JP3773808B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変周波数、可変電圧の多相交流電力を得る電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高調波の抑制や1つ当たりのスイッチング素子の耐圧を下げることを目的とした多レベル電力変換装置として、図25に示すPWM制御方式のNPC(Neutral point clamped)インバータ装置や、図27に示す多重インバータ装置 が知られている。
【0003】
図25に示すNPCインバータは直流電源1と、この直流電源1からの直流電圧を2つに分圧する分圧コンデンサ2a,2bと、この分圧コンデンサ2a,2bに接続された4つのスイッチング素子S1 〜S4 及びダイオードDP ,DN からなるNPC型スイッチングアーム3U,3V,3Wと、各相のスイッチング制御回路25U,25V,25Wからなり、スイッチング素子S1 〜S4 のオン・オフを制御し、出力端子U,V,Wに3相交流電力を供給する。
【0004】
このNPC型スイッチングアーム3U,3V,3Wが出力可能な電位レベルは、直流の正側を+1/2、2つの分圧コンデンサ2a,2bの中性点を0、負側を−1/2とすると、スイッチング素子S1 〜S4 のオン・オフの状態の組み合わせにより以下のようになる。
【0005】
【数1】
Figure 0003773808
従来、図25に示すNPCインバータのように、複数の素子のスイッチングを制御し、多レベルの出力を得るための制御方式は、「電気学会技術報告第635号PWMインバータ制御方式の最新技術動向」(1997年5月発行)の第3章に記述されているように、図26に示すようなレベルの異なる2つのキャリアC1 ,C2 を用い、与えられた電圧基準とのパルス幅変調により各素子のスイッチングを制御する方法が一般的に用いられている。
【0006】
図26に、図25に示すNPCインバータの出力電圧波形の例を示す。図25、図26において、各素子のスイッチングは、搬送波CYをレベル変換した搬送波C1 ,C2 と、電圧基準VurefとPWM回路27a,27bにて比較し、この結果得られるゲートパルスGp1 ,Gp2 により制御する。以下、それぞれのゲートパルスに対してスイッチングを行う素子の対応を示す。
【0007】
ゲートパルスGp1:S1及びS3をそれぞれ排他的にオン・オフ動作させるゲートパルスGp2:S2及びS4をそれぞれ排他的にオン・オフ動作させるまた、図26では、各相の出力可能な電位レベルが3であるNPCインバータを例に説明したが、出力可能な電位レベルを5以上にした場合においては搬送波の数を(出力可能な電位レベル−1)個用意すれば容易に拡張でき、より正弦波に近い出力波形が得られることは明らかである。
【0008】
図27に示す多重インバータ装置は、それぞれ2個の単位インバータ28U1 と28U2 、28V1 と28V2 、28W1 と28W2 を直列に接続したものを1相とし、それを3組スター接続した構成のインバータであり、出力端子U,V,Wから交流モータ29に可変周波数、可変電圧の交流電力を供給する。
【0009】
図28は単位インバータ28を示している。図28に示すように、単位インバータ28は、直流電源1と、2つの直流分圧コンデンサ2a,2bと、この分圧コンデンサ2a,2bに接続されたスイッチング素子SA1 〜SA4 、SB1 〜SB4 及びダイオードDAP,DAN,DBP,DBNからなるNPC型スイッチングアーム3A,3Bからなり、素子のオン・オフを制御し、出力端子A,Bに単相交流電力を供給する。
【0010】
このNPC型スイッチングアームを2相持つ単位インバータの出力可能な電位レベルは、直流の正側を+1/2、2つの分圧コンデンサの中性点を0、負側を−1/2とすると、各出力端子A,Bの出力電位レベルの組み合わせにより以下のようになる。
【0011】
Figure 0003773808
図28に示す単位インバータ28の各素子のスイッチングは、単位インバータスイッチング制御回路30により制御される。単位インバータスイッチング制御回路30は、搬送波CYをレベル変換した搬送波C1 ,C2 及びC1 ,C2 を180°位相シフトしたC1′,C2′と電圧基準VurefとをPWM回路27a〜27dにて比較し、この結果得られるゲートパルスGp1 ,Gp2 及びGp1′, Gp2′により制御する。以下、それぞれのゲートパルスに対してスイッチング を行う素子の対応を示す。
【0012】
ゲートパルスGp1:SA1 及びSA3 をそれぞれ排他的にオン・オフ動作 させる
ゲートパルスGp2:SA2 及びSA4 をそれぞれ排他的にオン・オフ動作 させる
ゲートパルスGp1′:SB1 及びSB3 をそれぞれ排他的にオン・オフ動 作させる
ゲートパルスGp2′:SB2 及びSB4 をそれぞれ排他的にオン・オフ動 作させる
また、図27に示す多重インバータ装置において、各相の単位インバータのスイッチング信号を得る方法として、「半導体電力変換回路」(電気学会発行/オーム社発売)の第125頁及び第126頁や米国特許4,674,024号公報、米国特許5,625,545号公報に記載されているように、他の単位インバータに対し位相シフト回路を用いて搬送波信号の位相をずらし、個々の単位インバータの各素子をそれぞれ制御する方法が一般的に行われている。
【0013】
図29に多重インバータの1相当たり2つの単位インバータを接続した場合の出力波形を示す。C11,C12及びC11,C12の位相を180°ずらしたC11′,C12′と電圧基準VurefとをPWM回路27a〜27dにて比較し、この結果得られるゲートパルスGp11,Gp12及びGp11′,Gp12′により28U1 の各素子を制御する。またC11,C12,C11′,C12′の位相をそれぞれ90°ずらしたC21,C22,C21′,C22′とPWM回路との比較から得られるGp21,Gp22及びGp21′,Gp22′により28U2 の各素子をスイッチングする。
【0014】
このように、2つの単位インバータU1 とU2 のPWM搬送波の位相をずらすことにより、各単位インバータは交互にスイッチングできるため、総合では個々の単位インバータの出力波形に比べ、より正弦波に近い波形が得られる。図27では、単位インバータが、1相当たり2つ接続された例で説明したが、単位インバータの数が3つ以上接続された場合においては、より正弦波に近い出力波形が得られることは明らかである。
【0015】
また、図28では、単位インバータの出力可能な電位レベルが5であるNPCインバータを例に説明したが、出力可能な電位レベルを7以上にした場合においては、より正弦波に近い出力波形が得られることは明らかである。
【0016】
最小オンパルスの制約のある素子を3レベルインバータに用いる場合、0電位付近のレベルに電圧基準があると最小オンパルス以下のスイッチングが行えないため制御不能となる。これを回避する方法として、特願平4−11110号に記載されているように、最小オンパルスよりも短いパルスを出さないように電圧基準をリミットし、他の2相を線間電圧が変わらないようにする手法が用いられる。図30に出力電圧波形の一例を示す。図30では、相電圧は不連続となるが、線間電圧は連続した正弦波となるパルス列が得られる。
【0017】
図31は、単位インバータ28U,28V,28Wを3相スター接続した構成のインバータであり、出力端子U,V,Wから交流モータ29に可変周波数、可変電圧の交流電力を供給する。図32は単位インバータとして、単相NPCインバータの場合を示しており、分圧コンデンサ2a,2bに接続されたスイッチング素子SA1 〜SA4 ,SB1 〜SB4 及びダイオードDAP,DAN,DBP,DBNからなるNPC型スイッチングアーム3A,3Bからなり、各スイッチング素子のオン・オフを制御し、出力端子A,Bに単相交流電力を供給する。
【0018】
このNPC型スイッチングアームを2つ持つ単相NPCインバータの出力可能な電位レベルは、直流電源の正側電位を+1、2つの分圧コンデンサの中性点電位を0、負側電位を−1とすると、各出力端子A,Bの出力電位レベルの組み合わせにより以下のようになる。
