JP3774165B2 - 毛髪前処理剤及び毛髪前処理方法 - Google Patents

毛髪前処理剤及び毛髪前処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は毛髪前処理剤及び毛髪前処理方法に関する。さらに詳しくは、毛髪の脱色、染毛(但し、酸性染毛料による染毛を除く)、パーマネントウェーブ、縮毛矯正などの施術前に使用する毛髪前処理剤及び毛髪前処理方法に関し、その目的は、毛髪に対する施術前に予め塗布しておくことで、損傷した毛髪であってもその強度を修復することができ、その後の施術において、毛髪を目的の色や形状にすることができ、しかも毛髪に損傷を与えることなく施術することができる毛髪前処理剤及び毛髪前処理方法を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
近年、ライフスタイルの多様化に伴い、毛髪を本来の色と異なった色にするために、毛髪を脱色、或いは染毛する人が増加している。また、毛髪の形状を変化させるために、パーマネントウェーブや縮毛矯正を行う人も増えている。
【0003】
毛髪を染毛するために使用される染毛剤は、一時染毛剤と、永久染毛剤に大きく分類される。一時染毛剤は短時間の染毛に使用されるもので、無機顔料などを樹脂類や油脂類で毛髪の表面に付着させて染毛する。シャンプーなどで簡単に落とすことができる。
永久染毛剤としては、酸化染料を含む第1剤と酸化剤を含む第2剤からなる二剤式のものが主流である。アンモニア水などのアルカリ剤を含有したアルカリタイプのものでは毛髪に含まれるメラニンを分解しながら染色するために毛髪の色を明るくすることができる。一方、毛髪の色を明るくする必要のないときは、ヘマテイン、ピロガロール、タンニン酸等の鉄塩を用いて発色染毛する中性タイプのものが用いられる。
【0004】
またパーマネントウェーブ剤としては、還元剤を主成分とする第1剤と、酸化剤を主成分とする第2剤とからなる二剤式のパーマネントウェーブ剤が広く用いられている。第1剤を毛髪に塗布することで、還元剤の働きにより毛髪の構成タンパク中のジスルフィド結合を開裂させ、次に第2剤を塗布することで、酸化剤の働きによりジスルフィド結合を再結合して毛髪にウェーブ等の所要の形状を形成することができる。
【0005】
しかしながら、染毛剤やパーマネントウェーブ剤等には、上述したように、アルカリ剤、酸化剤、還元剤などといった薬剤が含有されていることから、施術した毛髪は少なからず損傷を受ける。損傷した毛髪は、日常の洗髪などにより毛髪中のタンパクが溶出するために毛髪の保湿性が低減して、毛髪がぱさつき、ハリが無くなり、また枝毛や切れ毛の原因にもなる。
【0006】
一方、一旦脱色、染毛された毛髪の色は、ある程度の期間は保持されるものの、経日とともにいずれ退色する。また、パーマネントウェーブや縮毛矯正された毛髪の形状も、経日とともに崩れてくる。このため、好みの毛髪の色や形状を長期間維持しようとすると、一定期間毎に、繰り返して同様の施術を行う必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、損傷した毛髪は健常の毛髪に比べて弱いために、更に染毛やパーマネントウェーブ等の施術を繰り返し行うと、毛髪の損傷が進行して断毛が生じるといった問題があった。また、損傷した毛髪と健常の毛髪では染色の度合いが異なるために、損傷した毛髪を染毛すると当初予定していた色に染色されず、酷い場合は色ムラが生じることがあった。更には、損傷した毛髪にパーマネントウェーブや縮毛矯正の施術を行うと、健常の毛髪に施術する場合に比べて、その効果に劣るといった問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、毛髪の脱色、染毛(但し、酸性染毛料による染毛を除く)、パーマネントウェーブ、縮毛矯正等の施術前に毛髪に塗布することによって、損傷した毛髪であってもその強度を修復することができ、その後の施術において、目的の色や形状にすることができ、しかも毛髪に損傷を与えることなく施術することができる毛髪前処理剤及び毛髪前処理方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1に係る発明は、平均分子量1000以上の加水分解タンパク及び/又はその誘導体を1〜80重量%含有する第1剤と、前記加水分解タンパク及び/又はその誘導体を変性させるための変性剤としての酸を含有する第2剤とからなることを特徴とする毛髪の脱色、染毛(但し、酸性染毛料による染毛を除く)、パーマネントウェーブ、又は縮毛矯正の施術前に使用する毛髪前処理剤に関する。
