JP3773590B2 - 油処理剤 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキ、塗料、化粧品、高分子、農業、水産、食品等の製造業分野及びそれら工場の排水処理や油流出事故処理などの公害防止に利用でき、さらには飲食業、家庭等の食用油の廃棄あるいは漏洩処理等においても利用できる油処理剤に関する。。
【0002】
【従来の技術】
近年、河川への流出油や廃水中の油分の回収が、環境保全上大きな問題となっている。また家庭や食品工場、レストラン等で廃棄される廃食用油の簡便な処理方法が強く望まれている。これらの流出油や廃水中の油分の回収あるいは漏洩油の処理方法として、吸油剤を使用して油を吸収後焼却処理その他の処理を行なう方法が従来より採用されている。このような吸油剤としては、パルプ、綿、ポリプロピレン等の繊維系吸油剤、発泡ポリウレタン等の発泡樹脂系吸油剤等が知られている。
【0003】
しかしこれら従来の吸油剤は、満足のいく吸油量が得られないものが多く、吸油による体積変化がほとんどなく、極めて嵩高く、吸油後の保有力が劣るという問題があった。これらの問題を解決するために、ある種のポリマーに油を吸収膨潤させるタイプの合成樹脂系吸油剤について種々報告されているが、植物油あるいは動物油等の油脂類については満足のいく吸油量が得られていない。
【0004】
植物油あるいは動物油等の油脂類の処理方法としてはゲル化又は固化する方法として、固体の高級脂肪酸、固体の高級アルコール、又は特定の融点を有する樹脂を主成分とする固形化処理剤を用いる方法(特開昭54−112385号公報)12−ヒドロキシステアリン酸を廃食用油に添加する方法(特開昭55−106298号公報)ステアリン酸アルミを腐食用油に添加する方法(特開昭57−151669号公報)等が知られている。しかし、これらの方法は、いずれも液状油脂を加熱(80〜180℃程度)した状態でこれに固化剤を添加溶解させる必要があり、このため火災の原因になることが最近問題視されるようになっている。
【0005】
一方、12−ヒドロキシステアリン酸を用いて液状油脂を常温で固化させるために有機溶剤等で希釈して液状化させる方法(特開昭55−13120号公報、特開昭63−90599号公報、特開昭63−128093号公報、特開平6−80986号公報)もあるがゲル能力が低い。さらに有機溶剤等を併用するのは火災の危険性を増大する。12−ヒドロキシステアリン酸の塩と酸性物質との組合せによる食用油を常温で固化させる方法(特開平7−150129号公報)があるが、12−ヒドロキシステアリン酸の塩を作ることに問題があり、油への分散性や溶解性が良くない。
【0006】
増粘ゲル化添加剤は、加熱溶解ゲル化が必要であったりして火災の危険性が無視できない。事実、前記の12−ヒドロキシステアリン酸、ベンジリデンソルビトール、アミノ酸類は加熱ゲル化が必要である。
そして、とくに金属石けん類は、インキや塗料のワニスのゲル化剤としても数十年前から使われていたが加熱ゲル化が必要である。(「ゲル」:産業図書 p197〜199)。
金属石けんが常温でゲル化するのは低沸点の鉱物油だけであった。(金属石けんの性質と応用:幸書房)。2−エチルヘキサン酸アルミニウムを使用して常温でゲル化させる方法(特開平3−9758号公報)が記載されているが透明ゲル状芳香剤の用途としてテルペン系溶剤をゲル化しているだけである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、油脂類を常温ですみやかにゲル化して排水処理、公害防止、火災防止等に役立つ油処理剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究の結果、不飽和脂肪酸と特定の金属石けんを用いることにより植物油あるいは動物油等の油脂類を常温でゲル化させられる油処理剤となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、不飽和脂肪酸と2−エチルヘキサン酸アルミニウムを有効成分としてなる植物油あるいは動物油等の油脂類をゲル化する油処理剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の処理剤を使用すると、油脂類等が容器内にある場合だけでなく、漏洩、流出した油が浸透しない床やコンクリート上にある場合はもとより水含有油やあるいは、水に浮いた油の状態でも不飽和脂肪酸と2−エチルヘキサン酸アルミニウムを添加するだけで加熱なしに容易に常温でゲル化することができる。
【0010】
例えば、河川、湖沼等に流出したような水の上にある油を回収する時、油層が厚い場合にはポンプで吸引したりヒシャクですくったりして取りのぞけるが、油層が2〜3cm程度になってからは、油だけを汲み取ることが困難になるし、無理に取ろうとすると水も大量に含んで処理効率が低下する。