【0019】
Figure 0003773808
図31に示す単位インバータ28U,28V,28Wの各素子のスイッチングは、単位インバータスイッチング制御回路30U,30V,30Wにより制御される。以下、代表してU相について説明するが、V,W相についても同様である。単位インバータスイッチング制御回路30Uは、搬送波CYをレベル変換した搬送波C1 ,C2 及びC1 ,C2 を180°位相シフトしたC1′,C2′と電圧基準VurefとをPWM回路27a〜27dにて比較し、この結果得られるゲートパルスGp1 ,Gp2 及びGp1′,Gp2′により制御する。以下、それぞれのゲートパルスに対してスイッチングを行う素子の対応を示す。
【0020】
ゲートパルスGp1 :SA1 及びSA3 をそれぞれ排他的にオン・オフ動作させる
ゲートパルスGp2 :SA2 及びSA4 をそれぞれ排他的にオン・オフ動作させる
ゲートパルスGp1′:SB1 及びSB3 をそれぞれ排他的にオン・オフ動 作させる
ゲートパルスGp2′:SB2 及びSB4 をそれぞれ排他的にオン・オフ動 作させる
以上にて単相NPCインバータをスイッチングさせた場合の出力電圧波形例を図33に示す。
【0021】
図32では、1つのスイッチングアームの出力可能な電位レベルが3であるNPCインバータを例に説明したが、出力可能な電位レベルを5以上にした場合においては、より向上した結果が得られることは明らかである。
【0022】
ヒステリシスコンパレータを用いた手法として「半導体電力変換回路」(電気学会発行/オーム社発売)の第143頁及び第144頁に記載の、電流追従制御回路によってPWM信号を得る方法があり、簡略されたハード構成でPWM制御が行える。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように構成された従来の多レベルインバータや多重インバータからなる電力変換装置の制御方法では、スイッチング素子毎に、PWM回路、位相シフト及び回路レベル変換回路を追加する必要があり、素子数が多くなるほど、装置が大型化するため、信頼性や経済的な問題がある。また、このように、スイッチング素子毎に、PWM回路を用意してゲートパルス出力を固定して割り当てるため、特定期間に特定のスイッチング素子へのスイッチングが集中し、分圧点の直流電位(中性点電位)が変動するという問題がある。
【0024】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、次の第1〜第5の目的を達成することができる電力変換装置を提供することにある。
【0025】
スイッチング制御手段を、各相毎に1つのゲートパルス生成手段と分配手段で構成することで簡略化し小型化して経済的で信頼性を高めることを第1の目的とする。
【0026】
多重インバータからなる電力変換装置において、個々の単位インバータ内の素子のスイッチングが特定期間集中することを避け、スイッチングロスのバランスをとることを第2の目的とする。
【0027】
最小オンパルス幅の制約のあるスイッチング素子でも、制御不能領域を補正することで多レベルインバータ及び多重インバータからなる電力変換装置に適用することを第3の目的とする。
【0028】
ゲートパルス生成手段をヒステリシスコンパレータで構成することで、より簡略化されたハード構成でPWMゲートパルスを生成することを第4の目的とする。
【0029】
スイッチング制御手段を、各単位インバータ毎に1つのゲートパルス生成手段とスイッチング決定手段で構成することで、直流電圧のアンバランスを抑制することができるスイッチング素子を優先してスイッチングさせて中性点電位の変動を抑えるとともに経済的で信頼性を高めることを第5の目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、直流電源からの直流電圧を複数の電位に分圧し、この分圧された直流電圧が供給された複数のスイッチング素子のオン・オフ制御により3以上の電位レベルを持つ交流電圧を出力するスイッチングアームを2相以上持ち、可変周波数、可変電圧の多相交流電力を得る電力変換装置において、各相毎に1つ設けられ、単一の位相及び振幅の搬送波と、この単一の位相及び振幅の搬送波に対応して電圧レベルを変換した電圧基準との比較によりパルス幅変調されたゲートパルスを生成するゲートパルス生成手段と、このゲートパルス生成手段から出力されるゲートパルス幅が特定の幅以下にならないように前記電圧基準を補正する電圧基準補正手段と、このゲートパルス生成手段から出力されるゲートパルスを前記複数のスイッチング素子の何れへ分配するかを決定する分配手段とを備えたスイッチング制御手段により前記複数のスイッチング素子のオン・オフを制御することを特徴要旨とする。この構成により、多レベルインバータからなる電力変換装置において、各相毎に1つ設けられたゲートパルス生成手段により、単一の位相及び振幅の搬送波と所定レベルに電圧レベルを変換した電圧基準とを比較することでPWMゲートパルスが生成される。このPWMゲートパルスが、分配手段により、その相のスイッチングアームにおける選択されたスイッチング素子に分配されて多相交流電力が得られる。また、この構成により、最小オン時間があるスイッチング素子でも、多レベルインバータからなる電力変換装置に適用して、所望の電位レベルを出力させることが可能となる
【0032】
請求項2記載の発明は、直流電源からの直流電圧を複数の電位に分圧し、この分圧された直流電圧が供給された複数のスイッチング素子のオン・オフ制御により3以上の電位レベルを出力するスイッチングアームを2つ持つ単位インバータを2段以上多重接続してインバータ群を構成し、このインバータ群を2相以上持ち、可変周波数、可変電圧の多相直流電力を得る電力変換装置において、各相毎に1つ設けられ、単一の位相及び振幅の搬送波と、この単一の位相及び振幅の搬送波に対応して電圧レベルを変換した電圧基準との比較によりパルス幅変調されたゲー トパルスを生成するゲートパルス生成手段と、このゲートパルス生成手段から出力されるゲートパルス幅が特定の幅以下にならないように前記電圧基準を補正する電圧基準補正手段と、このゲートパルス生成手段から出力されるゲートパルスを何れの前記単位インバータ内の何れのスイッチング素子へ分配するかを決定する分配手段とを備えたスイッチング制御手段により前記2つの単位インバータ内の複数のスイッチング素子のオン・オフを制御することを要旨とする。この構成により、多重インバータからなる電力変換装置において、各相毎に1つ設けられたゲートパルス生成手段により、単一の位相及び振幅の搬送波と所定レベルに電圧レベルを変換した電圧基準とを比較することでPWMゲートパルスが生成される。このPWMゲートパルスが、分配手段により、その相を構成する2つの単位インバータにおける選択されたスイッチング素子に分配されて多相交流電力が得られる。また、この構成により、最小オン時間があるスイッチング素子でも、多重インバータからなる電力変換装置に適用して、所望の電位レベルを出力させることが可能となる
【0035】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の電力変換装置において、前記電圧基準補正手段は、各相の電圧基準に対して時間平均が等しくなるように電圧基準を補正することを要旨とする。この構成により、電圧基準を補正しても、より正弦波に近い線間電圧を得ることが可能となる。
【0036】
