JP3774024B2 - 熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部 - Google Patents

熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車室内の空気調和を行なう為の自動車用空気調和装置に組み込まれる熱交換器のヘッダと、熱交換すべき冷媒を給排する為、このヘッダに付設する流体移送用パイプとの接続部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用空気調和装置を構成する熱交換器として、例えば、図6に示す様な構造のものが、従来から知られている。この熱交換器1は、何れもアルミニウム合金により造られた構成各部材を組み合わせ、隣接する部材同士をろう付けにより一体接合している。この熱交換器1は、水平方向に互いに間隔をあけて配置した1対の管状のヘッダ2、3の内側面同士の間に、複数本の扁平伝熱管4、4とコルゲート型のフィン5、5とを上下方向に亙り交互に配置したコア部6を設けている。上記各扁平伝熱管4、4の両端部は、それぞれ上記1対のヘッダ2、3の内側壁を、気密且つ液密に貫通し、それぞれの内側通路をこれらヘッダ2、3の内部に連通させている。
【0003】
又、上記コア部6の上下両側には、それぞれサイドプレート7、8を設け、これら各サイドプレート7、8の両端部を、それぞれ上記両ヘッダ2、3の上下両端部に結合している。又、上記両ヘッダ2、3のうち、一方(図6の右方)のヘッダ2の上端部には、冷媒等の流体を給排する為の流体移送用パイプ9の一端部を接続し、同じく下端部には、この流体移送用パイプ9の他端部に接続したコネクタブロック11を固設している。又、他方(図6の左方)のヘッダ3の下端部には、やはり上記流体を給排する配管を接続する為の、ユニオン付きの流体移送用パイプ10を固設している。尚、上記両ヘッダ2、3の上下両端開口は、それぞれ蓋体により、気密且つ液密に塞いでいる。
【0004】
上述の様に構成される熱交換器1を、例えばコンデンサとして使用する場合には、上記各扁平伝熱管4、4内に流れる冷媒と、これら各扁平伝熱管4、4外を流れる空気とを熱交換させ、上記冷媒を凝縮液化させる。即ち、図示しないコンプレッサ側から配管を通じて、例えば上記コネクタブロック11に送られた冷媒は、上記流体移送用パイプ9を介して上記一方のヘッダ2の上部内側に送り込まれ、このヘッダ2と他方のヘッダ3との間を行き来しつつ(両ヘッダ2、3内に隔壁により複数の室に仕切る場合)、上記コア部6を構成する各扁平伝熱管4、4内を流れ、その間に凝縮液化する。この結果生じた液状の冷媒は、例えば上記他方のヘッダ3のユニオン付きの流体移送用パイプ10から、図示しないリキッドタンク側へと送り出される。
【0005】
上述の様な熱交換器1を構成する、上記ヘッダ2と流体移送用パイプ9とを結合固定する作業は、以下の様に行なう。先ず、上記ヘッダ2に接続する流体移送用パイプ9は、図7〜8に示す様に、断面円形の長尺な円管を所定長さに切断し、更に所定形状に湾曲させる事により造る。即ち、この流体移送用パイプ9を造る際には、上記円管の一端部(図7〜8の上端部)をL字形に湾曲させると共に、この一端部に外向フランジ状の鍔部12を形成する。この鍔部12の片面(図7〜8の右側面)は、上記ヘッダ2の外周面に合わせて湾曲させる。そして、上記円管の中間部他端寄り(図7〜8の下端寄り)部分に傾斜部13を、この中間部他端寄り部分を、次述する第一の直線部14に関し、上記一端部の湾曲方向と同じ方向(図7の右方向)に曲げる事により形成する。この状態で上記傾斜部13の両側には、互いに平行な第一、第二の直線部14、15が形成される。そして、この様に造った流体移送用パイプ9の他端部(図7〜8の下端部)に、上述したコネクタブロック11を接続する。
【0006】
次に、上述の様な流体移送用パイプ9を上記ヘッダ2に結合する際には、先ず、上記流体移送用パイプ9の一端で上記鍔部12よりも突出した先端部分を、上記ヘッダ2の周壁を貫通した状態でこのヘッダ2の一端部(図7〜8の上端部)に形成した接続孔16内に、上記鍔部12の片面(流体移送用パイプ9の先端部側の面)が上記ヘッダ2の外周面に当接するまで挿入する。又、これと共に上記コネクタブロック11の一側面(図7〜8の右裏側面)を、上記ヘッダ2の他端部(図7〜8の下端部)外周面に当接させる。尚、このコネクタブロック11の一側面は、上記ヘッダ2の外周面の曲率半径とほぼ等しい曲率半径を有する断面円弧状の凹曲面としている為、上記ヘッダ2の外周面に密接する。
