JP3774566B2 - 光伝送装置およびそれを利用した光伝送システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光伝送装置および光伝送システムに係り、特に双方向伝送に好適な光伝送装置および光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
光伝送システムの低コスト化要求に伴い、一本の光伝送ファイバに波長の異なる信号光を伝送する波長多重光伝送システムが検討されている。特に、相対する局間で双方向に情報のやりとりが必要な場合には一本の伝送ファイバに波長の異なる信号光を双方向に伝送する双方向光伝送システムが適している。このような技術背景において、双方向光伝送システムに適用可能な光増幅器を提供することが重要となっている。
【0003】
これに関する従来の方式として、特開平6−85369号公報には、ドープファイバ両端に信号光を順方向および逆方向に合分波する手段を具備することにより、1つの光増幅媒体と1つの励起光源とを順方向および逆方向で共用することができ、双方向光伝送システムに適用可能でかつ構成が簡単な光増幅器が記載されている。
【0004】
また、特開平9−98136号公報には、信号波長多重度の変化があっても、個々の波長出力の制御が可能な光増幅器が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る光増幅器では実使用状態において次のような問題が生じる。
一般に、1本のドープファイバを有する一方向の光増幅器ではドープファイバ前段の信号光入力損失がS/N比劣化の要因となることが知られている。従来技術に係る光増幅器は一方向の光増幅器に比較して、光サーキュレータの異なるファイバへの結合損失および光方向性結合器の異なるファイバへの結合損失により、信号光入力損失が大きくなりS/N比が劣化する。
【0006】
光増幅器をk個用いて多中継伝送する場合、S/N比劣化量は段数kに比例して増加する。従って、総S/N比劣化量に上限のある実際の光伝送システムにおいては、光増幅器のS/N劣化量増加に伴い中継段数が減る。この結果、光伝送距離が短くなる。
【0007】
例えば、総S/N比劣化量12dB以下の規定の元で、S/N比劣化量4dBの光増幅器と6dBの光増幅器を各々80km間隔で設置した場合、4dBの光増幅器は3段中継により総S/N劣化量12dB、6dBの光増幅器は2段中継により同じく総S/N比劣化量12dBとなる。つまり、S/N劣化量4dBの光増幅器は3段中継できるので、240km伝送できるのに対し、6dBの光増幅器は2段中継しかできないので、160kmの伝送距離に留まってしまう。
【0008】
本発明の第1の目的は、上述した不具合をなくすことにあり、双方向光伝送システムに適用可能でかつS/N比の劣化を抑え、長距離光伝送に適した光伝送装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、長距離光伝送に適した双方向光伝送システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するため、端局中継装置、中間中継装置を、伝送路に接する少なくとも一つのバッファ光増幅装置と、前記バッファ光増幅装置に接する少なくとも一つのコア光増幅装置とで構成する。この構成によって、伝送路での伝搬によって微弱化した信号光が、光学デバイスの損失を受ける前に、バッファ光増幅装置によって入力信号を増幅することができるので、光伝送装置全体の雑音指数劣化を防ぐことが可能となる。
【0010】
これによって、双方向光伝送システムに適用可能でかつS/N比の劣化を抑え、長距離光伝送に適した光伝送装置を達成することができる。さらに、その光伝送装置を利用することにより、長距離光伝送に適した双方向光伝送システムを達成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図11を用いて説明しよう。
図1に、本発明の第一の実施の形態である光伝送システムの実施例について基本的な機能ブロック図を示す。光伝送システムは、複数の光送信器1を含んだ光送信装置2と、複数の光受信器3を含んだ光受信装置4と、端局中継装置5とから成っている。また、端局中継装置5と中間中継装置と6は、少なくとも一つの伝送路7によって接続されており、この構成によって、光送信装置2−1から光受信装置4−2へ、あるいは、光送信装置2−2から光受信装置4−1へ、信号光は双方向に伝送されている。(以下の図面では、図示の簡単のため2−1を21と表示する。)
伝送路7の回線状態は、監視装置8より導入された監視光を監視光合分波器9によって伝送路に導入し、次の端局中継装置5あるいは中間中継装置6において監視光合分波器9によって導出された監視光を監視装置8に導入することにより監視している。ただし、監視装置は必須ではなく、取り除いても本発明の効果に影響はない。
【0012】
伝送路7−1は、端局中継装置5−1内に少なくとも一つ設置されたバッファ光増幅装置10−1に接続されており、バッファ光増幅装置10−1は、監視光合分波器9−1を介して少なくとも一つ設置されたコア光増幅装置11−1に接続されている。さらにコア光増幅装置11−1は、光合分波器12−1に接続され、少なくとも一つの光送信器1および光受信器3と接続されている。端局中継装置5−2も同様な構成となっている。
【0013】
また、伝送路7−1あるいは7−2は、中間中継装置6−1内に少なくとも一つづつ設置されたバッファ光増幅器10−2あるいは10−3と接続されている。このバッファ光増幅装置10−2あるいは10−3は、監視光合分波器9−2あるいは9−3を介して少なくとも一つ設置されたコア光増幅装置11−2に接続されている。中間中継装置6−2も同様な構成となっている。
【0014】
本伝送システム中、中間中継装置6は直列に幾つ設置されても良い。また本構成ではいわゆる双方向伝送システムとしたが、単方向伝送システムの場合にも同様な構成が適用可能である。