請求項2に係る発明は、前記加水分解タンパクが、ケラチン加水分解タンパク及び/又はコラーゲン加水分解タンパクであることを特徴とする請求項に記載の毛髪前処理剤に関する。
請求項3に係る発明は、前記第1剤及び/又は第2剤に、多価アルコールが含有されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪前処理剤に関する。
請求項4に係る発明は、前記第1剤及び/又は第2剤に、オルガノシロキサンが含有されてなることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の毛髪前処理剤に関する。
請求項5に係る発明は、平均分子量1000以上の加水分解タンパク及び/又はその誘導体を含有する液剤を毛髪に塗布した後に、毛髪に塗布された前記加水分解タンパク及び/又はその誘導体を酸により変性させることを毛髪の脱色、染毛(但し、酸性染毛料による染毛を除く)、パーマネントウェーブ、又は縮毛矯正の施術前に行なう前処理方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る毛髪前処理剤は、二剤式の毛髪前処理剤であって、第1剤に平均分子量(以下「平均分子量」と称す)1000以上の加水分解タンパク及び/又はその誘導体が含有され、第2剤に前記加水分解タンパク及び/又はその誘導体を変性させる変性剤としての酸が含有される。かかる構成を有することで、毛髪上で加水分解タンパクを変性させることにより加水分解タンパクが凝集し、毛髪表面上に十分に強固に吸着させることができる。このため、本発明に係る毛髪前処理剤を染毛(但し、酸性染毛料による染毛を除く)やパーマネントウェーブ等の施術前に毛髪に適用することで、損傷した毛髪の強度を補修し、その後の施術により、毛髪を目的の色や形状にすることができるとともに、施術後の毛髪にあっても損傷を与えないといった効果を奏することができる。
【0011】
本発明に係る毛髪前処理剤の第1剤には、必須成分として、平均分子量1000以上の加水分解タンパク及び/又はその誘導体が含有される。
【0012】
本発明において用いられる加水分解タンパクとしては、動植物由来のタンパクを酸性下、塩基性下又は酵素の使用により加水分解して得られるものであり、例えば、ケラチン、コラーゲン、カゼイン、酵母タンパク、コンキオリン、シルク、セリシン、エラスチン、卵黄タンパク、大豆タンパク、小麦タンパク、酵母タンパク等を加水分解して得られる加水分解タンパクが挙げられる。
【0013】
また、本発明では、これら加水分解タンパクの誘導体を用いることもできる。加水分解タンパクの誘導体としては、加水分解タンパクのエステル化物や加水分解タンパクのアルキルカチオン化物等が挙げられる。
加水分解タンパクのエステル化物としては、加水分解タンパクとアルキルアルコールとのエステル、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ラウリルエステル、セチルエステル、2−エチルエステル、ステアリルエステル等を例示すことができる。
また加水分解タンパクのアルキルカチオン化物としては、加水分解タンパクの第四級アンモニウム塩が好ましく、具体的には、加水分解タンパクのアミノ基に、グリシジルアンモニウム塩、3−ハロゲン−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩、3−ハロゲンプロピルアンモニウム塩等を反応させて得られるものを例示することができる。
【0014】
本発明では、前記加水分解タンパク又はその誘導体の一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いても構わない。
用いられる加水分解タンパク又はその誘導体の分子量としては、平均分子量が1000以上のものが用いられ、好ましくは、平均分子量が1400以上、より好ましくは、4000以上、さらに好ましくは4000〜10000のものが用いられる。この理由は、平均分子量が1000未満の場合には、加水分解タンパク又はその誘導体が十分に変性せずに、毛髪表面上に十分吸着することができないために、好ましくないからである。
