JP3768426B2 - バッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバッテリの交換が容易に行えるようにしたバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来バッテリを動力源とするバッテリ式フォークリフトトラックでは、バッテリを充電する場合、車体に搭載されたバッテリをすでに充電の完了したバッテリと交換する作業を行うが、バッテリは重量が重いため従来からバッテリの交換を容易に行うバッテリ交換装置が種々提案され実用化されている。
【0003】
例えば、特開平6−286991号公報には、運転席の上方を覆うヘッドガードにバッテリ吊上げ装置を設置して、このバッテリ吊上げ装置によりバッテリを吊上げた後、別のフォークリフトトラックを使用してバッテリの交換を行う産業車両が記載されている。また実公昭50−27103号公報には、交換するバッテリとマストをワイヤで接続し、かつマストを上昇させてバッテリをけん引することにより、バッテリを車体へ積込装置が記載されている。
【0004】
また、この出願を出願するに際して、出願人には、以下の図7、図8、図9、図10、図11、図12に示すような参考技術が存在する。これらのものについて、各図面を用いて説明する。
図7は消耗したバッテリを自らの装置によって交換することができるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の参考技術を示す側面図、図8の ( イ ) は図7のA円内の拡大斜視図でワイヤ固定手段の基本形を示し、図8の ( ロ ) 及び ( ハ ) はA円内の拡大斜視図でワイヤ固定手段の変形例を示す説明図、図9は図7のA円内にあるワイヤの他端側の係止具の拡大図で ( イ ) と ( ロ ) の形態を示す説明図、図10は図7のB円内の拡大斜視図でヘッドガードに支持されている軸杆にプーリを装着しこれにワイヤ周回しているガイド手段を示す説明図、図11、図12は消耗したバッテリを自らの装置によって交換することができるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の参考技術を示す側面図で、消耗したバッテリを自らの交換装置によって交換することを示す作用説明図である。
【0005】
運転席4の下側は上面が開口する箱形のバッテリ収容室6となっていて、このバッテリ収容室6の上面開口部6aに運転席4が取付けられている。運転席4は上下方向へ回動自在となっていて、図11、図12に示すように上方へ回動することにより、バッテリ収容室6の開口部6aが開放されることになっており、この開口部6aを通じて動力用のバッテリ7がバッテリ収容室6に収容されている。
【0006】
また運転席4の上方に位置するヘッドガード5には図10に示すようにガイド手段8が設けられている。ガイド手段8はバッテリ7を吊上げるワイヤ9をガイドするもので、ヘッドガード5の上部に車体の左右方向(車幅方向)に横架された軸杆8aと、この軸杆8aのほぼ中間部に回転自在に支承されたプーリ8bよりなり、このプーリ8bにワイヤ9が周回されるようになっている。なお軸杆8aをヘッドガード5に回転自在に支承して、ワイヤ9を直接軸杆8aに周回させることにより、プーリ8bを省略してもよい。
【0007】
一方車体1の前部に装着された作業機3はチルトシリンダ10により上端側が前後方向へチルト自在なマスト3aを有している。マスト3aは下端が車体1側に軸支された一対のアウタマスト3bと、アウトマスト3b桿に上下摺動自在に設けられた一対のインナマスト3cより構成されていて、インナマスト3cはリフトシリンダ3dにより昇降自在になっており、インナマスト3c桿にはインナマスト3cの上下動に伴い昇降するフィンガボード3eが支承されていて、このフィンガボード3eに一対のフォーク3fが掛合されている。
【0008】
またアウタマスト3bの上端間横架された軸杆3gのほぼ中間部にバッテリ7を吊上げる際ワイヤ9の一端を固定するワイヤ固定手段12が設置されている。ワイヤ固定手段12は例えば図8の(イ)に示すように軸杆3gの左右方向のほぼ中間部に上下方向に貫通する穿設された係止孔12aと、ワイヤ9の一端に設けられた係止具12bよりなる( 図9参照 )。係止具12bは図9の(イ)に示すようにワイヤ9の一端に形成された環状部12dを軸杆3gの係止孔12aに係止するシャックル12cや、図9の(ロ)に示すように、軸杆3gの係止孔12a係合自在なフック12eより構成されている。
