JP3766128B2 - 体内挿入式医療器具用のセンサ及びその製造方法 - Google Patents

体内挿入式医療器具用のセンサ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内挿入式医療器具用のセンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体内にある各種の管の中に挿入されそこで治療行為等を行う医療器具として、例えば内視鏡やカテーテル等が従来より知られている。この種の器具は、通常、体内に挿入される細いガイドチューブと、そのガイドチューブを体外にて操作するためにガイドチューブの基端部に設けられた操作手段とによって成り立っている。また、同ガイドチューブの中には、それぞれの医療器具において必要な機構、例えば医療用カテーテルでは投薬管やバルーン拡張用の送気管など、内視鏡では送光手段としての光ファイバなどが収容されている。
【0003】
例えば内視鏡を使用するオペレータは、操作手段によってガイドチューブの先端を操作しながらガイドチューブを押し進め、その先端を目的の箇所まで確実に到達させる必要がある。しかし、体内にある管は必ずしも直線状ではなく、部分的に屈曲していたり分岐していることが少なくない。それゆえ、熟練度の低いオペレータは、所望の部位でない部位に先端を誘導してしまう場合がある。
【0004】
その一方、熟練度の高いオペレータは、ガイドチューブの挿入抵抗の増加を自分の手の感覚によって認識することにより屈曲部の存在等を予測し、それに応じて進行方向を決定する。ところが、熟練度の高いオペレータといえども操作を勘に頼っていることから、常に目的の箇所まで誘導できるとは限らない。
【0005】
上記のような問題を解決するため方策としては、例えばガイドチューブの先端に何らかのセンサを設け、管内壁との接触によって受ける圧力の大きさ・方向をそのセンサで測定するという発想がある。また、かかる発想を具体化した例としては、特開平6−190050号公報に開示された技術がある。
【0006】
この公報の医療器具においては、ガイドチューブの先端に触覚センサが取り付けられている。この触覚センサは、圧力を検出するためのストレインゲージを軟質チューブの先端縁近傍に配設することによって構成されている。より詳細にいうと、前記軟質チューブの先端縁に複数のビームとスリットとが形成され、主として同ビームの部分にストレインゲージが配設されている。従って、管内壁にセンサが接触すると、外力によってビームが弾性変形する。このとき、ストレインゲージがビームの歪みを電気インピーダンスに変換して外部に出力する。その結果、ガイドチューブの先端が受ける圧力の大きさ・方向が検知され、オペレータが操作する際における進行方向決定の際の便宜が図られるようになっている。
【0007】
また、このような触覚センサの代わりに、圧力検知部としてのダイヤフラムを有する半導体式圧力センサ等を設けることも従来より提案されている。なお、この種のセンサは全体の小型化に向いているという利点を持つ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の体内挿入式医療器具用のセンサには、以下のような問題がある。
【0009】
i)ストレインゲージを利用した触覚センサの場合、センサの先端縁に微細なビーム、スリット及びストレインゲージを形成する必要があるため、どうしても構成が複雑になりかつその製造も困難になる。また、このような構成であると、センサの小型化が妨げられるおそれもある。
【0010】
ii) 近年、体内挿入式医療器具(正確には被挿入部分であるガイドチューブやセンサ等)は、AIDS等のようなウィルスの二次感染を防止すべく、使い捨てにされることが常識化しつつある。従って、それに使用されるセンサは安価なものであることが好ましい。しかし、半導体式圧力センサは現状において高価であるため、この条件を満たしているとはいえない。また、ストレインゲージを利用した触覚センサも上記のように製造上の困難性があることから、ある程度高価なものとなってしまうことは避けられない。ゆえに、同センサも前記条件を満たしているとは言いがたい。
【0011】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主目的は、器具の先端に加わる圧力を確実にセンシングすることができるばかりでなく、構造が簡単であって小型かつ安価な体内挿入式医療器具用のセンサを提供することにある。
【0012】
