JP3774093B2 - 追尾処理装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、目標を追尾する追尾処理装置及び方法に関し、特に、不要信号環境下での追尾維持を高めた追尾処理装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の追尾処理装置について図面を参照しながら説明する。
図13は、例えば、「Samuel S. Blackman, Multiple-Target Tracking with Radar Applications, Artech House, Dedham, 1986」p83-p113(特にp88)に示されたゲート生成法を用いて構成した追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
【0003】
図13において、1は、後述する平滑手段5から得られる現時刻(時刻k)の平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列を入力して1サンプリング後(時刻k+1)の予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を出力する予測手段、2は、予測手段1から得られる1サンプリング後(時刻k+1)の予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を入力して現時刻(時刻k)の予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を出力する遅延要素、4は、遅延要素2から得られる現時刻(時刻k)の予測ベクトル及び予測誤差共分散行列、後述する観測手段6から得られる観測雑音ベクトル、後述するNN(Nearest Neighbour)法によるゲートサイズ算出手段21から得られるゲートサイズを入力してゲート内に存在すると判定された現時刻(時刻k)の観測ベクトル及び予測観測値の誤差共分散行列を出力するゲート判定手段である。
【0004】
また、5は、ゲート判定手段4から得られるゲート内に存在すると判定された現時刻(時刻k)の観測ベクトル及び予測観測値の誤差共分散行列、予測手段1から得られる現時刻の予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を入力して現時刻の平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列を出力する平滑手段、6は、内蔵するセンサから得られる極座標で表された観測ベクトル(観測位置)及び極座標で表された観測雑音ベクトル、予測手段1から得られるセンサ位置と目標予測位置との間の距離(予測ベクトル)を入力して北基準直交座標で表された観測ベクトル(観測位置)及び極座標で表された観測雑音ベクトル、探知確率、誤警報確率、不要信号発生頻度を出力する観測手段である。
【0005】
さらに、7は、平滑手段5から得られる平滑ベクトルを入力して平滑ベクトルより位置成分のみを切り出した平滑位置及び速度成分を切り出した平滑速度を出力する表示手段、21は、ゲート判定手段4から得られる現時刻の予測観測誤差共分散行列、観測手段6から得られる不要信号発生頻度、探知確率を入力してゲート判定手段4へのゲートサイズを出力するNN(Nearest Neighbour)方式によるゲートサイズ算出手段である。
【0006】
図13における追尾処理装置には、カルマンフィルタを使用することを前提として、数1に定義される目標の運動モデル及び数2に定義される目標の観測モデルに従って予測を行うようになされている。
【0007】
【数1】
Figure 0003774093
【0008】
なお、 kは状態ベクトル、Φkは状態遷移行列、Γ1kは駆動雑音ベクトルの変換行列、 kは駆動雑音ベクトルである。
【0009】
また、行列及びベクトルの符号表記の右下添字kは、以下、特に断りなければ、サンプリング時刻tkの場合を表すものとし、例えば、 kの場合、「サンプリング時刻tkの状態ベクトル」という意味であり、 k-1の場合、「サンプリング時刻tk-1の状態ベクトル」という意味であり、Φk-1の場合、「サンプリング時刻tk-1の状態遷移行列」という意味である。
【0010】
【数2】
Figure 0003774093
【0011】
なお、Zkは観測ベクトル、Hkは観測行列、Γ2kは観測雑音ベクトルの変換行列、 kは観測雑音ベクトルである。
【0012】
図13に示す構成において、予測手段1では、数1の運動モデルに従って、数3を用いて予測ベクトルを算出し、数4を用いて予測誤差共分散行列を算出する。
【0013】
【数3】
Figure 0003774093
【0014】
【数4】
Figure 0003774093
【0015】
なお、 k(−)は予測ベクトル、 k(+)は平滑ベクトル、Pk(−)は予測誤差共分散行列、Qkは駆動雑音の共分散行列、Pk(+)は平滑誤差共分散行列である。
【0016】
また、以下、行列及びベクトルの符号表記の右上添字Tは、特に断りなければ、行列及びベクトルの転置を表すものとする。
【0017】
また、遅延要素2では、予測手段1で算出されたサンプリング時刻k+1の時の予測ベクトル、予測誤差共分散行列を1サンプリング分だけ遅延させ、サンプリング時刻kの時の予測ベクトル、予測誤差共分散行列を出力する。
【0018】
次に、図13におけるNN方式によるゲートサイズ算出手段21及びゲート判定手段4についての説明を行う。
NN方式によるゲートサイズ算出手段21を説明するために、まず、ゲート判定手段4についての説明を行う。また、ゲート判定手段4についての説明の中でゲートについて説明していく。
【0019】
ゲートとは、目標存在が期待される範囲である。ゲートを説明をする図を図14に示す。
図14において、P0は、ゲートの中心位置を表す予測観測ベクトルであり、D1、D2、D3はそれぞれゲート内に存在する観測ベクトルとする。
実際は観測ベクトルD1、D2、D3より多くの観測ベクトルが得られる場合があるが、図14においては、説明のためにゲート内で得られる観測ベクトルはD1、D2、D3の3つの観測ベクトルのみ得られるとする。
【0020】
また、観測ベクトルは、目標信号の他に、目標信号以外からの信号である不要信号も含まれる可能性がある。また、図14中の点線は、各々、予測観測ベクトルP0とゲート内に存在する観測ベクトルD1、D2、D3との確率密度で正規化した距離を表す。
【0021】
上記確率密度で正規化した距離を相関距離と定義し、相関距離を表した図を図15に示す。
図15において、予測観測ベクトル及び予測誤差共分散行列より予測観測ベクトルを中心にしてゲートをつくる。図13に示す観測手段6より得られる観測ベクトルの集合の内、例えば図15中におけるゲート内に入った観測ベクトルをそれぞれ、観測ベクトル1、観測ベクトル2とする。この時、予測観測値の誤差共分散行列からの確率密度から算出される確率について、相関距離α1は、相関距離α2よりも近い場合、その時の相関距離α1からの確率は相関距離α2からの確率よりも高い確率を持つ。
なお、後述で、特に断りのない場合、相関距離で重み付け統合を行うということを、相関距離からの確率で重み付けすると同じ意味とする。
【0022】
従来の追尾処理装置では、図14において、ゲート内に複数存在する観測ベクトルの内、予測観測ベクトルに一番近い信号D1のみを用いて、カルマンフィルタにより目標の現在の推定値である平滑ベクトルを求めている。このゲート内での処理を経て平滑ベクトルを算出する方法をNearest Neighbour方式とする。