請求項4記載の発明は、直流電源からの直流電圧を複数の電位に分圧し、この分圧された直流電圧が供給された複数のスイッチング素子のオン・オフ制御により3以上の電位レベルを持つ交流電圧を出力するスイッチングアームを2つ持つ単位インバータを1相以上持ち、可変周波数、可変電圧の多相交流電力を得る電力変換装置において、各相毎に1つ設けられ、与えられた電圧基準に対し単一の 位相及び振幅の搬送波に対応して電圧レベルを変換する電圧基準変換手段と、前記電圧基準が属する電圧領域を判定する電圧基準レベル判定手段と、前記搬送波と前記変換した電圧基準との比較によりパルス幅変調されたゲートパルスを生成するゲートパルス生成手段と、前記分圧された各直流電圧を監視する直流電圧監視手段と、各相の前記単位インバータの出力電流を検出する出力電流検出手段と、前記単位インバータ内の各スイッチング素子の現在の状態を記憶するスイッチング状態記憶手段と、前記分圧された直流電圧、前記出力電流、前記ゲートパルス、前記電圧領域及び前記各スイッチング素子の現在の状態から前記単位インバータ内の全てのスイッチング素子の次のスイッチング状態を決定するスイッチング決定手段とを備えたスイッチング制御手段により前記複数のスイッチング素子のオン・オフを制御すること要旨とする。この構成により、スイッチング決定手段により、単位インバータ内の直流電圧が平衡するように各スイッチング素子の次のスイッチング状態が決定されて、中性点電位の変動が抑えられる。
【0037】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の電力変換装置において、前記スイッチング決定手段は、各直流電圧分圧点である中性点の電位が平衡点より上昇している場合、電流が当該中性点から流れ出るようにスイッチング素子の状態を変化させ、前記中性点の電位が平衡点より下降している場合、電流が当該中性点へ流れ込むように次のスイッチング状態を決定することを要旨とする。この構成により、中性点電位の変動が抑えられる。
【0038】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の電力変換装置において、前記出力電流検出手段に代えて、与えられる電流指令値を用いてなることを要旨とする。この構成により、通常、単位インバータの出力電流は、外部から与えられる電流指令値に追従するように制御されるので、出力電流検出手段の配設に代えて、電流指令値をスイッチング決定手段に入力させても、同様の作用・効果が得られる。
【0039】
請求項7記載の発明は、直流電源からの直流電圧を複数の電位に分圧し、この分圧された直流電圧が供給された複数のスイッチング素子のオン・オフ制御により3以上の電位レベルを持つ交流電圧を出力するスイッチングアームを2つ持つ単位インバータを1相以上持ち、可変周波数、可変電圧の多相交流電力を得る電力変換装置において、各相毎に1つ設けられ、与えられた電圧基準に対し単一の位相及び振幅の搬送波に対応して電圧レベルを変換する電圧基準変換手段と、前記電圧基準が属する電圧領域を判定する電圧基準レベル判定手段と、前記搬送波と前記変換した電圧基準との比較によりパルス幅変調されたゲートパルスを生成する ゲートパルス生成手段と、前記単位インバータ内の各スイッチング素子の現在の状態を記憶するスイッチング状態記憶手段と、前記単位インバータ内の2つのアームのうち直前にスイッチングしたアームを記憶するスイッチングアーム記憶手段と、この直前にスイッチングしたスイッチングアーム情報、前記ゲートパルス、前記電圧領域及び前記各スイッチング素子の現在の状態から前記単位インバータ内の全てのスイッチング素子の次のスイッチング状態を決定するスイッチング決定手段とを備えたスイッチング制御手段により前記複数のスイッチング素子のオン・オフを制御することを要旨とする。この構成により、スイッチング決定手段への入力情報として、単位インバータにおける直流電圧及び出力電流に代えてスイッチングアーム情報を入力させることで、前記と同様に、単位インバータ内の直流電圧が平衡するように各スイッチング素子の次のスイッチング状態が決定されて、中性点電位の変動が抑えられる。
【0040】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の電力変換装置において、前記スイッチング決定手段は、出力可能なスイッチング状態が複数ある場合、前記スイッチングアーム記憶手段で記憶している直前にスイッチングしたアームに対し他のアームをスイッチングするようにスイッチング状態を決定することを要旨とする。この構成により、スイッチング決定手段は、スイッチングアーム情報により、同じ出力電位レベルで異なるスイッチング状態がある場合、前回スイッチングしていないスイッチング素子を優先してスイッチングさせることで、スイッチングを分散して中性点電位の変動を抑える。
【0041】
請求項9記載の発明は、請求項4又は記載の電力変換装置において、前記スイッチング決定手段で決定される次のスイッチング状態は、現在のスイッチング状態に対し、何れかのスイッチング素子の1回のスイッチングを行うことで移行できる状態であり、各相の単位インバータの出力は分圧された直流電圧を最小の単位として変化することを要旨とする。この構成により、同時に2つのスイッチング素子のスイッチングが禁止されてスイッチングが分散される。また、各 相の単位インバータの出力が分圧された直流電圧を最小の単位として変化することで、全体として正弦波に近似した多相交流電力が得られる。
【0042】
請求項10記載の発明は、請求項1,2,4又は7記載の電力変換装置において、前記ゲートパルス生成手段は、単一の位相及び振幅の搬送波と電圧レベルを変換した電圧基準との比較によりパルス幅変調されたゲートパルスを生成するコンパレータ構成に代えて、電流基準と出力電流との誤差信号が特定のヒステリシスを超えた場合にパルス幅変調されたゲートパルスを発生するヒステリシスコンパレータで構成してなることを要旨とする。この構成により、より簡略化されたハード構成でPWMゲートパルスを生成することが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0044】
図1乃至図4は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。本実施の形態は多レベルインバータからなる電力変換装置に適用されている。なお、図1において前記図25における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、図1に示すように、スイッチング制御回路を、単一の位相及び振幅の搬送波と単一の比較回路でパルス幅変調制御できるように、電圧基準を変換する電圧基準変換回路11と、単一の位相及び振幅の搬送波と単一の比較回路からなるゲートパルス生成手段としてのPWM回路12と、分配手段としての分配回路13aとで構成したスイッチング制御手段としてのスイッチング制御回路4U,4V,4Wで置き換えている。以下、U相を代表して説明するがV相、W相についても同様である。
【0045】
図2及び図3は、NPCインバータの出力電位レベルの対応と電圧基準の変換の概念を示している。ここでは、電圧基準を−1から+1に正規化して考えている。図2は、変換前の電圧基準に対する搬送波C1 ,C2 を示す。NPCインバータでは、直流電源の中性点の電位レベルを0レベル、正側を+1/2、負側を−1/2とすると、電圧基準が0から+1の範囲にある場合、搬送波C1 との大小関係から0と+1/2を交互に出力し、電圧基準が−1から0の範囲にある場合、搬送波C2 との大小関係から−1/2と0を交互に出力する。図3に示すように、本実施の形態では、電圧基準と搬送波の相対的な関係を考慮し、搬送波の振幅が−1から+1となるように電圧基準を変換する。例えば、図2に示すように、電圧基準が0から+1の範囲にある場合、搬送波と電圧基準との関係から決定されるパルス幅を持った相電圧を得ることができ、同様のパルス幅を図3に示す単一の搬送波を用いて出力するために、以下のような変換を行う。
【0046】
Eu=(Vuref−1/2)×2 …(1)
Eu :変換後のU相電圧基準
Vuref:変換前のU相電圧基準
電圧基準が−1から0の範囲にある場合も、同様に以下のように変換する。
【0047】
Eu=(Vuref+1/2)×2 …(2)
上記変換後の基準電圧はPWM回路12にてPWM制御され、ゲートパルスpを出力する。
【0048】
分配回路13aでは、次にスイッチングする素子mを決定し、この決定されたスイッチング素子mに上記のゲートパルスpを出力し、他のスイッチング素子に対しては前回のスイッチング状態を継続するゲートパルスを出力する。
