JP2000130518A - サイレントチェーン - Google Patents

サイレントチェーン

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JP2000130518A
JP2000130518A JP10319777A JP31977798A JP2000130518A JP 2000130518 A JP2000130518 A JP 2000130518A JP 10319777 A JP10319777 A JP 10319777A JP 31977798 A JP31977798 A JP 31977798A JP 2000130518 A JP2000130518 A JP 2000130518A
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Japan
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guide
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chain
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JP10319777A
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English (en)
Inventor
Kenichi Matsuura
健一 松浦
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BorgWarner Morse TEC Japan KK
Original Assignee
BorgWarner Automotive KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性を向上させ、しかも騒音を低減させ
る。 【解決手段】 各々一対の歯部21およびピン孔22が
形成された多数のリンクプレート2をピン孔22内に挿
入したロッカージョイント3で連結するとともに、最外
側リンクプレート2の外側にガイドリンク4を配置して
サイレントチェーン1を構成する。この場合に、ガイド
リンク4を、中央に切欠き41が形成された低剛性ガイ
ドにするとともに、チェーン幅方向に隣り合うリンクプ
レート2,2間にばねリンク5を配置する。ばねリンク
5の中央の支持座面Aをこれと対向するリンクプレート
2の中央部と当接させ、ばねリンク5の両端の支持座面
Bをこれと対向しかつチェーン幅方向に隣り合う各リン
クプレート2,2と当接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイレントチェー
ンに関し、詳細には、耐久性の向上および騒音低減のた
めの構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】自動車や自動二輪車等の
動力伝達用チェーンとして用いられるサイレントチェー
ンは、一般に、各々一対の歯部およびピン孔を有する多
数のリンクプレートを該ピン孔内に挿入した連結ピンに
より連結するとともに、最外側リンクプレートの外側に
ガイドリンクを配置することにより構成されている。
【0003】このようなサイレントチェーンにおいて
は、リンクプレートが歯部を有するのに対し、ガイドリ
ンクは歯部を有しておらず、ガイドリンクの方がリンク
プレートよりも剛性が高い。このため、プリストレス運
転時のように、過大な引張荷重がチェーン全体に作用し
た場合に、リンクプレートの方がガイドリンクよりも大
きく変形して、連結ピンが湾曲し、その結果、連結ピン
には、ガイドリンクの近傍で破断し得るような大きな応
力が作用することになる。このような場合、サイレント
チェーンの耐久性が低下する場合が生じ得る。
【0004】その一方、サイレントチェーンがスプロケ
ットと噛み合って動力伝達を行う際には、リンクプレー
トのフランク面がスプロケット歯と衝突することにより
生じる噛合周期音の他に、サイレントチェーンがスプロ
ケットに対して多角形状の巻付運動をすることにより生
じるコーダルアクション(弦上下運動)にともなう騒音
が発生する。
【0005】近年のサイレントチェーンのアプリケーシ
ョンにおいては、耐久性の向上のみならず、騒音の低減
も要求されており、このような双方の要求を満足させる
サイレントチェーンの出現が要望されている。
【0006】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
なされたもので、その第1の目的は、耐久性を向上で
き、しかも騒音を低減できるサイレントチェーンを提供
することにある。本発明の第2の目的は、耐久性を向上
でき、騒音を低減できるとともに、組立てを容易に行え
るサイレントチェーンを提供することにある。本発明の
第3の目的は、このようなサイレントチェーンにおい
て、騒音を一層低減できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るサ
イレントチェーンは、各々一対の歯部およびピン孔を有
する多数のリンクプレートを該ピン孔内に挿入した連結
ピンにより連結するとともに、最外側リンクプレートの
外側にガイドリンクを配置してなるサイレントチェーン
において、前記ガイドリンクが中央に切欠きを有する低
剛性ガイドからなり、チェーン幅方向に隣り合うリンク
プレート間にばねリンクが配置されるとともに、前記ば
ねリンクの中央の支持座面が前記前記リンクプレートの
中央部と当接し、前記ばねリンクの両端の支持座面がチ
ェーン長手方向に隣り合うリンクプレートと当接してい
ることを特徴としている。
【0008】請求項2の発明に係るサイレントチェーン
は、各々一対の歯部およびピン孔を有する多数のリンク
プレートを該ピン孔内に挿入した連結ピンにより連結す
るとともに、最外側リンクプレートの外側にガイドリン
クを配置してなるサイレントチェーンにおいて、前記ガ
イドリンクが中央に切欠きを有する低剛性ガイドからな
り、前記ガイドリンクと前記最外側リンクプレートとの
間にばねリンクが配置されるとともに、前記ばねリンク
の中央の支持座面が前記最外側リンクプレートの中央部
と当接し、前記ばねリンクの両端の支持座面がチェーン
長手方向に隣り合うガイドリンクと当接していることを
特徴としている。
【0009】請求項3の発明に係るサイレントチェーン
は、請求項2において、前記ガイドリンクの中央の切欠
きの形状が前記ばねリンクの外形に沿った形状になって
いることを特徴としている。
【0010】請求項4の発明に係るサイレントチェーン
は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記連結ピ
ンがロッカーピンおよびジョイントピンから構成されて
いることを特徴としている。
【0011】請求項5の発明に係るサイレントチェーン
は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記リンク
プレートが、内側フランク面の突出量が異なるランダム
リンクが混在することにより構成されていることを特徴
としている。
【0012】請求項1の発明に係るサイレントチェーン
では、ガイドリンクが中央に切欠きを有する低剛性ガイ
ドからなるので、ガイドリンクの剛性をリンクプレート
の剛性よりも低く抑えることができ、これにより、プリ
ストレス運転時のように、過大な引張荷重がチェーン全
体に作用した場合でも、ガイドリンクの伸びとリンクプ
レートの伸びとをほぼ等しくさせることができ、これに
より、連結ピンの変形を防止して、サイレントチェーン
の耐久性を向上させることができる。
【0013】しかも、請求項1の発明では、チェーン幅
方向に隣り合うリンクプレート間にばねリンクが配置さ
れており、ばねリンクの中央の支持座面がリンクプレー
トの中央部と当接し、ばねリンクの両端の支持座面がチ
ェーン長手方向に隣り合うリンクプレートと当接してい
る。
【0014】これにより、ばねリンクの中央の支持座面
および両端の支持座面がそれぞれ対応するリンクプレー
ト間で挟持されており、ばねリンクがその板厚方向に圧
縮されている。その結果、ばねリンクの弾性反発力がチ
ェーン幅方向に隣り合う各リンクプレート間に作用して
おり、該各リンクプレート間に摩擦力が付与されてい
る。この摩擦力により、チェーンの屈曲抵抗が増大し
て、チェーンの弦上下動を抑制でき、騒音を低減でき
る。
【0015】また、低剛性ガイドにより連結ピンの変形
(曲げ)が抑制されることによって、各リンクプレート
の連結ピン長手方向の移動が規制されることがなくな
り、これにより、ばねリンクの弾性反発力を各リンクプ
レートに十分に作用させることができ、ばねリンク挿入
の効果を十分に発揮できるようになる。
【0016】請求項2の発明に係るサイレントチェーン
では、請求項1の発明と同様に、ガイドリンクが中央に
切欠きを有する低剛性ガイドからなるので、ガイドリン
クの剛性をリンクプレートの剛性よりも低く抑えること
ができ、これにより、プリストレス運転時のように、過
大な引張荷重がチェーン全体に作用した場合でも、ガイ
ドリンクの伸びとリンクプレートの伸びとをほぼ等しく
させることができ、これにより、連結ピンの変形を防止
して、サイレントチェーンの耐久性を向上させることが
できる。
【0017】しかも、請求項2の発明では、ガイドリン
クと最外側リンクプレートとの間にばねリンクが配置さ
れており、ばねリンクの中央の支持座面が最外側リンク
プレートの中央部と当接し、ばねリンクの両端の支持座
