JP3771868B2 - 杭基礎および杭基礎施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は杭基礎および杭基礎施工方法に関し、特に水底地盤上に構築される橋梁基礎に用いる杭基礎および杭基礎施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は橋梁における杭基礎10を示す斜視図であり、この杭基礎10は、従来の剛構造であるケーソン式基礎とは異なり、橋梁の主要部を構成する主塔1と、その下部を囲むように設けられたジャケットレグ2とを備えたジャケット型基礎3が水底地盤4上に据え付けられ、このジャケットレグ2の複数のレグ5,5,・・・をガイドとして複数の杭(たとえば鋼管杭)6,6,・・・が水底地盤4に打設して構成されたものである。
この橋梁における杭基礎10では、杭6を打設する際の杭6とレグ5との接合部におけるシール性(止水性)が重要になる。
というのは、作業者が杭6の切断作業や、プラグ溶接作業のためにこのレグ5内に入らなければならないからである。
【0003】
図9は、従来の杭基礎10の杭6とレグ5との接合部を示す断面図であり、杭6とレグ5の下端との間にゴムシール材7が装着され、前記レグ5のゴムシール材7よりわずかに上方の位置にはグラウト圧送管8が設けられている。そして、このグラウト圧送管8により杭6とレグ5との隙間に所定の高さまでグラウト9が注入されている。この接合部においては、ゴムシール材7により杭6とレグ5との接合部を止水するとともに、グラウト9注入時の漏洩防止を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の杭6とレグ5との接合部においては、ゴムシール材7により止水およびグラウト9注入時の漏洩防止を図っているが、ゴムシール材7は硬質ゴム等により構成されているために、杭6を打ち込む際の衝撃により摩耗等が生じやすく、シール材としての耐久性が不十分で、十分な止水性が得られないという問題点があった。
【0005】
また、この杭6とレグ5との接合部が水面下に位置した場合においては、ゴムシール材7ではシール材としての耐久性が不十分で、十分な止水性が得られないために、グラウト9を注入する際の止水性が不十分でグラウト9が漏洩してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、杭とレグとの接合部における止水性を向上させることができ、グラウト注入時におけるグラウトの漏洩を防止することができる杭基礎および杭基礎施工方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の杭基礎および杭基礎施工方法では、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の杭基礎によれば、筒状のレグと、該レグに挿通される杭との間の接合部に装着され、弾性を有するとともに環状に形成されており、かつその外側端部が前記レグの内周面と接して設けられている少なくとも1つのシール部材と、前記シール部材の内部に形成された充填材室と連通するとともに、該充填材室に充填材を充填するための充填材圧送管と、を具備し、前記シール部材の、前記杭が挿入されてくる側には、フラッシング手段が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この杭基礎においては、充填材圧送管を介して充填材室に充填材が充填されると、シール部材の内側端部が杭の外周面と接するようになる。
また、この杭基礎においては、シール部材と杭の外周面との当接する部位がフラッシング手段によりフラッシング(洗浄)されることとなる。
【0011】
請求項記載の杭基礎によれば、請求項1に記載の杭基礎において、前記シール部材の、前記杭が挿入されてくる側には、少なくとも1つの環状リブが設けられており、該リブの上面には、挿入されてくる前記杭の先端を前記レグの中心軸線の側に導くように傾斜させられた傾斜面が設けられていることを特徴とする。
【0012】
この杭基礎においては、挿入されてきた杭の先端がリブの上面に設けられた傾斜面に沿ってレグの中心軸線の側に導かれるようになっている。
【0013】
請求項記載の杭基礎によれば、請求項に記載の杭基礎において、前記リブの半径方向の厚さは、前記充填室内に前記充填材が充填される前の前記シール部材の半径方向の厚さよりも厚いことを特徴とする。
【0014】
この杭基礎においては、杭が挿入される側から見て、シール部材がレグの背面側に配置されることとなる。