それに対し、図14において、ゲート内に複数存在する観測ベクトルの内、すべてのゲート内での観測ベクトルD1、D2、D3それぞれと、予測観測ベクトルとの間で、そのそれぞれの相関距離を用いて、観測ベクトルD1、D2、D3すべてを重み付けして、目標の現在の推定値である平滑ベクトルを算出する方法をAll Neighbour方式とする。
上記Nearest Neighbour方式、All Neighbour方式を特に断りのない場合には、NN方式、AN方式と略して呼ぶことにする。
【0023】
従来の追尾処理装置におけるゲート判定はNN方式で行われている。そのゲート判定とは、図13におけるゲート判定手段4において、数5により、観測手段6より得られる観測ベクトルが目標信号であるか、不要信号であるかを判定する。
【0024】
【数5】
Figure 0003774093
【0025】
なお、Zk(−)は予測観測ベクトル、Skは予測観測値の誤差共分散行列、dはゲートサイズである。
数5は、目標が存在されると予測される領域であるゲートを表している。また、以下、行列の符号表記の右上添字の−1は、特に断りがなければ逆行列を表すものとする。例えば、Sk -1は、予測観測値の誤差共分散行列の逆行列を表す。
【0026】
ゲートの必要性であるが、観測手段6が有する例えばセンサとしてレーダを考える。この場合、アンテナから送信された電波の方向と180度反対の方向、すなわちアンテナの背後に目標が存在する時は、目標を探知できない。つまり、目標が探知される範囲は全空間ではなく、空間の1部であるため、ゲートが必要である。数5において、ゲートの大きさを決める要素は、ゲートサイズdあるいは予測観測値の誤差共分散行列である。
【0027】
なお、観測ベクトルの次数が2次元の場合のゲートの例を図16に示す。この場合、ゲートは平均が予測ベクトル、分散が観測誤差共分散行列より決まる確率楕円の内部になる。
また、ゲートの大きさを決定する要素の1つである予測観測値の誤差共分散行列は、予測観測ベクトルと目標の真値である状態ベクトルとの誤差を表している。ここで、不要信号が存在する場合、目標の真の位置よりかけ離れている目標の観測位置が得られ、予測観測値の誤差共分散行列の値は大きくなり、ゲートが大きくなる。また、数4の右辺の第2項のように、観測精度が悪いと、観測雑音ベクトルの共分散行列が大きくなるため、一定値のゲートサイズを決めるパラメータdに関してもゲートは大きくなる。
【0028】
さらに、カルマンフィルタの理論に基づいて、図13におけるゲート判定手段4を説明する。
図13におけるゲート判定手段4では、観測手段6より得られる観測ベクトルを数5を用いて判定する。数5における予測観測ベクトルは、数6により算出され、数5における予測観測値の誤差共分散行列は、数7にり算出される。ここで、数5、数6、数7の算出式は数2の観測モデルに従う。
【0029】
【数6】
Figure 0003774093
【0030】
【数7】
Figure 0003774093
【0031】
なお、Pk(−)は予測誤差共分散行列である。
【0032】
ゲートの大きさは、数理統計学における右側検定に相当する。つまり、目標からの信号がゲート内に存在するための目標基準の一定確率を確保するのが数5である。
数6の予測観測ベクトルはゲートの中心を表す。
数5における観測ベクトルは、平均が数6の予測観測ベクトル、分散が数7の予測観測値の誤差共分散行列である多変量正規分布に従うとする。その時、数5の左辺は、観測ベクトルの次数をNとした時、自由度Nのカイ2乗分布に従う。
【0033】
次に、NN方式によるゲートサイズ算出手段21を説明する。
まず、図13におけるゲート判定手段4に用いるゲートサイズを決めるパラメータd、いわゆるゲートサイズdは、数8により算出する。つまり、数8によって算出されたg0をゲートサイズを決めるパラメータdと置き換える。
【0034】
【数8】
Figure 0003774093
【0035】
なお、nは観測ベクトルの次数、πは円周率、PDは探知確率、βkは不要信号発生頻度、d0は最適パラメータである。
【0036】
ここで、数8の算出方法について説明する。
従来の追尾処理装置で用いられているNN方式では、目標が探知されずに、不要信号がゲート内に存在する位置よりも、目標から探知された観測ベクトルの位置がゲートの中心にあることが望ましい。つまり、図14において、ゲートの中心である予測観測ベクトルP0に対して、目標信号が観測ベクトルD1であることが良い。そこで、例えば、不要信号がゲート内に一様分布で存在するとの仮定より、目標が探知されずに、不要信号がゲート内のある位置に存在する確率密度g1(z)は、数9で表される。
【0037】
【数9】
Figure 0003774093
【0038】
なお、zは観測ベクトルと同じ次元の確率変数である。
また、目標から探知された観測ベクトルは、平均が予測観測ベクトル、分散が予測観測値の誤差共分散行列の多変量正規分布に従うとの仮定より、その確率密度関数g2(z)は数10となる。
【0039】
【数10】
Figure 0003774093
【0040】
なお、expはネピアの数(2.7182・・・)である。
従来の追尾処理装置で用いられているNN方式では、上記のように、目標が探知されずに、不要信号がゲート内に存在する位置よりも、目標から探知された観測ベクトルの位置がゲートの中心にあることが望ましい。つまり、数11の関係が成立するのが望ましい。
【0041】
【数11】
Figure 0003774093
【0042】
したがって、数11に数9及び数10を代入して変形を行い、数11を満たすゲートサイズが数8により導出される。
図13における平滑手段5では、数12によりゲイン行列Kkを算出し、数13により平滑ベクトル k(+)を算出し、数14により平滑誤差共分散行列Pk(+)を算出する。
【0043】
【数12】
Figure 0003774093
【0044】
【数13】
Figure 0003774093
【0045】
なお、 k,jは観測ベクトルであり、ここで、平滑ベクトルの更新に用いる観測ベクトルは、サンプリング時刻tkの時に得られる観測ベクトルの個数をmkとした時、観測ベクトルの集合{ k,1,・・・, k,j,・・・, k,mk}(ただし、j=1,・・・,mk)の中の k,jを用いることとする。
【0046】
【数14】
Figure 0003774093
【0047】
数13の平滑ベクトルの更新に用いる観測ベクトルは、観測手段6より得られる観測ベクトルの集合から、ゲート判定手段4により1つ選び出したものを使用することにする。
【0048】
図13における観測手段6に係る座標系を説明するための図を図17に示す。
図17において、Oはセンサ、Tは追尾目標、Rは追尾目標TとセンサOの間の距離、EはセンサOと追尾目標Tとを結ぶ線分OTがX−Y平面となす仰角、BはセンサOと追尾目標Tとを結ぶ線分OTのX−Y平面への正射影ベクトルがX軸となす方位角である。さらに、[R、E、B]は「極座標」を表し、[X、Y、Z]は「北基準直交座標」を表す。また、以下、座標は特に断わりがない場合は、単に「座標」といった場合、北基準直交座標[X、Y、Z]を表すこととする。
【0049】
数2における観測雑音ベクトル、数7における観測雑音ベクトルの共分散行列は極座標で表される。また、観測雑音ベクトル及び観測雑音の共分散行列以外の数1、数2、数3、数4、数5、数6、数7、数12、数13、数14中のベクトル及び行列は北基準直交座標で表される。
【0050】