【0015】
この構成によれば、伝送路損失により微弱化した信号光が、光学デバイスの損失を受ける前に、バッファ光増幅装置によって入力信号を増幅することができるので、光伝送装置全体の雑音指数劣化を防ぐことが可能となる。この結果、長距離光伝送に適した光伝送システムとすることができる。
【0016】
図2を用いて、本発明の第二の実施の形態である光伝送装置の実施例を説明しよう。図2は、図1に示した双方向光伝送システムのうち、端局中継装置5−1の具体的構成図を示している。図2において、伝送路7−1よりの信号光は、バッファ光増幅器10−1に導入される。導入された信号光は、光分岐器13によって一部を分岐される。分岐された信号光は、監視信号光を除去する光フィルタ14を通過して光検出器15によって検出されている。検出した入力モニタ信号は、コア光増幅装置12−1内の光増幅器16に伝達される。
【0017】
光分岐器13を通過した信号光は、光合波器17によって、励起光源18よりの励起光と共に合波され、希土類添加光ファイバ19に導入される。希土類添加光ファイバ19は、励起光によって励起状態にあるため、信号光は増幅され、監視光合分波器9−1を通過してコア光増幅装置12−1内の光合分波器20に導入される。信号光は、光合分波器20によって、光増幅器16に導入され増幅された後、光合分波器21を介して光分岐器22によって一部を分岐される。分岐された光は光検出器23によって検出され、出力モニタ信号としてコア光増幅装置12−1内の光増幅器16に伝達される。分岐器22を通過した信号光は、光合分波器12−1に到達する。光合分波器12−1では、信号光が所定の波長に分波され、光受信装置4−1(図示せず)に到達する。
【0018】
なお、ここで光分岐器13、22および光検出器23、15および光フィルタ14は必ずしもこの位置になくとも良い。例えば、光増幅器16の後段や、光合分波器12−1の後段に各経路毎に複数設置しても良い。
【0019】
光送信装置2−1(図示せず)よりの逆方向の信号光は、端局中継装置5−1内の光合分波器12−1によって合波された後、コア光増幅装置12−1内の光分岐器22によって一部を分岐され、分岐された光は光検出器24によって検出され、入力モニタ信号としてコア光増幅装置12−1内の光増幅器25に伝達される。
【0020】
および 光分岐器22を通過した信号光は、光合分波器21を介して光増幅器25によって増幅される。増幅された信号光は、光合波器20によって監視光合分波器9−1に到達し、監視光合分波器9−1を通過した後バッファ光増幅装置10−1内の希土類添加光ファイバ19に前記信号光とは逆方向に導入されて増幅される。増幅された信号光は光合波器17を通過して光分岐器13によって一部分岐される。分岐された光は監視信号光を除去する光フィルタ26を通過して光検出器27によって検出され、出力モニタ信号としてコア光増幅装置12−1内の光増幅器25に伝達される。光分岐器13を通過した信号光は、伝送路7−1に配送される構成となっている。
【0021】
ここで、光分岐器22および光検出器24は必ずしもこの位置にある必要はない。例えば、光増幅器25の前段や、光合波器12−1の前段に各経路毎に複数設置しても良い。また、光分岐器13および光フィルタ26と光検出器27は必ずしもこの位置にある必要はない。例えば、光増幅器25の後段に設置したり、バッファ光増幅装置の前段あるいは監視光合分波器9−1の前段に設置しても良い。
【0022】
一方、監視光源(図示せず)よりの監視光は監視光合分波器9−1によって導入されバッファ光増幅装置10−1を通過して伝送路に導入される。
なお、光増幅器16、25は入力モニタ信号および出力モニタ信号によって制御される構成となっている。
【0023】
従来の端局中継装置では、光増幅器16の前段に設置される光合波器20、監視光合分波器9−1および、光増幅器16内に設置される光アイソレータ等の光学デバイスによる光損失によって、端局中継装置全体の雑音指数が劣化する要因となっていた。本発明のように、伝送路7−1よりの微弱化した信号光が、上記光学デバイスの損失を受ける前に、バッファ光増幅装置10−1によって入力信号を増幅する構成とした結果、端局中継装置全体の雑音指数劣化を防ぐことが可能となる。
【0024】
同時に本構成のバッファ光増装置10−1によれば、従来の光増幅器では必須であった光アイソレータを使う必要がないため、バッファ光増幅装置10−1自体の雑音指数劣化をも防ぐことが可能となり、引いては端局中継装置5−1全体の雑音指数劣化を防ぐことが可能となる。
【0025】
次に、図3を用いて本発明の第二の実施の形態である光伝送装置の他の実施例を説明しよう。
図3に、図1に示した双方向光伝送システムのうち、中間中継装置6−1の具体的構成図を示す。伝送路7−1よりの信号光は、バッファ光増幅器10−2に導入される。導入された信号光は、光分岐器28によって一部分岐され、分岐された信号光は監視信号光を除去する光フィルタ29を通過して光検出器30によって検出されている。検出した入力モニタ信号はコア光増幅装置11−2内の光増幅器31に伝達される。
【0026】
光分岐器28を通過した信号光は、光合波器32によって、励起光源33よりの励起光と共に合波され、希土類添加光ファイバ34に導入される。希土類添加光ファイバ34は励起光によって励起状態にあるため、信号光は増幅され、監視光合分波器9−2を通過してコア光増幅装置11−2内の光合分波器35に導入される。光合分波器35によって信号光は、光増幅器36に導入され増幅された後、光合分波器37を介し監視光合分波器9−3を通過してバッファ光増幅装置10−3内の希土類添加光ファイバ38に導入される。
【0027】