今までのゲル化処理剤は、河川等の流出処理に利用するには種々の条件があり使用できなかったが、本発明の処理剤はかかる河川等の浄化処理にも有効に使用できる。
また、ラード等は、40〜50℃で液状を呈するが室温になると固化してペースト状となりベタついて取り扱いにくい。これらペースト状の油脂類も本発明の処理剤を用いてゲル化処理することによってベタつきがなくなり取り扱いやすくなる。
【0011】
本発明の不飽和脂肪酸と2−エチルヘキサン酸アルミニウムを有効成分とする油処理剤は、水に浮いた油の状態でもゲル化能力の低下がほとんどないので油処理の条件に左右されにくい。水の上の油を常温でゲル化したものがつながって浮くために容易に網や手で取り除くことが可能である。
【0012】
2−エチルヘキサン酸アルミニウムは、乾燥したものあるいは含水のままのどちらでもかまわないが、含水品の方が飛散性が少なく扱いやすい。
2−エチルヘキサン酸アルミニウムは、通常のアルミニウム石けんの製造方法つまり複分解反応を行なったもので良く(特公昭36−19125号公報、特公昭36−19379号公報、特公昭36−10476号公報、特公平7−25717号公報、フランス特許160524号等)乾燥しないままの状態が好ましいが、70℃以下で乾燥したものであれば良い。
また、ジソープ、モノソープ、トリソープの組成比を変えるためにアルミニウムアルコキサイドからの製造方法と組み合わせても良い。
【0013】
2−エチルヘキサン酸アルミニウムの形状は、粉末、粒状、ペレット、シート状、ブロック状、塊状、ペースト状等があるがこれらに限定されるものではない。2−エチルヘキサン酸アルミニウムからなる油処理剤成分は、単独でもさしつかえないが、本発明を逸脱しないかぎり、これに適量の従来公知のアルミニウム石けん類例えばステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、カプリン酸アルミニウム等を配合したものであっても良い。また2−エチルヘキサン酸アルミニウムを製造する時に各種の脂肪酸を添加して反応して製造したものであっても良い。
また前記公知のゲル化剤、吸油処理剤と併用しても良い。
【0014】
ゲル化の対象となる油脂類としては、大豆油、綿実油、コーン油、紅花油、菜種油、ラード、ヘット、鶏油、魚油等、及びそれらの混合物があげられるが、これらに限定されるものではない。
油に対する2−エチルヘキサン酸アルミニウムの添加量は、油の種類、ゲル化時間、目的とするゲル状態により異なるが油100重量部に対してアルミニウム金属として0.01〜10重量部の範囲になるように好ましくは0.1〜5重量部になるように2−エチルヘキサン酸アルミニウムの添加するのが良いが、これらに限定されるものではない。
【0015】
不飽和脂肪酸としては、炭素数12〜24の直鎖状不飽和脂肪酸、炭素数20〜44の脂環式不飽和脂肪酸があげられる。たとえば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ダイマー酸、トール油酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アビエチン酸、ロジン等及びそれらの混合物があげられるが、これらに限定されるものではない。
油に対する不飽和脂肪酸の添加量は、油の種類、ゲル化時間、目的とするゲル状態により異なるが油100重量部に対して1〜50重量部の範囲になるように、好ましくは10〜30重量部となるように添加するのがよいが、これらに限定されるものではない。
ゲル化処理した油は取り扱い易く、容易に移送が可能でそのまま焼却処理が行なえる。またゲル化処理した油を酸、アルカリ、アルコール等で分解して油を回収あるいは油脂誘導体への原料として利用することも可能である。
【0016】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
200mlのビーカーに各種の油100mlを入れ25℃に調整してからオレイン酸20gを加え均一に溶解するように攪拌後、2−エチルヘキサン酸アルミニウム含水物(水分70%)40gを添加してガラス棒でゆっくり攪拌してゲル化状態を観察した。
【0017】
【0018】
実施例2
500mlのビーカーに水200ml各種の油20mlを入れ25℃に調整してからリノール酸4gを添加後、2−エチルヘキサン酸アルミニウム含水物(水分70%)6gを添加してガラス棒でゆっくり攪拌し1分後、20分後、30分後、1時間後の状態を観察した。
【0019】
実施例3
300mlのビーカーにコーン油100gを仕込み25℃に設定してからオレイン酸10,20,30gを添加溶解後、2−エチルヘキサン酸アルミニウム(水分1.0%)を2〜10gを添加してゲル化状態を観察した。
【0020】
実施例4
200mlビーカーに大豆油100g、各種の不飽和脂肪酸20gを仕込み、2−エチルヘキサン酸アルミニウム含水物(水分70%)を30g添加してゲル化状態を観察した。
【0021】
実施例5
200mlビーカーに大豆油100g、オレイン酸20gを仕込み、2−エチルヘキサン酸アルミニウム(水分1.0%)を10g添加して各温度でのゲル化状態を観察した。
【0022】
実施例6
200mlビーカーに大豆油100g、2−エチルヘキサン酸アルミニウム(水分1.0%)を10g添加してよく分散後、オレイン酸20gを後から加えても室温で30分以内にゲル化した。
【0023】
【発明の効果】
以上の結果から明らかなように、本発明によれば、不飽和脂肪酸と2−エチルヘキサン酸アルミニウムを有効成分としてなる処理剤により油脂類を常温ですみやかにゲル化することができる。また従来のものに比べて安価でゲル化能に優れた油処理剤を提供することができ、排水処理、公害防止、危険物処理等として有効に活用できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキ、塗料、化粧品、高分子、農業、水産、食品等の製造業分野及びそれら工場の排水処理や油流出事故処理などの公害防止に利用でき、さらには飲食業、家庭等の食用油の廃棄あるいは漏洩処理等においても利用できる油処理剤に関する。。
【0002】
【従来の技術】
近年、河川への流出油や廃水中の油分の回収が、環境保全上大きな問題となっている。また家庭や食品工場、レストラン等で廃棄される廃食用油の簡便な処理方法が強く望まれている。これらの流出油や廃水中の油分の回収あるいは漏洩油の処理方法として、吸油剤を使用して油を吸収後焼却処理その他の処理を行なう方法が従来より採用されている。このような吸油剤としては、パルプ、綿、ポリプロピレン等の繊維系吸油剤、発泡ポリウレタン等の発泡樹脂系吸油剤等が知られている。
【0003】
しかしこれら従来の吸油剤は、満足のいく吸油量が得られないものが多く、吸油による体積変化がほとんどなく、極めて嵩高く、吸油後の保有力が劣るという問題があった。これらの問題を解決するために、ある種のポリマーに油を吸収膨潤させるタイプの合成樹脂系吸油剤について種々報告されているが、植物油あるいは動物油等の油脂類については満足のいく吸油量が得られていない。
【0004】
植物油あるいは動物油等の油脂類の処理方法としてはゲル化又は固化する方法として、固体の高級脂肪酸、固体の高級アルコール、又は特定の融点を有する樹脂を主成分とする固形化処理剤を用いる方法(特開昭54−112385号公報)12−ヒドロキシステアリン酸を廃食用油に添加する方法(特開昭55−106298号公報)ステアリン酸アルミを腐食用油に添加する方法(特開昭57−151669号公報)等が知られている。しかし、これらの方法は、いずれも液状油脂を加熱(80〜180℃程度)した状態でこれに固化剤を添加溶解させる必要があり、このため火災の原因になることが最近問題視されるようになっている。
【0005】
一方、12−ヒドロキシステアリン酸を用いて液状油脂を常温で固化させるために有機溶剤等で希釈して液状化させる方法(特開昭55−13120号公報、特開昭63−90599号公報、特開昭63−128093号公報、特開平6−80986号公報)もあるがゲル能力が低い。さらに有機溶剤等を併用するのは火災の危険性を増大する。12−ヒドロキシステアリン酸の塩と酸性物質との組合せによる食用油を常温で固化させる方法(特開平7−150129号公報)があるが、12−ヒドロキシステアリン酸の塩を作ることに問題があり、油への分散性や溶解性が良くない。
【0006】
増粘ゲル化添加剤は、加熱溶解ゲル化が必要であったりして火災の危険性が無視できない。事実、前記の12−ヒドロキシステアリン酸、ベンジリデンソルビトール、アミノ酸類は加熱ゲル化が必要である。
そして、とくに金属石けん類は、インキや塗料のワニスのゲル化剤としても数十年前から使われていたが加熱ゲル化が必要である。(「ゲル」:産業図書 p197〜199)。
金属石けんが常温でゲル化するのは低沸点の鉱物油だけであった。(金属石けんの性質と応用:幸書房)。2−エチルヘキサン酸アルミニウムを使用して常温でゲル化させる方法(特開平3−9758号公報)が記載されているが透明ゲル状芳香剤の用途としてテルペン系溶剤をゲル化しているだけである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、油脂類を常温ですみやかにゲル化して排水処理、公害防止、火災防止等に役立つ油処理剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究の結果、不飽和脂肪酸と特定の金属石けんを用いることにより植物油あるいは動物油等の油脂類を常温でゲル化させられる油処理剤となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、不飽和脂肪酸と2−エチルヘキサン酸アルミニウムを有効成分としてなる植物油あるいは動物油等の油脂類をゲル化する油処理剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の処理剤を使用すると、油脂類等が容器内にある場合だけでなく、漏洩、流出した油が浸透しない床やコンクリート上にある場合はもとより水含有油やあるいは、水に浮いた油の状態でも不飽和脂肪酸と2−エチルヘキサン酸アルミニウムを添加するだけで加熱なしに容易に常温でゲル化することができる。