面がチェーン長手方向に隣り合うガイドリンクと当接し
ている。
【0018】これにより、ばねリンクの中央の支持座面
および両端の支持座面がそれぞれ最外側リンクプレート
およびガイドリンク間で挟持されており、ばねリンクが
その板厚方向に圧縮されている。その結果、ばねリンク
の弾性反発力がチェーン幅方向に隣り合う各リンクプレ
ート間に作用しており、該各リンクプレート間に摩擦力
が付与されている。この摩擦力により、チェーンの屈曲
抵抗が増大して、チェーンの弦上下動を抑制でき、騒音
を低減できる。
【0019】また請求項1の発明と同様に、低剛性ガイ
ドにより連結ピンの変形(曲げ)が抑制されることによ
って、各リンクプレートの連結ピン長手方向の移動が規
制されることがなくなり、これにより、ばねリンクの弾
性反発力を各リンクプレートに十分に作用させることが
でき、ばねリンク挿入の効果を十分に発揮できるように
なる。
【0020】さらに、請求項2の発明では、ばねリンク
がガイドリンクと最外側リンクプレートとの間に配置さ
れるので、サイレントチェーン組立時にリンクプレート
を順に積層していく際には、リンクプレートの積層後に
最外側リンクプレートの上にばねリンクを載置すればよ
く、これにより、サイレントチェーンの組立てを容易に
行えるようになる。
【0021】これに対して、隣り合うリンクプレート間
にばねリンクを配置する場合には、サイレントチェーン
組立時にばねリンクの上にさらにリンクプレートを載置
していく必要があるが、この場合、ばねリンクの上に配
置されるリンクプレートが、波形状をしたばねリンクの
上面で支持されるために、当該リンクプレートの姿勢が
不安定となり、その結果、最外側リンクプレートの上に
ばねリンクを載置する場合に比べて、サイレントチェー
ンの組立てが容易ではなくなる。
【0022】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
いて、ガイドリンクの中央の切欠きの形状がばねリンク
の外形に沿った形状になっており、これにより、ばねリ
ンクの両端の支持座面全体をガイドリンクに確実に当接
させることができ、ばねリンクを最外側リンクプレート
およびガイドリンク間で確実に挟持させることができ
る。その結果、ばねリンクの弾性反発力がチェーン幅方
向に隣り合う各リンクプレート間に確実に作用して、該
各リンクプレート間に確実に摩擦力が付与され、これに
より、弦上下動にともなうサイレントチェーンの騒音を
一層低減できる。
【0023】なお、連結ピンは、請求項4の発明に記載
されているように、ロッカーピンおよびジョイントピン
から構成されているのが好ましい。これは、これらのピ
ンから構成されるサイレントチェーンの場合、チェーン
全体の屈曲抵抗が小さく、運転時に弦上下動が生じやす
いために、ばねリンクを採用することによる効果が顕著
だからである。
【0024】また、リンクプレートとしては、請求項5
の発明に記載されているように、内側フランク面の突出
量が異なるランダムリンクが混在していてもよい。この
場合には、略平坦状の内側フランク面を有するリンクプ
レートからなるリンク列またはガイド列と、凸状湾曲面
の内側フランク面を有するリンクプレートからなるリン
ク列またはガイド列とをチェーン長手方向に不規則に配
列させるようにすればよい。
【0025】これにより、サイレントチェーンの運転時
にリンクプレートのフランク面がスプロケット歯と衝突
することにより生じる噛合周期音を低減でき、これによ
り、サイレントチェーンの騒音を一層低減できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を添付図
面に基づいて説明する。 〔第1の実施態様〕図1ないし図3は本発明の第1の実
施態様によるサイレントチェーンを説明するための図で
あって、図1はサイレントチェーンの一部切欠き平面部
分図、図2はその正面図、図3(a)はばねリンクの端
面拡大図、同図(b)はばねリンクの正面拡大図であ
る。
【0027】図1および図2に示すように、サイレント
チェーン1は、各々一対の歯部21およびピン孔22が
形成された多数のリンクプレート2を積層するととも
に、これらのリンクプレート2の各ピン孔22内に長,
短一対のジョイントピン31,ロッカーピン32からな
るロッカージョイント3を挿入して、各リンクプレート
2を枢動可能に連結し、さらに最外側リンクプレート2
の外側にガイドリンク4を配置した構造を有している。
【0028】ガイドリンク4は、中央に切欠き41を有
しており、この切欠き41により、引張力に対するガイ
ドリンク4の剛性はリンクプレート2の剛性よりも低く
なっている。
【0029】チェーン幅方向の中間部分において隣り合
うリンクプレート2,2間には、ばねリンク5が縮設状
態で挿入されている。ばねリンク5は、図3に示すよう
な波形状の部材であり、ロッカージョイント3を挿入す
るための一対のピン孔51を両端部に有している。
【0030】ばねリンク5の中央の支持座面Aおよび両
端の支持座面Bは、それぞれ対応するリンクプレート2
に当接しており(図1参照)、ばねリンク5はこれらの
リンクプレート間で挟持されている。
【0031】このように本実施態様によれば、ガイドリ
ンク4が中央に切欠きを有する低剛性ガイドからなるの
で、ガイドリンク4の剛性をリンクプレート2の剛性よ
りも低く抑えることができ、これにより、プリストレス
運転時のように、過大な引張荷重がチェーン全体に作用
した場合でも、ガイドリンク4の伸びとリンクプレート
2の伸びとをほぼ等しくさせることができ、これによ
り、ロッカージョイント3の変形を防止して、サイレン
トチェーンの耐久性を向上させることができる。
【0032】しかも、この場合には、チェーン幅方向に
隣り合うリンクプレート2,2間にばねリンク5が配置
されており、ばねリンク5の中央の支持座面Aがリンク
プレート2の中央部と当接し、ばねリンク5の両端の支
持座面Bがチェーン長手方向に隣り合うリンクプレート
2,2と当接している。
【0033】これにより、ばねリンク5がチェーン幅方
向に隣り合うリンクプレート2,2間で挟持されてお
り、ばねリンク5はその板厚方向に圧縮されている。そ
の結果、ばねリンク5の弾性反発力がチェーン幅方向に
隣り合う各リンクプレート2,2間に作用しており、該
各リンクプレート間に摩擦力が付与されている。この摩
擦力により、チェーンの屈曲抵抗が増大して、チェーン
の弦上下動を抑制でき、動力伝達時の騒音を低減でき
る。
【0034】また、ガイドリンク4によりロッカージョ
イント3の変形(曲げ)が抑制されることによって、各
リンクプレート2のピン長手方向の移動が規制されるこ
とがなくなり、これにより、ばねリンク5の弾性反発力
を各リンクプレート2に十分に作用させることができ、
ばねリンク挿入の効果を十分に発揮できるようになる。
【0035】〔第2の実施態様〕図4ないし図6は本発
明の第2の実施態様によるサイレントチェーンを説明す
るための図であって、図4はサイレントチェーンの一部
切欠き平面部分図、図5はその正面図、図6はばねリン
クとガイドリンクとの位置関係を示す拡大図である。な
お、これらの図において、前記第1の実施態様と同一符
号は同一または相当部分を示している。
【0036】この第2の実施態様では、ばねリンク5が
ガイドリンク4と最外側リンクプレート2との間に配置
されている点が前記第1の実施態様と異なっている。ば
ねリンク5の中央の支持座面A(図3参照)は最外側リ
ンクプレート2の中央部と当接し、ばねリンク5の両端
の支持座面Bはチェーン長手方向に隣り合うガイドリン
ク4,4と当接している。
【0037】これにより、ばねリンク5は最外側リンク
プレート2およびガイドリンク4間で挟持されており、
ばねリンク5はその板厚方向に圧縮されている。その結
果、ばねリンク5の弾性反発力がチェーン幅方向に隣り
合う各リンクプレート2,2間に作用しており、該各リ
ンクプレート間に摩擦力が付与されている。この摩擦力
により、チェーンの屈曲抵抗が増大して、チェーンの弦
上下動を抑制でき、騒音を低減できる。
【0038】また、ガイドリンク4によりロッカージョ
イント3の変形(曲げ)が抑制されることによって、各
リンクプレート2のピン長手方向の移動が規制されるこ
とがなくなり、これにより、ばねリンク5の弾性反発力
を各リンクプレート2に十分に作用させることができ、
ばねリンク挿入の効果を十分に発揮できるようになる。
【0039】しかも、この場合には、ばねリンク5がガ
イドリンク4と最外側リンクプレート2との間に配置さ
れるので、サイレントチェーン組立時にリンクプレート
2を順に積層していく際には、最外側リンクプレート2
の積層後、その上にばねリンク5を載置すればよく、こ
れにより、サイレントチェーンの組立てを容易に行える
ようになる。
【0040】これに対して、第1の実施態様のように、
ばねリンク5を隣り合うリンクプレート2,2間に配置
する場合には、サイレントチェーン組立時にばねリンク
5の上にさらにリンクプレート2を載置していく必要が
あるが、この場合、ばねリンク5の上に配置されるリン
クプレート2が、波形状をしたばねリンク5の上面で支
持されるために、当該リンクプレート2の姿勢が不安定
となり、その結果、最外側リンクプレート2の上にばね
リンク5を載置する場合に比べて、サイレントチェーン
の組立てが容易ではなくなる。
【0041】さらに、この場合には、図6に示すよう
に、ガイドリンク4の中央の切欠き42の形状がばねリ
ンク5の外形に沿った形状になっている。これにより、
ばねリンク5の両端の支持座面B全体をガイドリンク4
に確実に当接させることができ、ばねリンク5を最外側
