JP3772646B2 - 放射性廃棄物処分場の構築工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、岩盤中に造成される放射性廃棄物処分場の構築工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物は、性状が多岐に亘っていて、その処分方法も性状に応じて種々存在し実用化されている。このうち、放射性廃棄物の処分場は、例えば、地下岩盤に空洞部を形成し、形成した空洞部の内部にコンテナ容器などに収納した放射性廃棄物を貯蔵する方法が考えられており、このような処分場では、廃棄物から発生するガスを安全に透過させる高透気性と、地下水の浸入を防止できる低透水性が要求されている。
【0003】
このような要請に応える放射性廃棄物処分場の構築工法として、空洞の内面側に、ベントナイトを締め固めた膨潤性バリア層を形成し、この膨潤性バリア層の内側に放射性廃棄物を収容するコンクリート構造物を構築する方法が提案されている。
【0004】
しかしながら、このような処分場の構築工法には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、空洞の内面側に膨潤性バリア層を形成し、この膨潤性バリア層の内側にコンクリート構造物を構築する工法では、特に、コンクリート構造物の底版を膨潤性バリア層上に、直接打設形成すると、膨潤性バリア層がコンクリートの水分を吸収して膨潤するため、その上面が水平にならず不陸が発生し、要求される品質を確保することが難しく、また、コンクリート構造物の施工が困難になる場合があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、膨潤性バリア層の吸水を排除することで、要求品質を確保しつつ施工の容易性も確保できる放射性廃棄物処分場の構築工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、岩盤内に空洞部を形成し、この空洞部の内面に沿って、ベントナイトなどの膨潤性材料を締め固めた膨潤性バリア層を設け、この膨潤性バリア層の内部に、放射性廃棄物を収容するコンクリート構造物を形成する放射性廃棄物処分場の構築工法において、前記コンクリート構造物を形成する前に、前記膨潤性バリア層の表面上に、不透水性の無機材料で平板状に形成した不陸調整プレートを設置するようにした。
このように構成した放射性廃棄物処分場の構築工法によれば、膨潤性バリア層の内部にコンクリート構造物を形成する前に、膨潤性バリア層の表面上に、不透水性の無機材料で平板状に形成した不陸調整プレートを設置し、コンクリートと膨潤性バリア層とが直接接触することを防止するので、膨潤性バリア層が、コンクリート中の水分を吸収して膨潤することが回避される。
前記不陸調整プレートは、コンクリートまたはモルタルを硬化させたプレキャスト部材から構成することができる。
この構成によれば、予めプレキャスト部材として不陸調整プレートを作製することができるので、施工能率をより向上させることができる。
前記不陸調整プレートは、複数に分割形成され、前記膨潤性バリア層上に設置する際に、端部同士を相互にセメント系材料などの無機接着剤で接着することができる。
この構成によれば、大きな平面の処分場にも、比較的簡単に対応することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図6は、本発明にかかる放射性廃棄物処分場の構築工法の一実施例を示している。
【0009】
これらの図に示した構築工法は、図6にその完成状態を示す廃棄物処分場10を構築する場合の適用例である。図6に示した廃棄物処分場10は、岩盤12の地下に設けられていて、膨潤性バリア層14と、コンクリート構造物16と、不陸調整プレート18とを備えている。
【0010】
膨潤性バリア層14は、カルシウムないしはナトリウムベントナイトを所定の厚みに締め固めたものであって、透水係数が10-9〜10-10cm/sec以下で、透気係数が10-7cm/sec程度になっていて、底部14aと、側壁部14bと、上版部14cとを有している。本実施例の場合には、側壁部14bは、図6に示すように、4段状に分割して形成される。
【0011】
コンクリート構造物16は、その内部にコンテナ容器などに密封された放射性廃棄物が収容されるものであって、膨潤性バリア層14の内側にあって、底版16aと、側壁16bと、上版16cとを有している。本実施例の場合には、側壁16bは、図6に示すように、3段状に分割して形成される。
【0012】
不陸調整プレート18は、不透水性の無機材料、例えば、コンクリート,モルタル,セラミックなどの材料で、平坦面を有する薄い平板状に形成され、膨潤性バリア層14の底部14aの上面と、コンクリート構造物16の底版16aの下面との間に介装されている。
【0013】
不陸調整プレート18は、本実施例の場合には、複数のプレート片18aとして分割され、各プレート片18aは、プレキャスト部材として予め工場生産される。
【0014】
この不陸調整プレート18の分割状態を図3に示しており、本実施例の場合には、処分場10の水平断面が円形なので、不陸調整プレート18もこれに合わせた円板状に形成され、プレート片18aは、中心から半径方向に分割したほぼ同じ形状の扇形になっている。
【0015】
以上のように構成された廃棄物処分場10を構築する際には、まず、図1に示すように、岩盤12中に円筒状の空洞部20が、所要深さまで掘削形成される。
【0016】
空洞部12が形成されると、図2に示すように、その底面20aに沿って、膨潤性バリア層14の底部14aが、ベントナイトなどを締め固めて所定厚みに形成される。
【0017】
そして、このような膨潤性バリア層14の形成が終了すると、図3にも示すように、膨潤性バリア層14の底部14a上に不陸調整プレート18が設置される。
【0018】
不陸調整プレート18を設置する際には、本実施例の場合には、これが概略扇形に分割された複数枚のプレート片18aから構成されているので、プレート片18aを、図3に示すように、隣接配置して、各プレート片18a間の接合端部分を接着剤22を介して、相互に接着固定して、底部14a上を隙間なくプレート片18aで覆うようにして敷き詰める。
【0019】
この場合、プレート片18aの端部同士の接着固定に用いる接着剤22は、放射線に対する劣化および腐食の問題から、セメント系材料などの無機系接着剤を用いる必要がある。
【0020】
以上のようにして不陸調整プレート18が膨潤性バリア層14の底部14a上に設置されると、次に、図4に示すように、膨潤性バリア層14の内部にコンクリート構造物16が形成される。
【0021】
コンクリート構造物16を形成する際には、まず、その底版16aが不陸調整プレート18上に所定厚みに、円板状に形成される。底版16aの形成は、例えば、図示省略の型枠を設置して、コンクリートを打設することにより現場打設により形成される。
【0022】
そして、底版16aの形成が終了すると、底版16aの外周縁側の上部に、4段に分割されたリング状の側壁16bの最下段が一体として形成される。側壁16bの形成は、空洞部20の側面20bから所定の間隔を隔てて形成され、側壁16bの形成終了後に、この間隔内に、ベントナイトなどを充填するようにして締め固めて、4段状に分割された膨潤性バリア層14の側壁部14bの最下段が形成される。
【0023】
このような側壁16bは、底版16aと同様に、型枠を使用した現場打設により形成することもできるが、上下および周方向にそれぞれ複数に分割して、ブロック状のプレキャストコンクリート部材として予め製造したものを、構築現場でリング状に組立てもよい。
【0024】
側壁16bに、このようなプレキャストコンクリート部材を用いる場合には、部材間の連結には、上記と同様にセメント系材料などの無機系接着剤を用いる。
【0025】
次に、図5に示すように、最下段の側壁16bの上方に、2段面の側壁16bを形成し、その後に、その外側に第2段目の側壁部14bを形成し、さらに、これらの上部側に第3段目の側壁16bと側壁部14bとを形成する。
【0026】
以上のようにしてコンクリート構造物16の底版16aと側壁16bとが形成されると、その内部に放射性廃棄物を収容して、図6に示すように、コンクリート構造物16の上版16cを形成して、構造物16内を密封した後に、上版16c上に、膨潤性バリア14の上版部14cを形成し、さらに、最上段の側壁部14cを形成すると、廃棄物処分場10の構築が完了する。
【0027】
さて、以上のように構成した廃棄物処分場10の構築工法によれば、膨潤性バリア層14の内部にコンクリート構造物16を形成する前に、膨潤性バリア層14の表面上に、不透水性の無機材料で平板状に形成した不陸調整プレート18を設置し、コンクリートと膨潤性バリア層14とが直接接触することを防止するので、膨潤性バリア層14が、コンクリート中の水分を吸収して膨潤することが回避される。
【0028】
このため、膨潤性バリア層14がコンクリートの水分を吸収して膨潤することで、上面の水平性が損なわれることが排除され、要求される品質を確保することができ、また、コンクリート構造物16の施工が困難になることもなくなる。
【0029】
また、本実施例の場合には、不陸調整プレート18は、複数に分割形成され、膨潤性バリア層14上に設置する際に、端部同士を相互にセメント系材料などの無機接着剤22で接着するので、大きな平面の処分場にも、比較的簡単に対応することができる。
【0030】
なお、上記実施例では、本発明を平断面が円形の処分場に適用した場合を例示したが、本発明の実施は、これに限定されることはなく、多角形など各種形状の処分場に適用することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかる放射性廃棄物処分場の構築工法によれば、膨潤性バリア層の吸水を排除することで、要求品質を確保しつつ施工の容易性も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる放射性廃棄物処分場の構築工法の施工初期の断面説明図である。
【図2】図1に引続いて行なわれる工程の断面説明図である。
【図3】図2の上面図である。
【図4】図2に引続いて行なわれる工程の断面説明図である。
【図5】図4に引続いて行なわれる工程の断面説明図である。
【図6】図5に引続いて行なわれる工程の断面説明図である。
【符号の説明】
10 廃棄物処分場
12 岩盤
14 膨潤性バリア層
14a 底部
14b 側壁部
14c 上版部
16 コンクリート構造物
16a 底版
16b 側壁
16c 上版
20 空洞部
22 接着剤
Claims (3)
- 岩盤内に空洞部を形成し、この空洞部の内面に沿って、ベントナイトなどの膨潤性材料を締め固めた膨潤性バリア層を設け、この膨潤性バリア層の内部に、放射性廃棄物を収容するコンクリート構造物を形成する放射性廃棄物処分場の構築工法において、
前記コンクリート構造物を形成する前に、前記膨潤性バリア層の表面上に、不透水性の無機材料で平板状に形成した不陸調整プレートを設置することを特徴とする放射性廃棄物処分場の構築工法。 - 前記不陸調整プレートは、コンクリートまたはモルタルを硬化させたプレキャスト部材から構成されることを特徴とする請求項1記載の放射性廃棄物処分場の構築工法。
- 前記不陸調整プレートは、複数に分割形成され、前記膨潤性バリア層上に設置する際に、端部同士を相互にセメント系材料などの無機接着剤で接着することを特徴とする請求項1または2記載の放射性廃棄物処分場の構築工法。
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