【0009】
なおワイヤ固定手段12は図8の(ロ)に示すように、軸杆3gの上面に頭部12fを有するピン12gを突設して、このピン12gに図9に示すワイヤ9の環状部12dを直接係止してもよく、シャックル12cやフック12eによりワイヤ9の一端を係止するようにしてもよい。
【0010】
次に、上記の通りに構成されたバッツテリ交換装置の作用を図11及び図12を参照して詳述する。バッテリ7を交換するに当たっては、まず図11に示すように運転席4を上方に回動してバッテリ収容室6の開口部6aを開放し、この状態でバッテリ7を吊上げるワイヤ9の一端をバッテリ7に結着する。次に、ワイヤ9の中間部をガイド手段8へ周回させたら、ワイヤ9の他端側をワイヤ固定手段12により軸杆3gに固定する。
【0011】
そして、この状態でチルトシリンダ10により図12の矢印Cにしめすようにマスト13aの上端側を前方へチルトさせて、ワイヤ9によりバッテリ収容室6a内のバッテリを吊上げると共に、バッテリ7が開口部6aより交換可能な高さに吊上げられたら、予め用意した別のフォークリフト(図示せず)を使用してバッテリ7を車体1よりおろすもので、充電の完了したバッテリ7を車体1へ積み込む場合は、上記と逆の操作を行うことによりバッテリ7の交換作業が容易かつ短時間で行えるようになる。上記の参考技術が本発明の出願に際して出願人が保有していたものである。
【0012】
例えば、特開平6−286991号公報には、運転席の上方を覆うヘッドガードにバッテリ吊上げ装置を設置して、このバッテリ吊上げ装置によりバッテリを吊上げた後、別のフォークリフトトラックを使用してバッテリの交換を行う産業車両が記載されている。また実公昭50−27103号公報には、交換するバッテリとマストをワイヤで接続し、かつマストを上昇させてバッテリをけん引することにより、バッテリを車体へ積込装置が記載されている。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特開平6−286991号公報に示されている産業車両のように、ヘッドガードにバッテリを吊上げる吊上げ装置を設置したものでは、可逆電動モータやこれを制御する制御手段を必要とするため、吊上げ装置が複雑かつ高価になると共に、ヘッドガードには吊上げ装置の自重とバッテリの重量が加わるため、強固な構造にしなければならず、ヘッドガードが高価になるなどの問題がある。
【0013】
また、上記の実公昭50−27103号公報に示されているバッテリ積込み装置では、バッテリを積込む際、車体後部にローラコンベヤを設置しなければならないため、段取り作業に手間がかかる上、バッテリ室の底面を予め傾斜させているため、積込んだバッテリが自重で落下しないように強固な構造のロック装置を設ける必要があり、ロック装置が高価になると共に、振動などでロック装置が高価になると共に、振動などでロック装置が外れた場合は、バッテリが落下するなどの問題もある。
【0014】
さらに、この出願の出願人が保有する上記の参考技術のものにあっては、バッテリを吊上げるときにチルトシリンダを使用してアウタマストの上端側を前側に移動させてワイヤ を引っ張ることでバッテリを吊上げているが、バッテリの吊上げ高さが足りないことが起きる。消耗してしまったバッテリを積下ろすとき、バッテリを交換可能な高さに吊上げることが必要となる。バッテリを吊上げるとき、チルトシリンダを使用してアウタマスト上端側を前側に移動させてワイヤを引っ張りバッテリを吊上げているが、アウタマストの上端側をアウタマストの垂直を越してさらに前側に6度ぐらい移動させても、バッテリを交換可能な高さにすることができないことが起きるという問題がある。
【0015】
この出願の発明は上記する問題を改善するためになされたもので、バッテリの交換が容易に行えるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置を安価に提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この出願の第1番目の発明は上記の課題に対処するためになされたもので、自走自在な車体1の前部にリフト及びチルト自在なマスト3aを有する作業機3が装着され、また運転席4の上方を覆うようにヘッドガード5が装備されたバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置であって、動力用のバッテリ7が収容されたバッテリ収容室6の上方に位置するように配置された前記ヘッドガード5の左右中央に設置されたガイド手段8と、前記バッテリ収容室6に収容されたバッテリ7に一端側が着脱自在に結着され、かつ中間部が前記ガイド手段8に周回され、続いて前記マスト3aのアウタマスト3bの上部間に横架された横杆3gの左右方向中央に設けたガイド手段13を周回し、さらに前記マスト3aのインナマスト3cの上部に横架された横杆3 