また、本発明の別の目的は、生体に対する適合性の高い体内挿入式医療器具用のセンサを提供することにある。さらに、本発明の別の目的は、そのようなセンサを効率よく製造することができる体内挿入式医療器具用のセンサの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、体内挿入式医療器具の先端に取り付けられるとともに、その位置においてセンシングを行うセンサであって、弾力性を有する樹脂中に導電性物質を分散させてなる弾性導電部材と、その弾性樹脂部材に接触されるとともに互いに離間して配置される対をなす電極と、前記対をなす電極が設置される弾性絶縁部材と、生体適合性材料からなり前記各部材を被覆する保護層とを備え、前記弾性導電部材及び前記弾性絶縁部材は、センサ内部の中心軸線方向及びその中心軸線と交差する方向から前記保護層に加わる外力によって変形を生じるべく、該中心軸線と直交する方向に並列に配置され、前記対をなす電極は、前記弾性絶縁部材においてそれぞれ前記中心軸線方向に沿って設置され、前記保護層に加わる外力により生じる前記弾性導電部材及び前記弾性絶縁部材の変形に伴う前記電極間の抵抗値の変化に基づいて前記弾性導電部材及び前記弾性絶縁部材の変形度合いが検知されるように構成された体内挿入式医療器具用のセンサをその要旨とする。
【0014】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、前記弾性絶縁部材は、センサ内部を中心軸線方向に沿って複数の室に区画しており、前記弾性導電部材は前記室のうちの少なくとも1つの中に収容されているとした。
【0015】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2において、前記弾性絶縁部材は、複数枚の樹脂片を放射状に配置してなるものであるとした。
請求項4に記載の発明では、請求項3において、前記複数の電極のうち一つの対をなすもの同士は、同じ樹脂片において中心軸線方向に沿って並ぶように配置されているとした。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項3において、複数枚の樹脂片のうちの少なくとも2枚は中心軸線を基準として互いに90°をなし、前記複数の電極はそれらの樹脂片に一対づつ設置されているとした。
【0017】
請求項6に記載の発明では、請求項3乃至5のいずれか1項において、前記弾性絶縁部材はインサート成形品であって、前記電極から引き出される配線は前記樹脂片の外表面から露出しておらず、同電極のみが前記樹脂片の側部外表面から露出しているとした。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具用のセンサを製造する方法であって、あらかじめ前記電極が設置されている前記弾性絶縁部材に後に保護層となるシリコーンゴム製のキャップを嵌着した後、同弾性絶縁部材と同キャップとがなす室内へ前記弾性導電部材を形成するための流動状材料を充填しかつ同材料を非流動化させることを特徴とした体内挿入式医療器具用のセンサの製造方法をその要旨とする。
【0019】
次に、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、離間して配置されている複数の電極は弾性樹脂部材に接触しているため、通電を行うと、電極間には前記弾性導電部材を介してある程度の電流が流れることになる。また、センサを構成する弾性導電部材及び弾性絶縁部材にはともに弾力性があるため、外部からの圧力を受けるとそれらは弾性変形し、外力がなくなると元の形状に復帰する。
【0020】
外力が加わることにより弾性導電部材及び弾性絶縁部材に弾性変形が生じると、その方向によっては電極間の距離が増減し、それに伴って電極間の抵抗値も増減する。即ち、弾性導電部材は、いわば電極間に接続された可変の抵抗体であると把握することもできる。従って、この抵抗値の変化に基づいて弾性導電部材及び弾性絶縁部材の変形度合いを検知することができ、さらにはそのような変形をもたらしている外力の方向・大きさを検知することができる。以上のように、本発明のセンサによれば、器具の先端に加わる圧力を確実にセンシングすることができる。
【0021】
また、本発明のセンサでは、ビーム、スリット及びストレインゲージ等を形成する必要がないので、上記した従来のセンサに比較して構成が簡単になる。よって、小型化が容易でありかつ製造の困難性も小さい。また、製造の困難性が小さくなる結果、従来のセンサに比べて安価なものとすることができる。このことはセンサの使い捨てを許容することにもつながる。
【0022】