【0015】
上記した如く、本発明で用いられる加水分解タンパク又はその誘導体は、平均分子量が1000以上のものであれば、いずれの加水分解タンパク又はその誘導体を用いることもできるが、ケラチン又はコラーゲンの加水分解物を用いることが好ましい。また、加水分解タンパクの誘導体としては、これらのアルキルカチオン化物が好ましい。
【0016】
加水分解タンパク又はその誘導体は、粉末又は液状のものを用いることができるが、ハンドリング特性の観点から水溶液としたものを用いることが好ましい。また加水分解タンパク又はその誘導体の含有量は、第1剤中、1〜80重量%とされ、好ましくは、5〜60重量%とされる。この理由は、加水分解タンパク又はその誘導体の含有量が1重量%未満の場合、毛髪表面への加水分解タンパクの吸着量が少なすぎて十分な効果が望めないために、また、80重量%を超えると、加水分解タンパクの吸着量が多くなりすぎて毛髪表面に均一に付着しないうえ、指通り性が悪くなるために、いずれの場合も好ましくないからである。
【0017】
本発明で好ましく用いられる加水分解タンパク又はその誘導体の市販品としては、例えば、プロモイスWK−GB(平均分子量10000、成和化成社製)、プロモイスWK−HCAQ(平均分子量1400、成和化成社製)、プロモイスW−4000(平均分子量4000、成和化成社製)等を例示することができる。
【0018】
また第2剤には、必須成分として、変性剤としての酸が含有される
【0019】
本発明で用いられる酸とは、化粧品原料に用いられるものであればいずれでも良いが、例えば、クエン酸、リン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、プロピオン酸、カプリン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸等が挙げられ、クエン酸、リン酸、乳酸等の有機酸を用いることが好ましい。
【0020】
第2剤中の変性剤の含有量は、第1剤中の加水分解タンパク又はその誘導体を凝集させることできる量であれば特に限定されないが、0.01〜10重量%の範囲で含有され、0.1〜5重量%とすることが好ましく、1〜5重量%とすることがより好ましい。この理由は、含有量が0.01重量%未満の場合には、加水分解タンパク又はその誘導体を効果的に凝集させることができず、効果に劣るために、また、10重量%を超えて含有すると、皮膚刺激が生じる場合があるために、いずれの場合も好ましくないからである。
【0021】
本発明に係る毛髪前処理剤には、毛髪の艶や指通り性を向上させるために、第1剤又は第2剤、或いは両剤に、多価アルコールやオルガノシロキサンを含有することができる。
【0022】
用いられる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のアルキレングリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;グリセリン;ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタグリセリン、デカグリセリン等のポリグリセリン;グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール等の糖類などが例示でき、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタグリセリン、デカグリセリン等のポリグリセリンやグリセリンを用いることが好ましい。
【0023】
多価アルコールの含有量は、第1剤中又は第2剤中、0.1〜10重量%とすることが好ましく、1〜8重量%とすることがより好ましい。この理由は、含有量が0.1重量%未満の場合には、配合の効果が望めないために、また、10重量%を超えて含有すると、毛髪の強度補修効果が小さくなるために、いずれの場合にも好ましくないからである。
【0024】
オルガノシロキサンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン等を例示することができ、ジメチルポリシロキサンを用いることが好ましい。
【0025】