希土類添加光ファイバ38は、励起光源39よりの励起光が光合波器40によって合波され導入され励起状態にあるため、信号光は増幅され光合波器40を通過して光分岐器41によって一部分岐される。分岐された光は監視信号光を除去する光フィルタ42を通過して光検出器43によって検出され、出力モニタ信号としてコア光増幅装置11−2内の光増幅器36に伝達される。光分岐器41を通過した信号光は、伝送路7−2に配送される。
【0028】
ただし、光分岐器41および光フィルタ42と光検出器43は必ずしもこの位置にある必要はない。例えば、光増幅器36の後段に設置したり、バッファ光増幅装置10−3の前段あるいは監視光合分波器9−3の前段に設置しても良い。
【0029】
伝送路7−2よりの逆方向の信号光は、バッファ光増幅装置10−3に導入される。導入された信号光は、光分岐器41によって一部分岐され、分岐された光は監視信号光を除去する光フィルタ44を通過して光検出器45によって検出されている。検出した入力モニタ信号はコア光増幅装置11−2内の光増幅器31に伝達される。
【0030】
光分岐器41を通過した信号光は、光合波器40によって、励起光源39よりの励起光と共に合波され、希土類添加光ファイバ38に導入される。希土類添加光ファイバ38は励起光によって励起状態にあるため、信号光は増幅され、監視光合分波器9−3を通過してコア光増幅装置11−2内の光合分波器37に導入される。光合分波器37によって信号光は、光増幅器31に導入され増幅された後、光合分波器35を介して監視光合分波器9−2を通過してバッファ光増幅装置10−2内の希土類添加光ファイバ34に導入される。希土類添加光ファイバ34は、励起光源33よりの励起光が光合波器32によって合波され導入され励起状態にあるため、信号光は増幅され光合波器32を通過して光分岐器28によって一部分岐される。分岐された光は監視信号光を除去する光フィルタ46を通過して光検出器47によって検出され、出力モニタ信号としてコア光増幅装置11−2内の光増幅器31に伝達される。光分岐器28を通過した信号光は、伝送路7−1に配送される。
【0031】
ただし、光分岐器28および光フィルタ46と光検出器47は必ずしもこの位置にある必要はない。例えば、光増幅器31の後段に設置したり、バッファ光増幅装置10−2の前段あるいは監視光合分波器9−2の前段に設置しても良い。
【0032】
一方、監視光源(図示せず)よりの監視光は監視光合分波器9−2、9−3によって導入されバッファ光増幅装置10−2、10−3を通過して伝送路7−1、7−2に導入される。なお、光増幅器31、36は入力モニタ信号および出力モニタ信号によって制御される構成となっている。
【0033】
従来の中間中継装置では、光増幅器31、36の前段に設置される光合波器2035、37、監視光合分波器9−2、9−3および、光増幅器31、36内に設置される光アイソレータ等の光学デバイスによる光損失によって、中間中継装置全体の雑音指数が劣化する要因となっていた。本実施例のように、伝送路7−1、7−2よりの微弱化した信号光が、上記光学デバイスの損失を受ける前に、バッファ光増幅装置10−2または10−3によって入力信号を増幅する構成とした結果、中間中継装置全体の雑音指数劣化を防ぐことが可能となる。
【0034】
同時に本構成のバッファ光増装置10−2、10−3によれば、従来の光増幅器では必須であった光アイソレータを使う必要がないため、バッファ光増幅装置10−2、10−3自体の雑音指数劣化をも防ぐことが可能となり、ひいては中間中継装置6−1全体の雑音指数劣化を防ぐことが可能となる。
【0035】
次に、図4ないし図10を用いて本発明の第二の実施の形態である光伝送装置の他の実施例を説明しよう。
ここで。図4は、端局中継装置の機能を具体的に示したブロック図である。図5は、バッファ光増幅装置を示したブロック図である。図6は、制御装置の機能を具体的に示したブロック図である。また、図8ないし図10は、中間中継装置による実験結果を示した図である。
【0036】
図4において、信号光は、λ1=1530.33nm、λ2=1531.90nm、λ3=1533.47nm、λ4=1535.04nmの4つの波長が含まれ、さらにλp1=1543.73なる波長のプローブ光源48によってプローブ光が送信されている。また、λ5=1555.75nm、λ6=1557.36nm、λ7=1558.98nm、λ8=1560.61nmの4つの波長が受信されており、さらにλp2=1546.92なるプローブ光源(図示せず)によってプローブ光が受信されている。
【0037】
λ1からλ4の各波長は、それぞれ分岐比率5:95の光分岐器22−1〜22−4によって分岐され、それぞれ光検出器24−1〜24−4によって検出されている。検出した各波長の入力モニタ信号は、後述する光増幅器25内の制御装置49内に伝達されている。光分岐器22−1〜22−4を通過した信号光とプローブ光は、光合分波器12−1内の光合波器50によって合波され、光増幅器25内の分散補償器51を通過する。分散補償器51は、信号光が伝送路7−1〜7−4を通過することによって生じる分散特性を補償する。分散補償器51を通過した多重光は、光アイソレータ52を通過して希土類添加光ファイバ53に導入される。
【0038】
希土類添加光ファイバ53は、励起光源54である1480nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーから励起光が光合波器55を介して導入されており、励起状態にある。従って、多重光は、増幅を受け光アイソレータ56、光合波器20および監視光合分波器9−1を通過してバッファ光増幅装置10−1に導入される。監視光合分波器9−1によって1.48μmの監視光と信号光が合波されている。
【0039】
バッファ光増幅装置10−1内に導入された多重光は、980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザー(励起光源18)からの励起光が光合波器17によって希土類添加光ファイバ19としてのエルビウム添加光ファイバに導入される。エルビウム添加光ファイバ19は、励起状態となっているが、増幅を受けるのはλ1からλ4の多重光およびプローブ光のみであり、1.48μmの監視光は、若干の損失を受けた後通過する。また励起光源18は、励起光源18よりの光出力の一部を検出する光検出器57によってモニタされ、この励起光源モニタ信号が一定となるよう、制御装置58によって制御する構成となっている。
【0040】
増幅された多重光と、1.48μmの監視光は、分岐比率5:95の光分岐器13によって一部分岐されプローブ光を通過させる狭帯域光フィルタ26を通過してプローブ光の一部が光検出器27によって検出される。検出されたプローブ光モニタ信号は前記制御装置49に伝達される。制御装置49では前記プローブ光モニタ信号が一定となるように、励起光源54を制御する構成となっている。このようにプローブ光モニタ信号が一定となるよう制御することによって、信号光λ1からλ4の全ての信号光を一定出力に制御することが可能となる。
【0041】
つまり、信号光λ1からλ4のうちいずれかの信号が途切れた場合や、信号光λ1からλ4以外の波長の信号光が新たに追加された場合にも、信号光λ1からλ4(例えばλ4が途切れた場合にはλ1からλ3)の光出力は影響を受けず、常に一定にかつ安定に制御することが可能となる。
【0042】
光分岐器13を通過した多重光および監視光は伝送路7−1である、シングルモードの伝送ファイバに配送される。
【0043】
ここで、分散補償器51は、伝送路の分散特性がシステム全体の伝送特性に影響を与えない場合には、省いても良い。また、分散補償器51の設置場所は、必ずしもこの位置である必要はない。希土類添加光ファイバ53、励起光源54と、光合波器55の部分は半導体光増幅器で置き換えても良い。この場合、励起光源54の変わりに励起電流によって増幅率を制御すればよい。同様に、希土類添加光ファイバ19、励起光源18と、光合波器17の部分は半導体光増幅器で置き換えても良い。
【0044】
一方、伝送ファイバ7−1より送られてきた逆方向の信号光λ5からλ8およびλp2の多重光と、1.48μmの監視光は、分岐比率5:95の光分岐器13によって一部分岐されプローブ光を通過させる狭帯域光フィルタ14を通過してプローブ光の一部だけが光検出器15によって検出される。検出された入力モニタ信号は後述する制御装置59に伝達される。光分岐器13を通過した多重光および監視光はバッファ光増幅装置10−1内の光合波器17によって、励起光源18としての980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーからの励起光と合波され、エルビウム添加光ファイバ19によって増幅される。ここでも同様に、増幅を受けるのはλ5からλ8およびλp2の多重光だけで1.48μmの監視光は、若干の損失を受けた後通過する。通過した1.48μmの監視光は、監視光合分波器9−1によって分波され監視光経路に送達される。多重光は、光合波器20を通過して光増幅器16内の光アイソレータ60を通過し、励起光源61としての980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーからの励起光と光合波器62によって合波されてエルビウム添加光ファイバ63にて増幅される。また励起光源61は、励起光源61よりの光出力の一部を検出する光検出器64によってモニタされこの励起光源モニタ信号が一定となるよう、制御装置65によって制御する構成となっている。
【0045】
増幅された信号光は、光アイソレータ66を通過して分散補償器67に導入され、第二のエルビウム添加光ファイバ68によって増幅された後、光合波器69を通過して光アイソレータ70より出力される。第二のエルビウム添加光ファイバ69は、980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザー(第二の励起光源71)からの励起光と合波されて励起状態にある。光アイソレータ70よりの多重光は、分岐比率5:95の光分岐器72によって多重光が一部分岐される。分岐された多重光は、プローブ光を通過させる狭帯域光フィルタ73を通過してプローブ光の一部だけが光検出器74によって検出される。検出された出力モニタ信号は、光増幅器16内の制御装置59に伝達され出力モニタ信号が一定となるよう励起光源71を制御する構成となっている。
【0046】
光分岐器72を通過した多重光は、光合分波器12−1内の光分波器75によってλ5からλ8の各波長毎に分波され、各波長は、それぞれ分岐比率5:95の光分岐器22−5〜22−8によって分岐され、それぞれ光検出器23−1〜23−4によって検出されている。検出した各波長の出力モニタ信号は、光増幅器16内の制御装置59内に伝達されている。光分岐器22−5〜22−8を通過した各波長の信号光は、端局装置(図示せず)に配送される。
【0047】
本構成におけるバッファ増幅装置10−1への伝送路7−1よりの信号入力パワーは、波長当たり−30dBmより−5dBmであり、バッファ増幅装置10−1の信号増幅利得は約10dB程度である。バッファ光増幅装置10−1内には光アイソレータを設置しないため、光の発振現象に留意しなければならない。従って、バッファ増幅装置10−1の信号増幅利得は30dB以下にすることが望ましいが、より望ましくは15dB以下である。また、伝送路7−1よりの信号入力に対する端局中継装置における雑音指数は、バッファ増幅装置10−1の信号増幅利得を正の利得にすることによって従来方式より明らかに改善されるが、より望ましくは5dB以上である。
【0048】
また、コア光増幅装置11−1、バッファ光増幅装置10−1の増幅利得配分は、まず伝送路7−1への必要出力パワーより算出することが望ましい。例えば、伝送路への出力パワーを信号波長当たり、+11dBmとするとき、全信号パワー(λ1からλ4およびλp1)は+18dBmであるから、励起光源18のパワーは、このパワーの約1.25から3.3倍に設定することが望ましい。励起光源のパワーが不足するときは、図5に示すように新たな励起光源18−a、この光出力を検出する光検出器57−a、検出したモニタ信号を一定にする制御装置58−a、および励起光を導入する光合波器17−aを設置し、エルビウム添加光ファイバに対して双方向励起としても良い。ただし、伝送路7−1よりの多重光に対して前方励起となる励起光源18は、いずれにしても設置することが望ましい。
