JP3775368B2 - 電動フェーダ駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、ディジタルミキサ等における電動フェーダを駆動する駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルミキサは、レコーディング時において複数チャンネルのライン入力についてレベル調整、周波数イコライジング、残響付加のエフェクト付与等を行なうのに利用されている。コンピュータ制御のディジタルミキサでは、ユーザが操作した電動フェーダの設定位置をメモリに記憶しておき、後に必要に応じてシーンをリコールした際に、電動フェーダをそのシーンでのフェーダ位置になるよう駆動して、そのシーンを再現する機能(シーンリコール機能)や、MIDI信号によって外部のパソコン等から電動フェーダを駆動することにより、電動フェーダの設定位置をリアルタイム操作する機能を持たせたものがある。さらに、オートミックス再生時に、再生タイミングで再生されたフェーダ移動イベントに応じて電動フェーダを駆動するようにしたものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような電動フェーダは、目標位置指令が与えられると、現在位置を検出して、目標位置との差に応じてモータを駆動することにより、目標位置まで電動フェーダを移動させるようにしている。電動フェーダは、目標とする位置にスムーズかつ正確に移動することが要求される。この場合、目標とする位置にオーバーシュートすることなく停止させるためには、動作スピードを比較的低速にする必要があり、これはモータを比較的低い駆動電力で駆動することで実現される。ところが、モータを低い電力で駆動すると、電動フェーダの動作特性のばらつきや経年変化により、十分な駆動トルクが得られない場合があり、目標位置に到達する手前で停止してしまうことがある。このような動作特性のばらつきや経年変化の影響を防止するには、駆動電力をやや高めに設定しなければならず、このためオーバーシュートが発生するおそれが生じることになる。
【0004】
これを解決するために、電動フェーダの現在位置と目標位置との間の距離に応じて、駆動力を制御することが行われている(例えば、特許文献1参照)。この場合、電動フェーダごとの動作特性を事前に計測し、各電動フェーダの駆動特性を個別に制御することにより、電動フェーダの動作特性にばらつきがあっても、安定した駆動動作ができるようにしている。しかしながら、このような駆動制御では、電動フェーダの動作特性を事前に計測する必要があり、動作特性を計測することを目的とした専用の駆動を行なわなければならないという問題点があった。また、軽い電動フェーダの場合、駆動電力を印加した際に電動フェーダが急に移動を開始し、電動フェーダの動き出しが滑らかにならないという問題点もあった。さらに、一度、電動フェーダ動作にオーバシュートが発生してしまうと、電動フェーダが振動(ハンチング)して目標位置に停止するまで長時間かかるという問題点もあった。さらにまた、電動フェーダの現在位置と目標位置(目標範囲)との距離に応じて駆動力を制御した場合に、電動フェーダが重い場合は、その目標位置の境界で停止してしまう場合があった。その場合、位置検出の誤差により目標位置に到達したか否かの判定が判定を行うたびに変化し、駆動終了がいつまでたっても検出されないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、電動フェーダの動作特性にばらつきがあっても電動フェーダの動作特性を事前に計測することなく、電動フェーダを滑らかに移動させたり、滑らかに動き出させることができる電動フェーダ駆動装置を提供することを第1の目的としている。また、本発明は、オーバシュートが生じてもすぐに駆動終了することができる電動フェーダ駆動装置を提供することを第2の目的としている。
【0006】
【特許文献1】
特許第2684808号
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明の電動フェーダ駆動装置は、電動フェーダに駆動力をかけ、目標位置に向けて移動させる駆動手段と、前記駆動手段による駆動により前記電動フェーダが目標位置に到達する際の、前記電動フェーダの到達時間を計測する計測手段と、該計測手段により計測された到達時間に基づく学習を行い、学習値を発生する学習手段と、該学習手段により発生された学習値に基づいて、前記駆動手段によ前記電動フェーダにかけられる駆動力の少なくとも立ち上がりを制御する制御手段とを備え、前記学習手段は、前記到達時間があらかじめ設定されている到達時間より長い場合に、前記駆動力の立ち上がりを速くする第1の学習値を発生するようにしている。
【0008】
また、上記本発明の電動フェーダ駆動装置において、前記電動フェーダの駆動を補正できるように駆動力を立ち上げる速さの異なるパターン波形であって、前記駆動力を徐々に立ち上げるよう制御するパターン波形が複数種類用意されており、前記制御手段は駆動に使用する前記パターン波形の種類を変更することにより、前記電動フェーダの前記駆動力の立ち上がりを制御するようにしてもよい。
さらに、上記本発明の電動フェーダ駆動装置において、さらに、前記電動フェーダの前記目標位置までの距離を検出する距離検出手段と、前記電動フェーダの移動速度を検出する速度検出手段を備え、前記制御手段は、さらに、該速度検出手段により検出された移動速度が、該距離検出手段により検出された距離に応じた所定の移動速度を超えないよう、前記駆動手段により前記電動フェーダにかけられる前記駆動力の立ち上がりを制御するようにしてもよい。