【0015】
請求項記載の杭基礎によれば、請求項またはに記載の杭基礎において、前記シール部材は、前記リブにより前記レグの内周面に固定されていることを特徴とする。
【0016】
この杭基礎においては、シール部材が、たとえばレグの内周面に溶接固定(あるいは接着固定)されたリブにより固定されることとなる。
【0017】
請求項記載の杭基礎施工方法によれば、筒状のレグと、該レグに挿通される杭との間の接合部に装着され、弾性を有するとともに環状に形成されており、かつその外側端部が前記レグの内周面と接して設けられ、内部に充填材室を有する少なくとも1つのシール部材を具備する杭基礎を施工する際の杭基礎施工方法であって、前記シール部材の、前記杭が挿入されてくる側に設けられたフラッシング手段により、前記シール部材の表面に付着した不純物を除去する段階と、前記充填材室に充填材を充填する段階と、前記シール部材のうち最も上方に位置するものよりも上方に存在していた水を排出する段階と、を具備していることを特徴とする。
【0018】
この杭基礎施工方法においては、充填材圧送管を介して充填材室に充填材を充填して、シール部材の内側端部が杭の外周面と当接させた後、シール部材のうち最も上方に位置するものよりも上方に存在していた水を排出する。
また、この杭基礎においては、シール部材と杭の外周面との当接する部位がフラッシング手段によりフラッシング(洗浄)されることとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1を参照しながら説明する。なお、従来と同一の部材には同一の符号を付している。
図1は本発明による杭基礎100のレグ5と杭(たとえば鋼管杭)6との間の接合部を示す側断面である。
【0020】
図1に示すように、杭基礎100は、レグ5と、杭6と、たとえば2つのシール部材11,12と、充填材圧送管13とを主たる要素として構成されたものである。
【0021】
シール部材11,12は、たとえば硬質ゴムからなるインフレタブルシールと呼ばれる、内部に充填材室11a,12aが形成されたチューブ状のものである。
これらシール部材11,12は、レグ5の内周面5aに沿って環状に配置されるものであり、たとえばボルトナットなどの締結部材を介してレグ5の内周面5aに固定されている。
また、これらシール部材11,12は、その外側端部(レグ側端部)がレグ5の内周面5aに密着するように固定されている。
【0022】
充填材圧送管13は、充填材注入用ポンプ20と、シール部材11,12の内部に形成された充填材室11a,12aとを連通するとともに、充填材注入用ポンプ20から吐出されてきた充填材を充填材室11a,12a内に導くためのものである。この場合の充填材としては、たとえば空気、水、モルタル、グリースなどといったものがある。
図1に示すように、充填材圧送管13の一端は充填材注入用ポンプ20に接続されているとともに、その他端はシール部材11,12が位置するところのレグ5に接続されている。
【0023】
このような構成により、充填材圧送管13を介して充填材室11a,12a内に充填材が充填されていくと、図1に破線で示すように、シール部材11,12がそれぞれ膨出し、これらシール部材11,12の内側端部(杭側端部)が杭6の外周面6aと密着(あるいは当接)することとなる。
【0024】
つぎに、この杭基礎100を施工する際の杭基礎施工方法について説明する。
まず、予めシール部材11,12を、レグ5の内周面5aの接合部に当たる部分に装着しておく。
ついで、レグ5をガイドとして杭6をこのレグ5に挿入する。
【0025】
つづいて、この杭6を水底地盤に打設する。打設完了後、充填材圧送管13を介して充填材注入用ポンプ20から充填材室11a,12a内に充填材を圧送し、シール部材11,12をそれぞれ杭6に向かって膨出させる。
そして、これらシール部材11,12の内側端部がそれぞれ杭6の外周面6aと密着すれば、止水が完全に行われたことになる。
【0026】
そしてつぎに、上側(杭6が挿入されてくる側)に位置するシール部材11よりも上方で、かつレグ5の内周面5aと杭6の外周面6aとの間に介在している水を、たとえば汲み上げポンプ(図示せず)およびこの汲み上げポンプに接続されたホース(図示せず)などを用いて外部に排出する。
【0027】
そして、上側に位置するシール部材11よりも上の位置で杭を切断し、その位置に荷重伝達用のプラグを溶接施工した後、レグ5と杭6との隙間に所定高さまでグラウトを注入する。
