JP3772914B2 - Pdpにおける蛍光体層の形成方法 - Google Patents
Pdpにおける蛍光体層の形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3772914B2 JP3772914B2 JP09211895A JP9211895A JP3772914B2 JP 3772914 B2 JP3772914 B2 JP 3772914B2 JP 09211895 A JP09211895 A JP 09211895A JP 9211895 A JP9211895 A JP 9211895A JP 3772914 B2 JP3772914 B2 JP 3772914B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phosphor
- pdp
- phosphor layer
- particles
- hexagonal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、PDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイパネル)を製造するための蛍光体層の形成方法に関する。
【0002】
PDPは、高速表示の可能な薄型表示デバイスであり、ハイビジョン用の大型カラー表示デバイスとして注目されている。PDPの市場が拡がるにつれて、高品質のPDPを製造する技術の重要性が増している。
【0003】
【従来の技術】
PDPは、放電空間を挟んで対向する一対の基板(通常はガラス板)を基体とする構造の表示パネルである。PDPでは、放電空間に紫外線励起型の蛍光体層を設けることにより、放電ガスの発光色と異なる色の表示が可能となる。
【0004】
フルカラー表示を行うPDPは、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の蛍光体層を有している。通常、これらの蛍光体層は、蛍光体粒子を主成分とする蛍光体ペーストを各色毎に順にスクリーン印刷法によって塗布し、乾燥後に一括して焼成する手法を用いて形成される。なお、蛍光体粒子を分散させた懸濁液を塗布し、蛍光体粒子を沈降により堆積させる手法(沈殿法)も知られている。
【0005】
従来において、各色の蛍光体層の形成には、材料の蛍光体粒子として、平均粒径が数μm程度のベア状の蛍光物質の粉末、又は2次電子放出を高めるためにベア状の蛍光物質を薄いMgO膜で被覆したマイクロカプセル状の蛍光物質の粉末が用いられていた。例えば、Rの蛍光物質として(Y,Gd)BO3 :Euが用いられ、Gの蛍光物質としてZn2 SiO4 :Mn又はBaAl12O19:Mnが用いられ、Bの蛍光物質として3(Ba,Mg)O・8Al2 O3 :Euが用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の蛍光体層の材料として、特にBaAl12O19:Mnなどのマンガン賦活六方晶アルミン酸バリウム(BAM系蛍光物質)を用いた場合には、スクリーン印刷法又は沈殿法のどちらを用いても、蛍光体層の厚さの均一性が他の材料の層と比べて低いという問題があった。すなわち、目視検査においても下地色の透けて見える部分の点在が認められるほどに、蛍光体層に厚さのむら及び穴が生じていた。そのため、輝度及び表示色の均一化が困難であった。また、電極上に蛍光体層を有した構造のPDPでは、駆動電圧マージンが不安定であった。
【0007】
蛍光体層が不均一になるのは、材料の蛍光体粒子が蛍光物質の結晶構造を反映した偏平状(六角板状)であるので、ペースト中又は懸濁液中で複数の蛍光体粒子が重なって2次粒子を形成し、蛍光体粒子の大きさが不規則になるためであると考えられる。
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、蛍光体層の均一性を高め、表示品質の向上を図ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の方法は、一対の基板の対向間隙に六方晶系の蛍光物質からなる蛍光体層を有したPDPの製造に際して、六方晶系の蛍光物質を混合した透光性材料体の粉砕によって得られ、六角板状の蛍光物質とその表面に外形を球形に近づけるように付着した透光性材料とからなる同一粒度の多数の蛍光体粒子を、一方の前記基板に多数付着させて前記蛍光体層を形成するものである。
【0010】
【作用】
蛍光物質を分散させた透光性材料体をミル(摩砕機)などを用いて粉砕することにより、透光性材料が付着した蛍光物質からなる略球状(板状に比べて丸みをおびた形状)の蛍光体粒子が得られる。このような形状の蛍光体粒子は、他の蛍光体粒子との接触面積が小さいので2次粒子を形成しにくい。
【0011】
【実施例】
図1は本発明を適用したPDP1の要部の分解斜視図、図2は蛍光体粒子280の模式図である。
【0012】
PDP1は、マトリクス表示の単位発光領域EUに一対の表示電極X,Yとアドレス電極Aとが対応する3電極構造の面放電型PDPであり、蛍光体の配置形態による分類の上で反射型と呼称されている。
【0013】
面放電のための表示電極X,Yは、前面側のガラス基板11の内面に設けられ、誘電体層17によって放電空間30に対して被覆されている。誘電体層17の表面には、2次電子放出係数の大きいMgOからなる数千Å程度の厚さの保護膜18が設けられている。なお、表示電極X,Yは、放電空間30の前面側に配置されることから、面放電を広範囲とし且つ表示光の遮光を最小限とするため、ネサ膜などからなる幅の広い透明導電膜41とその導電性を補う幅の狭い金属膜(バス電極)42とから構成されている。
【0014】
一方、アドレス電極Aは、単位発光領域EUを選択的に発光させるための電極であって、背面側のガラス基板21上に、表示電極X,Yと直交するように一定ピッチで配列されている。
【0015】
各アドレス電極Aの間には、200μm程度の高さを有したストライプ状の隔壁29が設けられ、これによって放電空間30がライン方向(表示電極X,Yの延長方向)に単位発光領域EU毎に区画され、且つ放電空間30の間隙寸法が規定されている。
【0016】