【0009】
さらにまた、上記本発明の電動フェーダ駆動装置において、さらに、前記電動フェーダのオーバーシュートを検出するオーバーシュート検出手段を備え、前記学習手段は、さらに、前記オーバーシュート検出手段により検出されたオーバーシュートに基づく学習を行い、オーバーシュートが生じた際に、前記駆動力の立ち上がりを遅くする前記第1の学習値を発生するとともに、目標値への到達の判定基準となる閾値を広げる第2の学習値を発生するようにしてもよい。
【0010】
次に、上記第2の目的を達成することのできる本発明の電動フェーダ駆動装置は、電動フェーダに駆動力をかけ、目標位置に向けて移動させる駆動手段と、前記駆動手段による駆動により前記電動フェーダが目標位置に到達する際の、前記電動フェーダの到達時間を計測する計測手段と、前記電動フェーダの前記目標位置までの距離を検出する距離検出手段と、前記電動フェーダの移動速度を検出する速度検出手段と、前記電動フェーダの操作位置が目標位置に到達したことを検出する到達検出手段と、該計測手段により検出された到達時間が所定の基準時間より長い場合に、前記駆動手段により前記電動フェーダにかけられる前記駆動力の立ち上がりを速くするとともに、該速度検出手段により検出された移動速度が、該距離検出手段により検出された距離に応じた所定の移動速度を超えないよう、前記駆動手段により前記電動フェーダにかけられる前記駆動力の立ち上がりを制御し、さらに、該到達検出手段により到達が検出されたら該駆動力を停止させる制御手段と、該検出手段において検出された情報を利用して、前記電動フェーダの動作にオーバシュートが生じたことを検出するオーバシュート検出手段と、該オーバシュート検出手段によりオーバシュートが検出された際に、前記到達検出手段における目標位置に到達したことを検出するための閾値を広げるように制御する制御手段とを備えるようにしている。
【0011】
また、上記本発明の電動フェーダ駆動装置において、前記検出手段により検出された目標位置に達した回数の割合が所定割合を超えた際に、前記電動フェーダの操作位置が目標位置に到達したと前記制御手段が判断して、前記駆動手段による駆動を終了するようにしてもよい。
さらに、上記本発明の電動フェーダ駆動装置において、前記オーバシュート検出手段によりオーバシュートが検出されない場合は、広げられた前記閾値を標準の閾値に向かって次第に戻すよう制御するようにしてもよい。
【0012】
このような本発明によれば、電動フェーダが目標位置に達する際の動作特性を動作中に計測し、その動作特性に応じて駆動を補正するようにしたので、電動フェーダにバラツキがあっても迅速に移動させることができるようになる。また、デューティ比が次第に大きくなるパターン波形により、電動フェーダを駆動することにより電動フェーダの動き出しを滑らかにすることができる。さらに、電動フェーダの移動速度が所定の速度を超えた際には、駆動を停止することにより軽い電動フェーダであってもオーバシュートすることを極力防止することができる。
また、電動フェーダの動作にオーバシュートが生じた際には、目標位置に到達したことを検出するための閾値を広げるように制御したので、すぐに目標位置に到達したことが検出されて、電動フェーダの振動が防止される。この広げられた閾値は、オーバシュートが生じていない際に次第に収束させることができる。さらに、目標位置に達した回数の割合が所定割合を超えた際に、駆動を終了することによりオーバシュートが生じてもすぐに駆動を終了することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかる電動フェーダ駆動装置の構成の一例を図1に示す。ただし、図1に示す構成は本発明の電動フェーダ駆動装置をディジタルミキサに適用した際の構成とされている。
ディジタルミキサにおいては電動フェーダは複数個設けられているが、図1においては、その1つの電動フェーダ5だけが示されている。図1において、電動フェーダ5はスライド式の可変抵抗器で構成され、モータ駆動あるいは手動により上下に操作可能とされている。そして、電動フェーダ5をモータ駆動による操作あるいは摘み5aを保持して手動操作することにより、入力される音楽データのレベル等を調整して出力することができる。フェーダ位置制御手段1は、ディジタルミキサの一部のブロックを構成しており、ディジタルミキサのメインCPU(Central Processing Unit)1aの制御の基で、電動フェーダ5の目標位置を指示するデータ、リリースを指示するデータ等を生成している。フェーダ位置制御手段1により生成されたこれらの目標位置情報は、フェーダ位置制御手段1に送られる。このように、フェーダ位置制御手段1はモータ制御手段2にこれらの目標位置情報を供給して、電動フェーダ5におけるフェーダ位置の制御を行うようにしている。
【0014】
フェーダ位置制御手段1により電動フェーダ5がフェーダ位置制御される1つの場合は、シーンを再現するシーンリコールが行われた場合である。この場合、ディジタルミキサに保存された各シーンには、それぞれフェーダ位置のデータが含まれている。そして、1つのシーンが選択されリコールされたとき、そのシーンにおける当該フェーダの位置データに対応する目標位置情報がフェーダ位置制御手段1で生成される。また、シーンの切り換え時、どのくらいの速さで新しいシーンのフェーダ位置へ移動するかを制御する移行レートのパラメータがある。最大レート以外の移行レートが設定された場合、メインCPU1aの制御の基でフェーダ位置制御手段1は、位置データの示す最終的な目標位置までの間に複数の目標位置を設定し、移行レートに応じたタイミングでモータ制御手段2に対し目標位置情報を順次供給する。