【0049】
図4を用いて、NPC型スイッチングアーム3Uに対する分配回路13aの構成及び動作の詳細を述べる。まず、出力電位レベル決定手段としての出力電位レベル決定回路14にて電圧基準Vurefから出力するべき相電圧の電位レベル1を、図2に示すように、電圧基準Vurefの大きさと搬送波C1 ,C2 との大小関係に応じて決定する。次に、電位レベル1からスイッチング素子選択手段としてのスイッチング素子選択回路15aにて、次にスイッチングする素子mを決定する。スイッチング素子選択回路15aでは、以下の理論でスイッチング素子mを決定する。
【0050】
電圧基準Vurefが0から+1の範囲にある場合:S1 及びS3 をそれぞれ排他的にスイッチングする
電圧基準Vurefが−1から0の範囲にある場合:S2 及びS4 をそれぞれ排他的にスイッチングする
スイッチング素子選択回路15aは、次にスイッチングする素子m及び各素子の現状のスイッチング状態Gp1-0 ,Gp2-0 をゲートパルス割振り手段としてのゲートパルス割振り回路18aへ出力する。ゲートパルス割振り回路18aはスイッチング素子選択回路15aで選択された素子mに対して、PWM回路12から出力されるゲートパルスpを出力し、他の素子に対してはスイッチング素子選択回路15aから出力される現状のスイッチングパルスGp1-0 ,Gp2-0 を出力するように制御する。
【0051】
このように、第1の実施の形態では、多レベルインバータからなる電力変換装置において、各相毎に1つのPWM回路12とゲートパルスを分配する分配回路13aを用いて制御することができ、回路構成をコンパクトにできる。さらにスイッチング素子の数が増え、多レベルになった場合でも、PWM回路を増やすことなく、分配回路13aにおける分配の方法を拡張することにより、スイッチング制御回路を構成することができる。
【0052】
図5乃至図10には、本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態は多重インバータからなる電力変換装置に適用されている。なお、図5において前記図27における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、個々の単位インバータのスイッチング制御回路5U,5V,5Wが、電圧基準変換回路11の出力レベル数が増えている点と、分配回路13bの素子選択数が増えている点で、図1のゲートパルス制御回路と異なっている。
【0053】
このようにNPC単相インバータを1相当たり2つ多重接続した場合の各相の出力可能な電位レベルは、+2,+3/2,+1,+1/2,0,−1/2,−1,−3/2,−2の9レベルである。
【0054】
図6に、図2と同様の相の出力の電位レベルと電圧基準の相対関係を示す。第1の実施の形態と同様、電圧基準の値により、以下のような変換を行う。
【0055】
電圧基準が+3/4から+1の範囲にある場合
Eu=(Vuref−7/8)×8 …(3)
電圧基準が+1/2から+3/4の範囲にある場合
Eu=(Vuref−5/8)×8 …(4)
電圧基準が+1/4から+1/2の範囲にある場合
Eu=(Vuref−3/8)×8 …(5)
電圧基準が0から+1/4の範囲にある場合
Eu=(Vuref−1/8)×8 …(6)
電圧基準が−1/4から0の範囲にある場合
Eu=(Vuref+1/8)×8 …(7)
電圧基準が−1/2から−1/4の範囲にある場合
Eu=(Vuref+3/8)×8 …(8)
電圧基準が−3/4から−1/2の範囲にある場合
Eu=(Vuref+5/8)×8 …(9)
電圧基準が−1から−3/4の範囲にある場合
Eu=(Vuref+7/8)×8 …(10)
図7に、分配回路13bの詳細構成を示す。まず、出力電位レベル決定回路14にて電圧基準から出力するべき相電圧の電位レベル1を、図6に示すように、電圧基準の大きさと搬送波との大小関係に応じて決定する。次に、電位レベル1からスイッチング素子選択回路15bにて、次にスイッチングする素子mを決定する。スイッチング素子選択回路15bは単位インバータ選択手段としての単位インバータ選択回路16と、単位インバータ内素子選択手段としての単位インバータ内素子選択回路17からなる。単位インバータ選択回路16では、図8に示すように、単位インバータの出力し得る電位レベル−1,−1/2,0,+1/2,+1に対しそれぞれ、先入れ先出し方式のキュー19a,19b,19c,19d,19eを用意する。各単位インバータは各出力状態から、どれか1つのキューに属する。このとき、キュー19a,19b,19c,19d,19eはその電位レベルに各単位インバータの出力状態が変化した順序も情報として持つ。相の出力電位レベルはこれらの単位インバータの出力の加算で決定できる。例えば、図8はレベル0のキュー19cにはU1 ,U2 が所属しており、先にU1 がレベル0となっていたことを示している。また、U1 =0,U2 =0より相の出力電位レベルは0であることを示す。
【0056】
単位インバータ選択回路16は、出力電位レベル決定回路14から出力するべき相電圧の電位レベル1を受け取り、キューの状態からわかる現状のスイッチング前の出力電位レベルと比較し、出力するべき電位レベルが高い場合は、キューの最小レベルの先頭の単位インバータの出力レベルを1つ上げ、相の出力電位レベルを上げる。このようにして、スイッチングする単位インバータqを決定する。
【0057】
次に、単位インバータ内素子選択回路17の動作を説明する。単位インバータ内素子選択回路17では、単位インバータ選択回路16で決定した電位レベルを変化させる単位インバータqに対して、スイッチングするべき素子を決定する。図9に単位インバータが図28に示すNPC単相インバータである場合の出力電位レベルに対する各素子のスイッチング状態とその遷移を示す。数字は単位インバータの出力電位レベルを示し、()内の+,0,−は単位インバータ内の2つのアームの状態を表し、+は上側の素子2つがオンし、0は内側の素子2つがオンし、−は下側の素子2つがオンしていることを表す。破線矢印は選択する余地が無い場合の状態遷移を示し、実線矢印はフラグの状態により、スイッチングを選択する場合の状態遷移であり、”0”,”1”の数字は、その時点のフラグの状態を示す。2つのアームのスイッチングの状態は20a,20b,20c,20d,20e,20f,20g,20h,20iの9種類ある。ここで、単位インバータの出力電位レベルを+1/2とするスイッチングの状態は20b,20cの2種類、出力電位レベルを0とするスイッチングの状態は20d,20e,20fの3種類、出力電位レベルを−1/2とするスイッチングの状態は20g,20hの2種類ある。
【0058】
次に、素子の選択方法を説明する。20bにスイッチング状態があり、単位インバータの電位レベルが+1/2→+1に変化する場合、スイッチングを選択する余地はなく、一意的に次にスイッチングする素子が決定される。しかし、単位インバータの出力電位レベルが+1→+1/2に変化する場合、20aから20bへ変化させる場合と20cへ変化させる2通りの選択肢がある。本実施の形態では、素子のスイッチングを分散させるために、前記のようにどちらのアームをスイッチングさせるか選択できる場合、前回のスイッチングでどちらのアームを選択したかをフラグ(FLG=0or1)で記憶しておき、前回の選択でスイッチングしていなかったアームを、次にスイッチングする。
【0059】
FLG=0:前回A相のアームを選択した
FLG=1:前回B相のアームを選択した
そして、選択を行ってスイッチングした場合はフラグを0→1又は1→0へ反転する。例えば、A相のアームを選択しFLG=0の状態で次に単位インバータの出力電位レベルが+0→+1/2に変化する場合、20aの状態から20b,20cへ変化することが可能であるが、FLG=0であることから、次はB相のアームを選択し20cに変化し、FLG=1にセットする。逆にB相のアームを選択しFLG=1だった場合は20bとなるようにA相を選択しFLG=0にリセットする。各相において出力電位レベルの変化により以下のようにスイッチング素子mを決定する。
