JP3774650B2 - 柱材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建築構造物に用いる柱材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築構造物に用いる柱材として、鋼管等の金属管が使用されている。この金属管を柱材として用いる場合、その柱材に対してH形鋼等の梁材を接合するには、柱材の端部に梁接合用の仕口部材を溶接等で固定し、その仕口部材に梁材を溶接、ボルト等で接合することが一般的に行われている。しかしながら、仕口部材を用いると、使用部品点数が多くなると共に接合個所が多くなり、作業工数、作業時間等が多くなってコスト高となるという問題があった。
【0003】
そこで、1本の金属管を複数階にわたる通し柱として使用することを可能とするため、金属管の、梁材を接合するための仕口部となる領域を部分的に増肉させて肉厚の大きい増肉部分とした柱材が提案されている(例えば、特開平8−120775号公報参照)。この公報に提案の柱材では、増肉部分が梁材接合に必要な強度、厚さを備えているため、その増肉部分を梁材接合用の仕口部として使用可能であり、一体構造の金属管を通し柱として使用できるという利点を有している。
【0004】
ところが、この柱材にも更に改良すべき点があった。すなわち、丸形の金属管を用いた場合、増肉部分も外周面は円筒面であるため、その円筒面に対して梁材を接合するには、梁材の端部形状を円筒面に合わせた形状とする必要があり、加工が容易でなかった。また、金属管として、外径が400〜900mm程度、肉厚22〜90mm程度の丸形鋼管を用いる場合、仕口部として使用する増肉部分の長さは、梁成の1.3〜1.5倍、肉厚は素管厚さtの2〜3倍とする必要があることから、増肉加工領域が長く且つ増肉加工量も大きくなり、増肉加工に時間がかかるばかりでなく柱材のメートル単重が大となり、しかも、増肉加工によって管長が短くなるため、製造しようとする柱材の長さに対してかなり長い素管を必要とするという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、H形鋼等のフランジ部を備えた梁材を簡単に接合可能な構成の、且つ丸形鋼管等の円筒状の金属管から製造された柱材並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の柱材は、柱材に対する梁材の接合作業を容易とするため、円筒状の金属管を柱材として使用する際に仕口部となる領域の、梁材のフランジ部を当接させる位置に、塑性加工により管の全周に亘って管肉を管外面側及び管内面側に膨出させて環状膨出部を形成し、管外面側の環状膨出部を、半径方向に厚さがほぼ一定の円盤状に整形し、更に、管内に、内ダイアフラムとして、金属円板を管軸と直交させて配備しておき、該金属円板を、管内面側に2山状に膨出させて形成した前記環状膨出部によって挟持固定したものである。このように、管外面側に環状膨出部を形成し且つそれを円盤状に整形したことにより、管外径よりもかなり大径の円盤状の環状膨出部を形成でき、その周縁の一部を直線状にカットして梁材のフランジ部を当接可能な直線部を形成でき、このため、梁材のフランジ部端面を単に直線状に加工し、そのフランジ部端面を前記環状膨出部の直線部に当接させて溶接接合することができ、梁材の接合作業をきわめて容易に実施できる。また、環状膨出部は梁材のフランジ部に対向する部分のみに形成しておけばよいので、従来のように梁成の1.3〜1.5倍の増肉部分を形成する場合に比べて塑性加工量が少なくなり、柱材の製造工数を低減できると共に、最終製品となる柱材の単重や仕込み素管長さを短くでき、コストダウンを図ることができる。また、管内に金属円板を配備し、環状膨出部によって挟持固定したことにより、仕口部を補強し、仕口部の強度を一層大きくすることができる。
【0007】