図13に示す観測手段6は、図17の極座標において、目標位置を観測し、その目標の極座標で表された観測ベクトルや観測雑音ベクトルを含む観測情報を、図17の北基準直交座標に変換して出力する。
表示手段7では、平滑手段5で算出された平滑値を表示する。
【0051】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の追尾処理装置では、ゲート内すべての観測信号を考慮していないため、ゲートサイズを決めるパラメータdを算出する場合、特に探知確率が1の場合、そのパラメータdの値が無限大となってしまう。すなわち、この場合においては、ゲート内の領域は全空間と一致するので、ゲートの意味をなさないという問題点がある。この場合、不要信号環境においては、不要信号に誤追尾しやすい。
【0052】
また、従来例では、ゲート内の観測ベクトルを1つのみ用いて、平滑ベクトルを算出するため、センサから得られる信号対雑音比が小さい状況で、観測ベクトルがばらつく場合、その1つ選んだ観測ベクトルが不要信号の場合、平滑ベクトルがばらついて得られるため追尾が維持できないといった問題点がある。
さらに、毎回、ゲートサイズを再計算しなければならないので、演算負荷が高くなるといった問題がある。
【0053】
この発明は前述した従来例に係る問題点を解決するためになされたもので、演算負荷をかけずに、ゲートの大きさを追尾維持できる程度の大きさに保ち、不要信号環境下において追尾維持を高めることができる追尾処理装置及び方法を得ることを目的とする。
【0054】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る追尾処理装置は、カルマンフィルタの理論に基づき目標の運動モデル及び観測モデルに従って予測を行い、予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を算出する予測手段と、上記予測手段より算出された予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を1サンプリング分だけ遅延させる遅延要素と、目標存在期待領域であるゲート内のすべての観測ベクトルを考慮して、事前に設定した予測誤差と観測誤差の分散比、目標信号数と不要信号数の比率を決める定数、信号対雑音比に基づいて算出される観測誤差、目標の探知確率、不要信号の誤警報確率を用いることにより、ゲート内の目標信号と不要信号の個数の差を最大とするゲートサイズを算出するゲートサイズ算出手段と、上記ゲートサイズ算出手段により算出されたゲートサイズにより設定したゲートの中心である予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距離により観測ベクトルがゲートの内に存在するか否かの判定を行うゲート判定手段と、上記ゲート判定手段によりゲート内に存在すると判定された観測ベクトルと、上記予測手段により得られる予測ベクトルを用いて、上記ゲート判定手段により算出されるゲートの中心である予測観測ベクトルと観測ベクトルの距離により、ゲイン行列、平滑ベクトル、平滑誤差共分散行列を重み付け統合して求める平滑手段と、センサを有し、当該センサからの信号対雑音比に基づいて算出される目標の探知確率、不要信号の誤警報確率、観測誤差及び観測ベクトルを、上記ゲート判定手段に入力する観測手段と、上記平滑手段より算出された目標の現在の推定値である平滑ベクトルから平滑位置を表示させる表示手段とを備えたものである。
【0055】
また、上記平滑手段は、上記ゲート判定手段により判定されたゲート内の観測ベクトルに制限個数を設けて、ゲート内の観測ベクトルとゲートの中心である予測観測ベクトルとの距離を用い、重み付け統合したゲイン行列、平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列を算出することを特徴とするものである。
【0056】
また、上記予測手段、上記遅延手段、上記ゲートサイズ算出手段、上記ゲート判定手段及び上記平滑手段を、第1の予測手段、第1の遅延手段、第1のゲートサイズ算出手段、第1のゲート判定手段及び第1の平滑手段とするのに対し、これらと同一機能を有する第2の予測手段、第2の遅延手段、第2のゲートサイズ算出手段、第2のゲート判定手段及び第2の平滑手段をさらに備えると共に、ゲート内の目標信号数と不要信号数の比率を複数の平滑手段毎に有し、上記第1のゲートサイズ算出手段と上記第2のゲートサイズ算出手段にゲート内の目標信号数と不要信号数の比率を変えて入力する目標信号数と不要信号数の比率可変手段と、上記第1の平滑手段と上記第2の平滑手段より各々算出される複数の平滑ベクトルの位置成分と同時刻の観測ベクトルの残差の小さい方を、その追尾対象目標の平滑位置として、上記第1の平滑手段及び上記第2の平滑手段のいずれか1つの出力結果を上記表示手段により表示させるかを判定する表示判定手段とをさらに備えたことを特徴とするものである。
【0057】
また、上記予測手段、上記遅延手段、上記ゲートサイズ算出手段、上記ゲート判定手段、上記平滑手段、上記観測手段及び上記表示手段を、第1の予測手段、第1の遅延手段、第1のゲートサイズ算出手段、第1のゲート判定手段、第1の平滑手段、第1の観測手段及び第1の表示手段とするのに対し、これらと同一機能を有する第2の予測手段、第2の遅延手段、第2のゲートサイズ算出手段、第2のゲート判定手段、第2の平滑手段、第2の観測手段及び第2の表示手段をさらに備えると共に、上記第1のゲート判定手段からの出力に基づいて観測ベクトルがゲート内に存在し、かつ上記第1に平滑手段から得られる平滑ベクトルと上記第1の観測手段から得られる観測ベクトルの差が予め設定された閾値より小さち判定された場合に、上記第1のゲートサイズ算出手段でゲートサイズの算出に使用した目標信号数と不要信号数の比率を上記第2のゲートサイズ算出手段に転用させる目標信号数と不要信号数の比率転用手段をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0058】
また、初期時間帯のみ、ゲート内の目標信号数と不要信号数を決める比率を低く抑えて目標信号数を重視するように制御信号を上記目標信号数と不要信号数の比率可変手段に与える初期時間帯ゲート制御手段をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0059】
また、上記観測手段のセンサから得られる信号対雑音比がある閾値よりも大きい場合に、平滑ベクトル算出を行う際の予測ベクトルと観測ベクトルの重み付けを、ゲートの中心である予測観測ベクトルに最も近い観測ベクトルと予測ベクトルの重み付けのみに限定させる制御信号を上記平滑手段に与える限定手段をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0060】
