JP3771678B2 - Ndフィルター - Google Patents
Ndフィルター Download PDFInfo
- Publication number
- JP3771678B2 JP3771678B2 JP20190497A JP20190497A JP3771678B2 JP 3771678 B2 JP3771678 B2 JP 3771678B2 JP 20190497 A JP20190497 A JP 20190497A JP 20190497 A JP20190497 A JP 20190497A JP 3771678 B2 JP3771678 B2 JP 3771678B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filter
- circular
- transparent substrate
- concave portion
- filter according
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
Description
【技術分野】
本発明は、中心部程光透過率を小さくしたNDフィルターに関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
例えば、CCTV用レンズでは、機械的な小絞(大F値)の限界以上に光量を減少させ、見かけ上大きなF値を得るため、輪帯状のNDフィルターが用いられている。図9はその概念図であり、透明基板11上に、段階的に径の小さくなる円形NDフィルター膜(光吸収膜)12、13、14を、蒸着により同心状に積層形成してなっている。透明基板11の厚さは、通常0.5mm前後、各円形NDフィルター膜12〜14の厚さは、10分の数μmオーダである。この輪帯状NDフィルター10によると、機械絞が小絞になる程、透過光量が減少するため、見かけ上の大F値を得ることができる。
【0003】
ところが、この輪帯状NDフィルター10を有するレンズにおいて、機械絞の開放時と最小絞時とで像性能を比較すると、僅かながらピント移動が生じ、像性能が劣化することが明らかとなった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、従って、機械絞の開放時と最小絞時とでピント移動が生じることがなく、像性能が劣化しない輪帯状NDフィルターを得ることを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
本発明者らは、同心状に積層形成される円形NDフィルターはμmオーダーのきわめて薄いものであるが、輪帯状NDフィルター全体として見たときには、中心部と周辺部で積層厚が異なり、NDフィルター膜の屈折率は1.3〜2.9程度であることから、この積層厚の差が空気換算光路長の差となって表われ、これが開放時と最小絞時のピント移動の原因ではないかとの仮説を立てた。この仮説に従い、光路長の差が小さくなるように、透明基板の中心部に中心部程深い微視的凹部を形成し、この微視的凹部内にNDフィルター材料を位置させたところ、ピント移動が改善された。すなわち、従来の輪帯状NDフィルターは、積層NDフィルター膜による空気換算光路長の差が一種のレンズ効果を持ち、これがピント移動の原因となると考えられるのに対し、透明基板に形成した凹部内にNDフィルター材料を入れると、このレンズ作用を軽減することができる。
【0006】
すなわち本発明は、透明基板の中心部に、中心部程深い微視的凹部を設け、この微視的凹部内にNDフィルター材料を位置させたことを特徴としている。
この微視的凹部は、例えば、断面円弧状で正面円形の凹面から構成することができる。そして、この断面円弧状凹面に、同心状に積層形成された複数の円形NDフィルター膜層を付着形成する。同心状の積層円形NDフィルター膜層は、断面円弧状凹面に沿う断面円弧状膜群、あるいは透明基板の表面に平行な断面平面状膜群から構成することができる。
【0007】
微視的凹部はまた、中心部程深い階段状で正面輪帯状をなす階段状凹部から構成することもできる。そして、断面階段状凹部に、その各段部に対応させて、順次同心状の複数のNDフィルター膜層を積層形成する。これらの同心状の積層円形NDフィルター膜層は、小径のフィルター膜層ほど濃度を濃くすることが好ましい。
【0008】
あるいは、透明基板の凹部内のNDフィルター材料は、全体を同一のNDフィルター材料としてもよい。このNDフィルター材料は液体とし、透明基板上に接着された別の透明基板との間に保持するようにしてもよい。
【0009】
本発明のNDフィルターは、機械的開口径を開放状態から最小絞状態の間で変化させる機械絞機構を有する撮影レンズと併用して効果がある。
【0010】
【発明の実施形態】
図1、図2は、本発明によるNDフィルターの第一の実施形態を示す。正面円形の透明基板11には、その中心部(光軸上)に、微視的凹部として、断面円弧状で正面円形の凹面22が形成されている。この断面円弧状凹面22には、同心状に複数の円形NDフィルター膜群23〜26が積層形成されている。これらの同心状NDフィルター膜群23〜26は、それぞれ断面円弧状凹面22の断面に沿う断面円弧状で正面円形の膜からなっており、最外層の円形フィルター膜26は、透明基板11の表面と面一にされている。これらの同心状NDフィルター膜群23〜26の厚さは、いずれも10分の数μmオーダであり、断面円弧状凹面22の深さもこれに対応している。同心状NDフィルター膜群23〜26の濃度は、最も大径の円形フィルター膜23から最も小径の円形フィルター膜26の順に、濃くなっている。
【0011】
図3は、本発明によるNDフィルターの第二の実施形態を示す。この実施形態は、同心状NDフィルター膜群23〜26の端部を階段状にした点、及び中心部の26の表面が凹面からなり、透明基板11の表面とは面一でない点で第一の実施形態とは異なる。
【0012】
図4は、本発明によるNDフィルターの第三の実施形態を示す。この実施形態は、同心状NDフィルター膜群23〜26を透明基板11の表面と平行な断面平面状膜群から構成したものである。
【0013】