i の左右方向中央のワイヤ固定手段12にワイヤ9の他端側を着脱自在に結着したワイヤ9とを具備し、前記のリフトシリンダ3dの駆動によりインナマスト3cを上昇せしめ、これによりワイヤ9が二つのガイド手段8、13を周回して上方に引っ張られてバッテリを交換位置まで吊上げるようにしたことを特徴とするバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置である。
【0017】
この出願の第2番目の発明は上記の課題に対処するためになされたもので、前記ワイヤ9はバッテリ7に一端側が着脱自在に結着され、そして中間部が前記ガイド手段8に周回され、続いて前記ヘッドガード5の上部前側に設けた前記ヘッドガード5の左右中央に設置されたガイド手段14に周回され、さらには左右のアウタマスト3bの下部であって、左右のアウタマスト3b間の中央に設けたガイド手段15を周回したのち、インナマスト3cに昇降自在に装備され、インナマスト3cの上昇に伴って上昇するフィンガボード3eに着脱自在に固定され、前記のリフトシリンダ3dの駆動によりフィンガボード3eを上昇せしめ、これによりワイヤ9が三つのガイド手段8、14、15を周回して上方に引っ張られてバッテリを交換位置まで吊上げるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置である。
【0018】
この出願の第3番目の発明は上記の課題に対処するためになされたもので、前記ワイヤ9はバッテリ7に一端側が着脱自在に結着され、そして中間部が前記ガイド手段8に周回され、続いて前記ヘッドガード5の上部後側に設けた前記ヘッドガード5の左右方向中央に設置されたガイド手段14に周回され、そして、車体の後部の左右方向中央に設置されたガイド手段16に周回され、さらにはここから車体の下部を通り左右のアウタマスト3bの下部であって、左右のアウタマスト3b間の中央に設けたガイド手段15を周回したのち、インナマスト3cに昇降自在に装備され、インナマスト3cの上昇に伴って上昇するフィンガボード3eに着脱自在に固定され、前記のリフトシリンダ3dの駆動によりフィンガボード3eを上昇せしめ、これによりワイヤ9が四つのガイド手段8、14、16 、15を周回して上方に引っ張られてバッテリを交換位置まで吊上げるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置である。
【0019】
この出願の第4番目の発明は上記の課題に対処するためになされたもので、バッテリ収容室6の底部にパンタグラフ状のリフト手段18を設置し、ワイヤ9の一端側を該リフト手段18のローラ18aに接続すると共に、ワイヤ9の他端側をアウタマスト3bのやや下部であって、左右のアウタマスト3b間の中央に設けたガイド手段15を周回したのち、インナマスト3cに昇降自在に装備され、インナマスト3cの上昇に伴って上昇するフィンガボード3eに着脱自在に固定され、前記のリフトシリンダ3dの駆動によりフィンガボード3eを上昇せしめ、これによりワイヤ9が一つのガイド手段15を周回して上方に引っ張られ、ワイヤ9がローラ18aを前方へ移動させることにより、該リフト手段18が起立してバッテリ7を交換位置まで吊上げるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置である。
【0020】
【作用効果】
この出願の第1番目の発明の構成によれば、バッテリを吊上げるためのワイヤは他端側が作業機のインナマストの上部にある横杆のワイヤ固定手段に結着しているが、このインナマストの上部にある横杆のワイヤ固定手段の位置をオペレータのリフトシリンダの操作によりバッテリの交換可能な高さまで的確に上昇増加することができるので、バッテリ交換の際、別のフォークリフトトラッツク等を使用することにすれば、バッテリ交換がより容易で、短時間に行えるものとなる。また第1番目の発明の構成によれば、バッテリ収容室からバッテリを吊上げるための動力を別に設ける必要がなく自らの動力で行うため、バッテリ交換装置を安価に提供することができる。
また第1番目の発明の構成によれば、ヘッドガードに吊上げ装置を設けた従来のバッテリ交換装置のようにヘッドガードにバッテリ交換装置を設置することにより構造が複雑なるようなことがなく、また自重が加わることがないのでヘッドガードの構造を簡素化でき、これによってヘッドガードが安価になるため経済的である。さらに、第1番目の発明の構成によれば、バッテリ収容室に収容したバッテリをロック装置によりロックする必要がないため、高価なロック装置を設置する必要がない上、振動などによりロック装置が外れてバッテリが落下するなどの心配もない。
【0021】
この出願の第2番目、及び第3番目の発明の構成によれば、バッテリを吊上げるためのワイヤは他端側が作業機のインナマストに昇降自在に装備され、インナマストの上昇に伴って上昇するフィンガボードのワイヤ固定手段に結着しているが、このフィンガボードのワイヤ固定手段の位置をオペレータのリフトシリンダの操作によりバッテリの交換可能な高さまで的確に上昇増加することができるので、バッテリ交換の際、別のフォークリフトトラッツク等を使用することにすれば、バッテリ交換がより容易で短時間に行えるものとなる。また第2番目、及び第3番目の発明の構成によれば、バッテリ収容室からバッテリを吊上げるための動力を別に設ける必要がなく自らの動力で行うため、バッテリ交換装置を安価に提供することができる。そしてまた第2番目、及び第3番目の発明の構成によれば、バッテリを吊上げるためのワイヤの他端側が結着している作業機のインナマストに装備され、インナマストの上昇に伴って上昇するフィンガボードのワイヤ固定手段の位置からバッテリのワイヤ結着位置までの間に、複数のガイド手段を設けたので、バッテリを吊上げる際、ワイヤを円滑に引っ張り上げることができる。
さらにまた第2番目、及び第3番目の発明の構成によれば、ヘッドガードに吊上げ装置を設けた従来のバッテリ交換装置のようにヘッドガードにバッテリ交換装置を設置することにより構造が複雑なるようなことがなく、また自重が加わることがないのでヘッドガードの構造を簡素化でき、これによってヘッドガードが安価になるため経済的である。また、第2番目、及び第3番目の発明の構成によれば、バッテリ収容室に収容したバッテリをロック装置によりロックする必要がないため、高価なロック装置を設置する必要がない上、振動などによりロック装置が外れてバッテリが落下するなどの心配もない。
【0022】
この出願の第4番目の発明の構成によれば、バッテリを載置しているパンタグラフ状の リフト手段を起立上昇させるためのワイヤは他端側が作業機のインナマストに昇降自在に装備され、インナマストの上昇に伴って上昇するフィンガボードのワイヤ固定手段に結着しているが、このフィンガボードのワイヤ固定手段の位置をオペレータのリフトシリンダの操作によりバッテリの交換可能な高さまで的確に上昇増加することができるので、バッテリ交換の際、別のフォークリフトトラッツク等を使用することにすれば、バッテリ交換がより容易で短時間に行えるものとなる。また第4番目の発明の構成によれば、バッテリ収容室からバッテリを吊上げるための動力を別に設ける必要がなく自らの動力で行うため、バッテリ交換装置を安価に提供することができる。そしてまた第4番目の発明の構成によれば、バッテリを吊上げるためのワイヤの他端側が結着している作業機のインナマストに装備され、インナマストの上昇に伴って上昇するフィンガボードのワイヤ固定手段の位置からバッテリを起立上昇させるパンタグラフ状のリフト手段のローラの結着位置までの間に、一つのガイド手段を設けたので、バッテリを起立上昇させる際、ワイヤを円滑に引っ張り上げることができる。
さらにまた第4番目の発明の構成によれば、ヘッドガードに吊上げ装置を設けた従来のバッテリ交換装置のようにヘッドガードにバッテリ交換装置を設置することにより構造が複雑なるようなことがなく、また自重が加わることがないのでヘッドガードの構造を簡素化でき、これによってヘッドガードが安価になるため経済的である。また、第4番目の発明の構成によれば、バッテリ収容室に収容したバッテリをロック装置によりロックする必要がないため、高価なロック装置を設置する必要がない上、振動などによりロック装置が外れてバッテリが落下するなどの心配もない。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下においてこの出願の各発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1はこの出願の第1発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の説明図であり、図2は図1の状態が変化して、インナマストを上昇させ、バッテリをバッテリ収納室から吊上げバッテリの交換を行なうところを説明する図面である。
図3はこの出願の第2発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の説明図である。
図4はこの出願の第3発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の説明図である。
図5はこの出願の第4発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の説明図である。
図6はこの出願の発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置に設けられるワイヤの巻取りドラムの説明図である。
なお、上記の図1〜図6に示す各発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の説明を行うにあたって、この出願の明細書の段落番号 ( 0004 ) から段落番号 ( 0011 ) までの、図面から云えば図7から図12までの出願人が保有する参考技術の説明を参照することが必要となる。また、この出願人が保有する参考技術の説明に使用した符番と部材名称を、図1から図6までの説明にそのまま使用している。
【0024】
まず図1、図2を用いてこの出願の第1発明に係る実施の形態について説明する。
図1、図2に示すバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置はインナマスト3cの昇降を利用してバッテリ7の交換を行うようにしたものである。バッテリ7をワイヤ9を介して円滑に吊上げるためにワイヤ9のバッテリ7の結着部からワイヤ9の他端側のインナマスト3cの上部間に横架された横杆3iの左右方向のほぼ中央のワイヤ固定手段12の位置までに二つのガイド手段8,13が設けられている。ガイド手段8,13はワイヤ9を円滑に周回できるプーリで構成されている。ガイド手段8は、図1、図2で示すようにバッテリ7を吊上げたときにほぼバッテリ7の真上にあたるヘッドガード5の 左右方向のほぼ中央の位置に設けられている。また、ガイド手段13は、図1、図2、及び図8で示すようにアウタマスト3bの上部間に横架された横杆3gの左右方向のほぼ中央の位置に設けられている。インナマスト3cの上部間に横架された横杆3iの左右方向のほぼ中央のワイヤ固定手段12の位置をオペレータのリフトシリンダ3dの操作により上昇させることにより、バッテリ7を交換可能な高さまで的確に上昇することができる。このように二つのガイド手段 ( ガイド手段8,ガイド手段13 ) を設けたので、バッテリを吊上げる際、これらのプーリ等のガイド手段によりバッテリ7が吊下がっているワイヤ9を円滑に引っ張り上げることができる。従って、バッテリ7の交換が容易かつ短時間で行える。
【0025】
次に図3を用いてこの出願の第2発明に係る実施の形態について説明する。
ワイヤ9の一端側はバッテリ7に結着されており、そしてバッテリ7を吊上げるためのワイヤ9の他端側は作業機のインナマスト3cに昇降自在に装備され、インナマスト3cの上昇に伴って上昇するフィンガボード3eのワイヤ固定手段12に結着している。フィンガボード3eのワイヤ固定手段12の位置をオペレータのリフトシリンダ3dの操作により上昇させることにより、バッテリ7を交換可能な高さまで的確に上昇することができる。バッテリ7をワイヤ9を介して円滑に吊上げるために、ワイヤ9のバッテリ7の結着部からワイヤ9の他端側のフィンガボード3eのワイヤ固定手段12の位置までに三つのガイド手段8,14,15を設けている。ガイド手段8,14、15はワイヤ9を円滑に周回できるプーリで構成されている。そしてガイド手段8は、図3で示すようにバッテリ7を吊上げたときにほぼバッテリ7の真上にあたるヘッドガード5の左右方向のほぼ中央の位置に設けられている。またガイド手段14は、図3で示すようにヘッドガード5の前部の下部で左右方向のほぼ中央の位置に設けられている。ガイド手段15は、図3で示すように作業機のアウタマスト3bの下部の左右方向のほぼ中央の位置に設けられている。このように三つのガイド手段 ( ガイド手段8,ガイド手段14、ガイド手段15 ) を設けたので、バッテリ7を吊上げる際、これらのプーリ等のガイド手段8,14,15によりバッテリ7が吊下がっているワイヤ9を円滑に引っ張り上げることができる。すなわち、オペレータがリフトシリンダ3dを操作してワイヤ9が固定されているフィンガボード3eを上昇させることにより、バッテリ7を円滑に交換可能な高さまで吊上げることができる。従って、バッテリ7の交換が容易かつ短時間で行える。
【0026】
次に図4を用いてこの出願の第3発明に係る実施の形態について説明する。
ワイヤ9の一端側はバッテリ7に結着されており、そしてバッテリ7を吊上げるためのワイヤ9の他端側は作業機のインナマスト3cに昇降自在に装備され、インナマスト3cの上昇に伴って上昇するフィンガボード3eのワイヤ固定手段12に結着している。フィンガボード3eのワイヤ固定手段12の位置をオペレータのリフトシリンダ3dの操作により上昇させることにより、バッテリ7を交換可能な高さまで的確に上昇することができる。バッテリ7をワイヤ9を介して円滑に吊上げるためにワイヤ9のバッテリ7の結着部からワイヤ9の他端側のフィンガボード3eのワイヤ固定手段12の位置までに四つのガイド手段8,14,16,15を設けている。まずガイド手段8は、図4で示すようにバッテリ7を吊上げたときにほぼバッテリ7の真上にあたるヘッドガード5の左右方向のほぼ中央の位置に設けられている。ガイド手段14は、図4で示すようにヘッドガード5の後部で左右方向のほぼ中央の位置に設けられている。また、ガイド手段16は、図4で示すように車体の後部の下部の左右方向のほぼ中央の位置に設けられている。そして、ガイド手段15は、図4で示すように作業機のアウタマスト3bの下部の左右方向のほぼ中央の位置に設けられている。このように四つのガイド手段 ( ガイド手段8,ガイド手段14、ガイド手段16、ガイド手段15 ) を設けたので、バッテリを吊上げる際、これらのプーリ等のガイド手段によりバッテリ7が吊下がっているワイヤ9を円滑に引っ張り上げることができる。すなわち、オペレータがリフトシリンダ3dを操作してワイヤ9が固定されているフィンガボード3eを上昇させることにより、バッテリ7を円滑に交換可能な高 さまで吊上げることができる。従って、バッテリ7の交換が容易かつ短時間で行える。
【0027】
次に図5を用いてこの出願の第4発明に係る実施の形態について説明する。
ワイヤ9の一端側はバッテリ7を載置しているパンタグラフ状のリフト手段18の後側のローラ軸18aに結着されており、そしてワイヤ9の他端側は作業機3のインナマスト3cに昇降自在に装備され、インナマスト3cの上昇に伴って上昇するフィンガボード3eのワイヤ固定手段12に結着している。フィンガボード3eのワイヤ固定手段12の位置をオペレータのリフトシリンダ3dの操作により上昇させることにより、バッテリ7を載置しているパンタグラフ状のリフト手段18の後側のローラ軸18aを前側に引っ張ることになる。これにより、ローラ軸は前方に移動してパンタグラフ状のリフト手段18のローラ軸 ( 脚に相当する ) が起立する。バッテリ7を載置しているパンタグラフ状のリフト手段のローラ軸 ( 脚に相当する ) 18aが垂直に起立するので、バッテリ7を交換可能な高さまで上昇させることになる。バッテリ7をワイヤ9を介して吊上げるため、ワイヤ9のバッテリ7を載置しているパンタグラフ状のリフト手段18の後側のローラ軸18aの結着部から、ワイヤ9の他端側のフィンガボード3eのワイヤ固定手段12の位置までに一つのガイド手段15を設けている。このガイド手段15は、図5で示すように作業機のアウタマスト3bのやや下部の左右方向のほぼ中央の位置に設けられている。このようにこの第4発明によれば、一つのガイド手段15を設けたので、バッテリ7を載置しているパンタグラフ状のリフト手段18の後側のローラ軸 ( 脚に相当する ) 18aを起立させてバッテリを交換可能な高さにリフトするとき、これを円滑に行うことができる。従って、バッテリ7の交換が容易かつ短時間で行える。
【0028】