さらに、この発明に係る追尾処理方法は、(a)カルマンフィルタの理論に基づき目標の運動モデル及び観測モデルに従って予測を行い、予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を含む予測情報を算出して出力するステップと、(b)センサから得られる信号対雑音比の情報を入力するステップと、(c)上記信号対雑音比の情報入力に基づいて目標の探知確率、不要信号の誤警報確率、観測誤差と、観測ベクトルを含む観測情報を算出するステップと、(d)事前に設定した予測誤差と観測誤差の分散比を入力するステップと、(e)上記信号対雑音比から算出した目標の観測情報と、事前に設定した予測誤差と観測誤差の分散比を用いて、目標存在期待領域であるゲートの大きさを決定するゲートサイズとして、不要信号の個数と目標信号の個数の差を最大とするゲートサイズを算出するステップと、(f)算出されたゲートサイズにより、不要信号及び目標信号を含む観測ベクトルの集合から目標信号と考えられる観測ベクトルを判定するステップと、(g)上記ゲート内の目標信号と判定された観測ベクトルと、上記予測ベクトル及び予測誤差を用いて、上記ゲート内の観測ベクトルとゲートの中心である予測ベクトルの位置成分との距離を用いて重み付け統合したゲイン行列、及び重み付け統合した平滑ベクトル、重み付け統合した平滑誤差共分散行列を含む平滑情報を算出するステップと、(h)目標の現在の推定値である重み付け統合した平滑ベクトルから平滑位置を表示させるステップと、(i)上記(a)のステップから(h)のステップまでの処理を続ける場合に、(h)のステップを経過した後に遅延要素を介して(a)の予測情報算出処理ステップに戻すステップとを有するものである。
【0061】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態に係る追尾処理装置を図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
図1において、図13に示す従来例と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号として、3は本実施の形態1に係るゲートサイズ算出手段であり、このゲートサイズ算出手段3は、目標存在期待領域であるゲート内において、ゲート内のすべての観測ベクトルを考慮して、事前に設定する予測誤差と観測誤差の分散比、目標信号数と不要信号数の比率を決める定数、観測手段6より得られる信号対雑音比に基づいて算出される観測誤差、目標の探知確率、不要信号の誤警報確率を用いることにより、ゲート内の目標信号と不要信号の個数の差を最大とするようなゲートサイズを算出するようになされている。
【0062】
すなわち、上記ゲート判定手段4に用いるパラメータd、いわゆるゲートサイズdは後述するゲートサイズ算出手段3により算出される。
ここで、そのゲートサイズを決めるパラメータdの決定方法であるが、図16に示すように、目標信号に対しては、なるべくゲートを大きくして目標信号をなるべく多く取り込むようにして、不要信号に対しては、ゲートを小さくして不要信号をなるべく取り込まないようにしたい。その実現方法として、数15に示す関数Λ(d)を最小にするような、パラメータdを決定する。
【0063】
【数15】
Figure 0003774093
【0064】
なお、PGkはゲート内目標存在期待確率、VGkはゲート容積、Cは定数、Λ(d)はパラメータdの関数である。
ここで、数15におけるゲート内目標存在期待確率は数16により決まり、ゲート容積は数17により決まる。なお、ゲート容積は、ゲートの大きさを表す、例えば、観測ベクトルの次数が3次なら容積、2次なら面積を表す。
【0065】
【数16】
Figure 0003774093
【0066】
【数17】
Figure 0003774093
【0067】
なお、Γ(・)はΓ関数である。また、detは特に断りがなければ、行列のの行列式を表すものとする。
【0068】
また、数15における不要信号の発生頻度は、例えば、3次元レーダの場合、数18のように、3次元レーダのセンサ位置と目標予測位置の間の距離、距離分解能、仰角角度分解能、方位角角度分解能、誤警報確率により求まる。
【0069】
【数18】
Figure 0003774093
【0070】
なお、rpkはセンサ位置と目標予測位置の間の距離、Δrは距離分解能、Δeは仰角分解能、Δbは方位分解能、PFAは誤警報確率である。
【0071】
また、数15におけるゲートサイズを決めるパラメータdの右辺の第1項はゲート内の目標信号の個数を表しており、大きくしたい値である。また、右辺の第2項はゲート内の不要信号の個数を表しており、小さくしたい値である。数15における正の定数Cは、Cの値が大きい程、数15の右辺第2項のゲート内不要信号の個数を重視して、ゲート内で探知される不要信号の個数を少なくするようような働きをする。
【0072】
つまり、数15のゲートサイズを決めるパラメータdの関数Λ(d)を最大にするようなパラメータdが求める値である。これから、この値をパラメータd0と定義する。ここで、数15のゲートサイズを決めるパラメータdの関数Λ(d)を最大にするということは、目標信号と不要信号の差を最大にすることと等価である。
【0073】
数15のゲートサイズを決めるパラメータdの関数Λ(d)を最大にするようなパラメータd0を算出するため、関数Λ(d)を1回、パラメータdについて微分を行う。パラメータdで1回微分した関数Λ(d)を「Λ(d)ダッシュ」と定義する。そのΛ(d)ダッシュを0とおいて、極値を与えるパラメータdを算出すると、その極値を与えるパラメータd0が数19のように得られる。
【0074】
【数19】
Figure 0003774093
【0075】
目標が仰角0度で真北からセンサからセンサに向かって直進している場合、予測観測値の誤差共分散行列は、北基準直交座標における予測位置誤差及び観測位置誤差を用いて、数20のように表せる。
【0076】
【数20】
Figure 0003774093
【0077】
なお、σx,pは予測位置誤差のx成分の標準偏差、σy,pは予測位置誤差のy成分の標準偏差、σz,pは予測位置誤差のz成分の標準偏差、σx,0は観測位置誤差のx成分の標準偏差、σy,0は観測位置誤差のy成分の標準偏差、σz,0は観測位置誤差のz成分の標準偏差である。
【0078】
観測手段6内の各センサから得られる信号対雑音比、及び各センサにより決まる距離観測雑音の定数、各センサより決まる仰角観測雑音の定数、各センサより決まる方位角観測雑音の定数により、距離観測雑音の標準偏差、仰角観測雑音の標準偏差、方位角観測雑音の標準偏差は、数21により決まる。
【0079】
【数21】
Figure 0003774093
【0080】
なお、σrは距離観測雑音の標準偏差、σeは仰角観測雑音の標準偏差、σbは方位角観測雑音の標準偏差、krは各センサにより決まる距離観測雑音の定数、標準偏差、keは各センサにより決まる仰角観測雑音の定数、kbは各センサにより決まる方位角観測雑音の定数、S/Nは信号対雑音比である。
【0081】
観測雑音のX成分の標準偏差の2乗と、観測雑音のY成分の標準偏差の2乗と、観測雑音のZ成分の標準偏差の2乗の積は、目標予測位置とセンサ位置との間の距離と、距離観測雑音の標準偏差と、仰角観測雑音の標準偏差と、方位角観測雑音の標準偏差を用いて、数22で表すことができる。
【0082】
【数22】
Figure 0003774093
【0083】
なお、rpはセンサと予測位置との距離である。
【0084】
目標の探知確率は、誤警報確率及び信号対雑音比を用いて、数23のように表すことができる。
【0085】
【数23】
Figure 0003774093
【0086】
今、数19に、数18、数20、数21、数22、数23を代入して整理すると、数24のようになる。
【0087】
【数24】
Figure 0003774093
【0088】
数24において、定数C、距離分解能、仰角分解能、方位角分解能、誤警報確率、信号対雑音抑圧比、各センサにより決まる距離観測雑音の定数、各センサにより決まる仰角観測雑音の定数、各センサにより決まる方位角観測雑音の定数、予測位置誤差のX成分の標準偏差の2乗を観測雑音のX成分の標準偏差の2乗で割った、予測誤差と観測誤差の分散比のX成分、予測位置誤差のY成分の標準偏差の2乗を観測雑音のY成分の標準偏差の2乗で割った予測誤差と観測誤差の分散比のY成分、予測位置誤差のZ成分の標準偏差の2乗を観測雑音のZ成分の標準偏差の2乗で割った予測誤差と観測誤差の分散比のZ成分は、上記観測手段6、及び事前に設定する値である。
