JP3773199B2 - 鼠駆除用電撃シート、電撃殺鼠システム及び電撃殺鼠方法 - Google Patents

鼠駆除用電撃シート、電撃殺鼠システム及び電撃殺鼠方法 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、人間に害を与える動物を駆除する装置及び方法に関し、特に、鼠に電撃を与えて殺すための鼠駆除用電撃シート等に関する。
【0002】
【背景技術】
人間に害を与えたり、環境を破壊する動物として、鼠、鳩等の害鳥、猪等の害獣を挙げることができる。
【0003】
従来、鼠を駆除する方法として、高圧電撃用紙を用いる駆除装置が提案されている(特許文献1に記載された「高圧電撃用紙による鼠族駆除装置」等)。これは、シート状の絶縁性防水紙の上に金属箔等からなる電線をプリントし、その一端から高電圧を印加することにより、この用紙上を通過する鼠を電撃することにより駆除しようとするものである。
【特許文献1】
特公昭47−51069号
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術には次のような問題がある。
【0005】
つまり、電撃用紙の上面には、高電圧が印加される電線が帯状に平行するようにプリントされているので、その電線の幅や間隔によっては、その電線と平行する絶縁部の上を鼠が走り抜けてしまうということが起こる。
【0006】
また、このような電撃用紙は、平行に走る電線の一端から電圧が印加される方式なので、それら電線を切断するような形状に切り出して使用することができない。そのために、張り出した柱がある部屋やタンス等の重量物が置かれた部屋の床面等、入り組んだ形状の床面等に沿わせて敷設するということは断念しなければならない。
【0007】
さらに、鼠は学習能力を有し、電撃用紙が危険なものであることを知るので、このような電撃用紙を単に繰り返し使用していたのでは、駆除の効果が激減してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、このような動物による人間や環境への害に対処すべく考案されたものであり、鼠に対しては、より確実に鼠を電撃することができ、かつ、任意の形状に切って敷設することが可能な鼠駆除用電撃シートを提供することを目的とする。また、鼠に学習させる余裕を与えることなく、繰り返し使用することができる鼠駆除用電撃シートを提供することをも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る鼠駆除用電撃シートは、その上面に、高電圧を印加するための第1電極及び第2電極が縦方向及び横方向に交互に並ぶように露出した状態で設けられていることを特徴とする。例えば、2枚のプラスチックシート(上層シート及び下層シート)が積層するように貼り合わされた鼠駆除用電撃シートであって、上層シートの上面には、一定幅の直線が格子状に交差する銅箔パターンが第1電極として形成されると共に、その銅箔パターンで囲まれた四角領域には貫通窓が空けられており、下層シートの上面には、上層シートの上面に形成された銅箔パターンと同じパターンの銅箔パターンが第2電極として形成され、それら上層シートと下層シートとは、貫通窓の中心に、下層シートの銅箔パターンの交点が位置することとなるように、重ねられている。これによって、単に、電撃用紙上に平行電線をプリントする従来技術に比べ、シート上を走る鼠に対して極めて高い確率で電撃を与えることができる。
【0010】
また、本発明に係る電撃殺鼠方法は、このような鼠駆除用電撃シートを用いた電撃殺鼠方法であって、照明器具を備えた部屋に、鼠駆除用電撃シートを敷設しておくと共に、スピーカを設置しておき、前記照明器具を消灯した状態で、前記部屋に鼠が出没するのを待ち、鼠が出没してきたときに、(i)前記鼠駆除用電撃シートの第1及び第2電極間に高電圧を印加し、(ii)前記照明器具を点灯し、(iii)予め録音された記録媒体を再生装置で再生することによって前記スピーカから鼠の悲鳴を発生させることを特徴とする。これによって、鼠は、照明の点灯と鼠の悲鳴という音と光の両方による恐怖感に襲われ、鼠駆除用電撃シートが自分達にとって危険なものであるという学習をする余裕を持つことができない。したがって、繰り返し使用することによって鼠駆除用電撃シートによる駆除効果が減少してしまうという不具合が防止される。
【0011】
【発明の効果】
本発明に係る鼠駆除用電撃シートにより、鼠に対しては、より確実に鼠を電撃することができ、かつ、任意の形状に切って敷設することができる。また、鼠に学習させる余裕を与えることなく、繰り返し使用することができる。
【0012】
また、本発明に係る電撃殺鼠方法により、鼠は、照明の点灯と鼠の悲鳴という音と光の両方による恐怖感に襲われ、鼠駆除用電撃シートが自分達にとって危険なものであるという学習をする余裕を持つことができないので、繰り返し使用することによって鼠駆除用電撃シートによる駆除効果が減少してしまうという不具合が防止される。