本発明の柱材の製造方法は、円筒状の金属管の管軸方向の小区間に、管軸方向に圧縮する熱間据込み加工を施して少なくとも管外面側に膨出させ、次いで、管外面側に膨出させた部分に対して、前記金属管を回転させながら、前記部分を加熱し、その部分に一対のスピニングローラを両側から押し付けて行く形態の熱間スピニング加工を施して、厚さがほぼ一定の円盤状の環状膨出部に整形するものである。このように据込み加工した領域に熱間スピニング加工を施すことにより、外周面側に十分に拡径させた円盤状の環状膨出部を容易に形成でき、その周縁の一部を切断して梁材のフランジ部を接合可能なサイズの直線部を形成でき、しかも、この環状膨出部は金属管の管軸方向の任意の位置に形成可能であるので、所望位置に所望個数の環状膨出部を形成した柱材を製造できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面を参照して更に詳細に説明する。図1(a)は本発明方法で製造する柱材の1例を示す概略端面図、図1(b)はその柱材1の概略側面図、図2(a)はその柱材1の概略端面図、図2(b)はその柱材1の仕口部の、一部を断面で示す概略側面図、図3は仕口部を拡大して示す概略断面図である。柱材1は、円筒状の金属管2の管軸方向の一部領域に塑性加工、切断・切削加工等を施して柱材仕口部3を形成したものである。柱材に用いる金属管(柱材に加工する前の金属管、以下素管という)2は、円筒状のものであれば任意であり、通常、丸形鋼管が使用される。その素管2の肉厚は、当然柱材に必要な強度を備えたものとするが、梁材を接合するための仕口部となる領域には、環状膨出部を形成して補強するので、素管の肉厚自体で梁材接合のための強度を持つ必要はなく、その分、肉厚を薄くすることができる。柱材1の長さ及び柱材仕口部3の位置、個数等は、その柱材の使用場所に応じて適宜定めれば良く、柱材1を複数階にわたる通し柱として使用する場合には、各階の梁材の位置に対応した位置に柱材仕口部3を位置させればよい。
【0009】
梁材仕口部3には、熱間据込み加工等の塑性加工により管の全周に亘って管肉を少なくとも管外面側に膨出させて環状膨出部5aを形成しており、図示の実施形態では、管内面側にも環状膨出部5bを形成している。更に、外面側の環状膨出部5aは、半径方向に厚さがほぼ一定の円盤状に整形して拡径させており、且つ、周縁の一部に、梁材6のフランジ部6aの端面を当接可能な直線部7を形成している。この仕口部3に接合させる梁材6には通常、H形鋼を用いており、仕口部3に形成する環状膨出部5a、5bは、H形鋼からなる梁材6の上下のフランジ部6a、6aに対応する位置に形成している。環状膨出部5a、5b及び直線部7は、梁材6を溶接接合するための接合作業を容易にすると共に、仕口部3に梁材6を支持するために必要な強度を付与するために設けたものであって、環状膨出部5a、5bの大きさは必要な補強効果を確保できるように定められ、且つ、直線部7の大きさは梁材6のフランジ部6aの端面を押し当てて接合できるように定められる。環状膨出部5aの周縁に形成する直線部7の個数並びに円周方向の位置は、その柱材1に接合すべき梁材6の個数並びに方位に応じて定めれば良いが、通常は、直線部7が互いに直角な4方向に面するように4個形成しておくことが、多くの使用場所に適応できるので好ましい。前記したように、管外面側の環状膨出部5aの形状は、半径方向に厚さがほぼ一定の円盤状に整形しており、これによりフランジ部接合用の直線部7を形成しうる外径を確保できると共に外観を良くし且つ梁材接合作業を容易とすることができる。環状膨出部5aの直線部7の管軸方向の寸法tは、フランジ部6aの厚さの1〜2倍の範囲内とすることが、強度と取合の両面から好ましい。管内面側の環状膨出部5bは、熱間据込み加工によって管肉を膨出させたままの形状で大きい補強作用をもらたす。この環状膨出部5bは仕口部3を補強する作用を果たすのみならず、管内に打ち込んだコンクリートを固定する作用も果たす。なお、環状膨出部5bの形状は上記据込み加工膨出形状に限定されるものではなく、補強効果を更に高める等の要請に応じて、スピニングなどの二次加工を施した形状としてもよい。
【0010】
次に、上記構成の柱材1の製造方法を説明する。まず素管を用意し、その素管の環状膨出部を形成すべき管軸方向の小区間に、管軸方向に圧縮する熱間据込み加工を施し、管肉を内外面に膨出させる。この熱間据込み加工は1回の操作で行っても良いし、同一個所に複数回繰り返してもよい。いずれにしても、素管の内外面に所望の大きさの膨出部を形成するように熱間据込み加工を施す。図7(c)は素管2の、熱間据込み加工を施して管肉を内外面に膨出させた部分を、最終の熱間据込み加工を終了した時の状態で示す概略断面図であり、2aは管外面側への膨出部、2bは管内面側への膨出部を示している。外面側の膨出部2aは、後述するように熱間スピニング加工を施して円盤状に整形することで、図3に示す環状膨出部5aを形成するものであり、その大きさは、熱間スピニング加工を施して円盤状に整形した時に、その外径が素管外径に対して十分大きくなり、周縁の一部を直線状に切断して梁材のフランジ部を押し当てる直線部を形成しうるように定める。内面側の膨出部2bは、熱間据込み加工のままの形で環状膨出部5bとして使用するものである。この膨出部2bの大きさは外面側の環状膨出部5aと共に梁材接合に必要な強度を与えることができるものであればよく、外面側の膨出部2aと同一であっても、異なったものであってもよい。一般に、素管2の内外面を拘束しないで管軸方向に圧縮する熱間据込み加工を施した場合、管内外にほぼ同様な膨出が生じるので、素管2の内外面を拘束しないで熱間据込み加工を施すことで、ほぼ同じ大きさの膨出部2a、2bを形成できる。なお、必要に応じ、素管の内面或いは外面を適当な型で拘束するとか、内外面の温度を異ならせることで、膨出部2a、2bの大きさを異ならせることもでき、極端な場合、内側の膨出部2bをなくすこともできる。膨出部2a、2bの具体的な大きさとしては、管外面、管内面からの突出高さが素管肉厚の2〜4倍程度になるようにすることが好ましい。
【0011】
膨出部2a、2bを形成するための熱間据込み加工は、公知の技法を適宜使用可能であり、1例としては、図4に示すように、素管2を固定支持部材11と可動支持部材12で保持し、且つ可動支持部材12で素管2に管軸方向の圧縮力を加えた状態で、管軸方向の小区間を誘導コイル13で誘導加熱することにより、加熱した領域を据込んで増肉させながら、その誘導コイル13を素管2に沿って移動させ、同時に加熱、増肉した領域の下流側を冷却して固化させる操作を、所望の範囲にわたって実施する連続式の熱間据込み加工方法を挙げることができる。この方法を用いることで、素管2の管軸方向の任意の位置に膨出部を形成することができる。なお、図4において、14は素管2の位置を規制するためのガイドである。
【0012】
図4に示す連続式の熱間据込み加工方法で膨出部を形成する場合、1回の据込み加工操作で素管2の肉厚の2倍程度まで増肉させることは容易である。そこで、この場合には据込み加工操作を複数回繰り返すことで図7(c)に示す最終形状の膨出部2a、2bを得ることができる。すなわち、素管2に第1回目の熱間据込み加工を施すことで、図7(a)に示すように、素管2の肉厚の2倍程度まで肉厚が増した膨出部2cを形成する。次いで、その膨出部2cに再度、熱間据込み加工を施すことで、図7(b)に示すように、素管2の肉厚の4倍程度の肉厚の膨出部2dを形成する。更に、その膨出部2dに再度、熱間据込み加工を施すことで、図7(c)に示す膨出部2a、2bを形成できる。
【0013】
素管に施す熱間据込み加工方法は、図4に示すように、誘導コイル13を移動させながら熱間据込み加工を行う連続式に限らず、膨出させるべき領域全体を加熱しておき、その状態で圧縮力を加えて一気に据込む方法を採用することも可能である。例えば、図5に示すように、素管2の膨出させるべき領域を誘導コイル15で塑性変形容易な温度に加熱すると共にその両側を冷却装置16で冷却しておき、その状態で管軸方向に圧縮力を加えて加熱した部位を一気に据込む方法を採用してもよい。その際、素管の加熱領域の中央部を最高温とし、その両側に向かって温度降下するような温度勾配を付与しておくことで、中央部の膨出量を大きくでき、温度条件、圧縮力付与条件等を適切に設定することで、1回の据込み加工によって図7(c)に示すような最終的な膨出部2a、2bを形成できる。また、1回の熱間据込み加工操作による膨出量を小さく抑え、据込み加工操作を複数回繰り返してもよく、その場合には、1回毎の据込み加工操作が容易となる。更に、図4に示す連続式の熱間据込み加工操作と、図5に示す一気に据込む据込み加工操作とを組み合わせることも可能である。すなわち、素管2に対して図4に示す熱間据込み加工操作を1回又は2回施して膨出部を形成し、その膨出部に対して図5に示す熱間据込み加工操作を施して、図7(c)に示すような最終的な膨出部2a、2bを形成してもよい。
