JP3774565B2 - 薄膜形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜形成方法に関し、特に基材もしくは基材上のコート膜の表面処理としての薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の基材の表面に防汚・防水・防塵の機能を持たせるために有機系薄膜を形成することは広くおこなわれている。かかる薄膜の形成方法としては、有機溶媒に希釈した撥水物質を基材に直接塗布する方法(特開昭60−40254号公報)、上記の溶液に浸漬する方法(特開昭61−130902号公報)、セラミックスに含浸させた有機物質を真空槽中で蒸発させる方法(特開平4−72055号公報)、金属のウールに含浸させた有機物質を真空槽中で蒸発させる方法(特開平6−340966号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような薄膜の形成方法は、それぞれ以下のような欠点を有する。
撥水性物質を基材に直接塗布する方法は、撥水性物質を溶媒に溶解しなければならないほか、塗布時にムラになりやすい。
【0004】
上記の希釈溶液に浸漬する方法は、希釈に大量の溶媒を使用するほか、真空蒸着などの薄膜形成処理後の基板上に成膜する場合、真空槽から取り出した後にさらに別な工程を必要とするなど手間がかかる。
【0005】
セラミックスに含浸させた有機系物質を加熱蒸発させる方法は、真空中で処理が可能で通常の真空薄膜形成工程内に組み込めるなどのメリットもあるが、一般に有機系の物質は絶緑体である場合が多く、真空蒸着装置の蒸発源として普及している電子銃を用いると、表面に当たった電子線によって照射を受けた部分がマイナスに帯電してしまい、電子線が反射され効率よく加熱することができない場合がある。さらに加熱を続けると、急速に絶縁が破壊され、セラミックスに含浸された有機物ばかりでなく含浸母体であるセラミックスまでが溶解・蒸発し、撥水性を持たせたい基材上に付着し、撥水性能の低下や、薄膜の特性変化を起こすことがある。
【0006】
金属のウールに含浸させた有機物質を蒸発させる方法は上記の他の方法に比べて簡単であり、電子ビームによる加熱も容易であるが、コストを下げるため銅やアルミニウムなどの安価な金属を使用すると、それらの金属の融点が600℃乃至800℃のため、加熱条件を誤ると金属ウールが溶解し、その溶解した金属が蒸発して基材に着色や接触角の低下などの悪影響を与えてしまうことがある。さらに、金属は熱伝導率が大きいので加熱時の暖まり方が非常に早く、蒸発量の調節が難しい。
【0007】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、基材上に有機系の薄膜を電子銃を用いて簡単な工程で低価格に、なおかつ安定的に実現しうる薄膜形成方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、薄膜形成物質を保持させた多孔質材料の表面に導電性物質を付着させてなる薄膜形成材料を減圧下で電子銃を用いて加熱することにより、前記多孔質材料から薄膜形成物質を蒸発させ、該薄膜形成物質の薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法である。
前記薄膜形成物質が撥水性の有機物質、特に有機シリコーン類化合物またはパーフルオロアルキル基含有化合物であるのが好ましい。
前記薄膜形成物質を保持させた多孔質材料の表面に導電性物質として、例えばカーボンペーストまたは銀ペーストを付着させてなるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の薄膜形成材料は、好ましくは有機系の薄膜形成物質を含浸させた多孔質材料に導電性を付与したものであり、該薄膜形成物質を蒸発により基材上に堆積させる。そしてその蒸発のための熱源として好ましくは電子銃が使用可能であるという点で特徴的である。
【0011】
本発明において「導電性の付与」とは、有機系物質の含浸母体である多孔質材料に有機系物質を含浸させた後、表面に導電性物質を塗布あるいは付着させることをさす。
【0012】
本発明において有機系薄膜形成物質を含浸させる多孔質材料は、有機系物質が含浸されれば特に制限はなく、例えば多孔質セラミックス、多孔質金属などがあげられる。
【0013】
また、含浸される有機薄膜形成物質は、目的とする薄膜に要求される機能に応じて選ばれる。例えば、撥水性や撥油性などの防汚性・防塵性を持たせるためには薄膜状態でこれらの機能を実現し得るような薄膜形成物質を用いる。これらは撥水性を持つような有機シリコーン類化合物、またはパーフルオロアルキル基含有化合物はであれば特に限定されるものではない。例えば有機シリコーン類化合物の例としてはジエトキシジメチルシラン、トリエトキシメチルシランなどがあげられ、またパーフルオロアルキル基含有化合物の例としては、化学式n−C8 F17CH2 CH2 Si(NH2 )3 で示される2−(パーフルオロオクチル)エチルトリアミノシランや、化学式n−C6 F13CH2 CH2 Si(NH2 )3 で示される2−(パーフルオロヘキシル)エチルトリアミノシラン、化学式n−C8 F17CH2CH2Si(OCH3)3で示される2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシランなどがあげられる。これら化合物は単独ではもちろんのこと2種以上組み合わせて用いても良い。
【0014】
導電性を付与させるための物質としては、有機溶媒に導電性物貿を分散させた溶液や、導電性物質を樹脂に練り込んでペースト状にしたものなどがあげられる。導電性物質の例としては金、銀、銅、カーボン、アルミニウムなどがあげられる。
【0015】
導電性の付与方法は、上記の薄膜形成物質を保持させた多孔質材料を導電性物質が分散された溶液に浸漬し、導電性の粒子を多孔質体の表面に付着させ、有機溶媒を蒸発させる方法、薄膜形成物質を保持させた多孔質材料にペースト状にした導電性物質を直接塗布する方法、ペースト状にした導電性物質を有機溶媒に希釈し、そこに薄膜形成物質を保持させた多孔質材料を浸漬する方法などがあげられる。
【0016】
本発明では、上述したような薄膜形成材料に保持された薄膜形成物質を蒸発させ、所定の基材の上に堆積させて薄膜を形成し、基材の表面に目的とする機能を付与する。
【0017】
その具体例としては、例えば上述したような薄膜形成材料を用い、該薄膜形成材料に保持された撥水薄膜形成物質を真空中で加熱蒸発させ基材の表面あるいは基材上に形成された無機コート膜等の薄膜上に撥水性を付与する。
【0018】
該撥水性薄膜の蒸発方法としては電子銃を用いることができる。上述したような有機薄膜形成物質は、導電性を有しないことが多く、該有機薄膜形成物質を保持するための多孔質材料が導電性であっても、有機系物質の含浸によってその表面が導電性を持たない有機系薄膜形成物質で被われてしまうため、電子ビームをその多孔質体表面に照射すると表面で帯電が起こり電子が反射されてしまう。したがって、該多孔質体は電子銃では加熱されないことが多い。
【0019】
本発明の薄膜形成材料は上述した導電性物質の含浸によって、表面を電子が流れ、その電子の運動エネルギーによつて薄膜形成物質が加熱される。
【0020】
真空中における薄膜形成物質の蒸発の条件は、薄膜形成物質および基材の種類、状態により条件を適宜決定することが望ましいが、例えばプラスチック基材上にSiO2 などの無機コート薄膜を形成した光学レンズ上に、撥水物質を加熱蒸発および堆積させて薄膜を形成する場合には、真空度10-6から10-3Torrで行うことがより望ましい。
【0021】
本発明においては、薄膜を形成する基材は特に限定されない。例えば、撥水性の薄膜形成物質を用いて撥水性薄膜を形成する場合では、最表面が無機物質からなるコート膜であるようなものであれば特に限定されるものではないが、具体例としては、無機反射防止膜が形成されたガラスレンズ、プラスチックレンズ、光学フィルター、自動車のフロントガラス、ディスプレイパネルなどが挙げられる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明について図面を参照し、実施例に沿つて詳細に説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
【0023】
実施例1
酸化ジルコニウム粉末にPVAの3%水溶液をバインダーとして添加し、直径15mm、高さ10mmにプレスした後に、電気炉にて1300℃で焼結して撥水性物質の含浸母体とした。この酸化ジルコニウム焼結体1を図1の様な直径20mm、深さ15mmの円筒形の容器2に入れ、かかる容器2に化学式n−C8 F17CH2 CH2 Si(NH2 )3 で表されるパーフルオロアルキル基含有化合物をメタキシレンヘキサフロライドで3%に希釈した撥水処理用の溶液をピペットを用いてlml含浸させた。さらに、これを70℃で20分間乾燥し、溶剤成分を蒸発させた。
【0024】
次に、カーボンアクリル樹脂(日本電子製:商品名:ドータイトXC−12)を酢酸ブチルにて10%に希釈した溶液に、上記の酸化ジルコニウム焼結体ペレット1を30秒間浸漬した後、l0分間乾燥し導電性の付与された撥水成分蒸発用多孔質体3とした(図2)。
次に、それを図3の様な真空蒸着装置(シンクロンBMC850)4の真空槽5内の電子銃蒸発源6のハースライナー7にSiO2(10)とZrO2(11)とともにセットした。
【0025】
次に、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂からなる合成樹脂製レンズ8を上記真空蒸着装置4のドーム9上にセットし、電子銃蒸発源6を用いてSiO2 (10)とZrO2 (11)の薄膜を交互に膜構成が基板側からSiO2 約3μm、ZrO2 約0.015μm、SiO2 約0.02μm、ZrO2 約0.1μm、SiO2 約0.08μmとなるように積層し反射防止膜付きレンズとした。
【0026】
この反射防止膜付き合成樹脂レンズを蒸着終了後、真空槽5から出さずに、先に同じ電子銃6のハースライナー7にセットした撥水成分蒸発用多孔質体3を電子銃条件が加速電圧6kV、エミッション電流5mA、ビームスポットサイズ直径約20mmで2分間加熱しパーフルオロアルキル基含有化合物を蒸発させ、撥水薄膜の形成を行った。
【0027】
蒸着終了後、合成樹脂製レンズ8を真空槽5から取り出し、レンズの水に対する接触角を協和界面科学製CA−Z型接触角計を用いて測定した。またその測定後アセトンを含ませたレンズペーパーで約lKgの重量をかけ、50住復擦り、その後再度接触角を測定し、その変化を観察した。
その評価結果は表1に示すとおり良好であつた。
【0028】
実施例2
酸化ジルコニウム粉末にPVAの3%水溶液をバインダーとして添加し、直径15mm、高さ10mmにプレスした後に、電気炉にて1300℃で焼結して撥水性物質の含浸母体とした。この酸化ジルコニウム焼結体1を図1の様な直径20mm、深さ15mmの円筒形の容器2に入れ、かかる容器2に化学式n−C8 F17CH2 CH2 Si(NH2 )3 で表されるパーフルオロアルキル基含有化合物をメタキシレンヘキサフロライドで3%に希釈した撥水処理用の溶液をピペットを用いてlml含浸させた。さらに、これを70℃で20分間乾燥し、溶剤成分を蒸発させた。
【0029】
次に、銀−アクリル樹脂(日本電子製:商品名:ドータイトD−550)を酢酸ブチルにて10%に希釈した溶液に、上記の酸化ジルコニウムペレット1を30秒間浸漬した後、10分間乾燥し導電性の撥水成分蒸発用多孔質体3とした(図2)。次に、それを図3の様な真空蒸着装置(シンクロンBMC850)4の真空槽5内の電子銃蒸発源6のハースライナー7にセットした。
【0030】
続いて実施例1と同様の手順で作成した反射防止膜付きジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂からなる合成樹脂製レンズ8を蒸着終了後、真空槽5から出さずに、先に同じ電子銃6のハースライナー7にセットした撥水成分蒸発用多孔質体3を電子銃条件が加速電圧6kV、エミッション電流5mA、ビームスポットサイズ直径約20mmで2分間加熱し、パーフルオロアルキル基含有化合物を蒸発させ、撥水薄膜の形成を行った。
【0031】
蒸着終了後、合成樹脂製レンズ8を真空槽5から取り出し、レンズの水に対する接触角を協和界面科学製CA−Z型接触角計を用いて測定した。またその測定後、アセトンを含ませたレンズペーパーで約lKgの重量をかけ、50住復擦り、その後再度接触角を測定し、その変化を観察した。
その評価結果は表1に示すとおり良好であった。
