JP3774012B2 - 実装用ヘッドの緩衝装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、実装機の実装用ヘッドに設けられて、部品吸着時や装着時に部品に及ぼす衝撃を緩和する緩衝装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、部品供給部と所定の作業位置にあるプリント基板とにわたって移動可能とされたヘッドユニットに、部品吸着用ノズルを昇降可能に具備する実装用ヘッドを設け、この実装用ヘッドにより部品供給部から電子部品を吸着した後、ヘッドユニットをプリント基板上に移動させて部品を装着するようにした表面実装機は一般に知られている。
【0003】
この実装機における実装用ヘッドとしては、例えは特開平2−174299号公報に示されるように、ハウジングに取り付けられたノズル昇降用エアシリンダと、ハウジングに対して上下動可能とされたノズルシャフト(上記公報においていうスライダ)と、このノズルシャフトの下部に連結されたノズルホルダ(上記公報においていうダンパシャフト)とを備えるとともに、ノズルホルダに対して部品吸着用ノズル(上記公報においていう吸着ビット)を着脱可能にした構造が一般に知られている。
【0004】
このような構造の実装用ヘッドにおいては、部品吸着の際にノズルがエアシリンダで作動されて下降したとき部品に当接し、また部品装着の際に部品を吸着しているノズルがエアシリンダで作動されて下降したとき部品がプリント基板に当接し、これらのときに部品に衝撃が加わるので、その衝撃を緩和する緩衝装置が必要となる。
【0005】
一般的にこのような実装用ヘッドの緩衝装置は、上記公報で従来例として第8図に示されているように、ノズルシャフト(スライダ)に対してノズルホルダ(ダンパシャフト)を、長穴とこれに係合するピンとを介して一定量だけ相対的に上下動可能な状態に連結するとともに、そのノズルシャフトとノズルホルダとの間にダンパースプリングを設けている。
【0006】
また、上記公報ではこのような構造と比べてバネ下荷重を小さくすることで緩衝作用を高め得る構造として、ノズルホルダに取り付けられる部品吸着用ノズル(吸着ビット)を互いに摺動可能に嵌合する2部材で構成し、両者間にダンパースプリングを設けたものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の構造による場合、実装される部品によっては実装精度等についての要求を充分に満足することができない場合があるといった問題が残されている。
【0008】
すなわち、例えば小型チップ部品は衝撃に弱いため緩衝作用を高めることが要求され、一方、大型ICは小型チップ部品と比べると衝撃に強い反面、高い実装精度が要求される。ところが、上記のようにノズルシャフトに対してノズルホルダを長穴とこれに係合するピンとで上下動可能に連結した状態でこれらの間にダンパースプリングを設けた構造によると、長穴とピンとの間でがたつきが生じるため、大型IC等に要求される程度の高い実装精度を確保することが難しい。また部品吸着用ノズルを互いに摺動可能な2部材で構成して両者間にダンパースプリングを設けた構造によっても、その2部材の間でがたつきが生じ易く、高い実装精度を確保することが難しい。
【0009】
なお、実装精度向上のため、緩衝作用を犠牲にして連結部分のがたつきをなくすような構造にしたとすると、大型IC等に要求される実装精度が満足されても、チップ部品等の実装を行なう場合に破損等の弊害が生じる。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑み、実装される部品に応じ、緩衝作用や実装精度等を要求に適合するように調整することができる実装用ヘッドの緩衝装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハウジングに取り付けられたノズル昇降用シリンダと、上記ハウジングに対しボールスプラインを介して上下動可能に装備されるとともに上端部が上記ノズル昇降用シリンダのピストンに連結されたノズルシャフトと、このノズルシャフトの下端に連結されたノズルホルダーと、このノズルホルダーに着脱可能に取付けられる部品吸着用ノズルとを備え、上記ノズル昇降用シリンダの作動に応じて上記ノズルシャフト、上記ノズルホルダー及び上記部品吸着用ノズルが昇降するように構成された実装用ヘッドにおいて、上記ノズルホルダーがノズルシャフトに対して長穴とこれに係合するピンとからなる