さらに、本発明のセンサでは、生体適合性材料からなる保護層による被覆がなされることにより、各部材と生体内物質との直接的な接触が回避される。このため、仮に弾性導電部材等が生体適合性材料でなかったとしても、センサ全体としては生体に対する適合性の高いものとすることができる。なお「生体適合性がある」とは、血液、体液、リンパ液、その他の生体内物質との反応性が低いことをいう。
【0023】
請求項2,3に記載の発明によると、複数の室のうち弾性導電部材が収容されていない室には、軸線方向に沿って延びる空間ができる。従って、計測や医療行為を実施するための機器等をその空間に収容することが可能となり、センサの多機能化を図ることができる。
【0024】
請求項4に記載の発明によると、上記作用に加えて次のような作用がある。中心軸線方向(即ちZ軸方向)からの外力が加わると、弾性導電部材及び弾性絶縁部材はその外力の大きさ・方向に応じて伸長または収縮し、それに伴って電極間の抵抗値も増減する。従って、Z軸方向の外力の大きさ・方向を検知することができる。さらに、中心軸線方向に直交する方向(即ちX−Y軸方向)からの外力が加わると、弾性導電部材及び弾性絶縁部材はいずれかの方向に傾倒する。この場合、伸長部位と収縮部位とができ、かかる部位に電極が存在していればそれに伴って電極間の抵抗値が増減する。従って、一定の場合には、X−Y軸方向の外力の大きさ・方向を検知することも可能である。
【0025】
請求項5に記載の発明によると、上記の作用に加えて次のような作用がある。即ち、二対の電極が互いに直交した配置関係にあることから、X軸方向からの外力の大きさ・方向及びY軸方向からの外力の大きさ・方向の両方を確実に検知することができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によると、上記の作用に加えて次のような作用がある。即ち、電極から引き出される配線は絶縁性の樹脂片の中にあることから、弾性導電部材と直接的に接触することはない。よって、配線と弾性導電部材との間に絶縁構造を設ける必要もなく、その分だけ構成が簡単になる。
【0027】
請求項7に記載の発明によると、弾性絶縁部材とキャップとがなす室が、いわば弾性導電部材を所定形状に形成するための成形型となる。従って、その室の形状に合った弾性導電部材をあらかじめ形成しておくことが不要になる。よって、弾性導電部材を成形する工程がなくなる分だけ、製造の効率化が図られる。
【0028】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図6に基づき詳細に説明する。
【0029】
体内挿入式医療器具の一種であるこの血管拡張用カテーテル1は、体内に挿入される細いガイドチューブと、それを体外にて操作するためにガイドチューブの基端部に設けられる操作手段とによって成り立っている。前記操作手段は、例えばガイドチューブ内に挿入された複数本のワイヤと、それらを操作するワイヤ操作部とによって構成されている。また、ガイドチューブの基端部には、エアコンプレッサが設けられている。
【0030】
前記エアコンプレッサには、バルーン拡張用の送気管が接続されている。この送気管はガイドチューブ内に挿通されており、その先端側はガイドチューブの先端口から突出されている。なお、図示しない血管拡張用のバルーンは、この送気管の先端2から数センチほど基端側に戻った位置に設けられている。前記バルーンには、送気管を介して圧縮空気が供給される。すると、同バルーンが膨張することにより、狭窄した血管が拡張されるようになっている。
【0031】
図3に示されるように、この送気管の先端2には、弾性絶縁部材4、電極5a,5b,6a,6b、弾性導電部材7、複数の配線8及び保護層9を備えたセンサ3が取り付けられている。
【0032】
図1に示されるように、この弾性絶縁部材4は、塩化ビニルやナイロン等の軟らかい材質からなる複数枚の樹脂片10を放射状に配置することによって成形されたインサート成形品である。本実施形態のセンサ3では、樹脂片10の数は4枚になっている。そのため、弾性絶縁部材4をZ軸方向に対して直角に切断したときの断面は略十字状になる。また、隣接する樹脂片10同士は、中心軸線C1 を基準として互いに90°をなしている。そして、図3に示されるように、この弾性絶縁部材4は、センサ3の内部を中心軸線C1 の方向に沿って4つの室R1 に区画している。
【0033】
図1に示されるように、弾性絶縁部材4を構成する樹脂片10のうちの1枚には、金または白金からなる一対の電極5a,5bが互いに離間して配置されている。また、その樹脂片10に隣接する別の樹脂片10にも、一対の電極6a,6bが互いに離間して配置されている。前者は主としてX軸方向の外力を検知するためのX軸方向用電極5a,5bであり、後者は主としてY軸方向の外力を検知するためのY軸方向用電極6a,6bである。