図5は、本発明によるNDフィルターの第三の実施形態を示す。この実施形態は、図4と同様に、同心状NDフィルター膜群23〜26を透明基板11の表面と平行な断面平面状膜群から構成し、かつこれらの端部を階段状にした実施形態である。
【0014】
図6は、透明基板11の中心部に形成する微視的凹部を、断面階段状で正面輪帯状の断面階段状凹部27となし、この断面階段状凹部27内に、その各段部に対応させて、同心状NDフィルター膜群23〜26を順次積層形成している。
【0015】
図7は、断面階段状凹部27を、同一材料からなるNDフィルター材料28で満たした実施形態である。この実施形態は、透明基板11に断面円弧状凹面22を形成する場合にも適用できる。
【0016】
図8は、透明基板11の断面円弧状凹面22に液体からなるNDフィルター材料29を満たし、透明基板11の表面に、別の透明基板30を接着して、液体NDフィルター材料29を封入した実施形態である。この実施形態は、透明基板11に断面階段状凹部27を形成する場合にも適用できる。
【0017】
以上の各実施形態によると、透明基板11に断面円弧状凹面22または断面階段状凹部27が形成されており、この断面円弧状凹面22または断面階段状凹部27内に、NDフィルター材料を収納しているので、中心部と周辺部とでの空気換算光路長の差は小さくなる。このためNDフィルター膜による問題のレンズ作用は小さくなり、ピント移動は無視できるレベルになる。
【0018】
【発明の効果】
本発明のNDフィルターによれば、機械絞の開放状態と最小絞状態でのピント移動を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるNDフィルターの一実施形態を示す図2のI−I線に沿う模式断面図である。
【図2】同正面図である。
【図3】本発明によるNDフィルターの第二の実施形態を示す図1に対応する断面図である。
【図4】本発明によるNDフィルターの第三の実施形態を示す図1に対応する断面図である。
【図5】本発明によるNDフィルターの第四の実施形態を示す図1に対応する断面図である。
【図6】本発明によるNDフィルターの第五の実施形態を示す図1に対応する断面図である。
【図7】本発明によるNDフィルターの第六の実施形態を示す図1に対応する断面図である。
【図8】本発明によるNDフィルターの第七の実施形態を示す図1に対応する断面図である。
【図9】従来のNDフィルターを示す、図1、図3に対応する模式断面図である。
【符号の説明】
11 透明基板
22 断面円弧状凹面
23 24 25 26 NDフィルター膜
27 断面階段状凹部
28 NDフィルター材料
29 液体NDフィルター材料
Claims (11)
- 透明基板の中心部に、中心部程深い微視的凹部を設け、この微視的凹部内にNDフィルター材料を位置させたことを特徴とするNDフィルター。
- 請求項1記載のNDフィルターにおいて、微視的凹部は、断面円弧状で正面円形の凹面であるNDフィルター。
- 請求項2記載のNDフィルターにおいて、NDフィルター材料は、同心状に積層形成された複数の円形NDフィルター膜層からなっているNDフィルター。
- 請求項3記載のNDフィルターにおいて、同心状の積層円形NDフィルター膜層は、断面円弧状凹面に沿う断面円弧状膜群からなっているNDフィルター。
- 請求項3記載のNDフィルターにおいて、同心状の積層円形NDフィルター膜層は、透明基板の表面に平行な断面平面状膜群からなっているNDフィルター。
- 請求項1記載のNDフィルターにおいて、微視的凹部は、中心部程深い階段状で正面輪帯状をなしているNDフィルター。
- 請求項6記載のNDフィルターにおいて、NDフィルター材料は、断面階段状で正面輪帯状の微視的凹部の各段部に対応させて、順次積層形成された同心状の複数のNDフィルター膜層からなっているNDフィルター。
- 請求項3ないし7のいずれか1項記載のNDフィルターにおいて、同心状の積層円形NDフィルター膜層は、小径のフィルター膜層ほど濃度が濃いNDフィルター。
- 請求項1記載のNDフィルターにおいて、凹部内のNDフィルター材料は、その全体が同一のNDフィルター材料からなるNDフィルター。
- 請求項1記載のNDフィルターにおいて、NDフィルター材料は液体からなり、上記透明基板上に接着された別の透明基板との間に保持されているNDフィルター。
- 請求項1ないし10のいずれか1項記載のNDフィルターにおいて、機械的開口径を開放状態から最小絞状態の間で変化させる機械絞機構を有する撮影レンズと併用されるNDフィルター。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20190497A JP3771678B2 (ja) | 1997-07-28 | 1997-07-28 | Ndフィルター |
US09/064,095 US6078442A (en) | 1997-06-27 | 1998-04-22 | ND filter |
GB9809591A GB2326733B (en) | 1997-06-27 | 1998-05-05 | Optical ND filter |
DE19828681A DE19828681B4 (de) | 1997-06-27 | 1998-06-26 | Optisches Filter mit mehreren kreisförmigen ND-Filterelementen |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20190497A JP3771678B2 (ja) | 1997-07-28 | 1997-07-28 | Ndフィルター |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1144802A JPH1144802A (ja) | 1999-02-16 |
JP3771678B2 true JP3771678B2 (ja) | 2006-04-26 |
Family
