JP3770984B2 - 圧力調整弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力調整弁に関し、特に、空気調和装置において、冷媒ガスを圧縮して吐出するために配備されている可変容量型揺動板式圧縮機に組み込まれるのに好適な圧力調整弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、シリンダ、ピストン、及び、揺動板等を備えた可変容量型揺動板式圧縮機は、例えば、自動車用の空気調和装置の冷媒ガスを圧縮して吐出するために用いられており、該圧縮機はその揺動板が収容されたクランク室内の圧力に応じて前記揺動板の傾斜角を変化させ、その吐出容量を調整するものであって、一般によく知られているところである。
【0003】
かかる可変容量型揺動板式圧縮機は、前記空気調和装置のコンデンサの入口に接続される、冷媒ガス吐出用の吐出圧室と、前記空気調和装置のエバポレータの出口に接続される吸入圧室と、クランク室とを備えており、前記クランク室と前記吸入圧室との間には連通路が設けられ、該連通路に画成された収納室に圧力調整弁が介装収納されている。
【0004】
この圧力調整弁は、前記クランク室から前記吸入圧室への冷媒ガスの流入を調整するようになっており、該圧力調整弁の背面側には前記吐出圧室が連通せしめられている。
そして、前記圧力調整弁は、前記吐出圧室内の圧力(吐出圧)、前記吸入圧室内の圧力(吸入圧)、及び、前記クランク室内圧の各圧力のバランスによって該圧力調整弁に形成された弁孔の開度を変化させるようになっている。
【0005】
言い換えれば、シリンダとピストンとの間から漏れ出る冷媒ガス(ブローバイガス)によって前記クランク室内圧が決まるようになっており、前記クランク室内圧は、低圧側である前記圧縮機における吸入圧室の吸入圧よりも常時高くなるように設定される。前記圧縮機が高負荷状態、即ち、前記吸入圧が所定設定値以上になると、前記圧力調整弁が開弁し、前記クランク室内の冷媒ガス(ブローバイガス)が前記圧力調整弁を介して吸入圧室に流出することによって、前記クランク室内圧が低下し、該クランク室内圧の低下に伴い、前記揺動板の傾斜角度が大きくなってピストンのストロークが大きくなり吐出容量が増加するように機能する。
【0006】
一方、熱負荷が減少し(中負荷状態)、吸入圧が低下すると、該吸入圧の低下に伴って前記圧力調整弁の開度が小さくなって前記クランク室内の冷媒ガスが吸入圧室内に流出する量が減少するので、クランク室内圧が上昇し、これに伴い揺動板の傾斜角度が小さくなりピストンのストロークが小さくなって吐出容量が減少する方向に変化する。
【0007】
また、低負荷状態になり、冷媒の蒸発温度が低下してエバポレータが凍結してしまう状態になると、前記吐出圧及び吸入圧が所定値以下に下がり、前記圧力調整弁に作用する圧力が更に減少するので、前記クランク室内圧が上昇して前記揺動板の傾斜角度がより小さくなって吐出容量が減少する。
【0008】
このように、可変容量型揺動板式圧縮機のクランク室と吸入圧室との間の連通路に介装される圧力調整弁は、クランク室内圧の調整を担うものであるが、その圧力調整弁自体についても種々の提案がなされている。即ち、従来の圧力調整弁には、特公平2−2871号公報に開示されたものがあり、さらに、本出願人においても、図11に示すような圧力調整弁を先に提案しており(特願平7ー170021号の図2参照)、以下にこれを簡略化して説明する。
【0009】
この圧力調整弁30は、内部に高圧作動部34を有する本体ケース31と、内部に低圧作動部35を有する外部ハウジング32とを備えている。
前記本体ケース31は有底の厚肉筒状体とされ、また、前記外部ハウジング32が有底で段差のある薄肉筒状体とされており、前記本体ケース31の底部に前記外部ハウジング32の開口部32bが外嵌合してハンジング大径部の外周がかしめ固定されている。
【0010】
そして、前記外部ハウジング32の底部32aに弁孔32cが形成されるとともに、その周側部32eに複数の開孔32dが形成されており、前記低圧作動部35は、有底でハウジング小径部に収納できる大きさの低圧部ベローズ36、該低圧部ベローズ36の開口端部を閉鎖すべくそれに取付固定された弁ホルダ37、該弁ホルダ37に固定される弁押さえ体40aと該弁押さえ体40aに圧入もしくはかしめで係止保持されて前記弁孔32cに着座可能なボール弁本体42とからなる弁体40、前記低圧部ベローズ36内に配置されて前記弁体40を弁閉鎖方向に付勢する第1低圧部ばね39、及び、前記第1低圧部ばね39の付勢力に抗して反対方向に付勢する、前記弁ホルダ37に当接、また、弁押さえ体40aとはすきまばめ状態で配置される第2低圧部ばね41を備えている。
【0011】
前記有底の低圧部ベローズ36は、その開口端部に環状鍔部36aが設けられており、該環状鍔部36aに前記弁ホルダ37の鍔状外周部37aが溶着保持されている。
【0012】
