JP3769593B2 - 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法に関する。すなわち、繊維基材に樹脂が付着,含浸された、繊維強化プラスチック(FRP)製のハニカムコアの製造方法、に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
《従来例の図面について》
図7,図8は、この種従来例に係る繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法の説明に供する、斜視図である。
そして、図7の(1)図は、準備されたプリプレグを、(2)図は、接着剤塗布工程の要部を、(3)図は、重積工程の要部を、(4)図は、仮接着工程を示す。図8の(1)図は、展張されたハニカムコアを、(2)図は、完全硬化工程を、(3)図は、製造されたハニカムコアを示す。
【0003】
《従来例について》
ハニカムコアAは、図8の(3)図に示したように、セル壁Bにて区画形成された中空柱状のセルCの平面的集合体よりなり、重量比強度に優れるのを始め各種の特性を備えているが、繊維強化プラスチック製のハニカムコアAは、特に軽量性に優れるという特性を備えている。
そして、繊維強化プラスチック製のハニカムコアAは、いわゆる展張方式により、この種従来例では、次の▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼,▲6▼,▲7▼,▲8▼の工程を辿って、製造されていた。
【0004】
▲1▼まず、図7の(1)図に示したように準備工程において、予め繊維基材1に樹脂2を付着,含浸させたプリプレグシート3が、母材として準備されていた。繊維基材1としては、例えばガラス繊維が用いられ、樹脂2としては例えばポリイミド樹脂が用いられていた。
そして、このプリプレグシート3中の樹脂2の含有率は、重量比で2%〜5%程度に規制されていた。すなわち、次に述べる重積工程や仮接着工程において、重積,加熱加圧されたプリプレグシート3間が、しみ出た樹脂2にて接着されてしまう、ブロッキング事故防止のため、樹脂2の含有率は、従来、数%程度と極めて低く少量に規制されていた。
そして▲2▼、図7の(2)図に示したように、接着剤塗布工程において、このように準備されたプリプレグシート3の表面に、例えばポリイミド樹脂を用いた接着剤4が、条線状に塗布されていた。5は、接着剤4の塗布ロールである。
それから▲3▼、接着剤4が塗布されたプリプレグシート3は、予備乾燥工程において、含有されていた溶剤が乾燥,蒸発されていた。
そして▲4▼、図7の(3)図に示したように、重積工程において、条線状の接着剤4が半ピッチずつずれた位置関係で、重積されていた。
【0005】
しかる後▲5▼、図7の(4)図に示したように、仮接着工程において、加熱加圧装置6に供給され、プリプレグシート3の樹脂2や接着剤4が完全硬化しない温度で予備加熱、そして加圧されることにより、重積されたプリプレグシート3間が、接着剤4にて条線状に仮接着工程されていた。
それから▲6▼、図8の(1)図に示したように、展張工程において、重積方向Hに引張力を加えて、展張されていた。
そして▲7▼、図8の(2)図に示したように、完全硬化工程において、得られたハニカムコアAを加熱炉7に供給して、高温加熱することにより、プリプレグシート3の樹脂2や接着剤4が完全硬化されていた。
このようにして▲8▼、図8の(3)図に示した繊維強化プラスチック製のハニカムコアAが、製造されていた。つまり、樹脂2が付着,含浸,硬化した繊維基材1を、セル壁Bとし、セル壁Bにて区画形成された多数のセルCよりなるハニカムコアAが、製造されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来例の繊維強化プラスチック製のハニカムコアAの製造方法にあっては、次の問題が指摘されていた。
《第1の問題点》
第1に、プリプレグシート3の樹脂2や接着剤4に含有されていた溶剤は、▲3▼予備乾燥工程において乾燥させただけでは、完全には蒸発,除去されず、残存し易かった。
そして残存した溶剤が、事後の▲5▼仮接着工程や▲7▼完全硬化工程において、加熱により、硬化する樹脂2や接着剤4中で発泡し、もって強度が低下する、という問題が指摘されていた。
すなわち、▲8▼で製造されたこの種従来例の繊維強化プラスチック製のハニカムコアAは、セル壁Bの樹脂2に発泡が存在し、剛性・強度が不均一で低下すると共に、接着剤4にも発泡が存在し、セル壁B間の接着強度にも不安が指摘されていた。
【0007】
《第2の問題点》
第2に、▲1▼準備工程で、予め調整準備されて使用に供されるプリプレグシート3は、樹脂2の含有率が重量比で2%〜5%程度と、極めて少量に規制されていた。
通常一般的に使用されるプリプレグシートは、樹脂2の含有率が重量比で30%〜40%であるのに比し、極めて特殊である。もって、この種従来例の繊維強化プラスチック製のハニカムコアAの製造方法については、生産性そしてコスト面に問題が指摘されていた。
【0008】
《第3の問題点》
第3に、▲1▼準備工程で準備されるプリプレグシート3は、このように樹脂2の含有率が重量比で2%〜5%程度と、極めて低く少量に規制されていた。そこで、▲2▼接着剤塗布工程においてプリプレグシート3の表面に塗布された接着剤4が、プリプレグシート3の裏面に、しみ出てしまうことが多々あった。
すなわち、樹脂2が極めて少量しか用いられていないので、その目止め機能が不十分となり易い。もって、▲4▼重積工程で重積された各プリプレグシート3間が、表面の所定接着箇所の裏面にしみ出た接着剤4によっても、▲5▼仮接着工程の加熱加圧により、接着されてしまうことが多々あった。
このようにして、この種従来例の製造方法にあっては、工程途中で、全体が展張不能な固定ブロック状に接着されてしまう、ブロッキング事故が多発し、事後の▲6▼展張工程が実施不能となることがある、という問題が指摘されていた。
【0009】
《第4の問題点》
第4に、プリプレグシート3中の樹脂2は、前述したように含有率が重量比で2%〜5%程度と少量に規制されているが、それでも、▲5▼仮接着工程の加熱加圧により、プリプレグシート3の表面や裏面に、部分的にしみ出てしまうことが多々あった。
もって、重積された各プリプレグシート3間は、このようにしみ出た樹脂2にて、接着剤4による所定接着箇所以外の部分が、部分的に接着されてしまうことが、多々あった。
この種従来例の製造方法にあっては、この面からも、工程途中で全体がブロック状に接着されてしまうブロッキング事故が発生し、▲6▼展張工程が実施不能となることがある、という問題が指摘されていた。
【0010】
《第5の問題点》
第5に、▲1▼準備工程で準備されるプリプレグシート3は、前述したように、樹脂2の含有率が重量比で2%〜5%程度と、極めて少量に規制されている。
そこで、▲2▼接着剤塗布工程で塗布された接着剤4は、プリプレグシート3の繊維基材1の極く表面に対してのみ、機能することになる。(プリプレグシート3中の樹脂2が、あまりに少量なので、接着剤4が内部の樹脂2と一体化すべく機能するには至らない。)
もって、事後▲3▼,▲4▼,▲5▼,▲6▼,▲7▼の各工程を経て▲8▼で製造された繊維強化プラスチック製のハニカムコアAについて、接着強度が不足する、という問題が指摘されていた。すなわち接着剤4は、セル壁B表面間のみ、つまりセル壁Bの繊維基材1のほんの表面間のみを接着しているに過ぎず、繊維基材1の内部に付着,含浸された樹脂2とも、一体化しつつ接着機能を発揮している訳ではなく、接着強度が十分でなかった。
【0011】
《第6の問題点》
第6に、同様にプリプレグシート3の樹脂2の含有率が、重量比で2%〜5%程度と、極めて少量に規制されていることに起因し、▲8▼で製造された繊維強化プラスチック製のハニカムコアAについて、全体的な剛性・強度が不足する、という問題も指摘されていた。
すなわち、セル壁B中の樹脂2は量が極めて少なく、繊維基材1に十分に付着,含浸されておらず、繊維基材1の固定,補強機能が不足していた。もって、この種従来例の繊維強化プラスチック製のハニカムコアAは、製造後に後工程を追加し、セル壁Bの外表面に補強用樹脂を付着,含浸させることが、必須的に行われていた。
【0012】
《本発明について》
本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法は、このような実情に鑑み、上記従来例の問題点を解決すべくなされたものである。
そして繊維基材を、→予め条線状に地肌を残しつつ、離型処理して、→重積した後、→密封条件下で吸引方式により樹脂を充填して、→加熱加圧により、樹脂を硬化させると共に樹脂にて接着してから(工程途中で、FRP化と接着とを同時に行ってから)、→展張すること、を特徴とする。
つまり、展張方式の繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法において、プリプレグシートを準備,使用せず、予め繊維基材に離型処理を施しておいてから、工程途中で樹脂を充填,硬化させるVARIシステムを、初めて採用したことを特徴とする。
もって本発明は、第1に、溶剤発泡が回避されて強度が向上し、第2に、生産性・コスト面に優れ、第3に、接着剤のしみ出しによるブロッキング事故が発生せず、第4に、樹脂のしみ出しもなくブロッキング事故が防止され、第5に、特に接着強度に優れ、第6に、剛性・強度も向上する、繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法を、提案することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1については次のとおり。
すなわち、この請求項1の繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法は、繊維基材を、条線状に地肌を残しつつ離型処理した後、該繊維基材を、条線が半ピッチずつずれた位置関係で重積する。
そして、該繊維基材に樹脂を充填して、該樹脂を硬化させると共に、該樹脂にて該繊維基材間を接着した後、展張することによりハニカムコアを得ること、を特徴とする。
【0014】
請求項2については次のとおり。すなわち、請求項2の繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法は、請求項1の製造方法において、まず、該繊維基材に離型シートを、条線状に該地肌を残しつつ配設した後、次に、多数枚の該繊維基材を、該離型シート間に条線状に残されて露出した該地肌が、1枚毎に順次半ピッチずつずれる位置関係で、重積する。
それから、重積された各該繊維基材に、液状の該樹脂を密封条件下で吸引により充填してから、加熱加圧により、各該繊維基材に付着,含浸した該樹脂を硬化させる。もって、硬化した該樹脂にて各該繊維基材間を、接触した該地肌を利用して条線状に接着すると共に、繊維強化プラスチック化する。
しかる後、重積方向に引張力を加えて展張することにより、該樹脂が付着,含浸,硬化して繊維強化プラスチック化された各該繊維基材をセル壁とし、該セル壁にて区画形成された中空柱状の多数のセルの平面的集合体たる、繊維強化プラスチック製の該ハニカムコアを得ること、を特徴とする。
【0015】
請求項3については次のとおり。すなわち、請求項3の繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法は、請求項2の製造方法において、該繊維基材は、縦糸と横糸が交差すべく織られた織物よりなる。該離型シートは細帯状をなし、複数枚が相互間に間隔を置きつつ、該繊維基材の表面に平行に配設される。
前記密封条件は、ブロック状に重積された各該繊維基材を、離型用のシート材を介し密封用のシートや板を使用して、全体的に密封することにより実現される。前記吸引充填は、このような密封条件下で、重積された各該繊維基材側の空間に、真空吸引装置や樹脂供給装置を接続してから、該真空吸引装置にて吸引し、もって該樹脂供給装置から各該繊維基材に、該樹脂が充填されることにより行われる。
前記加熱加圧は、このように密封条件下で、該樹脂が付着,含浸した各該繊維基材に対し、加熱加圧装置を用いて直ちに実施されること、を特徴とする。
【0016】
《作用について》
本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法は、このようになっているので、次のようになる。
▲1▼準備工程では、繊維基材が離型処理される。例えば、織物製の繊維基材の表面に、複数枚の細帯状の離型シートが、条線状に地肌を残しつつ平行に配設される。
▲2▼次に重積工程において、多数枚の繊維基材が、条線状の地肌が1枚毎に順次半ピッチずつずれる位置関係で、重積される。
▲3▼それから充填工程において、重積された各繊維基材は、まず、離型用のシート材を介し密封用のシートや板を使用して、全体的に包み込まれる。そして、このような密封条件下において、接続された真空吸引装置にてバキューム吸引され、接続された樹脂供給装置から、液状の樹脂が充填される。
▲4▼そして、直ちに加熱硬化工程となり、重積された各繊維基材に付着,含浸した樹脂が、加熱加圧装置を用いて硬化され、硬化した樹脂にて各繊維基材が、条線状の地肌を利用して条線状に接着されると共に、繊維強化プラスチック化される。
▲5▼それから展張工程にて、重積方向に引張力が加えられて、展張される。
▲6▼もって、繊維強化プラスチック製のハニカムコアが、製造される。
【0017】
そこで、この製造方法によると、次のようになる。第1に、工程途中の▲3▼充填工程で、樹脂をバキューム吸引,流し込み,充填して、直ぐに▲4▼加熱硬化工程で硬化させるので、樹脂に含有されていた溶剤は吸引,蒸発,除去され、残存して発泡することはない。溶剤不使用の樹脂も使用可能である。もって、▲6▼製造されたハニカムコアは、剛性・強度や接着強度に優れている。
第2に、特殊なプリプレグシートを準備することなく、▲3▼充填工程で樹脂を充填するので、生産コスト面に優れている。
第3に、▲1▼準備工程で、表面が離型処理された繊維基材を、▲2▼重積工程の後、▲3▼充填工程で樹脂を充填して、▲4▼加熱硬化工程で、この樹脂を用いて条線状に接着する。そして離型処理により、接着剤が裏面にしみ出て全体が固定ブロック状に接着される事故は発生せず、▲5▼展張工程は滞りなく実施される。
【0018】
第4に、このような離型処理により、▲3▼充填工程で充填,付着,含浸された樹脂が、▲4▼加熱硬化工程等でしみ出て、全体が固定ブロック状に接着される事故も防止され、▲5▼展張工程は滞りなく実施される。
第5に、樹脂のしみ出しによるブロッキング事故の虞がないので、▲3▼充填工程で、繊維基材に樹脂を十分に充填可能であり、▲4▼加熱硬化工程では、接着に利用される樹脂の量も十分確保される。従って、▲6▼製造されたハニカムコアは、セル壁側の樹脂と接着用の樹脂とが一体化されており、接着強度に優れている。
第6に、▲3▼充填工程で樹脂を十分に充填できるので、▲6▼製造されたハニカムコアは、セル壁に多量の樹脂が充填,付着,含浸されており、剛性・強度に優れている。
【0019】
【発明の実施の形態】
《図面について》
以下本発明を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,図3,図4,図5,図6は、本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法について、発明の実施の形態の説明に供する。
そして、図1の(1)図は、準備された繊維基材の斜視図、(2)図は、切断された繊維基材の斜視図、(3)図は、離型シートが配設された繊維基材等の斜視説明図、(4)図は、同繊維基材等の平面説明図、(5)図は、同繊維基材等の側面説明図である。図2の(1)図は、重積された繊維基材等の要部の斜視説明図、(2)図は、同繊維基材等の要部の側面説明図である。
図3の(1)図は、密封条件下に置かれた繊維基材等の透視した斜視説明図、(2)図は、同繊維基材等の正断面説明図である。図4の(1)図は、樹脂充填,加熱加圧される繊維基材等の透視した斜視説明図、(2)図は、取り出された繊維基材等の要部の斜視説明図である。
図5の(1)図は、離型シートが取り除かれた繊維基材等の要部の斜視説明図、(2)図は、取り除かれた離型シートの要部の斜視説明図、(3)図は、(1)図の繊維基材等の要部の側面説明図、(4)図は、展張される繊維基材等の斜視図である。図6の(1)図は、枠固定されたハニカムコアの透視斜視図、(2)図は、乾燥されるハニカムコアの斜視図、(3)図は、製造されたハニカムコアの斜視図である。
【0020】
《製造方法の概要について》
この製造方法は、次の▲1▼準備工程,▲2▼重積工程,▲3▼充填工程,▲4▼加熱硬化工程,▲5▼展張工程を辿ることにより、▲6▼繊維強化プラスチック製のハニカムコアDを製造する、以下、これらの各工程について詳述する。
《▲1▼準備工程について》
図1に示したように、▲1▼準備工程では、繊維基材1に離型シート8が、条線状に地肌9を残しつつ、配設される。
このような準備工程について、更に詳述する。繊維基材1としては、ガラス繊維が代表的であるが、カーボン繊維,ケブラー繊維,ナイロン系のアラミド繊維の他、セラミック繊維,金属繊維,その他各種の繊維が使用可能である。そして、縦糸と横糸が交差すべく織られた織物が代表的に使用されるが、織られていないフェルト状のものも使用可能である。
図示例では、繊維基材1として、図1の(1)図に示したように、幅50cm,長さ100m,厚さ0.22mm,目付け重量210g/mのガラス繊維織物が、準備される。そして、図1の(2)図に示したように、長さ300mm毎に切断される。
離型シート8は、フッ素系やシリコン系の組成をガラスクロス等に含浸させてなり、フィルム状その他のシート状をなす。
図示例では、図1の(3)図,(4)図,(5)図に示したように、幅21mm,長さ300mm以上(好ましくは350mm)の細帯状をなし、肉厚の厚い離型シート8が用いられている。そして、このような幅と長さの複数枚の離型シート8が、相互間に条線状に幅7mmの間隔を置きつつ、繊維基材1の表面の非条線接着部に、長手方向に沿って平行に配設される。
そこで繊維基材1は、このように配設された離型シート8間の各7mm毎の間隔について、地肌9が条線状に露出して残される。つまり、繊維基材1の表面には、条線状の地肌9が、幅方向に一定幅とピッチで、長手方向に沿い複数本露出形成される。繊維基材1の裏面には離型シート8は配設されず、地肌9が全面的に露出している。
なお離型シート8は、このような図示例タイプによらず、各々細帯条をなす部分が、長手方向の前後の連結部分で繋がれたタイプのものも、使用可能である。
▲1▼準備工程は、このようになっている。
【0021】
《▲2▼重積工程について》
それから図2に示したように、重積工程において、多数枚の繊維基材1は、各離型シート8に条線状に残されて露出した地肌9が、1枚毎に順次半ピッチずつずれる位置関係で、重積される。
図示例では、▲1▼準備工程で離型シート8が配設された繊維基材1は、48枚以上(好ましくは60枚)が、上下を重積方向Hとしてブロック状に重積される。その際、表面の条線状の地肌9が、上下の各繊維基材1間で、一枚毎に左右に互いに半ピッチずつずれた位置関係で、重積される。
▲2▼重積工程は、このようになっている。
【0022】
《▲3▼充填工程における密封について》
しかる後、図3の(1)図,(2)図,図4の(1)図に示したように、▲3▼充填工程において、重積された各繊維基材1に、樹脂2が、密封条件下で吸引により充填される。
この密封条件は、ブロック状に重積された各繊維基材1を、離型用シート材10,11を介し、密封用シート12や密封用敷板13を使用して、全体的に密封することにより実現される。
【0023】
まず、このような▲3▼充填工程の密封条件について、図3の(1)図,(2)図により、更に詳述する。
まず、アルミ製の密封用敷板13、例えば厚さ3mmで500mm×1mの密封用敷板13上の外周縁部に、幅12.7mmの密封シーラント用のシールテープ14が、周縁から約20mm内側に周設される。シールテープ14は隙間なく、四角枠状に貼り付けられる。
それから、肉厚の厚い離型用シート材10が、シールテープ14で囲まれた内側の密封用敷板13上に、載せられる。この離型用シート材10は、離型シート8と同材質で肉厚の厚いフィルム状をなすと共に、枠状をなすシールテープ14に接触しない寸法の四角形に切断されて、その内側の密封用敷板13上に載せられる。
更に、繊維織物15が、このような離型用シート材10上に載せられる。繊維織物15は、例えばガラス繊維織物よりなり、充填される樹脂2の流れを良くするために用いられ、離型用シート材10より若干小さめの寸法の四角形をなす。そして、このような繊維織物15の中央部上に繊維基材1、つまり▲1▼準備工程で離型シート8付で準備され、▲2▼重積工程でブロック状に重積された各繊維基材1が、載せられる。
【0024】
それから、このような各繊維基材1上に、離型用シート材11が被せられる。離型用シート材11は、離型シート8や離型用シート材10と同材質のものでもよいが、より肉厚の薄い厚さ0,05mm程度のフレキジブルなフィルム状をなし、重積された各繊維基材1を上から覆い尽くすのに必要十分な寸法の四角形等をなす。
そして、後述する樹脂供給装置16の供給ポート17や、真空吸引装置18のバキュームポート19が、繊維織物15の隅に載せられる。供給ポート17とバキュームポート19は、対角線上に離れて配設される。
それから、密封用シート12が全体的に被せられる。すなわち、密封用シート12は、気密・水密等の密封性に優れた材質のフィルム状をなすと共に、密封用敷板13より大きな広さ寸法よりなり、重積された各繊維基材1やその上の離型用シート材11を中心に、全体を覆う。密封用シート12の外周端部は、密封用敷板13上のシールテープ14にて貼り付け,シール,固定される。
このようにして上から下へ、密封用シート12,離型用シート材11,各繊維基材1,繊維織物15,離型用シート材10,密封用敷板13の順に配され、もって、▲2▼重積工程でブロック状に重積されていた各繊維基材1が、バギングされて密封される。
▲3▼充填工程において、密封条件はこのように実現される。
【0025】
《▲3▼充填工程における充填について》
しかる後、図3の(1)図,(2)図,図4の(1)図に示したように、▲3▼充填工程において樹脂2が充填される。
この吸引充填は、上述した密封条件下で、重積された各繊維基材1側の空間に、樹脂供給装置16や真空吸引装置18を接続してから、真空吸引装置18にて吸引することにより実施され、もって、樹脂供給装置16から各繊維基材1に、樹脂2が充填される。
【0026】
このような▲3▼充填工程における樹脂2の吸引充填について、更に詳述する。まず、図3の(1)図,(2)図に示ししたように、供給ポート17やバキュームポート19上の密封用シート12に、それぞれ切り込みが入れられ、もって、供給ホース20やバキュームホース21の先端が、挿入,接続される。形成された切り込み口を中心に、付近は、シールテープ14等を用い、漏れがないように密封される。
このようにして、樹脂供給装置16の供給タンク22が、供給ホース20を介し供給ポート17に接続される。又、真空吸引装置18のバキュームポンプ23が、バキュームホース21を介しバキュームポート19に接続される。
それから図4の(1)図に示したように、全体が、後述する加熱加圧装置22に供給される。図示例の加熱加圧装置24は、上下のプラテンプレス25が600mm×600mm程度の大きさよりなり、その上下間隔間に、ブロック状に重積された繊維基材1が、挿入,位置決め,配置される。
これと共に、その上下の密封用シート12,離型用シート材11,繊維織物15,離型用シート材10,密封用敷板13等が、プラテンプレス25間より露出,延出される。特に、供給ホース20,供給ポート17,バキュームホース21,バキュームポート19等が、プラテンプレス25間より外側に位置するように、全体的に位置決め,配置される。
なお図示例では、このように既に密封条件下に置かれた各繊維基材1を、加熱加圧装置24のプラテンプレス25間に供給する方式よりなっていたが、これによらず、加熱加圧装置24のプラテンプレス25間において、各繊維基材1を密封条件に設定する方式も可能である。
【0027】
ところで、樹脂供給装置16から供給される樹脂2、つまり繊維基材1に充填されて付着,含浸される樹脂2としては、各種のものが考えられる。
例えば、シアネートエステル樹脂,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等が、代表的に使用されるが、その他の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も、選択使用可能である。例えば、ポリエーテルエーテルケトン,ポリフェニレンスルフィド,ポリアミド,ポリエーテルイミド,ポリスルホン,ビスマレイイミド等々も、使用可能である。
そして、選択使用される樹脂2は液状をなし、樹脂供給装置16の供給タンク22に貯溜される。図示例では樹脂2として、低粘度で溶剤を使用しなくとも液状をなす熱硬化性のシアネートエステル樹脂が使用されている。
【0028】
そして、真空吸引装置18の真空ポンプつまりバキュームポンプ23を駆動することにより、バキュームホース21,バキュームポート19を介し、バギング,密封,重積された各繊維基材1に対し、例えば1,013hPa程度の吸引力が作用する。
そこで、樹脂供給装置16の供給タンク22から、例えばシアネートエステル樹脂よりなる液状の樹脂2が、供給ホース20,供給ポート17を介して供給される。そして、供給された樹脂2は、繊維織物15を介し、密封用シート12と密封用敷板13間において、離型用シート材10,11間にブロック状に重積された離型シート8付の各繊維基材1に対して、充填される。
なお、この時点においては、樹脂2が各繊維基材1について、全体的に完全に充填,付着,含浸されていなくてもよい。
ところで図示例では、このように真空吸引装置18のバキューム吸引力の力を借りて、各繊維基材1に樹脂2を充填していたが、この▲3▼充填工程における充填方式は、このような方式に限定されるものではない。例えば、樹脂2で満たされた液槽に、▲1▼準備工程や▲2▼重積工程を経た各繊維基材1を、位置決め保持しつつ浸漬することによって、樹脂2を充填,付着,含浸させるようにしてもよい。
▲3▼充填工程において、充填はこのように行われる。
【0029】
《▲4▼加熱硬化工程について》
しかる後、図4の(1)図に示したように、▲4▼加熱加圧工程において、加熱加圧が実施され、もって、各繊維基材1に付着,含浸していた樹脂2が、硬化する。
これにより各繊維基材1が、硬化した樹脂2にて繊維強化プラスチック化すると共に、各繊維基材1間が、接触した地肌9を利用しつつ硬化した樹脂2にて、条線状に接着される。
【0030】
このような▲4▼加熱硬化工程について、更に詳述する。▲3▼充填工程で樹脂2が吸引により充填,付着,含浸された各繊維基材1は、密封条件下のまま直ちに、加熱加圧装置24にて加熱加圧される。
図示例では、シアネートエステル樹脂が樹脂2として充填,付着,含浸されると共に、重積された各繊維基材1は、上下のプラテンプレス25により9.8kPa〜2.0MPa(好ましくは98kPa)程度に加圧されつつ、10℃/分の速度で加熱され180℃まで昇温される。
そこで、充填されていた例えばシアネートエステル樹脂よりなる樹脂2は、昇温と共に徐々に粘度が低下し、各繊維基材1に完全にしみ込み,付着,含浸される。なお、粘度が下がり過ぎて、バキュームポート19やバキュームホース21まで流れ込みそうな場合は、バキュームポンプ23の吸引力を調整する。
なお、このように▲4▼加熱硬化工程における加熱加圧実施中も、▲3▼充填工程を継続実施してもよいが、これによらず、▲3▼充填工程終了後に▲4▼加熱硬化工程を実施するようにしてもよい。
【0031】
さて図示例では、180℃で2時間加熱することにより、例えばシアネートエステル樹脂よりなる樹脂2が、完全に硬化する。もって、ブロック状に重積されていた各繊維基材1は、付着,含浸されていた樹脂2が硬化することにより、繊維強化プラスチック化する。
これと共に、このように繊維強化プラスチック化した繊維基材1は、それぞれ表面の離型シート8間に条線状に残されて露出していた地肌9が、重積されて対応位置する繊維基材1の裏面の地肌9に、接触,密接する。そして、加圧によりしみ出して硬化した樹脂2が、接着剤として機能することにより、上下に対応位置する繊維基材1間が、所定接着箇所26において条線状に接着される。
なお、このような樹脂2の硬化は、樹脂2が熱硬化性樹脂の場合は、加熱により直ちに実現されるのに対し、樹脂2が熱可塑性樹脂の場合は、加熱をプレヒートとして利用し、事後の温度降下に伴う冷却により実現される。
【0032】
それから、プラテンプレス25による加圧が解かれる。そして、繊維強化プラスチック化されると共に接着された各繊維基材1の重積ブロックは、プラテンプレス25間から取り出されると共に、密封が解除される。つまり、密封用シート12,離型用シート材11,繊維織物15,離型用シート材10,密封用敷板13等が、剥離,除去される。
このようにして、図4の(2)図に示したように、繊維強化プラスチック化すると共に、条線状の所定接着箇所26にて接着された各繊維基材1の重積ブロックが得られる。
しかる後、図5の(1)図や(3)図に示したように、この各繊維基材1の重積ブロックから、各離型シート8が取り除かれる。図5の(2)図は、除去された各離型シート8を示す。なお、各離型シート8の除去は、このような図示例によらず、次に述べる▲5▼展張工程の後に実施してもよい。
▲4▼加熱硬化工程は、このようになっている。
【0033】
《▲5▼展張工程について》
次に、図5の(4)図に示したように、▲5▼展張工程において、展張が実施される。▲4▼加熱硬化工程において、繊維強化プラスチック化,接着された各繊維基材1の重積ブロックは、重積方向Hに引張力を加えて、展張される。
すなわち、重積ブロックの各繊維基材1は、条線状をなす所定接着箇所26の縁が折曲されると共に、非接着箇所が伸長,分離,離隔される。なお、硬化により展張が困難化するような場合は、スチームを吹き付けるか50℃程度に加熱しつつ、展張を行う。
▲5▼展張工程は、このようになっている。
【0034】
《▲6▼得られた繊維強化プラスチック製のハニカムコアDについて》
このような各工程を辿ることにより、樹脂2が付着,含浸,硬化して繊維強化プラスチック化した各該繊維基材1をセル壁Eとし、セル壁Eにて区画形成された中空柱状の多数のセルCの平面的集合体たる、繊維強化プラスチック製のハニカムコアDが製造される。
このようなハニカムコアDについて、更に詳述する。▲5▼展張工程にて得られた繊維強化プラスチック製のハニカムコアDは、まず図6の(1)図に示したように、両端の各セルCに挿入される固定枠27、各固定枠27を固定的に保持する保持枠28群等を用いて、固定される。
それから、図6の(2)図に示したように、このように固定されたハニカムコアDは、熱風循環式の乾燥炉29に入れられて、180℃以上(好ましくは230℃)で、2時間程度加熱される。
これにより、図6の(3)図に示したように、所定形状にて形状保持された、繊維強化プラスチック製のハニカムコアDが得られる。
【0035】
このように製造された繊維強化プラスチック製のハニカムコアについて述べる。まず、このハニカムコアDのセル壁EそしてセルCの断面形状は、図示のように正六角形のものが代表的であるが、これによらず、縦長や横長の六角形のものや、その他の六角形状,台形状,略四角形状,その他各種形状のものも可能である。
そして、このハニカムコアDも、一般のハニカムコアと同様に開口端面にそれぞれ表面板が接着され、もってハニカムサンドイッチパネルとして、使用に供されることが多い。
そしてハニカムコアDは、一般のハニカムコアと同様に、重量比強度に優れ、軽量であると共に、高い剛性,圧縮強度,剪断強度等を備えている。又、整流効果や単位面積当たりの表面積が大である、等々の特性を備えてなり、更にハニカムサンドイッチパネルとしては、平面精度,保温性,遮音性等にも優れており、広く各種の構造材として使用される。
更に、このハニカムコアDは、繊維強化プラスチック製であることに鑑み、特に軽量性に優れると共に、難燃性・耐熱性も備えている。
繊維強化プラスチック製のハニカムコアDは、このようになっている。
【0036】
《作用等について》
本発明は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。この製造方法では、▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲5▼,▲6▼の工程を辿ることにより、繊維強化プラスチック製のハニカムコアDが製造される。
▲1▼準備工程では、繊維基材1に離型シート8が条線状に地肌9を残しつつ配設されて、繊維基材1が離型処理される。離型シート8は、複数枚が間隔を置きつつ、繊維基材1の表面に平行に配設される(図1を参照)。
▲2▼それから重積工程において、多数枚の繊維基材1が、離型シート8間に条線状に残された地肌9が半ピッチずつずれる位置関係で、ブロック状に重積される(図2を参照)。
▲3▼しかる後、充填工程において、各繊維基材1の重積ブロックは、まず、離型用シート材10,11を介し密封用シート12や密封用敷板13を使用して、全体的に包み込まれて密封される。
そして、このような密封条件下で、真空吸引装置18や樹脂供給装置16が接続され、真空吸引装置18にてバキューム吸引することにより、樹脂供給装置16から各繊維基材1に、液状の樹脂2が流し込まれ充填されて、付着,含浸される(図3,図4の(1)図を参照)。
▲4▼そして加熱硬化工程となり、各繊維基材1に付着,含浸した樹脂2を、加熱加圧装置24にて直ちに硬化させる。もって、硬化した樹脂2にて各繊維基材1間を、条線状の所定接着箇所26にて接着すると共に、各繊維基材1を繊維強化プラスチック化する(図4,図5を参照)。
▲5▼それから展張工程にて、繊維強化プラスチック化,接着された各繊維基材1の重積ブロックは、引張力が加えられる(図5の(4)図を参照)。
▲6▼もって、繊維強化プラスチック化された各繊維基材1をセル壁Eとし、セル壁Eにて区画形成された中空柱状のセルCの平面的集合体たる、繊維強化プラスチック製のハニカムコアDが、製造される(図6を参照)。
【0037】
さてそこで、この繊維強化プラスチック製のハニカムコアDの製造方法にあっては、次の第1,第2,第3,第4,第5,第6のようになる。
《第1の作用》
第1に、この製造方法は、プリプレグシート3や接着剤4(図7のこの種従来例を参照)を使用せず、→工程途中の▲3▼充填工程において、樹脂2を繊維基材1にバキューム吸引,流し込み,充填した後、→▲4▼加熱硬化工程で、直ちに加熱加圧,硬化させる方式を採用してなる。
すなわち、工程途中で樹脂2を充填するVARI(Vacuum-Assisted Resin Infusion)システムやRTM(Resin Transfer Molding)法を、ハニカムコアDの製造方法において、初めて採用してなる。つまり、この製造方法は、工程途中でFRP化と接着とを同時に行う方式を採用したことを、最大の特徴とする。
そこでまず、樹脂2に含有されていた溶剤は、→これらの過程で確実に攪拌,分離,吸引,蒸発,除去されてしまう。特に、バキューム吸引により飛散除去され、→事後に残存して発泡するようなこと(図7,図8のこの種従来例を参照)は、確実に回避される。なお、溶剤を使用しない樹脂2も、使用可能である。
→もって、▲6▼製造された繊維強化プラスチック製のハニカムコアDは、セル壁Eや接着箇所26に発泡が存在しないので、剛性・強度や接着強度が均一であり優れている。
【0038】
《第2の作用》
第2に、この製造方法は、このように、繊維基材1に樹脂2が予め付着,含浸されたプリプレグシート3を、予め準備する方式ではない。特に、樹脂の含有率が重量比で2%〜5%程度と特殊な専用のプリプレグシート3を、予め調整準備して使用する方式ではなく(図7,図8のこの種従来例を参照)、工程途中の▲3▼充填工程において、初めて樹脂2を繊維基材1に充填する方式を採用してなる。このように、この製造方法は、樹脂2を樹脂供給装置16から直接充填するので(図4の(1)図を参照)、工程が汎用的で簡単であり、生産コスト面に優れている。
【0039】
《第3の作用》
第3に、この製造方法は、▲1▼準備工程で、例えば離型シート8を使用して、条線状に地肌9を残しつつ表面が離型処理された繊維基材1を、→▲2▼重積工程で重積してから、→▲3▼充填工程で樹脂2を吸引,充填し、→▲4▼加熱硬化工程で、この充填された樹脂2を一部使用しつつ接触した地肌9を利用して(所定接着箇所26として)、条線状に接着する方式を採用してなる(図1,図2,図3,図4を参照)。
そこで、接着剤4を使用する方式(図7,図8のこの種従来例を参照)のように、繊維基材1の表面の所定接着箇所に塗布された接着剤4が、裏面にしみ出し、このように製造工程の途中でしみ出した接着剤4にて、全体が展張不能な固定ブロック状に接着されてしまう、ブロッキング事故が発生することはない。この製造方法において、事後の▲5▼展張工程は、滞りなく実施される。
【0040】
《第4の作用》
第4に、この製造方法は、▲1▼準備工程で離型処理された繊維基材1を、→▲2▼重積工程で重積してから、→▲3▼充填工程で、樹脂2を吸引,充填する方式を採用してなる(図1,図2,図3,図4を参照)。
→もって繊維基材1は、所定接着箇所26以外の箇所は離型処理され,確実にシール,遮断されている。→そこで、繊維基材1に充填,付着,含浸された樹脂2が、▲3▼充填工程や▲4▼加熱硬化工程の加熱加圧で、→所定接着箇所26(条線状に露出した地肌9)以外の箇所からしみ出して、→所定接着箇所26以外の箇所を接着してしまう事態(図7,図8のこの種従来例を参照)は、発生しない。
このように、製造工程の途中で、しみ出した樹脂2にて全体が展張不能な固定ブロック状に接着されてしまう、ブロッキング事故の発生は、この面からも防止される。そこで、この製造方法において、事後の▲5▼展張工程は、滞りなく実施される。
【0041】
《第5の作用》
第5に、この製造方法は、▲1▼準備工程で離型処理された繊維基材1を、→▲2▼重積工程で重積してから、→▲3▼充填工程で、樹脂2を吸引,充填する方式を採用してなる(図1,図2,図3,図4を参照)。
→そこで、上記第4の点で述べたように、樹脂2のしみ出しによるブロッキング事故の虞がないので、→▲3▼充填工程で、何らの規制もなく必要十分な多量(例えば、含有率が重量比で5%を超え30%〜40%程度に達する量)の樹脂2を、充填可能である。→もって、次の▲4▼加熱硬化工程で、接着に利用される樹脂2の量も、十分に確保される。
→従って、▲4▼加熱硬化工程そして▲5▼展張工程を経て、▲6▼製造された繊維強化プラスチック製のハニカムコアDは、→セル壁Eの繊維基材1に、多量の樹脂2が付着,含浸されていると共に、セル壁E間の接着にも、十分な量の樹脂2が使用されている(図5,図6を参照)。
→そこで、このハニカムコアDは、セル壁E側の樹脂2と、接着箇所26の接着用の樹脂2とが、表面的(図8のこの種従来例のハニカムコアAを参照)ではなく、全体的に確実に一体化されており、セル壁E間の接着強度に、特に優れている。
【0042】
《第6の作用》
第6に、この製造方法は、前記第4の点で述べたように、樹脂2のしみ出しによるブロッキング事故の虞がなく、→前記第5の点で述べたように、▲3▼充填工程で、必要十分な多量(例えば、含有率が重量比で5%を超え30%〜40%程度に至る量)の樹脂2を、充填可能である。
→もって、▲4▼加熱硬化工程そして▲5▼展張工程を経て、▲6▼製造された繊維強化プラスチック製のハニカムコアDは、→セル壁Eの繊維基材1に多量の樹脂2が充填,付着,含浸されており、→重量比で2%〜5%程度と少量の樹脂2しか付着,含浸されないもの(図8のこの種従来例のハニカムコアAを参照)に比べ、セル壁Eそして全体の剛性・強度に、著しく優れている。
【0043】
【発明の効果】
《本発明の特徴》
本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法は、以上説明したように、繊維基材を、→予め条線状に地肌を残しつつ、離型処理して、→重積した後、→密封条件下で吸引方式により樹脂を充填して、→加熱加圧により、樹脂を硬化させると共に樹脂にて接着してから(工程途中で、FRP化と接着とを同時に行ってから)→展張すること、を特徴とする。
つまり、展張方式の繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法において、プリプレグシートを準備,使用せず、予め繊維基材に離型処理を施しておいてから、工程途中で樹脂を充填,硬化させるVARIシステムを、初めて採用したことを特徴とする。
もって、本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法は、次の効果を発揮する。
【0044】
《第1の効果》
第1に、溶剤発泡が回避され、強度が向上する。すなわち、本発明の製造方法では、工程途中で樹脂を吸引,充填,加熱加圧,硬化させる方式を採用したので、溶剤は、これらの過程で確実に蒸発,除去される。
前述したこの種従来例の製造方法のように、溶剤が残存して事後の加熱時に発泡することは、回避される。もって、製造された繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、セル壁や接着箇所に発泡が存在することがなく、剛性・強度や接着強度に優れている。
【0045】
《第2の効果》
第2に、生産性・コスト面に優れている。すなわち、本発明の製造方法は、工程途中で樹脂を充填する方式を採用してなり、前述したこの種従来例の製造方法のように、特殊なプリプレグシートは、使用しない。
もって、生産性,原料コスト,製造コスト面に優れている。
【0046】
《第3の効果》
第3に、接着剤のしみ出しによるブロッキング事故は、発生しない。すなわち、本発明の製造方法は、離型処理された繊維基材に、樹脂を充填して接着する方式を採用したので、前述したこの種従来例の製造方法のように、プリプレグシートの表面に塗布された接着剤が裏面にしみ出る事態は、発生しない。
もって、本発明の製造方法では、製造途中で全体が展張不能な固定ブロック状に接着されてしまう、ブロッキング事故が発生することはなく、製造工程の安定性に優れている。
【0047】
《第4の効果》
第4に、樹脂のしみ出しもなく、ブロッキング事故は防止される。すなわち、本発明の製造方法は、所定接着箇所以外は離型処理されて重積された繊維基材に、樹脂を充填する方式を採用してなる。
もって、前述したこの種従来例の製造方法のように、製造途中でプリプレグシートから樹脂がしみ出して、所定接着箇所以外の箇所をも接着してしまう事態は、発生しない。そこで、この面からもブロッキング事故が防止され、製造工程の安定性に優れている。
【0048】
《第5の効果》
第5に、特に接着強度に優れている。すなわち、本発明の製造方法は、離型処理されて重積された繊維基材に、樹脂を充填する方式を採用したので、十分な量の樹脂を充填可能であり、接着に使用される樹脂も十分に確保される。
もって、製造された繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、セル壁側の樹脂と、接着用に使用された樹脂とが、確実に一体化されており、セル壁表面のみが僅かに接着されているに過ぎなかったこの種従来例のハニカムコアに比し、接着強度に特に優れている。
【0049】
《第6の効果》
第6に、剛性・強度も向上する。すなわち、本発明の製造方法では、上記第5の点で述べたように、樹脂は、必要十分な量が充填,付着,含浸されている。
もって、樹脂の含有率が低く少量に厳しく規制されていた前述したこの種従来例のハニカムコアに比し、本発明の製造方法で製造された繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、剛性・強度に優れている。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法について、発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、準備された繊維基材の斜視図、(2)図は、切断された繊維基材の斜視図、(3)図は、離型シートが配設された繊維基材等の斜視説明図、(4)図は、同繊維基材等の平面説明図、(5)図は、同繊維基材等の側面説明図である。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、重積された繊維基材等の要部の斜視説明図、(2)図は、同繊維基材等の要部の側面説明図である。
【図3】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、密封条件下に置かれた繊維基材等の透視した斜視説明図、(2)図は、同繊維基材等の正断面説明図である。
【図4】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、樹脂充填,加熱加圧される繊維基材等の透視した斜視説明図、(2)図は、取り出された繊維基材等の要部の斜視説明図である。
【図5】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、離型シートが取り除かれた繊維基材等の要部の斜視説明図、(2)図は、取り除かれた離型シートの要部の斜視説明図、(3)図は、(1)図の繊維基材等の要部の側面説明図、(4)図は、展張される繊維基材等の斜視図である。
【図6】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、枠固定されたハニカムコアの斜視図、(2)図は、乾燥されるハニカムコアの透視した斜視図、(3)図は、製造されたハニカムコアの斜視図である。
【図7】この種従来例に係る繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法の説明に供する斜視図であり、(1)図は、準備されたプリプレグを、(2)図は、接着剤塗布工程の要部を、(3)図は、重積工程の要部を、(4)図は、仮接着工程を示す。
【図8】同この種従来例の説明に供する斜視図であり、(1)図は、展張されたハニカムコアを、(2)図は、完全硬化工程を、(3)図は、製造されたハニカムコアを示す。
【符号の説明】
1 繊維基材
2 樹脂
3 プリプレグシート
4 接着剤
5 塗布ロール
6 加熱加圧装置
7 加熱炉
8 離型シート
9 地肌
10 離型用シート材
11 離型用シート材
12 密封用シート
13 密封用敷板
14 シールテープ
15 繊維織物
16 樹脂供給装置
17 供給ポート
18 真空吸引装置
19 バキュームポート
20 供給ホース
21 バキュームホース
22 供給タンク
23 バキュームポンプ
24 加熱加圧装置
25 プラテンプレス
26 接着箇所
27 固定枠
28 保持枠
29 乾燥炉
A ハニカムコア(従来例のもの)
B セル壁(従来例のもの)
C セル
D ハニカムコア(本発明のもの)
E セル壁(本発明のもの)
H 重積方向

Claims (3)

  1. 繊維基材を、条線状に地肌を残しつつ離型処理した後、該繊維基材を、条線が半ピッチずつずれた位置関係で重積してから、
    該繊維基材に樹脂を充填して、該樹脂を硬化させると共に、該樹脂にて該繊維基材間を接着した後、展張することによりハニカムコアを得ること、を特徴とする、繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法。
  2. 請求項1に記載した繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法であって、
    まず、該繊維基材に離型シートを、条線状に該地肌を残しつつ配設した後、次に、多数枚の該繊維基材を、該離型シート間に条線状に残されて露出した該地肌が、1枚毎に順次半ピッチずつずれる位置関係で、重積し、
    それから、重積された各該繊維基材に、液状の該樹脂を密封条件下で吸引により充填してから、加熱加圧により、各該繊維基材に付着,含浸した該樹脂を硬化させ、硬化した該樹脂にて各該繊維基材間を、接触した該地肌を利用して条線状に接着すると共に、繊維強化プラスチック化した後、
    重積方向に引張力を加えて展張することにより、該樹脂が付着,含浸,硬化して繊維強化プラスチック化された各該繊維基材をセル壁とし、該セル壁にて区画形成された中空柱状の多数のセルの平面的集合体たる、繊維強化プラスチック製の該ハニカムコアを得ること、を特徴とする、繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法。
  3. 請求項2に記載した繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法において、
    該繊維基材は、縦糸と横糸が交差すべく織られた織物よりなり、該離型シートは細帯状をなし、複数枚が相互間に間隔を置きつつ、該繊維基材の表面に平行に配設され、
    前記密封条件は、ブロック状に重積された各該繊維基材を、離型用のシート材を介し密封用のシートや板を使用して、全体的に密封することにより実現され、前記吸引充填は、このような密封条件下で、重積された各該繊維基材側の空間に、真空吸引装置や樹脂供給装置を接続してから、該真空吸引装置にて吸引し、もって該樹脂供給装置から各該繊維基材に、該樹脂が充填されることにより行われ、
    前記加熱加圧は、このように密封条件下で、該樹脂が付着,含浸した各該繊維基材に対し、加熱加圧装置を用いて直ちに実施されること、を特徴とする、繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法。
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