JP2013253912A - 放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー及び放射線漏れ検出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 炭素、Cu又は燐光物質をドープすることなしに、ガンマ線の照射による劣化がなく、温度変化に対しても安定であり、目視による確認が可能である放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー及び放射線漏れ検出システムを提供する。
【解決手段】OH基の含有量が1ppm以下であり、且つ酸素欠損を含有し、1280℃での粘度Logηが11.8poise以上で、紫外線照射によって遅延蛍光を発生し、放射線の照射によって400nm〜700nmに蛍光を発生する合成石英ガラスで構成されてなるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】OH基の含有量が1ppm以下であり、且つ酸素欠損を含有し、1280℃での粘度Logηが11.8poise以上で、紫外線照射によって遅延蛍光を発生し、放射線の照射によって400nm〜700nmに蛍光を発生する合成石英ガラスで構成されてなるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、放射線、特に中性子線やガンマ線が照射されたときに石英ガラスから発生する可視光の蛍光を利用した石英ガラスセンサーに係り、特に原子炉内での中性子線やガンマ線の漏れを有効に検出することが可能な放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー及び放射線漏れ検出システムに関する。
従来のシンチレータには、タングステン鉛(PWO)やLBO:CuやCsBrなどの無機結晶のシンチレータが使用されてきた。また、シンチレーションファイバーにはプラスチックシンチレータが使用されてきたが、放射線に弱いのが欠点であった。
合成石英ガラスにCe3+を添加したファイバーも開発されてきたが、Sol−Gel法による製造のために実用化は難しい。放射線に強いシンチレーションファイバーが開発できれば、加速器、原子炉など放射線の強い場所での計測や長期モニターに力を発揮することができる。また、原子炉内の温度分布測定や先端に発光センサ(シンチレータなど)をつけて、中性子束分布を測定することに利用されている。
特許文献1では、OH基やFを含有するシリカガラスを光ファイバーとしてガンマ線線量を測定する方法が提示されているが、石英ガラス中にOH基やFを含有させることで石英ガラスの粘度が低下してしまい、高温の領域では使用できないなどの問題があった。
また、一般的なNaI(ヨウ化ナトリウム)、CsI(ヨウ化セシウム)などの無機シンチレータを用いると、発光波長は400nmとなり、この波長は光ファイバー内では損失が大きくて問題であった。しかしながら、ガンマ線に天然石英ガラスが曝されると天然石英ガラス中の不純物に起因した欠陥によってガラスに着色が発生してしまうなどの問題があった。
また、天然石英ガラスにガンマ線を照射した場合には、3.1eV(400nm)に強い発光が認められることが報告されている。また、OH基を800ppm含有する合成石英ガラスにガンマ線を照射すると、いわゆる酸素欠損による2.7eV(460nm)の発光が認められることも報告されているが、発光強度が小さく、ファイバーにしてしまうと十分に検出することができなかった。
ガンマ線の照射エネルギー8.4×1017n/m2の無水溶融(天然石英ガラス)の発光強度とガンマ線の照射エネルギー2.7×1020n/m2の有水合成(合成石英ガラス)の発光強度の比率は、合成石英ガラスは照射エネルギーが約300倍も強いのに発光強度は1/5程度しか観察されていない(非特許文献1)。
このように、合成石英ガラスにガンマ線のような強いエネルギーを有する光を照射すると発光が発生することが分かっているが、その発光強度は弱く、ファイバーで伝送しても十分に検出することができなかった。また、最近の福島第一原発の事故のように電気が遮断されてしまえば、電気システムでガンマ線を測定することができない場合が予測され、電気による検出器や増幅器に頼らないガンマ線を検出するシステムが必要とされている。
田辺哲朗 他、プラズマ対向材(PFM)に対する中性子照射効果 −SiO2の炉心におけるその場発光吸収測定−、UTNL−R(東京大学大学院工学系研究科付属原子力光学研究施設)411号 20−21頁、東京大学大学院工学系研究科付属原子力光学研究施設、2000年
こうした現状に鑑み、本発明者等は、合成石英ガラスのガンマ線照射時のIn−situの蛍光発生状況の測定を重ねた結果、ガンマ線照射によって400nm〜700nmに強く蛍光を発生する合成石英ガラスを探し当てたのである。また、この遅延蛍光は燐光物質をドープしていないために安定で、ガンマ線の照射による劣化もなく、また温度変化に対しても安定である。また、一般的にプラスチックシンチレーションファイバーなどが放射線を感知する素材として使用されているが、温度的な問題やプラスチック材料であることから放射線による劣化が問題となっている。また、原子炉からガンマ線が漏洩した場合には、炉内の核燃棒が異常に反応している可能性があり、このため原子炉容器周囲は高温、多湿になり、非常に過酷な条件化でガンマ線の漏洩を検出する必要がある。また、ファイバー状に石英ガラスを原子炉容器周囲に敷設した場合には、高温でも十分耐えうる粘度が必要となる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、炭素、Cu又は燐光物質をドープすることなしに、ガンマ線の照射による劣化がなく、温度変化に対しても安定であり、目視による確認が可能である放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー及び放射線漏れ検出システムを提供することを目的とする。
本発明に係る放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーは、OH基の含有量が1ppm以下であり、且つ酸素欠損を含有し、1280℃での粘度Logηが11.8poise以上で、紫外線照射によって遅延蛍光を発生し、放射線の照射によって400nm〜700nmに蛍光を発生する合成石英ガラスで構成されてなることを特徴とする。
前記放射線としては、X線、α線、β線、γ線(ガンマ線)、中性子線、電子線などが適用できるが、中性子線又はガンマ線が好適である。
本発明に係る放射線漏れ検出システムは、前記放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーを光ファイバー状とし、前記光ファイバー状とした放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーを原子炉容器周囲に張り巡らし、前記原子炉容器からの放射線の漏れを検出することを特徴とする。
また、前記光ファイバー状とした放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーを複数本束ねて、バンドルファイバー状とし、前記バンドルファイバー状とした放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーを原子炉容器周囲に張り巡らし、前記原子炉容器からの放射線の漏れを検出するようにする構成としてもよい。
本発明によれば、炭素、Cu又は燐光物質をドープすることなしに、ガンマ線の照射による劣化がなく、温度変化に対しても安定であり、目視による確認が可能である放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー及び放射線漏れ検出システムを提供することができるという著大な効果を奏する。
また、本発明によれば、停電下でも電気なしで放射線の検出を目視ですることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これらは例示的に示されるもので、本発明の技術的思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明の放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーは、OH基の含有量が1ppm以下であり、且つ酸素欠損を含有し、1280℃での粘度Logηが11.8poise以上で、紫外線照射によって遅延蛍光を発生し、放射線の照射によって波長400nm〜700nmに蛍光を発生する合成石英ガラスで構成されてなる。
合成石英ガラス中には特に燐光発生する物質を含有させていないし、また合成石英ガラスそのものをセンサーとして使用することから、いろいろな形状にすることが可能である。
例えば、ファイバー状に延伸したり、研磨して薄膜にしたり、またはプリズムやレンズ、球状の放射線検出用センサーを提供することが可能となる。
図1に、ファイバー状とした放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーの例を示す。図1において、符号10は本発明の放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーの一つの実施の形態を示す。放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー10は、OH基の含有量が1ppm以下であり、且つ酸素欠損を含有し、1280℃での粘度Logηが11.8poise以上で、紫外線照射によって遅延蛍光を発生し、放射線の照射によって400nm〜700nmに蛍光を発生する合成石英ガラス12を、ファイバー状としたものである。
放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー10は、放射線源14からの放射線(例えばガンマ線)の照射により、波長400nm〜700nmに蛍光を発生する。人間の眼に見える電磁波の波長の下限はおよそ波長400nm程度で、人間の眼に見える電磁波の波長の上限はおよそ700nm程度であるから、放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー10から発生した蛍光16を人間の眼18で視認することが可能である。故に、合成石英ガラス12は、放射線検出用センサーとして機能するのである。
また、紫外線の照射によって遅延蛍光を発生する合成石英ガラスなので、ガンマ線照射によっても波長500nm以上にも蛍光を発生させることが可能である。このため、ガンマ線のエネルギーを効率よく可視光領域の波長に変換することが可能となる。
シンチレータの場合には、熱が放出されてしまうためにエネルギーがロスし、変換効率が悪くなってしまう。このため交換効率を良くするためには、材料を液体窒素などで冷却するなどの処理が必要であったが、本発明の合成石英ガラスで構成したセンサーでは熱を放出することがないので、室温でも十分な変換効率を得ることが可能である。
ガンマ線は石英ガラスで吸収されてしまわないので、石英ガラスの表面だけではなく、内部も全て可視光の蛍光に変換できるメリットがある。蛍光とは、(i)エネルギーを受けた電子が一重項励起電子のもっともエネルギーレベルの高いところへ移る。(ii)次に一重項励起電子でエネルギーレベルの高いところから低いところへ移り、一気に基底状態まで戻る。(iii)このときに発生する可視光が蛍光で、一連の過程はナノ秒以下という非常に短い時間で起こる。
遅延蛍光とは、(i)エネルギーを受けた電子が一重項励起電子のもっともエネルギーレベルの高いところへ移る。(ii)一重項励起電子が直接基底状態に戻るのではなく、いったんエネルギーレベルの低い三重項励起電子に移る。(iii)さらに三重項励起電子から再び一重項励起電子にあがり、そこから一気に基底状態に戻る。(iv)このとき発生するのが可視光の蛍光であるが、三重項励起電子から基底への転移が一重項励起を経由するので蛍光の発生が遅延され、100μ秒から数10秒といった長いスケールで蛍光が継続するのが特徴である。
本発明の放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーでは、今までプラスチックシンチレーションファイバーでは使用できなかった高温での放射線を感知して可視光の遅延蛍光を発生する波長変換を達成することができるのである。
また、ファイバー状にして原子炉容器周囲に張り巡らせた場合には、ガンマ線照射によって発生した可視光領域の蛍光を検出することが可能となり、ガンマ線の漏れている箇所を容易に判断することができる。通常は検出器などでモニターをすれば構わないが、電気の供給がストップした場合でも蛍光が可視光であるために、目視でガンマ線の漏洩が発生しているのか否かの確認を行うことができる。
石英ガラスの光の伝送損失は波長400nmでは50db/kmと非常に損失が大きいが、波長600nmでは10db/kmまで改善される。よって、発生する蛍光としては可視光領域で長波長、特に波長500nm以上にも蛍光を発生することが望ましい。
また、原子炉容器から放射線が漏洩した場合には、原子炉内で異常な核反応が発生している可能性があり、高温でファイバーが変形してしまうと、こうした異常に対応ができない可能性がある。このため、石英ガラスとしては耐熱性を劣化させるOHやFを含有しないことが望ましい。このため、1280℃での粘度Logηが11.8poise以上が好ましい。
また、石英ガラス中のHの含有量は特には規定しないが、Hが存在すると、酸素欠損のSi−Si結合と反応してしまい、Si−Hが形成されることが危惧される。Si−H結合が石英ガラス中に形成されてしまうと460nmの蛍光の発生が抑制されてしまう可能性があり、Hの含有量は少ない方が好ましい。
紫外線照射による遅延蛍光に関しては、紫外線ランプの波長254nmを照射したときに、可視光に遅延蛍光が発生することが好ましい。酸素欠陥による波長460nmの蛍光と、波長500nmから波長700nmに発生する遅延蛍光との相乗効果で波長400nm〜700nmに蛍光を発生することが可能となり、これにより可視光全域に蛍光が発生することになり、光ファイバーとしても伝送損失が少ない波長でも蛍光を伝送することが可能となる。
この合成石英ガラスの直径1mmのファイバーを10−20本束ねてバンドルファイバーを作成し、このファイバーの外周部はフレキシブル金属コルゲート管とし、このバンドルファイバーを原子炉容器の周囲に敷設すればよい。
バンドルファイバーとした例を図2に示す。図2において、符号20はバンドルファイバーを示す。図1で示したファイバー状の合成石英ガラス12を10本束ねて、その外周部をフレキシブル金属コルゲート管22で構成しバンドルファイバー20としたものである。
次に、本発明の放射線漏れ検出システムの一つの実施の形態を図3に示す。図3において、符号30は、本発明の放射線漏れ検出システムの一つの実施の形態を示す。
放射線漏れ検出システム30は、光ファイバー状とした放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー10を複数本束ねて、バンドルファイバー20とし、前記バンドルファイバー20を原子炉容器24周囲に張り巡らし、前記原子炉容器24からの放射線の漏れを検出するようにしたシステムである。
例えば図3に示すように原子炉容器24の周囲にバンドルファイバー20を張り巡らせれば、ガンマ線照射によって発生した可視光領域の蛍光を検出することが可能となり、ガンマ線の漏れている箇所を容易に判断することができる。このバンドルファイバー20の長さは特に規定はしないが、安全が確保できる中央制御室26まで敷設できれば構わない。中央制御室26では、通常時はこのバンドルファイバー20をマルチチャンネル検出器28を使用して、放射線漏れに基づく異常な発光がないかどうか確認することができる。
通常時の放射線漏れはこうした機器を使用して管理することができる。しかしながら、最悪の事態が発生し、何らかのトラブルで電気の供給が遮断されたときには、最終手段として直接バンドルファイバー20の端部を暗室で人間の眼を通して波長400nm〜700nmの可視光の異常な発光を確認することで、放射線の漏洩を確認することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきものでないことはいうまでもない。
(実施例1)
シリカガラススート母材を四塩化ケイ素(SiCl4)ガスを水素と酸素の火炎の中で加水分解を起こして、ターゲット材に堆積させて作成した。次いで、このスート母材を有機ケイ素化合物のガス中で脱水し、水素雰囲気中で焼成した後、還元性雰囲気中で加熱後、真空炉中で1550℃でガラス化して、酸素欠損を有する合成シリカガラス母材を作成した。
シリカガラススート母材を四塩化ケイ素(SiCl4)ガスを水素と酸素の火炎の中で加水分解を起こして、ターゲット材に堆積させて作成した。次いで、このスート母材を有機ケイ素化合物のガス中で脱水し、水素雰囲気中で焼成した後、還元性雰囲気中で加熱後、真空炉中で1550℃でガラス化して、酸素欠損を有する合成シリカガラス母材を作成した。
(比較例1)
シリカガラススート母材を四塩化ケイ素SiCl4ガスを水素と酸素の火炎の中で加水分解を起こして、ターゲット材に堆積させて作成した。次いで、このスート母材を塩素雰囲気中で加熱後、真空炉中で1550℃でガラス化して、酸素欠損を有する合成シリカガラス母材を作成した。
シリカガラススート母材を四塩化ケイ素SiCl4ガスを水素と酸素の火炎の中で加水分解を起こして、ターゲット材に堆積させて作成した。次いで、このスート母材を塩素雰囲気中で加熱後、真空炉中で1550℃でガラス化して、酸素欠損を有する合成シリカガラス母材を作成した。
(比較例2)
シリカガラススート母材を四塩化ケイ素SiCl4ガスを水素と酸素の火炎の中でガラス化し、直接ターゲット材に堆積させて、酸素欠損を有しない合成シリカガラス母材を作成した。
シリカガラススート母材を四塩化ケイ素SiCl4ガスを水素と酸素の火炎の中でガラス化し、直接ターゲット材に堆積させて、酸素欠損を有しない合成シリカガラス母材を作成した。
(比較例3)
天然に産出する石英粉をグラファイトルツボの中に充填し、真空雰囲気中でカーボンヒーターを使用して2200℃で加熱して、石英粉を溶融して直径50cmの石英ガラスブロックを作成した。
天然に産出する石英粉をグラファイトルツボの中に充填し、真空雰囲気中でカーボンヒーターを使用して2200℃で加熱して、石英粉を溶融して直径50cmの石英ガラスブロックを作成した。
(比較例4)
シリカガラススート母材を四塩化ケイ素SiCl4ガスを水素と酸素の火炎の中で加水分解を起こして、ターゲット材に堆積させて作成した。次いで、このスート母材をフッソガス雰囲気中で加熱後、真空炉中で1550℃でガラス化して、Fを1000ppm含有する合成シリカガラス母材を作成した。
シリカガラススート母材を四塩化ケイ素SiCl4ガスを水素と酸素の火炎の中で加水分解を起こして、ターゲット材に堆積させて作成した。次いで、このスート母材をフッソガス雰囲気中で加熱後、真空炉中で1550℃でガラス化して、Fを1000ppm含有する合成シリカガラス母材を作成した。
上記得られた実施例1及び比較例1〜4のシリカガラスを測定した結果を表1に示す。実施例1及び比較例1〜4のシリカガラスのOH基含有量については、赤外分光光度計にて、2.7μmの赤外線の吸収スペクトルから測定を行った。Cl含有量については、蛍光X線分析にて測定を行った。また1280℃での粘度LogηをBeambending法にて測定した。酸素欠損の有り無しについては、紫外線での透過率を測定し、波長200nm〜300nmに吸収があるか否かを確認した。
上記表1に示すように、紫外線照射時に実施例1の合成シリカガラス母材のみに遅延蛍光が認められた。
次に、上記実施例及び比較例の合成ガラスを石英ガラスファイバーとし、実際の石英ガラスファイバーを1000℃で加熱した場合、どの程度変形するかを実験した結果を表2に示す。表2において、実施例1の変形量を1とした場合のそれぞれの比較例の変形量を示した。
上記表2に示すように、実施例1の合成シリカガラス母材を用いた石英ガラスファイバーの変形量を1とした場合、比較例1〜2及び比較例4では、約6〜20倍もの変形量となってしまった。
次に、上記実施例1、比較例1〜4の合成石英ガラスのインゴット形状の母材から直径1mm、長さ20mのファイバー形状のロッドを10本準備し、外装はフレキシブル金属コルゲート管とし、これをまとめてバンドルファイバーを作成した。
Co60のガンマ線照射設備でバンドルファイバーの先端をガンマ線で照射し、このときIn−situで発生する蛍光を石英ガラス製のバンドルファイバーで照射設備の外部まで伝送し、波長を浜松ホトニクス株式会社のマルチチャンネル分光器PMA−12を使用して測定した。Co60のガンマ線の照射条件は、9.7e10/cm2/secとなっていた。測定結果を表3及び図4に示す。
上記表3より、実施例1の合成石英ガラスを使用したバンドルファイバーでは、波長300〜750nmの可視光に蛍光が認められ、この可視光を検知することでガンマ線の漏洩を検出することが可能であることが確認された。実施例1では、白色光に近い色の蛍光が観察され、容易に目視で見ることができた。比較例1及び比較例2では、図4に示すように、可視光領域に蛍光が発生していないために、可視光を検知することでの漏洩は検知できなかった。また、比較例3では、蛍光が認められたものの、茶色又は黒色がかった色のために目視では見えにくかった。
また、停電が発生したことを想定して、バンドルファイバーの先端を浜松ホトニクス株式会社のマルチチャンネル分光器PMA−12から外して、バンドルファイバーの端部を暗室で観察したところ、実施例1のバンドルファイバーの先端が明るく光、目視でのガンマ線漏洩の検出にも成功した。このバンドルファイバーを原子炉容器周囲に張り巡らすことで、ガンマ線の漏洩を可視光で検出することが可能となる。
10:本発明の放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー、12:合成石英ガラス、14:放射線源、16:蛍光、18:人間の眼、20:バンドルファイバー、22:フレキシブル金属コルゲート管、24:原子炉容器、26:中央制御室、28:マルチチャンネル検出器、30:本発明の放射線漏れ検出システム。
Claims (4)
- OH基の含有量が1ppm以下であり、且つ酸素欠損を含有し、1280℃での粘度Logηが11.8poise以上で、紫外線照射によって遅延蛍光を発生し、放射線の照射によって400nm〜700nmに蛍光を発生する合成石英ガラスで構成されてなることを特徴とする放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー。
- 前記放射線が、中性子線又はガンマ線であることを特徴とする請求項1記載の放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサー
- 請求項1又は2記載の放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーを光ファイバー状とし、前記光ファイバー状とした放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーを原子炉容器周囲に張り巡らし、前記原子炉容器からの放射線の漏れを検出することを特徴とする放射線漏れ検出システム。
- 前記光ファイバー状とした放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーを複数本束ねて、バンドルファイバー状とし、前記バンドルファイバー状とした放射線検出用ノンドープ石英ガラスセンサーを原子炉容器周囲に張り巡らし、前記原子炉容器からの放射線の漏れを検出することを特徴とする請求項3記載の放射線漏れ検出システム。
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