【0060】
+1/2と0間の電位レベル変化:S1 及びS3 を排他的にスイッチング
0と−1/2間の電位レベル変化:S2 及びS4 を排他的にスイッチング
選択されなかった素子に対しては、キュー20a,20b,20c,20d,20eの状態から前回のスイッチング信号を継続して出力する。
【0061】
スイッチング素子選択回路15bは、次にスイッチングする素子m及び各素子の現状のスイッチング状態Gp11-0 ,Gp22-0′をゲートパルス割振り回路1 8bへ出力する。ゲートパルス割振り回路18bはスイッチング素子選択回路15bで選択された素子mに対して、PWM回路12から出力されるゲートパルスpを出力し、他の素子に対してはスイッチング素子選択回路15bから出力される現状のスイッチング信号Gp11-0 ,Gp22-0′を出力するように制御する。
【0062】
図10に単位インバータ内のスイッチング波形を示す。電圧基準と搬送波との交差によるスイッチングを単位インバータ内の何れかの素子に与え、全体として正弦波に近い出力電圧波形を得ることができる。
【0063】
このように、第2の実施の形態では、各相毎に2つの単位インバータを直列接続した多重インバータからなる電力変換装置において、1つのPWM回路12と、ゲートパルスを分配する分配回路13bを用いて制御でき、回路構成をコンパクトにできる。また、キュー19a,19b,19c,19d,19eを用いて、出力電位レベルの変化を実現できる単位インバータのうち、最も長い期間出力状態の変化のなかった単位インバータをスイッチングさせる制御手法により各単位インバータのスイッチングを分散できるのでスイッチングロスのバランスをとることができる。以上、1相当たり単位インバータが2つ接続された場合を説明したが、3つ以上の多重接続を行った場合、キュー19a,19b,19c,19d,19eに納める単位インバータの数を増やすことで同様の処理が行える。また、以上、単位インバータについては、NPC単相インバータの場合を説明したが、5レベル以上の多レベル単相インバータの場合でも、図9に示すスイッチングの状態遷移を拡張することで、同様の処理が行える。したがって、多レベル単相インバータを1相当たり2つ以上接続する多重インバータの各素子の制御を、各相1つのPWM回路とゲートパルス分配回路で行うことができ、部品点数が少なくなるとともに、各素子のスイッチングロスのバランスをとることができる。
【0064】
図11には、本発明の第3の実施の形態を示す。なお、図11において前記図1における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、多レベルインバータからなる電力変換装置において、単一の搬送波と単一の比較回路でパルス幅変調制御できるように電圧基準を変換する電圧基準変換回路11の前後段にプレエンファシス回路等からなる電圧基準補正回路21,22を追加している。以下、スイッチング制御回路6U,6V,6Wのうち、U相を代表して説明するがV相、W相についても同様である。また、搬送波が三角波である場合について説明する。
【0065】
電圧基準補正回路では要求される最小パルス幅Tminに対し、以下の電圧リミ ットEulmtで電圧基準を正負リミットした値Eu*をPWM回路12に入力する ことでTmin以下のゲートパルスは出力しなくなる。
【0066】
Eulmt=±(1−2×Tmin/Tc) …(11)
Tc:搬送波の周期
このとき、以下で示されるεがリミットされた誤差分であり、この量だけ出力電圧が基準電圧からずれることになる。
【0067】
ε=Eu−Eu* …(12)
本実施の形態では、リミットされた誤差分εを次のサンプル周期の電圧基準に足すことで時間平均を元の電圧基準に一致させる。
【0068】
【数2】
Vuref(n)=Vuref(n)+ε(n−1) …(13)
このようにすることで、最小オン時間がある素子を使用する場合でも、多レベルインバータに適用することができる。
【0069】
図12には、本発明の第4の実施の形態を示す。なお、図12において前記図11における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、主回路構成が多レベルインバータから多重インバータに置き換わっており、また、スイッチング制御回路7U,7V,7W内の分配回路が図7に示す多重インバータ用分配回路13bに置き換わっている。ハード構成が変わっても、第3の実施の形態と同様の方法で多レベルインバータを多重接続した多重インバータに最小オン時間を持つ素子を適用することができる。
【0070】
図13乃至図15には、本発明の第5の実施の形態を示す。なお、図13において前記図1における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、スイッチング制御回路8U,8V,8Wにおいて、PWM回路を電流基準Iuref,Ivref,Iwref及び電流フィードバックIu,Iv,Iwとの誤差信号を入力とするヒステリシスコンパレータ23に置き換えている。図15に示すように誤差信号がヒステリシス幅を超えた場合、スイッチング信号U1 ,V1 ,W1 のオン・オフを切り替える。ヒステリシスコンパレータ23からの出力は、分配回路13cへ入力される。本実施の形態の分配回路13cの構成を図14に示す。図4と異なる点は、出力電位レベル決定回路が出力電位レベル保持回路24に置き換わっている点である。図15に電流基準、電流フィードバック及びゲートパルス入力の概念図を示す。出力電位レベル保持回路24は、現状インバータが出力している電位レベルを保存しておき、ヒステリシスコンパレータ23からのゲートパルスの立ち上がりと立ち下がりを検出し、ゲートパルスが立ち上がりの場合、電位レベルを1増やし、立ち下がりの場合、電位レベルを1減らす。そして、現状の電位レベル1をスイッチング素子選択回路15aに入力する。
【0071】
このようにすることで、その後の処理は第1の実施の形態と同じにすることができ、ヒステリシスコンパレータ23を多レベルインバータに適用することができる。
【0072】
図16及び図17には、本発明の第6の実施の形態を示す。なお、図16において前記図13における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、主回路構成が多レベルインバータから多重インバータに置き換わっており、また、スイッチング制御回路9U,9V,9Wにおいて、分配回路を図17で示す分配回路で置き換えている。図17で示す分配回路13dと図7で示す多重インバータ用分配回路と異なる点は、出力電位レベル決定回路が出力電位レベル保持回路24に置き換わっている点であり、出力電位レベル保持回路24の動作は第5の実施の形態と同じである。
【0073】
このようにすることで、ヒステリシスコンパレータ23を多重インバータに適用することができる。
【0074】
図18乃至図21は、本発明の第7の実施の形態を示す図である。なお、図18において前記図31における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、図18に示すように、スイッチング制御回路を、単一の位相及び振幅の搬送波と単一の比較回路でパルス幅変調制御できるように、電圧レベルを変換する電圧基準変換回路11と、電圧基準が属する電圧領域を判定する電圧基準レベル判定手段としての電圧基準レベル判定回路35と、単一の位相及び振幅の搬送波と単一の比較回路からなるPWM回路12と、スイッチング決定手段としてのスイッチング決定回路36で構成するスイッチング制御回路31U,31V,31Wで置き換え、直流電圧監視手段としての電圧検出回路37、出力電流検出手段としての電流検出回路38及びスイッチング状態記憶手段としてのスイッチング状態記憶回路39を追加している。以下、U相を代表して説明するが、V相、W相についても同様である。また、以下、単相NPCインバータについて説明しているが、5レベル以上の単相多レベルインバータについても同様の構成で実現できる。
【0075】