【0089】
したがって、ゲートサイズ算出手段3において、数24を用いてゲートサイズd0を算出する。この結果、ゲート判定手段4の数5におけるパラメータdにはこのパラメータd0を用いる。
【0090】
平滑手段5では、ゲート判定手段4により算出されたゲートの中心である予測観測ベクトルとゲート内に複数存在する観測ベクトルとの間で算出される相関距離を使って、数12、数13、数14で表されるゲイン行列、平滑ベクトル、平滑誤差共分散行列を、相関距離によって重み付け統合し、その重み付け統合したゲイン行列、重み付け統合した平滑ベクトル、重み付け統合した平滑誤差共分散行列を算出する。
【0091】
平滑手段5による出力結果である重み付け統合した平滑ベクトル、重み付け統合した平滑誤差共分散行列は、予測手段1の平滑ベクトル、平滑誤差共分散行列の入力とする。また、平滑手段5による出力結果である重み付け統合した平滑ベクトルは、表示手段7に入力する平滑ベクトルとする。
【0092】
次に、図2は、この実施の形態1の動作を説明するフローチャートである。
このフローチャートに従って追尾処理方法を説明する。
まず、ステップST1において、予測ベクトル、予測誤差共分散行列を含む予測情報を算出する。
【0093】
次に、ステップST2において、センサからの信号対雑音比を入力する。
【0094】
ステップST3において、センサからの信号対雑音比、及び各センサごとに決まる距離、仰角、方位角観測雑音の定数を用いて、センサによる観測位置及び観測雑音を含む観測情報を極座標で算出し、さらに、その極座標で入力された観測情報である観測位置及び観測雑音を北基準直交座標に変換を行ったもの、また、目標の探知確率をセンサからの信号対雑音比及び誤警報確率から算出したものを観測情報として算出する。
【0095】
次に、ステップST4において、事前に設定した予測位置誤差と観測位置誤差の分散比を入力する。
【0096】
ステップST5において、ST3により算出された観測情報及びステップST4において算出された事前に設定した予測位置誤差と観測位置誤差の分散比を用いて、数24により、ゲート内の不要信号と目標信号の個数が最大になるような、ゲートサイズd0を算出する。また、数24における定数Cは、不要信号に追尾対象目標以外の目標からの信号も含めており、多目標対処もできる。
【0097】
次に、ステップST6において、先にステップST5で算出した、ゲートサイズを用いて、数5を満たす不要信号と目標信号を含んだ観測ベクトルの集合から、目標信号であると考えられる観測ベクトルを選ぶ。
【0098】
次に、ステップST7において、ステップST6で選び出した目標信号であると考えられる観測ベクトルとその観測ベクトルからの観測誤差共分散行列、及びステップST1の予測情報算出で算出した予測ベクトル、予測誤差共分散行列より、ゲート判定処理より算出された相関距離を用いて算出された、重み付け統合されたゲイン行列、重み付け統合された平滑ベクトル、重み付け統合された平滑誤差共分散行列を含む平滑情報を算出する。
【0099】
次に、ステップST8において、目標の現在の推定値である重み付け統合された平滑ベクトルから平滑位置をオペレータが確認できるようにモニターなどに表示させる。
【0100】
次に、ステップST9において、ステップST1からST8までの処理を継続する場合には、遅延要素などを介して、ステップST1の予測情報算出の処理に戻す。
【0101】
従って、従来の追尾処理装置では、数8を用いて、ゲートサイズを決めるパラメータdを算出していたが、数8では、探知確率が1の場合、数8におけるパラメータg0の値が無限大となってしまう。すなわち、数8ではゲート内の領域は、全空間と一致するので、ゲートの意味をなさない。また、従来例では、ゲート内の観測ベクトルを1つのみ用いて平滑ベクトルを算出するため、もし、その1つ選んだ観測ベクトルが不要信号の場合、平滑ベクトルがばらつくため追尾が維持できない。
【0102】
それに対し、実施の形態1では、ゲートサイズを決めるパラメータdをゲート内の不要信号の個数と目標信号の個数の差が最大になるようなパラメータd0を数8により決定することで、不要信号環境又は不要信号のない自由空間においてもゲートを適当な大きさにすることができる。
【0103】
また、実施の形態1では、ゲートの中心である予測観測ベクトルとゲート内の観測ベクトルより算出される相関距離を用いて、重み付け統合した平滑ベクトルを算出するため、従来の追尾処理装置に比べ、平滑ベクトルのばらつきが抑えられ、追尾が維持しやすい。また、従来法に比べ、サンプリング時刻ごとの数7のような予測観測値の誤差共分散行列の算出が不要なため、演算負荷が抑えられる。
【0104】
また、ゲートサイズを決めるパラメータdをゲート内の不要信号の個数と目標信号の個数の差が最大になるようなゲートサイズd0を数24により決定することで、不要信号環境又は不要信号のない自由空間においてもゲートを適当な大きさにすることができる。
【0105】
また、ゲートの中心である予測観測ベクトルとゲート内の観測ベクトルより算出される相関距離を用いて重み付け統合した平滑ベクトルを算出するため、従来の追尾処理装置に比べ、平滑ベクトルのばらつきが抑えられ、追尾が維持しやすい。また、数19をそのまま用いるよりも演算負荷が抑えられる。
【0106】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
図3において、図1に示す実施の形態1と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号として、8はゲート内個数に制限を加えた平滑手段であり、この平滑手段8は、ゲート判定手段4により判定されたゲート内の観測ベクトルに制限個数を設けて、ゲート内の観測ベクトルとゲートの中心である予測観測ベクトルとの距離を用い、重み付け統合したゲイン行列、平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列を算出するようになされている。
【0107】
ゲート内個数に制限を加えた平滑手段8を説明するために、図14を用いる。
図14において、上記ゲート判定手段4により、ゲート内に存在するすべての観測ベクトルが、観測ベクトルD1、観測ベクトルD2、観測ベクトルD3であるとする。
【0108】
ゲート内個数に制限を加えた平滑手段8では、この時、複数あるゲート内の観測ベクトルの内、例えば、ゲートの中心P0より一番相関距離が遠い観測ベクトルD2を捨て、相関距離が比較的短い観測ベクトルD1、観測ベクトルD3を使用して、相関距離によって重み付け統合を行い、数が制限されたゲート内の観測ベクトルで、重み付け統合をした平滑ベクトル、重み付け統合をしたゲイン行列、重み付け統合を行った平滑誤差共分散行列を算出する。
ここで、ゲート内観測ベクトルの使用数の制限は、追尾処理装置を運用する前に事前に決めておく。
【0109】
次に、図4は、この実施の形態2の動作を説明するフローチャートである。
この図4に示すフローチャートにおいて、図2に示す実施の形態1に係るフローチャートに示すステップの符号と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たなステップとしては、ステップST7bが存在し、以下、このステップST7bのみ説明する。
【0110】