オルガノシロキサンの含有量は、第1剤中又は第2剤中、0.1〜5重量%とすることが好ましく、0.5〜2重量%とすることがより好ましい。この理由は、含有量が0.1重量%未満の場合には、配合の効果が望めないために、また、5重量%を超えて含有すると、毛髪の強度補修効果が小さくなるために、いずれの場合も好ましくないからである。
【0026】
本発明に係る毛髪前処理剤の第1剤及び第2剤には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記した成分の他、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、エタノール、精製水、香料、防腐剤、pH調整剤等を目的に応じて適宜配合しても良い。
【0027】
尚、本発明に係る毛髪前処理剤は、毛髪に対する施術、例えば毛髪脱色剤、染毛剤(但し、酸性染毛料を除く)、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤などによる施術前に使用される。
【0028】
本発明に係る二剤式の毛髪前処理剤の使用方法の一例について説明すると、例えば、毛髪をシャンプーした後、或いは、軽くぬるま湯で濯いだ後に、本発明に係る二剤式の毛髪前処理剤の第1剤の適量を毛髪に均一に塗布して0〜10分間放置する。次に、第2剤を更に均一に塗布して0〜10分間放置した後、軽くぬるま湯で濯ぐ。その後、目的とする染毛やパーマネントウェーブ等の施術を行う方法を例示することができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、含有量は、重量%である。
【0030】
(試料の調製)
後記表1〜2に記した第1剤及び第2剤を用い、下記評価に供した。
【0031】
【表1】
Figure 0003774165
【0032】
尚、「商品名:プロモイスWK−GB」には加水分解ケラチンが20重量%、「商品名:プロモイスWK−HCAQ」にはアルキルカチオン化加水分解ケラチンが30重量%、「商品名:プロモイスW−4000」には加水分解コラーゲンが20重量%、それぞれ含まれている。
【0033】
【表2】
Figure 0003774165
【0034】
尚、「商品名:プロモイスWK」には加水分解ケラチンが25重量%、「商品名:プロモイスWS」には加水分解大豆が25重量%、「商品名:プロモイスWG」には加水分解小麦が25重量%、それぞれ含まれている。
【0035】
(試験例1:引張り強度試験1)
長さ15cm、重さ2gの毛束を毛髪脱色剤(商品名:ギャツビーEXハイブリーチ、マンダム社製)にて下から7cm以下の部分を30℃で30分間脱色した。その後、ストレートパーマ剤(商品名:ルシードエルハイストレートパーマ、マンダム社製)の第1剤及び第2剤で各60分間処理し、水洗し乾燥して損傷毛モデルを作成した。
これに実施例1〜6及び比較例1〜9の各試料の第1剤1gを均一に塗布して1分間放置し、続いてそれぞれの第2剤1gを均一に塗布し1分間放置後、水洗して乾燥した。処理後の毛束より、直径が約100μmの毛髪を各8本採取し、引張り強度試験に供した。
引張り強度試験は、毛髪の末端から1cmから10cmの部分を切り取り、引張り強度試験機〔不動工業(株)製、レオメータ〕で測定した。尚、比較対照(比較例10)としては、上記いずれの試料も塗布していない上記損傷毛モデルを用いた。得られた引張り強度を下記の評価基準に従い評価した。結果を表3〜4に記す。
【0036】
<評価基準>
○:引張り強度が120kg以上
△:引張り強度が100kg以上120kg未満
×:引張り強度が100kg未満
【0037】
(試験例2:毛髪のハリの評価1)
上記試験の後、各毛髪のハリについて、専門パネラー5名により下記評価基準に従い評価した。結果を表3〜4に記す。
【0038】
<評価基準>
○:5名中4〜5名が、ハリがあると回答。
△:5名中2〜3名が、ハリがあると回答。
×:5名中0〜1名が、ハリがあると回答。
【0039】
(試験例3:引張り強度試験2)
上記試験例1の試験の後、得られた各毛束を、酸化染毛剤(商品名:ギャツビーナチュラルブリーチカラーアッシュブラウン、マンダム社製)で染色し、試験例1と同様の操作により引張り強度を試験して同様に評価した。尚、比較対照(比較例10)としては、上記損傷毛モデルをそのまま染色したものを用いた。結果を表3〜4に記す。
【0040】
(試験例4:毛髪のハリの評価2)