【0015】
また、MIDI信号によって外部のパソコン等からディジタルミキサに電動フェーダ5の制御信号を送り、電動フェーダ5の設定位置をリアルタイム操作する場合もフェーダ位置制御手段1により電動フェーダ5がフェーダ位置制御される。この場合、所定のMIDIイベント(コントロールチェンジ)に、フェーダ移動の指示が割り当てられており、このイベントの受信に応じて、フェーダ位置制御手段1から目標位置情報がモータ制御手段2に供給されるようになる。
さらに、オートミックス再生時における場合も、再生タイミングで再生されたフェーダ移動イベントに応じ、フェーダ位置制御手段1により電動フェーダ5がフェーダ位置制御される。なお、オートミックスデータには、シーンのリコール操作のイベントやフェーダ操作のイベントが、その操作のあった時刻を示すタイムスタンプを付与されて、シーケンスとして記録されている。そして、オートミックスデータの再生時にフェーダ操作のイベントが再生された際に、そのイベントに対応する目標位置情報がフェーダ位置制御手段1からモータ制御手段2に供給される。
【0016】
このように電動フェーダ5をモータ駆動する際には、メインCPU1aの制御の基でフェーダ位置制御手段1からモータ制御手段2に、電動フェーダ5の目標位置情報が供給される。目標位置情報を受けたモータ制御手段2は、位置検出手段6により検出された電動フェーダ5の現在位置と、供給された目標位置との差を算出し、動作中に学習された電動フェーダ5の動作特性と算出された差の符号に応じて、電動フェーダ5のモータ駆動を行うように駆動部4に駆動情報を通知する。駆動部4は通知された駆動情報に応じて電動フェーダ5のモータ駆動部を駆動する。電動フェーダ5がモータ駆動されると駆動に伴い摘み5aが目標位置方向に移動していく。移動中における電動フェーダ5の現在位置情報は位置検出手段6により検出され、モータ制御手段2に通知される。
【0017】
モータ制御手段2においては動作中において電動フェーダ5の動作特性を検出している。この動作特性は、電動フェーダ5が目標位置に到達するまでの到達時間と、電動フェーダ5の動作におけるオーバシュートである。すなわち、モータ制御手段2においては、電動フェーダ5が目標位置に到達するまでの到達時間を計測していると共に、電動フェーダ5の動作においてオーバシュートが生じたかを検出している。ここで、モータ制御手段2は位置検出手段6から通知される現在位置情報を利用して電動フェーダ5が目標位置に到達するまでの到達時間をタイマ3における時間カウンタのカウント値を用いることにより計測している。この場合、電動フェーダ5の動作が重く電動フェーダ5が目標位置に到達するまでの到達時間が、あらかじめ設定されている基準時間より長い場合は、電動フェーダ5の移動速度が増速されるようにモータ制御手段2は駆動部4の駆動電力を補正制御している。これにより、電動フェーダ5の動作が重い場合であっても滑らかに移動させることができるようになる。
【0018】
また、モータ制御手段2は位置検出手段6から通知される現在位置と目標位置との差、および、当該差の符号の変化を利用して電動フェーダ5の動作においてオーバシュートが生じたかを検出している。この場合、電動フェーダ5の動作が軽かったり駆動電力が大きかったりして、オーバシュートが生じると、目標位置に到達したことを判定するモータ制御手段2における閾値を広げるようにしている。さらに、電動フェーダ5の移動速度を減速するようにモータ制御手段2は駆動部4の駆動電力を補正制御する。これにより、電動フェーダ5の動作が軽い場合はオーバシュートがすぐに収まるようになり、電動フェーダ5の動作が重い場合は広げられた閾値の範囲内において目標位置に到達したとすぐに検出できるようになる。なお、本発明にかかる電動フェーダ駆動装置は、モータ制御手段2における割込タイミングに達した際にタイマ3から出力される割込信号を受けて、後述するフェーダ位置制御処理をCPU2aが所定タイミング毎に行うようにしていることから、目標位置の境界に停止した際には目標位置到達の判定において、達したという判定と達していないという判定のいずれかがタイミングに応じて変動して行われるようになる。そこで、全体の判定回数に対する達したという判定回数の割合が、予め定められた割合を超えた際に目標位置に到達したと判定するようにしている。これにより、電動フェーダ5が重く目標位置の境界で止まった際にも目標位置に達したと判定されることから、駆動がいつまでも続くことを防止することができる。
【0019】
なお、駆動部4においては電動フェーダ5の動き出しが滑らかになるように制御関数が用意され、この制御関数に基づいて駆動開始している。制御関数の具体例であるパターン波形の一例を図3に示す。