【0049】
設定された励起光源18の能力に従って光増幅器25より配送される多重光のバッファ光増幅装置10−1への入力パワーを[バッファ光増幅装置10−1よりの光出力(+11dBm)−XdB]に設定可能である。Xの範囲は、0から20が望ましい。Xの値を調節することにより、逆方向すなわち伝送路7−1よりの信号入力パワーに対する信号増幅利得を、上述した、より望ましい値に設定することが可能である。
【0050】
ここで、光増幅器25内の励起光源54は、980nm半導体レーザーを用いても良い。また、光増幅器16内の励起光源71は、1480nm半導体レーザーを用いても良い。
ただし、バッファ光増幅装置10−1内の励起光源18および光増幅器16内の励起光源61−1は980nm半導体レーザーを使用することが最も良い。
【0051】
次に、制御装置49の具体的構成例を図6に示す。
制御装置49内に伝達された出力モニタ信号は、比較器76によってあらかじめ定められた基準値77と比較されており、基準値77との誤差信号を駆動回路78に伝達することによって励起光源54(図示せず)を制御する。
【0052】
また、制御装置49内に伝達されたλ1からλ4に相当する入力モニタ信号は、それぞれ基準値79と比較器80によって比較されており、あらかじめ定められた値より高い場合に正常信号を波長数検出回路81に伝達し、低い場合には異常信号を伝達する。波長数検出回路81では、伝達された正常信号の波長数をカウントし、現在伝送可能な波長数を判定する。伝送可能な波長がない場合には、警報を発出する。またこのとき同時に警報は駆動回路78にも伝達され、これを受けた駆動回路78は励起光源54(図示せず)を停止させるよう制御する構成となっている。
【0053】
制御装置59内に伝達された出力モニタ信号は比較器82によってあらかじめ定められた基準値83と比較されており、基準値83との誤差信号を駆動回路84に伝達することによって励起光源71(図示せず)を制御する。
【0054】
次に、制御装置59の具体的構成例を図7に示す。
制御装置59内に伝達されたλ5からλ8に相当する出力モニタ信号と、λp2に相当する入力モニタ信号は、それぞれ基準値85と比較器86によって比較されており、あらかじめ定められた値より高い場合に正常信号を波長数検出回路87に伝達し、低い場合には異常信号を伝達する。波長数検出回路87では、伝達された正常信号の波長数をカウントし、現在伝送可能な波長数を判定する。伝送可能な波長がない場合には、警報を発出する。またこのとき同時に警報は駆動回路84にも伝達され、これを受けた駆動回路84は励起光源71(図示せず)を停止させるよう制御する構成となっている。
【0055】
伝送可能な信号が、λp2のみの場合にも警報を発出するよう制御しても良い。
本発明のバッファ光増幅装置10−1の特徴は、希土類添加光ファイバ19に双方向から多重光が導入され、双方向に多重光を増幅する点にある。また、伝送路7−1より導入される微弱な多重光に対して大きな損失を受ける前に増幅させる点に特徴がある。
【0056】
上述したように、制御装置58によって、励起光源18出力を一定に制御することにより、バッファ増幅装置10−1の雑音指数を安定にかつ低く維持することが可能となり、かつほぼ一定の利得を有する光増幅装置として機能させることが可能となる。励起光源18出力を一定に制御することは、希土類添加光ファイバが一般的に有する利得の波長依存性を縮減し、伝送特性上問題となる利得の波長偏差変動を抑圧する点で重要である。
【0057】
また上述のように、制御装置49によってプローブ光の出力を一定に制御することにより、自動的にバッファ光増幅装置10−1の伝送路7−1への多重光出力を制御することが可能となる。
【0058】
本実施例において、信号光の入出力特性および雑音指数を測定した結果を図8ないし図10に示す。この実験では、バッファ光増幅装置へ約+11dBmの信号が導入されることによって伝送路へ、常に+17dBmの信号出力が配送されている。このときバッファ光増幅装置内の励起光源の出力パワーは、信号出力+17dBmの約2.2倍に相当する約110mWのパワーが供給されていた。
【0059】
図8によれば、伝送路よりの入力信号に対する雑音指数が、3.9dB以下に制御されていることが明らかである。実システムにおける温度変動や、製造上のばらつきを考慮しても、本発明によれば、4.5dB以下に制御することができる。さらに、実験構成を実システムにおいて維持することによって4.0dB以下とすることができる。また図9によれば、バッファ光増幅装置の伝送路よりの入力信号ゲインは、約10dBとなっていることがわかる。
【0060】
次に、図11を用いて本発明の第二の実施の形態である光伝送装置の他の実施例を説明しよう。
図11は、中間中継装置の構成および機能を、より具体的に示したブロック図である。
【0061】
信号光は、伝送路7−1から、λ1=1530.33nm、λ2=1531.90nm、λ3=1533.47nm、λ4=1535.04nmの4つの波長が送信されており、さらにλp1=1543.73なるプローブ光が送信されている。また、伝送路7−2から、λ5=1555.75nm、λ6=1557.36nm、λ7=1558.98nm、λ8=1560.61nmの4つの波長が送信されており、さらにλp2=1546.92なるプローブ光が送信されている。
【0062】
本具体例が、図4に示した端局中継装置と異なる点は、バッファ光増幅装置10−2、10−3が、コア光増幅装置11−2の両端に設置されている点、またコア光増幅装置11−2は、図4における光増幅器16と同様の形態を有する光増幅器31および36の二つより構成されている点である。
【0063】
伝送ファイバ7−1より送られてきた信号光λ1からλ4およびλp1の多重光と、1.48μmの監視光は、分岐比率5:95の光分岐器28によって一部分岐されプローブ光を通過させる狭帯域光フィルタ29を通過してプローブ光の一部だけが光検出器30によって検出される。検出された入力モニタ信号は後述する制御装置59−2に伝達される。光分岐器28を通過した多重光および監視光はバッファ光増幅装置10−2内の光合波器32によって励起光源33としての980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーからの励起光と合波され、希土類添加光ファイバ34としてのエルビウム添加光ファイバに導入される。この時、エルビウム添加光ファイバ34は励起状態となっているが、増幅を受けるのはλ1からλ4の多重光およびプローブ光のみであり、1.48μmの監視光は、若干の損失を受けた後通過する。
【0064】
また励起光源33は、励起光源33よりの光出力の一部を検出する光検出器57−2によってモニタされ、この励起光源モニタ信号が一定となるよう、制御装置58−2によって制御する構成となっている。
【0065】
通過した1.48μmの監視光は、監視光合分波器9−2によって分波され監視光経路に送達される。多重光は、光合波器35を通過して光増幅器36内の光アイソレータ60−2を通過し、励起光源61−2としての980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーからの励起光と光合波器62−2によって合波されて、エルビウム添加光ファイバ63−2にて増幅される。また励起光源61−2は、励起光源61−2よりの光出力の一部を検出する光検出器64−2によってモニタされ、この励起光源モニタ信号が一定となるよう、制御装置65−2によって制御する構成となっている。
【0066】
増幅された信号光は光アイソレータ66−2を通過して分散補償器67−2に導入され、第二のエルビウム添加光ファイバ68−2によって増幅された後、光合波器69−2を通過して光アイソレータ70−2より出力される。第二のエルビウム添加光ファイバ68−2は、第二の励起光源71−2としての980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーからの励起光と合波されて励起状態にある。光アイソレータ70−2よりの多重光は、光合波器37および監視光合分波器9−3を通過してバッファ光増幅装置10−3に導入される。監視光合分波器9−3によって1.48μmの監視光と信号光が合波されている。
【0067】
バッファ光増幅装置10−3内に導入された多重光は、励起光源39としての980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーからの励起光が光合波器40によって希土類添加光ファイバ38としてのエルビウム添加光ファイバに導入される。エルビウム添加光ファイバ38は、励起状態となっているが、増幅を受けるのはλ1からλ4の多重光およびプローブ光のみであり、1.48μmの監視光は、若干の損失を受けた後、通過する。
【0068】
また励起光源39は、励起光源39よりの光出力の一部を検出する光検出器57−3によってモニタされこの励起光源モニタ信号が一定となるよう、制御装置58−3によって制御する構成となっている。増幅された多重光と、1.48μmの監視光は、分岐比率5:95の光分岐器41によって一部分岐されプローブ光を通過させる狭帯域光フィルタ42を通過してプローブ光の一部が光検出器43によって検出される。検出されたプローブ光モニタ信号は前記制御装置59−2に伝達される。制御装置59−2では前記プローブ光モニタ信号が一定となるように、励起光源71−2を制御する構成となっている。このようにプローブ光モニタ信号が一定となるよう制御することによって、信号光λ1からλ4の全ての信号光を一定出力に制御することが可能となる。
【0069】
信号光λ1からλ4のうちいずれかの信号が途切れた場合や、信号光λ1からλ4以外の波長の信号光が新たに追加された場合にも、信号光λ1からλ4(例えばλ4が途切れた場合にはλ1からλ3)の光出力は影響を受けず、常に一定にかつ安定に制御することが可能となる。
光分岐器41を通過した多重光および監視光は伝送路7−2である、シングルモードの伝送ファイバに配送される。
【0070】
希土類添加光ファイバ34、63−2、68−2、38、励起光源33、61−2、71−2、39と、光合波器32、62−2、69−2、40の部分は半導体光増幅器で置き換えても良い。この場合励起光源33、61−2、71−2、39の代わりに励起電流によって増幅率を制御すればよい。
【0071】
一方、伝送ファイバ7−2より送られてきた逆方向の信号光λ5からλ8およびλp2の多重光と、1.48μmの監視光は、分岐比率5:95の光分岐器41によって一部分岐されプローブ光を通過させる狭帯域光フィルタ44を通過してプローブ光の一部だけが光検出器45によって検出される。検出された入力モニタ信号は後述する制御装置59−3に伝達される。
【0072】
光分岐器41を通過した多重光および監視光はバッファ光増幅装置10−3内の光合波器40によって励起光源39としての980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーからの励起光と合波され、希土類添加光ファイバ38としてのエルビウム添加光ファイバに導入され、エルビウム添加光ファイバ38は励起状態となっているが、増幅を受けるのはλ5からλ8の多重光およびプローブ光のみであり、1.48μmの監視光は、若干の損失を受けた後通過する。
【0073】
また励起光源39は、励起光源39よりの光出力の一部を検出する光検出器57−3によってモニタされこの励起光源モニタ信号が一定となるよう、制御装置58−3によって制御する構成となっている。通過した1.48μmの監視光は、監視光合分波器9−3によって分波され監視光経路に送達される。多重光は、光合波器37を通過して光増幅器31内の光アイソレータ60−3を通過し、励起光源61−3としての980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーからの励起光と光合波器62−3によって合波されてエルビウム添加光ファイバ63−3にて増幅される。また励起光源61−3は、励起光源61−3よりの光出力の一部を検出する光検出器64−3によってモニタされこの励起光源モニタ信号が一定となるよう、制御装置65−3によって制御する構成となっている。
【0074】
増幅された信号光は光アイソレータ66−3を通過して分散補償器67−3に導入され、第二のエルビウム添加光ファイバ68−3によって増幅された後、光合波器69−3を通過して光アイソレータ70−3より出力される。第二のエルビウム添加光ファイバ68−3は、第二の励起光源71−3としての980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーからの励起光と合波されて励起状態にある。光アイソレータ70−3よりの多重光は、光合波器35および監視光合分波器9−2を通過してバッファ光増幅装置10−2に導入される。監視光合分波器9−2によって1.48μmの監視光と信号光が合波されている。
【0075】
バッファ光増幅装置10−2内に導入された多重光は、励起光源33としての980nm近隣に発振波長を有する半導体レーザーからの励起光によって励起状態にあるエルビウム添加光ファイバ34に導入され、λ5からλ8の多重光およびプローブ光のみ増幅を受け、1.48μmの監視光は、若干の損失を受けた後、通過する。
【0076】
また励起光源33は、励起光源33よりの光出力の一部を検出する光検出器57−2によってモニタされこの励起光源モニタ信号が一定となるよう、制御装置58−2によって制御する構成となっている。増幅された多重光と、1.48μmの監視光は、分岐比率5:95の光分岐器28によって一部分岐されプローブ光を通過させる狭帯域光フィルタ46を通過してプローブ光の一部が光検出器47によって検出される。
【0077】
検出されたプローブ光モニタ信号は前記制御装置59−3に伝達される。制御装置59−3では前記プローブ光モニタ信号が一定となるように、励起光源71−3を制御する構成となっている。このようにプローブ光モニタ信号が一定となるよう制御することによって、信号光λ5からλ8の全ての信号光を一定出力に制御することが可能となる。信号光λ5からλ8のうちいずれかの信号が途切れた場合や、信号光λ5からλ8以外の波長の信号光が新たに追加された場合にも、信号光λ5からλ8(例えばλ8が途切れた場合にはλ5からλ7)の光出力は影響を受けず、常に一定にかつ安定に制御することが可能となる。
【0078】
光分岐器28を通過した多重光および監視光は伝送路7−1である、シングルモードの伝送ファイバに配送される。
希土類添加光ファイバ34、63−3、68−3、38、励起光源33、61−3、71−3、39と、光合波器32、62−3、69−3、40の部分は半導体光増幅器で置き換えても良い。この場合励起光源33、61−3、71−3、39の変わりに励起電流によって増幅率を制御すればよい。
【0079】
本構成におけるバッファ増幅装置10−2、10−3への伝送路7−1、7−2よりの信号入力パワーは、波長当たり−30dBmより−5dBmであり、バッファ増幅装置10−2、10−3の信号増幅利得は約10dB程度である。バッファ光増幅装置10−2、10−3内には光アイソレータを設置しないため、光の発振現象に留意しなければならない。従って、バッファ増幅装置10−2、10−3の信号増幅利得は30dB以下にすることが望ましいが、より望ましくは15dB以下である。また、伝送路7−1、7−2よりの信号入力に対する中間中継装置における雑音指数は、バッファ増幅装置10−2、10−3の信号増幅利得を正の利得にすることによって従来方式より明らかに改善されるが、より望ましくは5dB以上である。
【0080】
また、コア光増幅装置11−2、バッファ光増幅装置10−2、10−3の増幅利得配分は、まず伝送路7−1、7−2への必要出力パワーより算出することが望ましい。例えば、伝送路7−1、7−2への出力パワーを信号波長当たり、+11dBmとするとき、全信号パワー(λ1からλ4およびλp1あるいはλ5からλ8およびλp2)は+18dBmであるから、励起光源33、39のパワーは、このパワーの約1.25から3.3倍に設定することが望ましい。励起光源のパワーが不足するときは、図5に示すように新たな励起光源18−a、この光出力を検出する光検出器57−a、検出したモニタ信号を一定にする制御装置58−a、および励起光を導入する光合波器17−aを設置し、エルビウム添加光ファイバに対して双方向励起としても良い。ただし、伝送路7−1、7−2よりの多重光に対して前方励起となる励起光源33、39は、いずれにしても設置することが望ましい。
【0081】
設定された励起光源33、39の能力に従って光増幅器31、36より配送される多重光のバッファ光増幅装置10−2、10−3への入力パワーを[バッファ光増幅装置10−2、10−3よりの光出力(+11dBm)−XdB]に設定可能である。Xの範囲は、0から20が望ましい。Xの値を調節することにより、逆方向すなわちバッファ光増幅装置10−2は伝送路7−1より、バッファ光増幅装置10−3は7−2よりの信号入力パワーに対する信号増幅利得を、上述した、より望ましい値に設定することが可能である。
【0082】
ここで、光増幅器31、36内の励起光源71−2、71−3は、高出力励起に有利な、1480nm半導体レーザーを用いても良い。
ただし、バッファ光増幅装置10−2、10−3内の励起光源33、39および光増幅器31、36内の励起光源61−2、61−3は980nm半導体レーザーの使用が好ましい。
【0083】
以上、端局中継装置5−1は、端局中継装置5−2に、中間中継装置6−1は中間中継装置6−2、6−3等に同様にして適用可能であることは言うまでもない。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、端局中継装置、中間中継装置によって構成される、光伝送システムにおいて、長距離伝送可能で信頼性の高い光伝送装置を提供することができた。また、信頼性の高い長距離光伝送システムを提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の双方向光伝送システムの基本的な機能ブロック図である。
【図2】 本発明の実施例の端局中継装置の機能を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施例の中間中継装置の機能を示すブロック図である。
【図4】 本発明の実施例の端局中継装置の構成と機能を具体的に示すブロック図である。
【図5】 本発明の実施例のバッファ光増幅装置を示すブロック図である。
【図6】 本発明の実施例の制御装置の構成と機能を具体的に示すブロック図である。
【図7】 本発明の実施例の制御装置の構成と機能を具体的に示すブロック図である。
【図8】 本発明の実施例の端局中継装置による実験結果を示す図である。
【図9】 本発明の実施例の端局中継装置による実験結果を示す図である。
【図10】 本発明の実施例の端局中継装置による実験結果を示す図である。
【図11】 本発明の実施例の中間中継装置の構成と機能を具体的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1…光送信器、2…光送信装置、3…光受信器、4…光受信装置、5…端局中継装置、6…中間中継装置、7…伝送路、8…監視装置、9…監視光合分波器、10…バッファ光増幅装置、11…コア光増幅装置、12、20、21、35、37…光合分波器、13、22、28、41、72…光分岐器、14、26、29、42、44、46、73…帯域通過光フィルタ、15、23、24、27、30、43、45、47、57、64、74…光検出器、16、25、31、36…光増幅器、17、32、40、50、55、62、69…光合波器、18、33、39、54、61、71…励起光源、19、34、38、53、63、68…希土類添加光ファイバ、48…ブローブ光源、49、58、59、65…制御装置、51、67…分散補償器、52、56、60、66、70…光アイソレータ、75…光分波器、76、80、82、86…比較器、77、79、83、85…基準値、78、84…駆動回路、81、87…波長数検出回路100・・・第1の端局、101・・・光サーキュレータ、102・・・光方向性結合器、103・・・ドープファイバ、104・・・レーザダイオード、105・・・光サーキュレータ、106・・・光方向性結合器、107・・・第2の端局、108・・・光伝送路、109・・・光伝送路。
Claims (7)
- 光伝送路から受信した光信号を増幅する光伝送装置において、
光信号の増幅に用いられる第1の励起光を出力する第1の励起光源と、
前記第1の励起光を用いて前記光伝送路から受信した光信号を増幅する第1のドープファイバと、
光信号の増幅に用いられる第2の励起光を出力する第2の励起光源と、
前記第2の励起光を用いて前記第1のドープファイバから出力された前記光信号を増幅する第2のドープファイバと、
前記第1のドープファイバと前記第2のドープファイバの間に設置され、前記第2のドープファイバへ入力される光信号が通過する光アイソレータと、
光信号の増幅に用いられる第3の励起光を出力する第3の励起光源と、
前記第3の励起光を用いて前記第2のドープファイバから出力された前記光信号を増幅する第3のドープファイバを有し、
前記第1のドープファイバの増幅利得は前記第2のドープファイバの増幅利得よりも小さい、5d B 乃至15d B の範囲内に設定され、
前記光伝送路と前記第1のドープファイバの間に光アイソレータが設置されていないことを特徴とする光伝送装置。 - 請求項1に記載の光伝送装置において、
前記第1の励起光源は、前記第1の励起光の大きさが一定となるように前記第1の励起光を出力することを特徴とする光伝送装置。 - 請求項1に記載の光伝送装置において、
前記第3のドープファイバの増幅利得は、前記第1のドープファイバの増幅利得と同じまたは前記第1のドープファイバの増幅利得よりも大きく、かつ前記第2のドープファイバの増幅利得よりも小さく設定されていることを特徴とする光伝送装置。 - 請求項1に記載の光伝送装置において、
前記第2のドープファイバと前記第3のドープファイバの間に、分散補償器を有することを特徴とする光伝送装置。 - 請求項4に記載の光伝送装置において、
前記第3のドープファイバの後段に設置されたもう一つの光アイソレータをさらに有することを特徴とする光伝送装置。 - 請求項1に記載の光伝送装置において、
前記第1のドープファイバに入力される前の、前記光信号の一部の出力を検出する第1の光検出器と、
前記第1の光検出器により検出された前記光信号の一部の出力をあらかじめ定められた値と比較し、前記比較した結果に応じて前記第3の励起光源を制御することで前記第3の励起光の大きさを調整する制御部をさらに有することを特徴とする光伝送装置。 - 請求項6に記載の光伝送装置において、
前記第3のドープファイバから出力される光信号の一部の出力を検出する第2の光検出器をさらに有し、
前記制御部は、前記第2の光検出器により検出された前記光信号の一部の出力があらかじめ定められた値に近くなるように、前記第3の励起光源を制御することで前記第3の励起光の大きさを調整することを特徴とする光伝送装置。
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