JP3771058B2 - 放射線検出システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ファイバケーブルを利用して放射線が漏れ出たことを監視するための放射線検出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、放射線を扱う(利用する)施設等においては、放射線漏れは、身体に対するダメージが大きいため、これが極力発生しないように種々の対策が講じられると共に、仮に、放射線漏れが発生した場合には、これを速やかに、且つ、確実に検出するための検出システムが開発され、実用に共されている。
【0003】
例えば、放射線漏れが発生する可能性のある場所の全てに、周知のシンチレーション計数管のような放射線監視装置を設置し、常時、この監視装置により、放射線漏れを監視するようなシステムが構築され、実用に共されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従前の放射線監視システムにおいては、シンチレーション計数管は、検出箇所に夫々設置しなければならないものである一方で高価なものである。このため、このような監視システムの構築に多大な費用がかかることになる。従って、制限された予算の中では、どうしても、設置すべき所の全てに、監視装置を設置した監視システムを構築することが困難となり、この結果、監視箇所に漏れが出て、完璧な監視システムの構築が困難となり、改善が要望されている。
【0005】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、この発明の主たる目的は、確実に且つ即座に放射線漏れを監視することの出来る放射線検出システムを提供することである。
【0006】
また、この発明の他の目的は、放射線漏れを検出することの出来る放射線検出システムを安価に提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項1の記載によれば、放射線が照射された部位が発光するように形成され、発光した光を伝送する光ファイバケーブルと、この光ファイバケーブルの少なくとも一端が接続された光電変換手段と、この光電変換手段からの出力信号に基づき、放射線が照射されたことを検出する処理手段とを具備することを特徴としている。
【0008】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項2の記載によれば、前記光電変換手段と処理手段との間には、A/D変換手段が介設され、前記処理手段は前記出力信号をデジタル処理することを特徴としている。
【0009】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項3の記載によれば、前記光電変換手段は、1つの入力端子を備え、前記光ファイバーケーブルは、その一端を前記光電変換手段の入力端子に接続されていることを特徴としている。
【0010】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項4の記載によれば、前記光ファイバケーブルの他端には、反射手段が取り付けられていることを特徴としている。
【0011】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項5の記載によれば、前記光ファイバケーブルの他端は、開放されていることを特徴としている。
【0012】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項6の記載によれば、前記光電変換手段は、2つの入力端子を備え、前記光ファイバケーブルは、その両端を、前記光電変換手段の2つの入力端子に夫々接続されていることを特徴としている。
【0013】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項7の記載によれば、前記光ファイバケーブルは、少なくとも1つの検出部を備え、この検出部に放射線が照射された場合に、該検出部において発光し、発光した光が、前記光ファイバケーブル内を伝送されることを特徴としている。
【0014】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項8の記載によれば、前記光ファイバケーブルは、前記検出部において発光した光を伝送する光伝送性を有し、一方向に沿って延出するコア、及び、このコアの外周面を全面的に被覆すると共に、放射線により発光するシンチレータが分散されているクラッド層を備える光ファイバと、この光ファイバの外周を略全面的に覆うように配設された放射線遮蔽層とを具備し、この放射線遮蔽層には、少なくとも1カ所に隙間が設けられ、該隙間が前記検出部とし備えられていることを特徴としている。