【0007】
上述の様に各部材同士を当接させたならば、続いて、これら各当接部を加熱炉中でろう付け固定すべく、これら当接している各部材同士を仮固定する。この仮固定作業は、上記ヘッダ2とコネクタブロック11との当接部の一部、及び上記ヘッダ2と鍔部12との当接部の一部に、それぞれアルゴン溶接等によるスポット溶接を施す事により行なう。そして、この様に仮固定をした後に、上記各当接部同士のろう付けを行なう。尚、これらのろう付けは、前記コア部6等、熱交換器1の構成各部材のろう付けと同時に行なう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様に、従来の熱交換器1の場合、一方のヘッダ2と流体移送用パイプ9との当接部のろう付けを行なうべく、これらヘッダ2と流体移送用パイプ9とを仮固定する際には、上記ヘッダ2と鍔部12との当接部の一部にスポット溶接を施さなければならなかった。この様に、ヘッダ2とコネクタブロック11との当接部だけでなく、ヘッダ2と鍔部12との当接部にもスポット溶接を施す事は、接合作業を面倒にし、延ては製造コスト増大の原因にもなる。又、上記ヘッダ2と鍔部12との当接部にスポット溶接を施す事により、上記流体移送用パイプ9の一端部とヘッダ2との接続部に気密不良が生じる場合があった。この理由について、以下に説明する。
【0009】
流体移送用パイプ9の一端部に形成する鍔部12は、この流体移送用パイプ9を構成する管壁の一部にこの流体移送用パイプ9の軸方向両側から力を加え、この管壁の一部を直径方向外方に座屈変形させて、この流体移送用パイプ9の直径方向外方に全周に亙って突出させる事により形成する。従って、上記流体移送用パイプ9の一部内周面で上記鍔部12を形成した部分には、この鍔部12の形成に伴う溝状の凹みが、全周に亙り形成される。又、この様な凹み部分には、上記鍔部12を形成する際に使用する加工油が溜り易い。一方、上記ヘッダ2と鍔部12との当接部にスポット溶接を施す際、スポット溶接により当該溶接部に形成される溶接ビード17の熱により、上記鍔部12の一部が溶けて、流体移送用パイプ9の外周面から内周面まで、溶融状態のアルミニウム合金となる(固体状態のアルミニウム合金が存在しなくなる)場合がある。又、上記凹み内に溜った加工油は、溶接時の熱により燃焼し、燃焼ガスを発生させる。この様にして発生した燃焼ガスは、上記流体移送用パイプ9の内周面から外周面まで連続して存在する、上記溶融状態のアルミニウム合金を押し退けつつ、上記流体移送用パイプ9の外側に吹き出す。この結果、上記スポット溶接を施した鍔部12の一部には、上記流体移送用パイプ9の内外を連通する小孔が形成される可能性がある。しかも、この様な小孔は、次に行なうろう付け作業の後にも塞がれずに残る可能性がある。そして、この様な小孔が残った場合には、上記流体移送用パイプ9の一端部分に於いて、熱交換器1(図6)の内外の気密を保持できなくなる。
本発明の熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部は、上述の様な不都合を何れも解消すべく考えたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部は、前述した従来の熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部と同様に、内部に流体を流通させるヘッダと、このヘッダの一部に形成された接続孔と、一端寄り部分の外周面に外向フランジ状の鍔部を形成し、この鍔部よりも突出した一端部分を上記接続孔に挿入した状態で上記ヘッダとの当接部をろう付けした流体移送用パイプとを備える。
【0011】
特に、本発明の熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部の場合、上記接続孔の形状は楕円形であり、上記流体移送用パイプの一端部分は上記接続孔に挿入自在な楕円筒状であり、この一端部分の外周面で楕円の短径方向反対側2個所位置には1対の突起が形成されており、これら1対の突起の先端部同士の間隔は、上記一端部分の自由状態で上記接続孔の短径よりも大きく、上記流体移送用パイプの一端部分は、短径方向の寸法を弾性的に縮めつつ上記1対の突起を上記接続孔の周縁部を上記ヘッダの外周面側から内周面側に通過させる事により上記ヘッダ内に挿入している。
【0012】
【作用】