連結構造によって一定範囲だけ上下動可能に連結され、かつ、このノズルホルダーとノズルシャフトとの間に下部ダンパースプリングが設けられる一方、上記ノズルシャフトが上記ピストンに対して一定範囲だけ上下動可能に連結され、このノズルシャフトとピストンとの間に上部ダンパースプリングが設けられるとともに、ノズルホルダーへの取付部を有するノズルボディーに部品吸着部がダンパースプリングを介して弾性的に上下動可能に結合された第1種の部品装着用ノズルと、ダンパースプリングを有せず、かつノズルホルダーに取付られた状態でノズルシャフトと非結合となる第2種の部品装着用ノズルと、第3種の部品装着用ノズルとが上記ノズルホルダーに対して選択的に取付可能となっており、上記第3種のノズルに、この第3種のノズルがノズルホルダーに取付られたときにノズルシャフトに対して相対的な上下動が阻止されるように結合される結合部が設けられているものである。
【0012】
この構成によると、上記第3種のノズルが取り付けられた場合、このノズルとノズルシャフトとが結合されてこれらの間の相対的な動きが阻止されることにより、下部ダンパースプリングが働かずに、上部ダンパースプリングが緩衝作用を発揮する。そして、この状態では、ノズルシャフトとノズルとの間のがたつきが抑制され、実装精度が高められる。また、別のノズルが取り付けられた場合は、ノズルホルダーおよびノズルがノズルシャフトに対して相対的に動くことが許容されることから、上記下部ダンパースプリングが緩衝作用を発揮し、上部ダンパースプリングが働く場合と比べてバネ下荷重が小さくなることにより上記緩衝作用が高められる。
【0013】
この発明において、特定のノズルとノズルシャフトとを結合する構造としては、上記ノズルシャフトの下端に、上記第3種のノズルに対する結合用の突壁部が設けられ、上記第3種のノズルには、結合部として、ノズルホルダーに取付られたときに上記突壁部の下端に当接する突出部が設けられているものであることが好ましい。
【0014】
このようにすると、上記第3種のノズルが取付けられるとき、ノズルに設けられた突出部がノズルシャフトの下端の突壁部に当接することにより、ノズルシャフトとノズルとの間の相対的な動きが阻止される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明が適用される表面実装機(以下、実装機と略す)の一例を示している。同図において、実装機の基台1上には、プリント基板搬送用のコンベア2が配置され、プリント基板3がこのコンベア2上を搬送されて所定の装着作業位置で停止されるようになっている。上記コンベア2の側方には、部品供給部4が配置されている。この部品供給部4は部品供給用のフィーダーを備え、例えば多数列のテープフィーダー4aを備えている。
【0018】
また、上記基台1の上方には、部品装着用のヘッドユニット5が装備されている。このヘッドユニット5は、部品供給部4とプリント基板3が位置する部品装着部とにわたって移動可能とされ、当実施例ではX軸方向(コンベア2の方向)およびY軸方向(水平面上でX軸と直交する方向)に移動することができるようになっている。
【0019】
すなわち、上記基台1上には、Y軸方向に延びる一対の固定レール7と、Y軸サーボモータ9により回転駆動されるボールねじ軸8とが配設され、上記固定レール7上にヘッドユニット支持部材11が配置されて、この支持部材11に設けられたナット部分12が上記ボールねじ軸8に螺合している。また、上記支持部材11には、X軸方向に延びるガイド部材13と、X軸サーボモータ15により駆動されるボールねじ軸14(図3に示す)とが配設され、上記ガイド部材13にヘッドユニット5が移動可能に保持され、このヘッドユニット5に設けられたナット部分16(図3に示す)が上記ボールねじ軸14に螺合している。そして、Y軸サーボモータ9の作動によりボールねじ軸8が回転して上記支持部材11がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ15の作動によりボールねじ軸14が回転して、ヘッドユニット5が支持部材11に対してX軸方向に移動するようになっている。
【0020】
図2及び図3は上記ヘッドユニット5の構造を示している。これらの図において、上記ヘッドユニット5には実装用ヘッド20が装備され、図示の実施形態では8個のの実装用ヘッド20が装備されている。各実装用ヘッド20は、それぞれ、後に詳述するようにノズル昇降用エアシリンダ22によって部品吸着用ノズル50が昇降されるような構成となっている。
【0021】
また、各実装用ヘッド20の全体が全体昇降用サーボモータ18で昇降可能とされ、上記サーボモータ18とエアシリンダ22とを併用することにより各実装用ヘッド20の部品吸着用ノズル50を所定の上昇位置と所定の下降位置とにわたって昇降させるように構成されている。すなわち、各実装用ヘッド20を保持するハウジング21がヘッドユニット本体5aにレールを介して上下動可能に取り付けられているとともに、その上方に全体昇降用サーボモータ18が取付けられ、このサーボモータ18の駆動によるボールねじ軸19の正逆回転に伴いハウジング21が上下動するようになっている。
【0022】
さらにヘッドユニット5には、回転用サーボモータにより伝動手段を介して上記各実装用ヘッド20の部品吸着用ノズル50を回転させる回転駆動機構101、各実装用ヘッド20に部品吸着用の負圧を供給するための真空発生器102等を含む負圧供給系統、各エアシリンダ22にエアを供給するための配管及びソレノイドバルブ103等を含むエア供給系統等が配備されている。
【0023】
図4〜図7は実装用ヘッドの構造を示している。これらの図に示すように、実装用ヘッド20は、ハウジング21に取り付けられたノズル昇降用エアシリンダ22と、このエアシリンダ22のピストン23に上端部が連結された中空のノズルシャフト30と、このノズルシャフト30の下端部に連結されたノズルホルダー40と、このノズルホルダー40に着脱可能に取り付けられる部品吸着用ノズル50とを有している。
【0024】
上記エアシリンダ22は、その内部にピストン23を備えるとともに、このピストン23の上方及び下方に圧力室24,25を有し、これらの圧力室24,25がポート26,27を介してエア給排系統の通路に接続されている。そして、エア給排系統に設けられたソレノイドバルブによって上記各圧力室24,25に対するエアの給排が切替えられることにより、ピストン23が所定ストロークで上下動するようになっている。
【0025】
上記ノズルシャフト30は、ハウジング21に対し、ボールスプライン31及びノズルガイド32を介して上下動及び回転可能に取り付けられている。つまり、ハウジング21にノズルガイド32が回転可能に取り付けられ、このノズルガイド32にノズルシャフト30がボールスプライン31を介して上下動可能に嵌合されている。また、ノズルシャフト30の略中間部分にベアリング33が固定されるとともに、このベアリング33と上記ノズルガイド32との間に、ノズルシャフト30を上方に付勢するリターンスプリング34が設けられている。
【0026】
上記ノズルシャフト30の上端部は上記ピストン23に対して一定範囲だけ上下動可能に連結されている。具体的には、図5にも示すように、ノズルシャフト30とその上端に結合された小径の中空軸部35とが、ピストン23から下方に突出した筒状部分23aとピストン中心部の穴23bとに上下動可能に挿通されており、上記中空軸部35の上端部には大径のストッパー部36が設けられている。また、中空軸部35の上端とピストン23から上方に突出する筒状部分23cの上端に固着された部材28との間に、上部ダンパースプリング37が装備されている。なお、上記エアシリンダ22の上部に装着されたキャップ38には負圧供給系統に接続される通路39が形成され、ノズルシャフト30内の通路30aがピストン23の中空部を介して上記通路39に連通している。
【0027】
上記ノズルシャフト30の下端部と上記ノズルホルダー40とは、長穴41とこれに係合するピン42とからなる連結構造によって一定範囲だけ上下動可能に連結されている。すなわち、図7にも示すように、ノズルシャフト30の下端部における相対向する箇所に一対の上下方向に延びる長穴41が形成されるとともに、ノズルホルダー40の上部に設けられた中空軸部43がノズルシャフト30に上下動可能に嵌合し、かつ、この中空軸部43に固定されたピン42の両端が上記長穴41に係合している。
【0028】
上記ノズルホルダー40の上端部とノズルシャフト30の下部内周面に形成された段部との間には、下部ダンパースプリング44が装備されている。この下部ダンパースプリング44は、上部ダンパースプリング37と比べてバネ力が弱く設定されている。
【0029】
上記ノズルホルダー40の下部には段部45を経て小径中空軸部46が設けられている。また、図4及び図7の断面で見たノズルホルダー40の両側部には、ノズル係止用の板バネ47が設けられている。
【0030】
また、上記ノズルシャフト30の下端には外筒部48が固着され、この外筒部48には、上記板バネ47の配設方向と直交する方向の両側に下方に突出する一対の突出壁49が設けられている(図13参照)。この突出壁49の下端は、ノズルホルダー40の段部45より若干下方に達している。
【0031】
上記ノズルホルダー40には複数種類の部品吸着用ノズル50のうちから選択的に1つのノズルが取り付けられる。当実施形態では、ノズルホルダー40に選択的に取付けられる複数種類の部品吸着用ノズルとして、第1種、第2種及び第3種の部品吸着用ノズル50A,50B,50Cが準備されている。第1種のノズル50Aは小型チップ部品等の吸着に用いられ、第2種のノズル50Bは大型チップ部品や小型IC等の吸着に用いられ、第3種のノズル50Cは大型IC等に用いられるものであり、これらは次のような構造となっている。
【0032】
第1種の部品吸着用ノズル50Aは、図8〜図11に示すように、上記ノズルホルダー40への取付部51bを有するノズルボディー51と、このノズルボディー51にダンパースプリング55を介して弾性的に上下揺動可能に連結された部品吸着部52とを有している。
【0033】
具体的に説明すると、上記ノズルボディー51は、その中間部に鍔部51aを有するとともに、この鍔部51aより上方に、両側に膨出部51cを有した筒状部分からなる取付部51bが設けられ、この取付部51bが上記ノズルホルダー40の小径中空軸部46に嵌合されるとともに膨出部51cが板バネ47に係止されるようになっている。また、鍔部51aより下側の筒状部分51dには、その内部に直径方向に延びるピン53が取付けられている。一方、部品吸着部52は、下端のノズル穴が開口した細軸部分52aと、その上方に連なる筒状部分52bとからなり、筒状部分52bの周壁の相対向する2箇所には、縦長のピン係合穴54aと、その下端に連なる周方向の穴54bと、この穴54bの端部から上方に延びて周壁上端に達する縦長穴54cとからなる略U字状の穴54が形成されている。
【0034】
そして、ノズル組立て時には、上記部品吸着部52の筒状部分52bの内部にダンパースプリング55を収容した状態で、上記縦長穴54cにピン53を上端から導入するようにしつつ、筒状部分52bをノズルボディー51の下部に嵌め込み、さらに部品吸着部52を回すことにより、上記ピン係合穴54aにピン53が入り込むようにする。こうして、ノズルボディー51と部品吸着部52とが上下動可能に連結され、かつ、ピン53と部品吸着部52の筒状部分52bの底面との間にダンパースプリング55が介在する状態に、部品吸着用ノズル50Aが組み立てられている。なお、このノズル50A内のダンパースプリング55は、上記上部ダンパースプリング37及び下部ダンパースプリング44と比べてバネ力が弱く設定されている。
【0035】
第2種の部品吸着用ノズル50Bは、図12に示すように、単にノズルホルダー40への取付部56と部品吸着部57とが一体に形成されていて、第1種の部品吸着用ノズル50Aに内蔵されているようなダンパースプリング55は有せず、かつ、後述の第3種の部品吸着用ノズル50Cに設けられているような結合部も有していない。
【0036】
また、第3種の部品吸着用ノズル50Cは図13に示すように、ノズルホルダー40への取付部58と部品吸着部59とが一体に形成されていて、ダンパースプリング55を有していない点では第2種の部品吸着用ノズル50Bと同様であるが、ノズルホルダー40に取付られたときにノズルシャフト30に対して相対的な上下動が阻止されるように結合される結合部を有している。すなわち、この第3種の部品吸着用ノズル50Cの上部の取付部58は、ノズルホルダー40に設けられているノズル係止用の板バネ47よりも広幅に形成されることにより、その両側に上記結合部としての突出部60が設けられ、ノズルホルダー40に取付られたときに、ノズルシャフト30の下部に設けられた突壁49の下端に上記突出部60が当接するようになっている。
【0037】
以上のような当実施形態の装置の作用を、次に説明する。
【0038】
実装用ヘッド20の動作を説明すると、部品吸着時には、先ず上記エアシリンダ22がピストン下降方向に作動されることによりノズルシャフト30、ノズルホルダー40及び部品吸着用ノズル50が下降し、部品吸着用ノズル50の部品吸着部が部品に当接する。この状態で部品吸着用ノズル50に負圧が供給されることにより部品が吸着され、それから上記エアシリンダ22がピストン上昇方向に作動される。また、部品装着時には、部品を吸着している実装用ヘッド20がプリント基板上の所定位置に達したとき、上記エアシリンダ22がピストン下降方向に作動されることによりノズルシャフト30、ノズルホルダー40及び部品吸着用ノズル50が下降し、ノズル50に吸着されている部品がプリント基板に当接する。この状態で部品吸着用ノズル50から負圧が排除されることで部品がノズル50から離脱し、それから上記エアシリンダ22がピストン上昇方向に作動される。