ステップST7bにおいては、ステップST6で出力されたゲート内のすべての観測ベクトルの内、重み付け統合を行う観測ベクトルの個数に制限を設けて、その個数を制限した観測ベクトルからの相関距離で、各々の観測ベクトルを重み付けを行い、相関距離で重み付け統合をしたゲイン行列、重み付けを行った平滑誤差共分散行列、重み付け統合を行った平滑ベクトルを算出する。
【0111】
従って、この実施の形態2によれば、実施の形態1では、ゲートサイズを決めるパラメータdをゲート内の不要信号の個数と目標信号の個数の差が最大になるようなゲートサイズd0を数24により決定するステップを行うことで、不要信号環境または不要信号のない自由空間においてもゲートを適当な大きさにすることができる。また、実施の形態2では、また、平滑ベクトル、平滑誤差共分散行列、ゲイン行列をゲート内の複数の観測ベクトルにより重み付け統合を行う上で、その重み付け統合を行うゲート内の観測ベクトルの個数に制限を設けることにより、従来の追尾処理装置に比べ、わずかに計算負荷をかけ、ゲートの中心である予測観測ベクトルとゲート内の観測ベクトルより算出される相関距離を用いて、重み付け統合した平滑ベクトルを算出するため、従来の追尾処理装置に比べ、平滑ベクトルのばらつきが抑えられ、追尾が維持しやすい。つまり、実施の形態1に比べ計算負荷が軽くなる。
【0112】
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
図5において、図1に示す実施の形態1と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号として、11〜15は、実施の形態1と同様な予測手段1、遅延要素2、ゲートサイズ算出手段3、ゲート判定手段4及び平滑手段5を、第1の予測手段、第1の遅延要素、第1のゲートサイズ算出手段、第1のゲート判定手段及び第1の平滑手段とするのに対し、これらと同一機能を有する第2の予測手段、第2の遅延要素、第2のゲートサイズ算出手段、第2のゲート判定手段及び第2の平滑手段である。
【0113】
また、9は、ゲート内の目標信号数と不要信号数の比率を複数の平滑手段毎に有し、第1のゲートサイズ算出手段3と第2のゲート算出手段13にゲート内の目標信号数と不要信号数の比率を変えて入力する目標信号数と不要信号数の比率可変手段、10は、第1の平滑手段5と第2の平滑手段15より各々算出される複数の平滑ベクトルの位置成分と同時刻の観測ベクトルの残差の小さい方を、その追尾対象目標の平滑位置として、第1の平滑手段5及び第2の平滑手段15のいずれか1つの出力結果を表示手段7により表示させるかを判定する表示判定手段である。
【0114】
図5に示す構成において、ゲートサイズ算出手段3、第2のゲートサイズ算出手段13では、数24を用いてゲートサイズを算出するが、その際、上記目標信号数と不要信号数の比率可変手段9は、数24における定数Cを変える機能を持つ。また、数24における定数Cを各々上記ゲートサイズ算出手段3、第2のゲートサイズ算出手段13において変える。
【0115】
表示判定手段10は、平滑手段5及び第2の平滑手段15より算出される複数の平滑ベクトルの位置成分とその同時刻の観測ベクトルとの残差の大小により、その追尾対象目標の平滑位置とし、平滑手段5及び第2の平滑手段15のどちらか1つの出力を表示させるかを判定する。
【0116】
次に、図6は、この実施の形態3の動作を説明するフローチャートである。
この図6に示すフローチャートにおいて、図2に示す実施の形態1に係るフローチャートに示すステップの符号と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たなステップとしては、ステップST10とステップST11が存在し、以下、このステップST10とステップST11について主に説明する。
【0117】
ステップST10において、ゲート内における目標信号数と不要信号数の比率を代入し、各比率において、次のステップST5のゲートサイズ算出を行い、次のステップST6でゲート判定処理を行い、さらに次のステップST7の平滑情報算出で平滑ベクトル、平滑誤差共分散行列を算出する。さらに次のステップST11において、各目標信号数と不要信号数の比率により計算されたステップST7の平滑情報算出の結果の平滑ベクトルの位置成分を、これらの平滑ベクトルとの同時刻の観測ベクトルとの残差の大小により、追尾対象目標の平滑位置を追尾対象目標毎に1つのみ表示する。
【0118】
従って、この実施の形態3によれば、ゲート内における目標信号数と不要信号数の比率を複数与え、ゲートサイズを複数算出し、ゲートを設定して、各々のゲートにおける平滑ベクトルの内、同時刻の観測ベクトルと比較して、残差の小さい方1つを表示するため、表示を見るオペレータが、追尾の維持を確認しやすくなる。
【0119】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
図7において、図1に示す実施の形態1と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号として、11〜17は、実施の形態1と同様な予測手段1、遅延要素2、ゲートサイズ算出手段3、ゲート判定手段4、平滑手段5、観測手段6及び表示手段7を、第1の予測手段、第1の遅延要素、第1のゲートサイズ算出手段、第1のゲート判定手段、第1の平滑手段、第1の観測手段及び第1の表示手段とするのに対し、これらと同一機能を有する第2の予測手段、第2の遅延要素、第2のゲートサイズ算出手段、第2のゲート判定手段、第2の平滑手段、第2の観測手段及び第2の表示手段である。
【0120】
また、18は、上記第1のゲート判定手段4からの出力に基づいて観測ベクトルがゲート内に存在し、かつ上記第1に平滑手段5から得られる平滑ベクトルと上記第1の観測手段6から得られる観測ベクトルの差が予め設定された閾値より小さち判定された場合に、追尾維持が良いと判断し、上記第1のゲートサイズ算出手段3でゲートサイズの算出に使用した目標信号数と不要信号数の比率を上記第2のゲートサイズ算出手段13に転用させる目標信号数と不要信号数の比率転用手段である。
【0121】
次に、図8は、この実施の形態4の動作を説明するフローチャートである。
この図8に示すフローチャートにおいて、図2に示す実施の形態1に係るフローチャートに示すステップの符号と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たなステップとしては、ステップST12が存在し、以下、このステップST12について主に説明する。
【0122】
ステップST12においては、あるセンサのゲートサイズ算出に用いるゲート内における目標信号数と不要信号数の比率を、対象となるセンサのゲートサイズ算出に用いる目標信号数と不要信号数の比率として入力する。
【0123】
すなわち、このステップST12では、比率転用手段18により、第1のゲート判定手段4からの出力に基づいて観測ベクトルがゲート内に存在し、かつ第1に平滑手段5から得られる平滑ベクトルと第1の観測手段6から得られる観測ベクトルの差が予め設定された閾値より小さち判定された場合に、追尾維持が良いと判断し、第1のゲートサイズ算出手段3でゲートサイズの算出に使用した目標信号数と不要信号数の比率を第2のゲートサイズ算出手段13に転用させる。
【0124】
従って、この実施の形態4によれば、あるセンサで追尾維持の良いゲートサイズ算出に用いる目標信号数と不要信号数の比率を、対象とするセンサのゲートサイズ算出に用いる目標信号数と不要信号数の比率へと転用することにより、対象となるセンサのゲートサイズが適当な大きさになり、追尾の維持がしやすくなる。
【0125】
実施の形態5.