上述の様に構成する本発明の熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部の場合、熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの各当接部をろう付けするに当たり、この熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとを仮固定する際には、鍔部よりも突出した流体移送用パイプの一端部分を、接続孔に押し込む。接続孔に押し込まれる過程で、上記流体移送用パイプの一端部分は、楕円の短径方向の寸法を弾性的に縮めつつ、この一端部分の外周面に形成した上記1対の突起を、上記接続孔の周縁部を上記ヘッダの外周面側から内周面側に通過させる。そして、上記一端部分は、上記鍔部の片面とヘッダの外周面とが当接する状態まで、上記ヘッダ内に挿入される。挿入後、上記短径方向の寸法は、弾性的に復元する。
【0013】
この様にして、上記流体移送用パイプの一端部分を上記ヘッダの接続孔に挿入する事により、上記1対の突起が上記接続孔の周縁部で上記ヘッダの内周面側に係合して、上記接続孔から流体移送用パイプの一端部分が抜け出る事を防止する。この為、上記鍔部と上記ヘッダの外周面との当接部に溶接を施さなくても、ヘッダに対する流体移送用パイプの一端部の位置決めを図れる。又、鍔部の片面とヘッダの外周面との当接部に溶接を施す必要がなくなる事に伴い、流体移送用パイプの一端部とヘッダとの接合部に、前述の様な、燃焼ガスの噴出により形成される小孔の存在に基づく気密不良を生じさせる事もなくなる。そこで、この状態のまま加熱炉中で加熱すれば、上記ヘッダの外周面等に積層したろう材により、上記鍔部の片面とヘッダの外周面とを、気密且つ液密にろう付けできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜5は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、前述した従来構造と重複する部分に就いての図示及び説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0015】
本発明の熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部は、内部に流体を流通させるヘッダ2と、このヘッダ2の一部に形成された接続孔18と、流体移送用パイプ9aとを備える。この流体移送用パイプ9aは、一端寄り部分の外周面に、外向フランジ状の鍔部12を形成している。そして、この鍔部12よりも突出した一端部分を上記接続孔18に挿入した状態で、上記ヘッダ2との当接部をろう付けしている。上記ヘッダ2及び上記流体移送用パイプ9aは、それぞれアルミニウム合金等により造っている。又、ヘッダ2の外周面には、ろう材を積層している。
【0016】
特に、本発明の場合、上記接続孔18の形状は楕円形であり、上記流体移送用パイプ9aの一端部分となる先端部19は、上記接続孔18に挿入自在な楕円筒状である。この先端部19の外周面で楕円の短径方向反対側2個所位置には、1対の突起20、20を形成している。これら1対の突起20、20の先端部同士の間隔d1 (図2)は、上記先端部19の自由状態で、上記接続孔18の短径d2 (図3)よりも少しだけ大きく(d1 >d2 )している。又、上記先端部19の外周面の長径D1 は、上記接続孔18の長径D2 よりも少し小さく(D1 <D2 )している。
【0017】
上述の様に構成する本例の場合、上記ヘッダ2と流体移送用パイプ9aとの各当接部をろう付けすべく、このヘッダ2と流体移送用パイプ9aとを仮固定する際には、図5の矢印で示す様に、流体移送用パイプ9aの一端部分である、鍔部12よりも突出した先端部19を、上記接続孔18に押し込む(圧入する)。接続孔18に押し込まれた上記流体移送用パイプ9aの先端部19は、短径方向の寸法を弾性的に縮めつつ、上記1対の突起20、20を上記接続孔18の周縁部を上記ヘッダ2の外周面側から内周面側に通過させる。そして、流体移送用パイプ9aの鍔部12の片面とヘッダ2の外周面とが当接する状態まで、上記ヘッダ2内に挿入する。上記1対の突起20、20は、楕円の短径方向反対側に設けている為、これら1対の突起20、20の先端部同士の間隔を弾性的に縮めるのに要する力は、比較的小さくて良い。従って、上記先端部19を接続孔18に押し込むのに要する力をあまり大きくする必要はない。又、上記1対の突起20、20が接続孔18の内側を通過する際、上記先端部19の外周面の長径D1 が弾性的に拡大する。但し、この長径D1 は、上記接続孔18の長径D2 よりも小さいので、上記先端部19が接続孔18を通過できなくなる事はない。