【0028】
このような杭基礎100および杭基礎施工方法によれば、シール部材11,12のそれぞれの弾性、および充填材室11a,12a内に充填された充填材により膨出するシール部材11,12の内側端部がそれぞれ杭6の外周面6aと密着することにより、止水性を格段に向上させることができる。したがって、シール部材11,12によりグラウトの漏洩が防止されるので、グラウトが外部に漏洩するおそれがない。
【0029】
また、図1に示すように、上側に位置するシール部材11の上方で、かつレグ5の内周面5aに、環状のリブ30が設けられていれば有利である。
このリブ30の半径方向(レグ5の中心軸線Cに対して直交する方向)の厚さt1は、充填材室11a,12a内に充填材が充填される前のシール部材11,12の半径方向の厚さt2よりも厚くなるように構成されている。
また、リブ30の上面30aは、挿入されてくる杭6の先端を、レグ5の中心軸線Cの側に案内する傾斜面とされている。
【0030】
このように、上側から見てリブ30の裏側(下側)にシール部材11,12が完全に隠れるように配置されることとなり、杭6がレグ5内に挿入されてきても杭6の先端がシール部材11,12に当たらなくなるので、杭6によるシール部材11,12の損傷を防止することができる。
また、傾斜面により杭6がレグ5の略中心に案内されることとなるので、レグ5の内周面5aと杭6の外周面6aとの隙間を略均一にすることができる。これにより、シール部材11,12の内側端部と杭6の外周面6aとの密着性を周方向にわたって略均一にすることができ、止水性を向上させることができる。
【0031】
図2は本発明による杭基礎200のレグ5と杭6との間の接合部を示す側断面である。
図2に示す実施形態は、図1を用いて説明した実施形態と基本的に同一の構成を有するものである。
図2に示す実施形態のものは、上側に位置するシール部材11の上方にフラッシング手段250が設けられている点で図1に示す実施形態のものと異なっている。
したがって、以下このフラッシング手段についてのみ説明することとする。
【0032】
図2に示すように、フラッシング手段250は、フラッシング用ポンプ251と、フラッシング材圧送管252と、リブ30を半径方向と略直交する方向に貫通するフラッシング孔253とを主たる要素とするものである。
フラッシング材圧送管252は、フラッシング用ポンプ251とリブ30に形成されたフラッシング孔253とを連通するとともに、フラッシング用ポンプ251から吐出されてきたフラッシング材をシール部材11,12の方に導くためのものである。この場合のフラッシング材としては、たとえば空気、水などといったものがある。
図2に示すように、フラッシング材圧送管252はレグ5と杭6との間の隙間に設けられ、その一端はフラッシング用ポンプ251に接続されているとともに、その他端はリブ30の上面30aに接続されている。
【0033】
このような構成により、シール部材11,12の内側(杭6と対向する側)表面(およびこの表面と対向する杭6の外周面6a)に、たとえば水底の泥や砂などの不純物が付着した場合、フラッシング材を噴き出させることができて、これら不純物をシール部材11,12の内側表面(およびこの表面と対向する杭6の外周面6a)から取り除くことができるようになっている。
このように、フラッシング材によりシール部材11,12の内側表面(およびこの表面と対向する杭6の外周面6a)がフラッシング(洗浄)されることにより、シール部材11,12の内側端部と杭6の外周面6aとの密着性がさらに向上し、止水性をより向上させることができる。
【0034】
図3は本発明による杭基礎300のレグ5と杭6との間の接合部を示す側断面である。
図3に示す実施形態は、図1を用いて説明した実施形態と基本的に同一の構成を有するものである。
図3に示す実施形態のものは、上側に位置するシール部材11の上方にフラッシング手段350が設けられている点で図1に示す実施形態のものと異なっている。
したがって、以下このフラッシング手段についてのみ説明することとする。
【0035】
図3に示すように、フラッシング手段350は、フラッシング材圧送管351と、リブ30を半径方向およびその半径方向と略直交する方向に貫通するフラッシング孔252とを主たる要素とするものである。
フラッシング材圧送管351は、レグ5の外周面5bに沿って環状に配置されたものであり、前述した充填材圧送管13とリブ30に形成されたフラッシング孔252とを連通するものであるとともに、充填材注入用ポンプ20から吐出されてきた充填材(フラッシング材)をシール部材11,12の方に導くためのものである。この場合の充填材(フラッシング材)としては、たとえば空気、水などといったものがある。