【0034】
一つの対をなすX軸方向用電極5a,5bは、弾性絶縁部材4の中心軸線C1 方向に沿って並ぶように配置されている。同じく、一つの対をなすY軸方向用電極6a,6bも、弾性絶縁部材4の中心軸線C1 方向に沿って並ぶように配置されている。X軸方向用電極5a−5b間の距離とY軸方向用電極6a−6b間の距離とは、外力が加わっていない状態において等しくなるように設計されている。また、X軸方向用電極5a,5bの面とY軸方向用電極6a,6bの面とは、直交する位置関係にある。
【0035】
各電極5a,5b,6a,6bからは、それぞれ1本ずつ配線8が引き出されている。これらの配線8は樹脂片10の内部を通っており、その先端は弾性絶縁部材4の基端面から突出している。これらの突出部は、送気管の先端2の側に設けられるコネクタに嵌挿されるピンとしての役割を果たしている。なお、配線8は樹脂片10の側部外表面からは露出しておらず、各電極5a,5b,6a,6bのみがそこから露出している。送気管の先端2に設けられたコネクタのケーブルは、ガイドチューブ内を通り抜けてその基端部まで到っている。ガイドチューブの基端部まで到ったケーブルの終端は、抵抗値の測定結果を画面に表示する機能を有するコンピュータの入力側に接続されている。
【0036】
図2,図3に示されるように、前記4つの室R1 内には、それぞれ弾性導電部材7が収容されている。本実施形態では、各室R1 の断面形状と等しい断面形状のもの、即ち断面四半円状の弾性導電部材7が4つ使用されている。これらの弾性導電部材7は、弾力性を有する樹脂としてのシリコーンゴム中に、導電性物質としてのカーボン粒子を不規則的に分散させてなるもの(いわゆる感圧ゴム)である。室R1 の中に弾性導電部材7が収容された場合、各電極5a,5b,6a,6bの面は、同弾性導電部材7の側面に接触した状態となる。なお、前記弾性導電部材7は、例えば導電性接着剤等によって樹脂片10の側面に接着される。
【0037】
そして、弾性絶縁部材4、電極5a,5b,6a,6b及び配線8は、生体適合性材料からなる保護層としてのシリコーンコート層9によって全体的に被覆されている。なお、本実施形態のセンサ3は、図3に示されるように、送気管の先端2よりもひとまわり大きく、全体として円柱状を呈したものとなっている。
【0038】
ここで、本実施形態のセンサ3を製造する方法の一例を簡単に説明する。
まず、電極5a,5b,6a,6b及び配線8となる金属線材を4本用意する。これらの金属線材を十字状の成形型内にセットし、その型内に絶縁性樹脂を流し込む。以上のようなインサート成形を行うことにより、電極5a,5b,6a,6b及び配線8が埋め込まれた十字状の弾性絶縁部材4が形成される(図1参照)。次に、この弾性絶縁部材4の樹脂片10の側面に、あらかじめ形成しておいた弾性導電部材7を接着する(図2参照)。そして、弾性絶縁部材4を送気管の先端2に取り付けるとともに、センサ3を構成する各部材を完全に被覆するようにシリコーンコート層9を形成する(図3参照)。なお、取付の前にシリコーンコートを実施してもよい。
【0039】
ここで、このセンサ3の特性について説明する。
センサ3の頭部や周面が管内壁等に当接すると、同センサ3は外部から圧力を受けることになる。その際、センサ3を構成する各部材(主として弾性絶縁部材4及び弾性導電部材7)に弾性変形が生じる。また、その外力がなくなると、弾性絶縁部材4及び弾性導電部材7は元の形状に復帰する。
【0040】
X軸方向における弾性変形の度合い(Δx)とX軸方向の外力の大きさ(Fx)との関係は、下記のようになる。「X軸方向における弾性変形の度合いΔx」とは、ここでは、−X方向から+X方向へ外力が加わった場合の弾性変形に伴ってセンサ3の先端面が移動する距離と定義する。両者の関係は次の式(1)、即ち、
Fx=k・Δx …(1)
〔なお、kはセンサ3の寸法や材質等によって求まる弾性係数〕
で表される。この式(1)式は原点を通る単純増加直線となるため、FxとΔxとは正比例の関係となる。
【0041】
同様に、Y軸方向における弾性変形の度合い(Δy)とY軸方向の外力の大きさ(Fy)との関係は、下記の式(2)、即ち、
Fy=k・Δy …(2)
で表される。「Y軸方向における弾性変形の度合いΔy」とは、ここでは、−Y方向から+Y方向へ外力が加わった場合の弾性変形に伴ってセンサ3の先端面が移動する距離と定義する。