図3に示すパターン波形は、Rランク=0のパターン波形で示すように次第にデューティ比が大きくなるパルス波形とされている。このように次第にデューティ比が大きくなるパターン波形により電動フェーダ5を駆動すると、駆動電力が次第に大きくなるため電動フェーダ5の動きだしを滑らかにすることができるようになる。なお、Rランクは、それまで駆動電力が供給されていなかった電動フェーダ5に新たに駆動電力を供給し始める際の駆動電力について、その駆動電力の立ち上がり速度を異ならせるランクと定義されている。このRランクの数値が大きくなるほど駆動電力の供給開始時の駆動力の立ち上がりが速くなり、電動フェーダ5がより短時間で加速される。すなわち、Rランクの数値が大きくなるほど、パターン波形の開始位置におけるパルスのデューティ比が大きくなるようにされている。すなわち、駆動オン時点(駆動電力の供給開始時点)において図示するRランクに対応したランク開始パターン波形位置に示す数値の矢印で示す位置から右向きに、該当するRランクのパターン波形がRランク=5,Rランク=9で例示されるように再生開始される。なお、図3に示すRランク=0のパターン波形(「0」と「1」の何れかの値をとるサンプルのサンプル列)が駆動部42に内蔵されているメモリ内に記憶されており、Rランクに応じた読出開始位置から駆動がオンされた時点からの経過時間に応じて、該当するパターン波形のサンプル値が順次読み出されてパターン波形が再生され、駆動部4は再生されたパターン波形に応じた電圧で電動フェーダを駆動するようにしている。
【0020】
上述したRランクの数値を変更して電動フェーダ5を駆動することにより、電動フェーダ5の加速の立ち上がりを変更できることを利用して、電動フェーダ5のバラツキに応じた駆動制御を行うことができる。すなわち、電動フェーダ5の動作が重く電動フェーダ5が目標位置に到達するまでの到達時間が、あらかじめ設定されている基準時間より長い場合に、モータ制御手段2はRランクを上げて電動フェーダ5の加速の立ち上がりが速くなるように補正制御することができる。また、電動フェーダ5の動作においてオーバシュートが生じた際には、モータ制御手段2はオーバシュートが収まるようにRランクを下げて電動フェーダ5の加速の立ち上がりが遅くなるように補正制御することができる。なお、Rランクは電動フェーダ5を動作させているときに学習された電動フェーダ5の動作特性に応じて設定され、Rランクは、モータ制御手段2に内蔵されているバッテリでバックアップされたメモリあるいは不揮発性メモリに格納されている。また、図3に示すtは駆動がオンされてからの経過時間である。
【0021】
ここで、駆動部4の構成を図2に示す。駆動部4はモータ制御手段2から供給されるRランク指定情報で指定されたRランクのパターン波形を、駆動がオンされてからの時間tに応じて読み出してパターン波形を発生するパターン波形発生部41を有している。このパターン波形発生部41により発生されたパターン波形はアンドゲート42の一方へ入力され、アンドゲート42の他方の入力にはモータ制御手段2から供給される駆動のオン・オフ信号が供給される。ここで、モータ制御手段2は電動フェーダ5を駆動する際にはオン信号を発生し、これにより、アンドゲート42はパターン波形発生部41により発生されたパターン波形を出力して、ドライブ回路43に供給する。ドライブ回路43は、電動フェーダ5のモータを駆動できる駆動電力を出力する回路であり、モータ制御手段2から供給される方向指定情報に応じて電流(電圧)方向を変更してモータ駆動信号として出力している。
【0022】
ところで、本発明においては電動フェーダ5の動作にオーバシュートが生じた際には、目標位置に到達したことを判定するモータ制御手段2における閾値が広げられる。この閾値を制御する態様を図4に示す。図4において縦軸は閾値THを示し、モータ制御手段2が目標位置に到達したことを判定する際の標準閾値がTHsとして図示されている。また、横軸は閾値THを設定するTランクの数値を示している。ここで、オーバシュートが生じた際には、Tランクが例えば100アップされる。すると、それまでTランクが0で閾値が標準閾値THsであった場合は、Tランクが100となり閾値は閾値TH2まで広げられる。また、それまでTランクが100で閾値が閾値TH2であった場合は、Tランクが200となり閾値は閾値TH3まで広げられる。これにより、オーバシュートを収めることができるようになる。また、電動フェーダ5の動作が重い場合は広げられた閾値の範囲内において目標位置に到達したとすぐに検出できるようになる。このように広げられた閾値は、オーバシュートが生じない場合にTランクを、例えば1ずつデクリメントすることにより標準閾値THsに向かって戻すようにしている。このように、Tランクは電動フェーダ5を動作させているときに学習された電動フェーダ5の動作特性に応じて設定され、Tランクは、モータ制御手段2に内蔵されているバッテリでバックアップされたメモリあるいは不揮発性メモリに格納される。
【0023】
次に、CPU2aが実行する所定間隔割込処理のフローチャートを図5に示す。この所定間隔割込処理で実行される処理は、フェーダ位置制御処理である。このフローチャートにおいて使用されている記号が示すパラメータは次の通りである。
CP:フェーダ5の現在位置(位置検出手段6の出力)
OP:フェーダ5の前回位置
MP:目標位置(外部(フェーダ位置制御手段1)から与えられる)
SP:フェーダ5の現在の移動速度
D:目標位置と現在位置との差分の絶対値とされる距離
CS:該差分の現在符号
OS:該差分の前回符号
R:Rランク(目標位置までの到達時間に基づくランク)
T:Tランク(オーバーシュートの検出に基づくランク)
SL(D):(距離Dに応じた)フェーダ速度のリミット値
TH(T):(Tランクに応じた)目標位置到達の判定閾値
CNT:目標位置までの時間計測用カウンタ
CU:カウンタCNTのカウントアップ回数
RT:カウンタCNTのカウントアップの判定基準値(定数)
EF:エンドフラグ(目標位置への移動が終了したことを示す)
t:電動フェーダ5の駆動がオンされてからの割込処理回数
なお、上記した各記号が示すパラメータは対応する各レジスタに格納あるいはカウンタ値とされることから、以下の説明では上記した各記号を、各パラメータを格納しているレジスタあるいはカウンタ値としても示すものとする。
【0024】
タイマ3から所定間隔毎に出力される割込信号により、所定間隔割込処理が起動されステップS10にて前回の処理で現在位置レジスタCPに格納されたフェーダ5の現在位置情報を前回位置レジスタOPに格納すると共に、位置検出手段6が出力しているフェーダ5の現在位置情報を現在位置レジスタCPに格納する。次いで、ステップS11にて目標位置が変化したか否かが判断される。ここで、フェーダ位置制御手段1から新たな目標位置情報が供給された場合は、YESと判断されてステップS15に分岐し新しい目標位置が目標位置レジスタMPに格納される。そして、ステップS16にて現在位置CPから前回位置OPを差し引くことにより、電動フェーダ5の現在移動速度を算出し移動速度レジスタSPに格納する。さらに、目標位置MPと現在位置CPとの差分の絶対値を算出して距離レジスタDに格納し、目標位置MPと現在位置CPとの差分とされる距離Dの符号を現在符号レジスタCSおよび前回符号レジスタOSに格納し、カウンタ値CU、エンドフラグEFおよびカウンタ値tに”0”をセットする。
【0025】
次いで、ステップS17にてパターン波形発生部41が設定されているRランクおよびカウンタ値tに対応したパターン波形のサンプル値をメモリから読み出してパターン波形を発生する。具体的には、CPU2aの制御に応じて、パターン波形発生部41は、カウンタ値tに基づいて、ランクRに応じた開始位置SP(R)から始まるパターン波形PWのサンプル値PW(SP(R)+t)を読み出し再生する。ステップS18ではこのパターン波形により、現在符号CSに応じたドライブ方向で駆動するよう設定されて、電動フェーダ5の駆動がオンされる。ここで、駆動がオンされたことから時間計測用カウンタCNTを初期リセットしてそのカウントを開始させる。
【0026】
ステップS11に戻り、目標位置が変化していないと判断された場合は、ステップS12に進む。この場合、前回実行された処理により電動フェーダ5が駆動されて移動していることから、ステップS12にて現在位置CPから前回位置OPを差し引くことにより、電動フェーダ5の現在移動速度が算出されて移動速度レジスタSPに格納される。さらに、目標位置MPと現在位置CPとの差分の絶対値を算出して距離レジスタDに格納し、現在符号レジスタCSにおける前回の符号を前回符号レジスタOSに格納すると共に、今回算出された距離Dの符号を現在符号レジスタCSに格納する。次いで、ステップS13にて時間計測カウンタCNTのカウント値があらかじめ定められているカウントアップの判定基準値RTを超えているか否かが判断される。ここで、時間計測カウンタCNTのカウント値が判定基準値RTを超えている場合は、時間計測カウンタCNTがカウントアップされたとしてステップS14に進み、カウントアップ回数CUが1だけインクリメントされて、時間計測用カウンタCNTはリセットされる。なお、電動フェーダ5が標準的な移動速度で移動している場合には時間計測カウンタCNTのカウント値が、判定基準値RTを超えないように判定基準値RTが設定されている。すなわち、ステップS13にてYESと判定された場合は電動フェーダ5が重く、その移動速度が遅い場合とされることから、ステップS14にてカウントアップ回数CUをインクリメントしてRランクを上げる準備を行っている。また、時間計測カウンタCNTのカウント値が判定基準値RT以下とされている場合は、ステップS14の処理はスキップされてステップS20に進む。
【0027】
ステップS14あるいはステップS19の処理が終了した場合もステップS20に進み、ステップS20にて電動フェーダ5の目標位置と現在位置との距離Dが閾値TH(T)を超えており、かつ、エンドフラグEFが”0”とされて駆動終了とされていないか否かが判断される。閾値TH(T)は、この場合に設定されているTランクで決定されている閾値である。ここでYESと判断された場合は、目標位置に電動フェーダ5が未だ達していないことから、電動フェーダ5の駆動を継続するようにステップS28に分岐する。ステップS28では目標位置と現在位置との差分の符号の極性が前回と今回とで逆転したか否かが判断される。ここで、符号の極性が逆転している場合は、電動フェーダ5が目標位置を通り越した場合、すなわちオーバシュートを生じた場合とされる。そこで、ステップS28にてYESと判断された場合は、ステップS30に分岐して現在符号CSに応じて電動フェーダ5をドライブする方向を設定した後、ステップS31にてTランクを”100”アップするようにし、さらに、ステップS32にてRランクを”3”落とす(ただし、Tランクは所定の上限値を超えることはなく、また、Rランクは0以下には落とせない。)ようにしている。このように、Tランクを”100”アップすることにより図4に示すように閾値THが広げられると共に、Rランクが落とされて電動フェーダ5の移動速度が減速されるため、広げられた閾値内に容易に電動フェーダ5を停止することができるようになり、オーバシュートをすぐに収めることができる。
【0028】
