JP3772932B2 - ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク装置に関し、例えば映像信号を記録再生するハードディスク装置に適用することができる。本発明は、リトライの時間を制限すると共に、この制限した時間に対応するようにバッファメモリの容量を設定することにより、全体として簡易な構成で映像信号等の連続する情報信号を記録再生できるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビデオテープレコーダにおいては、映像信号でなる情報信号を記録する際に、インターリーブ等の処理を実行し、また誤り訂正符号を付加することにより、連続するデータが途絶えることのないように映像信号を記録再生するように、すなわちデータの連続性を優先して映像信号を記録再生するようになされている。
【0003】
これに対してコンピュータの記憶装置に適用されるハードディスク装置においては、リードアフターライト、誤り検出等の処理により所望のデータを正しく記録再生することができたか否か判断する。さらにこの種のハードディスク装置は、データを正しく記録再生できない場合、リトライの処理を繰り返し、また必要に応じて誤り訂正の処理を実行する。これによりこの種のハードディスク装置においては、記録再生するデータの信頼性を最優先して、記録再生の処理を実行するようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで映像信号、音声信号等の記録再生にハードディスク装置を適用することができれば、頭出し等の処理を簡略化することができ、この種の情報信号の編集作業等を簡略化できると考えられる。またこの場合に、コンピュータ用のハードディスク装置により映像信号、音声信号を記録再生することができれば、その分汎用性の高い部品によりこの種の編集装置を構成して、この種の記録再生装置を簡易に構成することができる。
【0005】
ところがコンピュータ用のハードディスク装置は、データの信頼性を最優先してリトライの処理を繰り返すことにより、映像信号、音声信号の記録再生に適用すると、このリトライの繰り返しにより、映像信号、音声信号が途切れる場合が考えられる。
【0006】
この問題を解決する1つの方法として、殆どリトライする必要が無いように、ハードディスク装置に信頼性を向上する方法が考えられるが、この場合コンピュータ用のハードディスク装置のような汎用的な装置を使用することが困難になる欠点がある。またビデオデータを正しく再生できない場合でもリトライ処理しないように設定することも考えられるが、この場合、再生された映像信号に誤り訂正困難なビット誤りが頻発する場合も考えられ、結局、連続する映像信号の再生が困難になる欠点がある。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、全体として簡易な構成で映像信号等の連続する情報信号を記録再生することができるディスク装置を提案しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、ディスク状記録媒体に対して情報信号を正しく記録再生することが困難な場合、所定の制限時間の範囲で、情報信号の記録再生をリトライするようにし、この制限時間に対応する情報信号を蓄積可能に、バッファメモリの容量を設定し、リトライを実行した後は、情報信号の入出力に係るデータ転送速度の差でバッファメモリの容量を割り算した時間の間、制限時間の可変により、情報信号の連続性を確保する。
【0009】
所定の制限時間の範囲で、情報信号の記録再生をリトライすれば、この制限時間の設定により、誤り訂正困難なビット誤りの発生を実用上充分な範囲に低減することができる。この場合に、この制限時間に対応する情報信号を蓄積可能に、バッファメモリの容量を設定すれば、バッファメモリの容量を実用上充分に小さな容量に設定して、映像信号等の情報信号を途切れることなく記録再生することができる。このときリトライを実行した後は、情報信号の入出力に係るデータ転送速度の差でバッファメモリの容量を割り算した時間の間、制限時間の可変により、情報信号の連続性を確保することにより、確実に情報信号の連続性を確保することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0011】
図2は、本発明の実施の形態に係る編集装置の前提の構成を示すブロック図である。この編集装置1は、順次入力されるビデオ信号V1及びオーディオ信号A1をハードディスクアレイ2により記録し、またこの記録したビデオ信号V1及びオーディオ信号A1を編集して出力する。
【0012】
すなわち編集装置1は、コンピュータ構成のコントローラ3を有し、このコントローラ3のモニタ装置3Aに表示されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI:Graphical User Interface)に従ってマウス3B、キーボード3Cを操作することにより、またコントロールパネル3Dを操作することにより、このコントローラ3の制御により全体の動作を切り換え、順次入力されるビデオ信号V1及びオーディオ信号A1を記録する。またこの記録したビデオ信号V2、V3等のモニタ画像をユーザーに提供すると共に、ユーザーの操作に従って編集リストを作成し、さらにこの作成した編集リストに従ってハードディスクアレイ2に記録したビデオ信号及びオーディオ信号を再生して出力する。
【0013】
図1は、ハードディスクアレイ2のうちの、ビデオ信号の処理系を示すブロック図である。このハードディスクアレイ2において、ビデオデータ入出力部10は、この編集装置1に入力されるビデオ信号V1を所定フォーマットのディジタルビデオ信号DV1に変換してビデオデータ処理部11に出力する。またビデオデータ入出力部10は、このビデオデータ処理部11より出力されるディジタルビデオ信号DV2及びDV3をアナログ信号でなるビデオ信号V2及びV3に変換し、このビデオ信号V2及びV3をコントローラ3及び外部機器に出力する。
【0014】
ここでこの編集装置1は、コンポジットビデオ信号を入出力するように構成され、ビデオデータ入出力部10において、デコーダ10aは、このコンポジットビデオ信号でなるビデオ信号V1をコンポーネントビデオ信号に変換して出力する。続くアナログディジタル変換回路(A/D)10bは、このコンポーネントビデオ信号をアナログディジタル変換処理し、輝度データ、色差データにより構成される所定フォーマットのディジタルビデオ信号DV1を出力する。
【0015】
ディジタルアナログ変換回路(D/A)10cは、ビデオデータ処理部11より出力されるディジタルビデオ信号DV2をディジタルアナログ変換処理し、輝度信号及び色差信号により構成されるコンポーネントビデオ信号を出力する。続くエンコーダ10dは、このディジタルアナログ変換回路10cより出力されるコンポーネントビデオ信号をコンポジットビデオ信号V2に変換して出力する。同様に、ディジタルアナログ変換回路(D/A)10eは、ビデオデータ処理部11より出力されるディジタルビデオ信号DV3をディジタルアナログ変換処理してコンポーネントビデオ信号を出力し、続くエンコーダ10fは、このディジタルアナログ変換回路10cより出力されるコンポーネントビデオ信号をコンポジットビデオ信号V3に変換して出力する。
【0016】
ビデオデータ処理部11は、このようにしてビデオデータ入出力部10より入力されるディジタルビデオ信号DV1をデータ圧縮してシステムコントローラ12に出力する。またビデオデータ処理部11は、システムコントローラ12より入力されるビデオデータをデータ伸長してディジタルビデオ信号DV2及びDV3を生成し、このディジタルビデオ信号DV2及びDV3をビデオデータ入出力部10に出力する。
【0017】
すなわちビデオデータ処理部11において、圧縮回路11aは、MPEG(Moving Picture Experts Group)の規格によりディジタルビデオ信号DV1をデータ圧縮し、その結果得られるビデオデータD1を所定のデータ転送速度Rv〔Mbyte/Sec〕によりバッファ11bに出力する。またビデオデータ処理部11において、伸長回路11cは、バッファ11bを介して所定のデータ転送速度RvによりMPEGの規格によりデータ圧縮されたビデオデータD2を受け、このビデオデータD2をデータ伸長してディジタルビデオ信号DV2を出力する。
【0018】
バッファ11bは、FIFO(First In First Out)回路構成のメモリにより構成され、システムコントローラ12の制御により動作を切り換える。すなわちバッファ11bは、圧縮回路11aより入力されるビデオデータD1をシステムコントローラ12に出力し、またこのシステムコントローラ12より入力されるビデオデータDSを伸長回路11cに出力し、さらにこのシステムコントローラ12より入力されるビデオデータDSに代えて、圧縮回路11aより入力されるビデオデータD1を伸長回路11cに出力する。これによりバッファ11bは、システムコントローラ12を介して、複数のハードディスク13にビデオデータを記録すると共に、これら複数のハードディスク13に記録されたビデオデータをモニタできるようになされ、また必要に応じて順次入力されるビデオ信号V1について、データ圧縮したビデオデータD1をモニタできるようになされている。
【0019】
このようにしてビデオデータDSを入出力する際に、バッファ11bは、圧縮回路11a及び伸長回路11cとの間では、これら圧縮回路11a及び伸長回路11cのデータ処理速度に対応するデータ転送速度Rv〔Mbyte/Sec〕によりビデオデータD1、D2を入出力するのに対し、システムコントローラ12との間では、このデータ転送速度Rv〔Mbyte/Sec〕より高速度のデータ転送速度Rh〔Mbyte/Sec〕によりビデオデータDSを入出力する。これによりバッファ11bは、圧縮回路11a及び伸長回路11cとの間では、ビデオデータD1及びD2をほぼ連続して入出力するのに対し、システムコントローラ12との間では、ビデオデータDSを間欠的に入出力する。
【0020】
この圧縮回路11a及び伸長回路11cとの間のデータ転送速度Rv〔Mbyte/Sec〕に対して、バッファ11bは、容量B〔Mbyte〕が次式
【0021】
【数1】
【0022】
の関係式を満足する範囲で、実用上、充分に小さな容量に設定されるようになされている。なおここでTrは、後述するハードディスク13のリトライ制限時間である。これにより編集装置1では、このリトライ制限時間で圧縮回路11aより出力されるビデオデータD1を蓄積可能にバッファ11bを構成し、必要最小限度の容量で、連続するビデオデータDSを途絶えることなく記録再生できるようになされている。
【0023】
バッファ11dは、バッファ11bと同様に、FIFO回路構成のメモリにより構成され、システムコントローラ12より入力されるビデオデータDSを保持すると共に、保持したビデオデータDSを伸長回路11eのデータ処理速度に対応するデータ転送速度Rvにより伸長回路11eに出力する。ここでバッファ11dは、バッファ11bと同様に、システムコントローラ12との間のデータ転送速度Rh〔Mbyte/Sec〕、伸長回路11eとの間のデータ転送速度Rv〔Mbyte/Sec〕が設定され、さらにこれらのデータ転送速度Rh、Rv〔Mbyte/Sec〕に対して、(1)式の関係式を満足する範囲で、実用上、充分に小さな容量Bに設定されるようになされている。これにより編集装置1では、リトライ制限時間Trで伸長回路11eに供給するビデオデータD3を蓄積可能にバッファ11dを構成するようになされている。
【0024】
伸長回路11eは、このバッファ11dより出力されるビデオデータDSをデータ伸長し、ディジタルビデオ信号DV3を出力する。
【0025】
システムコントローラ12は、RS−422の通信フォーマットによりコントローラ3との間で制御コマンド等を入出力し、この制御コマンドに従って中央処理ユニット(CPU)12aにより一連の処理手順を実行する。これによりシステムコントローラ12は、ハードディスクアレイ2の全体動作を制御する。
【0026】
このシステムコントローラ12において、ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMA)12bは、中央処理ユニット12aにより制御されて動作を切り換え、ビデオデータ処理部11との間でビデオデータDSを入出力し、またこのビデオデータをSCSI(Small computer System Interface )コントローラ12cとの間で入出力する。このときダイレクトメモリアクセスコントローラ12bは、ビデオデータ処理部11より入力するビデオデータDSのタイミングを制御してSCSIコントローラ12cに出力し、またこれとは逆にSCSIコントローラ12cより入力されるビデオデータDSのタイミングを制御してビデオデータ処理部11に出力する。
【0027】
SCSIコントローラ12cは、中央処理ユニット12aにより制御されて、ビデオ信号の記録に割り当てられた複数のハードディスク13に制御コマンドを発行し、ダイレクトメモリアクセスコントローラ12bより入力されるビデオデータDSをこれら複数のハードディスク13に振り分けて記録し、またこれら複数のハードディスク13よりビデオデータDSを再生してダイレクトメモリアクセスコントローラ12bに出力する。
【0028】
このときSCSIコントローラ12cは、中央処理ユニット12aの制御により、記録時、所定データ量のビデオデータDSがバッファ11bに蓄積されると、ダイレクトメモリアクセスコントローラ12bを介して、バッファ11bよりビデオデータDSを入力し、この入力したビデオデータDSをハードディスク13に記録する。これによりSCSIコントローラ12cは、バッファ11bに所定の空き容量を確保できるように、間欠的にビデオデータDSを読み出してハードディスク13に記録する。
【0029】
また同様にしてSCSIコントローラ12cは、再生時、バッファ11b、11dの空き容量が所定値以下になるとハードディスク13を間欠的に駆動してビデオデータDSを出力し、これによりハードディスク13を間欠的に駆動して、伸長回路11c、11eに出力されるビデオデータDSが途絶えることが無いようにする。