【0013】
【発明を実施するための最良の形態】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係る鼠駆除用電撃シートについて説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態における鼠駆除用電撃シート10の外観図である。
この鼠駆除用電撃シート10は、縦横に密集して並ぶ突起群12a、13a等を上面に有する3層構造の(上層シート11、中間層シート12及び下層シート13が積層された)シートであり、例えば、幅が2mで長さが10mの長尺物である。
【0015】
この鼠駆除用電撃シート10の上面に突出した突起群12a、13a等のうち、縦横に1つおきに並ぶ突起群12a、b等は、中間層シート12と一体に形成されたものであり、もう一方の1つおきに並ぶ突起群13a、b等は、下層シート13と一体に形成されたものである。つまり、中間層シート12に形成された突起群12a、bは、上層シート11に設けられた円形窓を貫通して上層シート11の上面に突出し、下層シート13に設けられた突起群13a、bは、中間層シート12及び上層シート11に設けられた円形窓を貫通して上層シート11の上面に突出している。
【0016】
3つのシート11〜13は、いずれも、フィルム状の薄いプラスチックシート等を素材とし、そのうち、突起群を有する中間層シート12及び下層シート13は、いずれも、その上面(突起群の表面を含む面)が導電性の金属膜で一面に被覆されている。ただし、これら3つのシート11〜13は、相互に電気的に絶縁されている。この鼠駆除用電撃シート10の上面に突出した突起群12a、b、13a、bのうち、中間層シート12に属する突起群12a、bは、鼠に対して高電圧を印加するための一つの電極(例えば、プラス電極)として作用し、一方、下層シート13に属する突起群13a、bは、もう一方の電極(例えば、マイナス電極)として作用する。
【0017】
鼠駆除用電撃シート10の上面における1つのコーナーには、電源コード40を介して供給される高電圧を複数の突起群(中間層シート12に属する突起群と下層シート13に属する突起群との間)に印加するためのコネクタ30が固定されている。このコネクタ30は、それら複数の突起群それぞれをオス(凸)型の電極ピンとするメス(凹)型の電極ソケットを内部に有し、それら複数の突起群と抜き差しすることで、着脱可能となっている。
【0018】
このコネクタ30を介して鼠駆除用電撃シート10に高電圧が印加された場合には、鼠駆除用電撃シート10上の全ての隣接する2つの突起間(例えば、突起12aと突起13aとの間)に高電圧が印加された状態となる。したがって、この鼠駆除用電撃シート10の上に鼠が乗った場合には、レール状に平行電線がプリントされた従来のものと異なり、極めて高い確率で鼠の手足に対して高電圧のプラス電極とマイナス電極とが接触することとなり、確実に鼠に高電圧が印加される。
【0019】
図2は、図1に示された鼠駆除用電撃シート10の断面図であり、図1の鼠駆除用電撃シート10の手前横一列に並ぶ突起群13a、12a、13b、12bを通る平面で切断した場合の断面図である。なお、本図において、中間層シート12及び下層シート13それぞれの上面に形成された金属膜は、太い線で示されている。
【0020】
この断面図に示された鼠駆除用電撃シート10の主要な箇所の寸法は、およそ以下の通りである。つまり、3つのシート11〜13それぞれの厚みは、いずれも、約0.5mmである。中間層シート12及び下層シート13に形成された突起群12a、13a等は、その先端がドーム状となった直径約1mmの円筒体であり、上層シート11から約2mmだけ突出する長さを有する。また、上層シート11から突出した各突起群12a、13a等が約2mmおきに並ぶこととなるように、各突起群12a、13a等が中間層シート12及び下層シート13に一体形成されていている。
【0021】
コネクタ30内においては、高電圧が供給される電源コード40を構成する2本の導線は、それぞれ、中間層シート12に属する突起群と接触するメス型電極31及び下層シート13に属する突起群と接触するメス型電極32に接続されている。
【0022】
図3は、この鼠駆除用電撃シート10を構成する3つのシート11〜13それぞれの形状を示す斜視図である。
【0023】
上層シート11には、約2mmの間隔で、縦横に、直径約1mmの貫通穴11a〜dが並ぶように設けられている。それら貫通穴11a〜dのうち下層シート13の突起群13a、bが貫通する貫通穴11a、cの裏面周縁部には、中間層シート12の上面(金属膜)と下層シート13の突起群の表面(金属膜)とが接触しないように離隔させるスペーサとして機能するドーナツ状の突起部11j、k等が設けられている。
【0024】