図19及び図20は、単相NPCインバータの出力電位レベルの対応と電圧基準の変換の概念を示している。ここでは、電圧基準を−1から+1に正規化して考えている。図19は、電圧基準と、単相NPCインバータに対する搬送波C1 ,C2 ,C3 ,C4 との相関関係を示す。直流電源1の中性点の電位レベルを0、正側電位を+1、負側電位を−1とすると、単相NPCインバータの出力可能な電圧(A−B間電圧)は、+2,+1,0,−1,−2の5レベルであり、以下の関係である。
【0076】
電圧基準が+1/2から+1の範囲にある場合:搬送波C1 との大小関係から+1と+2を交互に出力
電圧基準が0から+1/2の範囲にある場合:搬送波C2 との大小関係から0と+1を交互に出力
電圧基準が−1/2から0の範囲にある場合:搬送波C3 との大小関係から−1と0を交互に出力
電圧基準が−1から−1/2の範囲にある場合:搬送波C4 との大小関係から−2と−1を交互に出力
図21に単相NPCインバータの出力状態と、1回のスイッチングで遷移可能な範囲を示す。数字は単相NPCインバータの出力電位レベルを示し、()内の+、0、−は単相NPCインバータ内の2つのアームの状態を表し、+は上側の素子2つだけがオン、0は内側の素子2つだけがオン、−は下側の素子2つだけがオンしていることを表す。破線矢印は選択する余地がない場合の状態遷移を示し、実線矢印は同じ出力電位レベルでも複数のスイッチング状態があるため、スイッチングを選択する場合の状態遷移である。単相NPCインバータのスイッチング状態は、40a,40b,40c,40d,40e,40f,40g,40h,40iの9種類ある。ここで、単相NPCインバータの出力電位レベルを+1とするスイッチング状態は、40b,40cの2種類、出力電位レベルを0とするスイッチング状態は、40d,40e,40fの3種類、出力電位レベルを−1とするスイッチング状態は、40g,40hの2種類あり、これらは同じ電位を出力する場合でもスイッチング状態を選択することができる。
【0077】
図20に示すように、本実施の形態では、電圧基準と搬送波の相対的な関係を考慮し、搬送波の振幅が−1から+1となるように電圧基準を変換する。例えば、図19に示すように、電圧基準が0から+1/2の範囲にある場合、搬送波と電圧基準との関係から決定されるパルス幅を持った相電圧を得ることができ、同様のパルス幅を図20に示す単一の搬送波を用いて出力するために、以下のような変換を行う。
【0078】
Eu=(Vuref−1/4)×4 …(14)
Eu :変換後のU相電圧基準
Vuref:変換前のU相電圧基準
以下、それぞれの範囲にある場合も同様な変換を行う。
【0079】
電圧基準が+1/2から+1の範囲にある場合:
Eu=(Vuref−3/4)×4 …(15)
電圧基準が−1/2から0の範囲にある場合:
Eu=(Vuref+1/4)×4 …(16)
電圧基準が−1から−1/2の範囲にある場合:
Eu=(Vuref+3/4)×4 …(17)
上記変換後の電圧基準はPWM回路12にてPWM制御され、ゲートパルスpを出力する。このとき、電圧基準レベル判定回路35では、電圧基準がどの領域にあるか、即ち、どの搬送波と比較されるかの情報を電圧基準レベルIvとしてスイッチング決定回路36に入力する。スイッチング決定回路36にて、ゲートパルスp、電圧基準レベルIv、電圧検出回路37で検出した直流電圧VdcP,VdcNの大小関係、電流検出回路38にて検出した出力電流の方向及び現在のスイッチング状態から次のスイッチング状態を決定する。ここで、電流方向はスイッチングアーム3Aから出力する方向を正の向きとする。このスイッチング決定理論をデシジョンテーブルとしてROM,PLD等にて記憶することで、ソフト処理無くスイッチング状態を決定することができる。
【0080】
スイッチング決定回路デシジョンテーブルの論理詳細を以下に述べる。
【0081】
(1)現在のスイッチング状態で出力可能な電圧レベルと、入力されたゲートパルスpと電圧基準レベルIvが示す出力するべき電圧が等しければ、スイッチングを行わない。
【0082】
(2)上記(1)が等しくなければ、一致するようにスイッチング状態の遷移を行う。ただし、1つだけの素子をスイッチングするだけとし、同時に2つのスイッチングは禁止する。
【0083】
ここで、前記出力するべき電圧に一致させるスイッチングに2つの選択肢があれば以下の判定でどちらのアームの素子をスイッチングするかを選択する。
【0084】
(a)出力電位レベルが±1のとき、
(i)(正側電圧大かつアームA電流正)又は(負側電圧大かつアームA電流負):アームBを中性点に接続=40c,40gを選択
(ii)(正側電圧大かつアームA電流負)又は(負側電圧大かつアームA電流正):アームAを中性点に接続=40b,40hを選択
(b)出力電位レベルが0のとき、
アームA,Bを交互にスイッチングを行う。
【0085】
例えば、40bにスイッチング状態があり、単相NPCインバータの電位レベルが+1→+2に変化する場合、スイッチングを選択する余地はなく、一意的に次にスイッチングする素子が決定され、40aのスイッチング状態となる。しかし、40aの状態から単位インバータの出力電位レベルが+2→+1に変化する場合、40aから40bへ変化させる場合と40cへ変化させる2通りの選択肢があるが、このとき正側電圧が大きく、アームAの電流が負側に流れている場合は、上記に従い、40bを選択する。40bの状態となることで、アームAが中性点に接続され、中性点に電流が流れ込み、中性点電位は上昇し、直流電圧の差が無くなるように動作する。
【0086】
このように、第7の実施の形態では、各相毎に単相NPCインバータをスター接続した電力変換装置において、1つのPWM回路12と、スイッチング決定回路36を用いて制御するとき、同じ出力電位レベルで異なるスイッチング状態がある場合に、直流電圧が平衡するようなスイッチング素子を優先してスイッチングさせることで、中性点電位の変動を抑えることができる。以上単位インバータについては単相NPCインバータの場合を説明したが、5レベル以上の多レベル単相インバータの場合でも、スイッチングの状態遷移を拡張することで同様の処理が行える。したがって、単相NPCインバータの制御を各相毎1つのPWM回路とスイッチング決定回路で行うことができ、部品点数が少なくなるとともに、中性点電位変動を抑えることができる。
【0087】
図22には、本発明の第8の実施の形態を示す。なお、図22において前記図18における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、出力電流検出回路の出力に代えて、電流基準Iurefをスイッチング制御回路32Uにおけるスイッチング決定回路36に入力している。通常、出力電流は電流基準に追従するように制御されているので、第7の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0088】
図23には、本発明の第9の実施の形態を示す。なお、図23において前記図18における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、電圧検出回路、電流検出回路の代わりに、スイッチング制御回路32Uにスイッチングアーム記憶手段としてのスイッチングアーム記憶回路41が付加されている。
【0089】
スイッチングアーム記憶回路41では、前回のスイッチングで、アームA,Bどちらがスイッチングをしたかをフラグとして記憶する回路であり、その結果をスイッチング決定回路36に入力する。フラグの意味は以下の通りである。
【0090】
FLG=A:前回Bアームの素子をスイッチングした
FLG=B:前回Aアームの素子をスイッチングした
スイッチング決定回路36の論理詳細を以下に述べる。
【0091】
(1)現在のスイッチング状態で出力可能な電圧レベルと、入力されたゲートパルスpと電圧基準レベルIvが示す出力するべき電圧が等しければ、スイッチングを行わない。スイッチングしないので、スイッチングアーム記憶回路41は、フラグを切り替えない。
【0092】