【0039】
ところで、このような実装作業に先立ち、前記の3種の部品吸着用ノズル50A,50B,50Cの中から実装すべき部品に応じて選択されたノズルがノズルホルダー40に取付けられることにより、緩衝作用及び実装精度が適切に調整される。
【0040】
すなわち、小型チップ部品のように衝撃に弱い部品を実装する場合、第1種の部品吸着用ノズル50Aが取付けられる。この場合、第1種の部品吸着用ノズル50Aのノズルボディ51と部品吸着部52との間にダンパースプリング55が装備され、このダンパースプリング55は実装用ヘッド20における他のダンパースプリング37,44よりバネ力が弱いため、ノズル下端が部品に当接する吸着時や吸着部品が基板に当接する装着時に、このノズル50A内のダンパースプリング55により緩衝作用が得られる。そして、ダンパースプリング55のバネ力が弱く、かつ、バネ下荷重がノズル50Aの部品吸着部52だけの極めて小さいものとなるため、衝撃が充分に軽減され、衝撃に弱い部品の損傷が確実に防止される。
【0041】
大型チップ部品や小型ICのような部品を実装する場合、第2種の部品吸着用ノズル50Bが取付けられる。この場合、第2種の部品吸着用ノズル50Bはダンパースプリングを有せず、かつ、ノズルシャフト30に対する結合部を有しないため、この部品吸着ノズル50Bを取り付けたノズルホルダー40とノズルシャフト30との間で下部ダンパースプリング44が緩衝作用を発揮する。そしてこの状態では、ノズルホルダー40及びノズル50Bの荷重がバネ下荷重となり、このバネ下荷重は、上記の第1種の吸着用ノズル50Aを用いた場合と比べると大きいが、後記のように第2種の吸着用ノズル50Cを用いた場合と比べると小さく、大型チップ部品や小型ICにとって適度の緩衝作用が得られる。
【0042】
また、大型ICのように衝撃には比較的強いが高度の実装精度が要求される部品を実装する場合、第3種の部品吸着用ノズル50Cが取付けられる。この場合、第3種の部品吸着用ノズル50Cがノズルホルダー40に取付けられたときに、取付部58の両側の突出部60がノズルシャフト30の下部の突出壁49の下端に当接することにより、ノズルシャフト30とノズル50Cとが結合されてその間の相対的な動きが阻止されるため、下部ダンパースプリング44は働かず、ノズルシャフト30の上端部とピストン23との間の上部ダンパースプリング37が緩衝作用を発揮する。
【0043】
この状態では、バネ下荷重が大きくなるものの、ノズル50Cのがたつきが抑制されることにより実装精度が高められる。すなわち、第2種の吸着用ノズルが用いられている場合のようにノズルシャフト30とノズルホルダー40とが相対的に上下動可能となっているとき、両者の連結は長穴41とピン42との係合によるものであるため、この長穴41とピン42との間で周方向等のがたつきが生じ易くなり、このがたつきにより装着の精度が低下する。これに対し、第3種の吸着用ノズル50Cを取付けてこのノズル50Cとノズルシャフト30とを結合すれば、その間のがたつきが阻止され、かつ、ノズルシャフト30を上下動可能にガイドする部分にはがたつきの少ないボールスプライン31が用いられているため、吸・装着時等におけるノズル50Cのがたつきが充分に抑制され、実装精度が充分に高められることとなる。
【0044】
なお、上記実施形態では、ノズルホルダー40に選択的に取付けられる部品吸着用ノズルを3種類示したが、部品吸着用ノズルの種類は増減可能であり、例えば、第1種の吸着用ノズル50Aと同様の構造でダンパースプリング55のバネ力が異なるものをさらに複数種設けてもよい。
【0045】
また、本発明が適用される実装機の構造も図1〜図3に示すようなものに限定されず、例えば、ヘッドユニットをX軸方向及びY軸方向に移動可能とし、プリント基板を所定位置に停止させた状態でヘッドユニットがプリント基板上の任意の位置に移動し得るようにしておき、このヘッドユニットに本発明の緩衝装置を備えた実装用ヘッドを装備してもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、長穴とこれに係合するピンとからなる連結構造によって一定範囲だけ上下動可能に連結されたノズルホルダーとノズルシャフトとの間に下部ダンパースプリングが設けられる一方、ノズルシャフトとピストンとの間に上部ダンパースプリングが設けられ、また、ノズルホルダーへの取付部を有するノズルボディーに部品吸着部がダンパースプリングを介して弾性的に上下動可能に結合された第1種の部品装着用ノズルと、ダンパースプリングを有せず、かつノズルホルダーに取付られた状態でノズルシャフトと非結合となる第2種の部品装着用ノズルと、第3種の部品装着用ノズルとが上記ノズルホルダーに対して選択的に取付可能となっており、上記第3種のノズルに、ノズルシャフトに対する結合部が設けられているため、上記第3種のノズルが取付けられた場合は、下部ダンパースプリングが働かない状態で上部ダンパースプリングにより緩衝作用が得られるとともに、ノズルのがたつきが抑制され、実装精度を高めることができる。また、別のノズルが取付けられた場合は下部ダンパースプリングが緩衝作用を発揮する。従って、実装される部品に応じてノズルを使い分けることにより、要求に適合するように緩衝作用および実装精度を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される実装機の一例を示す概略平面図である。
【図2】上記実装機におけるヘッドユニットの正面図である。
【図3】上記ヘッドユニットの側面図である。
【図4】実装用ヘッドの断面図である。
【図5】実装用ヘッドの上部の拡大断面図である。
【図6】実装用ヘッドの中間部の拡大断面図である。
【図7】実装用ヘッドの下部の拡大断面図である。
【図8】第1種の部品吸着用ノズルの正面図である。
【図9】同ノズルの側面図である。
【図10】同ノズルの断面図である。
【図11】同ノズルの部品吸着部の拡大斜視図である。
【図12】第2種の部品吸着用ノズルの正面図である。
【図13】第3種の部品吸着用ノズルとノズルシャフトおよびノズルホルダーの一部を示す正面図である。
【符号の説明】
20 実装用ヘッド
22 エアシリンダ
23 ピストン
30 ノズルシャフト
31 ボールスプライン
37 上部ダンパースプリング
40 ノズルホルダー
41 長穴
42 ピン
44 下部ダンパースプリング
49 突壁
50A,50B,50C 部品吸着用ノズル
51 ノズルボディー
52 部品吸着部
55 ダンパースプリング
60 突出部
Claims (2)
- ハウジングに取り付けられたノズル昇降用シリンダと、上記ハウジングに対しボールスプラインを介して上下動可能に装備されるとともに上端部が上記ノズル昇降用シリンダのピストンに連結されたノズルシャフトと、このノズルシャフトの下端に連結されたノズルホルダーと、このノズルホルダーに着脱可能に取付けられる部品吸着用ノズルとを備え、上記ノズル昇降用シリンダの作動に応じて上記ノズルシャフト、上記ノズルホルダー及び上記部品吸着用ノズルが昇降するように構成された実装用ヘッドにおいて、
上記ノズルホルダーがノズルシャフトに対して長穴とこれに係合するピンとからなる連結構造によって一定範囲だけ上下動可能に連結され、かつ、このノズルホルダーとノズルシャフトとの間に下部ダンパースプリングが設けられる一方、
上記ノズルシャフトが上記ピストンに対して一定範囲だけ上下動可能に連結され、このノズルシャフトとピストンとの間に上部ダンパースプリングが設けられるとともに、
ノズルホルダーへの取付部を有するノズルボディーに部品吸着部がダンパースプリングを介して弾性的に上下動可能に結合された第1種の部品装着用ノズルと、ダンパースプリングを有せず、かつノズルホルダーに取付られた状態でノズルシャフトと非結合となる第2種の部品装着用ノズルと、第3種の部品装着用ノズルとが上記ノズルホルダーに対して選択的に取付可能となっており、
上記第3種のノズルに、この第3種のノズルがノズルホルダーに取付られたときにノズルシャフトに対して相対的な上下動が阻止されるように結合される結合部が設けられていることを特徴とする実装用ヘッドの緩衝装置。 - 上記ノズルシャフトの下端に、上記第3種のノズルに対する結合用の突壁部が設けられ、上記第3種のノズルには、結合部として、ノズルホルダーに取付られたときに上記突壁部の下端に当接する突出部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の実装用ヘッドの緩衝装置。
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