【0032】
実施例3
市販の石膏(サンエス石膏株式会社製、商品名焼石膏)50gに水25gを添加し1分間よく撹拌した後、その一部を図4の様な直径18mm、深さ10mmのプラスチック製の鋳型12に流し込んで室温で1時間乾燥させた。これに化学式n−C8 F17CH2 CH2 Si(NH2 )3 で表わされるパーフルオロアルキル基含有化合物をメタキシレンヘキサフロライドで3%に希釈した撥水処理用の溶液をピペットを用いてlml含浸させた。さらにこれを70℃で20分間乾燥後、鋳型12から取り出し、撥水成分蒸発用多孔質体3とした(図2)。
【0033】
次に、カーボンアクリル樹脂(日本電子製:商品名:ドータイトXC−12)を酢酸ブチルにて10%に希釈した溶液に、上記の石膏を30秒間浸漬し、導電性の撥水成分蒸発用多孔質体とした。それを図3のような真空蒸着装置(シンクロンBMC850)4の真空槽5内の電子銃蒸発源6のハースライナー7にセットした。
【0034】
続いて実施例1と同様の手順で作成した反射防止膜付きジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂からなる合成樹脂製レンズ8を蒸着終了後、真空槽5から出さずに、先に同じ電子銃のハースライナー7にセットした撥水成分蒸発用多孔質体3を電子銃条件、加速電圧6kV、エミッション電流5mA、ビームスポットサイズ直径約20mmで2分間加熱し、パーフルオロアルキル基含有化合物を蒸発させ、撥水薄膜の形成を行った。
【0035】
蒸着終了後、合成樹脂製レンズ8を真空槽5から取り出し、レンズの水に対する接触角を協和界面科学製CA−Z型接触角計を用いて測定した。またその測定後アセトンを含ませたレンズペーパーで約lKgの重量をかけ、50住復擦り、その後再度接触角を測定し、その変化を観察した。
その評価結果は表1に示すとおり良好であった。
【0036】
実施例4
酸化ジルコニウム粉末にPVAの3%水溶液をバインダーとして添加し、直径15mm、高さ10mmにプレスした後に、電気炉にて1300℃で焼結。撥水性物質の含浸母体とした。この酸化ジルコニウム焼結体1を図1の様な直径20mm、深さ15mmの円筒形の容器2に入れ、かかる容器2に化学式n−C8 F17CH2 CH2 Si(OCH3 )3 で表されるパーフルオロアルキル基含有化合物をピペットを用いて0.5ml含浸させた。
【0037】
次に、銀−アクリル樹脂(目本電子製:商品名:ドータイトD−550)を酢酸ブチルにて10%に希釈した溶液に、上記の酸化ジルコニウムペレットを30秒間浸漬し、導電性の撥水成分蒸発用多孔質体3とした(図2)。次に、それを図3の様な真空蒸着装置(シンクロンBMC850)4の真空槽5内の電子銃蒸発源6のハースライナー7にセットした。
【0038】
続いて実施例1と同様の手順で作成した反射防止膜付きジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂からなる合成樹脂製レンズ8を蒸着終了後、真空槽5から出さずに、先に同じ電子銃6のハースライナー7にセットした撥水成分蒸発用多孔質体3を電子銃条件が加速電圧6kV、エミッション電流5mA、ビームスポットサイズ直径約20mmで2分間加熱しパーフルオロアルキル基含有化合物を蒸発させ、撥水薄膜の形成を行った。
【0039】
蒸着終了後、合成樹脂製レンズ8を真空槽5から取り出し、レンズの水に対する接触角を協和界面科学製CA−Z型接触角計を用いて測定した。またその測定後アセトンを含ませたレンズペーパーで約lKgの重量をかけ、50住復擦り、その後再度接触角を測定し、その変化を観察した。
その評価結果は表1に示すとおり良好であった。
【0040】
比較例1
酸化ジルコニウム粉末にPVAの3%水溶液をバインダーとして添加し、直径15mm、高さ10mmにプレスした後に、電気炉にて1300℃で焼結して撥水性物質の含浸母体とした。この酸化ジルコニウム焼結体1を図1の様な直径20mm、深さ15mmの円筒形の容器2に入れ、かかる容器2に化学式n−C8 F17CH2 CH2 Si(NH2 )3 で表わされるパーフルオロアルキル基含有化合物をメタキシレンヘキサフロライドで3%に希釈した撥水処理用の溶液をピペットを用いてlml含浸させた。さらにこれを70℃で20分間乾燥し、溶剤成分を蒸発させた。それを図3の様な真空蒸着装置(シンクロンBMC850)4の真空槽5内の電子銃蒸発源6のハースライナー7にセットした。