上記試験例3の試験の後、各毛髪のハリについて、試験例2と同様に評価した。結果を表3〜4に記す。
【0041】
(試験例5:染毛効果の評価)
上記試験例3の試験の後、染色された毛束の色調を標準毛束と比較して、その染毛効果を下記評価基準に従い評価した。尚、標準毛束は、脱色処理を行っていない未処理毛束を、酸化染毛剤(商品名:ギャツビーナチュラルブリーチカラーアッシュブラウン、マンダム社製)で染色したものを用いた。結果を表3〜4に記す。
【0042】
<評価基準>
○:標準毛束と同色調に染色された。
△:標準毛束と色調が若干異なる。
×:標準毛束と色調が明らかに異なる。
【0043】
【表3】
Figure 0003774165
【0044】
【表4】
Figure 0003774165
【0045】
表3及び表4の結果から、本発明に係る二剤式の毛髪前処理剤を損傷毛に適用すると、「引張り強度1」及び「毛髪のハリ1」の試験結果から明らかな如く、毛髪の強度が修復されることが分かる。また、本発明に係る二剤式の毛髪前処理剤の適用後に染毛処理をすると、毛髪に損傷を与えずに染毛することができ、しかも、未処理毛束と同等の染毛効果を発揮することが分かる。
【0046】
(実施例7)
以下の処方に従い、二剤式の毛髪前処理剤を調製した。
Figure 0003774165
【0047】
損傷毛モデルに上記実施例7の毛髪前処理剤の第1剤及び第2剤を塗布後、毛髪脱色剤(商品名;ギャツビーEXハイブリーチ、マンダム社製)で処理した。その結果、毛髪の損傷が防止され、ハリと潤いを与えることができた。
【0048】
(実施例8)
以下の処方に従い、二剤式の毛髪前処理剤を調製した。
Figure 0003774165
【0049】
パーマネントウェーブ剤(商品名:アリスティアウェーブエッジ−P、ピアセラボ社製)で処理して調製した縮毛モデルに、上記実施例8の毛髪前処理剤の第1剤及び第2剤を塗布後、縮毛矯正剤(商品名:ルシードエルハイストレートパーマ、マンダム社製)で処理した。その結果、毛髪は損傷することなくストレートに矯正され、ハリと潤いを与えることができた。
【0050】
以上詳述した如く、本発明に係る毛髪前処理剤及び毛髪前処理方法は、平均分子量1000以上の加水分解タンパク及び/又はその誘導体を含有する第1剤を毛髪上で加水分解タンパクを変性させることによりタンパクが凝集し、毛髪表面上に十分に強固に吸着させることができる。これにより、染毛(但し、酸性染毛料による染毛を除く)やパーマネントウェーブ等の施術前に毛髪に適用することで、損傷した毛髪の強度を補修し、その後の施術で毛髪を目的の色や形状にすることができるとともに、施術後の毛髪にあっても損傷を与えないといった効果を奏することができる。また本発明に係る毛髪前処理剤の第1剤及び/又は第2剤に多価アルコール又はオルガノシロキサンが含有されることにより、毛髪の艶や指通り性を向上することができる。

Claims (5)

  1. 平均分子量1000以上の加水分解タンパク及び/又はその誘導体を1〜80重量%含有する第1剤と、前記加水分解タンパク及び/又はその誘導体を変性させるための変性剤としての酸を含有する第2剤とからなることを特徴とする毛髪の脱色、染毛(但し、酸性染毛料による染毛を除く)、パーマネントウェーブ、又は縮毛矯正の施術前に使用する毛髪前処理剤。
  2. 前記加水分解タンパクが、ケラチン加水分解タンパク及び/又はコラーゲン加水分解タンパクであることを特徴とする請求項に記載の毛髪前処理剤。
  3. 前記第1剤及び/又は第2剤に、多価アルコールが含有されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪前処理剤。
  4. 前記第1剤及び/又は第2剤に、オルガノシロキサンが含有されてなることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の毛髪前処理剤。
  5. 平均分子量1000以上の加水分解タンパク及び/又はその誘導体を含有する液剤を毛髪に塗布した後に、毛髪に塗布された前記加水分解タンパク及び/又はその誘導体を酸により変性させることを毛髪の脱色、染毛(但し、酸性染毛料による染毛を除く)、パーマネントウェーブ、又は縮毛矯正の施術前に行なう前処理方法。
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