このように、充填材室11a,12aに供給される充填材と、シール部材11,12をフラッシングするためのフラッシング材とを、たとえば空気とすれば、図3に示すようにこれら充填材とフラッシング材との両方の役目を兼ねる媒体を1つのポンプで行うことができるようになる。
【0036】
このような構成により、シール部材11,12の内側(杭6と対向する側)表面(およびこの表面と対向する杭6の外周面6a)に、たとえば水底の泥や砂などの不純物が付着した場合、フラッシング材を噴き出させることができて、これら不純物をシール部材11,12の内側表面(およびこの表面と対向する杭6の外周面6a)から取り除くことができるようになっている。
このように、フラッシング材によりシール部材11,12の内側表面(およびこの表面と対向する杭6の外周面6a)がフラッシング(洗浄)されることにより、シール部材11,12の内側端部と杭6の外周面6aとの密着性がさらに向上し、止水性をより向上させることができる。
【0037】
図4は本発明による杭基礎400のレグ5と杭6との間の接合部を示す側断面である。
図4に示す実施形態は、図1を用いて説明した実施形態と基本的に同一の構成を有するものである。
図4に示す実施形態のものは、シール部材11,12が、これらシール部材11,12の上側および下側にそれぞれ環状に配置された3本のリブ30,31,32によりレグ5の内周面5aに固定されている点で図1に示す実施形態のものと異なっている。
すなわち、シール部材11は、その上側および下側に設けられたつば部11b,11cをそれぞれレグ5の内周面5aとの間で挟持するリブ30,31によりレグ5の内周面に固定される。また、シール部材12は、その上側および下側に設けられたつば部12b,12cをそれぞれレグ5の内周面5aとの間で挟持するリブ31,32によりレグ5の内周面に固定される。
【0038】
図1に示したリブ30同様、リブ31,32の半径方向(レグ5の中心軸線Cに対して直交する方向)の厚さは、充填材室11a,12a内に充填材が充填される前のシール部材11,12の半径方向の厚さよりも厚くなるように構成されている。
【0039】
このように、上側から見てリブ30の裏側(下側)にシール部材11,12が完全に隠れるように配置されることとなり、杭6がレグ5内に挿入されてきても杭6の先端がシール部材11,12に当たらなくなるので、杭6によるシール部材11,12の損傷を防止することができる。
また、傾斜面により杭6がレグ5の略中心に案内されることとなるので、レグ5の内周面5aと杭6の外周面6aとの隙間を略均一にすることができる。これにより、シール部材11,12の内側端部と杭6の外周面6aとの密着性を周方向にわたって略均一にすることができ、止水性を向上させることができる。
さらに、下側から見てリブ32の裏側(上側)にシール部材11,12が完全に隠れるように配置されることとなり、水底に存在する泥や砂などの不純物がシール部材11,12の側に入り込みにくくなるので、不純物によるシール部材11,12の損傷を防止することができ、シール部材11,12の内側表面への不純物の付着を防止することができ、シール部材11,12の内側端部と杭6の外周面6aとの密着性を向上させることができ、止水性をより向上させることができる。
さらにまた、これらリブ30,31,32の内周面により杭6が下方に案内されることとなるので、杭6がレグ5内に挿入されてきても杭6がシール部材11,12に当たることがなく、杭6によるシール部材11,12の損傷を防止することができる。
さらにまた、杭6がレグ5の略中心に案内されることとなるので、レグ5の内周面5aと杭6の外周面6aとの隙間を略均一にすることができる。これにより、シール部材11,12の内側端部と杭6の外周面6aとの密着性を周方向にわたって略均一にすることができ、止水性を向上させることができる。
さらにまた、シール部材11,12がリブ30,31,32によりレグ5の内周面5aに固定されることとなるので、シール部材11,12をレグ5の内周面5aに固定するための固定金具を省略することができるとともに、コストを削減することができる。
【0040】
図5は本発明による杭基礎500のレグ5と杭6との間の接合部を示す側断面である。
図5に示す実施形態は、図1を用いて説明した実施形態と基本的に同一の構成を有するものである。