(2)上記(1)が等しくなければ、一致するようにスイッチングを行う。ただし、1つだけの素子をスイッチングするだけとし、同時に2つのスイッチングは禁止する。スイッチング後、スイッチングアーム記憶回路41は、フラグを切り替える。
【0093】
ここで、前記出力するべき電圧に一致させるスイッチングに2つの選択肢があれば現在のスイッチングアームフラグから前回スイッチングしていない側のアームの素子をスイッチングさせる。スイッチング後、スイッチングアーム記憶回路41は、フラグを切り替える。
【0094】
(a)FLG=Aのとき:Aアームを状態変化させる(図21中、Aの矢印)(b)FLG=Bのとき:Bアームを状態変化させる(図21中、Bの矢印)例えば、40bにスイッチング状態があり、単相NPCインバータの電位レベルが+1→+2に変化する場合、スイッチングを選択する余地はなく、一意的に次にスイッチングする素子が決定され、40aのスイッチング状態となる。しかし、40aの状態から単位インバータの出力電位レベルが+2→+1に変化するとき、40aから40bへ変化させる場合と40cへ変化させる2通りの選択肢がある。前回のスイッチングでAアームをスイッチングしFLG=Bの状態であった場合は、40cを出力し、FLG=Aにセットする。逆に前回BアームをスイッチングしFLG=Aだった場合は、40bを出力し、FLG=Bにセットする。各単相NPCインバータにおいて出力電位レベルの変化から以上のようにスイッチング状態を決定し、各スイッチング素子にゲートパルスを与える。
【0095】
単相NPCインバータ内のスイッチング波形は、前記図10と略同様である。
【0096】
このように、第9の実施の形態では、各相毎に単相NPCインバータをスター接続した電力変換装置において、1つのPWM回路12と、スイッチング決定回路36を用いて制御でき、回路構成をコンパクトにできる。また、同じ出力電位レベルで異なるスイッチング状態がある場合に、前回スイッチングしていないスイッチング素子を優先してスイッチングさせることで、単相NPCインバータ内の各スイッチング素子のスイッチングを分散でき、中性点に流れる電流を正負均等にできるので中性点の電圧変動を抑制できる。以上単位インバータについては単相NPCインバータの場合を説明したが、5レベル以上の多レベル単相インバータの場合でも、スイッチングの状態遷移を拡張することで同様の処理が行える。
【0097】
図24には、本発明の第10の実施の形態を示す。なお、図24において前記図18における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以って示し、重複した説明を省略する。本実施の形態では、スイッチング制御回路34Uにおいて、PWM回路を電流基準Iuref,Ivref,Iwref及び電流フィードバックIu,Iv,Iwとの誤差信号を入力とするヒステリシスコンパレータ23と出力電位レベル保持回路24に置き換えている。ヒステリシスコンパレータ23は、前記図15に示すように誤差信号がヒステリシス幅を超えた場合、スイッチング信号U1 ,V1 ,W1 のオン・オフを切り替えたパルスを出力する。出力電位レベル保持回路24は現状インバータが出力している電位レベルを保存しておき、ヒステリシスコンパレータ23からのゲートパルスの立ち上がりと立ち下がりを検出し、ゲートパルスが立ち上がりの場合、電位レベルを1増やし、立ち下がりの場合、電位レベルを1減らす。そして、単位インバータが出力するべき電位レベルIv1としてスイッチング決定回路36に入力する。
【0098】
第7、第8、第9の実施の形態では、ゲートパルス及び電圧基準レベル判定回路35の出力から単相NPCインバータの出力電位を得ていたが、ヒステリシスコンパレータ23と出力電位レベル保持回路24を用いることで、同様の作用・効果を得ることができる。このようにすることで、その後の処理は第7、第8、第9の実施の形態と同じにすることができ、ヒステリシスコンパレータを多レベル単相インバータに適用することができる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1に、スイッチング制御手段を、各相毎に1つのゲートパルス生成手段と分配手段で構成することで、簡略化し小型化することができて経済的で信頼性を高めることができる。
【0100】
第2に、多重インバータからなる電力変換装置において、個々の単位インバータ内の素子にスイッチングが特定期間集中するのを避けることで、スイッチングロスのバランスをとることができる。
【0101】
第3に、最小オンパルス幅の制約のあるスイッチング素子でも、制御不能領域を補正することで、多レベルインバータ及び多重インバータからなる電力変換装置に適用することができる。
【0102】
第4に、ゲートパルス生成手段をヒステリシスコンパレータで構成することで、より簡略化されたハード構成でPWMゲートパルスを生成することができる。
【0103】
第5に、スイッチング制御手段を、各単位インバータ毎に1つのゲートパルス生成手段とスイッチング決定手段で構成することで、直流電圧のアンバランスを抑制することができるスイッチング素子を優先してスイッチングさせて中性点電位の変動を抑えることができるとともに経済的で信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電力変換装置の回路図である。
【図2】上記第1の実施の形態における変換前の電圧基準に対する出力電位レベルの関係を示す図である。
【図3】上記第1の実施の形態における変換後の電圧基準に対する出力電位レベルの関係を示す図である。
【図4】図1における分配回路の内部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のブロック図である。
【図6】上記第2の実施の形態における変換前の電圧基準に対する出力電位レベルの関係を示す図である。
【図7】図2における分配回路の内部構成を示す回路図である。
【図8】上記第2の実施の形態においてスイッチングする単位インバータ決定のためのキューを示す図である。
【図9】上記第2の実施の形態におけるスイッチングする素子決定のための素子のスイッチング状態変化を示す図である。
【図10】上記第2の実施の形態における単位インバータのスイッチング波形例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の回路図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態のブロック図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態の回路図である。
【図14】図13における分配回路の内部構成を示すブロック図である。
【図15】上記第5の実施の形態におけるスイッチング波形例を示す図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態のブロック図である。
【図17】図16における分配回路の内部構成を示す回路図である。
【図18】本発明の第7の実施の形態のブロック図である。
【図19】上記第7の実施の形態における変換前の電圧基準に対する出力電位レベルの関係を示す図である。
【図20】上記第7の実施の形態における変換後の電圧基準に対する出力電位レベルの関係を示す図である。
【図21】上記第7の実施の形態におけるスイッチングする素子決定のための素子のスイッチング状態変化を示す図である。
【図22】本発明の第8の実施の形態のブロック図である。
【図23】本発明の第9の実施の形態のブロック図である。
【図24】本発明の第10の実施の形態のブロック図である。
【図25】従来のNPCインバータ装置の回路図である。
【図26】上記従来のNPCインバータ装置の出力波形を示す図である。
【図27】従来の多重インバータ装置のブロック図である。
【図28】図27における単位インバータの内部構成を示す回路図である。
【図29】上記従来の多重インバータ装置の出力波形を示す図である。
【図30】従来のインバータ装置において最小オンパルス幅対策を行ったときの出力波形を示す図である。
