JP3773308B2 - 動力伝達用チェーンのばねリンク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ばねリンクに関し、詳細には、多数のリンクプレートを連結ピンにより連結しかつ最外側にガイドリンクプレートを配置してなる動力伝達用チェーンのばねリンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や自動二輪車等の動力伝達用チェーンとして用いられるサイレントチェーンにおいて、チェーンの弦振動を防止して動力伝達時の騒音を低減させるために、ガイドリンクプレートおよびリンクプレート間、または隣り合うリンクプレート間にばねリンクを装着したものが提案されている。
【0003】
図8に示すように、この種のばねリンク10は、一般に、全体が波形形状をしており、連結ピン挿入用の一対のピン孔11をその両端部に有している。このばねリンク10がその板厚方向に圧縮された状態でサイレントチェーン内に組み込まれたときには、ばねリンク10のばね力(弾性反発力)により、チェーン幅方向において隣り合うリンクプレート間に摩擦力が付与され、これにより、チェーンの屈曲抵抗が増大して、チェーンの弦振動が抑制されるようになっている。
【0004】
このようなばねリンクを備えたサイレントチェーンの組立ての際には、図9に示すように、多数のばねリンク10を積層させ互いに密着させた状態で、最下位の位置のばねリンク10にその端面方向から爪部材15を当接させ、該爪部材15を図10矢印方向に往復移動させることにより、ばねリンク10を一枚ずつチェーン組立機本体側に供給するようなばねリンク送り装置が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近の自動車業界の傾向として、チェーンの効率面をより重視する観点から、ばねリンクのばね力を低減させる方向に向かっており、このため、板厚の薄いばねリンクが用いられるようになっている。
【0006】
ところが、板厚の薄いばねリンクの場合には、前記ばねリンク送り装置の爪部材15との接触面積が小さくなり、爪部材15の上下位置の調整如何では、爪部材15がばねリンクを二枚送りしたり、あるいは空送りするといった送りミスをする場合が生じる。このため、爪部材15の上下位置の調整が非常に難しくなる。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、ばねリンクの板厚が薄くなった場合においてもチェーン組立時にばねリンクの送りミスを確実に防止できる動力伝達用チェーンのばねリンクを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、各々一対のピン孔が形成された多数のリンクプレートを該ピン孔内に挿入した連結ピンにより連結するとともに、前記リンクプレートの最外側にガイドリンクプレートを配置してなる動力伝達用チェーンのばねリンクにおいて、前記連結ピンを挿入するための一対のピン孔を両端部に有するとともに、ばねリンクを重ね合わせたときに隣り合うばねリンク間に隙間を形成させるような、厚み方向に突出する凸部を有し、前記凸部が、ばねリンクの両端側縁部に形成された山形形状の折曲部により構成されていることを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明に係る動力伝達用チェーンのばねリンクは、請求項1において、前記隙間が、隣り合うばねリンクの中央部に形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項1の発明に係る動力伝達用チェーンのばねリンクでは、厚み方向に突出する凸部が形成されているので、ばねリンクを積層させたときに、該凸部が隣り合うばねリンクと干渉し、その結果、各ばねリンクが密着せず、隣り合う各ばねリンク間に前記凸部による隙間が形成されることになる。
【0011】
これにより、ばねリンクの板厚が薄くなった場合においても、ばねリンク送り装置の爪部材をばねリンクの端面に確実に接触させることが可能になり、ばねリンクを一枚ずつ確実に送ることができるようになる。その結果、ばねリンクの送りミスを防止でき、生産性向上に寄与できる。また、爪部材の上下位置の調整も比較的ラフな調整で済む。
【0012】
また、この場合には、両端側縁部に形成された山形形状の折曲部により前記凸部が構成されているので、他の凸部に比較してばねリンクの設計・製作が容易になる。
【0013】
前記隙間は、請求項2の発明に記載されているように、隣り合うばねリンクの中央部に形成されているのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施態様によるばねリンクが適用されたサイレントチェーンの一部切欠き正面部分図、図2はその平面図、図3の(a)はばねリンクの正面拡大図、(b)は(a)のb−b線断面図、図4はばねリンク送り装置によりばねリンクを送る場合の動作を説明するための図、図5はばねリンクの端部側拡大図(図4の一部拡大図)である。
【0015】
図1および図2に示すように、サイレントチェーン1は、各々一対の歯部21およびピン孔22が形成されたリンクプレート2を積層するとともに、これらのリンクプレート2の各ピン孔22内に長,短一対のロッカーピン31からなるロッカージョイント3を挿入して、各リンクプレート2を枢動可能に連結し、さらに該リンクプレート2の最外側にガイドプレート4を配置した構造を有している。
【0016】
サイレントチェーン1の幅方向略中央部には、ばねリンク5が縮設状態で挿入されている。ばねリンク5は、図3に示すような波形状の部材であり、ロッカージョイント3を挿入するための一対のピン孔5aを両端部に有している。
【0017】
ばねリンク5がサイレントチェーン1内に組み込まれた状態では、その中央部の凸面部分Aと両端部の凸面部分Bとが、ばねリンク5と対向する各リンクプレート2に圧接している(図2参照)。
【0018】
このとき、ばねリンク5の弾性反発力がチェーン幅方向に作用することにより、隣り合う各リンクプレート2,2間に摩擦力が付与されて、チェーンの屈曲抵抗が増大し、この結果、チェーンの弦振動が抑制されて、動力伝達時の騒音が低減されるようになっている。
【0019】
また、ばねリンク5の両端側縁部には、山形形状の折曲部(凸部)5bが形成されている(図3(b)参照)。各折曲部5bは凸面部分Bの外側に配置されており、これにより、ばねリンク5がサイレントチェーン1内に組み込まれたときに、各折曲部5bが対向する各リンクプレート2と接触しないようになっている。
【0020】
このような構成になるばねリンク5をチェーンに組み込む際には、図4に示すように、ばねリンク送り装置側において、まず、多数のばねリンク5を積層させる。
【0021】
このとき、図5の拡大図に示すように、各ばねリンク5の折曲部5bが曲率半径Rの凸曲面と曲率半径rの凹曲面とから構成されており、
R>r
の関係が成立しているので、ばねリンク5を積層したとき、隣り合う各ばねリンク5,5は、折曲部5b,5b同士が互いに干渉し合うことになる。
【0022】
この結果、同図に示すように、各ばねリンク5が密着せず、隣り合う各ばねリンク5,5間に隙間Δtが形成される。これにより、ばねリンク5の板厚tが薄い場合でも、ばねリンク5を送り装置により一枚ずつ送る際の実質的な板厚として、板厚が厚い場合と同等の厚みt+Δtが確保されることになる。
【0023】
したがって、最下位の位置のばねリンク5に爪部材15を端面方向から当接させる際に、爪部材15をばねリンク5の端面に確実に接触させることができるようになる。これにより、ばねリンク5を一枚ずつ確実に送ることが可能になり、送りミスを防止できる。この結果、生産性向上に寄与できる。また、爪部材15の上下位置の調整も比較的ラフな調整で済むことになる。
【0024】
また、この場合には、山形形状の折曲部5bを両端側縁部に形成するようにしたので、ばねリンク5の設計・製作が容易になる。
【0025】
なお、このような折曲部を形成する位置は、両端側縁部に限られず、図6の折曲部5cに示すように、ピン孔5aの開口部分に形成するようにしてもよい。なお、図6において、図3と同一符号は同一または相当部分を示している。
【0026】
また、ばねリンク5に形成する凸部としては、折曲部に限られるものではなく、図7に示すような凸状突起部5dであってもよい。なお、この図7において、図3と同一符号は同一または相当部分を示している。また、この凸状突起部5dは、両端側縁部に形成するようにしてもよい。
【0027】
なお、前記各実施態様に示すばねリンクが適用されるチェーンとしては、サイレントチェーンに限定されるものではなく、CVT(Continuously Variable Transmission)チェーンにも同様に適用できるものである。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る動力伝達用チェーンのばねリンクでは、厚み方向に突出する凸部を形成するようにしたので、ばねリンクの板厚が薄くなった場合においてもチェーン組立時にばねリンクの送りミスを確実に防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様によるばねリンクが適用されたサイレントチェーンの一部切欠き正面部分図。
【図2】前記サイレントチェーンの平面図。
【図3】(a)は前記ばねリンクの正面拡大図、(b)はそのb−b線断面図。
【図4】ばねリンク送り装置により本実施態様のばねリンクを送る場合の動作を説明するための図。
【図5】積層されたばねリンクの端部側拡大図(図4の一部拡大図)。
【図6】(a)は本発明の他の実施態様によるばねリンクの正面拡大図、(b)はそのb−b線断面図。
【図7】(a)は本発明のさらに他の実施態様によるばねリンクの正面拡大図、(b)はそのb−b線断面図。
【図8】(a)は従来のばねリンクの正面拡大図、(b)はそのb−b線断面図。
【図9】ばねリンク送り装置により従来のばねリンクを送る場合の動作を説明するための図。
【図10】図9のX 矢視図。
【符号の説明】
1 サイレントチェーン
2 リンクプレート
22 ピン孔
3 ロッカージョイント(連結ピン)
31 ロッカーピン
4 ガイドリンクプレート
5 ばねリンク
5a ピン孔
5b,5c 折曲部(凸部)
5d 凸状突起部(凸部)
Claims (2)
- 各々一対のピン孔が形成された多数のリンクプレートを該ピン孔内に挿入した連結ピンにより連結するとともに、前記リンクプレートの最外側にガイドリンクプレートを配置してなる動力伝達用チェーンのばねリンクにおいて、
前記連結ピンを挿入するための一対のピン孔を両端部に有するとともに、ばねリンクを重ね合わせたときに隣り合うばねリンク間に隙間を形成させるような、厚み方向に突出する凸部を有し、前記凸部が、ばねリンクの両端側縁部に形成された山形形状の折曲部により構成されている、
ことを特徴とする動力伝達用チェーンのばねリンク。 - 前記隙間が、隣り合うばねリンクの中央部に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の動力伝達用チェーンのばねリンク。
Priority Applications (1)
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JP22765096A JP3773308B2 (ja) | 1996-08-09 | 1996-08-09 | 動力伝達用チェーンのばねリンク |
Applications Claiming Priority (1)
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JP22765096A JP3773308B2 (ja) | 1996-08-09 | 1996-08-09 | 動力伝達用チェーンのばねリンク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1054445A JPH1054445A (ja) | 1998-02-24 |
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Family
ID=16864201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP22765096A Expired - Lifetime JP3773308B2 (ja) | 1996-08-09 | 1996-08-09 | 動力伝達用チェーンのばねリンク |
Country Status (1)
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Families Citing this family (3)
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1996
- 1996-08-09 JP JP22765096A patent/JP3773308B2/ja not_active Expired - Lifetime
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