図5に示す実施形態のものは、上側に位置するシール部材11’が、図1に示すシール部材11よりも小さいという点で図1に示す実施形態のものと異なっている。
すなわち、図5に示すように、充填材圧送管13を介して充填材室11’a,12a内に充填材が充填されていくとシール部材11’,12がそれぞれ膨出し、下側に位置する大きい方のシール部材12の内側端部(杭側端部)が杭6の外周面6aとより密着することとなる。
言い換えれば、水深が深くなりより水圧のかかる側のシール部材12をより大きくして、シール部材12の内側端部(杭側端部)が杭6の外周面6aとより密着するように構成されている。
【0041】
これにより、杭6の外周面6aとの密着度が高いシール部材12のみでほとんど止水を行うことができるため、シール部材11を補足的なシール部材として設計することができ、シール部材数が同じ場合でも止水性を向上することができる。
【0042】
なお、上述したシール部材11,11’12,12’がそれぞれ膨出し、杭6の外周面6aと当接する部分のこれらシール部材11,11’12,12’の内側端部(杭側端部)の断面形状を、図6に示すような形状にすることもできる。
すなわち、これらシール部材11,11’12,12’の延在方向と平行に、1本もしくは複数本の突起部110,120が設けられたようなものにすることができる。
【0043】
これにより、膨出による圧力を突起部のみで受けることになるために、同じ圧力でシール部材を膨出させた場合でも密着圧力は高くなり、静水圧時ではより高い水圧に対しての止水が可能となる。
【0044】
図7は本発明による杭基礎600のレグ5と杭6との間の接合部を示す図であり、(a)は側断面、(b)は(a)のb−b矢視断面図である。
図7に示すように、杭基礎600は、レグ5と、杭6と、たとえば1本のシール部材601と、充填材圧送管13とを主たる要素として構成されたものである。
【0045】
シール部材601は、たとえば硬質ゴムからなるインフレタブルシールと呼ばれる、内部に充填材室601aが形成された一本のチューブ状のものであり、その長さがレグ5の内周面5aの1周よりも長い(たとえば、4/3周)長さを有するものである。
シール部材601は、レグ5の内周面5aに沿って環状に配置され、たとえば接着剤などによりレグ5の内周面5aに固定されている。
【0046】
充填材圧送管13は、充填材注入用ポンプ20と、シール部材601の内部に形成された充填材室601aとを連通するとともに、充填材注入用ポンプ20から吐出されてきた充填材を充填材室601a内に導くためのものである。この場合の充填材としては、たとえば空気、水、モルタル、グリースなどといったものがある。
図7に示すように、充填材圧送管13の一端は充填材注入用ポンプ20に接続されているとともに、その他端はシール部材601の一端部が位置するところのレグ5に接続されている。
【0047】
このような構成により、充填材圧送管13を介して充填材室601a内に充填材が充填されていくと、図7に破線で示すように、シール部材601が膨出し、シール部材601の内側端部(杭側端部)が杭6の外周面6aと密着(あるいは当接)するとともに、シール部材601が上下に重なり合う部分において、シール部材601がその対向する面同士で密着(あるいは当接)することとなる。
【0048】
つぎに、この杭基礎600を施工する際の杭基礎施工方法について説明する。
まず、予めシール部材601を、レグ5の内周面5aの接合部に当たる部分に装着しておく。
ついで、レグ5をガイドとして杭6をこのレグ5に挿入する。
【0049】
つづいて、この杭6を水底地盤に打設する。打設完了後、充填材圧送管13を介して充填材注入用ポンプ20から充填材室601a内に充填材を圧送し、シール部材601をそれぞれ杭6に向かって膨出させる。
そして、シール部材601の内側端部がそれぞれ杭6の外周面6aと密着し、かつシール部材601がその対向する面同士で互いに密着すれば、止水が完全に行われたことになる。
【0050】
そしてつぎに、このシール部材601よりも上方で、かつレグ5の内周面5aと杭6の外周面6aとの間に介在している水を、たとえば汲み上げポンプ(図示せず)およびこの汲み上げポンプに接続されたホース(図示せず)などを用いて外部に排出する。
【0051】
そして、シール部材601よりも上の位置で杭を切断し、その位置に荷重伝達用のプラグを溶接施工した後、レグ5と杭6との隙間に所定高さまでグラウトを注入する。
【0052】
このような杭基礎600および杭基礎施工方法によれば、シール部材601のそれぞれの弾性、および充填材室601a内に充填された充填材により膨出するシール部材601の内側端部がそれぞれ杭6の外周面6aと密着し、かつシール部材601がその対向する面同士で互いに密着することにより、止水性を格段に向上させることができる。したがって、シール部材601によりグラウトの漏洩が防止されるので、グラウトが外部に漏洩するおそれがない。
【0053】
図7に示すように、シール部材601の上方で、かつレグ5の内周面5aに、環状のリブ30が設けられていれば有利である。
このリブ30の半径方向(レグ5の中心軸線Cに対して直交する方向)の厚さt1は、充填材室601a内に充填材が充填される前のシール部材601の半径方向の厚さt2よりも厚くなるように構成されている。
また、リブ30の上面30aは、挿入されてくる杭6の先端を、レグ5の中心軸線Cの側に案内する傾斜面とされている。
【0054】
このように、上側から見てリブ30の裏側(下側)にシール部材601が完全に隠れるように配置されることとなり、杭6がレグ5内に挿入されてきても杭6の先端がシール部材601に当たらなくなるので、杭6によるシール部材601の損傷を防止することができる。
また、傾斜面により杭6がレグ5の略中心に案内されることとなるので、レグ5の内周面5aと杭6の外周面6aとの隙間を略均一にすることができる。これにより、シール部材601の内側端部と杭6の外周面6aとの密着性を周方向にわたって略均一にすることができ、止水性を向上させることができる。
【0055】
以上、本発明の杭基礎および杭基礎施工方法について図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変形・変更実施可能である。
たとえば、シール部材は硬質ゴムからなるインフレタブルシールに限定されるものではなく、内部に充填材が充填されて膨出し、その内側端部が杭の外周面と、その外側端部がレグ5の内周面5aと密着するようなものであればどのようなものであっても良い。
【0056】
また、上述した実施形態ではシール部材を接合部に2つ配置したものを一例として説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つあるいは3つ以上配置することももちろん可能である。
【0057】
さらに、本実施形態において円周方向に連接されたリブを具体例としてあげたが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数個たとえば4個、8個などに分割され、リブとリブとの間に隙間を有するようなものであってもよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明の杭基礎および杭基礎施工方法によれば、以下の効果を奏する。
請求項1記載の杭基礎によれば、充填材圧送管を介して充填材室に充填材が充填されると、シール部材の内側端部が杭の外周面と接するようになっているので、止水性を格段に向上させることができるとともに、後に続く杭の切断作業やプラグの溶接作業をドライなエリアで作業することができ、かつグラウトの水中への漏洩を防止することができるという効果を奏する。また、ドライな部分にグラウトが充填されることとなるので、グラウトの性能を最大限発揮させることができて、十分な強度を有する基礎を構築することができるという効果を奏する。
また、シール部材と杭の外周面との当接する部位がフラッシング手段によりフラッシング(洗浄)されることとなるので、シール部材の内側端部と杭の外周面との密着性をさらに向上させることができて、止水性をさらに向上させることができるという効果を奏する。
【0060】
請求項記載の杭基礎によれば、挿入されてきた杭の先端がリブの上面に設けられた傾斜面に沿ってレグの中心軸線の側に導かれるようになっているので、レグの内周面と杭の外周面との隙間を略均一にすることができて、シール部材の内側端部と杭の外周面との密着性を周方向にわたって略均一にすることができ、止水性を向上させることができるという効果を奏する。
【0061】
請求項記載の杭基礎によれば、杭が挿入される側から見て、シール部材がレグの背面側に配置されることとなるので、杭がレグ内に挿入されてきても杭の先端がシール部材に当たることがなく、杭によるシール部材の損傷を防止することができるという効果を奏する。
【0062】
請求項記載の杭基礎によれば、リブによりレグの内周面にシール部材が固定されることとなるので、シール部材をレグの内周面に固定するための固定金具を省略することができるとともに、コストを削減することができるという効果を奏する。