【0014】
素管2に管内外に膨出した膨出部2a、2bを形成した後、外面側に膨出した膨出部2aに熱間スピニング加工を施して、厚さがほぼ一定の円盤状の環状膨出部5aに整形する。この熱間スピニング加工は、図6に示すように、素管2を回転支持部材21、22で保持し、その素管2をモータ23で回転させながら、膨出部2aを誘導加熱等で加熱し、次いでその膨出部2aに一対のスピニングローラ25を両側から押し付けて行く形態で行う。この熱間スピニング加工を施すことで、図7(d)に示すように、外面側の膨出部が両側から絞られ、拡径しながら円盤状に塑性変形してゆき、円盤状の環状膨出部5aが形成される。なお、図7(d)では、スピニングローラ25として円筒状のローラを用い、そのスピニングローラ25の回転軸線を管軸に直角方向とし、そのスピニングローラ25を矢印Aで示すように、管軸に平行方向に移動させているが、スピニング加工はこれに限らず、スピニングローラ25の移動方向や回転軸線の方向を適宜変更するとか、スピニングローラ25の形状を代える等の変更を加えても良い。例えば、図8に示すように、スピニングローラ25Aとして、互いに直交した斜面25a、25aを備えたものを用い、このスピニングローラ25Aを矢印Bで示す方向に移動させる構成としてもよい。
【0015】
以上のようにして、素管2の外面側に厚さがほぼ一定の円盤状の環状膨出部5aを形成した後は、その環状膨出部5aの周縁の所望の部位を直線状に切断して、梁材のフランジ部を当接可能な直線部7(図1〜図3参照)を形成する。以上により、素管2の所望位置に仕口部3を形成することができる。そして、この仕口部3を素管2の管軸方向の所望位置に複数個形成することで、複数の仕口部3を備え、通し柱として使用可能な柱材1を製造できる。
【0016】
以上のようにして製造された柱材1は、建築現場に運ばれ、柱として使用される。この柱材1は、管外面側の環状膨出部5aに直線部7を形成しているので、この直線部7に、梁材6のフランジ部6aの端面を直線状に加工し、必要に応じ開先加工を施して押し当て、溶接接合することで、柱材1に対して直接梁材6を接合できる。このため、この柱材1を用いることで建築工事の工数を削減し、工期の短縮を図ることができる。また、この柱材1の中にコンクリートを打ち込むことがあるが、その場合、環状膨出部5の管外面側に突出した部分5bが打ち込んだコンクリート内に埋設されることで、コンクリートと柱材1との結合が確実となり、コンクリートによる補強効果を十分に発揮させることができる。なお、上記実施形態では、柱材1の環状膨出部5aにあらかじめ直線部7を形成しており、その状態で建築現場に運んでいるが、直線部7は必ずしも柱材1の製造工場で形成しておく必要はなく、直線部のない状態の柱材1を出荷してもよい。その場合には、建築現場において、所望位置に直線部7を形成すればよい。
【0017】
以上に説明した柱材1では、柱材仕口部3を内外面の膨出部5a、5bのみで補強した構成としているが、必要に応じ、更に適宜な補強手段を設けることも可能である。図9、図10は補強手段を備えた本発明の実施形態に係る柱材1Aを示すものである。この柱材1Aでも、柱材仕口部3Aの外面側に、図1〜図3に示す柱材1と同一構成の円盤状の環状膨出部5aを備え、その周縁に形成した直線部7に梁材6のフランジ部6aの端面を溶接接合する構成としている。一方、その環状膨出部5aの内側すなわち梁材のフランジ部を当接させる位置の管内には、内ダイアフラムとして、鋼板等の金属円板31を管軸と直交させて配備し、該金属円板を、管内面側に2山状に膨出させて形成した環状膨出部5cによって挟持固定している。このように金属円板31を管内に固定して内ダイアフラムとしたことにより、梁材6からの横荷重が柱材仕口部3Aの全周に一層均一に分散して加わることとなり、安全性を一層増すことができる。