【0042】
また、Z軸方向における弾性変形の度合い(Δz)とZ軸方向の外力の大きさ(Fz)との関係は、下記の式(3)、即ち、
Fz=k・Δz …(3)
で表される。「Z軸方向における弾性変形の度合いΔz」とは、ここでは、−Z方向から+Z方向へ外力が加わった場合の弾性変形に伴ってセンサ3の先端面が移動する距離と定義する。
【0043】
従って、前記式(2),式(3)は、いずれも式(1)と同様の原点を通る単純増加直線となる。また、Fy及びΔy、Fz及びΔzは、ともに正比例の関係となる。
【0044】
続いて、前記センサ3によるセンシング方法について説明する。
センシングを行うにあたって、まずX軸方向用電極5a−5b間、及びY軸方向用電極6a−6b間には通電がなされる。弾性導電部材7には導電性のカーボン粒子が分散されているので、対をなす電極5a−5b間,電極6a−6b間にはある程度の電流が流れる。また、いずれの方向からも外力が加わっていない初期状態(図4(a) ,図5(a) ,図6(a) 参照)では、X軸方向用電極5a−5b間の抵抗値RxはRx0 となり、Y軸方向用電極6a−6b間の抵抗値RyはRy0 となる。ちなみに、本実施形態のセンサ3では、電極5a−5b間の距離と電極6a−6b間の距離とが等しいので、Rx0 =Ry0 となる。
【0045】
図4(b)には、+X方向から−X方向へ外力が加わっているときのセンサ3の変形の様子が示されている。ここで、センサ3の弾性変形の度合い(Δx)と電極5a−5b間の抵抗値(Rx)との関係は、以下のようになる。即ち、電極5a−5b間に仮想の抵抗体Rxがあるものと考えると、Δx>0のときRx>Rx0 となり、逆にΔx<0のときRx<Rx0 となる。
【0046】
+X方向から−X方向へ外力が加わっている場合、センサ3の頭部は−X方向に傾倒する(図4(b) 参照)。また、このとき特にセンサ3の周面には、伸長部位と収縮部位とができる。なお、伸長・収縮の程度は、前記先端面の移動距離に比例したものとなる。傾倒している側にあたる部位、即ち電極5a−5bが設置されている部位が収縮部位となる。よって、電極5a−5b間の距離は短くなり(即ち、電極5a−5b間にある弾性導電部材7が短くなり)、Δxは負の値になる。従って、Rxの値は減少する。逆に、この収縮部位のちょうど反対側にあたる部位が伸長部位となる。なお、伸長部位と収縮部位との中間にあたる部位、即ち電極6a−6bが設置されている部位には、ほとんど弾性変形が起こらない。よって、電極6a−6b間の距離は変化せず(即ち、電極6a−6b間にある弾性導電部材7の長さは変わらず)、Δy=0となる。従って、Ryの値は変わらない。
【0047】
すると、コンピュータは、Ryに変化がなくRxのみが増加した事実を、例えばディスプレイ画面上に表示すること等によって可視化する。この場合、オペレータは、Δx=0(即ちRx=Rx0 )となるようにカテーテル1を操作すればよい。より具体的にいうと、ワイヤ操作部を操作することによって、センサ3を−X方向に進行させればよいことになる。
【0048】
逆に、−X方向から+X方向へ外力が加わっている場合、センサ3の頭部は+X方向に傾倒する(図4(c) 参照)。この結果、電極5a−5b間の距離は長くなり、Δxは正の値になる。従って、Rxの値は増加する。なお、先端面の移動距離が大きいほど、電極5a−5b間の距離が長くなる。なお、電極6a,6bが設置されている部位にはほとんど弾性変形が起こらないため、Ryの値は変わらない。以上のことから、オペレータは、センサ3を+X方向に進行させればよいことになる。
【0049】
図5(b)には、+Y方向から−Y方向へ外力が加わっているときのセンサ3の変形の様子が示されている。ここで、センサ3の弾性変形の度合い(Δy)と電極6a−6b間の抵抗値(Ry)との関係は、以下のようになる。即ち、電極6a−6b間に仮想の抵抗体Ryがあるものと考えると、Δy>0のときRy>Ry0 となり、逆にΔy<0のときRy<Ry0 となる。
【0050】
+Y方向から−Y方向へ外力が加わっている場合、センサ3の頭部は−Y方向に傾倒する(図5(b) 参照)。また、このとき特にセンサ3の周面には、伸長部位と収縮部位とができる。なお、伸長・収縮の程度は、前記先端面の移動距離に比例したものとなる。傾倒している側にあたる部位、即ち電極6a−6bが設置されている部位が収縮部位となる。よって、電極6a−6b間の距離は短くなり(即ち、電極6a−6b間にある弾性導電部材7が短くなり)、Δyは負の値になる。従って、Ryの値は減少する。逆に、この収縮部位のちょうど反対側にあたる部位が伸長部位となる。なお、伸長部位と収縮部位との中間にあたる部位、即ち電極5a−5bが設置されている部位には、ほとんど弾性変形が起こらない。よって、電極5a−5b間の距離は変化せず(即ち、電極5a−5b間にある弾性導電部材7の長さは変わらず)、Δx=0となる。従って、Rxの値は変わらない。
【0051】
すると、コンピュータは、Rxに変化がなくRyのみが増加した事実を、例えばディスプレイ画面上に表示すること等によって可視化する。この場合、オペレータは、Δy=0(即ちRy=Ry0 )となるようにカテーテル1を操作すればよい。より具体的にいうと、ワイヤ操作部を操作することによって、センサ3を−Y方向に進行させればよいことになる。
【0052】
逆に、−Y方向から+Y方向へ外力が加わっている場合、センサ3の頭部は+Y方向に傾倒する(図5(c) 参照)。この結果、電極6a−6b間の距離は長くなり、Δyは正の値になる。従って、Ryの値は増加する。なお、先端面の移動距離が大きいほど、電極6a−6b間の距離が長くなる。なお、電極5a,5bが設置されている部位にはほとんど弾性変形が起こらないため、Rxの値は変わらない。以上のことから、オペレータは、センサ3を+Y方向に進行させればよいことになる。
【0053】
図6(b)には、−Z方向から+Z方向へ外力が加わっているときのセンサ3の変形の様子が示されている。ここで、センサ3の弾性変形の度合い(Δz)と電極5a−5b間の抵抗値(Rx)との関係は、Δz>0のときRx>Rx0 となり、逆にΔz<0のときRx<Rx0 となる。また、Δzと電極6a−6b間の抵抗値(Ry)との関係は、Δz>0のときRy>Ry0 となり、逆にΔz<0のときRy<Ry0 となる。
【0054】
−Z方向から+Z方向へ外力が加わっている場合、センサ3はZ軸方向に沿って全体的に収縮することになる。なお、このときの収縮程度は、先端面の移動距離に比例したものとなる。その結果、電極5a−5b間の距離、電極6a−6b間の距離はいずれも短くなる(図5(b) 参照)。よって、Δx,Δyは負の値になり、Rx,Ryの値はともに減少する。
【0055】
すると、コンピュータは、Rx,Ryが共に減少したという事実を、例えばディスプレイ画面上に表示することにより可視化する。この場合、オペレータは、Δx=0かつΔy=0となるようにカテーテル1を操作すればよい。より具体的にいうと、センサ3を進行させる力を弱めればよいことになる。
【0056】
逆に、+Z方向から−Z方向へ外力が加わっている場合、センサ3はZ軸方向に沿って全体的に伸長することになる(図6(c) 参照)。この結果、電極5a−5b間の距離、電極6a−6b間の距離はともに長くなり、Δx,Δyは正の値になる。従って、Rx,Ryの値はともに増加する。
【0057】
以下、本実施形態において特徴的な作用効果について列挙する。
(イ)本実施形態によると、外力が加わることにより弾性導電部材7及び弾性絶縁部材4に弾性変形が生じることから、電極5a−5b間、6a−6間の距離(それらの間にある弾性導電部材7の長さ)が増減する。すると、それに伴って電極5a−5b間、6a−6b間の抵抗値Rx,Ryも増減する。従って、この抵抗値Rx,Ryの変化に基づいて、弾性導電部材7及び弾性絶縁部材4の変形度合いΔx,Δy,Δzを検知することができる。さらには、そのような変形をもたらしている外力の方向・大きさを検知することができる。以上のように、このセンサ3によれば、血管拡張用カテーテル1の先端に加わる圧力を確実にセンシングすることができる。よって、オペレータは、その先端を進行させるべき方向の決定を間違いなく行うことができる。ゆえに、所望の部位とは違う部位にセンサ3を誘導してしまうというような操作ミスの発生率が極めて少なくなる。
【0058】
(ロ)本実施形態の構成であると、ビーム、スリット及びストレインゲージ等を形成する必要がない。よって、従来のセンサに比較して構成が簡単になる。このため、小型化が容易でありかつ製造の困難性も小さい。また、製造の困難性が小さくなる結果、従来のセンサに比べて安価なものとすることができる。このことはセンサ3の使い捨てを許容することにもつながる。
【0059】
(ハ)さらに、本実施形態のセンサ3では、弾性絶縁部材4、電極5a,5b,6a,6b及び弾性導電部材7が、生体適合性材料からなるシリコーンコート層9によって被覆されている。従って、これら各部材と生体内物質(例えば血液等)との直接的な接触が回避される。よって、血栓等の発生を未然に防止することができ、生体に対する適合性の高いセンサ3とすることができる。なお、シリコーンコートを施した場合、それによって被覆される各部材の材料選択の余地もおのずと広くなるという利点がある。さらに、シリコーンコートの別の利点は、薄く形成できるためセンサ3の小径化を妨げないことである。