【図31】従来の単相多レベル3相スター接続方式の多重インバータ装置のブロック図である。
【図32】図31における単相NPCインバータの内部構成を示す回路図である。
【図33】図31の多重インバータ装置の出力電圧波形を示す図である。
【符号の説明】
1 直流電源
3A,3B,3U,3V,3W スイッチングアーム
4U〜4W,5U〜5W,6U〜6W,7U〜7W,8U〜8W,9U〜9W,31U〜31W,32U〜32W,33U〜33W,34U〜34W スイッチング制御回路(スイッチング制御手段)
11 電圧基準変換回路
12 PWM回路(ゲートパルス生成手段)
13a〜13d 分配回路(分配手段)
14 出力電位レベル決定回路(出力電位レベル決定手段)
15a,15b スイッチング素子選択回路(スイッチング素子選択手段)
16 単位インバータ選択回路(単位インバータ選択手段)
17 単位インバータ内素子選択回路(単位インバータ内素子選択手段)
18a,18b ゲートパルス割振り回路(ゲートパルス割振り手段)
21,22 電圧基準補正回路(電圧基準補正手段)
23 ヒステリシスコンパレータ(ゲートパルス生成手段)
28U,28V,28W,28U1 ,28U2 ,28V1 ,28V2 ,28W1 ,28W2 単位インバータ
1 〜S4 スイッチング素子
35 電圧基準レベル判定回路(電圧基準レベル判定手段)
36 スイッチング決定回路(スイッチング決定手段)
37 電圧検出回路(直流電圧監視手段)
38 電流検出回路(出力電流検出手段)
39 スイッチング状態記憶回路(スイッチング状態記憶手段)
41 スイッチングアーム記憶回路(スイッチングアーム記憶手段)

Claims (10)

  1. 直流電源からの直流電圧を複数の電位に分圧し、この分圧された直流電圧が供給された複数のスイッチング素子のオン・オフ制御により3以上の電位レベルを持つ交流電圧を出力するスイッチングアームを2相以上持ち、可変周波数、可変電圧の多相交流電力を得る電力変換装置において、各相毎に1つ設けられ、単一の位相及び振幅の搬送波と、この単一の位相及び振幅の搬送波に対応して電圧レベルを変換した電圧基準との比較によりパルス幅変調されたゲートパルスを生成するゲートパルス生成手段と、このゲートパルス生成手段から出力されるゲートパルス幅が特定の幅以下にならないように前記電圧基準を補正する電圧基準補正手段と、このゲートパルス生成手段から出力されるゲートパルスを前記複数のスイッチング素子の何れへ分配するかを決定する分配手段とを備えたスイッチング制御手段により前記複数のスイッチング素子のオン・オフを制御することを特徴とする電力変換装置。
  2. 直流電源からの直流電圧を複数の電位に分圧し、この分圧された直流電圧が供給された複数のスイッチング素子のオン・オフ制御により3以上の電位レベルを出力するスイッチングアームを2つ持つ単位インバータを2段以上多重接続してインバータ群を構成し、このインバータ群を2相以上持ち、可変周波数、可変電圧の多相直流電力を得る電力変換装置において、各相毎に1つ設けられ、単一の位相及び振幅の搬送波と、この単一の位相及び振幅の搬送波に対応して電圧レベルを変換した電圧基準との比較によりパルス幅変調されたゲー トパルスを生成するゲートパルス生成手段と、このゲートパルス生成手段から出力されるゲートパルス幅が特定の幅以下にならないように前記電圧基準を補正する電圧基準補正手段と、このゲートパルス生成手段から出力されるゲートパルスを何れの前記単位インバータ内の何れのスイッチング素子へ分配するかを決定する分配手段とを備えたスイッチング制御手段により前記2つの単位インバータ内の複数のスイッチング素子のオン・オフを制御することを特徴とする電力変換装置。
  3. 前記電圧基準補正手段は、各相の電圧基準に対して時間平均が等しくなるように電圧基準を補正することを特徴とする請求項1又は2記載の電力変換装置。
  4. 直流電源からの直流電圧を複数の電位に分圧し、この分圧された直流電圧が供給された複数のスイッチング素子のオン・オフ制御により3以 上の電位レベルを持つ交流電圧を出力するスイッチングアームを2つ持つ単位インバータを1相以上持ち、可変周波数、可変電圧の多相交流電力を得る電力変換装置において、各相毎に1つ設けられ、与えられた電圧基準に対し単一の位相及び振幅の搬送波に対応して電圧レベルを変換する電圧基準変換手段と、前記電圧基準が属する電圧領域を判定する電圧基準レベル判定手段と、前記搬送波と前記変換した電圧基準との比較によりパルス幅変調されたゲートパルスを生成するゲートパルス生成手段と、前記分圧された各直流電圧を監視する直流電圧監視手段と、各相の前記単位インバータの出力電流を検出する出力電流検出手段と、前記単位インバータ内の各スイッチング素子の現在の状態を記憶するスイッチング状態記憶手段と、前記分圧された直流電圧、前記出力電流、前記ゲートパルス、前記電圧領域及び前記各スイッチング素子の現在の状態から前記単位インバータ内の全てのスイッチング素子の次のスイッチング状態を決定するスイッチング決定手段とを備えたスイッチング制御手段により前記複数のスイッチング素子のオン・オフを制御すること特徴とする電力変換装置。
  5. 前記スイッチング決定手段は、各直流電圧分圧点である中性点の電位が平衡点より上昇している場合、電流が当該中性点から流れ出るようにスイッチング素子の状態を変化させ、前記中性点の電位が平衡点より下降している場合、電流が当該中性点へ流れ込むように次のスイッチング状態を決定することを特徴とする請求項4記載の電力変換装置。
  6. 前記出力電流検出手段に代えて、与えられる電流指令値を用いてなることを特徴とする請求項4記載の電力変換装置。
  7. 直流電源からの直流電圧を複数の電位に分圧し、この分圧された直流電圧が供給された複数のスイッチング素子のオン・オフ制御により3以上の電位レベルを持つ交流電圧を出力するスイッチングアームを2つ持つ単位インバータを1相以上持ち、可変周波数、可変電圧の多相交流電力を得る電力変換装置において、各相毎に1つ設けられ、与えられた電圧基準に対し単一の位相及び振幅の搬送波に対応して電圧レベルを変換する電圧基準変換手段と、前記電圧基準が属する電圧領域を判定する電圧基準レベル判定手段と、前記搬送波と前記変換した電圧基準との比較によりパルス幅変調されたゲートパルスを生成する ゲートパルス生成手段と、前記単位インバータ内の各スイッチング素子の現在の状態を記憶するスイッチング状態記憶手段と、前記単位インバータ内の2つのアームのうち直前にスイッチングしたアームを記憶するスイッチングアーム記憶手段と、この直前にスイッチングしたスイッチングアーム情報、前記ゲートパルス、前記電圧領域及び前記各スイッチング素子の現在の状態から前記単位インバータ内の全てのスイッチング素子の次のスイッチング状態を決定するスイッチング決定手段とを備えたスイッチング制御手段により前記複数のスイッチング素子のオン・オフを制御することを特徴とする電力変換装置。
  8. 前記スイッチング決定手段は、出力可能なスイッチング状態が複数ある場合、前記スイッチングアーム記憶手段で記憶している直前にスイッチングしたアームに対し他のアームをスイッチングするようにスイッチング状態を決定することを特徴とする請求項7記載の電力変換装置。
  9. 前記スイッチング決定手段で決定される次のスイッチング状態は、現在のスイッチング状態に対し、何れかのスイッチング素子の1回のスイッチングを行うことで移行できる状態であり、各相の単位インバータの出力は分圧された直流電圧を最小の単位として変化することを特徴とする請求項4又は記載の電力変換装置。
  10. 前記ゲートパルス生成手段は、単一の位相及び振幅の搬送波と電圧レベルを変換した電圧基準との比較によりパルス幅変調されたゲートパルスを生成するコンパレータ構成に代えて、電流基準と出力電流との誤差信号が特定のヒステリシスを超えた場合にパルス幅変調されたゲートパルスを発生するヒステリシスコンパレータで構成してなることを特徴とする請求項1,2,4又は記載の電力変換装置。
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