図9は、この発明の実施の形態5に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
図9において、図5に示す実施の形態3と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号として、19は、初期時間帯のみ、ゲート内の目標信号数と不要信号数を決める比率を低く抑えて目標信号数を重視するように制御信号を目標信号数と不要信号数の比率可変手段9に与える初期時間帯ゲート制御手段である。
【0126】
すなわち、初期時間帯ゲート制御手段19は、上記目標信号数と不要信号数の比率可変手段9に、追尾開始の1サンプリング目からNサンプリングまで、各センサにおけるゲート内の目標信号数と不要信号の比率を、不要信号数よりも目標信号数を重視するように、数15における定数Cの値を小さめに与える。ここで、Nは2以上の正の整数である。
【0127】
次に、図10は、この実施の形態5の動作を説明するフローチャートである。
この図10に示すフローチャートにおいて、図6に示す実施の形態3に係るフローチャートに示すステップの符号と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たなステップとしては、ステップST13が存在し、以下、このステップST13について主に説明する。
【0128】
ステップST13においては、1サンプリングからNサンプリングまで、数15における目標信号数と不要信号数の比率を決める定数Cを、不要信号数よりも目標信号数を重視するように制御するために、定数Cの値を小さめに与える制御信号を出力し、その信号をステップST10の目標信号数と不要信号数の比率代入へ入力する。
【0129】
初期サンプリングから数サンプリング程度しか時間が経っていない初期時間帯の場合、目標信号数と不要信号数の比率を、不要信号数を目標信号数よりも重視して、ゲートを小さくすると、ゲート内の不要信号数は少なくすることができるが、安定していない初期時間帯では、ゲートの設定場所がばらついて目標信号の近くに張られない可能性があり、初期時間帯では、ゲートサイズを大きくして不要信号が多くなることよりも、ゲートサイズを小さくしてかつゲートの設定場所がばらついて追尾できない影響の方が大きく、初期時間帯のみ、不要信号数よりも目標信号数を重視することが好ましい。
【0130】
したがって、この実施の形態5によれば、目標信号数と不要信号数の比率を、上記初期時間帯のみ、不要信号数よりも目標信号数を重視することにより、ゲートサイズを大きくすることにより、安定した追尾の維持が得られる。
【0131】
実施の形態6.
図11は、この発明の実施の形態6に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
図11において、図3に示す実施の形態2と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たな符号として、20は、観測手段6のセンサから得られる信号対雑音比がある閾値よりも大きい場合に、平滑ベクトル算出を行う際の予測ベクトルと観測ベクトルの重み付けを、ゲートの中心である予測観測ベクトルに最も近い観測ベクトルと予測ベクトルの重み付けのみに限定させる制御信号を平滑手段8に与えるNN法限定手段である。
【0132】
すなわち、NN法限定手段20は、観測手段6から得られる観測精度が悪い場合に、ゲート内個数に制限を加えた平滑手段8にNN法を適用させる制御信号を与える。
【0133】
次に、図12は、この実施の形態6の動作を説明するフローチャートである。
この図12に示すフローチャートにおいて、図4に示す実施の形態2に係るフローチャートに示すステップの符号と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。新たなステップとしては、ステップST14が存在し、以下、このステップST14について主に説明する。
【0134】
ステップST14においては、ゲート内で得られる複数の目標信号と不要信号を含んだ観測値の内、NN法に基づいてゲートの中心からの距離が一番近い観測値を、平滑処理の対象とする制御信号を、次のステップST7bのゲート内個数制限による平滑情報算出へ入力する。
【0135】
従って、実施の形態6では、観測精度が良く、観測値がばらついていない場合、ゲート内の複数の観測信号を重み付け統合して平滑値を算出するAN法よりも、ゲート内のゲートの中心に最も近い観測値を用いるNN法の方が、目標の真値と平滑値の残差、いわゆる追尾の精度が良くなり、安定した追尾維持が得られる。
【0136】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る追尾処理装置及び方法によれば、演算負荷をかけずに、ゲートの大きさを追尾維持できる程度の大きさに保ち、不要信号環境下において追尾維持を高めることができる。
【0137】
また、平滑手段により、ゲート判定手段により判定されたゲート内の観測ベクトルに制限個数を設けて、ゲート内の観測ベクトルとゲートの中心である予測観測ベクトルとの距離を用い、重み付け統合したゲイン行列、平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列を算出するようにしたので、不要信号環境または不要信号のない自由空間においてもゲートを適当な大きさにすることができ、平滑ベクトルのばらつきが抑えられ、追尾が維持しやく、計算負荷が軽減する。
【0138】
また、ゲート内における目標信号数と不要信号数の比率を複数与え、ゲートサイズを複数算出し、ゲートを設定して、各々のゲートにおける平滑ベクトルの内、同時刻の観測ベクトルと比較して、残差の小さい方1つを表示するため、表示を見るオペレータが、追尾の維持を確認しやすくなる。
【0139】
また、あるセンサで追尾維持の良いゲートサイズ算出に用いる目標信号数と不要信号数の比率を、対象とするセンサのゲートサイズ算出に用いる目標信号数と不要信号数の比率へと転用することにより、対象となるセンサのゲートサイズが適当な大きさになり、追尾の維持がしやすくなる。
【0140】
また、目標信号数と不要信号数の比率を、上記初期時間帯のみ、不要信号数よりも目標信号数を重視することにより、ゲートサイズを大きくすることにより、安定した追尾の維持が得られる。
【0141】
さらに、観測精度が良く、観測値がばらついていない場合、ゲート内の複数の観測信号を重み付け統合して平滑値を算出するAN法よりも、ゲート内のゲートの中心に最も近い観測値を用いるNN法の方が、目標の真値と平滑値の残差、いわゆる追尾の精度が良くなり、安定した追尾維持が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の動作を説明するフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態2の動作を説明するフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態3に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態3の動作を説明するフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態4に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態4の動作を説明するフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態5に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態5の動作を説明するフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態6に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態6の動作を説明するフローチャートである。
【図13】 従来例に係る追尾処理装置の構成を示すブロック図である。