【0060】
(ニ)このセンサ3では、シリコーンコート層9以外の各部材、即ち弾性絶縁部材4、電極5a,5b,6a,6b及び弾性導電部材7も同じく生体適合性材料になっている。以上のこともセンサ3の生体適合性の向上に貢献している。
【0061】
(ホ)本実施形態では、二対の電極5a−5b,6a−6bが互いに直交した配置関係にあり、さらに一対をなすもの同士は中心軸線C1 の方向に沿って並んでいる。このため、X軸、Y軸及びZ軸という3つの方向の外力の大きさ・方向の両方を確実に検知することができる。
【0062】
(ヘ)本実施形態によると、電極5a,5b,6a,6bから引き出される配線8は絶縁性の樹脂片10の中にあることから、弾性導電部材7と直接的に接触することはない。よって、配線8と弾性導電部材7との間に絶縁構造を設ける必要もなく、その分だけ構成が簡単になる。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態における血管拡張用カテーテル1用のセンサ21及びその製造方法を図7〜図9に基づいて説明する。なお、ここでは実施形態1との相違点を中心に説明を行い、共通点についてはその説明を省略する代わりに同一の部材番号を付す。
【0063】
本実施形態のセンサ21は、実施形態1において説明したセンサ3と同様に、弾性絶縁部材4、電極5a,5b,6a,6b、弾性導電部材7及び配線8を備えている。ただし、このセンサ21では、シリコーンコート層9に代わる保護層として、シリコーンゴム製のキャップ22が使用されている。図7に示されるこのキャップ22は、弾力性を有する有底筒状の樹脂部材であり、弾性絶縁部材4を全体的に包囲できる程度の大きさを有している。そして、各弾性導電部材7は、このキャップ22と弾性絶縁部材4とがなす室R1 内に収容されている。
【0064】
次に、このセンサ21を製造する手順を説明する。
まず、インサート成形によって、電極5a,5b,6a,6b及び配線8が埋め込まれた十字状の弾性絶縁部材4をあらかじめ形成しておく。次に、キャップ22の底部22aが弾性絶縁部材4の先端面側になるように、同キャップ22を弾性絶縁部材4に嵌着する(図7参照)。このときキャップ22の内側には、四半円状の室R1 が4つ形成される。さらに、キャップ22の開口部22b側を上に向けて配置するとともに、各室R1 内へ弾性導電部材7を形成するための流動状材料をシリンジ23等を用いて充填する(図8参照)。ここで流動状材料とは、例えばシリコーンゴム中に導電性物質としてのカーボン粒子を分散させてなるものをいう。充填の完了の後、乾燥等を行うことによって前記材料を非流動化させる。以上の結果、室R1 内に弾性導電部材7が収容された状態となり、センサ21が完成する。このようにして完成したセンサ21は、図9に示されるように送気管の先端2に取り付けられる。
【0065】
上述した実施形態2のセンサ21であっても、その基本的な構成は実施形態1のセンサ3のそれと変わることがないため、実施形態1と同様の作用効果(即ち上記イ〜ヘ)を奏することはいうまでもない。それに加えて、本実施形態では、キャップ22の内側に形成される室R1 が、いわば弾性導電部材7を四半円形状に形成するための成形型となる。従って、実施形態1のときとは異なり、その室R1 の形状に合った弾性導電部材7をあらかじめ形成しておくことが不要になる。よって、四半円形状の弾性導電部材7を成形する工程がなくなる分だけ、センサ21の製造の効率化を図ることができる。また、このようなキャップ22は肉厚化が比較的容易であるので、内部にある各部材の保護をより確実なものとすることができる。
【0066】
なお、本発明は上記の実施形態のみに限定されることはなく、例えば次のように変更することが可能である。
(1)図10(a)〜図10(c)に示される別例1のセンサ31の構成について説明する。このセンサ31では弾性絶縁部材32の形状が異なっている。この弾性絶縁部材32は、8枚の樹脂片10を放射状に配置してなるものであり、いわば断面略「米」字状になっている(図10(c) 参照)。従って、センサ31の内部には、円を八等分した形状の室R1 が8つ区画される。これらの室R1 のうちの4つには、室R1 と同じ断面形状をした弾性導電部材35が1つおき収容されている。残りの4つの室R1 には、弾性導電部材35の代わりにセンサ屈曲用バルーン33が収容されている。これらのバルーン33には、それぞれ専用の送気管34が接続されている。そのため、特定の送気管34へのエアの供給によりバルーン33が膨張し、それに伴う弾性変形によってセンサ31が屈曲するようになっている(図10(b) 参照)。このようなバルーン33を4箇所に備えたていることから、前記センサ31を取り付けたカテーテルは好適な能動カテーテルとなる。勿論、このようなバルーン33は血管拡張用としても使用されることが可能である。なお、バルーン33のような流体圧を利用したアクチュエータに代え、例えば熱膨張性樹脂や形状記憶合金等からなるアクチュエータを選択することもできる。