【0010】
例えば、河川、湖沼等に流出したような水の上にある油を回収する時、油層が厚い場合にはポンプで吸引したりヒシャクですくったりして取りのぞけるが、油層が2〜3cm程度になってからは、油だけを汲み取ることが困難になるし、無理に取ろうとすると水も大量に含んで処理効率が低下する。
今までのゲル化処理剤は、河川等の流出処理に利用するには種々の条件があり使用できなかったが、本発明の処理剤はかかる河川等の浄化処理にも有効に使用できる。
また、ラード等は、40〜50℃で液状を呈するが室温になると固化してペースト状となりベタついて取り扱いにくい。これらペースト状の油脂類も本発明の処理剤を用いてゲル化処理することによってベタつきがなくなり取り扱いやすくなる。
【0011】
本発明の不飽和脂肪酸と2−エチルヘキサン酸アルミニウムを有効成分とする油処理剤は、水に浮いた油の状態でもゲル化能力の低下がほとんどないので油処理の条件に左右されにくい。水の上の油を常温でゲル化したものがつながって浮くために容易に網や手で取り除くことが可能である。
【0012】
2−エチルヘキサン酸アルミニウムは、乾燥したものあるいは含水のままのどちらでもかまわないが、含水品の方が飛散性が少なく扱いやすい。
2−エチルヘキサン酸アルミニウムは、通常のアルミニウム石けんの製造方法つまり複分解反応を行なったもので良く(特公昭36−19125号公報、特公昭36−19379号公報、特公昭36−10476号公報、特公平7−25717号公報、フランス特許160524号等)乾燥しないままの状態が好ましいが、70℃以下で乾燥したものであれば良い。
また、ジソープ、モノソープ、トリソープの組成比を変えるためにアルミニウムアルコキサイドからの製造方法と組み合わせても良い。
【0013】
2−エチルヘキサン酸アルミニウムの形状は、粉末、粒状、ペレット、シート状、ブロック状、塊状、ペースト状等があるがこれらに限定されるものではない。2−エチルヘキサン酸アルミニウムからなる油処理剤成分は、単独でもさしつかえないが、本発明を逸脱しないかぎり、これに適量の従来公知のアルミニウム石けん類例えばステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、カプリン酸アルミニウム等を配合したものであっても良い。また2−エチルヘキサン酸アルミニウムを製造する時に各種の脂肪酸を添加して反応して製造したものであっても良い。
また前記公知のゲル化剤、吸油処理剤と併用しても良い。
【0014】
ゲル化の対象となる油脂類としては、大豆油、綿実油、コーン油、紅花油、菜種油、ラード、ヘット、鶏油、魚油等、及びそれらの混合物があげられるが、これらに限定されるものではない。
油に対する2−エチルヘキサン酸アルミニウムの添加量は、油の種類、ゲル化時間、目的とするゲル状態により異なるが油100重量部に対してアルミニウム金属として0.01〜10重量部の範囲になるように好ましくは0.1〜5重量部になるように2−エチルヘキサン酸アルミニウムの添加するのが良いが、これらに限定されるものではない。
【0015】
不飽和脂肪酸としては、炭素数12〜24の直鎖状不飽和脂肪酸、炭素数20〜44の脂環式不飽和脂肪酸があげられる。たとえば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ダイマー酸、トール油酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アビエチン酸、ロジン等及びそれらの混合物があげられるが、これらに限定されるものではない。
油に対する不飽和脂肪酸の添加量は、油の種類、ゲル化時間、目的とするゲル状態により異なるが油100重量部に対して1〜50重量部の範囲になるように、好ましくは10〜30重量部となるように添加するのがよいが、これらに限定されるものではない。
ゲル化処理した油は取り扱い易く、容易に移送が可能でそのまま焼却処理が行なえる。またゲル化処理した油を酸、アルカリ、アルコール等で分解して油を回収あるいは油脂誘導体への原料として利用することも可能である。
【0016】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
200mlのビーカーに各種の油100mlを入れ25℃に調整してからオレイン酸20gを加え均一に溶解するように攪拌後、2−エチルヘキサン酸アルミニウム含水物(水分70%)40gを添加してガラス棒でゆっくり攪拌してゲル化状態を観察した。
