JP3772925B2 - ペースト塗布装置およびペースト塗布方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート面にペーストを塗布するペースト塗布装置およびペースト塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行する金属箔等のシートの両面に連続してペーストを塗布する装置としては、特開平1−194265号公報で開示されているドクターブレードや、特開平3−72976号公報で開示されているダイコータを用いた装置が知られている。しかし、これらの装置では、塗布時にシートの走行位置が安定しないため、両面の塗膜の塗布厚さの厚み差が大きくなる問題があった。
【0003】
そこで、特開平8−99056号公報や特開平3−89969号公報で開示されているように、ペーストの吐出口の上流側をシートに向けて突出させた先端ガイドを形成することにより、シートの走行位置を安定させてペーストを塗布する装置が知られている。これらの装置を用いることにより、シートにペーストを一定の厚さで塗布することができる。
【0004】
しかし、これらの装置では、吐出口の上流側の先端ガイド部とシートとの間の隙間にペーストの一部が押し出されその先端ガイド部表面に少しづづ乾燥堆積し、そこにペーストに含有されている固体粒子が介在してシートを圧迫するようになる。そしてシートがこの圧迫力を受けてシートの走行が不安定になり、シートに一定の厚さで安定して塗布材を塗布することが困難となる。さらにこの圧迫力が強いと、シートが切れてしまうことがある。
【0005】
また、ペーストがこの隙間に多量に乾燥堆積する前に、シートの走行を止めて乾燥したペーストを除く必要が生じ、このように塗布を中断してペーストを除去することは生産効率を低下させる要因にもなっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、先端ガイド部とシートとの間の隙間にペーストが乾燥堆積しても、シートの走行が不安定になったり、あるいはシートが途中で切れてしまうことがなく、走行する金属箔等のシートに安定して一定の厚さで連続してペーストを塗布することができる塗布装置を提供すること、および塗布方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、先端ガイドの表面部を合成樹脂で形成することにより、この表面部にペーストが乾燥堆積してもシートの走行が不安定になったり、あるいはシートが途中で切れてしまうことがなく、安定して一定の厚さで連続してペーストを塗布することができることを見出し、本発明に至ったものである。
【0008】
即ち、本発明のペースト塗布装置は、シート送り装置により連続的に送られてペーストが塗布されるシートの少なくとも一方のシート面に対向して配設され、該シート面に開口する吐出口と、該吐出口の下流側の端部を区画し、該シート面と略平行に延び塗布されて形成される塗布表面を形成する塗膜形成先端部と、該吐出口の上流側に位置するとともに該塗膜形成先端部よりさらに該シート面側に突出した先端ガイド部とをもつ塗布手段を具備するペースト塗布装置であって、該先端ガイド部を形成する表面部は前記シートより弾性率の低い材料で形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のペースト塗布方法は、シート送り装置により連続的に送られてペーストが塗布されるシートの少なくとも一方のシート面に対向して配設され、該シート面に開口する吐出口と、該吐出口の下流側の端部を区画し、該シート面と略平行に延び塗布されて形成される塗布表面を形成する塗膜形成先端部と、該吐出口の上流側に位置するとともに該塗膜形成先端部よりさらに該シート面側に突出した先端ガイド部とをもつ塗布手段を具備するペースト塗布装置を用いて前記シートに前記ペーストを塗布する方法であって、該先端ガイド部を形成する表面部は前記シートより弾性率の低い材料で形成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のペースト塗布装置、および本発明のペースト塗布方法で用いるペースト塗布装置は、吐出口と塗膜形成先端部と先端ガイド部とを有する塗布手段を持つ。
塗布手段は、シート送り装置により連続的に送られてペーストが塗布されるシートのシート面に対向して配設される。この塗布手段は吐出口と塗膜形成先端部と先端ガイド部とを有する。先端ガイド部は吐出口の上流側に位置し、シートを案内するとともに吐出口より吐出されるペーストが上流側に移動するのを阻止する。塗膜形成先端部は対向するシート面との間にペーストを導き、シート面にペーストを付着させるとともに塗布されたペーストの表面を規制し、所定厚さのペースト塗布膜を形成する。
【0011】
吐出口はシートの送られる方向と直角方向に延びるスリット状で、スリットの長さは塗布される幅と対応している。この吐出口を形成するスリットの長さ、幅等の寸法は特に限定されるものではなく、ペーストの塗布面積、塗膜厚さ等に応じて任意に選択することができる。
また先端ガイド部は、吐出口上流側に位置するとともに該塗膜形成先端部よりさらに該シート面側に突出している。このさらに突出することでペーストの逆流を阻止する。この先端ガイド部の大きさ、形状等は特に限定されるものではなく、吐出口およびシートの大きさ、形状等に応じて任意に選択することができる。また、突出長さについても特に限定されるものではなく、塗布膜厚あるいは塗料の性状等に応じて任意に選択することができる。
【0012】
本発明のペースト塗布装置では、この先端ガイド部の先端面を区画する表面部がシートより弾性率の低い材料で形成されている。この弾性率の低い材料として有機高分子物質が好ましい。有機高分子物質としては、ポリイミド、ポリエステル、フッ素テフロン、ポリエチレン、エチレンプロピレン、ポリプロピレン、シリコン等を挙げることができる。
【0013】
この表面部を固定保持する基材部としては、吐出口から安定してペーストを吐出するため剛性のある材料からなることが望ましく、金属、セラミック等を用いることができるが、コストの面などから通常、金属が用いられる。
対向する前記塗布手段の該所定間隔は前記シート厚さの3倍以内であることが望ましい。これにより、シートの走行がさらに安定なものとなり、シートのたわみを抑制することができる。また、シートより弾性率の低い材料で形成されている表面部での圧迫力の吸収が効果的になされる。
【0014】
なお、塗布手段はシートに対して両面に対向して配設してもよいし、片面だけに対向して配設してもよい。塗布手段がシートの片面だけに対向して配設される場合、塗布手段の反対側にシートを支持する支持体等を配設する必要がある。これによりシートが確実に案内される。この支持体としては回転するロールを用い、ロールの外周面上にシートを載せて案内することができる。
【0015】
シートの両面にペーストを塗布する場合、塗布手段はシートの両面に対向配置される。この場合両側の塗布手段の先端ガイド部を共にシートに当接させると、シートは両面から先端ガイド部の表面部で挟持されることになり、両面からの先端ガイド部の圧迫力によりシートの走行が不安定になったり、シートより弾性率の低い材料で形成されている表面部での圧迫力の吸収が効果的に得られなくなったりする。このため、両面から先端ガイド部の表面部をシートに当接させて塗布することは好ましくない。
【0016】
また、互いに対向する先端ガイド部の表面部の間隙がシートの厚さの3倍を超えた間隔をあけて配設されると、シートの走行位置が安定せず、一定の厚さで塗布できなくなる。
またシートの片面だけにペーストを塗布する場合においても、先端ガイド部と支持体とを両面からシートに当接させて塗布すると、前記と同様の理由により、シートの走行が不安定になったり、圧迫力の吸収が効果的に得られなくなる。このため、先端ガイド部と支持体とを両面からシートに当接させて塗布することは好ましくない。逆に先端ガイド部と支持体との間隙が3倍を超えた間隔をあけて配設されると、シートの走行位置が安定せず、一定の厚さで塗布できなくなる。
【0017】
このときペーストの塗布は、吐出口よりペーストを連続して供給することによりシートに連続して塗布でき、吐出口のペーストの供給を止めることによりその部分のシートの塗布を止め、シートに所定間隔を隔ててペーストを塗布できる。
シート送り装置としては、通常の駆動ローラ装置を使用できる。すなわち、一方のローラにペーストが塗布されるシートを巻付け、このローラより一定の速度でシートを供給し、他方のローラでシートを巻き取る。この一対のローラは、コントローラで制御し、シートの送り速度を一定にするとともにシートの張力を常に一定にするように管理することが好ましい。
【0018】
なお、一対のローラ間に前記した塗布手段が配置される。また、通常塗布されたペーストを乾燥させるために塗布手段の下流側に乾燥装置が配置され、輻射熱等で塗布されたペーストが加熱乾燥され、巻取りローラに巻き取られる。
ペーストとしては微粉末が液体に分散したものであれば、特に種類を問わない。特に、本発明の塗布装置は、微粒子として0.5〜300μm程度の微粒子が分散したペーストの塗布に優れている。
【0019】
【作用】
本発明のペースト塗布装置、および本発明のペースト塗布方法で用いるペースト塗布装置は、シート送り装置により連続的に送られるシートのシート面に対向してその塗布手段が配設され、その塗布手段の吐出口より所定量のペーストが吐出される。吐出されたペーストは吐出口とシート面との間の空間を満たす。ペーストは上流側に対しては先端ガイド部およびシートの送りにより阻止されるが、極一部のペーストが先端ガイド部のシート対向面に押しだされる。一方、下流側は、塗膜形成先端部とシート面との間に所定間隙が形成され、吐出されたペーストはこの間隙に供給されでシート面に塗布される。塗布されたペーストは塗膜形成先端部でその表面が規制され、幅方向に一定の厚さとなってシート面に帯状に均一に塗布される。
【0020】
先端ガイド部のシート対向面に極僅かに押しだされるペーストは、徐々に乾燥して固くなりシート面に向かって成長する。そしてシート面との間隙が狭まり、ペーストを構成する微粒子がこの間隙に押し出され、瞬間的にこの間隙に詰まる。本発明では、先端ガイド部の表面部がシートよりも弾性率の低い材料からなるため、この詰まりが生じ、シートと先端ガイド部が互いに遠ざかる方向に押された時は、この押圧力により先端ガイド部の弾性率の低い材料で形成されている表面部が変位し間隙を広げ間隙が詰まるのを阻止することができる。そして反発してガイド面に近接し、先端ガイド部に堆積しているペーストをシート面に瞬間的に押しつけ、堆積しているペーストをシート面で少しづつ剥ぎ取る。これにより先端ガイド部とシート面との間の自由空間が確保され、シート面には安定してペーストが塗布される。
【0021】
なお、シートの両面にペーストが塗布される場合で、シートより弾性率の低い材料で形成されている表面部がシートの片面側にしか採用されていない場合も、表面部の作用は同じで、表面部の変位によりシートが表面部側に変位し、間隙を僅かに広げて反対側の先端ガイド部とシート面との間の間隙が詰まるのを防ぐ。そして表面部の反発によりシート面を先端ガイド部に堆積しているペーストに瞬間的に押しつけ、堆積しているペーストをシート面で少しづつ剥ぎ取る。これにより先端ガイド部とシート面との間の自由空間が確保され、シート面には安定してペーストが塗布される。
【0022】
このため、シートの走行が不安定になったり、あるいはシートが途中で切れてしまうことを防ぐことができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に、本実施例のペースト塗布装置の全体概念図を示す。この塗布装置はシート1の両面にペーストを塗布するもので、それぞれホース21で連結されたペーストタンク22、ペースト送りポンプ23および上側吐出ダイ24、下側吐出ダイ25を持つ塗布装置20と、アンワインダ31、ワインダ32および複数のローラ33よりなるシート送り装置30と、乾燥炉40とからなる。
【0024】
シート1はアンワインダ31に巻き付けられており、このアンワインダ31より送り出され、ローラ33でガイドされ他のローラ33に送られ、最後にワインダ32に巻き取られる。一対のローラ33間の上流側より吐出ダイ24、25、および乾燥炉40が配置され、シート1は乾燥炉40を通るようになっている。
上側吐出ダイ24はその斜視図を図2に示すように、上流側ダイ部241、下流側ダイ部242と、上流側ダイ部241および下流側ダイ部242を一体的に固定する一対の側面板243、244とをもつ。これら側面板243、244にはそれぞれ固定ピン243a、244aが設けられ、図示しないフレームに取りつけられている。下側吐出ダイ25も同じ構成を持つ。
【0025】
拡大要部断面を図3に示すように、上側吐出ダイ24および下側吐出ダイ25は、それぞれ幅180mm、高さ160mm、厚さ約150mmで、上流側ダイ部241、251と下流側ダイ部242、252のそれぞれの合わせ面側の下側にはスリツト状の吐出通路24a、25aが形成され、端部に吐出口24b、25bが開口している。吐出ダイ24の吐出通路24aは図2に示す供給口24cに連通している。
【0026】
上側吐出ダイ24の上流側ダイ部241は、下端が突出した先端ガイド部241cの一部と一体的に形成された金属製の基部241dと先端ガイド部241cの表面部241eを形成するポリイミドフイルムで構成されている。表面部241eを形成するポリイミドフイルムは65μmの厚さで、粘着剤により接合されている。なお、先端ガイド部241cの下端面のシート移動方向の幅は2mmに形成されている。
【0027】
上側吐出ダイ24の下流側ダイ部242は、下端が突出した塗膜形成先端部242cと一体的に形成された金属製の基部242dとからなる。この塗膜形成先端部242cの下端と先端ガイド部241cの下端とは同一面上に形成され、表面部241eの厚さだけ段差を有する。なお、塗膜形成先端部242cの下端面のシート移動方向の幅は2mmに形成されている。
【0028】
下側吐出ダイ25の上流側ダイ部251は、上端が突出した先端ガイド部251cの一部と一体的に形成された金属製の基部251dと先端ガイド部251cの表面部251eを形成するポリイミドフイルムで構成されている。表面部251eを形成するポリイミドフイルムは65μmの厚さで、粘着剤により接合されている。なお、先端ガイド部251cの上端面のシート移動方向の幅は2mmに形成されている。
【0029】
下側吐出ダイ25の下流側ダイ部252は、上端が突出した塗膜形成先端部252cと一体的に形成された金属製の基部252dとからなる。この塗膜形成先端部252cの上端は先端ガイド部251cの上端より所定量だけ下方に位置している。なお、塗膜形成先端部252cの上端面のシート移動方向の幅は2mmに形成されている。
【0030】
上側吐出ダイ24、下側吐出ダイ25およびシート1の位置関係は、図3に示すように、シート1の上面と塗膜形成先端部242cの下端面との間隙は95μmに、シート1の上面と先端ガイド部241cの表面部241eの下端面との間隙は30μmに、シート1の下面と塗膜形成先端部252cの下端面との間隙は95μmに、シート1の下面と先端ガイド部251cの表面部251eの上端面との間隙はほぼ0μmに、それぞれ調節されている。なお、シート1は銅箔でその厚さは18μmである。これにより両表面部241e、251e間の間隙は48μmとなった。
【0031】
この状態で平均粒径約10μmの無機粉末を含むペーストをシート1の両面に塗布した。これによりシート1の上下の両面に均一な約100μmの厚さが均一な塗膜を安定して形成でき、塗膜厚さの脈動的な変化あるいはシート1の破断等の不都合は見られなかった。
本実施例のペースト塗布装置20を用い、両表面部241e、251e間の間隙を変え、表面部間の間隙と得られる塗膜の均一性を調べた。この結果を図4に示す。図4より明らかなように、表面部間がシートの厚さの3倍以内で均一な塗膜が得られることがわかる。
(実施例2)
本実施例の塗布装置50の要部断面を図5に示す。この実施例ではその上側吐出ダイ51の上流側ダイ部511として下端が突出した先端ガイド部511cと基部511dとを金属で一体的に形成したものを使用した。また、上側吐出ダイ51の下流側ダイ部512は、下端が突出した塗膜形成先端部512cと一体的に形成された金属製の基部512dとからなる。この塗膜形成先端部512cの下端は先端ガイド部511cの上端より所定量だけ上方に位置している。なお、塗膜形成先端部512cの下端面のシート移動方向の幅は2mmに形成されている。
【0032】
下側吐出ダイ52は実施例1の下側吐出ダイ25と同一のものを使用した。すなわち、下側吐出ダイ52の上流側ダイ部521は、上端が突出した先端ガイド部521cの一部と一体的に形成された金属製の基部521dと先端ガイド部521cの表面部521eを形成するポリイミドフイルムで構成されている。また、下側吐出ダイ52の下流側ダイ部522は、上端が突出した塗膜形成先端部522cと一体的に形成された金属製の基部522dとからなる。この塗膜形成先端部522cの上端は先端ガイド部521cの上端より30μmだけ下方に位置している。なお、塗膜形成先端部522cの上端面のシート移動方向の幅は2mmに形成されている。
【0033】
この実施例の塗布装置50を用いて実施例とおなじペーストを塗布し、シート1の両面に厚さが均一な塗膜を安定して形成でき、塗膜厚さの脈動的な変化あるいはシート1の破断等の不都合は見られなかった。
この実施例2のペースト塗布装置50によりポリイミドフイルムで形成された表面部521eを下側吐出ダイ52の上流側ダイ部521のみに設けるだけでも均一で安定した塗膜形成ができることが明らかになった。
(実施例3)
本実施例の塗布装置60の要部断面を図6に示す。この実施例ではその上側吐出ダイ61として実施例1の上側吐出ダイ24と同一のものを使用した。すなわち、上側吐出ダイ61の上流側ダイ部611は、下端が突出した先端ガイド部611cの一部と一体的に形成された金属製の基部611dと先端ガイド部611cの表面部611eを形成するポリイミドフイルムで構成されている。また、上側吐出ダイ61の下流側ダイ部612は、下端が突出した塗膜形成先端部612cと一体的に形成された金属製の基部612dとからなる。この塗膜形成先端部612cの下端と先端ガイド部611cの下端とは同一面上に形成され、表面部611eの厚さだけ段差を有する。なお、塗膜形成先端部612cの下端面のシート移動方向の幅は2mmに形成されている。
【0034】
また、下側吐出ダイ62の上流側ダイ部621として上端が突出した先端ガイド部621cと基部621dとを金属で一体的に形成したものを使用した。また、下側吐出ダイ62の下流側ダイ部622は、上端が突出した塗膜形成先端部622cと一体的に形成された金属製の基部622dとからなる。この塗膜形成先端部622cの上端は先端ガイド部621cの上端より95μmだけ下方に位置している。なお、塗膜形成先端部622cの下端面のシート移動方向の幅は2mmに形成されている。
【0035】
この実施例の塗布装置60を用いて実施例とおなじペーストを塗布し、シート1の両面に厚さが均一な塗膜を安定して形成でき、塗膜厚さの脈動的な変化あるいはシート1の破断等の不都合は見られなかった。
この実施例3のペースト塗布装置によりポリイミドフイルムで形成された表面部611eを上側吐出ダイ61の上流側ダイ部611のみに設けるだけでも均一で安定した塗膜形成ができることが明らかになった。
(実施例4)
本実施例の塗布装置70の要部断面を図7に示す。この実施例ではその上側吐出ダイ71の上流側ダイ部711および下側吐出ダイ72の上流側ダイ部721として、実施例1の上側吐出ダイ24の上流側ダイ部241、下側吐出ダイ25の上流側ダイ部251の上流側の角部を滑らかな曲面としたものである。このためそれら上流側ダイ部711、721の端面に貼付されて形成されるポリイミドフイルムで形成された表面部711e、721eも滑らかな曲面をもつ形状となっている。また、上側吐出ダイ71の下流側ダイ部712および下側吐出ダイ72の下流側ダイ部722として、実施例1の上側吐出ダイ24の下流側ダイ部242および下側吐出ダイ25の上流側ダイ部252をそれぞれ用いた。
【0036】
この実施例の塗布装置70を用いて実施例とおなじペーストを塗布し、シート1の両面に厚さが均一な塗膜を安定して形成でき、塗膜厚さの脈動的な変化あるいはシート1の破断等の不都合は見られなかった。
この実施例4のペースト塗布装置によりポリイミドフイルムで形成された表面部が滑らかな曲面をもつ形状となっても均一で安定した塗膜形成ができることが明らかになった。
(実施例5)
図8に、本実施例のペースト塗布装置80の要部断面図を示す。
【0037】
この塗布装置80は1個の吐出ダイ81をもち、この吐出ダイ81に対向してガイドローラ85が設けられている。そしてシート1はこのガイドローラ85の外周面に当接して下方から上方に案内される。
吐出ダイ81は上流側ダイ部811、下流側ダイ部812をもち、上流側ダイ部811は、右端が突出した先端ガイド部811cの一部と一体的に形成された金属製の基部811dと先端ガイド部811cの表面部811eを形成するポリイミドフイルムで構成されている。表面部811eを形成するポリイミドフイルムは粘着剤で接合される。
【0038】
吐出ダイ81の下流側ダイ部812は、右端が突出した塗膜形成先端部812cと一体的に形成された金属製の基部812dとからなる。この塗膜形成先端部812cの右端は先端ガイド部811cの右端よりその表面部811eの厚さだけ左方に位置している。
本実施例のペースト塗布装置80も先端ガイド部811cの表面部811eのポリイミドフイルムによりシート1の片面にペーストを均一かつ安定して塗布できる。
【0039】
【発明の効果】
本発明のペースト塗布装置を用いるか、もしくは本発明のペースト塗布方法によってシートにペーストを塗布することにより、シートの走行が不安定になったり、あるいはシートが途中で切れてしまうことを防ぐことができるため、走行する金属箔等のシートに安定に一定の厚さで連続してペーストを塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1で使用したペースト塗布装置の全体概念図である。
【図2】実施例1の上側吐出ダイの斜視図である。
【図3】実施例1の吐出ダイの拡大要部断面である。
【図4】実施例1のペースト塗布装置の両先端ガイド部間の間隙と得られる塗膜の均一性の関係を示す線図である。
【図5】実施例2の塗布装置の要部断面である。
【図6】実施例3の塗布装置の要部断面である。
【図7】実施例4の塗布装置の要部断面である。
【図8】実施例5の塗布装置の要部断面である。
【符号の説明】
1:シート 20、50、60、70、80:塗布装置
24、25、51、52、61、62、71、72、81:吐出ダイ
241、251、511、521、611、621、711、721、811:上流側ダイ部
242、252、512、522、612、622、712、722、812:下流側ダイ部
241c、251c、511c、521c、611c、621c、811c:先端ガイド部
242c、252c、512c、522c、612c、622c、812c:塗膜形成先端部
241e、251e、521e、611e、711e、721e、811e:表面部
24b、256b:吐出口
Claims (7)
- シート送り装置により連続的に送られてペーストが塗布されるシートの少なくとも一方のシート面に対向して配設され、該シート面に開口する吐出口と、該吐出口の下流側の端部を区画し、該シート面と略平行に延び塗布されて形成される塗布表面を形成する塗膜形成先端部と、該吐出口の上流側に位置するとともに該塗膜形成先端部よりさらに該シート面側に突出した先端ガイド部とをもつ塗布手段を具備するペースト塗布装置であって、
該先端ガイド部を形成する表面部は前記シートより弾性率の低い材料で形成されていることを特徴とするペースト塗布装置。 - 前記塗布手段は所定間隔を隔てて互いに対向する1組で構成され、前記シートはこれら塗布手段の間に連続的に供給され、前記1組の塗布手段の少なくとも一方の該塗布手段の前記先端ガイド部の前記表面部が前記シートより弾性率の低い材料で形成されており、前記シートは前記先端ガイド部の一方のみに当接しながら前記シート両面に前記ペーストが塗布されている請求項1に記載のペースト塗布装置。
- 前記弾性率の低い材料は有機高分子物質である請求項1または請求項2に記載のペースト塗布装置。
- 対向する前記塗布手段の該所定間隔は前記シート厚さの3倍以内である請求項2に記載のペースト塗布装置。
- シート送り装置により連続的に送られてペーストが塗布されるシートの少なくとも一方のシート面に対向して配設され、該シート面に開口する吐出口と、該吐出口の下流側の端部を区画し、該シート面と略平行に延び塗布されて形成される塗布表面を形成する塗膜形成先端部と、該吐出口の上流側に位置するとともに該塗膜形成先端部よりさらに該シート面側に突出した先端ガイド部とをもつ塗布手段を具備するペースト塗布装置を用いて前記シートに前記ペーストを塗布する方法であって、
該先端ガイド部を形成する表面部は前記シートより弾性率の低い材料で形成されていることを特徴とするペースト塗布方法。 - 前記塗布手段は所定間隔を隔てて互いに対向する1組で構成され、前記シートはこれら塗布手段の間に連続的に供給され、前記1組の塗布手段の少なくとも一方の該塗布手段の前記先端ガイド部の前記表面部が前記シートより弾性率の低い材料で形成されており、前記シートは前記先端ガイド部の一方のみに当接しながら前記シート両面に前記ペーストが塗布されている請求項5に記載のペースト塗布方法。
- 対向する前記塗布手段の該所定間隔は前記シート厚さの3倍以内である請求項6に記載のペースト塗布方法。
Priority Applications (1)
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JP28238696A JP3772925B2 (ja) | 1996-10-24 | 1996-10-24 | ペースト塗布装置およびペースト塗布方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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- 1996-10-24 JP JP28238696A patent/JP3772925B2/ja not_active Expired - Lifetime
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