また、オーバシュートが電動フェーダ5の動作に生じておらず、ステップS28にてNOと判断された場合はステップS29に進み、オーバシュートが生じていないことからTランクが”1”だけダウンされる。これは、アップされたTランクをオーバシュートが生じていない場合は次第に元のTランクに戻す処理である。ステップS29あるいはステップS32の処理が終了すると、ステップS33にて電動フェーダ5の現在の移動速度SPが、距離Dに応じて決定されているフェーダ速度のリミット値SL(D)を超えているか否かが判断される。ここで、YESと判断された場合は、電動フェーダ5の速度が、既に距離Dの移動のための速度(図6)まで加速できていることから、ステップS36に分岐して電動フェーダ5の駆動がオフされると共にカウンタ値tが”0”にリセットされる。また、電動フェーダ5の現在の移動速度SPが速度のリミット値SL(D)を超えていない場合は、ステップS34に進みパターン波形発生部41が設定されているRランクおよびカウンタ値tに対応したパターン波形のサンプル値PW(SP(R)+t)を読み出してパターン波形を発生する。次いで、ステップS35にて電動フェーダ5の駆動をオンして、発生されたパターン波形により電動フェーダ5が駆動されるようになる。ステップS35では、カウンタ値tをインクリメントして次回の所定間隔割込処理に備える。
【0029】
ステップS20に戻り、電動フェーダ5の目標位置と現在位置との距離Dが閾値TH(T)以内とされているか、エンドフラグEFが”1”とされている場合は、ステップS21に進む。ステップS21に進む場合は、電動フェーダ5が目標位置に達したと判断された場合であり、目標位置に達したことから電動フェーダ5の駆動がオフされてカウンタ値tが”0”にリセットされる。さらに、ステップS22にて時間計測カウンタCNTが動作中か否か判断されて、動作中の場合はステップS26に分岐して時間計測カウンタCNTがストップされる。そして、次に新しい目標位置が設定されて駆動される際に反映されるように、ステップS27にて現在のRランクにカウンタCNTのカウントアップ回数を計数するカウンタ値CUを加算した値を新たなRランクとする。なお、Rランクは図3に示す例では最大”9”とされる。
【0030】
また、カウンタCNTがすでにストップされている場合は、ステップS22からステップS23へ進み、ステップS20における全判断回数のうちのNOと判断された回数(目標位置に達したと判断された回数)が30回中20回以上とされているか否かが判断される。これは、電動フェーダ5の動作が重く電動フェーダ5が境界に停止した場合には、ステップS20における判断が時にはYES時にはNOと変動することがある。このような場合において、目標位置に達したと判断された回数が所定割合以上とされた場合に強制的に駆動を終了させることにより、電動フェーダ5がいつまでも駆動されることを防止することができる。そこで、ステップS23にてYESと判断された場合は、ステップS24にてエンドフラグに”1”をセットして駆動を終了するようにしている。
【0031】
ステップS23にてNOと判断された場合、あるいは、ステップS24,ステップS27,ステップS35,ステップS36のいずれかの処理が終了した場合は、所定間隔割込処理は終了する。
上記した所定間隔割込処理において、電動フェーダ5の駆動が継続(オン)されている場合は、カウンタ値tが順次インクリメントされ、次回の処理においてインクリメントされたカウンタ値tに応じたパターン波形のサンプル値が順次読み出されるようになる。これにより、図3に示すようなパターン波形により電動フェーダ5は駆動されるようになる。
また、電動フェーダ5の駆動がオフされる場合は、カウンタ値tをリセットするようにしたので、例えば、電動フェーダ5の移動速度がリミット値SL(D)を超えて駆動がオフされた後、移動速度が減速されて再び駆動がオンされた場合には、t=0の最初からパターン波形は出力されるようになる。このように駆動がオンされる毎に次第にデューティ比が大きくなるパターン波形で電動フェーダ5は駆動されるようになるため、電動フェーダ5を滑らかに加速開始させることができる。
【0032】
また、CPU2aが実行する所定間隔割込処理は以上のような処理とされて、電動フェーダの動作特性をその駆動中に計測していることになる。この計測の結果は、電動フェーダ5の加速し難さを示すRランク(Rが大きいほど加速し難い、ないし、発振しにくい)と、止まり難さを示すTランク(Tが大きいほど止まり難い、ないし、発振しやすい)として駆動制御に継続的に反映されることになり、動作特性は学習されていることになる。この加速し難さ、止まり難さは、それぞれ電動フェーダ5の移動部の摩擦力や慣性などの動作特性のバランスにより、各電動フェーダ毎にまちまちである。独立した2つのランクにより制御しているため、幅広い動作特性の電動フェーダ5に対応することができる。従って、経年変化により動作特性が変化した場合にはRランクやTランクが変更されて対応することができると共に、電動フェーダ5を取り替えた場合にも対応することができるようになる。そして、学習結果を保存しておくために、RランクおよびTランクを格納するメモリは、バッテリでバックアップされたメモリあるいは不揮発性メモリとされている。
【0033】
ところで、目標位置と現在位置との距離Dと、この距離Dに応じたフェーダ速度のリミット値SL(D)との関係を図6に示す。この図の実線で示すように距離Dとリミット値SL(D)との関係を比例関係とすることができる。すなわち、電動フェーダ5の現在位置が目標位置に近づくにつれて、移動速度が減速されるように制御される。この距離Dに応じたリミット値SL(D)の変化直線は、標準的な動作特性の電動フェーダ5が、迅速にかつオーバーシュートすることなく目標位置まで駆動できるような特性にチューニングされている。また、距離Dとリミット値SL(D)との関係を示す特性を、図6の破線に示すような変化曲線としてもよい。
【0034】
以上の説明においては、目標位置に達したと判断された回数が所定割合以上とされた場合に、目標位置に達したとして強制的に駆動を終了させるようにしたが、ステップS20における判断が変動している時間を計測し、この時間が所定時間以上となった際に目標位置に達したとして強制的に駆動を終了させるようにしてもよい。また、目標位置に達したと判断された回数が所定割合以上とされても直ちに駆動を終了せず、ステップS20における閾値TH(T)を大きな値TH’(T)=TH(T)+αに変更し、その後所定期間にわたって閾値TH’(T)を超えることがないことを確認して駆動を終了するようにしてもよい。
【0035】
なお、以上の説明においてはデューティ比により速度制御する場合について示したが、直流電圧を駆動電圧としてその電圧レベルで速度制御するようにしてもよい。すなわち、パターン波形として振幅値一定でデューティ比の変化する波形を用いていたが、例えば、振幅値が変化する連続波形であってもよいし、振幅値とデューティ比がともに変化する波形であっても良い。とにかく、駆動電力の立ち上がりを滑らかにするような波形であればよい。また、本発明にかかる電動フェーダ駆動装置はスライド式の電動フェーダの駆動装置として説明したが、これに限らず回転式フェーダやモータ駆動可能なその他の構成のフェーダの駆動装置に適用することができる。この場合、ディジタルミキサ以外に備えられている電動フェーダの駆動装置に本発明を適用できることはいうまでもない。
【0036】
さらに、以上の説明においてはフェーダ位置制御手段1とメインCPU1aとを独立するようにしていたが、メインCPU1aがフェーダ位置制御手段1を兼ねるようにしてもよい。
さらにまた、上記の説明では動作特性として電動フェーダ5が目標位置に到達するまでの到達時間や、電動フェーダ5のオーバーシュートを検出していたが、検出する動作特性はこれに限るものではない。例えば、到達時間の代わりに、目標位置に到達するまでの平均速度、最大速度、加速時の加速度、目標位置を横切るまでの時間等でもよい。また、オーバーシュートの代わりに、減速時(駆動オフ時)の加速度、目標位置を横切るまでの時間、目標位置を横切った後の目標位置へ到達するまでの時間等でもよい。さらにこれらの任意組合わせを検出するようにしてもよい。
さらにまた、到達時間を独立して検出するのではなく、駆動開始位置から目標位置までの距離(移動距離)に関連付けて、該移動距離の関数として到達時間を検出してもよい。そして、移動距離ごとにRランクやTランクを学習し駆動を制御するようにすれば、さらに安定した電動フェーダの駆動制御ができる。
【0037】
以上の説明においては、パターン波形をRランクに応じた開始位置から再生するようになっていたが、その代わりに、例えば、複数の異なる立ち上がり速度のパターン波形を用意しておき、Rランクに応じて1つのパターン波形を選択して再生するようにしたり、Rランクに応じてパターン波形の再生速度を変えるようにしてもよい。とにかく、Rランクに応じてパターン波形の立ち上がり速度が制御されるようになっていればよい。
また、前述した図5に示す所定間隔割込み処理においては、時間計測用カウンタCNTとパターン波形読出用カウンタtが独立して設けられていたが、何れも所定時間割込毎にカウントを行なうカウンタであるので、何れか一方を共用して他方を省略するようにしてもよい。例えば、時間計測用カウンタCNTを省略する場合には、ステップS13、ステップS14、ステップS19、ステップS22、ステップS26におけるカウンタCNTの操作を行なわず、その代わりに、次に述べる処理を行なう。すなわち、ステップS19でCNT動作中を示すフラグCNTFを「1」に設定し、ステップS22で該フラグCNTFが「1」であるか判別し、「1」であればステップS26でフラグCNTFを「0」にし、ステップS27でその時点のカウント値tから値CUを算出(CU←t/RT)し、算出された値CUに基づいてRランクの更新(R←R+CU)を行なうようにすればよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、電動フェーダが目標位置に達する際の動作特性を動作中に計測し、その動作特性に応じて駆動を補正するようにしたので、電動フェーダにバラツキがあっても迅速に移動させることができるようになる。また、デューティ比が次第に大きくなるパターン波形により、電動フェーダを駆動することにより電動フェーダの動き出しを滑らかにすることができる。さらに、電動フェーダの移動速度が所定の速度を超えた際には、駆動を停止することにより軽い電動フェーダであってもオーバシュートすることを極力防止することができる。
また、電動フェーダの動作にオーバシュートが生じた際には、目標位置に到達したことを検出するための閾値を広げるように制御したので、すぐに目標位置に到達したことが検出されて、電動フェーダの振動が防止される。この広げられた閾値は、オーバシュートが生じていない際に次第に収束させることができる。さらに、目標位置に達した回数の割合が所定割合を超えた際に、駆動を終了することによりオーバシュートが生じてもすぐに駆動を終了することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ディジタルミキサに適用した電動フェーダを駆動する本発明の実施の形態にかかる電動フェーダ駆動装置の構成の一例を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態にかかる電動フェーダ駆動装置における駆動部の構成を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態にかかる電動フェーダ駆動装置におけるパターン波形発生部が発生するパターン波形を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態にかかる電動フェーダ駆動装置におけるTランクと閾値との関係を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態にかかる電動フェーダ駆動装置において実行される所定間隔割込処理のフローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態にかかる電動フェーダ駆動装置における現在位置と目標位置との距離と移動速度のリミット値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 フェーダ位置制御手段、1a メインCPU、2 モータ制御手段、2a CPU、3 タイマ、4 駆動部、5 電動フェーダ、5a 摘み、6 位置検出手段、41 パターン波形発生部、42 アンドゲート、43 ドライブ回路

Claims (7)

  1. 電動フェーダに駆動力をかけ、目標位置に向けて移動させる駆動手段と、
    前記駆動手段による駆動により前記電動フェーダが目標位置に到達する際の、前記電動フェーダの到達時間を計測する計測手段と、
    該計測手段により計測された到達時間に基づく学習を行い、学習値を発生する学習手段と、
    該学習手段により発生された学習値に基づいて、前記駆動手段によ前記電動フェーダにかけられる駆動力の少なくとも立ち上がりを制御する制御手段とを備え
    前記学習手段は、前記到達時間があらかじめ設定されている到達時間より長い場合に、前記駆動力の立ち上がりを速くする第1の学習値を発生するようにしたことを特徴とする電動フェーダ駆動装置。
  2. 前記電動フェーダの駆動を補正できるように駆動力を立ち上げる速さの異なるパターン波形であって、
    前記駆動力を徐々に立ち上げるよう制御するパターン波形が複数種類用意されており、前記制御手段は駆動に使用する前記パターン波形の種類を変更することにより、前記電動フェーダの前記駆動力の立ち上がりを制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電動フェーダ駆動装置。
  3. さらに、前記電動フェーダの前記目標位置までの距離を検出する距離検出手段と、
    前記電動フェーダの移動速度を検出する速度検出手段を備え、
    前記制御手段は、さらに、該速度検出手段により検出された移動速度が、該距離検出手段により検出された距離に応じた所定の移動速度を超えないよう、前記駆動手段により前記電動フェーダにかけられる前記駆動力の立ち上がりを制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の電動フェーダ駆動装置。
  4. さらに、前記電動フェーダのオーバーシュートを検出するオーバーシュート検出手段を備え、
    前記学習手段は、さらに、前記オーバーシュート検出手段により検出されたオーバーシュートに基づく学習を行い、オーバーシュートが生じた際に、前記駆動力の立ち上がりを遅くする前記第1の学習値を発生するとともに、目標値への到達の判定基準となる閾値を広げる第2の学習値を発生することを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の電動フェーダ駆動装置。
  5. 電動フェーダに駆動力をかけ、目標位置に向けて移動させる駆動手段と、
    前記駆動手段による駆動により前記電動フェーダが目標位置に到達する際の、前記電動フェーダの到達時間を計測する計測手段と、
    前記電動フェーダの前記目標位置までの距離を検出する距離検出手段と、
    前記電動フェーダの移動速度を検出する速度検出手段と、
    前記電動フェーダの操作位置が目標位置に到達したことを検出する到達検出手段と、
    該計測手段により検出された到達時間が所定の基準時間より長い場合に、前記駆動手段により前記電動フェーダにかけられる前記駆動力の立ち上がりを速くするとともに、該速度検出手段により検出された移動速度が、該距離検出手段により検出された距離に応じた所定の移動速度を超えないよう、前記駆動手段により前記電動フェーダにかけられる前記駆動力の立ち上がりを制御し、さらに、該到達検出手段により到達が検出されたら該駆動力を停止させる制御手段と、
    該検出手段において検出された情報を利用して、前記電動フェーダの動作にオーバシュートが生じたことを検出するオーバシュート検出手段と、
    該オーバシュート検出手段によりオーバシュートが検出された際に、前記到達検出手段における目標位置に到達したことを検出するための閾値を広げるように制御する制御手段と、
    を備えるようにしたことを特徴とする電動フェーダ駆動装置。
  6. 前記検出手段により検出された目標位置に達した回数の割合が所定割合を超えた際に、前記電動フェーダの操作位置が目標位置に到達したと前記制御手段が判断して、前記駆動手段による駆動を終了するようにしたことを特徴とする請求項記載の電動フェーダ駆動装置。
  7. 前記オーバシュート検出手段によりオーバシュートが検出されない場合は、広げられた前記閾値を標準の閾値に向かって次第に戻すよう制御するようにしたことを特徴とする請求項記載の電動フェーダ駆動装置。
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