【0018】
ここで、内ダイアフラムとして使用する金属円板31の形状は、特に限定するものではないが、図10に示すように、金属円板31の周縁近傍の両面を、周縁に近づくにつれて厚さが薄くなるように傾斜させておき、その傾斜した両面に環状の溝32を同心状に形成しておくことが好ましい。このように溝32を形成しておくと、管内面側に環状膨出部5cを形成する際に、その2山状の山腹部分が前記環状の溝32と噛み合う形に形成することができ、これによって、金属円板31の管2に対する固定を一層確実とすることができる。なお、溝32は必ずしも、両面に設ける必要はなく、片面のみでもよい。
【0019】
図9、図10に示す柱材1Aの製造に当たっても、金属の素管2に対して熱間据込み加工を施して管内外面に環状膨出部5a、5cを形成し、その後、外面側の環状膨出部5cに対して熱間スピニング加工を施す工程を実施する。そして、素管2に対して熱間据込み加工を施す際に、熱間据込み加工を施す位置の管内にあらかじめ、金属円板31を管体と同心状に遊配しておき、この状態で熱間据込み加工を施す。これにより、管内面側では、金属円板31の表裏両側に管肉が膨出して2山状の環状膨出部5cが形成され、その2山状の環状膨出部5cで金属円板31を挟持固定することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明の柱材は、円筒状の金属管で構成したものではあるが、仕口部となる領域の、梁材のフランジ部を当接させる位置に、塑性加工により管の全周に亘って管肉を少なくとも管外面側に膨出させて環状膨出部を形成し、且つ管外面側の環状膨出部を、半径方向に厚さがほぼ一定の円盤状に整形したものであるので、円盤状の環状膨出部の周縁の一部を直線状にカットして直線部を形成することで、梁材のフランジ部端面を溶接接合するための直線部を形成することができ、従って、この直線部を形成しておけば、梁材のフランジ部端面を環状膨出部の直線部に当接させて容易に溶接接合することができ、梁材の接合作業をきわめて容易に実施できる。また、この仕口部に形成した環状膨出部は、仕口部を補強する作用も果たしており、しかも、管体の管肉を塑性変形させて形成した一体構造のものであるので、強度が大きく且つ品質が安定している。更に、環状膨出部は梁材のフランジ部に対向する部分のみに形成しておけばよいので、従来のように梁成の1.3〜1.5倍の増肉部分を形成する場合に比べて塑性加工量が少なくなり、柱材の製造工数を低減できると共に、最終製品となる柱材の単重や仕込み素管長さを短くでき、コストダウンを図ることができる。また、管内に、内ダイアフラムとして、金属円板を配備し、管内面側に2山状に膨出させて形成した環状膨出部によって挟持固定しているので、その金属円板が仕口部を補強することとなり、仕口部の強度を一層大きくすることができる。このように、本発明の柱材は種々な利点を有しており、この柱材を建築物に用いることで、施工工数や工期を短縮でき、且つコストダウンを図ることができるといった効果が得られる。
【0021】
ここで、前記円盤状の環状膨出部の周縁の一部にあらかじめ直線部を形成しておけば、柱材を使用する建築現場において直線部を形成する必要がなく、施工工程を一層簡略化できる利点が得られる。
【0022】
【0023】
また、管内に配備する金属円板の、少なくとも片面側の周縁近傍に環状の溝を同心状に形成し、前記管内面側の環状膨出部を、その2山状の山腹部分が前記環状の溝と噛み合う形に形成しておくと、金属円板と管体との固定が一層確実となり、補強効果が一層大きくなるといった利点が得られる。
【0024】
本発明の柱材の製造方法は、円筒状の金属管の管軸方向の小区間に熱間据込み加工を施して少なくとも外面側に膨出させて環状膨出部を形成し、次いで外面側の環状膨出部に対して、金属管を回転させながら、前記環状膨出部を加熱し、その環状膨出部に一対のスピニングローラを両側から押し付けて行く形態の熱間スピニング加工を施して、半径方向に厚さがほぼ一定の円盤状の環状膨出部に整形するという構成としたことで、熱間据込み加工で形成した管外面側の環状膨出部を一対のスピニングローラで両側から絞り、拡径しながら円盤状に塑性変形させてゆくことができ、このため、厚さがほぼ一定で十分に拡径させた円盤状の環状膨出部を備えた構造の柱材を製造することができるという効果を有している。