リンクプレート2およびガイドリンク5間で確実に挟持
させることができる。その結果、ばねリンク5の弾性反
発力がチェーン幅方向に隣り合う各リンクプレート2,
2間に確実に作用して、該各リンクプレート間に確実に
摩擦力が付与され、これにより、弦上下動にともなうサ
イレントチェーンの騒音を一層低減できる。
【0042】これに対して、図7に示すように、ガイド
リンク4の中央の切欠き41が大きく形成されて、ばね
リンク5の外形線がガイドリンク4の切欠き41内には
み出している場合には、ばねリンク5の両端の支持座面
Bの一部がガイドリンク4に当接せず、その結果、ばね
リンク5が最外側リンクプレート2とガイドリンク5と
の間で確実に挟持させることができない場合が生じ得
る。
【0043】また、この第2の実施態様では、前記第1
の実施態様の場合と同様に、ガイドリンク4が中央に切
欠きを有する低剛性ガイドからなるので、ガイドリンク
4の剛性をリンクプレート2の剛性よりも低く抑えるこ
とができ、これにより、プリストレス運転時のように、
過大な引張荷重がチェーン全体に作用した場合でも、ガ
イドリンク4の伸びとリンクプレート2の伸びとをほぼ
等しくさせることができ、これにより、ロッカージョイ
ント3の変形を防止して、サイレントチェーンの耐久性
を向上させることができる。
【0044】〔比較例〕図8ないし図10は、前記第2
の実施態様の比較例を示しており、これらの図におい
て、前記第2の実施態様と同一符号は同一または相当部
分を示している。この比較例では、前記第2の実施態様
と同様に、ばねリンク5がガイドリンク4と最外側リン
クプレート2との間に配置されているが、前記第2の実
施態様とは、ばねリンク5の向きが異なっている。
【0045】すなわち、前記第2の実施態様では、ばね
リンク5の中央の支持座面Aが最外側リンクプレート2
の中央部と当接し、ばねリンク5の両端の支持座面Bが
チェーン長手方向に隣り合うガイドリンク4,4と当接
しているが、この比較例では、ばねリンク5の中央の支
持座面Aがガイドリンク4の中央部と当接し、ばねリン
ク5の両端の支持座面Bがチェーン長手方向に隣り合う
リンクプレート2,2と当接している。
【0046】したがって、図10に示すように、ばねリ
ンク5の中央の支持座面Aの一部のみしかガイドリンク
4と当接しておらず、その結果、ばねリンク5が最外側
リンクプレート2とガイドリンク4との間で確実に挟持
させることができない場合が生じ得る。
【0047】これに対して、前記第2の実施態様の場合
には、ばねリンク5の各支持座面A,Bの全体が最外側
リンクプレート2およびガイドリンク4に当接するの
で、ばねリンク5を最外側リンクプレート2およびガイ
ドリンク4間で確実に挟持させることができる。
【0048】〔他の実施態様〕前記各実施態様において
は、サイレントチェーンを構成するリンクプレートとし
て、リンクプレート2(図11参照)の他に、図12に
示すようないわゆるランダムリンク2′を採用するよう
にしてもよい。なお、図12において、図11と同一符
号は同一または相当部分を示している。
【0049】図11において、リンクプレート2の各歯
部21は、それぞれ略平坦状に形成された内側フランク
面21aおよび外側フランク面21bから構成されてい
る。一方、図12に示すランダムリンク2′の各歯部2
1′は、凸状湾曲面状に形成された内側フランク面2
1′aと、略平坦状に形成された外側フランク面21b
とから構成されている。なお、図12中の一点鎖線は、
リンクプレート2の内側フランク面21aの外形線を示
している。
【0050】この他の実施態様では、リンクプレート2
のみから構成されるガイド列またはリンク列と、ランダ
ムリンク2′のみから構成されるガイド列またはリンク
列とをチェーン長手方向に不規則に配列させるようにす
ればよい。
【0051】これにより、サイレントチェーンの運転時
にリンクプレートのフランク面がスプロケット歯と衝突
することにより生じる噛合周期音を低減でき、これによ
り、サイレントチェーンの騒音を一層低減できる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明に係るサイレントチ
ェーンによれば、ガイドリンクを低剛性ガイドから構成
するとともに、チェーン幅方向に隣り合うリンクプレー
ト間にばねリンクを配置するようにしたので、耐久性を
向上でき、しかも騒音を低減できる効果がある。
【0053】また、請求項2の発明に係るサイレントチ
ェーンでは、ガイドリンクを低剛性ガイドから構成する
とともに、ガイドリンクと最外側リンクプレートとの間
にばねリンクを配置するようにしたので、耐久性を向上
でき、騒音を低減できるとともに、組立てを容易に行え
るようになる効果がある。
【0054】さらに、請求項3の発明に係るサイレント
チェーンでは、ガイドリンクの中央の切欠きの形状をば
ねリンクの外形に沿った形状にしたので、弦上下動にと
もなうサイレントチェーンの騒音を一層低減できる効果
がある。
【0055】また、請求項5の発明に係るサイレントチ
ェーンでは、内側フランク面の突出量が異なるランダム
リンクを混在させることによりリンクプレートを構成す
るようにしたので、噛合周期音の低減により、サイレン
トチェーンの騒音を一層低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様によるサイレントチェ
ーンの一部切欠き平面部分図。
【図2】サイレントチェーン(図1)の正面図。
【図3】(a)はばねリンクの側面拡大図、(b)はば
ねリンクの正面拡大図。
【図4】本発明の第2の実施態様によるサイレントチェ
ーンの一部切欠き平面部分図。
【図5】サイレントチェーン(図4)の正面図。
【図6】サイレントチェーン(図4)においてばねリン
クとガイドリンクとの位置関係を示す拡大図。
【図7】図6の比較例を示す図。
【図8】本発明の第2の実施態様によるサイレントチェ
ーンの比較例であるサイレントチェーンの一部切欠き平
面部分図。
【図9】サイレントチェーン(図8)の正面図。
【図10】サイレントチェーン(図8)においてばねリ
ンクとガイドリンクとの位置関係を示す拡大図。
【図11】本発明の第1,第2および他の実施態様によ
るサイレントチェーンを構成するリンクプレートの正面
拡大図。
【図12】本発明の他の実施態様によるサイレントチェ
ーンを構成するリンクプレート(ランダムリンク)の正
面拡大図。
【符号の説明】
1 サイレントチェーン 2 リンクプレート 21 歯部 21a 内側フランク面 21b 外側フランク面 22 ピン孔 2′ リンクプレート(ランダムリンク) 21′ 歯部 21′a 内側フランク面 21b 外側フランク面 3 ロッカージョイント(連結ピン) 31 ジョイントピン 32 ロッカーピン 4 ガイドリンク 5 ばねリンク 51 ピン孔 A,B 支持座面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月30日(1998.11.
30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々一対の歯部およびピン孔を有する多
    数のリンクプレートを該ピン孔内に挿入した連結ピンに
    より連結するとともに、最外側リンクプレートの外側に
    ガイドリンクを配置してなるサイレントチェーンにおい
    て、 前記ガイドリンクが中央に切欠きを有する低剛性ガイド
    からなり、 チェーン幅方向に隣り合うリンクプレート間にばねリン
    クが配置されるとともに、 前記ばねリンクの中央の支持座面が前記リンクプレート
    の中央部と当接し、前記ばねリンクの両端の支持座面が
    チェーン長手方向に隣り合うリンクプレートと当接して
    いる、ことを特徴とするサイレントチェーン。
  2. 【請求項2】 各々一対の歯部およびピン孔を有する多
    数のリンクプレートを該ピン孔内に挿入した連結ピンに
    より連結するとともに、最外側リンクプレートの外側に
    ガイドリンクを配置してなるサイレントチェーンにおい
    て、 前記ガイドリンクが中央に切欠きを有する低剛性ガイド
    からなり、 前記ガイドリンクと前記最外側リンクプレートとの間に
    ばねリンクが配置されるとともに、 前記ばねリンクの中央の支持座面が前記最外側リンクプ
    レートの中央部と当接し、前記ばねリンクの両端の支持
    座面がチェーン長手方向に隣り合うガイドリンクと当接
    している、ことを特徴とするサイレントチェーン。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のサイレントチェーンに
    おいて、 前記ガイドリンクの中央の切欠きの形状が前記ばねリン
    クの外形に沿った形状になっている、ことを特徴とする
    サイレントチェーン。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のサ
    イレントチェーンにおいて、 前記連結ピンがロッカーピンおよびジョイントピンから
    構成されている、ことを特徴とするサイレントチェー
    ン。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のサ
    イレントチェーンにおいて、 前記リンクプレートは、内側フランク面の突出量が異な
    るランダムリンクが混在することにより構成されてい
    る、ことを特徴とするサイレントチェーン。
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