そして、アドレス電極Aの上面及び隔壁29の側面を含めて背面側の内壁面を被覆するように、R,G,Bの各色の蛍光体層28R,28G,28Bが設けられている。各色の蛍光体層28R,28G,28Bは、面放電時に放電空間30内の放電ガスが放つ紫外線によって励起されて発光する。
【0017】
PDP1では、1つの画素(ピクセル)EGがR,G,Bの3つの単位発光領域(サブピクセル)EUから構成されており、R,G,Bの組み合わせによるフルカラー表示が可能である。
【0018】
以上の構成のPDP1の製造に際しては、各色の蛍光体層28R,28G,28Bを、アドレス電極Aと隔壁29とをガラス基板21上に設けた後に、例えばスクリーン印刷法を用いて形成する。
【0019】
すなわち、蛍光体粒子とビヒクルとを混合した蛍光体ペーストを、隔壁29の間に落とし込むように、スクリーンマスクを用いて1色ずつ順に塗布する。このとき、各サブピクセルの塗布量を均一化するため、隔壁29の間の空隙をほぼ埋め尽くすように、蛍光体ペーストをスクリーンマスクから押し出す。ビヒクルとしては、セルロース系又はアクリル系の増粘剤樹脂と、アルコール系又はエステル系の有機溶剤との混合物を用いる。
【0020】
そして、3色の蛍光体ペーストを乾燥させて500〜600℃の温度で焼成する。これにより、ビヒクルの蒸発にともなって蛍光体ペーストの体積が減少し、背面側の内壁面を被覆する蛍光体層28R,28G,28B及び放電空間30となる空隙が形成される。
【0021】
本実施例では、R,Bの蛍光体層28R,28Bの材料として、従来と同様にベア状の蛍光体粒子を用いる。これに対して、Gの蛍光体層28Gの材料としては、図2のようにBaAl12O19:Mnなどの六方晶系の蛍光物質281を透光性材料282で被覆した蛍光体粒子280を用いる。透光性材料282は、真空紫外線及び可視光を透過する物質、例えばフッ化マグネシウム、二酸化珪素、アルミナなどである。
【0022】
蛍光体粒子280は、以下の手順で作製することができる。ここでは、透光性材料282をフッ化マグネシウム(MgF2 )とする。
まず、MgFの粉末と、500℃以下の温度で分解する増粘剤などの溶媒との混合物(ゾル)を作製する。この混合物にBaAl12O19:Mnの粉末(蛍光物質281)を添加して十分に混錬し、溶媒中に蛍光物質281を分散させる。このとき、あらかじめ分級処理又はミリング処理によって粒径を均等化した蛍光物質281を添加する。
【0023】
次に、蛍光物質281が分散したゾルを焼成し、蛍光物質281とMgFとからなる焼成体を得る。そして、その焼成体をミルを用いて粉砕するミリング処理を行い、必要に応じてふるいを用いて所定の粒度の蛍光体粒子280を得る。
【0024】
このようにして蛍光体粒子280を作製すれば、蒸着法、スパッタ法、スプレー法といったマイクロカプセル化法を用いて蛍光物質281を被覆する場合と比べて、図2のように板状の蛍光物質281の表裏面に透光性材料282を厚く付着させることができ、球形に近い形状であって大きさ(粒度)の揃った多数の蛍光体粒子280を容易に得ることができる。
【0025】
蛍光体粒子280の外面が湾曲面であれば、粒子どうしが接触したとしても接触面積が小さいので2次粒子が形成されにくい。したがって、1次粒子と2次粒子との混在に起因する蛍光体ペーストの流動障害が起こらず、上述のようにスクリーン印刷によって塗布において、塗布面に対する被覆性(いわゆる濡れ)が良好になり、蛍光体層28Gの均一性が高まる。1次粒子である個々の蛍光体粒子280自体の粒度が同一であれば、流動障害がより起きにくいので、蛍光体層28Gの均一性がさらに高まる。
【0026】
上述の実施例によれば、アドレス電極Aを被覆する蛍光体層28R,28G,28Bの厚さの均一性が高まり、アドレス電極Aによる放電の条件が均等化されるので、駆動電圧マージンが拡がる。
【0027】
上述の実施例においては、塗布によって蛍光体粒子280をガラス基板21の所定領域に付着させる例を挙げたが、沈殿法を用いて蛍光体粒子280を堆積させて蛍光体層28Gを形成する場合にも本発明を適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、蛍光体層の均一性を高めることができ、輝度むら及び色むらのない高品質の表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したPDPの要部の分解斜視図である。
【図2】蛍光体粒子の模式図である。
【符号の説明】
1 PDP
11,21 ガラス基板(基板)
281 蛍光物質
28G 蛍光体層
282 透光性材料
280 蛍光体粒子
Claims (1)
- 一対の基板の対向間隙に六方晶系の蛍光物質からなる蛍光体層を有したPDPの製造に際して、
六方晶系の蛍光物質を混合した透光性材料体の粉砕によって得られ、六角板状の蛍光物質とその表面に外形を球形に近づけるように付着した透光性材料とからなる同一粒度の多数の蛍光体粒子を、一方の前記基板に多数付着させて前記蛍光体層を形成する
ことを特徴とするPDPにおける蛍光体層の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09211895A JP3772914B2 (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | Pdpにおける蛍光体層の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09211895A JP3772914B2 (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | Pdpにおける蛍光体層の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08287829A JPH08287829A (ja) | 1996-11-01 |
JP3772914B2 true JP3772914B2 (ja) | 2006-05-10 |
Family