【0025】
また、上記製造方法において、前記金属管の、前記熱間据込み加工を施す位置の管内に、金属円板を管体と同心状に遊配し、この状態で熱間据込み加工を施して、管内面側の、前記金属円板の表裏両側に管肉を膨出させることで、該金属円板を管内に挟持固定することができ、管内に内ダイアフラムを配置した構成の柱材を製造することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明方法で製造する柱材の1例を示す概略端面図
(b)その柱材1の概略側面図
【図2】 (a)図1に示す柱材1の概略端面図
(b)その柱材1の仕口部の、一部を断面で示す概略側面図
【図3】 仕口部を拡大して示す概略断面図
【図4】 素管に連続式の熱間据込み加工を施す状態を示す概略側面図
【図5】 素管に、一気に据込む熱間据込み加工を施す状態を示す概略側面図
【図6】 素管に形成した膨出部にスピニング加工を施す状態を示す概略側面図
【図7】 (a)、(b)、(c)、(d)は素管に熱間据込み加工及びスピニング加工を施して塑性変形させた状態を示す概略断面図
【図8】 スピニング加工の変形例を示す概略断面図
【図9】 (a)本発明の実施形態に係る柱材1Aの概略端面図
(b)その柱材1Aの仕口部3Aの概略断面図
【図10】 図9に示す柱材1Aの仕口部3Aを拡大して示す概略断面図
【符号の説明】
1 柱材
2 金属管(素管)
2a、2b 膨出部
3 柱材仕口部
5a、5b 環状膨出部
6 梁材
6a フランジ部
7 直線部
31 金属円板
32 溝

Claims (5)

  1. 円筒状の金属管で構成された柱材であって、該柱材仕口部の、梁材のフランジ部を当接させる位置に、塑性加工により管の全周に亘って管肉を膨出させて形成した環状膨出部を管外面側及び管内面側に備え、且つ、管外面側の環状膨出部を、半径方向に厚さがほぼ一定の円盤状に整形しており、更に、前記梁材のフランジ部を当接させる位置の管内に、内ダイアフラムとして、金属円板を管軸と直交させて配備し、該金属円板を、管内面側に2山状に膨出させて形成した前記環状膨出部によって挟持固定していることを特徴とする柱材。
  2. 前記円盤状に整形している管外面側の環状膨出部の周縁の一部に、梁材のフランジ部を当接可能な直線部を形成したことを特徴とする請求項1記載の柱材。
  3. 前記金属円板の、少なくとも片面側の周縁近傍に環状の溝を同心状に形成し、前記管内面側の環状膨出部を、その2山状の山腹部分が前記環状の溝と噛み合う形に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の柱材。
  4. 円筒状の金属管の管軸方向の小区間に、管軸方向に圧縮する熱間据込み加工を施して該小区間の管肉を少なくとも管外面側に膨出させ、次いで、管外面側に膨出させた部分に対して、前記金属管を回転させながら、前記部分を加熱し、その部分に一対のスピニングローラを両側から押し付けて行く形態の熱間スピニング加工を施して、半径方向に厚さがほぼ一定の円盤状の環状膨出部に整形することを特徴とする柱材の製造方法
  5. 前記金属管の、前記熱間据込み加工を施す位置の管内に、金属円板を管体と同心状に遊配し、この状態で熱間据込み加工を施すことにより、管内面側の、前記金属円板の表裏両側に管肉を膨出させて、該金属円板を管内に挟持固定することを特徴とする請求項4記載の柱材の製造方法。
JP2001282630A 2001-09-18 2001-09-18 柱材及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3774650B2 (ja)

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