【0017】
【0018】
実施例2
500mlのビーカーに水200ml各種の油20mlを入れ25℃に調整してからリノール酸4gを添加後、2−エチルヘキサン酸アルミニウム含水物(水分70%)6gを添加してガラス棒でゆっくり攪拌し1分後、20分後、30分後、1時間後の状態を観察した。
【0019】
実施例3
300mlのビーカーにコーン油100gを仕込み25℃に設定してからオレイン酸10,20,30gを添加溶解後、2−エチルヘキサン酸アルミニウム(水分1.0%)を2〜10gを添加してゲル化状態を観察した。
【0020】
実施例4
200mlビーカーに大豆油100g、各種の不飽和脂肪酸20gを仕込み、2−エチルヘキサン酸アルミニウム含水物(水分70%)を30g添加してゲル化状態を観察した。
【0021】
実施例5
200mlビーカーに大豆油100g、オレイン酸20gを仕込み、2−エチルヘキサン酸アルミニウム(水分1.0%)を10g添加して各温度でのゲル化状態を観察した。
【0022】
実施例6
200mlビーカーに大豆油100g、2−エチルヘキサン酸アルミニウム(水分1.0%)を10g添加してよく分散後、オレイン酸20gを後から加えても室温で30分以内にゲル化した。
【0023】
【発明の効果】
以上の結果から明らかなように、本発明によれば、不飽和脂肪酸と2−エチルヘキサン酸アルミニウムを有効成分としてなる処理剤により油脂類を常温ですみやかにゲル化することができる。また従来のものに比べて安価でゲル化能に優れた油処理剤を提供することができ、排水処理、公害防止、危険物処理等として有効に活用できる。
Claims (3)
- 2−エチルヘキサン酸アルミニウムと不飽和脂肪酸を有効成分としてなる液状油脂類をゲル化するための油処理剤。
- 2−エチルヘキサン酸アルミニウムが式Al(OH)(RCOO)2 で示されるジソープを主成分とし、式Al(RCOO)3 で示されるトリソープ及び式Al(OH)2 (RCOO)で示されるモノソープを合計20重量%までの量で含むアルミニウム石けんである請求項1に記載の油処理剤。
(但し、上記式中RCOOは、2−エチルヘキサン酸残基を示す。) - 不飽和脂肪酸が炭素数12〜24の直鎖状不飽和脂肪酸及び炭素数20〜44の脂環式不飽和脂肪酸から選ばれた1種又は複数種の混合物であり、液状油脂100重量部に対して不飽和脂肪酸が1〜50重量部、2−エチルヘキサン酸アルミニウムがアルミニウム金属量として0.01〜10重量部に相当する量で添加されている請求項1又は2に記載の油処理剤。
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---|---|---|---|
JP15739696A JP3773590B2 (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | 油処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15739696A JP3773590B2 (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | 油処理剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316436A JPH09316436A (ja) | 1997-12-09 |
JP3773590B2 true JP3773590B2 (ja) | 2006-05-10 |
Family
ID=15648724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15739696A Expired - Fee Related JP3773590B2 (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | 油処理剤 |
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WO2015041158A1 (ja) | 2013-09-20 | 2015-03-26 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 油吸着材として使用できるポリカーボネート樹脂 |
JP7412199B2 (ja) * | 2020-02-04 | 2024-01-12 | 株式会社カネカ | 蓄熱材の製造方法 |
-
1996
- 1996-05-30 JP JP15739696A patent/JP3773590B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH09316436A (ja) | 1997-12-09 |
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