【0015】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項9の記載によれば、前記光ファイバケーブルは、前記検出部において発光した光を伝送する光導波性を有し、一方向に沿って延出するコアと、このコアの外周面を全面的に被覆して前記コア内を伝送させる光を該コア内に閉じ込めるクラッド層と、このクラッド層の外周面を全面的に被覆すると共に、放射線により発光するシンチレータが分散されている検出層を備える光ファイバと、この光ファイバの外周を略全面的に覆うように配設された放射線遮蔽層とを具備し、この放射線遮蔽層には、少なくとも1カ所に隙間が設けられ、該隙間が前記検出部とし備えられていることを特徴としている。
【0016】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項10の記載によれば、前記光ファイバケーブルは、前記光ファイバの外周面を全面的に覆う補強層を更に備え、前記放射線遮蔽層は、この補強層の外周に配設されていることを特徴としている。
【0017】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項11の記載によれば、前記補強層は、前記一方向に沿って延びる強化繊維の束を備えていることを特徴としている。
【0018】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項12の記載によれば、前記強化繊維の束は、その外周をテープにより巻回されることにより、前記光ファイバの外周に固定されていることを特徴としている。
【0019】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項13の記載によれば、前記放射線遮蔽層は、前記補強層の外周面を被覆している事を特徴としている。
【0020】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項14の記載によれば、前記放射線遮蔽層は、鉛がコーティングされたテープを巻き付けることにより構成されていることを特徴としている。
【0021】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項15の記載によれば、前記隙間は、前記光ファイバの周方向に沿う全長に渡り形成されていることを特徴としている。
【0022】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項16の記載によれば、前記隙間は、前記一方向に沿って所定間隔毎に複数箇所に形成されていることを特徴としている。
【0023】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項17の記載によれば、前記放射線遮蔽層の外周には、最外層に位置した状態で、放射線透過性を有する外被層が全周を覆うように配設されていることを特徴としている。
【0024】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項18の記載によれば、前記シンチレータは、無機シンチレータであることを特徴としている。
【0025】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項19の記載によれば、前記シンチレータは、前記クラッド層内にドーピングにより分散されていることを特徴としている。
【0026】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項20の記載によれば、前記シンチレータは、前記検出層内にドーピングにより分散されていることを特徴としている。
【0027】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項21の記載によれば、前記放射線は、X線、α線、β線及びγ線の少なくとも一つを含み、前記シンチレータは、前記X線、α線、β線及びγ線の何れかにより発光することを特徴としている。
【0028】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項22の記載によれば、前記クラッド層の外周面には、保護層が被覆されていることを特徴としている。
【0029】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項23の記載によれば、前記検出層の外周面には、保護層が被覆されていることを特徴としている。
【0030】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項24の記載によれば、前記コアは、石英ガラスから形成されていることを特徴としている。
【0031】
また、この発明に係わる放射線検出システムは、請求項25の記載によれば、前記クラッド層は、透明高分子合成樹脂から形成されていることを特徴としている。
【0032】
【発明を実施する形態】
以下に、この発明に係わる放射線検出システムの一実施例の構成を、詳細に説明する。
【0033】
先ず、放射線検出システムの構成の説明に先立ち、ここで用いられる光ファイバ及び光ファイバケーブルを図1乃至図3を参照して説明する。
【0034】
図1に示すように、この実施例に用いられる光ファイバー10は、光伝送性を有すると共に一方向に沿って延出する石英ガラス製のコア12と、このコア12の外周面を全面的に密着した状態で被覆するクラッド層14と、このクラッド層14の外周面を全面的に被覆してクラッド層14を保護する保護層16とを備えて、概略構成されている。
【0035】
ここで、コア12は周知の構成であるため、その説明を省略するが、この発明においては、コア12は、石英ガラス製であることに限定されることなく、例えば、光伝送性が担保され、且つ、耐久性(寿命)が確保されるものであれば、透明プラスチックス製であっても良いことは言うまでもない。
【0036】
一方、上述したクラッド層14は、高分子合成樹脂、例えば、UVアクリレイトやパイロコート(商品名:米国スペクトラン・スペシャリティ・オプティックス・カンパニー社製)が用いられている。
【0037】
そして、この発明の特徴として、クラッド層14には、X線、α線、β線及びγ線の何れかにより発光するシンチレータ18がドーピング等により分散されている。ここで、シンチレータ18は周知なものであり、その詳細な説明は省略するが、この実施例では、NaI(Tl)やCsI(Tl)等の無機シンチレータが採用されている。
【0038】
尚、X線で発光するシンチレータ18としては、上述したNal(Tl)の他、CaF2(Eu)、YAP(Ce)等が知られており、α線で発光するシンチレータ18としては、上述したCsI(Tl)の他、BaF2等が知られており、β線で発光するシンチレータ18としては、上述したCaF2(Eu)やBaF2等が知られており、γ線で発光するシンチレータ18としては、上述したNaI(Tl)やCsI(Tl)の他、BaF2、CeF3、B4G3O12、CdWO4等が知られている。
【0039】
また、上述した保護層16は、所定の機械的強度を有した合成樹脂、例えば、テフゼル(商品名:米国スペクトラン・スペシャリティ・オプティックス・カンパニー社製)から形成されている。尚、この保護層16は、光ファイバ10としては必須の構成要素ではなく、これが省略された状態でも、光ファイバ10が構成されるものである。
【0040】
以上のようにこの光ファイバ10は構成されているので、この光ファイバ10にα線、β線、ガンマ線等の放射線が照射されると、放射線によって、クラッド層14に分散されたシンチレータ18に吸収されたエネルギは、そのシンチレータ18を構成する原子(又は分子)の電離と共に励起に使用されることになる。そして、励起された原子が元の基底状態に戻ったり、電離の結果発生した電子・イオン対が何らかの過程を経て再結合したりした場合に、光子が放出されることになる。この光子の放出が、放射線による発光現象として規定されるものである。
【0041】
このように放射線の照射に伴いシンチレータ18が発光することになるが、この光は、クラッド層14とコア12との境界面を介して、コア12内に導入され、このコア12内をこれの延出方向に沿って伝送されることになる。
【0042】
ここで、上述した光ファイバ10は、それ自身の機械的な強度が充分でないため、以下に説明する光ファイバーケーブルの形態で、具体的に使用に供されるものである。
【0043】
次に、以上のように構成される光ファイバ10を用いた光ファイバケーブル20の構成を、図2及び図3を参照して、詳細に説明する。
【0044】
この光ファイバーケーブル20は、図2に示すように、上述した光ファイバ10と同一構成の光ファイバを光ファイバ心線として備えている。そして、この光ファイバーケーブル20は、光ファイバ10の外周面に、これを補強するための補強層22を備えている。この補強層22は、コア12の延出方向である一方向に沿って延びる強化繊維の束22Aと、この強化繊維の束22Aの外周をスパイラルに前面に渡り巻回するテープ22Bとを備え、このテープ22Aにより、強化繊維の束22Aは光ファイバ10の外周に固定されている。
【0045】
また、この補強層22の外周には、これを略全面的に覆うように放射線遮蔽層24が被覆されている。ここで、この放射線遮蔽層24は、この実施例においては、鉛がコーティングされたテープから規定されており、この鉛コーティングテープをスパイラルに、補強層22の外周に巻回することにより、放射線遮蔽層24が構成されている。
【0046】
ここで、図3に示すように、この放射線遮蔽層24は、上述した一方向に沿って所定間隔毎に複数箇所に渡り隙間26が形成されている。この隙間26は、光ファイバ10の周方向に沿う全長に渡り、即ち、放射線遮蔽層24の全周に渡り形成されている。各隙間26の幅は、任意に設定されるものであり、特に後述するように放射線を検出する場合においては、その検出すべき放射線の量に応じて、適宜設定されるものである。
【0047】
そして、この放射線遮蔽層24の外周には、最外層となる外被層28が全周を覆うように配設されている。この外被層28は、アウタージャケットとして機能するように、硬質の合成樹脂から形成されている。
【0048】
以上のように光ファイバケーブル20は構成されているので、この光ファイバケーブル20にα線、β線、ガンマ線等の放射線が照射されると、放射線は、放射線遮蔽層24の隙間26を介して、光ファイバ10のクラッド層14に進入し、ここに分散されているシンチレータ18を、上述したようにして発光させることになる。そして発光された光は、光ファイバ10のコア12内を伝送されることになる。
【0049】
次に、上述した構成の光ファイバケーブル20を用いて、放射線を検出する(放射線漏れを監視する)ための、この発明の一実施例に係わる放射線検出システム(放射線漏れ監視システム)の構成を、図4を参照して説明する。
【0050】
この放射線検出システム30は、図4に示すように、上述した構成の光ファイバケーブル20を検出具として備え、その一端は、光電変換器32の1つの光入力端子32Aに接続されている。一方、光ファイバケーブル20の他端には、反射板34が取り付けられており、ここに到達した光は、この反射板34により正反射されて、光電変換器32に向かって伝送されるようになされている。また、この光電変換器32の電気出力端子は、A/D変換器36を介して、情報処理装置38に接続されている。
【0051】
ここで、放射線が漏れ出た場合には、この放射線が漏れでた位置から最も近傍位置の隙間26に対応するクラッド層14の部位で、発光現象が発生し、この部位からコア12内を互いに反対方向、即ち、光電変換器32に向かう方向と、反射板34に向かう方向とに、光が伝送されることになる。従って、光電変換器32には、発光された光が直接に入射されると共に、一旦、反射板34で反射された光が遅れて入射されることになる。
【0052】
このように、放射線の漏れに際しては、光電変換器32に2つの光信号が所定時間隔てた状態で入射される現象に鑑み、情報処理装置38おいては、A/D変換された電気出力端子からの2つの検出信号の隔たり(ズレ時間)に基づいて、何れの隙間26で発光したかを特定する演算処理を実行するように構成されている。
【0053】
尚、この演算処理装置38には、演算結果を表示するためのディスプレイ装置40と警報装置42とが接続されており、放射線の漏れが検出された場合には、警報装置42を介して、所定の警報が発せられると共に、ディスプレイ装置40に、漏れ出た位置が表示されるようになされている。
【0054】
このようにして、この放射線検出システム30を用いることにより、例えば、原子力発電所、放射線を扱う研究所や工場や医院において、放射線の漏れでが速やかに検出され、放射線による被曝事故が未然に防止されることになる。詳細には、例えば、放射線が漏れ出る部位に接続された排気ダクトや排水ダクトに、この光ファイバケーブル20をスパイラル状に巻き付けつつ張り巡らせることにより、何れの位置で放射線が漏れ出たかを簡単に且つ即座に検出することが可能となるものである。
【0055】
しかも、このような検出具として作用する光ファイバケーブル20は非常に安価に製造できるものであり、放射線漏れが心配される部位の全てに渡り、この光ファイバケーブルを張り巡らせたとしても、その費用は高価なものとはならず、決められた予算内で、極めて効果的に放射線検出システムを構築することが可能となり、安全性が高い次元で担保されることになる。
【0056】
一方、宇宙空間にある宇宙衛星等においては、太陽からの太陽風に含まれる放射線から搭載機器を守るために、所定の放射線遮断手段が施されているものであるが、この放射線遮断手段が何らかの原因で破壊された場合に、搭載機器が放射線により被曝し、性能劣化が発生する可能性があり、しかも、何れの機器が被曝したかは、地上からは容易に判別し難い状況にある。しかしながら、この放射線検出システム30を利用することにより、何れの機器が放射線により被曝した場合には、この光ファイバケーブル20も被曝した搭載機器の近傍位置にある隙間26から光ファイバ10内に放射線が進入することになる。従って、この放射線検出システム30を利用することにより、何れの搭載機器が放射線により被曝したかを、容易に検出することが出きることとなり、この点における利用価値は非常に高いものである。
【0057】
尚、この発明は、上述した構成に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形可能であることは言うまでもない。
【0058】
例えば、上述した実施例の光ファイバ10においては、シンチレータ18は、クラッド層14内に分散されるように説明したが、この発明は、このような構成に限定されることなく、例えば図5に第1の変形例として示すように、クラッド層14の外周面を全面的に被覆されるように設けられた検出層19を備え、この検出層19内に、シンチレータ18を分散させるように構成しても良い。この場合、保護層16は、検出層19の外周面を覆うように設けられることは言うまでもない。
【0059】
また、、上述した一実施例の放射線検出システム30においては、光ファイバケーブル20の他端に、反射板34を設けるように説明したが、この発明は、このような構成に限定されることなく、例えば、図6に第2の変形例として示すように、光ファイバケーブル20の他端に反射板34を取り付けることなく、オープンな状態に放置するように構成しても良い。
【0060】
この場合には、何れの隙間位置で放射線が検出されたかを演算することは出来ないが、少なくとも、位置は関係なくとも放射線漏れが発生したことの事実のみを検出することが要求される場合には、有効である。特に、このように、放射線漏れ位置の演算をする必要がない場合には、情報処理装置38の構成も簡易化され、それだけ安価に構成することが可能となり、更なるコストの低廉化を達成することが可能となる。
【0061】
また、上述した一実施例においては、光電変換器32は1つの光入力端子32Aを有し、光ファイバケーブル20の一端が、この入力端子に接続されるように説明したが、この発明は、このような構成に限定されることなく、例えば、図7に第3の変形例として示すように、光電変換器32は2つの入力端子32A、32Bを有し、光ファイバケーブル20の両端が、2つの入力端子32A、32Bに夫々接続されるように構成しても良い。この場合、光ファイバケーブル20はループ状に用いられることになる。
【0062】
以上詳述したように、この発明によれば、確実に且つ即座に放射線漏れを監視することの出来る放射線検出システムが提供されることになる。
【0063】
また、この発明によれば、放射線漏れを検出することの出来る放射線検出システムが安価に提供されることになる。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる放射線検出システムに用いられる光ファイバケーブルの光ファイバの構成を示す断面図である。
【図2】この発明に係わる放射線検出システムに用いられる光ファイバケーブルの構成を一部破断した状態で示す斜視図である。
【図3】図2に示す光ファイバケーブルの隙間の配設状態を示す断面図である。
【図4】この発明に係わる放射線検出システムの一実施例の構成を概略的に示すシステム図である。
【図5】図1に示す光ファイバの第1の変形例に係わる構成を示す断面図である。
【図6】この発明に係わる放射線検出システムの第2の変形例に係わる構成を概略的に示すシステム図である。
【図7】この発明に係わる放射線検出システムの第3の変形例に係わる構成を概略的に示すシステム図である。
【符号の説明】
10 光ファイバ
12 コア
14 クラッド層
16 保護層
18 シンチレータ
19 検出層
20 光ファイバケーブル
22 補強層
22A 強化繊維の束
22B テープ
24 放射線遮蔽層
26 隙間
28 外被層
30 放射線検出システム
32 光電変換器
32A (第1の)光入力端子
32B 第2の光入力端子
34 反射板
36 A/D変換器
38 情報処理装置
40 ディスプレイ装置
42 警報装置
Claims (23)
- 放射線が照射された部位が発光するように形成され、発光した光を伝送する光ファイバと、前記光ファイバの外周を略全面的に覆うように配設された放射線遮蔽層とを含む光ファイバケーブルと、
この光ファイバケーブルの一端が接続された光電変換手段と、
前記光ファイバケーブルの他端が接続された反射手段と、
処理手段とを具備し、
前記放射線遮蔽層は、長さ方向の異なる位置に設けられた複数の隙間を有し、
前記処理手段は、前記光電変換手段からの出力信号に現われる2つの検出信号のズレ時間に基づいて前記複数の隙間のうちのいずれの隙間に放射線が照射されたかを特定する演算を実行するように構成されていることを特徴とする放射線検出システム。 - 前記光電変換手段と処理手段との間には、A/D変換手段が介設され、前記処理手段は前記出力信号をデジタル処理することを特徴とする
請求項1に記載の放射線検出システム。 - 前記光電変換手段は、1つの入力端子を備え、前記光ファイバケーブルは、その一端を前記光電変換手段の入力端子に接続されていることを特徴とする
請求項1に記載の放射線検出システム。 - 前記光ファイバは、
前記発光した光を伝送する光導波性を有し、一方向に沿って延出するコア、及び、
このコアの外周面を全面的に被覆して前記コア内を伝送させる光を該コア内に閉じ込めると共に、放射線により発光するシンチレータが分散されているクラッド層
を備えることを特徴とする
請求項1に記載の放射線検出システム。 - 前記光ファイバは、
前記検出部において発光した光を伝送する光導波性を有し、一方向に沿って延出するコアと、
このコアの外周面を全面的に被覆して前記コア内を伝送させる光を該コア内に閉じ込めるクラッド層と、
このクラッド層の外周面を全面的に被覆すると共に、放射線により発光するシンチレータが分散されている検出層
を備えることを特徴とする
請求項1に記載の放射線検出システム。 - 前記光ファイバケーブルは、前記光ファイバの外周面を全面的に覆う補強層を更に備え、前記放射線遮蔽層は、この補強層の外周に配設されていることを特徴とする
請求項4又は5に記載の放射線検出システム。 - 前記補強層は、前記一方向に沿って延びる強化繊維の束を備えていることを特徴とする請求項6に記載の放射線検出システム。
- 前記強化繊維の束は、その外周をテープにより巻回されることにより、前記光ファイバの外周に固定されていることを特徴とする
請求項7に記載の放射線検出システム。 - 前記放射線遮蔽層は、前記補強層の外周面を被覆している事を特徴とする
請求項6に記載の放射線検出システム。 - 前記放射線遮蔽層は、鉛がコーティングされたテープを巻き付けることにより構成されていることを特徴とする
請求項9に記載の放射線検出システム。 - 前記隙間は、前記光ファイバの周方向に沿う全長に渡り形成されていることを特徴とする
請求項4又は5に記載の放射線検出システム。 - 前記放射線遮蔽層の外周には、最外層に位置した状態で、放射線透過性を有する外被層が全周を覆うように配設されていることを特徴とする
請求項4乃至11の何れか1項に記載の放射線検出システム。 - 前記シンチレータは、無機シンチレータであることを特徴とする請求項4又は5に記載の放射線検出システム。
- 前記シンチレータは、前記クラッド層内にドーピングにより分散されていることを特徴とする
請求項4に記載の放射線検出システム。 - 前記シンチレータは、前記検出層内にドーピングにより分散されていることを特徴とする
請求項5に記載の放射線検出システム。 - 前記放射線は、X線、α線、β線及びγ線の少なくとも一つを含み、前記シンチレータは、前記X線、α線、β線及びγ線の何れかにより発光することを特徴とする
請求項4又は5に記載の放射線検出システム。 - 前記クラッド層の外周面には、保護層が被覆されていることを特徴とする
請求項4に記載の放射線検出システム。 - 前記検出層の外周面には、保護層が被覆されていることを特徴とする
請求項5に記載の放射線検出システム。 - 前記コアは、石英ガラスから形成されていることを特徴とする
請求項4又は5に記載の放射線検出システム。 - 前記クラッド層は、透明高分子合成樹脂から形成されていることを特徴とする
請求項4又は5に記載の放射線検出システム。 - 放射線が照射された部位が発光するように形成され、発光した光を伝送する光ファイバと、
前記光ファイバの一端が接続された反射手段と、
前記光ファイバの外周を略全面的に覆うように配設された放射線遮蔽層
とを具備し、
前記放射線遮蔽層は、長さ方向の異なる位置に設けられた複数の隙間を有する
放射線検出具。 - 前記光ファイバは、
前記発光した光を伝送する光導波性を有し、一方向に沿って延出するコア、及び、
このコアの外周面を全面的に被覆して前記コア内を伝送させる光を該コア内に閉じ込めると共に、放射線により発光するシンチレータが分散されているクラッド層
を備えることを特徴とする
請求項21に記載の放射線検出具。 - 前記光ファイバは、
前記検出部において発光した光を伝送する光導波性を有し、一方向に沿って延出するコアと、
このコアの外周面を全面的に被覆して前記コア内を伝送させる光を該コア内に閉じ込めるクラッド層と、
このクラッド層の外周面を全面的に被覆すると共に、放射線により発光するシンチレータが分散されている検出層
を備えることを特徴とする
請求項21に記載の放射線検出具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24651498A JP3771058B2 (ja) | 1998-08-18 | 1998-08-18 | 放射線検出システム |
Applications Claiming Priority (1)
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