中間層シート12には、突起群12a、b等と、上層シート11の裏面に形成された突起部11j、k等が差し込まれる貫通穴12j、k等とが、約2mmの間隔で、縦横に交互に並ぶように設けられている。
【0025】
下層シート13には、中間層シート12の貫通穴12j、k等及び上層シート11の貫通穴11a、c等を貫通する突起群13a、bが約4mmの間隔で縦横に並ぶように設けられている。
【0026】
なお、中間層シート12及び下層シート13の上面(突起群の表面を含む)には、導電性の金属膜が形成(塗布又はプリント)され、各面上の突起群それぞれは、電気的に短絡された状態にある。
【0027】
このような鼠駆除用電撃シート10の製造方法は、以下の通りである。
まず、液体状に溶かした合成樹脂等を型に入れたり、押出して成形すること等によって、突起部11j等や突起群12a等が一体形成されたシートを作る。
【0028】
そして、上層シート11については、得られたシートに対して、カッター等で一定間隔の穴を空けることにより、完成させる。また、下層シート13については、突起群が形成されたシートに対して、銅粉を含むペーストや塗料を表面に塗布したり、銅やアルミニウム等を蒸着させることにより金属膜をプリントすることで、完成させる。中間層シート12については、下層シート13と同様の製造工程を経た後に、最後にカッター等で一定間隔の穴を空けることにより、完成させる。
【0029】
図4は、鼠駆除用電撃シート10を用いて効果的に鼠を殺す電撃殺鼠システムの外観図である。このシステムは、鼠駆除用電撃シート10と、高電圧電源50と、鼠の悲鳴や断末魔の声を予め録音した音声テープが装着されたテープ再生装置51と、そのテープ再生装置51からの音を拡声するスピーカ52とから構成される。
【0030】
これらのうち、鼠駆除用電撃シート10とスピーカ52は、鼠が出現する現場に置かれ、高電圧電源50及びテープ再生装置51は、その現場を暗視カメラ等で監視することができる遠隔の部屋に設置される。また、その遠隔の部屋には、鼠駆除用電撃シート10が敷設された部屋の照明を点灯・消灯させるスイッチが設けられているものとする。
【0031】
ここで、現場に敷設された鼠駆除用電撃シート10は、柱等が張り出した現場の床の形状に合わせるために、ハサミ等で特殊な形状に切り出されたものである。
【0032】
また、高電圧電源50は、整流回路、昇圧回路、高圧用コンデンサ、トグルスイッチ等から構成され、商用AC100Vを整流・昇圧することによって高電圧(DC1000V等)を生成し、高圧用コンデンサに蓄積して保持すると共に、トグルスイッチがON側に倒されたときに、その高圧用コンデンサからの高電圧を電源コード40を介してコネクタ30に向けて出力する。なお、出力される高電圧と電流の大きさは、鼠を気絶させたり感電死させたりするのに十分な最低値に設定されている。
【0033】
また、テープ再生装置51にセットされるテープは、鼠の種類(ドブネズミ、クマネズミ等の種類)ごとにその悲鳴が予め録音されたテープの中から、対象とする鼠の悲鳴が録音されたものが用いられる。
【0034】
図5は、図4に示された電撃殺鼠システムによって鼠を殺す場合の具体的な操作手順を示すフロー図である。
【0035】
まず、害獣駆除シート10を鼠が出没する部屋の床などの形状に合せて切り出し、その現場に敷設する(S501)。他の装置50〜52についても適切な箇所に設置し、それらを接続しておく。
【0036】
次に、その部屋の照明等を消すことによって現場を暗くし(S502)、暗視カメラ等で現場を監視しながら(S503)、鼠が出現するのを待つ(S504)。
【0037】
鼠駆除用電撃シート10の上や近辺に鼠が出没してきたことを確認した場合には(S504でYes)、手元に置かれた高電圧電源50のトグルスイッチをON側に倒して高電圧を印加すると共に、その現場の照明を点灯させる(S505)。続いて、間髪を要れずに、テープ再生装置51にセットされたテープを再生する(S506)。
【0038】
これらの操作によって、高電圧が印加された瞬間に鼠駆除用電撃シート10上にいた鼠は、感電によって即死する。また、その瞬間において鼠駆除用電撃シート10の近辺にいた鼠は、照明の点灯とスピーカ52からの悲鳴によって慌ててしまい、仲間の鼠が鼠駆除用電撃シート10によって感電死したと気付く余裕を持つことなく、必死になって巣穴等に逃げ込もうとする。そのために、前方に鼠駆除用電撃シート10が置かれている場合には、その鼠は、その鼠駆除用電撃シート10の上を一直線に走り抜けようとし、そこで感電して即死する。
【0039】
また、たまたま鼠駆除用電撃シート10に触れることなく逃げることができた鼠であっても、死んだ仲間がこの鼠駆除用電撃シート10によって死んだと学習することができず、他の何者かに襲われて死んだとしか思わないので、この鼠駆除用電撃シート10を忌避することはない。
【0040】
そこで、鼠の物音がしなくなった時点で、高電圧電源50のトグルスイッチをOFF側に戻すことで鼠駆除用電撃シート10への通電を止めた後に、鼠駆除用電撃シート10上の死鼠を拾い上げてプラスチック袋等に入れ、焼却処分等することにより、死鼠を片付ける(S507)。
【0041】
この後、引き続いて鼠の駆除を継続する場合には(S508でYes)、以上の操作(S502〜S507)を繰り返す。
【0042】
このようにして、本電撃殺鼠システムは、鼠駆除用電撃シート10が危険なものであることを鼠に学習させる余裕を与えないので、繰り返して使用しても、駆除の効果が減少することがない。
【0043】
また、鼠駆除用電撃シート10には、高電圧が印加されたプラス電極とマイナス電極(中間層シート12からの突起と下層シート13からの突起)が密集した状態で交互に入れ替わるように配列されているので、この鼠駆除用電撃シート10の上に乗った鼠を確実に電撃することができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、鼠駆除用電撃シート10は、直径約1mmの突起群12a、13aが約2mmおきに配列されていたが、このような寸法は、駆除したい鼠の種類やその手足の大きさ等に合わせて、適宜、選択すればよい。例えば、突起物のサイズや配列間隔について、各種異なる寸法にした複数種類の鼠駆除用電撃シートを製造しておき、使用時において、それらの中から適切なものを選択すればよい。
【0045】
また、高電圧電源50の電圧や電流の設定値についても、可変としたり、複数種類のものを製造しておいて選択的に使用してもよい。
【0046】
なお、本実施の形態では、高電圧の発生という危険を伴うので、鼠駆除用電撃シート10が敷設される場所には人間等が入室することがないように安全対策が施されると共に、一定の資格を有する者によって操作される必要があるのは言うまでもない。
【0047】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る鼠駆除用電撃シートについて説明する。
【0048】
図6は、本実施の形態における鼠駆除用電撃シート110の断面図であり、第1の実施の形態における図2に相当する。
【0049】
この鼠駆除用電撃シート110は、縦横に密集して並ぶ突起群111a、112a等を上面に有するシートであり、反物のような長尺物である点で、第1の実施の形態と同じであるが、2層構造である(上層シート111及び下層シート112が積層されている)点で、第1の実施の形態と異なる。
【0050】
図7は、この鼠駆除用電撃シート110を構成する2つのシート111、112それぞれの形状を示す斜視図であり、第1の実施の形態における図3に相当する。
【0051】
これらの図から分かるように、この鼠駆除用電撃シート110の上面に突出した突起群111a、112a等のうち、縦横に1つおきに並ぶ突起群111a、b等は、上層シート111と一体に形成されたものであり、もう一方の1つおきに並ぶ突起群112a、b等は、下層シート112と一体に形成されたものである。つまり、下層シート112に形成された突起群112a、bは、上層シート111に設けられた円形の貫通窓111c、d等を突き抜けて上層シート111の上面に突出している。
【0052】
2つのシート111、112は、いずれも、フィルム状の薄いプラスチックシート等を素材とし、その上面(突起群を有する面)が導電性の金属膜で覆われ、電気的に導通した状態にある点で第1の実施の形態と共通するが、上層シート111の上面の一部には、図7に示されるように、非導電領域111j、kが設けられている点で第1の実施の形態と異なる。
【0053】
つまり、上層シート111の上面の貫通穴111c、d等の周縁は、約0.5mm幅で、ドーナツ状に非導電領域111j、kが設けられている。これは、上層シート111の上面に形成された金属膜と下層シート112からの突起群112a、b等の表面とが電気的に接触することを防止するためである。
【0054】
このような非導電領域111j、kを設けることによって、この鼠駆除用電撃シート110は、わずか2枚のシートが積層された単純な構造であるにも拘わらず、第1の実施の形態と同じ機能を果たすことができる。つまり、これら2つのシート111、112(突起群111a、b等と突起群112a、b等)は、お互いに絶縁され、鼠に対して高電圧を印加するための2つの電極として機能する。
【0055】
なお、この鼠駆除用電撃シート110と高電圧電源とを電気的に接続するコネクタについては、第1の実施の形態と同様のものを使用することができる。そして、第1の実施の形態における鼠駆除用電撃シート10に代えて、この鼠駆除用電撃シート110を用ることで、第1の実施の形態と同様の電撃殺鼠システムを構築することができる。
【0056】