【0030】
ハードディスク13は、SCSIコントローラ12cの制御により、順次入力されるビデオデータDSを記録し、また記録したビデオデータDSを再生して出力する。このビデオデータの記録時、ハードディスク13は、所定の誤り訂正符号を付加してビデオデータDSを記録し、リードアフターライトの処理を実行する。さらにこのリードアフターライトによりビデオデータDSを正しく記録することができなかったことが検出された場合、リトライの処理を繰り返す。このときハードディスク13は、事前に設定された所定の制限回数の範囲でリトライの処理を繰り返す。
【0031】
ここでこのリトライの回数は、正しくビデオデータDSを記録することが困難な場合でも、誤り訂正符号により誤り訂正処理して正しいビデオデータDSを再生することができる程度の回数に設定され、この前提の構成では、この制限回数によりリトライを繰り返して、リトライの制限時間Trの範囲でリトライの処理を完了できるように、上述の制限時間Trが設定されるようになされている。
【0032】
これにより記録時、編集装置1では、バッファ11bの容量を実用上充分に小さな容量Bに設定して、誤り訂正困難なビット誤りの発生を実用上充分な範囲に低減し、ビデオ信号V1を途切れることなく記録することができるようになされている。
【0033】
同様にして再生時、ハードディスク13は、誤り検出処理によりビデオデータDSを正しく再生することができなかったことが検出された場合、同様の制限回数の範囲でリトライの処理を繰り返す。ここでこの再生時におけるリトライの回数は、誤り訂正符号により誤り訂正処理して正しいビデオデータDSを再生することができる程度の回数に設定され、この前提の構成では、この制限回数の設定により制限時間Trの範囲でリトライの処理を繰り返すようになされている。
【0034】
これにより再生時、編集装置1では、バッファ11b、11cの容量を実用上充分に小さな容量Bに設定して、誤り訂正困難なビット誤りの発生を実用上充分な範囲に低減し、ビデオ信号V1を途切れることなく再生することができるようになされている。
【0035】
図3は、ハードディスクアレイ2のオーディオ信号の処理系を示すブロック図である。このハードディスクアレイ2において、オーディオデータ入出力部15は、この編集装置1に入力されるオーディオ信号A1を所定フォーマットのディジタルオーディオ信号DA1に変換してオーディオデータ処理部16に出力する。またオーディオデータ入出力部15は、このオーディオデータ処理部16より出力されるディジタルオーディオ信号DA2をアナログ信号でなるオーディオ信号A2に変換し、このオーディオ信号A2をコントローラ3及び外部機器に出力する。
【0036】
すなわちオーディオデータ入出力部15において、デコーダ15aは、アナログ信号でなるオーディオ信号A1を、続くディジタル信号処理に適した信号フォーマットに変換して出力する。続くアナログディジタル変換回路(A/D)15bは、このオーディオ信号をアナログディジタル変換処理し、所定フォーマットのディジタルオーディオ信号DA1を出力する。
【0037】
ディジタルアナログ変換回路(D/A)15cは、オーディオデータ処理部16より出力されるディジタルオーディオ信号DA2をディジタルアナログ変換処理し、オーディオ信号を出力する。続くエンコーダ15dは、このディジタルアナログ変換回路15cより出力されるオーディオ信号を所定のフォーマットのオーディオ信号A2に変換して出力する。
【0038】
オーディオデータ処理部16は、オーディオデータ入出力部15より入力されるディジタルオーディオ信号DA1をデータ圧縮してシステムコントローラ12に出力する。またオーディオデータ処理部16は、システムコントローラ12より入力されるオーディオデータをデータ伸長してディジタルオーディオ信号DA2を生成し、このディジタルオーディオ信号DA2をオーディオデータ入出力部15に出力する。
【0039】
すなわちオーディオデータ処理部16において、圧縮回路16aは、ディジタルオーディオ信号DA1をデータ圧縮し、その結果得られるオーディオデータAD1を所定のデータ転送速度Rva〔Mbyte/Sec〕によりバッファ16bに出力する。
【0040】
バッファ16bは、FIFO回路構成のメモリにより構成され、システムコントローラ12の制御により動作を切り換える。すなわちバッファ16bは、圧縮回路16aより入力されるオーディオデータAD1をシステムコントローラ12に出力し、またこのシステムコントローラ12より入力されるオーディオデータDASを伸長回路16dに出力する。これによりバッファ16bは、システムコントローラ12を介して、複数のハードディスク17にオーディオデータを記録すると共に、これら複数のハードディスク17に記録されたオーディオデータをモニタできるようになされている。
【0041】
このようにしてオーディオデータDASを入出力する際に、バッファ16bは、圧縮回路16aのデータ処理速度に対応するデータ転送速度Rva〔Mbyte/Sec〕によりオーディオデータAD1を入力するのに対し、システムコントローラ12との間では、このデータ転送速度Rva〔Mbyte/Sec〕より高速度のデータ転送速度Rha〔Mbyte/Sec〕によりオーディオデータDASを入出力する。これによりバッファ16bは、圧縮回路16aとの間では、オーディオデータAD1をほぼ連続して入出力するのに対し、システムコントローラ12との間では、オーディオデータDASを間欠的に入出力する。
【0042】
この圧縮回路16aとの間のデータ転送速度Rva〔Mbyte/Sec〕に対して、バッファ16bは、容量Ba〔Mbyte〕が次式
【0043】
【数2】
【0044】
の関係式を満足する範囲で、実用上、充分に小さな容量に設定されるようになされている。なおここでTraは、上述したハードディスク13のリトライ制限時間と同一の制限時間である。これにより編集装置1では、必要最小限度の容量で、連続するオーディオデータDASを途絶えることなく記録できるようになされている。
【0045】
バッファ16cは、バッファ16bと同様に、FIFO回路構成のメモリにより構成され、システムコントローラ12より入力されるオーディオデータDASを保持すると共に、保持したオーディオデータDASを伸長回路16dのデータ処理速度に対応するデータ転送速度Rvaにより伸長回路16dに出力する。ここでバッファ16cは、バッファ16bと同様に、システムコントローラ12との間のデータ転送速度Rha〔Mbyte/Sec〕、伸長回路16dとの間のデータ転送速度Rva〔Mbyte/Sec〕が設定され、さらにこれらのデータ転送速度Rha、Rva〔Mbyte/Sec〕に対して、(2)式の関係式を満足する範囲で、実用上、充分に小さな容量Baに設定されるようになされている。
【0046】
伸長回路16dは、このバッファ16cより出力されるオーディオデータDASをデータ伸長し、ディジタルオーディオ信号を出力する。
【0047】
このオーディオ信号の処理系において、システムコントローラ12は、中央処理ユニット12aの制御によりビデオ系に同期して全体動作を切り換え制御する。
【0048】
すなわちこのシステムコントローラ12において、ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMA)12dは、中央処理ユニット12aにより制御されて動作を切り換え、オーディオデータ処理部16との間でオーディオデータDASを入出力し、またこのオーディオデータDASをSCSIコントローラ12eとの間で入出力する。このときダイレクトメモリアクセスコントローラ12dは、オーディオデータ処理部16より入力するオーディオデータDASのタイミングを制御してSCSIコントローラ12eに出力し、またこれとは逆にSCSIコントローラ12eより入力されるオーディオデータDASのタイミングを制御してオーディオデータ処理部16に出力する。
【0049】
SCSIコントローラ12eは、中央処理ユニット12aにより制御されて、オーディオ信号の記録に割り当てられた複数のハードディスク17に制御コマンドを発行し、ダイレクトメモリアクセスコントローラ12dより入力されるオーディオデータDASをこれら複数のハードディスク17に振り分けて記録し、またこれら複数のハードディスク17よりオーディオデータDASを再生してダイレクトメモリアクセスコントローラ12dに出力する。
【0050】
このときSCSIコントローラ12eは、中央処理ユニット12aの制御により、記録時、所定データ量のビデオデータDSがバッファ11bに蓄積されると、ダイレクトメモリアクセスコントローラ12dを介して、バッファ16bよりオーディオデータDASを間欠的に入力し、この入力したオーディオデータDASをハードディスク17に記録する。また同様にして、再生時、バッファ16cより伸長回路16dに出力されるオーディオデータDASが途絶えることが無いように、ハードディスク17を間欠的に駆動してオーディオデータDASを再生する。
【0051】
ハードディスク17は、SCSIコントローラ12eの制御により、順次入力されるオーディオデータDASを記録し、また記録したオーディオデータDASを再生して出力する。このオーディオデータの記録時、ハードディスク17は、所定の誤り訂正符号を付加してオーディオデータDASを記録し、リードアフターライトの処理を実行する。さらにこのリードアフターライトによりオーディオデータDASを正しく記録することができなかったことが検出された場合、リトライの処理を繰り返す。このときハードディスク17は、事前に設定された所定の制限回数の範囲でリトライの処理を繰り返す。
【0052】
ここでこのリトライの回数は、正しくオーディオデータDASを記録することが困難な場合でも、誤り訂正符号により誤り訂正処理して正しいオーディオデータDASを再生することができる程度の回数に設定され、この前提の構成では、オーディオ信号についても、この制限回数の設定により制限時間Trの範囲でリトライの処理を繰り返すようになされている。
【0053】
これにより記録時、編集装置1では、バッファ16bの容量を実用上充分に小さな容量Baに設定して、誤り訂正困難なビット誤りの発生を実用上充分な範囲に低減し、オーディオ信号A1を途切れることなく記録することができるようになされている。
【0054】
同様にして再生時、ハードディスク17は、誤り検出処理によりオーディオデータDASを正しく記録することができなかったことが検出された場合、同様の制限回数の範囲でリトライの処理を繰り返す。ここでこの再生時におけるリトライの回数は、誤り訂正符号により誤り訂正処理して正しいオーディオデータDASを再生することができる程度の回数に設定され、この前提の構成では、この制限回数によりリトライを繰り返して、制限時間Tr以内で再生の処理を完了するようになされている。
【0055】
これにより再生時、編集装置1では、バッファ16cの容量を実用上充分に小さな容量Baに設定して、誤り訂正困難なビット誤りの発生を実用上充分な範囲に低減し、オーディオ信号A2を途切れることなく再生することができるようになされている。
【0056】
以上の構成において、編集装置1は(図2)、オペレータの操作により、順次入力されるビデオ信号V1及びオーディオ信号A1がハードディスクアレイ2に記録され、またこのハードディスクアレイ2に記録されたビデオ信号V2、V3及びオーディオ信号A2が再生されてモニタ3Aに表示される。さらにこのモニタ3Aの表示をモニタしてオペレータの設定した編集リストに従ってハードディスクアレイ2に記録されたビデオ信号V2、V3及びオーディオ信号A2が再生され、外部機器に出力される。
【0057】
このようにして記録再生されるビデオ信号及びオーディオ信号のうち、ビデオ信号V1〜V3は(図1)、順次入力されるビデオ信号V1がビデオデータ入出力部10のデコーダ10aにおいて、コンポーネントビデオ信号に変換された後、続くアナログディジタル変換回路10bによりディジタルビデオ信号DV1に変換される。このディジタルビデオ信号DV1は、続くビデオデータ処理部11の圧縮回路11aにおいてデータ圧縮されてビデオデータD1が生成され、このビデオデータD1がデータ転送速度Rv〔Mbyte/Sec〕によりバッファ11bに順次格納される。
【0058】
さらにこのビデオデータD1は、このバッファ11bよりシステムコントローラ12に入力され、このシステムコントローラ12により複数台のハードディスク13に振り分けられて記録される。このときビデオデータD1は、バッファ11bへの入力時に比して高速度のデータ転送速度Rh〔Mbyte/Sec〕により、バッファ11bがオーバーフローしないように、またバッファ11bに所定の空き容量を確保するように、バッファ11bより間欠的に読み出されて複数台のハードディスク13に記録される。
【0059】
さらに各ハードディスク13において、誤り訂正符号が付加され、リードアフターライト、誤り検出の処理により、正しく記録することができたか否か確認されて記録され、正しく記録できない場合は、所定の制限回数の範囲でリトライの処理が繰り返されて、制限時間Tr以内でハードディスク13に記録される。このときビデオデータDSは、この制限回数が、誤り訂正符号により誤り訂正処理して正しいビデオデータDSを再生することができる程度の回数に設定されていることにより、再生時における誤り訂正困難なビット誤りの発生を実用上充分な範囲に低減して、各ハードディスク13に記録される。
【0060】
このリトライの処理により、編集装置1では、リトライの処理を実行しない場合における通常の空き容量を越えて、続くビデオデータD1がバッファ11bに蓄積され、リトライの処理が完了すると、バッファ11bの空き容量が所定値になるように、この続くビデオデータD1が順次ハードディスク13に記録されることになる。このとき編集装置1は、リトライの制限回数による制限時間Tr、データ転送速度Rh、Rvに対して、バッファ11bの容量が(1)式の関係式を満足するように設定されていることにより、リトライの処理を繰り返しても、バッファ11bのオーバーフローが有効に回避される。またこのとき実用上充分に小さな容量Bによりバッファ11bを構成することができ、これによりその分簡易な構成で連続するビデオ信号を途絶えることなく記録することができる。
【0061】
これに対して再生時、ビデオデータDSは、システムコントローラ12の制御によりハードディスク13より再生され、バッファ11b、11dを介して伸長回路11c、11eに入力される。ここでビデオデータD2、D3は、データ伸長されてディジタルビデオ信号DV2、DV3が生成され、このディジタルビデオ信号DV2、DV3がアナログ信号でなるコンポジットビデオ信号V2、V3に変換されて出力される。
【0062】
このときビデオデータは、伸長回路11c、11dの処理速度に対応するデータ転送速度Rvによりバッファ11b、11dから出力されるのに対し、このデータ転送速度Rvより高速度のデータ転送速度Rh〔Mbyte/Sec〕によりバッファ11b、11dに供給される。さらにこのときビデオデータは、バッファ11b、11dがオーバーフローしないように、またバッファ11b、11dに所定値以上のビデオデータD2、D3を保持するように、間欠的にハードディスク13より再生されてバッファ11b、11dに供給される。
【0063】
また各ハードディスク13における誤り検出の処理により、正しく再生することができたか否か確認されて、正しく再生できない場合は、所定の制限回数の範囲でリトライの処理が繰り返されて、制限時間Tr以内でハードディスク13より再生される。このときビデオデータDSは、この制限回数が、誤り訂正符号により誤り訂正処理して正しいビデオデータDSを再生することができる程度の回数に設定されていることにより、誤り訂正困難なビット誤りの発生を実用上充分な範囲に低減して、各ハードディスク13より再生される。
【0064】
このリトライの処理により、編集装置1では、バッファ11b、11dに蓄積されたビデオデータD3のデータ量が、リトライの処理を実行しない場合における通常のデータ量を越えて低減し、リトライの処理が完了すると、このデータ量が所定値になるように、この続くビデオデータD1が順次ハードディスク13より再生されてバッファ11b、11dに格納されることになる。
【0065】
このとき編集装置1は、リトライの制限回数による制限時間Tr、データ転送速度Rh、Rvに対して、バッファ11b、11dの容量Bが(1)式の関係式を満足するように設定されていることにより、リトライの処理を繰り返しても、伸長回路11c、11eに対してはビデオデータD2、D3を途絶えることなく供給することができ、これによりこの編集装置1よりビデオ信号を途切れることなく出力することができる。またこのとき実用上充分に小さな容量Bによりバッファ11b、11dを構成することができ、これによりその分簡易な構成で連続するビデオ信号を途絶えることなく再生することができる。
【0066】
これに対してオーディオ信号A1は(図3)、オーディオデータ入出力部15のアナログディジタル変換回路15bによりディジタルオーディオ信号DA1に変換され、このディジタルオーディオ信号DA1が、続くオーディオデータ処理部16の圧縮回路16aにおいてデータ圧縮されてオーディオデータAD1が生成される。このオーディオデータAD1は、データ転送速度Rva〔Mbyte/Sec〕によりバッファ16bに順次格納され、このオーディオデータAD1がシステムコントローラ12を介して、オーディオ信号に割り当てられたハードディスク17に記録される。
【0067】
またこれとは逆に、ハードディスク17より再生されたオーディオデータDASは、システムコントローラ12を介して、バッファ16eに格納され、続く伸長回路16dによりデータ伸長され、オーディオデータ入出力部15よりアナログ信号に変換されて出力される。
【0068】
このバッファ16b及び16cの入出力において、編集装置1は、ビデオデータの場合と同様に、ハードディスク17のリトライ時間がリトライの回数により制限され、この制限の範囲で(2)式の関係式を満足するのに充分な容量にバッファ16b及び16cの容量が設定されていることにより、実用上充分に小さな容量Bによりバッファ16c、16dを構成して、連続するオーディオ信号を途切れることなく記録再生することができる。
【0069】
以上の構成によれば、ハードディスク13、17のリトライ時間をリトライの回数により制限し、この制限の時間に対応するビデオデータ、オーディオデータを蓄積可能にバッファ11b、11d、16b、16cの容量を設定することにより、実用上充分に小さな容量Bによりバッファ11b、11d、16b、16cを構成して、連続するビデオ信号、オーディオ信号を途切れることなく記録再生することができる。従ってその分、全体として簡易な構成で、ビデオ信号及びオーディオ信号を記録再生することができる。
【0070】
なお上述の前提の構成においては、ハードディスク13、17のリトライ時間をリトライの制限回数により制限する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、時間管理により直接リトライの時間を制限してもよい。
【0071】
また上述の前提の構成においては、誤り訂正処理により正しいデータを再生できる程度にリトライの制限時間を設定する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じてこのリトライの制限時間を種々に設定する場合に広く適用することができる。すなわち誤り訂正困難なビット誤りについても、補間処理等により実用上充分な程度にデータ修復できる場合もあり、このような場合には、さらにリトライの制限時間を短縮することができる。
【0072】
なお上述の前提の構成においては、事前に設定したリトライの回数によりリトライの制限時間を設定する場合について述べたが、本発明の実施の形態は、このリトライの制限時間を可変する。すなわち一旦リトライの処理を実行した後においては、バッファの内容がビデオデータ等により満たされるまでに、T=B/(Rh−Rv)の時間Tを要することになる。従ってこの時間Tの間については、制限時間Tr及びTraに代えて、この時間Tによりリトライの時間を制限して、この時間Tの間におけるビデオデータ等の連続性を確保することができる。
【0073】
【数3】
【0074】
の時間Tを要することになる。従ってこの時間Tの間については、制限時間Tr及びTraに代えて、この時間Tによりリトライの時間を制限して、この時間Tの間におけるビデオデータ等の連続性を確保することができる。
【0075】
また上述の実施の形態においては、ビデオ信号及びオーディオ信号を処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ビデオ信号、オーディオ信号をそれぞれ個別に記録再生する種々のハードディスク装置に広く適用することができる。
【0076】
さらに上述の実施の形態においては、ハードディスク装置によりビデオ信号及びオーディオ信号でなる情報信号を記録再生する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光ディスク等、種々のディスク状記録媒体にビデオ信号、オーディオ信号でなる情報信号を記録し、又は再生する場合に広く適用することができる。
【0077】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、所定の制限時間の範囲で情報信号の記録再生をリトライすると共に、この制限時間に対応する情報信号を蓄積可能にバッファメモリの容量を設定することにより、実用上充分に小さな容量によりバッファメモリを構成して、連続する情報信号を途切れることなく記録再生することができ、その分全体として簡易な構成で、連続する情報信号を記録再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の前提の構成に係る編集装置に適用されるハードディスクアレイのビデオ信号系を示すブロック図である。
【図2】 図1の編集装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】 図1のハードディスクアレイのオーディオ信号系を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……編集装置、2……ハードディスクアレイ、3……コントローラ、10……ビデオデータ入出力部、11……ビデオデータ処理部、12……システムコントローラ、13、17……ハードディスク装置、15……オーディオデータ入出力部、16……オーディオデータ処理部、11a、16a……圧縮回路、11c、11e、16d……伸長回路、11b、11d、16b、16c……バッファ
Claims (1)
- 所定のバッファメモリを介して、データ圧縮した情報信号をディスク状記録媒体に記録再生するディスク装置において、
前記ディスク状記録媒体に対して前記情報信号を正しく記録再生することが困難な場合、所定の制限時間の範囲で、前記情報信号の記録再生をリトライし、
前記バッファメモリは、
前記制限時間に対応する前記情報信号を蓄積可能に、容量が設定され、
前記リトライを実行した後は、前記情報信号の入出力に係るデータ転送速度の差で前記バッファメモリの容量を割り算した時間の間、前記制限時間の可変により、前記情報信号の連続性を確保する
ことを特徴とするディスク装置。
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