次に図6を用いてこの出願の発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置に設けられるワイヤの巻取りドラムについて説明する。予めアウタマスト3bの上部間や、インナマスト3cの上部間に横架した横杆3g、3iに巻取りドラム20を設置してバッテリの交換を行わない時には巻取りドラム20にワイヤ9を巻取るようにしてワイヤ9を整理しておくとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この出願の第1発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の説明図である。
【図2】 図1の状態が変化して、インナマストを上昇させ、バッテリをバッテリ収納室から吊上げバッテリの交換を行なうところを説明する図面である。
【図3】 この出願の第2発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の説明図である。
【図4】 この出願の第3発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の説明図である。
【図5】 この出願の第4発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の説明図である。
【図6】 この出願の発明に係る実施の形態にかかるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置に設けられるワイヤの巻取りドラムの説明図である。
【図7】 消耗したバッテリを自らの装置によって交換することができるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の出願人が保有する参考技術を示す側面図である。
【図8】 ( イ ) は図7のA円内の拡大斜視図でワイヤ固定手段の基本形を示し、 ( ロ ) 及び ( ハ ) は図7のA円内の拡大斜視図でワイヤ固定手段の変形例を示す説明図である。
【図9】 図7のA円内にあるワイヤの他端側の係止具の拡大図で ( イ ) と ( ロ ) の形態を示す説明図である。
【図10】 図7のB円内の拡大斜視図でヘッドガードに支持されている軸杆にプーリを装着しこれにワイヤ周回しているガイド手段を示す説明図である。
【図11】 消耗したバッテリを自らの装置によって交換することができるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の参考技術を示す側面図で、消耗したバッテリを自らの交換装置によって交換することを示す作用説明図である。
【図12】 消耗したバッテリを自らの装置によって交換することができるバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置の参考技術を示す側面図で、消耗したバッテリを自らの交換装置によって交換することを示す作用説明図である。特にバッテリが交換可能な高さにまで吊上げられた状態を示す図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・車体
3・・・・・・・・・・・・作業機
3a・・・・・・・・・・・マスト
3b・・・・・・・・・・・アウタマスト
3c・・・・・・・・・・・インナマスト
3d・・・・・・・・・・・リフトシリンダ
3e・・・・・・・・・・・フィンガボード
3f・・・・・・・・・・・フォーク
3g・・・・・・・・・・・横杆
3i・・・・・・・・・・・横杆
4・・・・・・・・・・・・運転席
5・・・・・・・・・・・・ヘッドガード
6・・・・・・・・・・・・バッテリ収納室
6a・・・・・・・・・・・開口部
7・・・・・・・・・・・・バッテリ
8 14、15、16・・・ガイド手段
9・・・・・・・・・・・・ワイヤ
10・・・・・・・・・・・チルトシリンダ
12・・・・・・・・・・・ワイヤ固定手段
18・・・・・・・・・・・リフト手段
18a・・・・・・・・・・ローラ軸
Claims (4)
- 自走自在な車体 ( 1 ) の前部にリフト及びチルト自在なマスト ( 3a ) を有する作業機 ( 3 ) が装着され、また運転席 ( 4 ) の上方を覆うようにヘッドガード ( 5 ) が装備されたバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置であって、動力用のバッテリ ( 7 ) が収容されたバッテリ収容室 ( 6 ) の上方に位置するように配置された前記ヘッドガード ( 5 ) の左右中央に設置されたガイド手段 ( 8 ) と、前記バッテリ収容室 ( 6 ) に収容されたバッテリ ( 7 ) に一端側が着脱自在に結着され、かつ中間部が前記ガイド手段 ( 8 ) に周回され、続いて前記マスト ( 3a ) のアウタマスト ( 3b ) の上部間に横架された横杆 ( 3g ) の左右方向中央に設けたガイド手段13を周回し、さらに前記マスト ( 3a ) のインナマスト ( 3c ) の上部に横架された横杆 ( 3 i) の左右方向中央のワイヤ固定手段 ( 12 ) にワイヤ ( 9 ) の他端側を着脱自在に結着したワイヤ ( 9 ) とを具備し、前記のリフトシリンダ ( 3d ) の駆動によりインナマスト ( 3c ) を上昇せしめ、これによりワイヤ ( 9 ) が二つのガイド手段 ( 8 ) 、 ( 13 ) を周回して上方に引っ張られてバッテリ ( 7 ) を交換位置まで吊上げるようにしたことを特徴とするバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置。
- 前記ワイヤ ( 9 ) はバッテリ ( 7 ) に一端側が着脱自在に結着され、そして中間部が前記ガイド手段 ( 8 ) に周回され、続いて前記ヘッドガード ( 5 ) の上部前側に設けた前記ヘッドガード ( 5 ) の左右中央に設置されたガイド手段 ( 14 ) に周回され、さらには左右のアウタマスト ( 3b ) の下部であって、左右のアウタマスト ( 3b ) 間の中央に設けたガイド手段15を周回したのち、インナマスト ( 3c ) に昇降自在に装備され、インナマスト ( 3c ) の上昇に伴って上昇するフィンガボード ( 3e ) に着脱自在に固定され、前記のリフトシリンダ ( 3d ) の駆動によりフィンガボード ( 3e ) を上昇せしめ、これによりワイヤ ( 9 ) が三つのガイド手段 ( 8 ) 、 ( 14 ) 、 ( 15 ) を周回して上方に引っ張られてバッテリを交換位置まで吊上げるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置。
- 前記ワイヤ ( 9 ) はバッテリ ( 7 ) に一端側が着脱自在に結着され、そして中間部が前記ガイド手段 ( 8 ) に周回され、続いて前記ヘッドガード ( 5 ) の上部後側に設けた前記ヘッドガード ( 5 ) の左右方向中央に設置されたガイド手段 ( 14 ) に周回され、そして、車体の後部の左右方向中央に設置されたガイド手段 ( 16 ) に周回され、さらにはここから車体の下部を通り左右のアウタマスト ( 3b ) の下部であって、左右のアウタマスト ( 3b ) 間の中央に設けたガイド手段 ( 15 ) を周回したのち、インナマスト ( 3c ) に昇降自在に装備され、インナマスト ( 3c ) の上昇に伴って上昇するフィンガボード ( 3e ) に着脱自在に固定され、前記のリフトシリンダ ( 3d ) の駆動によりフィンガボード ( 3e ) を上昇せしめ、これによりワイヤ ( 9 ) が四つのガイド手段 ( 8 ) 、 ( 14 ) 、 ( 16 ) 、 ( 15 ) を周回して上方に引っ張られてバッテリ ( 7 ) を交換位置まで吊上げるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置。
- バッテリ収容室 ( 6 ) の底部にパンタグラフ状のリフト手段 ( 18 ) を設置し、ワイヤ ( 9 ) の一端側を該リフト手段 ( 18 ) のローラ ( 18a ) に接続すると共に、ワイヤ ( 9 ) の他端側をアウタマスト ( 3b ) のやや下部であって、左右のアウタマスト ( 3b ) 間の中央に設けたガイド手段15を周回したのち、インナマスト ( 3c ) に昇降自在に装備され、インナマスト ( 3c ) の上昇に伴って上昇するフィンガボード ( 3e ) に着脱自在に固定され、前記のリフトシリンダ ( 3d ) の駆動によりフィンガボード ( 3e ) を上昇せしめ、これによりワイヤ ( 9 ) が一つのガイド手段 ( 15 ) を周回して上方に引っ張られ、ワイヤ ( 9 ) がローラ ( 18a ) を前方へ移動させることにより、該リフト手段 ( 18 ) が起立してバッテリ ( 7 ) を交換位置まで吊上げるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ式フォークリフトトラックのバッテリ交換装置。
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