【0063】
請求項記載の杭基礎施工方法によれば、充填材圧送管を介して充填材室に充填材を充填して、シール部材の内側端部が杭の外周面と当接させた後、シール部材のうち最も上方に位置するものよりも上方に存在していた水を排出することとなるので、止水性を格段に向上させることができるとともに、後に続く杭の切断作業やプラグの溶接作業をドライなエリアで作業することができ、かつグラウトの水中への漏洩を防止することができるという効果を奏する。また、ドライな部分にグラウトが充填されることとなるので、グラウトの性能を最大限発揮させることができて、十分な強度を有する基礎を構築することができるという効果を奏する。
また、シール部材と杭の外周面との当接する部位がフラッシング手段によりフラッシング(洗浄)されることとなるので、シール部材の内側端部と杭の外周面との密着性をさらに向上させることができて、止水性をさらに向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による杭基礎の杭とレグとの接合部の一実施形態を示す側断面図である。
【図2】 本発明による杭基礎の杭とレグとの接合部の他の実施形態を示す側断面図である。
【図3】 本発明による杭基礎の杭とレグとの接合部の別の実施形態を示す側断面図である。
【図4】 本発明による杭基礎の杭とレグとの接合部のさらに別の実施形態を示す側断面図である。
【図5】 本発明による杭基礎の杭とレグとの接合部のさらに別の実施形態を示す側断面図である。
【図6】 図1ないし図5に示すシール部材の他の実施形態を示す拡大図である。
【図7】 本発明による杭基礎の杭とレグとの接合部のさらに別の実施形態を示す図であって、(a)は側断面図、(b)はb−b矢視断面図である。
【図8】 橋梁における杭基礎を示す斜視図である。
【図9】 従来の杭基礎の杭とレグとの接合部を示す側断面図である。
【符号の説明】
5 レグ
5a 内周面
6 杭
6a 外周面
10 杭基礎
11 シール部材
11’ シール部材
11a 充填材室
11’a 充填材室
12 シール部材
12a 充填材室
13 充填材圧送管
30 リブ
30a 上面
31 リブ
32 リブ
100 杭基礎
200 杭基礎
250 フラッシング手段
300 杭基礎
350 フラッシング手段
400 杭基礎
500 杭基礎
600 杭基礎
601 シール部材
601a 充填材室
t1 リブの半径方向の厚さ
t2 シール部材の半径方向の厚さ

Claims (5)

  1. 筒状のレグと、該レグに挿通される杭との間の接合部に装着され、弾性を有するとともに環状に形成されており、かつその外側端部が前記レグの内周面と接して設けられている少なくとも1つのシール部材と、
    前記シール部材の内部に形成された充填材室と連通するとともに、該充填材室に充填材を充填するための充填材圧送管と、を具備し、
    前記シール部材の、前記杭が挿入されてくる側には、フラッシング手段が設けられていることを特徴とする杭基礎。
  2. 請求項1に記載の杭基礎において、
    前記シール部材の、前記杭が挿入されてくる側には、少なくとも1つの環状リブが設けられており、該リブの上面には、挿入されてくる前記杭の先端を前記レグの中心軸線の側に導くように傾斜させられた傾斜面が設けられていることを特徴とする杭基礎。
  3. 請求項2に記載の杭基礎において、
    前記リブの半径方向の厚さは、前記充填室内に前記充填材が充填される前の前記シール部材の半径方向の厚さよりも厚いことを特徴とする杭基礎。
  4. 請求項2または3に記載の杭基礎において、
    前記シール部材は、前記リブにより前記レグの内周面に固定されていることを特徴とする杭基礎。
  5. 筒状のレグと、該レグに挿通される杭との間の接合部に装着され、弾性を有するとともに環状に形成されており、かつその外側端部が前記レグの内周面と接して設けられ、内部に充填材室を有する少なくとも1つのシール部材を具備する杭基礎を施工する際の杭基礎施工方法であって、
    前記シール部材の、前記杭が挿入されてくる側に設けられたフラッシング手段により、前記シール部材の表面に付着した不純物を除去する段階と、前記充填材室に充填材を充填する段階と、前記シール部材のうち最も上方に位置するものよりも上方に存在していた水を排出する段階と、を具備していることを特徴とする杭基礎施工方法。
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