【図14】 ゲートの説明図である。
【図15】 確率密度で正規化した距離を相関距離と定義して相関距離を表した説明図である。
【図16】 観測ベクトルの次数が2次元の場合のゲートの例を示す説明図である。
【図17】 図13における観測手段6に係る座標系の説明図である。
【符号の説明】
1 予測手段(第1の予測手段)、2 遅延要素(第2の遅延要素)、3 ゲートサイズ算出手段(第1のゲートサイズ算出手段)、4 ゲート判定手段(第1のゲート判定手段)、5 平滑手段(第1の平滑手段)、6 観測手段(第1の観測手段)、7 表示手段(第1の表示手段)、8 ゲート内個数に制限を加えた平滑手段、9 目標信号数と不要信号の比率可変手段、10 表示判定手段、11 第2の予測手段、12 第2の遅延要素、13 第2のゲートサイズ算出手段、14 第2のゲート判定手段、15 第2の平滑手段、16 第2の観測手段、17 第2の表示手段、18 目標信号数と不要信号数の比率転用手段、19 初期時間帯ゲート制御手段、20 NN法限定手段。

Claims (7)

  1. カルマンフィルタの理論に基づき目標の運動モデル及び観測モデルに従って予測を行い、予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を算出する予測手段と、
    上記予測手段より算出された予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を1サンプリング分だけ遅延させる遅延要素と、
    目標存在期待領域であるゲート内のすべての観測ベクトルを考慮して、事前に設定した予測誤差と観測誤差の分散比、目標信号数と不要信号数の比率を決める定数、信号対雑音比に基づいて算出される観測誤差、目標の探知確率、不要信号の誤警報確率を用いることにより、ゲート内の目標信号と不要信号の個数の差を最大とするゲートサイズを算出するゲートサイズ算出手段と、
    上記ゲートサイズ算出手段により算出されたゲートサイズにより設定したゲートの中心である予測観測ベクトルと観測ベクトルとの距離により観測ベクトルがゲートの内に存在するか否かの判定を行うゲート判定手段と、
    上記ゲート判定手段によりゲート内に存在すると判定された観測ベクトルと、上記予測手段により得られる予測ベクトルを用いて、上記ゲート判定手段により算出されるゲートの中心である予測観測ベクトルと観測ベクトルの距離により、ゲイン行列、平滑ベクトル、平滑誤差共分散行列を重み付け統合して求める平滑手段と、
    センサを有し、当該センサからの信号対雑音比に基づいて算出される目標の探知確率、不要信号の誤警報確率、観測誤差及び観測ベクトルを、上記ゲート判定手段に入力する観測手段と、
    上記平滑手段より算出された目標の現在の推定値である平滑ベクトルから平滑位置を表示させる表示手段と
    を備えた追尾処理装置。
  2. 請求項1に記載の追尾処理装置において、上記平滑手段は、上記ゲート判定手段により判定されたゲート内の観測ベクトルに制限個数を設けて、ゲート内の観測ベクトルとゲートの中心である予測観測ベクトルとの距離を用い、重み付け統合したゲイン行列、平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列を算出することを特徴とする追尾処理装置。
  3. 請求項1に記載の追尾処理装置において、
    上記予測手段、上記遅延手段、上記ゲートサイズ算出手段、上記ゲート判定手段及び上記平滑手段を、第1の予測手段、第1の遅延手段、第1のゲートサイズ算出手段、第1のゲート判定手段及び第1の平滑手段とするのに対し、これらと同一機能を有する第2の予測手段、第2の遅延手段、第2のゲートサイズ算出手段、第2のゲート判定手段及び第2の平滑手段をさらに備えると共に、
    ゲート内の目標信号数と不要信号数の比率を複数の平滑手段毎に有し、上記第1のゲートサイズ算出手段と上記第2のゲートサイズ算出手段にゲート内の目標信号数と不要信号数の比率を変えて入力する目標信号数と不要信号数の比率可変手段と、
    上記第1の平滑手段と上記第2の平滑手段より各々算出される複数の平滑ベクトルの位置成分と同時刻の観測ベクトルの残差の小さい方を、その追尾対象目標の平滑位置として、上記第1の平滑手段及び上記第2の平滑手段のいずれか1つの出力結果を上記表示手段により表示させるかを判定する表示判定手段と
    をさらに備えたことを特徴とする追尾処理装置。
  4. 請求項1に記載の追尾処理装置において、
    上記予測手段、上記遅延手段、上記ゲートサイズ算出手段、上記ゲート判定手段、上記平滑手段、上記観測手段及び上記表示手段を、第1の予測手段、第1の遅延手段、第1のゲートサイズ算出手段、第1のゲート判定手段、第1の平滑手段、第1の観測手段及び第1の表示手段とするのに対し、これらと同一機能を有する第2の予測手段、第2の遅延手段、第2のゲートサイズ算出手段、第2のゲート判定手段、第2の平滑手段、第2の観測手段及び第2の表示手段をさらに備えると共に、
    上記第1のゲート判定手段からの出力に基づいて観測ベクトルがゲート内に存在し、かつ上記第1に平滑手段から得られる平滑ベクトルと上記第1の観測手段から得られる観測ベクトルの差が予め設定された閾値より小さち判定された場合に、上記第1のゲートサイズ算出手段でゲートサイズの算出に使用した目標信号数と不要信号数の比率を上記第2のゲートサイズ算出手段に転用させる目標信号数と不要信号数の比率転用手段
    をさらに備えたことを特徴とする追尾処理装置。
  5. 請求項3に記載の追尾処理装置において、初期時間帯のみ、ゲート内の目標信号数と不要信号数を決める比率を低く抑えて目標信号数を重視するように制御信号を上記目標信号数と不要信号数の比率可変手段に与える初期時間帯ゲート制御手段をさらに備えたことを特徴とする追尾処理装置。
  6. 請求項2に記載の追尾処理装置において、上記観測手段のセンサから得られる信号対雑音比がある閾値よりも大きい場合に、平滑ベクトル算出を行う際の予測ベクトルと観測ベクトルの重み付けを、ゲートの中心である予測観測ベクトルに最も近い観測ベクトルと予測ベクトルの重み付けのみに限定させる制御信号を上記平滑手段に与える限定手段をさらに備えたことを特徴とする追尾処理装置。
  7. (a) カルマンフィルタの理論に基づき目標の運動モデル及び観測モデルに従って予測を行い、予測ベクトル及び予測誤差共分散行列を含む予測情報を算出して出力するステップと、
    (b) センサから得られる信号対雑音比の情報を入力するステップと、
    (c) 上記信号対雑音比の情報入力に基づいて目標の探知確率、不要信号の誤警報確率、観測誤差と、観測ベクトルを含む観測情報を算出するステップと、
    (d) 事前に設定した予測誤差と観測誤差の分散比を入力するステップと、
    (e) 上記信号対雑音比から算出した目標の観測情報と、事前に設定した予測誤差と観測誤差の分散比を用いて、目標存在期待領域であるゲートの大きさを決定するゲートサイズとして、不要信号の個数と目標信号の個数の差を最大とするゲートサイズを算出するステップと、
    (f) 算出されたゲートサイズにより、不要信号及び目標信号を含む観測ベクトルの集合から目標信号と考えられる観測ベクトルを判定するステップと、 (g) 上記ゲート内の目標信号と判定された観測ベクトルと、上記予測ベクトル及び予測誤差を用いて、上記ゲート内の観測ベクトルとゲートの中心である予測ベクトルの位置成分との距離を用いて重み付け統合したゲイン行列、及び重み付け統合した平滑ベクトル、重み付け統合した平滑誤差共分散行列を含む平滑情報を算出するステップと、
    (h) 目標の現在の推定値である重み付け統合した平滑ベクトルから平滑位置を表示させるステップと、
    (i) 上記(a)のステップから(h)のステップまでの処理を続ける場合に、(h)のステップを経過した後に遅延要素を介して(a)の予測情報算出処理ステップに戻すステップと
    を有する追尾処理方法。
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