前記本体ケース31内の前記高圧作動部34は、該本体ケース31に位置調整自在に螺合する調節ねじ46、前記本体ケース31の底部31aに穿設された貫通孔43に摺動自在に嵌挿されて低圧作動部35に突出する小径押圧部45aと前記調節ねじ46のステム摺動孔46bに摺動自在に嵌挿された大径部45bとを有する可動ステム45、及び、前記可動ステム45と前記調節ねじ46との間に介装される高圧部ばね48とを備えている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記可変容量型揺動板式圧縮機を自動車に搭載し、該自動車をアウトバーン等の高速道路で運転すると、前記圧縮機が高速回転、即ち、概ね5000〜7000以上で回転することとなり、前記圧縮機の高速回転に基づき吐出圧力が高くなることによって、吐出圧力、吸入圧、クランク室の各圧力が不安定となって、該圧縮機が激しく振動し、結果として騒音を発する、いわゆる、サージング現象が生じ、不安定な運転状態となる。
【0014】
前記圧縮機の高速回転に基づく騒音等の原因の一つに、前記圧縮機に組み込まれている前記圧力調整弁の振動が挙げられる。前記圧力調整弁は、該圧力調整弁の前記第1低圧部ばね39と低圧部ベローズ36が圧縮され、弁孔32cが開いた作動状態においては、前記可動ステム45部分でのみ前記弁体40を前記第1低圧部ばね39と低圧部ベローズ36を介して片持ち状で保持する状態となるので、前記弁体40が揺動振動を起こし、サージングが生じ易い状態になるからである。
【0015】
さらに、先願に係る圧力調整弁においても、その特性に基づきサージングが発生する恐れがある。即ち、前記調整弁は、低圧部ベローズの径が小なることによりリフト勾配が小さく、従って、調整弁の開弁過程において開弁量が小さいため(弁が閉まりきれず大きく開いている)、クランク室内の圧力が高まらず、その結果揺動板の傾斜角が大きいまま揺動板取付部材が高速回転するので、圧縮機の回転バランスが崩れサージングが生じ易い状態となるからである。
【0016】
また、従来の圧力調整弁30においては、製作組立性等を勘案して、外部ハウジング32、調節ねじ46、円錐コイルばねからなる第2低圧部ばねの寸法形状等にさらに改善することが望まれている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、特に、可変容量型揺動板式圧縮機の高速回転におけるサージング現象を減少させるとともに、製作組立性等を向上させることのできる可変容量型揺動板式圧縮機用の圧力調整弁を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記した如くの圧力調整弁に起因するサージングは、可変容量型揺動板式圧縮機を使用する限り発生するものであり、避けることはできないが、本願の発明者は、圧力調整弁の特定部位の寸法をある範囲内に設定することで、圧縮機回転数をパラメータとするサージングが発生する吐出圧の領域が高められることを見い出した。
【0018】
本発明に係る圧力調整弁は、上述の知見並びにそれに立脚した試作実験に基づいてなされたもので、基本的には、内部に高圧作動部34を有する本体ケース31と、内部に低圧作動部35を有する外部ハウジング32とを備え、前記本体ケース31内の前記高圧作動部34は、前記該本体ケース31に位置調整自在に螺合せしめられる調節ねじ46、前記本体ケース31の底部31aに穿設された貫通孔43にOリング44を介して摺動自在に嵌挿されて低圧作動部35に突出する小径押圧部45aと前記調節ねじ46のステム摺動孔46bにOリング47を介して摺動自在に嵌挿された大径部45bとを有する段差付きの可動ステム45、及び、前記可動ステム45と前記調節ねじ46との間に介装される高圧部ばね48とを備えている。
【0019】
そして、前記可動ステム45の有効受圧面積が0.3cm2 〜0.5cm2 の範囲内に設定されていることを特徴としている。
一般に、圧力調整弁に備えられる可動ステム45の有効受圧面積Sは、その小径押圧部45aの直径をα、その大径部45bの直径をβとすれば、次式、S=π/4・(β2 −α2 )で求められる。通常、可動ステム45はOリングによる拘束力による影響を受けるので、前記有効受圧面積Sが小さ過ぎると、正確な高圧補正効果が得られず、また、前記有効受圧面積Sが大き過ぎると、吐出圧の変動に過敏に反応するため、正確な高圧補正効果が得られない。従来の圧力調整弁において前記可動ステムの有効受圧面積Sは、0.2cm2 程度あるいは0.6cm2 程度であった。
【0020】
前記有効受圧面積Sが小さ過ぎても大き過ぎても、サージングが発生する吐出圧は低下することになり、自ずとその中間にサージングに対して最適な有効受圧面積が存在する。
【0021】
本願の発明者は、図4に示される如くに、前記有効受圧面積Sが異なる可動ステムを何種類か試作して、圧縮機回転数Nc(6200rpm,7000rpm、7500rpm)をパラメータとしてサージングが発生する吐出圧Pdを測定した結果、前記サージングが発生する吐出圧Pdは、図のように山状のものとなり、従来の可動ステムの有効受圧面積Sである0.2cm2 程度より大きく、かつ、0.6cm2 程度より小さな、前記有効受圧面積Sを0.3cm2 〜0.5cm2 の範囲内に設定したとき、前記サージングが発生する吐出圧Pdがピーク値近くの高い領域となることが確認された。
このように、サージングが発生する吐出圧の領域が高められることにより、使用上の安全性が向上する。
【0022】
また、本発明に係る他の圧力調整弁は、基本的には、内部に高圧作動部34を有する本体ケース31と、内部に低圧作動部35を有する外部ハウジング32とを備え、前記外部ハウジング32の底部32aに弁孔32cが形成されるとともに、その底部32a又は周側部32eに複数の開孔32dが形成されており、前記低圧作動部35は、有底の低圧部ベローズ36、該低圧部ベローズ36の開口端部を閉鎖すべくそれに取付固定された弁ホルダ37、該弁ホルダ37に固定される弁押さえ体40aと該弁押さえ体40aに係止保持されて前記弁孔32cに着座可能なボール弁本体42とからなる弁体40、前記低圧部ベローズ36内に配置されて前記弁体40を弁閉鎖方向に付勢する第1低圧部ばね39、及び、前記第1低圧部ばね39の付勢力に抗して反対方向に付勢する、前記弁ホルダ37に当接配置される第2低圧部ばね41、を備えている。
【0023】
そして、前記弁孔32cの孔径Fが3.0mm〜3.5mmの範囲内に設定されていることを特徴としている。
本願の発明者は、図5に示される如くに、前記弁孔32cの孔径Fが異なる外部ハウジングを何種類か試作して、圧縮機回転数Nc(6200rpm,7000rpm、7500rpm)をパラメータとしてサージングが発生する吐出圧Pdを測定した結果、前記サージングが発生する吐出圧Pdは、図のように山状のものとなり、従来の外部ハウジングの孔径5mm程度より小さな、前記孔径Fを3.0mm〜3.5mmの範囲内に設定したとき、前記サージングが発生する吐出圧Pdがピーク値近くの高い領域となることが確認された。
【0024】
このように、サージングが発生する吐出圧の領域が高められることにより、使用上の安全性が向上する。
また、本発明に係る他の圧力調整弁は、内部に高圧作動部34を有する本体ケース31と、内部に低圧作動部35を有する外部ハウジング32とを備え、前記本体ケース31が有底の厚肉筒状体とされるとともに、前記外部ハウジング32が有底の段差のない薄肉筒状体とされ、前記本体ケース31の底部に前記外部ハウジング32の開口側端部32dを突き当て外嵌合して前記外部ハウジング32の開口側端部32dの先端外周をかしめ固定していることを特徴としている。
【0025】
この場合、好ましい態様では、前記本体ケース31の外径Dより前記外部ハウジング32の外径Eの方が小さくされる。
上記のように、前記外部ハウジング32が有底の段差のない薄肉筒状体とされることにより、該外部ハウジング32の形状がストレートで単純なものとなるので、強度の大きいステンレス材を使用しても、従来の段差のついた形状のハウジングよりプレス加工が容易になるため、コストダウンを図ることができる。
【0026】
また、前記本体ケース31の底部に前記外部ハウジング32の開口側端部32dを突き当て外嵌合して前記外部ハウジング32の開口側端部32dの先端外周かしめ固定するようにしたことにより製作組立が容易となる。さらに、この突き当てによりかしめ固定するのでスプリングバックを防止できる。
さらに、本発明に係る他の別の圧力調整弁は、前記第2低圧部ばね41が円錐コイルばねからなっており、該第2低圧部ばね41の小径側が前記弁体40の弁押さえ体40aに緩いしまりばめ状態で外嵌されていることを特徴としている。
【0027】
このようにされることにより、円錐コイルばねからなる第2低圧部ばね41を予め前記弁体40の弁押さえ体40aに外嵌固定してそれと一緒に外部ハウジング32内に挿入することができるので、低圧部ベローズ36の組み付け性が向上するとともに、第2低圧部ばね41の位置決めを容易に行える。
【0028】
また、本発明に係る他の圧力調整弁は、前記調節ねじ46に、前記高圧作動部34に通じる連通孔49,49を1ケ所以上穿設したことを特徴としている。このように、調節ねじ46に連通孔49,49を1ケ所以上穿設したことにより、高圧作動部34のオイル溜まりが無くなり、吐出圧が正確に可動ステム45の受圧部に作用することになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の一実施例について説明する。
図1は、本実施例の圧力調整弁30が収納配置された可変容量型揺動板式圧縮機Aの断面図であり、前記圧縮機Aのハウジング1は、シリンダブロック2と、該シリンダブロック2の一端面(図中左端面)にバルブプレート3を介して気密に取り付けられたリヤヘッド4と、前記シリンダブロック2の他端面(図中右端面)に気密に取り付けられたフロントヘッド5とからなる。前記ハウジング1の内部には前記シリンダブロック2の前記フロントヘッド5の内周面及び内端面によってクランク室6が画成されている。前記シリンダブロック2には、前記ハウジング1の略中心線上にに沿って配設された駆動軸7を中心として、且つ、その軸線を該駆動軸7のそれと平行にして、周方向に所定間隔を存して複数個のシリンダ8が配設され、これらの各シリンダ8内にはピストン9がそれぞれ摺動自在に嵌挿されている。
【0030】
前記リヤヘッド4の一端面(図中左端面)には圧縮された冷媒ガスが吐出する吐出口4aが穿設されている。前記リヤヘッド4の内部の略中央部には吐出圧室10が形成され、該吐出圧室10は隔壁11により第1室101と第2室102とに仕切られ、該隔壁11に穿設された絞り孔11aによりこれら第1室101と第2室102とが連通している。
【0031】
従って、前記バルブプレート3の吐出ポート3aは、前記第1室101、絞り孔11a及び第2室102を順次介して前記リヤヘッド4の吐出口4aと連通している。前記吐出ポート3aは吐出弁12にて開閉されるもので、該吐出弁12は吐出弁止め13とともに、前記バルブプレート3のリヤヘッド4側に止めねじ14により取り付けられ、止めねじ14は前記バルブプレート3の孔3cに気密にOリング3eを介して前記シリンダブロック2のねじ孔2aに螺合している。前記吐出圧室10の外周側には吸入圧室15が形成され、該吸入圧室15は前記バルブプレート3に穿設された吸入ポート3bを介して前記シリンダ8に連通されている。前記吸入ポート3bは吸入弁12’にて開閉されるもので、該吸入弁12’は、前記バルブプレート3のシリンダブロック2側に取付られている。
【0032】
前記吸入圧室15は、図示しない吸入口を介して空気調和装置のエバポレータの出口に、また、前記吐出圧室は、前記吐出口4aを介して図示しないコンデンサの入り口にそれぞれ接続されている。
【0033】
前記シリンダブロック2と前記バルブプレート3及び前記リヤヘッド4とに渡って収納室16が形成され、該収納室16は、前記シリンダブロック2に穿設された連通路2bを介して前記クランク室6と連通している。また、前記収納室16は前記バルブプレート3に穿設された孔3dを介して前記吸入圧室15と連通している。前記収納室16内には前記圧力調整弁30(詳細後述)が収納されている。
【0034】
前記駆動軸7は、前記リヤヘッド4側端部が前記シリンダブロック2の中心孔49に軸受け49’を介して回転自在に支承され、且つ、前記フロントヘッド5側側端部は、該フロントヘッド5の中心孔50に軸受51を介して回転自在に支承されている。
【0035】
前記駆動軸7の前記フロントヘッド5側外周面には、前記駆動軸7の回転を揺動板取付部材52に伝達する回転保持部材53が嵌着され、該回転保持部材53は、スラスト軸受54を介して前記フロントヘッド5に支承されている。前記回転保持部53と前記揺動板取付部材52の互いの対向面の下側部相互間は、リンクアーム55を介して回動自在に結合されている。
【0036】
前記揺動板取付部材52には、ラジアル軸受63、スラスト軸受64、65を介して揺動板66が回転自在に設けられ、これらスラスト軸受64、65は軸受押さえ板67によって前記揺動板取付部材52に固定されている。前記揺動板66の前記ピストン9と対向する先端部66aと該ピストン9とは両端部にボール68a、68bをそれぞれ有するピストンロッド68によって回動自在に連結され、前記ピストン9は、前記揺動板66の揺動運動に伴い前記ピストンロッド68によって前記シリンダ8内を軸方向に往復摺動し、冷媒ガスの吸入、圧縮作用を行うようになっている。
【0037】
前記揺動板66にはスリッパ70を回転自在に支持したリストラントピン69が固定され、該スリッパ70は、前記フロントヘッド5内周面に前記駆動軸7の軸方向と平行に配置された2枚の案内板71の相互間に形成される溝内を移動するようになっている。このため、前記揺動板66は前記案内板71によって前記駆動軸7の回転方向の動きを拘束され、該駆動軸7の軸方向と平行な方向にヒンジボール58を支点として揺動運動を行うようになっている。
【0038】
次に、本実施例の圧力調整弁30について詳細に説明する。
図2は、前記圧力調整弁30の拡大断面図を示し、該圧力調整弁30は、円筒状の本体ケース31と外部ハウジング32とを備えている。該外部ハウジング32は、ステンレス製の薄板を素材としてプレス加工により段差のない有底の円筒状に形成されており、該外部ハウジング32の底部32aは、前記収納室16の前記区画室16b内に配置されたスプリング17の付勢力によってシート部材33を介して前記収納室16のシリンダブロック2の部分16aの内端面に当設せしめられている。該底部32aには弁孔32cが穿設され、該弁孔32cに近接した筒状部の周側部32eには複数の開孔32dが穿設されている。一方、前記外部ハウジング32の他端の開口側端部32bは、前記本体ケース31の筒状底部に形成された環状溝31eに外嵌合してかしめ固定されている。
【0039】
ここでは、図3に示される如くに、前記本体ケース31の外径Dより前記外部ハウジング32の外径Eの方が小さくされている。
また、前記弁孔32cの孔径Fが3.0mm〜3.5mmの範囲内に設定されている。
【0040】
前記本体ケース31は、厚肉筒状体であり、その外周中間部を前記収納室16のバルブプレート3の部分にOリング20を介して挿通され、該バルブプレート3に対して気密保持され、前記収納室16のリヤヘッド4の部分16cの内周面に当接した状態で前記収納室16内に収納保持されている。しかし、前記外部ハウジング32は、前記収納室16のシリンダブロック2の部分16aと特定間隔を存して配置されている。
【0041】
前記外部ハウジング32の前記弁孔32cは、前記シート部材33の孔33aを介して前記シリンダブロック2の連通路2bに連通せしめられ、前記本体ケース31の開放端部が面する前記収納室16の前記リヤヘッド4内の区画室16bは前記リヤヘッド4に穿設した連通路21を介して前記吐出室10の第2室102 に連通されている。
【0042】
前記本体ケース31の内部は、高圧作動部34として機能し、前記外部ハウジング32の内部は、低圧作動部35として機能する。
該低圧作動部35は、蛇腹状の伸縮可能な有底カップ状の低圧部ベローズ36と、該低圧部ベローズ36の一端の開口部に取付られた弁ホルダ37と、前記低圧部ベローズ36の底部36aに配置されたストッパ38と、前記弁ホルダ37を閉弁方向に押圧するコイル状の第1低圧部ばね39と、前記弁ホルダ37に嵌合固定支持される弁体40とからなる低圧部ベローズ組立体を構成し、該低圧部ベローズ組立体のリフト勾配は1mm/kgf/cm2 以上に設定されおり、かつ、前記弁体40を開弁方向に付勢するコイル状の第2低圧部ばね41を備えている。
【0043】
前記弁体40は、弁抑え体40aと該弁抑え体40aに圧入もしくはかしめによって係止保持されたボール弁本体42から成っている。
前記円錐コイルばねからなる第2低圧部ばね41は、その小径側が前記弁体40の弁押さえ体40aに緩いしまりばめ状態で外嵌されている。
また、前記低圧部ベローズ36の一端の開口部36aには、前記弁ホルダ37の外周部37aが係合せしめられ、電子ビーム等で該係合部を溶着している。
【0044】
前記弁体40を含む前記低圧作動部35の各部材は、第1低圧部ばね39と該第1低圧部ばね39の付勢方向に対抗して反対方向に付勢する第2低圧部ばね41とによって弾性的に保持されている。前記弁体40は、前記低圧部ベローズ36の伸縮によって移動可能であり、前記外部ハウジング32の前記底部32aに穿設した前記弁孔32cのシート部に着座可能に配置されている。前記低圧部ベローズ36内の空間は真空とされている為、温度影響を受けて所定設定値が変化することなく、吸入圧Psのみの変化により所定設定値は変化する。
【0045】
前記本体ケース31は、内部が高圧作動部34として機能し、底部31aを有する筒状体で構成され、前記底部31aには、貫通孔43が穿設されており、該貫通孔43には密封Oリング44を介して可動ステム45の小径押圧部45aが摺動可能に嵌挿されている。前記本体ケース31の前記底部31aと反対側の開口部31bには、ネジ付の調節ねじ46が螺合されており、該調節ねじ46の区画室16b側には、回動調節溝46aが刻設され、前記低圧作動部35側には、有底のステム摺動孔46bが開口され、該ステム摺動孔46bには前記可動ステム45の大径部45bが密封Oリング47を介して摺動可能に嵌挿されている。
【0046】
ここで、可動ステム45の有効受圧面積Sは、その小径押圧部45aの直径をα、その大径部45bの直径をβとすれば、次式、S=π/4・(β2 −α2 )で求められるが、本実施形態においては、前記可動ステム45の有効受圧面積Sが0.3cm2 〜0.5cm2 の範囲内に設定されている。
【0047】
前記可動ステム45の前記大径部45b側には、ばね支持孔45cが穿設され、該ばね支持孔45cには高圧部ばね48が配置され、該高圧部ばね48によって前記可動ステム45を低圧作動部35側に押圧している。該押圧によって、前記可動ステム45の前記小径押圧部45aの自由端45a1が、前記低圧部ベローズ36の底部外面36aに常時接触する状態とされている。前記可動ステム45の前記小径押圧部45aにはばね支持孔45cから伸びる貫通孔45dが穿設され、前記低圧作動部35に連通している。
【0048】
前記本体ケース31内の該本体ケース31の前記底部31aの内面と前記調節ねじ46の内面との間には作動室31bが画成されるとともに、前記調節ねじ46には、前記作動室31bと前記区画室16bとを連通させるべくその背面側から軸線方向に沿って1本以上の連通孔49,49が穿設されており、前記作動室31bに吐出圧室の冷媒ガスが導かれ、該作動室を吐出圧Pdとしている。
【0049】
次に、前述の如く構成された本実施例の圧力調整弁30の作動を前記可変容量型揺動板式圧縮機Aの作動とともに説明する。
自動車のエンジン等によって前記圧縮機Aの駆動軸7を回転させると、該駆動軸7の回転によって揺動板取付部材52が回転する。該揺動板取付部材52の回転に基づく位置変更により、前記揺動板66が前記駆動軸7の周りの円周方向の傾斜位置を変更する。前記揺動板66の傾斜位置の変更によって、該円周方向に複数配置された複数の前記ピストン9が往復動して冷媒ガスの圧縮を行う。
【0050】
また、前記揺動板66の傾斜角は、前記クランク室6の室内圧Pwに依存し、該クランク室6の室内圧Pwが減少するときは、揺動板66の傾斜角が増加し、前記ピストン9のストローク量が増加して圧縮機Aの吐出量が増加し、前記クランク室6の室内圧Pwが増加すると、前記揺動板66の傾斜角が減少し、前記ピストン9のストローク量が少なくなり、前記圧縮機Aの吐出量が減少すべく作動する。
【0051】
前記圧縮機Aの吐出圧室10の吐出冷媒ガスは、前記連通路21を介して前記収納室16の前記区画室16b、更に、前記作動室31bに導かれ、吐出圧Pdとして前記圧力調整弁30の前記高圧作動部34の圧力として作用するとともにし、前記吸入圧室15の吸入冷媒ガスは、前記バルブプレート3の孔3dを介して吸入圧Psとして前記収納室16に導かれ、更に、前記外部ハウジング32の前記開口32dから前記低圧作動部35に導かれて作用する。
【0052】
そして、前記圧縮機Aの吐出圧Pd、及び、吸入圧Psが所定設定値以上の高負荷状態においては、前記吐出圧Pdが前記高圧部ばね48のばね力よりも大となることにより、前記可動ステム45が前記高圧部ばね48の付勢力に抗して前記リヤヘッド4側に移動し、前記可動ステム45の自由端45a1を前記低圧作動部32から引っ込めた状態となる。また、前記吸入圧室15内の冷媒ガスの吸入圧Psが前記低圧作動部35の前記低圧部ベローズ36に作用することによって、該低圧部ベローズ36が前記低圧部ばね39の付勢力に抗して前記リヤヘッド4側に収縮移動し、前記弁体40を前記リヤヘッド4側に移動させ、前記弁体40の前記ボール弁本体42が前記弁孔32cのシート部から離れて、開弁状態とする。かかる状態においては、前記クランク室6の冷媒ガスの室内圧Pwが前記吸入圧Psより常に高くなるように設定されているので、該クランク室6内の冷媒ガスが、前記連通路2b、前記弁孔32c、開孔32d、前記収納室16のシリンダブロック2の部分16a、及び、バルブプレート3の孔3dを順次介して吸入圧室15に流入することによって、前記クランク室6の室内圧Pwが大きく低下する。該クランク室6の室内圧Pwの低下によって、前記揺動板66の傾斜角は最大になり、これに伴い前記ピストン9のストローク量も最大となって、前記圧縮機Aの吐出量が最大となる。
【0053】
次に、前記吐出圧Pd、及び、吸入圧Psが所定値の中負荷状態においては、前記吐出圧Pdが前記高圧部ばね48の付勢力よりもまだ強い状態にあるので、前記可動ステム45は前記リヤヘッド4側に移動した状態にあり、該可動ステム45の自由端45a1が前記低圧作動部32から引っ込んだ状態となっていて、前記低圧部ベローズ36に対する押圧力は作用しない。そして、前記高負荷状態よりも前記吸入圧Psが低下することにより、前記弁体40が弁閉鎖方向に前記低圧部ばね39の付勢力により移動し、該弁体40の前記ボール弁本体42で前記弁孔32cの開口度を中開度位置に絞った状態とする。これは、前記クランク室6の冷媒ガスが前記弁孔32cで絞られて前記収納室16に流入することとなるので、前記クランク室6の室内圧Pwは高負荷状態よりも上昇し、該上昇に伴い前記揺動板66は最大傾斜角と最小傾斜角との中間の傾斜角となり、前記ピストン9のストローク量も中間状態となって前記圧縮機Aの吐出容量は中程度の容量となる。
【0054】
更に、吐出圧Pd、及び、吸入圧Psが所定設定値以下の低負荷状態においては、前記吐出圧Pd及び前記吸入圧Psが中負荷状態よりも低圧状態にあるので、高圧作動部34の前記高圧部ばね48の付勢力によって、前記可動ステム45が前記低圧作動部35方向に移動し、該可動ステム45の自由端45a1で前記低圧作動部36の前記低圧部ベローズ36を押圧し、前記低圧作動部35の全体の部材を前記弁体40の閉鎖方向に移動させる。また、前記吸入圧Psも低くなるので、前記弁体40が弁閉鎖方向に前記低圧部ばね39の付勢力により更に移動し、前記弁体40の前記ボール弁本体42によって前記弁孔32cを絞り、開口量を更に小さくする。前記開口量が小さくなることによって、前記クランク室の冷媒ガスの室内圧Pwが更に上昇し、これに伴い前記揺動板66の傾斜角が中負荷よりも更に小さくなり、前記ピストンのストローク量が小さくなって、圧縮機Aの吐出容量が更に減少する。
【0055】
上述の如くの構成において、本実施形態では、前記可動ステム45の有効受圧面積Sが0.3cm2 〜0.5cm2 の範囲内に設定されている。このように有効受圧面積Sを設定したことにより、前述した図4に示される如くに、前記サージングが発生する吐出圧Pdがピーク値近くの高い領域となる。このように、サージングが発生する吐出圧の領域が高められることにより、使用上の安全性が向上する。
【0056】
また、前記弁孔32cの孔径Fを3.0mm〜3.5mmの範囲内に設定したことにより、前述した図5に示される如くに、前記サージングが発生する吐出圧Pdがピーク値近くの高い領域となる。このように、サージングが発生する吐出圧の領域が高められることにより、使用上の安全性が向上する。
【0057】
前記外部ハウジング32を有底の段差のない薄肉筒状体としたことにより、該外部ハウジング32の形状がストレートで単純なものとなるので、強度の大きいステンレス材を使用しても、従来の段差のついた形状のハウジングよりプレス加工が容易になるため、コストダウンを図ることができる。
【0058】
また、前記本体ケース31の底部に前記外部ハウジング32の開口側端部32dを突き当て外嵌合して前記外部ハウジング32の開口側端部32dの先端外周かしめ固定するようにしたことにより製作組立が容易となる。
【0059】
またさらに、前記第2低圧部ばね41が円錐コイルばねからなっており、該第2低圧部ばね41の小径側が前記弁体40の弁押さえ体40aに緩いしまりばめ状態で外嵌されていることにより、図3に示される如くに、円錐コイルばねからなる第2低圧部ばね41を予め前記弁体40の弁押さえ体40aに外嵌固定してそれと一緒に外部ハウジング32内に挿入することができ、これにより、低圧部ベローズ36の組み付け性が向上するとともに、第2低圧部ばね41の位置決めを容易に行える。
【0060】
また、前記調節ねじ46に、前記高圧作動部34に通じる連通孔49,49を1 ケ所以上穿設したことより、高圧作動部34のオイル溜まりが無くなり、吐出圧が正確に可動ステム45の受圧部に作用することになる。
次に、サージング現象防止のための最適化設計に関する二つの方策を説明する。空気調和装置運転時において、圧縮機回転数1800rpmでエバポレータに一定の負荷を与え続け、吐出圧Pdが15.5kgf/cm2 Gのとき、吸入圧Psが1.6kgf/cm2 Gになるように、圧力調整弁30はセットされている。この条件では、図6に示すように、圧力調整弁30は0.4mmリフトした状態でバランスしており、圧力調整弁30の開弁点で見れば、吸入圧Psは1.2kgf/cm2 Gで弁が開き始めることがわかる。
【0061】
サージング発生試験では、エバポレータ負荷条件は一定のままとし、コンデンサを冷却し、吐出圧Pdを予め降圧させた後、圧縮機回転数1800rpm→7500rpm、1800→7000rpm、1800rpm→6200rpmの3種類のパターンに回転数を上げた状態で各々吐出圧Pdを徐々に昇圧させてゆき、サージング発生時の吐出圧Pdを調べる。
【0062】
今、高圧補正の大小について比較すると、補正小の場合、吐出圧Pdが11.5kgf/cm2 Gのとき、弁リフト量lが0.3mmとなり、補正大の場合、吐出圧Pdが11.5kgf/cm2 Gのとき、弁リフト量lが0.15mmとなり、補正大の場合の方が弁リフト量lは小さい。
【0063】
高圧補正が大きい程、吐出圧Pdを降圧させたときの弁リフト量lが小さくなるので、室内圧Pw→吸入圧Psへの逃がし量が減り(室内圧Pw上昇)、揺動板66の傾斜角度は小さくなり、圧縮機の回転は安定した状態となる。
吐出圧Pdがサージング発生圧力に達する前に圧縮機の回転は安定した状態になっているので、吐出圧Pdの昇圧に伴い、弁リフト量lが増加するものの、圧縮機の回転の安定状態を比較的長く維持することができ、サージング発生の吐出圧Pdを高く保つことができる。
【0064】
図7に結果を示し、また、図8に吐出圧Pdと弁リフト量lの関係を示す。
これにより、吐出圧Pdの変化に対する吸入圧Ps(セット値)の変化の割合(ΔPs/ΔPd)を0.04以上とすることが望まれる。
【0065】
一方、圧力調整弁30のセット条件は、前記と同じ条件では、図9に示すように、圧力調整弁30は、0.4mmリフトした状態でバランスしている(吐出圧Pd=15.5kgf/cm2 G)。前記と同様に、サージング試験を実施したとき、リフト勾配(単位圧力当たりの低圧作動部35の変化量)の大小について比較すると、リフト勾配が小の場合には、Pd=11.5kgf/cm2 Gのとき、弁リフト量lは0.3mmとなり、リフト勾配が大の場合には、Pd=11.5kgf/cm2 Gのとき、弁リフト量lは0.2mmとなるので、リフト勾配が大の方が弁リフト量lは小さい。
【0066】
従って、リフト勾配が大きい程、吐出圧Pdを降圧させたときの弁リフト量lが小さくなるので、前記と同様な結果となる。
図10に示される如く、リフト勾配が異なる低圧部ベローズ組立体を数種類試作して圧縮機回転数Ncをパラメータとしてサージングが発生する吐出圧Pdを測定した結果、上記サージングが発生する吐出圧Pdは、図示のように右上がり曲線となり、リフト勾配が1mm/kgf/cm2 以上であれば使用上最低限の安定性が確保される。
【0067】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の圧力調整弁は、可動ステムの有効受圧面積や弁孔の孔径の寸法、及び、低圧部ベローズ組立体の単位圧力当たりの変化量を特定の範囲内に設定したので、サージングが発生する吐出圧の領域が高められる、その結果、使用上の安全性を向上できる。
【0068】
前記外部ハウジングを有底の段差のない薄肉筒状体としたことにより、該外部ハウジングの形状がストレートで単純なものとなるので、強度の大きいステンレス材を使用しても、従来の段差のついた形状のハウジングよりプレス加工が容易になるため、コストダウンを図ることができる。
【0069】
また、前記本体ケースの底部に前記外部ハウジングの開口側端部を突き当てその先端をかしめ固定するようにしたことにより製作組立が容易となる。
さらに、前記第2低圧部ばねが円錐コイルばねからなっており、該第2低圧部ばねの小径側が前記弁体の弁押さえ体に緩いしまりばめ状態で外嵌されているので、円錐コイルばねからなる第2低圧部ばねを予め前記弁体の弁押さえ体に外嵌固定してそれと一緒に外部ハウジング内に挿入することができ、これにより、低圧部ベローズの組み付け性が向上するとともに、第2低圧部ばねの位置決めを容易に行える。
【0070】
また、前記調節ねじに、前記高圧作動部に通じる連通孔を1ケ所穿設したことより、高圧作動部のオイル溜まりが無くなり、吐出圧が正確に可動ステム45の受圧部に作用することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力調整弁の一実施例が装置された可変容量型揺動板式圧縮機の断面図。
【図2】図1の圧力調整弁の拡大詳細断面図。
【図3】図2の圧力調整弁の組立工程の説明に供される図。
【図4】図2の圧力調整弁の作用効果の説明に供されるグラフ。
【図5】図2の圧力調整弁の作用効果の説明に供されるグラフ。
【図6】図2の圧力調整弁の作用効果の説明に供されるグラフ。
【図7】図2の圧力調整弁の作用効果の説明に供されるグラフ。
【図8】図2の圧力調整弁の作用効果の説明に供されるグラフ。
【図9】図2の圧力調整弁の作用効果の説明に供されるグラフ。
【図10】図2の圧力調整弁の作用効果の説明に供されるグラフ。
【図11】従来の圧力調整弁の断面図。
【符号の説明】
30 圧力調整弁
31 本体ケース
32 外部ハウジング
34 高圧作動部
35 低圧作動部
36 低圧部ベローズ
37 弁ホルダ
39 第1低圧部ばね
40 弁体
40a 弁抑え体
41 第2低圧部ばね
42 ボール弁本体
43 貫通孔
44 密封Oリング
45 可動ステム
46 調節ねじ
47 密封Oリング
48 高圧部ばね

Claims (5)

  1. 内部に高圧作動部34を有する本体ケース31と、内部に低圧作動部35を有する外部ハウジング32とを備えた圧力調整弁において、
    前記本体ケース31内の前記高圧作動部34は、前記本体ケース31に位置調整自在に螺合せしめられる調節ねじ46、前記本体ケース31の底部31aに穿設された貫通孔43にOリング44を介して摺動自在に嵌挿されて低圧作動部35に突出する小径押圧部45aと前記調節ねじ46のステム摺動孔46bにOリング47を介して摺動自在に嵌挿された大径部45bとを有する段差付きの可動ステム45、及び、前記可動ステム45と前記調節ねじ46との間に介装される高圧部ばね48とを備えており、
    前記可動ステム45の有効受圧面積が0.3cm2 〜0.5cm2 の範囲内に設定されていることを特徴とする圧力調整弁。
  2. 内部に高圧作動部34を有する本体ケース31と、内部に低圧作動部35を有する外部ハウジング32とを備えた圧力調整弁において、
    前記外部ハウジング32の底部32aに弁孔32cが形成されるとともに、その底部32a又は周側部32eに複数の開孔32dが形成されており、前記低圧作動部35は、有底の低圧部ベローズ36、該低圧部ベローズ36の開口端部を閉鎖すべくそれに取付固定された弁ホルダ37、該弁ホルダ37に固定される弁押さえ体40aと該弁押さえ体40aに係止保持されて前記弁孔32cに着座可能なボール弁本体42とからなる弁体40、前記低圧部ベローズ36内に配置されて前記弁体40を弁閉鎖方向に付勢する第1低圧部ばね39、及び、前記第1低圧部ばね39の付勢力に抗して反対方向に付勢する、前記弁ホルダ37に当接配置される第2低圧部ばね41、を備えており、
    前記弁孔32cの孔径Fが3.0mm〜3.5mmの範囲内に設定されていることを特徴とする圧力調整弁。
  3. 内部に高圧作動部34を有する本体ケース31と、内部に低圧作動部35を有する外部ハウジング32とを備えた圧力調整弁において、
    前記外部ハウジング32の底部32aに弁孔32cが形成されるとともに、その底部32a又は周側部32eに複数の開孔32dが形成されており、前記低圧作動部35は、有底の低圧部ベローズ36、該低圧部ベローズ36の開口端部を閉鎖すべくそれに取付固定された弁ホルダ37、該弁ホルダ37に固定される弁押さえ体40aと該弁押さえ体40aに係止保持されて前記弁孔32cに着座可能なボール弁本体42とからなる弁体40、前記低圧部ベローズ36内に配置されて前記弁体40を弁閉鎖方向に付勢する第1低圧部ばね39、で構成される低圧部ベローズ組立体と、前記第1低圧部ばね39の付勢力に抗して反対方向に付勢する、前記弁ホルダ37に当接配置される第2低圧部ばね41を備えており、
    前記低圧部ベローズ組立体の単位圧力当たりの変化量が1mm/kgf/cm2 以上に設定されていることを特徴とする圧力調整弁。
  4. 内部に高圧作動部34を有する本体ケース31と、内部に低圧作動部35を有する外部ハウジング32とを備えた圧力調整弁において、
    前記外部ハウジング32の底部32aに弁孔32cが形成されるとともに、その底部32a又は周側部32eに複数の開孔32dが形成されており、前記低圧作動部35は、有底の低圧部ベローズ36、該低圧部ベローズ36の開口端部を閉鎖すべくそれに取付固定された弁ホルダ37、該弁ホルダ37に固定される弁押さえ体40aと該弁押さえ体40aに係止保持されて前記弁孔32cに着座可能なボール弁本体42とからなる弁体40、前記低圧部ベローズ36内に配置されて前記弁体40を弁閉鎖方向に付勢する第1低圧部ばね39、及び、前記第1低圧部ばね39の付勢力に抗して反対方向に付勢する、前記弁ホルダ37に当接配置される第2低圧部ばね41を備えており、
    前記第2低圧部ばね41が円錐コイルばねからなっており、該第2低圧部ばね41の小径側が前記弁体40の弁押さえ体40aに緩いしまりばめ状態で外嵌されていることを特徴とする圧力調整弁。
  5. 内部に高圧作動部34を有する本体ケース31と、内部に低圧作動部35を有する外部ハウジング32とを備えた圧力調整弁において、
    前記本体ケース31内の前記高圧作動部34は、前記本体ケース31に位置調整自在に螺合せしめられる調節ねじ46、前記本体ケース31の底部31aに穿設された貫通孔43にOリング44を介して摺動自在に嵌挿されて前記低圧作動部35に突出する小径押圧部45aと前記調節ねじ46のステム摺動孔46bにOリング47を介して摺動自在に嵌挿された大径部45bとを有する段差付きの可動ステム45、及び前記可動ステム45と前記調節ねじ46との間に介装される高圧部ばね48、を備えており、
    前記調節ねじ46に、前記高圧作動部34に通じる連通孔49,49を1ケ所以上穿設したことを特徴とする圧力調整弁。
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