ID=14045528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09211895A Expired - Fee Related JP3772914B2 (ja) | 1995-04-18 | 1995-04-18 | Pdpにおける蛍光体層の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3772914B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4131139B2 (ja) * | 2002-07-30 | 2008-08-13 | 日亜化学工業株式会社 | 電子線励起ディスプレイ、及びそれに用いる赤色発光蛍光体 |
-
1995
- 1995-04-18 JP JP09211895A patent/JP3772914B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08287829A (ja) | 1996-11-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006059786A (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
KR100807942B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널과 그 제조방법 | |
JPH1083760A (ja) | 蛍光体層の形成方法及び蛍光体ペースト | |
JP3501498B2 (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
KR100990770B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널, 플라즈마 디스플레이 패널의기판 구조체 | |
KR20000009132A (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널용 격벽 제조방법 및이를 이용한 플라즈마 디스플레이 패널 소자 | |
JP3772914B2 (ja) | Pdpにおける蛍光体層の形成方法 | |
JPH0963482A (ja) | Pdpにおける蛍光体層の形成方法 | |
KR20030013990A (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널 및 그 제조방법 | |
WO2009122738A1 (ja) | プラズマディスプレイパネルの製造方法 | |
KR100823489B1 (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널 | |
JP3540051B2 (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
US6903507B2 (en) | Plasma display panel and its manufacturing method | |
JPH0831325A (ja) | 面放電型プラズマディスプレイパネル | |
JPH07245062A (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
JPH08339767A (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
JP2002075223A (ja) | 画像表示装置およびその製造方法、製造装置 | |
US20110018169A1 (en) | Method of manufacturing plasma display panel and method of producing magnesium oxide crystal powder | |
US7271539B2 (en) | Plasma display panel | |
JP5012630B2 (ja) | プラズマディスプレイパネル用金属酸化物ペースト及びプラズマディスプレイパネルの製造方法 | |
KR20010092557A (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널의 형광체 페이스트 | |
JP4386214B2 (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
JP2001135241A (ja) | ガス放電パネル及びその製造方法 | |
CN101636809B (zh) | 等离子体显示屏 | |
KR20040012433A (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널 및 그 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041116 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041228 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050720 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20050720 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050914 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050914 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051206 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20051207 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060207 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060207 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |