JP3774620B2 - 基板搬送用カセット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板搬送用カセットに関し、特に、基板を間隔を開けて略水平方向に重ねて搬送する際に基板が基板搬送用カセットから飛び出すのを防止する基板搬送用カセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶基板などのガラス基板の搬送する際には、複数のガラス基板を搬送できるように基板搬送用カセットが用いられる。そのような、従来の基板搬送用カセットの一例について説明する。図6に示すように、従来の基板搬送用カセットでは、上フレーム101と下フレーム102との間に基板保持部103が固定されている。基板保持部103には、基板のエッジを載置するための鍔状の棚部106が複数個等間隔に形成されている。
【0003】
背面側には、基板滑落防止用の支柱104が設けられている。基板を出し入れする前面側には、基板の飛び出しを防止するための爪部107が等間隔に縦方向に形成された基板飛出し防止ストッパー105が固定されている。この基板飛出し防止ストッパー105に設けられた爪部107は、基板保持部103に形成された棚部106の上面より少し上に位置するように固定されている。
【0004】
次に、上述した基板搬送用カセットを用いた基板の出し入れ動作について説明する。まず、図7に示すように、ハンドラー109によって収納しようとする基板108を下方から略水平に保持する。そして、ハンドラー109の下部(下端)が基板飛出し防止ストッパー105に設けられた爪部107の上方であり、基板108の上部(上端)が基板保持部103に設けられた棚部106の下部(下端)より下方になる位置にハンドラー109の高さを調節する。
【0005】
そして、ハンドラー109を矢印110に示すように水平方向に移動させて、基板搬送用カセット内にガラス基板108を挿入する。
【0006】
次に、図8に示すように、基板108が所定の位置まで挿入されたところでハンドローラ109が停止する。その後、ハンドローラ109を下降させることで、基板108のエッジを棚部106に載せる。そして、図9に示すように、ハンドローラ109を矢印112に示す方向に後退させる。
【0007】
これにより、基板108の収納動作が完了する。この収納動作を繰返すことで、複数の基板108がそれぞれの棚部106に収納される。なお、収納されている基板108を取出す際には、上述した収納動作と逆の動作を行なうことで基板の取出しが行なわれる。従来の基板搬送用カセットはこのように使われていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の基板搬送用カセットでは、以下に示すような問題点があった。
【0009】
基板108が載置されたハンドローラ109を略水平移動させて、基板の収納作業や取出し作業を行なう際には、前面側に固定された基板飛出し防止ストッパー105の爪部107や棚部106をかわす必要がある。
【0010】
図7に示すように、この場合、たとえば、棚部106のピッチL1は約16mm、棚部106の下端と爪部107の上端との間隔L2は約10.5mm、基板108の厚さは約0.7〜1.1mmである。基板108が爪部107や棚部106と接触しないように間隔L2を確保するためには、結局、爪部107の厚さに相当する高さ分だけ基板収納カセットの寸法(高さ方向)を大きくする必要があった。
【0011】
一方、基板収納カセットの寸法が大きくなるを抑えるために爪部107の厚さを薄くしようとすると、爪部107により基板108が飛び出すのを確実に阻止することができなくなる問題があった。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、必要以上に寸法を大きくすることなく基板を容易に出し入れすることができ、しかも、搬送の際に基板が飛出すのを確実に防止することができる基板搬送用カセットを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る基板搬送用カセットは、収納本体と基板飛出し防止手段とを有している。収納本体は、複数の基板をそれぞれ略水平に収納する。基板飛出し防止手段は、収納本体に収納された基板が飛出すのを防止するための爪部を有している。その基板飛出し防止手段は、基板の出し入れが行なわれるステージ部上に収納本体を置く動作と連動して、爪部を端部と向かい合う位置から下方側に退避させ、ステージ部から収納本体を持上げる動作と連動して、爪部を端部と向かい合う位置に配置させるレバー部を備えている。そのレバー部は、回動中心を挟んで一方側に設けられてステージ部に接触する当接部と、回動中心を挟んで他方側に設けられて爪部に接続された接続部とを含んでいる。
【0014】
この構成によれば、収納本体をステージ部に置いてレバー部の当接部をステージ部に接触させる動作またはステージ部から持上げて当接部をステージ部から離す動作によって、爪部と接続されたレバー部の接続部を動かすことにより、容易に爪部を所定の対向する位置から退避させたり、あるいは、所定の対向する位置に配置させることができる。こうして、基板の出し入れの際に、爪部を基板の端部と対向する所定の位置から下方に退避させることで、基板搬送用カセットの寸法を必要以上に大きくすることなく、基板を爪部や収納本体に接触させることなく出し入れすることができる間隔が確保されて容易に基板の出し入れを行なうことができる。一方、基板を搬送する際には、爪部を所定の位置に配置させることで、基板が飛出すのを確実に阻止することができる。
【0019】
さらに好ましくは、基板飛出し防止手段は、レバー部に爪部を端部と向かい合う位置に配置する向きの付勢力を与えるための弾性部材を含んでいる。
【0020】
この場合には、当接部がステージ部に接触しているときには、爪部が所定の対向する位置から下方に退避した状態となり、一方、当接部がステージ部に接触していないときには、爪部は付勢力によって所定の対向する位置に配置された状態になる。つまり、基板搬送用カセットを持上げた状態では、爪部は所定の対向する位置に配置された状態になって、基板が収納本体から飛出すのを阻止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る基板搬送用カセットについて説明する。図1に示すように、上フレーム1と下フレーム2との間に基板保持部3が固定されている。基板保持部3には、鍔状の棚部4が等間隔に上下方向(略垂直方向)に複数個形成されている。それぞれの棚部4の上面にて基板のエッジが受止められて基板が下方から支持される。
【0022】
基板搬送用カセットの背面側には、上フレーム1と下フレーム2との間に基板滑落防止用の支柱5が固定されている。基板搬送用カセットの前面側(基板を出し入れする側)には、爪部7が形成された基板飛出し防止ストッパー6が設けられている。基板飛出し防止ストッパー6には長孔6aが設けられている。基板飛び出し防止ストッパー6は、この長孔6aに挿通されたねじ17を介して基板保持部3に対して上下方向に摺動可能なように取付けられている。
【0023】
さらに図2に示すように、この基板搬送用カセットには、基板飛出し防止ストッパー6を解除するためのレバー部としてのトリガ機構13が設けられている。このトリガ機構13は、回動中心としての支点11を有し、この支点11を挟んでトリガ機構13の一方側の端部は、下フレーム2よりさらに下方に飛出している。
【0024】
支点11を挟んでトリガ機構13の他方側の端部には接続部10が設けられ、基板飛出し防止ストッパー6と接続されている。また、支点11を挟んでトリガ機構13の一方側の部分には、矢印18に示すように一方側の端部に下向きの付勢力を与えるためのばね12が装着されている。
【0025】
次に、上述した基板搬送用カセットの動作について説明する。まず図3に示すように、基板を収納したり取出したりする際には、基板搬送用カセットはステージ20の上に載置される。基板搬送用カセットをステージ20上に載置することによって、下フレーム2より下方に飛出したトリガ機構13の一方側の端部は矢印21に示すように上に押上げられる。そして、支点11を介してトリガ機構13の他方側の端部は矢印22に示すように下がることになる。
【0026】
トリガ機構13の他方側の端部が下がることで、この端部と接続部10を介して接続された基板飛出しストッパ6が下にスライドして、基板飛出しストッパ6に設けられた爪部7が棚部4とほぼ同じ高さになる。つまり、基板8に対して基板8の取出し方向と対向する位置にあった爪部7がその対向する位置から下方に退避することになる。
【0027】
これにより、基板搬送用カセットの寸法(高さ方向)を必要以上に大きくすることなく、棚部4の下端と爪部7の上端との距離(間隔)を確保することができる。その結果、この状態でハンドローラ(図示せず)により爪部7や棚部4に接触させることなく基板8を収納したり取出したりすることが容易にできる。
【0028】
次に、収納された基板を搬送する場合について説明する。図2に示すように、搬送する場合には、基板搬送用カセットはステージ20から持上げられることになる。ステージ20から基板搬送用カセットが持上げられると、トリガ機構13に装着されたばね12の付勢力によって、トリガ機構13の一方側の端部は矢印18に示す方向に下がる。一方、トリガ機構13の他方側の端部は矢印23に示す方向に上がる。
【0029】
トリガ機構13の他方側の端部が上がることで、この端部と接続部10を介して接続された基板飛出しストッパ6が上にスライドして、棚部7とほぼ同じ高さの位置から、基板8に対して基板8の取出し方向と対向する高さの位置に爪部7がスライドすることになる。爪部7が基板8と所定の対向する位置に配置されることで、搬送の際に基板8が基板搬送用カセットから飛出すのを確実に阻止することができる。
【0030】
上記のように、本基板搬送用カセットによれば、基板搬送用カセットをステージの上に載置する動作と連動することで、基板飛出し防止ストッパー6の爪部7が棚部4と同じ高さになり、基板搬送用カセットの寸法(高さ方向)を必要以上に大きくすることなく、棚部4の下端と爪部7の上端との距離L2を確保することができて、爪部7や棚部4に接触させることなく基板8を収納したり取出したりすることが容易にできる。
【0031】
一方、基板搬送用カセットをステージ20上から持上げる動作と連動することで、基板飛出し防止ストッパー6の爪部7が基板8と所定の対向する位置に配置されて、基板8が飛出すのを確実に阻止することができる。
【0032】
なお、この実施の形態に係る基板搬送用カセットでは、基板搬送用カセットを持上げた状態でトリガ機構13の一方側の端部が下フレーム2より突出するように構成されていたが、この他に、たとえば図4に示すように、その一方側の腕の長さを短くして、端部が下フレーム2より飛出さないようなトリガ機構14を採用してもよい。
【0033】
なお、この場合には、ステージ20上には突起15が形成されていることが好ましく、特に、図5に示すように、基板搬送用カセットがステージ20上に載置された状態でトリガ機構14の一方側の端部がこの突起15に接触して上に押し上げられる程度の大きさの突起15が形成されていることが好ましい。
【0034】
トリガ機構14の一方側の端部が突起15に接触することで、図3に示す場合と同様に、基板飛出し防止ストッパー6の爪部7が棚部4と同じ高さに位置することができて、基板搬送用カセットの寸法を必要以上に大きくすることなく、基板8の取出しを容易に行なうことができる。また、搬送の際には、基板が飛出すのを確実に阻止することができる。
【0035】
なお、上記実施の形態では、トリガ機構13の一方側の端部に下向きの付勢力を与えるものとしてばねを例に挙げたが、ばねに限られるものではなく、他の弾性部材を用いてもよい。
【0036】
また、上記実施の形態では、基板として液晶表示装置のガラス基板を例に挙げて説明したが、本基板搬送用カセットはこのようなガラス基板に限られず、略水平方向に間隔を開けて積み重ねて搬送される基板に対して、適用することができる。
【0037】
さらに、この明細書において挙げられた寸法の値は一例であって、これに限られるものではない。
【0038】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る基板搬送用カセットによれば、収納本体をステージ部に置いてレバー部の当接部をステージ部に接触させる動作またはステージ部から持上げて当接部をステージ部から離す動作によって、爪部と接続されたレバー部の接続部を動かすことにより、容易に爪部を所定の対向する位置から退避させたり、あるいは、所定の対向する位置に配置させることができる。こうして、基板の出し入れの際に、爪部を基板の端部と対向する所定の位置から下方に退避させることで、基板搬送用カセットの寸法を必要以上に大きくすることなく、基板を爪部や収納本体に接触させることなく出し入れすることができる間隔が確保されて容易に基板の出し入れを行なうことができる。一方、基板を搬送する際には、爪部を所定の位置に配置させることで、基板が飛出すのを確実に阻止することができる。
【0042】
さらに好ましくは、基板飛出し防止手段は、レバー部に爪部を端部と向かい合う位置に配置する向きの付勢力を与えるための弾性部材を含んでいることで、当接部がステージ部に接触しているときには、爪部が所定の対向する位置から下方に退避した状態となり、一方、当接部がステージ部に接触していないときには、爪部は付勢力によって所定の対向する位置に配置された状態になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る基板搬送用カセットの正面図である。
【図2】 同実施の形態において、基板搬送用カセットの動作を説明するための基板搬送用カセットの一側面図である。
【図3】 同実施の形態において、基板搬送用カセットの動作を説明するための基板搬送用カセットの一側面図である。
【図4】 同実施の形態において、変形例に係る基板搬送用カセットの動作を説明するための一側面図である。
【図5】 同実施の形態において、変形例に係る基板搬送用カセットの動作を説明するための一側面図である。
【図6】 従来の基板搬送用カセットの斜視図である。
【図7】 従来の基板搬送用カセットの動作を説明するための第1の図である。
【図8】 従来の基板搬送用カセットの動作を説明するための第2の図である。
【図9】 従来の基板搬送用カセットの動作を説明するための第3の図である。
【符号の説明】
1 上フレーム、2 下フレーム、3 基板保持部、4 棚部、5 支柱、6基板飛出し防止ストッパー、7 爪部、8 基板、13 トリガ機構、12 ばね、11 支点、10 接続部、14 トリガ機構、15 突起部。

Claims (2)

  1. 複数の基板をそれぞれ略水平に収納するための収納本体と、
    前記収納本体に収納された基板が飛出すのを防止するための爪部を有する基板飛出し防止手段と
    有し
    前記基板飛出し防止手段は、基板の出し入れが行なわれるステージ部上に前記収納本体を置く動作と連動して、前記爪部を前記端部と向かい合う位置から下方側に退避させ、前記ステージ部から前記収納本体を持上げる動作と連動して、前記爪部を前記端部と向かい合う位置に配置させる所定のレバー部を備え、
    前記レバー部は、
    回動中心を挟んで一方側に設けられ、前記ステージ部に接触する当接部と、
    前記回動中心を挟んで他方側に設けられ、前記爪部に接続された接続部と
    を含む、基板搬送用カセット。
  2. 前記基板飛出し防止手段は、前記レバー部に前記爪部を前記端部と向かい合う位置に配置する向きの付勢力を与えるための弾性部材を含む、請求項1記載の基板搬送用カセット。
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