【0018】
この様にして、上記流体移送用パイプ9aの先端部19が上記ヘッダ2の接続孔18に挿入された後は、上記1対の突起20、20を配置した短径方向の寸法を弾性的に復元させる事により、図4に示す様に、上記1対の突起20、20を、上記接続孔18の周縁部で上記ヘッダ2の内周面側に係合させて、上記接続孔18から流体移送用パイプ9aの先端部19が抜ける事を防止する。そして、この状態で、上記鍔部12の片面は、上記ヘッダ2の外周面に、当接若しくは微小隙間を介して対向する。この為、上記鍔部12の片面と上記ヘッダ2の外周面との当接部にスポット溶接を施さなくても、上記ヘッダ2に対する上記流体移送用パイプ9aの一端部の位置決めを図れる。この結果、溶接作業工数を半減して、接合作業を容易にでき、製造コストの低減を図れる。又、上記鍔部12の片面とヘッダ2の外周面との当接部にスポット溶接を施す必要がなくなる事に伴い、上記流体移送用パイプ9aの一端部とヘッダ2との接合部に、前述した様な、加工油の燃焼ガスの噴出に基づく小孔が形成される事もなくなり、この小孔に基づいて気密不良を生じさせる事もない。更に、上記接続孔18の形状及び上記流体移送用パイプ9aの先端部19の形状が楕円状である為、流体移送用パイプ9aの先端部19が上記接続孔18内で回転する事を防止できて、この流体移送用パイプ9aの位置決めをより効果的に図れる。即ち、先端部19と接続孔18との嵌合に基づき、流体移送用パイプ9aの他端部に連結したコネクタブロック11(図6〜8参照)のヘッダ2に対する位置決めを、或る程度図れる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部は、以上に述べた様に構成され作用する為、ろう付けの為の各部材同士の仮固定を簡単に行なえる。この為、接合作業の容易化に伴い製造コストの低減を図れる。又、気密を保持する必要がある部分に溶接を施す必要がなくなる事に伴い、当該部分での気密不良を防止できる為、製品の歩留向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部の部分切断面図。
【図2】同実施の形態に使用する流体移送用パイプの先端部を示す、図1の拡大A矢視図。
【図3】同実施の形態に使用する熱交換器用ヘッダの接続孔を示す、図1の拡大B矢視図。
【図4】図1の拡大C−C断面図。
【図5】熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続前の状態を示す、図4と同様の断面図。
【図6】流体移送用パイプ付のヘッダを有する熱交換器の1例を示す略斜視図。
【図7】従来の流体移送用パイプの1例を示す斜視図。
【図8】従来の流体移送用パイプをヘッダに仮固定した状態で示す、部分切断面図。
【符号の説明】
1 熱交換器
2、3 ヘッダ
4 扁平伝熱管
5 フィン
6 コア部
7、8 サイドプレート
9、9a、10 流体移送用パイプ
11 コネクタブロック
12 鍔部
13 傾斜部
14 第一の直線部
15 第二の直線部
16 接続孔
17 溶接ビード
18 接続孔
19 先端部
20 突起

Claims (1)

  1. 内部に流体を流通させるヘッダと、このヘッダの一部に形成された接続孔と、一端寄り部分の外周面に外向フランジ状の鍔部を形成し、この鍔部よりも突出した一端部分を上記接続孔に挿入した状態で上記ヘッダとの当接部をろう付けした流体移送用パイプとを備えた熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部に於いて、上記接続孔の形状は楕円形であり、上記流体移送用パイプの一端部分は上記接続孔に挿入自在な楕円筒状であり、この一端部分の外周面で楕円の短径方向反対側2個所位置には1対の突起が形成されており、これら1対の突起の先端部同士の間隔は、上記一端部分の自由状態で上記接続孔の短径よりも大きく、上記流体移送用パイプの一端部分は、短径方向の寸法を弾性的に縮めつつ上記1対の突起を上記接続孔の周縁部を上記ヘッダの外周面側から内周面側に通過させる事により上記ヘッダ内に挿入されている事を特徴とする熱交換器用ヘッダと流体移送用パイプとの接続部。
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