また、このような鼠駆除用電撃シート110の製造方法についても、基本的には、第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施の形態の上層シート111の上面の一部に、非導電領域111j、k等を設けるプロセスが追加される。そのプロセスは、上層シート111の上面に金属膜を塗布したりプリントする前に、その領域の部分にテープ等を貼付しておいてマスクする方法や、一面に金属面を形成した後に、その領域の部分だけ金属膜を剥がす方法等により実現される。
【0057】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る鼠駆除用電撃シートについて説明する。
【0058】
図8は、本実施の形態における鼠駆除用電撃シート200の外観図である。
この鼠駆除用電撃シート200は、格子状の銅箔パターンが上面に形成された2つの薄いシート(上層シート210及び下層シート220)が貼り合わされたものであり、第1及び第2の実施の形態と同様に、幅広の長尺物である。
【0059】
図9は、この鼠駆除用電撃シート200を構成する2つのシート210、220それぞれの形状を示す斜視図である。
【0060】
上層シート210及び下層シート220は、いずれも、極めて薄い(例えば、厚さ0.2mm)フィルム状のプラスチックシートであり、その上面に、直交して走る約2mm幅の直線状の銅箔パターン211、221が形成(プリント)されている。上層シート210の上面には、銅箔パターン211で囲まれた各領域内に四角形の貫通窓212が空けられている。この上層シート210の貫通窓212の中心に下層シート220の銅箔パターン221の交点が位置することとなるように、これら2つのシート210、220が接着剤で貼り合わされている。つまり、貫通窓212から、下層シート220の銅箔パターン221が露出する状態となる。
【0061】
この鼠駆除用電撃シート200を使用する際には、上記第1及び第2の実施の形態と同様に、適切な形状に切り出し、上層シート210及び下層シート220の銅箔パターン211、221それぞれに高電圧電源50からの電源コード40をはんだ付け又はソケット等で接続すればよい。これによって、上層シート210と下層シート220間に高電圧が印加される状態となり、上層シート210の銅箔パターン211と貫通窓212から露出している下層シート220の銅箔パターン221の両方に同時に触れた鼠は、感電死する。
【0062】
以上のように、本実施の形態における鼠駆除用電撃シート200の上面には、第1及び第2の実施の形態と同様に、高電圧のプラス電極とマイナス電極とが交互に入れ替わるように配列されている。したがって、単に平行電線を上面に貼り付けた従来の電撃用紙に比べ、その上に乗った鼠に対して、極めて高い確率で電撃を与えて感電死させることができる。
【0063】
このような鼠駆除用電撃シート200は、以下のようにして製作する。つまり、プラスチックシートを準備し、その上面に銅箔のパターンを印刷(プリント)したり、銅テープを貼り付けたりすることで下層シート220を完成させる。続いて、その下層シート220に対して、カッター等で貫通窓を空けることによって、上層シート210を完成させる。最後に、それら2つのシート210、220を、貫通窓212の中心に銅箔パターン221の交点が位置するように重ね、接着材で貼り合わせればよい。
【0064】
この鼠駆除用電撃シート200を構成している2つのシートは、第1及び第2の実施の形態と異なり、いずれも、突起物を有しない単純な平板構造である。しかも、これら2つのシートは、絶縁シート上に同一パターンの銅箔を有し、共通の製造工程を経て製作される。よって、本実施の形態の鼠駆除用電撃シート200は、第1及び第2の実施の形態に比べ、簡易に製造することができるというメリットを有する。
【0065】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係る害鳥及び害獣の放逐方法について説明する。
【0066】
本実施の形態における害鳥及び害獣の放逐方法は、鳩等の害鳥及び鹿、猪、カンガルー等の害獣を音により駆逐する方法である。つまり、鳩等による建物や公園、道路等にて引き起こす糞公害や、ゴミ等の散らかし、うるさい鳴き声、その他果物、野菜等の農作物の被害を防止するため、しかも彼等を殺傷することなく、その場所より放逐する方法である。
【0067】
図10は、そのための音を収録する手順を示すフローチャートである。
まず、放逐しようとする目的の害鳥を捕まえて、その鳥の悲鳴や断末魔の声を「害鳥の悲鳴」としてテープレコーダ等で録音する(S601)。
【0068】
さらに、放逐しようとする目的の害鳥の天敵の飛ぶ音や獲物と襲うときの音を「天敵が襲ってくる音」として録音し(S602)、天敵の鳴き声や獲物を襲うときの鳴き声等を「天敵の鳴き声」として録音する(S603)。例えば、鳩等の天敵として、ワシ・タカ・トビ・コンドル・フクロウ等の猛禽類を採用する。
【0069】
そして、集めた3種類の音・声を音データとしてパーソナルコンピュータに取り込み、音楽編集用ソフト等を用いて、図11に示されるような構成となる1つの連続するステレオ音声として編集する。得られた音声は、テープレコーダ等に出力することで1つのテープに収録しておく(S604)。
【0070】
図11は、編集後のテープの録音内容を示すデータ構成図である。ここには、1つのテープを構成する2つのトラック(L:左音声トラック、R:右音声トラック)それぞれに録音される3種類の音・声(1つの矩形が1回の録音分(例えば、約1秒分))の録音位置が示されている。
【0071】
左音声トラック(L)には、「天敵が襲ってくる音」が繰り返し録音され、その「天敵が襲ってくる音」の10回に1回くらいの合間に「天敵の鳴き声」が挿入して録音されている。一方、右音声トラック(R)には、「害鳥の鳴き声」が一定間隔をおいて録音されている。その間隔は、左音声トラックに録音された「天敵の鳴き声」の5回に1回くらいの割合で挿入されている。
【0072】
このような音は、害鳥が天敵に襲われるときの天敵及び害鳥から発せられる声・音が合成された典型的なものであり、害鳥にとっては、地獄のごとく、驚愕するような嫌な音であり、二度と聞きたくない音である。
【0073】
図12は、このような音が収録されたテープを用いて害鳥を駆逐する様子を示す図である。収録テープをセットしたテープレコーダ250を自動車251に積んで、放逐しようとする目的の害鳥の建造物や、公園、道路等の休息場所や、営巣場所、夜間の休息場所等まで行き、害鳥252が集合したところを見計らって、テープレコーダ250の音量ボリュームを最大にする等して、そのテープに収録された音を再生し、放逐しようとする害鳥252を驚かす。そして、必要に応じて、逃げる害獣252を自動車251で追いかけ、害鳥達252に向けて、その音を放送し続ける。これによって、効果的に、その目的の場所より害鳥を追い払うことができる。
【0074】
なお、鳩等は、相当しつこい性格があるので、その場所の様子を2〜3日程度監視し、万一、害鳥が戻りそうな時は、再び、その害鳥の天敵の声のテープをその場所付近で流すことが必要である。
【0075】
一方、害獣に対しては、猪の場合、天敵の音や鳴き声として、猪狩りに用いる多くの犬が猪を追いかけているときの音や鳴き声を録音したものを利用する。鹿に対しても、犬の鳴き声や鳴きながら走っているときの音を録音して使用する。さらに、猛獣の鳴き声も録音し使用する。
【0076】
農園や果樹園等では、高電圧が印加される裸電線等を周囲に張り巡らすことで猿等の侵入を防ぐと共に、各所に隠しスピーカを設け、天敵の鳴き声等を流すことによって、これら害獣が近寄らないようにする。
【0077】
また、原野や砂漠、森林地帯、高地、その他の広い場所で、野生の動物達を生きたまま捕まえて別の場所に連れていって共存させたり、一定の場所に誘導して移動させることで除外したりするときにも、上述のように製作したテープを用いることができる。
【0078】
図13は、音によって野生の害獣を生きたまま捕獲したり、遠方へ移動させたり、予防注射等のために柵で囲った敷地や檻等の一定の場所に誘導したりする方法を説明する図であり、原野等に予め配置される複数の無線スピーカ301a〜d、302a〜d、・・・、310aの配置位置を示す。
【0079】
捕獲場所320は、害獣を追い込む目的場所であり、出入り口に開閉可能な扉を有する柵で囲まれた敷地等である。原野には、この捕獲場所320から最も距離が遠い位置に無線スピーカ301a〜dが一定間隔を置いて配列して設置され、その位置よりも捕獲場所320に少し近い位置に無線スピーカ302a〜dが設置され、順次、捕獲場所320に近づくにしたがって、無線スピーカ303a〜d、無線スピーカ304a〜d、・・・、310aが設置されている。
【0080】
無線スピーカ301a〜d、302a〜d、・・・、310aは、それぞれ、一定の周波数チャネルf1、f2、・・・、f10で送られている電波を受信し、その電波に含まれる音信号を復調してスピーカから音を出力する拡声器である。
【0081】
図14(a)は、それら無線スピーカ301a等の外観図であり、図14(b)は、それら無線スピーカ301a等の機能ブロック図である。無線スピーカ301a等は、屋外で使用可能な密閉構造の無線式拡声器であり、特定の周波数チャネルの電波を受信するアンテナ300aと、受信された電波をFM復調し音信号に変換するFM復調器300cと、復調された音信号を電力増幅する増幅器300dと、増幅された音信号を音として出力するスピーカ300bとから構成されている。この無線スピーカ301a等は、内蔵のバッテリ等で駆動され、予定された周波数チャネルの電波を受信すると、その電波に含まれる音を増幅してスピーカから出力する。
【0082】
遠隔制御装置350は、上述にように編集された音が録音された音声テープを内蔵しており、その音声テープから再生された音を、操作者が指定した周波数チャネル(f1、f2、・・・、f10fのいずれか)で周波数変調し、電波で送信するリモコンである。つまり、この遠隔制御装置350による遠隔操作によって、10個のグループからなる無線スピーカ301a〜d、302a〜d、・・・、310aのうち、いずれかのグループに属する無線スピーカ群に対して音信号を送信することで、それら無線スピーカ群から音を発生させることができる。
【0083】
図15(a)は、遠隔制御装置350の外観図であり、図15(b)は、遠隔制御装置350の機能ブロック図である。遠隔制御装置350は、音声テープに録音されている音を再生し音信号として出力するテープ再生部354と、その音信号をON/OFFするスイッチ352と、10種類の周波数の搬送波信号を出力する発信器356と、それら搬送波信号から1つを選択するチャネル切替スイッチ353と、選択された搬送波信号を音信号で周波数変調するFM変調器355と、得られた変調信号を電力増幅する増幅器357と、増幅された変調信号を電波として送信するアンテナ351とから構成される。
【0084】
この遠隔制御装置350は、内蔵のバッテリ等で駆動され、スイッチ352がONのときに、チャネル切替スイッチ353で選択されている周波数チャネルの電波で、テープ再生部354からの音信号を変調して送信する。
【0085】
いま、図13に示されるように、原野において、第2グループに属する無線スピーカ302a〜dが置かれている付近に、捕獲したい害獣330が群れをなしているとする。このような状況において、まず、遠隔制御装置350のチャネル切替スイッチ353をチャネル1にセットしてスイッチ352をONにする。すると、第1グループに属する4台の無線スピーカ301a〜dから上述の「天敵が襲ってくる音」や「害獣の悲鳴」等が放送されるので、害獣達330は、その音の発生源とは反対の方向に向かって逃げる。
【0086】
続いて、逃げる害獣達330を追いかけるように、チャネル切替スイッチ353を1、2、3、・・・、10の順に切り替えていく。これによって、逃げる害獣達330の後ろから、無線スピーカ302a〜d、303a〜d、・・・、310aの順に上述の音が放送され、害獣達330は、捕獲場所320へと追い込まれていく。害獣達330が捕獲場所320に入ったら、その出入り口の柵扉を閉める。このようにして、害獣達330を生きたまま目的の場所に追い込み、そこで一網打尽に捕獲することができる。
【0087】
以上、本発明に係る鼠駆除用電撃シート並びに害鳥及び害獣の放逐方法について、4つの実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではない。
【0088】
例えば、第4の実施の形態では、同一グループに属する無線スピーカ群は、一列に並べられていたが、このような配列だけに限られず、円形状や四角形状、放射状に配列してもよい。また、マトリクス状に無線スピーカ群を配置しておき、列や行を任意に指定することで、一定領域にいる動物を任意の場所に誘導することもできる。
【0089】
また、第1〜3の実施の形態では、鼠駆除用電撃シートは、建物の床等に敷設されたが、鼠駆除用電撃シートの敷設場所としては、このような平面だけに限られず、柱や箱、配管、パイプ等に巻きつけたり、裏面に接着材をつけて壁等に貼り付けてもよい。
【0090】
さらに、上記実施の形態では、音や声の記録媒体及び再生装置として磁気テープとテープレコーダ等が用いられたが、本発明は、このような記録媒体と再生装置に限られず、例えば、MD(Mini Disc)とMDプレーヤ等を使用してもよい。
【0091】
また、第1〜3の実施の形態における鼠駆除用電撃シートは、上面に設けられた電極のサイズや間隔等を調整することで、鼠だけでなく、イタチや狸や狐等の小動物にも適用することができる。
【0092】
【産業上の利用可能性】
以上のように、本発明に係る鼠駆除用電撃シートは、建物の床等に敷設し、高電圧電源と共に使用することで、鼠に電撃を与え、感電死させたり、気絶させたりする鼠駆除のための部品として、また、本発明に係る害鳥及び害獣の放逐方法は、鳩等の害鳥や猪等の害獣を目的の場所から放逐したり、目的の場所に追い込んで生け捕りするための方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における鼠駆除用電撃シート10の外観図である。
【図2】図1に示された鼠駆除用電撃シート10の断面図である。
【図3】鼠駆除用電撃シート10を構成する3つのシート11〜13それぞれの形状を示す斜視図である。
【図4】鼠駆除用電撃シート10を用いて効果的に鼠を殺す電撃殺鼠システムの外観図である。
【図5】図4に示された電撃殺鼠システムによって鼠を殺す場合の具体的な操作手順を示すフロー図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における鼠駆除用電撃シート110の断面図である。
【図7】鼠駆除用電撃シート110を構成する2つのシート111、112それぞれの形状を示す斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における鼠駆除用電撃シート200の外観図である。
【図9】鼠駆除用電撃シート200を構成する2つのシート210、220それぞれの形状を示す斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における害鳥及び害獣の放逐方法に使用される音を収録する手順を示すフローチャートである。
【図11】テープの録音内容を示すデータ構成図である。
【図12】図12に示された音が収録されたテープを用いて害鳥を駆逐する様子を示す図である。
【図13】音によって野生の害獣を生きたまま捕獲する方法を説明する図である。
【図14】(a)は、無線スピーカ301a等の外観図であり、(b)は、それら無線スピーカ301a等の機能ブロック図である。
【図15】(a)は、遠隔制御装置350の外観図であり、(b)は、遠隔制御装置350の機能ブロック図である。
【符号の説明】
10、110、200 鼠駆除用電撃シート
11、111、210 上層シート
12 中間層シート
13、112、220 下層シート
30 コネクタ
31 メス型電極
32 メス型電極
40 電源コード
50 高電圧電源
51 テープ再生装置
52 スピーカ

Claims (9)

  1. 電撃によって鼠を駆除するための鼠駆除用電撃シートであって、
    前記鼠駆除用電撃シートの上面には、高電圧を印加するための第1電極及び第2電極が縦方向及び横方向に交互に並ぶように露出した状態で設けられ、
    前記鼠駆除用電撃シートは、第1及び第2シートを含む少なくとも2枚のシートが積層され、
    前記第1シートは、前記第2シートの上に重ねられ、その上面に、前記第1電極が形成されていると共に複数の窓が設けられ、
    前記第2シートは、その上面に、前記第2電極が形成され、
    前記第1シートと前記第2シートとは、前記窓から前記第2電極が露出するように重ねられている
    ことを特徴とする鼠駆除用電撃シート。
  2. 前記第1及び第2電極は、それぞれ、前記第1及び第2シートの上面から上方に向けて突起する複数の突起体であり、
    前記第2電極は、前記窓を貫通して前記第1シートの上面に突出している
    ことを特徴とする請求項1記載の鼠駆除用電撃シート。
  3. 前記第1及び第2シートに形成された複数の突起体は、それぞれ、金属膜で被覆され、電気的に導通している
    ことを特徴とする請求項記載の鼠駆除用電撃シート。
  4. 前記鼠駆除用電撃シートは、さらに、前記第1シートの上に積層して重ねられた第3シートを有し、
    前記第3シートは、その上面に複数の窓が設けられ、
    前記第1及び第2電極は、前記第3シートの窓を貫通して前記第3シートの上面に突出している
    ことを特徴とする請求項記載の鼠駆除用電撃シート。
  5. 前記第1及び第2電極は、それぞれ、前記第1及び第2シートの上面に印刷された銅箔である
    ことを特徴とする請求項1記載の鼠駆除用電撃シート。
  6. 前記第1及び第2電極は、一定幅の直線が格子状に直交するパターンを有する銅箔であり、
    前記第2電極の銅箔のパターンにおける交点が前記窓から露出している
    ことを特徴とする請求項記載の鼠駆除用電撃シート。
  7. 電撃によって鼠を殺すシステムであって、
    請求項1記載の鼠駆除用電撃シートと、
    高電圧を発生する高電圧電源と、
    前記高電圧を前記鼠駆除用電撃シートの第1及び第2電極に印加するコネクタと
    を備えることを特徴とする電撃殺鼠システム。
  8. 前記第1及び第2電極は、それぞれ、電気的に導通した複数の突起体であり、
    前記コネクタは、前記第1及び第2電極の突起体を凸電極として噛み合う凹電極のソケットを有する
    ことを特徴とする請求項記載の電撃殺鼠システム。
  9. 電撃によって鼠を殺す方法であって、
    照明器具を備えた部屋に、請求項1記載の鼠駆除用電撃シートを敷設しておくと共に、スピーカを設置しておき、
    前記照明器具を消灯した状態で、前記部屋に鼠が出没するのを待ち、
    鼠が出没してきたときに、
    (i)前記鼠駆除用電撃シートの第1及び第2電極間に高電圧を印加し、
    (ii)前記照明器具を点灯し、
    (iii)予め録音された記録媒体を再生装置で再生することによって前記スピーカから鼠の悲鳴を発生させる
    ことを特徴とする電撃殺鼠方法。
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