【0041】
続いて実施例1と同様の手順で作成した反射防止膜付きジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂からなる合成樹脂製レンズ8を蒸着終了後、真空槽5から出さずに、先に同じ電子銃6のハースライナー7にセットした撥水成分蒸発用材料3を電子銃条件が加速電圧6kV、エミッション電流10mA、ビームスポットサイズ直径約20mmで2分間加熱した。しかし、撥水成分蒸発用多孔質体3は加熱赤熱されず、撥水成分の蒸発を示す真空度の悪化は見られなかった。
【0042】
また、蒸着終了後、合成樹脂製レンズ8を真空槽5から取り出し、レンズの水に対する接触角を協和界面科学製CA−Z型接触角計を用いて測定したところ、その接触角は表1のようにきわめて低く、満足のゆくものではなかった。
【0043】
比較例2
比較例1と同様の手順で作成した酸化ジルコニウムの撥水成分蒸発用多孔質体3(図2)を図3の様な真空蒸着装置(シンクロンBMC850)4の真空槽5内の電子銃蒸発源6のハースライナー7にセットした。
【0044】
続いて実施例1と同様の手順で作成した反射防止膜付きジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂からなる合成樹脂製レンズ8を蒸着終了後、真空槽5から出さずに、先に同じ電子銃6のハースライナー7にセットした撥水成分蒸発用多孔質体3を電子銃条件が加速電圧6kV、エミッション電流150mA、ビームスポットサイズ直径約20mmで2分間加熱した。ペレットは加熱赤熱したが、含浸母体の酸化ジルコニウム焼結体1にも蒸発が見られ、蒸着終了後、真空槽5から取り出した合成樹脂製レンズ8の反射色は通常の反射色である淡緑色から黄色に変化しており所望の特性から変化していた。
【0045】
また、レンズの水に対する接触角を協和界面科学製CA−Z型接触角計を用いて測定したところ、初期のその接触角は表1のように良好であったが、アセトンを含ませたレンズペーパーで約lKgの重量をかけ、50住復擦り、その後再度接触角を測定するとその接触角はきわめて低く、満足のゆくものではなかった。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の薄膜形成方法により、所定の基材上に低コストでなおかつ簡易な操作により、高品質の薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜形成材料の調製時における多孔質体を含浸用の容器に充填した状態を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施例で使用する撥水成分蒸発用多孔質体を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例で使用する真空蒸着装置の構造を示す模式図である。
【図4】本発明の薄膜形成材料の調製時における石膏をプラスチック製の鋳型に充填する状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ジルコニウム焼結体
2 容器
3 撥水成分蒸発用多孔質体
4 真空蒸着装置
5 真空槽
6 電子銃蒸発源
7 ハースライナー
8 レンズ
9 ドーム
10 SiO2
11 ZrO2
12 プラスチック製鋳型
Claims (4)
- 薄膜形成物質を保持させた多孔質材料の表面に導電性物質を付着させてなる薄膜形成材料を減圧下で電子銃を用いて加熱することにより、前記多孔質材料から薄膜形成物質を蒸発させ、該薄膜形成物質の薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。
- 前記薄膜形成物質が撥水性の有機物質からなる請求項1記載の薄膜形成方法。
- 前記導電性物質がカーボンペーストである請求項1記載の薄膜形成方法。
- 前記導電性物質が銀ペーストである請求項1記載の薄膜形成方法。
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