ID=16448757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20190497A Expired - Fee Related JP3771678B2 (ja) | 1997-06-27 | 1997-07-28 | Ndフィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3771678B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6747805B2 (en) * | 2001-07-20 | 2004-06-08 | Michel Sayag | Design and fabrication process for a lens system optically coupled to an image-capture device |
EP1445648A4 (en) | 2001-10-12 | 2009-08-05 | Canon Kk | DEVICE FOR CONTROLLING THE LIGHT QUANTITY AND OPTICAL SYSTEM COMPRISING SAID DEVICE, AND VIEWING DEVICE |
JP2010156765A (ja) * | 2008-12-26 | 2010-07-15 | Jsr Corp | Ndフィルター、その製造方法およびそれらを用いた光の透過率の調節方法 |
JP2011070150A (ja) * | 2009-04-14 | 2011-04-07 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | Ndフィルタ及びテレビカメラ並びにndフィルタの製造方法 |
CN115023940A (zh) * | 2020-01-31 | 2022-09-06 | 索尼半导体解决方案公司 | 成像装置、相机模块、电子设备和成像系统 |
-
1997
- 1997-07-28 JP JP20190497A patent/JP3771678B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1144802A (ja) | 1999-02-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3194312B2 (ja) | 絞り装置 | |
US7787184B2 (en) | Member having antireflection structure | |
JPH08106043A (ja) | 内視鏡用対物レンズ | |
KR20190012195A (ko) | 이미지 획득 장치 및 지문 획득 장치 | |
JP2013156619A (ja) | Irカット機能付きndフィルタ | |
JP3771678B2 (ja) | Ndフィルター | |
US4153333A (en) | Optical fiber bundle with field stop | |
US6271975B1 (en) | Light collecting optical device forming a multiple focal distance lens | |
JPS60258502A (ja) | 内面反射の防止処理を施したプリズム | |
JPH10210213A (ja) | 光学装置 | |
JP5879021B2 (ja) | Ndフィルタ | |
JP3250190B2 (ja) | 輪帯状ndフィルター | |
US20100091376A1 (en) | Optical element and optical apparatus | |
JP3926725B2 (ja) | 顕微鏡液浸対物レンズ用先端光学素子及びその製造方法 | |
JP2009128844A (ja) | 光学系及びそれを有する光学機器 | |
JP2013114103A (ja) | 光学系および光学機器 | |
JPH02106702A (ja) | 複写機用干渉膜フィルタ | |
JP3131828B2 (ja) | 凹面を有する輪帯状ndフィルター | |
US6788472B1 (en) | Image pickup device | |
JPH0516003B2 (ja) | ||
JPH06250017A (ja) | 光ファイバ用多層膜フィルタ装置 | |
JP4021191B2 (ja) | 輪帯状ndフィルター及びその製造方法 | |
JP2005062524A (ja) | 光学フィルタおよび光学機器 | |
JPS6133167B2 (ja) | ||
JPWO2020022295A1 (ja) | 光学素子、光学系、および光学装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040427 |
|
A625 | Written request for application examination (by other person) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625 Effective date: 20040427 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050120 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050120 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050802 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050804 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051212 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060207 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060210 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |