発見して製品の品質を高く保つことおよび歩留まり向上を図るために、フォトリソグラフィー工程において得られる現像パターンが、所定の形状精度を有しているかどうかをリアルタイムに確認することが望まれている。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、露光条件出しの自動化により工数を削減して生産効率を高めることを可能とし、また、製品の品質を保つことを可能ならしめる露光条件出し方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、フォトリソグラフィー工程における露光条件出し方法であって、所定パターンが形成されたマスクを用いて前記所定パターンで基板の異なる複数の位置を異なる露光量とフォーカス値で露光する第1準備工程と、前記基板を現像して基準現像パターンを形成する第2準備工程と、前記基準現像パターンをSEM観察して前記基準現像パターンの形状情報を得る第3準備工程と、前記基準現像パターンの所定範囲に一定強さの光を照射してその反射光強度を測定する第4準備工程と、前記形状情報と前記第4準備工程で得られた反射光強度とを関連付けした基準データを作成する第5準備工程と、を有する準備工程と、前記第1準備工程と前記第2準備工程と同様の工程にしたがって基板に所定の現像パターンを形成する第1工程と、前記現像パターンの所定範囲に一定強さの光を照射してその反射光強度を測定する第2工程と、前記第2工程で得られた反射光強度を前記基準データと照合することによって前記第1工程における露光量とフォーカス値の組合せの中から最適露光量と最適フォーカス値を決定する第3工程と、を有する主工程と、からなり、前記所定パターンは、線状および/または柱状および/または穴状の透過部分と遮光部分との一定幅内における幅比率が異なる複数の領域を有し、前記第3準備工程においては、前記透過部分に基づく露光部分と前記遮光部分に基づく非露光部分との解像が前記SEM観察によって可能と判断される露光領域に対応する前記所定パターンにおける前記透過部分の幅比率の上下限値の組合せを露光条件ごとに1組の幅比率として記録し、前記第4準備工程においては、前記露光部分と前記非露光部分との解像が不可能と判断される露光領域の反射光強度の上下限値を各露光条件について記録し、前記第5準備工程においては、露光条件ごとに前記反射光強度の上下限値間の範囲の反射光強度を有する露光領域が前記1組の幅比率の上下限値を与える露光領域と一致するように前記反射光強度の上下限値と前記1組の幅比率の上下限値とを組み合わせることを特徴とする露光条件出し方法、が提供される。
【0018】
このような本発明によれば、従来はSEM観察結果から人間の判断により行われていた露光条件出しを、反射光強度を用いて自動で行うことが可能となるため、工数を削減して生産効率を向上させることが可能となる。また、例えば、従来の1日〜1週間に1回といった露光条件出しに加えて、数時間間隔といった所定のタイミングで露光条件のチェックを行うことが容易となり、製品の品質を高く保持することが可能となる。さらに、露光条件出しにおいて得られる反射光強度が予め測定された基準データからかけ離れているときには、一連の処理を行うレジスト塗布・現像処理システムの故障、または露光条件出しを行う露光条件出し装置に故障が生じていることが示唆されるため、反射光強度に基づいてこれら各種装置の故障を早期に発見して対処することが可能となる。
【0019】
露光条件出しを行う露光条件出し装置は、レジスト塗布や現像処理を行う処理部と同一の箱体内に配置したり、レジスト膜が形成された基板に露光処理を行う露光装置内に配置することができる。こうしてレジスト塗布処理等と並行してリアルタイムでの現像パターンの形成状態の監視を行うことが可能となるため、製品の品質を高く保つことができる。検出される反射光強度と基準データとの差が大きい場合等に警報を発する構成としておけば、いち早く装置の故障を発見することが可能となり、無駄に処理する基板の数が低減される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、半導体ウエハ(ウエハ)のフォトリソグラフィー工程を例として図面を参照しながら説明することとする。図1は、本発明に係る露光条件出し装置を用いた露光条件出しの工程を示すフローチャートである。本発明の露光条件出し方法は、準備工程(図1左欄)と、実際の製品に露光処理を施す前に露光装置のコンディションを確認して最適な現像パターンを与える露光条件を決定する主工程(図1右欄)と、から構成されている。
【0021】
最初に準備工程から説明する。露光条件出しを行うにあたって、先ずレジスト膜が形成されたウエハを準備する。ウエハにレジストの定着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)等を必要に応じて施した後に、ウエハにレジスト液を塗布し、ウエハ表面にレジスト膜を形成する(ステップ1)。このレジスト膜の形成は、例えば、スピンチャックにウエハを吸着固定してスピンチャックを所定の回転数で回転させながらウエハの中心部にレジスト液を供給し、遠心力によってレジスト液をウエハの周縁に向けて拡げる方法を用いて行われる。ウエハの裏面や周縁部に付着したレジストを除去した後に、ウエハは加熱処理され、次いで冷却されて、レジスト膜の定着が行われる。
【0022】
レジスト膜が形成されたウエハを用いて最適露光条件を決定するためのテスト露光を行う(ステップ2)。このテスト露光は、露光装置(ステッパー)を用いて、マスク(レチクル)に形成された所定のテストパターンでウエハの異なる位置に異なるフォーカス値と露光量で逐次露光していくことで行われる。例えば、図2に示すように、11列×11行の格子状マトリックス95を設定して、列方向でフォーカス値(Y1〜Y11)を変え、行方向では露光量(X1〜X11)を変えて、格子状マトリックス95の各セグメント90に異なる露光条件によって、図3に示すテストパターン60を転写する。
【0023】
図3に示すテストパターン60は、パターンA〜Gという異なるパターン(領域)を有しており、パターンA〜Gは、一定幅N内において、線状の遮光部分61の幅比率をPとし、透過部分65の幅比率をQ(PとQの和は100)としたときに、図3に示すように、その比率をP:Q=95:5〜5:95の範囲で7段階に変えたものである。例えば、一定幅Nは0.5μmとすることができる。遮光部分61の幅比率Pと透過部分65の幅比率Qとの比率は、図3に示した値に限られず、任意の比率で複数段階に形成することができる。各幅比率P・Qの分割段階を多くしてより多くのサブパターンを設けることで、より正確で精密な露光条件出しを行うことができる。
【0024】
なお、ステップ2のテスト露光で用いられるテストパターンは、図3に示した線状パターンに限定されるものではない。図3に示したテストパターン60におけるパターンA〜Gにはそれぞれ縦方向にのみ線状の透過部分65が形成されているが、図4(a)に示す柱状パターン60aのように、パターンAa〜Gaのそれぞれに四角形状の複数の遮光部分61aがマトリックス状に形成され、これら遮光部分61aの間に透過部分65aが形成されたパターンを用いることもできる。また、図4(b)に示す穴状パターン60bのように、遮光部分61b中に所定形状の透過部分65bが所定位置に配置され、かつ、透過部分65bの占有面積が変化するように形成されたパターン等を用いることもできる。
【0025】
次に、テストパターン60を用いてテスト露光が終了したウエハの現像処理を行う(ステップ3)。現像処理は、例えば、スピンチャックにウエハを吸着固定して、ウエハ上に現像液を液盛りし、所定時間経過後にウエハ上の現像液をウエハを回転させることによって振り切り、さらにリンス液でウエハ上の現像液の残渣を洗い流す方法を用いて行われる。
【0026】
現像処理が終了したウエハを乾燥した後、得られた現像パターンの形状観察を、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)や測長SEMを用いて観察し、最適な露光条件を決定する(ステップ4)。このSEM観察では、パターンA〜Gに形成された透過部分65を透過した光によって露光された部分(露光部分)と、遮光部分61により露光する光が遮られて露光されなかった部分(非露光部分)との解像(識別)が可能な範囲が広く、しかも、現像パターンの形状がテストパターン60に近くなるように、精度よく現像パターンが形成されている露光条件を探索する。
【0027】
ここで、ウエハ上に実際に形成された現像パターンは、必ずしもマスクに形成されたパターン60と一致するものではない。このことについて、レジストとしてポジ型レジストが用いられていた場合を例として以下に詳しく説明する。
【0028】
図5はテストパターンの透過部分および遮光部分と得られる反射光強度の信号レベルとの関係およびその際のテストパターンに対応する現像パターンを示す説明図であり、図6は露光量が適切な値である場合にフォーカス値の変化によって得られる現像パターンがどのように変化するかを示した説明図であり、図7はフォーカス値が適切な値である場合に露光量の変化によって得られる現像パターンがどのように変化するかを示した説明図である。
【0029】
ポジ型レジストの場合には、露光する光が照射された部分は現像により溶解することから、図5に示すように、光が照射された部分ではウエハWの表面が露出して凹部66が形成される。一方、露光する光が照射されなかった部分はレジストが残留するために凸部62となる。従って、テストパターン60中のあるパターンがそのまま転写された場合には、遮光部分61が凸部62に一致し、透過部分65が凹部66と一致する。
【0030】
しかしながら、フォーカス値および露光量が適切であっても、露光する光の波長やマスクに形成されたパターンの実際の幅(長さ)等に依存して、図6または図7に示すように、必ずしもパターンA〜Gに基づく全ての露光領域A1〜G1にパターンA〜G通りの現像パターンが形成されるわけではない。つまり、図6・図7のセグメント90bに示されるように、適正フォーカス値・適正露光量であっても、パターンA・Bでは、透過部分65の実寸幅が狭いために露光する光がマスクを透過することができずに、パターンA・Bによる露光領域A1・B1には凹部66が形成されずに全体がレジスト膜からなる凸部62が形成されることとなる。また、透過部分65を透過できる光量が少ないために現像処理により溶解するほどにレジストを感光することができない場合にも、同様にパターンA・Bによる露光領域A1・B1には凹部66は形成されない。
【0031】
一方、透過部分65の線幅が広いパターンGでは、マスクを透過する光量が多くなるために、パターンGによる露光領域G1全体でレジストが感光してしまい、ウエハの表面が全面に露出した状態(凸部62が形成されない状態)となる。また、透過部分65を透過した光が拡散する等することによっても、パターンGによる露光領域G1全体でウエハの表面が全面に露出した状態となる。こうして実際にテストパターン60を用いた場合に、露光部分と非露光部分の解像が可能であった露光領域は、フォーカス値と露光量の両方が適切であっても、例えば、パターンC〜Fに基づく露光領域C1〜F1という結果が得られることとなる。
【0032】
図6のセグメント90d・90eは、それぞれアンダーフォーカス値の場合とオーバーフォーカス値の場合に得られる現像パターンを示している。いずれの場合においても、露光量は適切であるがフォーカス値が適切でないために、パターンA〜Gを透過する光が拡散等して、パターンA〜Gの転写するときの形状精度が低下している状態を示している。具体的には、図6のセグメント90d・90eは、露光領域A1・B1のみならず露光領域C1にも凹部66が形成されなくなり、一方、露光領域F1には凸部62が形成されなくなった状態を示している。こうして、結果的に露光領域D1・E1のみで解像が可能となり、解像が可能な範囲が適切な露光条件によるセグメント90bの場合よりも狭くなっている。
【0033】
これに対して、図7のセグメント90aに示されるように、フォーカス値が適切な値であっても露光量が少ない場合(アンダー露光量)には、解像が可能なパターンは透過部分65の実寸幅が広い方へシフトする。例えば、パターンD〜Fに基づく露光領域D1〜F1で解像可能な範囲となる。一方、セグメント90cに示されるように、露光量が多い場合(オーバー露光)には、解像が可能なパターンは透過部分65の実寸幅が狭い方へシフトするので、例えば、パターンB〜Eに基づく露光領域B1〜E1が解像可能な範囲となる。
【0034】
このようにフォーカス値が適切に設定されている場合には、解像が可能な範囲が透過部分65の幅が狭い方向または広い方向へシフトすることとなるが、露光量が異なると、パターンA〜Gにおける透過部分65の実寸幅と得られた現像パターンにおける凹部66の実寸幅との値に差が生ずる。
【0035】
例えば、パターンDに基づく露光領域D1で見てみると、パターンDにおける幅比率P・Qの比率は、P:Q=50:50であるから、セグメント90bに示されるように、露光領域D1には同等幅の凸部62と凹部66が形成されていることが好ましい。
【0036】
しかしながら、アンダー露光量(セグメント90a)の場合には凹部66の幅が凸部62の幅よりも狭まり、一方、オーバー露光量(セグメント90c)の場合には凹部66の幅が凸部62の幅よりも広がり、所望する現像パターンが得られなくなる。
【0037】
以上のことから、ステップ4のSEM観察においては、このようなフォーカス値と露光量の組合せが、現像パターンの形状へ及ぼす影響を考慮し、また、テストパターン60における各パターンA〜Gの設定寸法を考慮して、最適な露光条件を決定する。例えば、図6・図7の例では、解像範囲が広く、しかもパターンDに基づく露光領域D1に形成された凸部62と凹部66の幅が同等であるセグメント90bの状態が得られるフォーカス値と露光量を最適フォーカス値と最適露光量、つまり最適露光条件として決定する。
【0038】
図6および図7に従い、以下、SEM観察による最適露光条件は、テストパターン60を用いた場合には、セグメント90bの現像パターンが得られる露光条件とする。また、露光部分と非露光部分との解像が可能である露光領域C1〜F1を形成するパターンC〜Fにおける透過部分65の幅比率Qの最小値と最大値の組合せを1組の最適幅比率Cbと定義する。なお、この1組の最適幅比率および後述する1組の幅比率は、遮光部分61の幅比率Pを用いて決定することも可能である。セグメント90bでは、パターンCの幅比率Qの値である30が最小値となり、パターンFの幅比率Qの値である80が最大値となるので、1組の最適幅比率Cbを、「Cb(30・80)」と表すこととする。
【0039】
上述したステップ4のSEM観察による露光条件出し方法は、従来の露光条件出し方法と同じであり、本発明においても準備工程の中の1工程として行う必要がある。
【0040】
しかしながら、本発明の露光条件出し方法では、例えば、次回の露光条件出しを行う際には、この作業を必要としないものとするために、この準備工程において、SEM観察に加えて、少なくとも最適露光条件により得られた現像パターンの光情報の収集を行って、得られた光情報を規格化し(ステップ5)、この規格化された光情報とSEM観察により決定された露光条件との関連付けを行う(ステップ6)。
【0041】
光情報としては、例えば、現像パターンに所定の強さの光を照射したときの反射光強度(反射率)、干渉縞の模様等を用いることができるが、本実施の形態においては、光情報として反射光強度を用いるものとする。この場合には、ステップ5とステップ6は、図2に示された格子状マトリックス95の各セグメント90の各露光領域A1〜G1についてSEM観察を行うことによって得られる現像パターンの状態(形態、形状)という情報を、反射光強度の規格値に変換する工程となる。
【0042】
SEM観察による最適露光条件である図6と図7のセグメント90bを改めて図8に記載し、この図8を参照しながら、反射光強度の測定と得られた測定値の規格化について説明する。
【0043】
最初に、セグメント90b全体またはパターンA〜Gに基づく露光領域A1〜G1のそれぞれについて所定の強さの光を照射し、露光領域A1〜G1内の設定範囲Sの反射光強度の測定を行う。なお、このときに用いられる装置(露光条件出し装置)の構成の詳細については、後に説明する。
【0044】
露光領域A1・B1は、ともにレジスト膜のみの凸部62からなることがSEM観察の結果から明らかとなっている。このため露光領域A1・B1の反射光強度はほぼ同じ値を示す。露光領域C1では凹部66が形成されてウエハの表面の一部が露出しており、また、ウエハ表面からの光の反射率がレジスト膜表面からの光の反射率よりも高いことから、露光領域C1の反射光強度は露光領域A1・B1の反射光強度よりも大きくなる。
【0045】
さらに、露光領域D1から露光領域F1へ向かうにつれて、ウエハの露出面積が大きくなるために、測定される反射光強度は大きくなり、レジスト膜が全て溶解してウエハの表面が完全に露出してしまっている露光領域G1で最も大きな反射光強度が得られる。
【0046】
露光領域G1の反射光強度はウエハの反射光強度を示すものであるから、この値を不変的な値と仮定して、露光領域G1の反射光強度を基準に、露光領域A1〜G1の反射光強度の値を規格化する。例えば、図8に併記されるように、測定された反射光強度の規格化は露光領域G1の反射光強度を100とすることによって行い、露光領域A1〜G1でそれぞれ20・20・55・60・65・70・100という規格値(以下「規格化強度」という)が得られる。
【0047】
次に、得られた規格化強度の値とパターンA〜Gにおける透過部分65の幅比率Qとの関連付けを行う。図9はこの関連付けの形態を示す説明図である。この作業を行うために、図9から凸部62のみからなる露光領域と凸部62および凹部66が混在している露光領域との境界、または凸部62および凹部66が混在している露光領域と凹部66のみからなる露光領域との境界を判断する指標として、規格化強度の「下しきい値(Lb)」および「上しきい値(Lt)」を設定する。
【0048】
そして、下しきい値(Lb)と上しきい値(Lt)との間の規格化強度を有する露光領域を形成するパターンにおいて、透過部分65の幅比率Qの最も小さい値を下幅比率(Qb)とし、最も大きい値を上幅比率(Qt)とする。さらに、下幅比率(Qb)と上幅比率(Qt)との組合せを1組の幅比率Cとして、この1組の幅比率CをC(Qb・Qt)と表すこととする。これらの値は、露光条件出しの主工程に用いられるものである。
【0049】
セグメント90bについてのSEM観察結果との矛盾が生じないように、下しきい値(Lb)は露光領域B1・C1の規格化強度の間で、また上しきい値(Lt)は露光領域F1・G1の規格化強度の間で、それぞれ定める。例えば、下しきい値(Lb)は20超55以下の範囲で定めることができるが、そのほぼ中間の値である40に下しきい値(Lb)を設定することができる。セグメント90bの場合には、規格化強度が40以上であってしかも最も値が小さい規格化強度55を示した露光領域C1を形成するパターンCの幅比率Q(=30)が下幅比率となる(Qb=30)。
【0050】
また、上しきい値(Lt)は70以上100未満の範囲で定めることができるが、例えば、上しきい値(Lt)を80に設定すると、規格化強度が80以下であってしかも最も値が大きい規格化強度70を示した露光領域F1を形成するパターンFの幅比率Q(=80)が上限幅比率(Qt=80)となる。
【0051】
このようにして、セグメント90bについて得られる下幅比率(Qb)と上幅比率(Qt)との組合せである1組の幅比率C(Qb・Qt)は、当然に、前述したSEM観察により決定された1組の最適幅比率Cb(30・80)に一致する。
【0052】
なお、規格化強度の最も小さい値(図8の場合には、露光領域A1・B1に相当する規格化強度の値(=20))は、例えば、形成されるレジスト膜の厚み等の微小な変化によって変化することがある。このため、設定した下しきい値(Lb)が小さいために、後の主工程において、実際にはウエハの表面が全く露出していない露光領域を形成するパターンが、凹部66と凸部62との解像が可能な範囲内に含まれるという判断が起こらないように、下しきい値Lbを設定する際には注意する。
【0053】
以上のステップ1〜6により、下しきい値(Lb)、上しきい値(Lt)、1組の最適幅比率Cb(下幅比率(Qb)・上幅比率(Qt))が決定され、これらの値が次回以降の露光条件出しにおけるデータ解析の判断基準となる(ステップ7)。また、SEM観察によって決定された最適露光条件(フォーカス値と露光量)は、露光条件出しに要する時間を短縮して行う場合に、反射光強度の測定を開始する初期条件として用いることができる。
【0054】
次に、前述した図2に示す格子状マトリックス95の各セグメント90について、つまり全露光条件について、パターンA〜Gに基づく露光領域A1〜G1の反射光強度を測定して規格化し、先に定めた下しきい値Lb(=40)に対する下幅比率Qbと上しきい値Lt(=80)に対する上幅比率Qtとを求めて、図2と同様にマトリックス状に表示したデータを作成する(ステップ8)。
【0055】
ここで、SEM観察についても図2に示す格子状マトリックス95の各セグメント90について行うことが好ましい。つまり、このステップ8の作業は、SEM観察の結果と反射光強度の測定による露光条件出し方法との相関を確認する意味で行うものであり、準備工程において必ずしも必要とされるものではないが、本発明に係る反射光強度の測定を用いた露光条件出し方法の信頼性を確認する意味で重要であり、そのために行われる。
【0056】
図10はステップ8によるデータをマトリックスとして示したものである。図10(a)・(b)から、例えば、露光量X5・フォーカス値Y5の露光条件では、下幅比率(Qb)が50であり、上幅比率(Qt)が70であることから、パターンD・Eに基づく露光領域D1・E1に凸部62および凹部66が存在し、露光領域A1〜C1は凸部62のみが存在し、露光領域F・Gでは凹部66のみが存在していることがわかる。この状態は、先に図6に示したセグメント90dまたはセグメント90eと同じ状態にあることを示している。
【0057】
また、露光量X7・フォーカス値Y6の露光条件では、上幅比率(Qt)が70であり、下幅比率(Qb)が20であるから、パターンB〜Eによる露光領域B1〜E1で凸部62および凹部66が形成され、露光領域A1では凸部62のみが存在し、露光領域F1・G1では凹部66のみが存在していることがわかる。この状態は、先に図7に示したセグメント90cの同じ状態にあることを示している。
【0058】
このように、得られた現像パターンをSEM観察することによってパターンA〜Gの中で露光部分と非露光部分との解像が可能であったパターンの範囲を、各セグメント90について、図10(a)・(b)から、即座に知ることができる。SEM観察の結果からは、図6に示したセグメント90bの状態を与える露光条件が最適な露光条件であることから、下幅比率(Qb)が30で上幅比率(Qt)が80である露光条件を、図10(a)・(b)から検索すると、フォーカス値Y6・露光量X6が、最適露光条件であることがわかる。
【0059】
図10(a)・(b)からの最適露光条件を探し出すことを容易とするために、図10(c)に示すように、各セグメント90について、図10(b)の値から図10(a)の値を引いた値を示したマトリックスを準備する。図5と図6を用いて先に説明したように、フォーカス値が適切であれば、露光部分と非露光部分の解像が可能なパターンの数が多くなるので、図10(c)に示される値が大きい場合の露光条件が、適切な条件に近いものと判断することができる。こうして露光条件の絞り込みが容易となる。
【0060】
例えば、図10(c)では、50という値が最も大きい値であるから、最適露光条件は、フォーカス値がY6で、露光量がX6〜X8の範囲にあると容易に絞り込まれる。しかしながら、例えば、1組の幅比率Cが、C(30・80)の場合とC(20・70)の場合とでは、その差はともに50となる。
【0061】
従って、図10(c)中の最大値が同じ場合には、図10(a)・(b)の値から、1組の最適幅比率Cb(30・80)が得られている露光条件を選択する。つまり、図10(c)の場合には、1組の幅比率C(Qb・Qt)が1組の最適幅比率Cb(30・80)に一致するものは、露光量がX6の場合のみであり、こうして最適露光条件を定めることが可能となる。
【0062】
以上の説明から明らかなように、ステップ1からステップ8までの工程は、SEM観察により決定される現像パターンの状態を反射光強度という情報に変換し、さらに規格化されたデータ(以下、「基準データ」という)を作成するものであり、この基準データから最適な露光条件の検索が可能となる。
【0063】
ここで、上述した準備工程における基準データの作成および後に説明する主工程において用いられる露光条件出し装置の構成の形態について説明する。図11は、本発明の露光条件出し装置80の構成の一実施形態を示す説明図である。この露光条件出し装置80は、大別して、ウエハWに形成された現像パターンの一定範囲に一定強さの光を照射する光照射部81と、光が照射されたウエハWの所定範囲の反射光強度を測定する検出部82と、検出部82で得られる反射光強度を処理する演算処理部83と、から構成されている。
【0064】
光照射部81は、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、蛍光灯、白熱灯等から発せられる光の狭帯域波長、例えば400〜600nmの波長の光のみを照射可能な光源およびリフレクタ等を備えた光源装置84と、光源装置84からの光をウエハWへ導く光ファイバ85を有しており、光ファイバ85から照射される光は光路調整部86に備えられた図示しないミラーおよびレンズにより集光等されて、ウエハWの一定範囲、例えば、1箇所のセグメント90全体に照射される。
【0065】
このとき、ウエハWは、例えば図示しないX−Yステージ上に載置されており、光が照射される範囲にウエハWの所定範囲が納まるように、面内で平行に移動することが可能となっている。
【0066】
検出部82は、一定光量が照射された一定範囲の中の設定範囲S(図8に示した設定範囲Sを指す。図11に図示せず)の反射光強度を測定するための装置として、例えば、CCDカメラまたはラインセンサ87を有し、CCDカメラまたはラインセンサ87に写された映像情報を、CCDカメラまたはラインセンサ87に接続されたエレキボード88等の信号変換装置を用いて反射光強度に変換する。こうして、設定範囲Sの反射光強度を得ることができる。
【0067】
なお、ラインセンサはCCD素子を直線的に一列に並べて走査させるカメラであり、CCDカメラと同様の情報を取得することが可能である。また、先に示した図5に併記したように、反射光強度の信号レベルはウエハWの表面が露出する凹部66の部分で大きく、逆にレジストで被覆された凸部62の部分で小さくなる。
【0068】
得られた反射光強度は、演算処理部83において計算処理されて、規格化強度が算出される。演算処理部83の具体例はパーソナルコンピュータである。ウエハWの移動(X−Yステージの駆動)、エレキボード88による信号の読み取りは、この演算処理部83からの信号により自動で行うことができる。
【0069】
例えば、ウエハWに形成された1つのセグメント90の反射光強度を読み取った後に、演算処理部83からの信号によりウエハを所定量ほど移動させて再び別の露光領域の反射光強度を測定するといった作業を繰り返すことができる。演算処理部83では反射光強度を規格化する処理を、反射光強度の測定と並行して行うことができる。
【0070】
このような露光条件出し装置80を用いて得られた規格化強度を、前述した準備工程において決定された上しきい値(Lt)と下しきい値(Lb)と比較することにより、その規格化強度を与える設定範囲Sの状態、すなわち、露光部分と非露光部分の解像の可否を知ることができる。こうして、反射光強度の測定が行われたウエハWについて、先に図10(a)・(b)に示したような下幅比率(Qb)と上幅比率(Qt)の組合せの情報を得ることができる。
【0071】
次に、本発明の露光条件出し方法の主工程について説明する。この主工程では、上述した露光条件出し装置と前述した準備工程で決定された基準データを用いるが、SEM観察を要しない。
【0072】
図1の右欄に示すように、先ず、製品となるウエハの露光処理を開始するに先立って、テスト用のウエハ(テストウエハ)にレジスト膜を形成し(ステップ9)、次いで、図2に示したように、テストウエハ上において格子状マトリックス95を構成する複数のセグメント90のそれぞれに、テストパターン60を用いて異なるフォーカス値と露光量で露光し(ステップ10)、その後にテストウエハを現像、乾燥して、現像パターンを形成する(ステップ11)。
【0073】
次に、露光条件出し装置80を用いて、各セグメント90について、テストパターン60の各パターンA〜Gに基づく露光領域A1〜G1について反射光強度の測定とその規格化を行う(ステップ12)。このとき、得られた規格化強度の値が下しきい値(Lb=40)以上、上しきい値(Lt=80)以下であれば、露光部分と非露光部分との解像が可能であったと判断する。また、このような解像が可能な露光領域を形成するパターンの透過部分の幅比率Qから、下幅比率(Qb)および上幅比率(Qt)を求める(ステップ13)。
【0074】
なお、テストウエハに形成されたレジスト膜は、準備工程でウエハに形成されたレジスト膜と、同じ種類のレジスト液を用いて同等の厚みに形成されている必要がある。基準データは、使用するレジスト液が複数ある場合と形成するレジスト膜の厚みが異なる場合の各条件に対応した複数のものを、適宜、ステップ1〜ステップ8にしたがって準備する。
【0075】
全てのセグメント90について、これら下幅比率(Qb)および上幅比率(Qt)の値とその差を求め、準備工程で得られた最適露光条件を示す1組の最適幅比率Cb(30・80)を示す露光条件を検出し、新たな最適な露光条件を決定することができる(ステップ14)。
【0076】
ステップ9〜ステップ14にしたがって全てのセグメント90について反射光強度の測定を行うと、自動化が可能であるとしても、露光条件出しに長い時間を費やすことは避けられない。そこで、露光装置のコンディションは経時的に変化はするものの、極端に大きく変化するものではないという露光装置の特性に着目して、前述したステップ12においては、先に準備工程で決定された最適露光条件に近い露光条件により形成された現像パターンの存在するセグメント90についてのみ反射光強度の測定を行う。このような方法によっても、一般的に、最適露光条件を検出することが可能であり、露光条件出しに要する時間を短縮することができる。
【0077】
図12(a)〜(c)は、フォーカス値Y6・露光量X6の近傍の15の露光条件について、ステップ9〜ステップ14を行い、下幅比率(Qb)および上幅比率(Qt)とその差を求めた結果を示している。
【0078】
これら15の露光条件に対応するセグメント90について自動で反射光強度を測定して規格化し、得られた規格化強度の値を上しきい値(Lt)および下しきい値(Lb)と比較して、露光部分と非露光部分の解像が可能な範囲にある露光領域を与えるパターンの上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)の値を決定する。最適露光条件を与える1組の最適幅比率CbはCb(30・80)であるから、図12(a)〜(c)により、その条件を満足するフォーカス値Y5・露光量X7が、最適露光条件となっていることがわかる。
【0079】
このように複数のセグメント90について上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)をマッピングする方法の他に、ある1つの露光条件から出発して、最適露光条件を検索する方法もある。例えば、準備工程で決定された最適露光量/最適フォーカス値を、主工程の露光条件出しにおいて反射光強度の測定を行うべき露光領域を絞るための初期条件とし、逐次、初期条件に変わる暫定条件を定めていき、その暫定条件が変わらないならば、その暫定条件が実際の最適露光条件であるとする方法である。
【0080】
このような方法においては、初期条件の最適露光量/最適フォーカス値のいずれか一方、例えば最適露光量を暫定露光量として仮に固定し、所定範囲のフォーカス値による露光領域の反射光強度の測定を行って、得られた反射光強度から最適幅比率Cb(30・80)に近い1組の幅比率C′(Qt・Qb)を決定する。続いて決定された1組の幅比率C′(Qt・Qb)を与える露光条件におけるフォーカス値を暫定フォーカス値として固定し、露光量を変化させた複数の露光領域の反射光強度の測定を行い、最適幅比率Cb(30・80)に近い1組の幅比率C″(Qt・Qb)を決定する。
【0081】
ここで、1組の幅比率C′(Qt・Qb)と1組の幅比率C″(Qt・Qb)の条件が同じ場合であって、最適幅比率Cb(30・80)となる場合に、この1組の幅比率C′(Qt・Qb)を与える露光条件が最適露光条件となる。また、1組の幅比率C′(Qt・Qb)と1組の幅比率C″(Qt・Qb)の条件が異なる場合には、1組の幅比率C″(Qt・Qb)を与える露光条件の露光量を暫定露光量として更新し、初期条件から1組の幅比率C′(Qt・Qb)を求め、さらに1組の幅比率C″(Qt・Qb)を求めた方法を繰り返すことで、最適露光条件を絞り込むことができる。
【0082】
図13(a)〜(c)はこのような方法によって最終的に得られる下幅比率(Qb)および上幅比率(Qt)とその差をマッピングした結果を示している。準備工程で得られた最適露光条件は、フォーカス値Y6・露光量X6であったから、例えば、最初にフォーカス値をフォーカス値Y6に固定して、露光量X4〜X8の範囲で変化させて、反射光強度の測定と規格化強度の算出、ならびに上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)の決定を行う。
【0083】
こうして規格化強度を算出した範囲で1組の最適幅比率Cb(30・80)を有する条件が得られればその時点で露光条件出しは終了する。しかし、1組の最適幅比率Cbがない場合には、上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)の差が大きい条件を与える露光量について、今度は、フォーカス値を変えて上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)を決定する。
【0084】
図13(a)・(b)の場合では、露光量X6の場合と露光量X7の場合が該当するが、例えば、準備段階での最適露光量である露光量X6の場合について、フォーカス値Y4〜Y7の範囲で変えて、上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)を求める。ところが、露光量X6の場合に上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)との差が50である露光条件がなかったために、次に、例えば、露光量X6の場合に2番目に上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)の差が大きくなるフォーカス値Y5について、例えば露光量X5〜X9の範囲で、再び上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)を求める。
【0085】
するとフォーカス値Y5の場合には、露光量X7・X8の2条件で上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)との差が50となり、このうちフォーカス値Y5・露光量X7の露光条件における1組の幅比率C(Qt・Qb)が1組の最適幅比率Cb(30・80)と一致することから、この露光条件が最適露光条件であることがわかる。
【0086】
なお、例えば、最適露光条件であるフォーカス値Y5・露光量X7の近傍の露光条件、例えば、フォーカス値をY4として、露光量をX7、X8とした場合の規格化強度を求めて上幅比率(Qt)と下幅比率(Qb)を求めることにより、フォーカス値Y5・露光量X7の露光条件が最適露光条件であることを確認することができる。
【0087】
上述した各種の方法によって定められた最適露光条件により形成されたパターンA〜Gに基づく露光領域A1〜G1の規格化強度の各値が、準備工程で決定された最適露光条件により求められた規格化強度の値に近接しているかどうかを確認することが好ましい。例えば、準備工程において得られたセグメント90bでは、露光領域C1〜F1の規格化強度は、55以上70以下の範囲に納まっていたことから、上述した主工程で求められた最適露光条件であるフォーカス値Y5・露光量X7により形成されたセグメントにおける露光領域C1〜F1の規格化強度が、55以上70以下の範囲にほぼ納まっているかどうかを確認することにより、露光条件出しの精度を高めることが可能となる。
【0088】
また、主工程で求められたフォーカス値Y5・露光量X7により形成されたセグメントにおける露光領域C1〜F1の規格化強度が、55以上70以下の範囲に納まっていた場合であっても、極端に狭い値の範囲、例えば60以上65以内や65以上70以内という狭い範囲に納まっているような場合には、露光領域C1〜F1に形成された凸部62と凹部66の実寸が、パターンC〜Fの遮光部分61と透過部分65の実寸とずれている可能性が大きくなる。
【0089】
このような状況を検出するために、準備工程に準拠すれば、下幅比率(Qb)を与えるパターンに基づく露光領域の規格化強度は50以上、より厳しくは50以上60以下であるとい制限を設け、この条件を満足しない場合には警報を発するように、露光条件出し装置80を構成することも好ましい。
【0090】
また、上幅比率(Qt)を与えるパターンに基づく露光領域の規格化強度は75以下、より厳しくは65以上75以下であるという制限を設け、この条件を満足しない場合にも警報を発するように露光条件出し装置80を構成すると、本発明に係る露光条件出しの精度をより高めることができ、好ましい。
【0091】
ところで、レジスト膜の形成やレジスト膜への露光処理、露光されたウエハWの現像処理や、露光条件出し装置80が正常に動作している場合には、以上に述べた主工程における露光条件出し方法によって、準備工程で定めた最適露光条件と同じ露光条件を求めることができる。しかし、例えば、露光条件出しのためにテストウエハに形成された露光条件の異なる複数のセグメントの中に、準備工程で決定された最適露光条件による現像パターンと同等の形状を有する現像パターンが検出されない事態も想定される。
【0092】
このような事態が生ずる原因としては、露光装置における光源や光学系の調整不具合、マスクの損傷等、露光装置における種々の故障が考えられ、一方、露光条件出し装置80の光源装置84やCCDカメラまたはラインセンサ87の不調や故障も考えられるので、逆に、本発明の露光条件出し方法の結果から、使用される露光装置および露光条件出し装置の点検を行って、その使用状態を良好に維持することも可能となる。このような事態が生じている場合にも、例えば、警報を発する等の対策を採ることができる。
【0093】
以上、本発明の露光条件出し装置および露光条件出し方法について説明してきたが、本発明の露光条件出し装置は、単体として使用することが可能であるばかりでなく、例えば、露光装置に併設させることが可能である。また、露光条件出し装置は、レジスト塗布・現像処理システムの内部に設けることも可能であり、現像処理後のウエハが露光条件出し装置に搬送され、自動で露光条件出しが行われるような構成とすることも可能である。
【0094】
例えば、図14は、露光条件出し装置80を備えたレジスト塗布・現像処理システム1を示す概略平面図、図15はその側面図である。このレジスト塗布・現像処理システム1は、搬送ステーションであるカセットステーション10と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11と、処理ステーション11に隣接して設けられる露光装置50との間でウエハWを受け渡すためのインターフェイス部12と、を具備している。
【0095】
カセットステーション10は、被処理体としてのウエハWを複数枚、例えば25枚単位でウエハカセットCRに搭載された状態で、他のシステムからレジスト塗布・現像処理システム1へ搬入し、またはレジスト塗布・現像処理システム1から他のシステムへ搬出する等、ウエハカセットCRと処理ステーション11との間でウエハWの搬送を行うためのものである。
【0096】
カセットステーション10においては、図14に示すように、載置台20上に図中X方向に沿って複数(図では4個)の位置決め突起20aが形成されており、この突起20aの位置にウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション11側に向けて一列に載置可能となっている。ウエハカセットCRにおいてはウエハWが垂直方向(Z方向)に配列されている。また、カセットステーション10は、載置台20と処理ステーション11との間に位置するウエハ搬送機構21を有している。
【0097】
ウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびその中のウエハWの配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用アーム21aを有しており、このウエハ搬送用アーム21aにより、いずれかのウエハカセットCRに対して選択的にアクセス可能となっている。また、ウエハ搬送用アーム21aは、図14中に示されるθ方向に回転可能に構成されており、後述する処理ステーション11側の第3の処理部Mに属するアライメントユニット(ALIM)およびエクステンションユニット(EXT)にもアクセスできるようになっている。
【0098】
一方、処理ステーション11は、ウエハWへ対して塗布・現像を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多段に配置されており、これらによりウエハWが1枚ずつ処理される。この処理ステーション11は、図14に示すように、中心部にウエハ搬送路22aを有しており、この中に主ウエハ搬送機構22が設けられ、ウエハ搬送路22aの周りに全ての処理ユニットが配置された構成となっている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理部に分かれており、各処理部は複数の処理ユニットが垂直方向(Z方向)に沿って多段に配置されている。
【0099】
主ウエハ搬送機構22は、筒状支持体49の内側に、ウエハ搬送装置46を上下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体49はモータ(図示せず)の回転駆動力によって回転可能となっており、それに伴ってウエハ搬送装置46も一体的に回転可能となっている。ウエハ搬送装置46は、搬送基台47の前後方向に移動自在な複数本の保持部材48を備え、これらの保持部材48によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現している。
【0100】
また、図14に示すように、この実施の形態においては、4個の処理部M・M・M・Mがウエハ搬送路22aの周囲に実際に配置されている。これらのうち、第1および第2の処理部M・Mはレジスト塗布・現像処理システム1正面(図14において手前)側に並列に配置され、第3の処理部Mはカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理部Mはインターフェイス部12に隣接して配置されている。
【0101】
レジスト塗布・現像処理システム1においては、図14に示されるように、ウエハ搬送路22aの周囲に実際に配置された4個の処理部M・M・M・Mに加えて、装置の背面部に第5の処理部Mが配置可能となっており、この第5の処理部Mの位置に、露光条件出し装置80が取り付けられた構造となっている。こうして、現像が終了したウエハWを、保持部材48を用いて露光条件出し装置80においてウエハWが載置されるX−Yテーブル(図示せず)との間で受け渡しすることが可能となっている。
【0102】
第5の処理部Mは、案内レール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ移動できるようになっており、従って、第5の処理部Mを設け、その場に露光条件出し装置80を配置した場合でも、これを案内レール25に沿ってスライドすることにより空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構22に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0103】
第1の処理部Mでは、コータカップ(CP)内でウエハWをスピンチャック(図示せず)に乗せて所定の処理を行う2台のスピナ型処理ユニットであるレジスト塗布ユニット(COT)およびレジストのパターンを現像する現像ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理部Mも同様に、2台のスピナ型処理ユニットとしてレジスト塗布ユニット(COT)および現像ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。
【0104】
第3の処理部Mにおいては、例えば、ウエハWを載置台SPに載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニットを多段に配置することができる。例えば、冷却処理を行うクーリングユニット(COL)、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、露光処理前や露光処理後、さらには現像処理後にウエハWに対して加熱処理を行うホットプレートユニット(HP)を順に重ねて配置することができる。
【0105】
第4の処理部Mも、オーブン型の処理ユニットを多段に重ねて構成される。例えば、クーリングユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエハ搬入出部であるエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、およびホットプレートユニット(HP)を重ねて配置することができる。
【0106】
インターフェイス部12は、奥行方向(X方向)については、処理ステーション11と同じ長さを有している。図14、図15に示すように、このインターフェイス部12の正面部には、可搬性のピックアップカセットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、背面部には周辺露光装置23が配置され、中央部にはウエハ搬送機構24が配置されている。このウエハ搬送機構24はウエハ搬送用アーム24aを有しており、このウエハ搬送用アーム24aは、X方向、Z方向に移動して両カセットCR・BRおよび周辺露光装置23にアクセス可能となっている。
【0107】
ウエハ搬送用アーム24aは、θ方向に回転可能であり、処理ステーション11の第4の処理部Mに配置されるエクステンションユニット(EXT)や、さらには隣接する露光装置50のウエハ受け渡し台(図示せず)にもアクセス可能となっている。また、露光条件出し装置80の配置位置は第5の処理部Mに限定されるものではなく、例えば、露光装置50内に、または露光装置50に隣接して配置することが可能であり、さらにレジスト塗布・現像処理システム1内に配置された各種のウエハ搬送機構によりウエハを搬送することができる場所であれば、どの部分に配置しても構わない。
【0108】
上述したレジスト塗布・現像処理システム1を用いた露光条件出しの工程においては、先ず、カセットステーション10において、ウエハ搬送機構21のウエハ搬送用アーム21aが載置台20上の未処理のウエハWを収容しているウエハカセットCRにアクセスして1枚のウエハW(テストウエハ)を取り出し、第3の処理部Mに配置されたエクステンションユニット(EXT)に搬送する。
【0109】
ウエハWは、このエクステンションユニット(EXT)から、主ウエハ搬送機構22のウエハ搬送装置46により処理ステーション11に搬入される。そして、第3の処理部Mに配置されたアライメントユニット(ALIM)によりアライメントされた後、アドヒージョン処理ユニット(AD)に搬送され、そこでレジストの定着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)が施される。この処理は加熱を伴うため、その後ウエハWは、ウエハ搬送装置46によりクーリングユニット(COL)に搬送されて冷却される。
【0110】
なお、使用されるレジストの種類によっては、このHMDS処理を行わずに、直接にウエハWをレジスト塗布ユニット(COT)に搬送する場合がある。例えば、ポリイミド系レジストを用いる場合が挙げられる。
【0111】
アドヒージョン処理ユニット(AD)での処理が終了し、クーリングユニット(COL)で冷却されたウエハWまたはアドヒージョン処理ユニット(AD)での処理を行わないウエハWは、引き続き、ウエハ搬送装置46によりレジスト塗布ユニット(COT)に搬送され、そこでレジストが塗布され、塗布膜が形成される。塗布処理終了後、ウエハWは、第3または第4の処理部M・Mのいずれかに配置されたホットプレートユニット(HP)内でプリベーク処理され、その後いずれかのクーリングユニット(COL)にて冷却される。
【0112】
冷却されたウエハWは、第3の処理部Mに配置されたアライメントユニット(ALIM)に搬送され、そこでアライメントされた後、第4の処理部Mに配置されたエクステンションユニット(EXT)を介してインターフェイス部12に搬送される。
【0113】
インターフェイス部12では、周辺露光装置23により周辺露光されて余分なレジストが除去された後、インターフェイス部12に隣接して設けられた露光装置50により、前述したテストパターン60を用いて、ウエハWのレジスト膜に最適露光条件を決定するためのテスト露光処理が施される。
【0114】
露光後のウエハWは、再びインターフェイス部12に戻され、ウエハ搬送機構24により、第4の処理部Mに配置されたエクステンションユニット(EXT)に搬送される。そして、ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、ホットプレートユニット(HP)に搬送されて、ポストエクスポージャーベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により冷却される。
【0115】
その後、ウエハWは現像ユニット(DEV)に搬送され、そこで露光パターンの現像が行われる。現像終了後、ウエハWはいずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により冷却される。このような一連の処理が終了した後、ウエハWは第5の処理部Mに配置された露光条件出し装置80に搬送され、そこで反射光強度の測定に基づく最適露光条件の決定が行われ、その結果が露光装置50にフィードバックされて露光装置50の動作条件が再設定され、製品たるウエハWの処理が開始される。
【0116】
なお、テストウエハは、第3の処理部Mに配置されたエクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に戻され、いずれかのウエハカセットCRに収容される。
【0117】
このようなレジスト塗布・現像処理システム1を用いれば、製品の処理の途中に、適宜、テストウエハをレジスト塗布・現像処理システム1内に搬送して、適宜、露光条件の更正やレジスト塗布・現像処理システム1の故障診断を行うことが可能である。
【0118】
また、上述した露光条件出し方法を用いれば、例えば、製品としてのウエハWに形成される現像パターンの特定範囲について、良好な形状に現像パターンが形成されたものについて反射光強度の測定とその規格化を行って得られた規格化強度を基準値とし、逐次処理されるウエハWについてその特定範囲について反射光強度の測定を行い、その結果を予め定めた基準値と比較することにより、全てのウエハWについて現像パターンの形成状態を確認しながら、処理を行うという処理方法も可能となる。このような露光条件出し方法を用いれば、製品の品質管理をより徹底して行うことが可能となり、信頼性が向上する。
【0119】
以上、本発明について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、露光条件出しに用いたテストパターン60においては、パターンA〜Gの7段階で遮光部分61と透過部分65の幅比率P・Qを変化させたが、より多段階にパターンを形成することにより、さらに露光条件出しの精度を向上させることが可能となる。
【0120】
テストパターン60では、パターンA〜Gは、遮光部分61と透過部分65が0.5μmの一定幅Nの範囲で形成されていたが、一定幅Nはこのような値に限定されるものではない。さらに、例えば、遮光部分61と透過部分65の幅比率P・Qが同じで、一定幅Nが異なる2通りのパターンを並べて形成し、ある露光条件で得られる露光領域の現像パターンの形態をさらに細かく限定することも可能である。
【0121】
また、図3に示した線状のテストパターン60に代えて、図4(a)・(b)の各図に示した柱状、穴状のテストパターン60a・60bを用いることができる。さらに、これらのテストパターン60・60a・60bは、遮光部分61と透過部分65との境界を直線を用いて形成したパターンであるが、遮光部分61と透過部分65との境界は曲線を用いて形成してもよい。例えば、図4(b)に示される透過部分65の形状を正方形に代えて円形等とすることができる。
【0122】
露光条件出し装置80においては、複数の光源を具備するものを用いることも好ましい。例えば、波長領域が異なる複数の狭帯域波長光源を具備する光源を用いて、テストパターンに形成された透過部分の幅等の実際の寸法等に応じて、複数の狭帯域波長光源の中から適切な1の狭帯域波長光源を選択して用いることで、ウエハに形成された現像パターンの形状をより忠実に反映した反射光強度に関する情報を得ることができる。例えば、テストパターンに形成された透過部分の幅が狭い場合には、この透過部分を透過できるように波長の短い光を用いる。複数の狭帯域波長光源を具備する光源を具備する露光条件出し装置を用いた場合には、多層膜に対する反射光強度の測定をより正確に行うことが可能となるという利点もある。
【0123】
露光条件出し装置80は、決定された露光条件を露光装置50にフィードバックして露光装置50における露光条件を最適条件に変更するように用いることができるのみならず、レジスト塗布ユニット(COT)や現像ユニット(DEV)における処理条件を変更するように用いることも可能である。
【0124】
図16は、露光条件出し装置80を用いてレジスト塗布ユニット(COT)と現像ユニット(DEV)の処理条件を変更するシステムの構成を示す説明図である。例えば、露光装置50における露光条件が固定されているときに得られる現像パターンが、露光条件を変更することなく、最適露光条件によって形成される現像パターンと同等となるように、露光条件出し装置80は、現像ユニット制御装置98に、現像処理時間を変更したり、または現像液の温度を変更する等の指令を送り、現像ユニット制御装置98はこの指令に従って、現像処理時間等を変更する。
【0125】
また、露光条件出し装置80は、レジスト塗布ユニット制御装置99に、レジスト液をウエハ全体に拡げるためのウエハの回転数の変更やレジスト液の温度変更等の指令を送り、レジスト塗布ユニット制御装置99はこの指令に従って、ウエハの回転数等を変更する。こうして、ウエハに良好な現像パターンを形成することが可能となる。上記説明では基板として半導体ウエハを用いた露光条件出しについて説明したが、例えば、LCD基板の露光条件出しにも、本発明を有効に用いることができる。
【0126】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、従来はSEM観察結果から人間の判断により行われていた露光条件出しを、反射光強度を用いて自動で行うことが可能となるため、工数を削減して生産効率を向上させることが可能となるという顕著な効果が得られる。また、例えば、従来の1日〜1週間に1回といった露光条件出しに加えて、数時間間隔といった所定のタイミングで露光条件のチェックを行うことが容易となり、製品の品質を高く保持することが可能となる効果も得られる。
【0127】
さらに、露光条件出しにおいて得られる反射光強度が事前データからかけ離れている場合には、露光装置や一連の処理を行うレジスト塗布・現像処理システムの故障または露光条件出し装置に故障が生じていることが示唆されるため、反射光強度を測定することで、これら各種装置の故障を早期に発見して対処することが可能となる。さらにまた、露光条件出し装置は、レジスト塗布や現像処理を行う処理部と同一の箱体内に配置したり、露光装置内に配置することができる。こうしてレジスト塗布処理等と並行してリアルタイムでの現像パターンの形成状態の監視を行うことが可能となるため、製品の品質を高く保つことができる。検出される反射光強度と基準データとの差が大きい場合等に警報を発する構成としておけば、いち早く装置の故障を発見することが可能となり、無駄に処理する基板の数が低減される効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る露光条件出し装置を用いた露光条件出しの工程の一実施形態を示す説明図(フローチャート)。
【図2】 列方向でフォーカス値を変え、行方向で露光量を変えた格子状マトリックスおよびセグメントを示す説明図。
【図3】 露光に用いるマスク上のテストパターンの一実施形態を示す平面図。
【図4】 露光に用いるマスク上のテストパターンの別の実施形態を示す平面図。
【図5】 テストパターンの透過部分および遮光部分と、得られる反射光強度の信号レベルとの関係および、その際のテストパターンに対応する現像パターンを示す説明図。
【図6】露光量が適切な値である場合にフォーカス値を変化させることで得られる現像パターンを示す説明図。
【図7】フォーカス値が適切な値である場合に露光量を変化させることで得られる現像パターンを示す説明図。
【図8】図6・図7に示したセグメント90bを示す説明図。
【図9】規格化強度の値とテストパターンにおけるパターンA〜Gの透過部分の幅比率との関連付けを示す説明図。
【図10】各露光条件において求められた下幅比率と上幅比率およびその差をマトリックス状に示した説明図。
【図11】本発明の露光条件出し装置の構成の一実施形態を示す説明図。
【図12】露光条件の一部について下幅比率と上幅比率およびその差を求めたマトリックスを示す説明図。
【図13】露光条件の一部について下幅比率と上幅比率およびその差を求めたマトリックスを示す別の説明図。
【図14】本発明の露光条件出し装置を具備するレジスト塗布・現像処理システムの一実施形態を示す平面図。
【図15】図14に示したレジスト塗布・現像処理システムの側面図。
【図16】本発明の露光条件出し装置によるレジスト塗布・現像処理システムの制御構成を示す説明図。
【符号の説明】
1;レジスト塗布・現像処理システム
61;遮光部分
62;凸部
65;透過部分
66;凹部
80;露光条件出し装置
81;光照射部
82;検出部
83;演算処理部
84;光源装置
85;光ファイバ
86;光路調整部
87;CCDカメラまたはラインセンサ
88;エレキボード

Claims (8)

  1. フォトリソグラフィー工程における露光条件出し方法であって、
    所定パターンが形成されたマスクを用いて前記所定パターンで基板の異なる複数の位置を異なる露光量とフォーカス値で露光する第1準備工程と、
    前記基板を現像して基準現像パターンを形成する第2準備工程と、
    前記基準現像パターンをSEM観察して前記基準現像パターンの形状情報を得る第3準備工程と、
    前記基準現像パターンの所定範囲に一定強さの光を照射してその反射光強度を測定する第4準備工程と、
    前記形状情報と前記第4準備工程で得られた反射光強度とを関連付けした基準データを作成する第5準備工程と、
    を有する準備工程と、
    前記第1準備工程と前記第2準備工程と同様の工程にしたがって基板に所定の現像パターンを形成する第1工程と、
    前記現像パターンの所定範囲に一定強さの光を照射してその反射光強度を測定する第2工程と、
    前記第2工程で得られた反射光強度を前記基準データと照合することによって前記第1工程における露光量とフォーカス値の組合せの中から最適露光量と最適フォーカス値を決定する第3工程と、
    を有する主工程と、
    からなり、
    前記所定パターンは、線状および/または柱状および/または穴状の透過部分と遮光部分との一定幅内における幅比率が異なる複数の領域を有し、
    前記第3準備工程においては、前記透過部分に基づく露光部分と前記遮光部分に基づく非露光部分との解像が前記SEM観察によって可能と判断される露光領域に対応する前記所定パターンにおける前記透過部分の幅比率の上下限値の組合せを露光条件ごとに1組の幅比率として記録し、
    前記第4準備工程においては、前記露光部分と前記非露光部分との解像が不可能と判断される露光領域の反射光強度の上下限値を各露光条件について記録し、
    前記第5準備工程においては、露光条件ごとに前記反射光強度の上下限値間の範囲の反射光強度を有する露光領域が前記1組の幅比率の上下限値を与える露光領域と一致するように前記反射光強度の上下限値と前記1組の幅比率の上下限値とを組み合わせることを特徴とする露光条件出し方法。
  2. 前記1組の幅比率として、前記透過部分の幅比率に代えて前記遮光部分の幅比率を用いることを特徴とする請求項1に記載の露光条件出し方法。
  3. 前記第3準備工程では、SEM観察による最適露光条件を決定し、
    前記第4準備工程では、前記第3準備工程で決定された最適露光条件によって露光された露光領域の反射光強度の測定を行い、
    前記第5準備工程では、前記第4準備工程で得られた反射光強度の値から最適露光条件における1組の幅比率を決定し、
    前記第2工程では、前記第3準備工程で決定された最適露光条件および前記最適露光条件に近い数種の露光条件と同じ露光条件によって露光された露光領域について反射光強度の測定を行い、
    前記第3工程では、前記第2工程で測定された反射光強度の値から各露光条件について1組の幅比率を求め、かつ、前記最適露光条件における1組の幅比率と同じかまたは近接する1組の幅比率が得られた露光条件を暫定露光条件として、前記最適露光条件を示す1組の幅比率が得られるまで、前記暫定露光条件に近い露光条件によって露光された露光領域についての反射光強度の測定と測定された反射光強度の値に基づく1組の幅比率の決定および暫定露光条件の更新を繰り返して露光条件を絞り込むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の露光条件出し方法。
  4. 前記第4準備工程および前記第2工程においては、各露光条件について各幅比率に対応する露光領域の反射光強度を測定し、
    前記第3工程においては、前記第2工程で得られた反射光強度を前記第4準備工程で得られた反射光強度の上下限値と比較することにより、前記各露光条件における1組の幅比率を決定し、前記1組の幅比率が最適露光量および最適フォーカス値を示す予め決定された1組の幅比率と一致または近接する露光条件を最適露光条件として決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の露光条件出し方法。
  5. 前記第2工程における反射光強度の測定は、従前に決定された最適露光条件における露光量およびフォーカス値に近い露光量およびフォーカス値を組み合わせた1以上30以下の露光条件によって形成された各現像パターンに対して行うことを特徴とする請求項4に記載の露光条件出し方法。
  6. 前記第3準備工程におけるSEM観察の結果により決定された最適露光条件について、前記第4準備工程により得られる露光部分と非露光部分との解像が可能と判断される露光領域の反射光強度の上下限値を警報値として設定し、
    前記第3工程により決定された最適露光条件における、露光部分と非露光部分との解像が可能と判断される露光領域の反射光強度の範囲が、前記警報値の範囲から外れたときに警報を発することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の露光条件出し方法。
  7. 前記現像パターンに照射する光の光源として狭帯域波長光源を用いることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の露光条件出し方法。
  8. 前記現像パターンに照射する光の光源として波長領域の異なる複数の狭帯域波長光源を用い、前記所定パターンに応じて前記複数の狭帯域波長光源の中から適切な1の狭帯域波長光源を選択して用いることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の露光条件出し方法。
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