【0067】
(2)図11に示される別例2のセンサ41の弾性絶縁部材42は、板状であってそれら4つがそれぞれ独立している。従って、弾性導電部材43は複雑な形状となっている。
【0068】
(3)図12に示される別例3のセンサ51では、貫通孔53aを有する筒部53の外周面から4枚の樹脂片10を突出させてなる弾性絶縁部材52が使用されている。従って、弾性導電部材55の形状は、いわば断面略「瓦」状になっている。中心に貫通孔53aを有するこのセンサ51は、光を遮らないという利点を持つため、例えば内視鏡等のセンサ51として好適なものとなっている。
【0069】
(4)図13に示される別例4のセンサ61において使用される弾性絶縁部材62は、90°をなすように配置された二枚の樹脂片63からなり、断面略L字状を呈している。なお、このセンサ61では、形状の異なる弾性導電部材64,65がそれぞれ1つずつ使用されている。
【0070】
(5)図14に示される別例5のセンサ71では、実施形態1の弾性絶縁部材4が使用されており、それに対して肉薄の弾性導電部材72が接着されている。従って、弾性導電部材72が収容されている室R1 においても空間ができる。このような空間があると、そこに前記のセンサ屈曲用バルーン33などを収容することが可能となり、多機能化に好都合となる。
【0071】
(6)図15に示される別例6のセンサ81において使用される弾性絶縁部材82は、貫通孔82aを有する単なる円筒状の樹脂部材となっている。そして、電極5a,5b,6a,6bは、この弾性絶縁部材82の外周面から露出するように設置される。この場合、弾性導電部材83も円筒状となる。
【0072】
(7)シリコーンゴム中に分散されるカーボン粒子に代えて、例えば金や銅などの金属粒子を分散させてもよい。また、シリコーンゴム以外の生体適合性樹脂を使用してもよい。
【0073】
(8)実施形態のセンサ3において、4つある弾性導電部材7のうちセンシングに関与してないものについては、省略することが許容される。この場合、省略により形成される空間に、例えば上記のセンサ屈曲用バルーン33等のアクチュエータや、計測用機器(例えば血圧測定用の圧力センサ等)、医療行為実施用機器(例えば鉗子やレーザーメスの照射部等)等を収容することができる。勿論、上記のいくつかの別例についても同様である。
【0074】
(9)実施形態2において説明した製造方法に従って別例1,3,5のセンサ31,51,71を製造することも可能である。
(10)本発明のセンサ3,21,31…81の使用は、血管や大腸、小腸、十二指腸、その他の消化管に加えて、尿道、輸卵管、胆管、膣、リンパ管、耳道、鼻孔、食道、気管支などに挿入される各種医療器具においても有効である。また、本発明のセンサ3,21,31…81は、カテーテル1や内視鏡のような外部操作式の医療器具のみならず、マイクロマシン技術を応用した自走式の医療器具の先端に取り付られてもよい。勿論、医療器具は人間用に限定されず動物用であってもよい。
【0075】
ここで、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
【0076】
(1) 前記生体適合性材料からなる保護層は、シリコーンゴム製のキャップである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。この構成であると、効率のよいセンサの製造方法を実施することができるとともに、内部にある各部材の保護をより確実なものとすることができる。
【0077】
(2) 前記弾性導電部材はシリコーンゴムにカーボン粒子を分散させてなるものであり、かつ前記電極は金または白金からなる電極である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。この構成であると、より生体適合性の高いものとすることができる。
【0078】
3) 請求項2乃至6のいずれか1項に記載のセンサにおいて、前記複数の室のうちの1つまたはいくつかに前記弾性導電部材を収容し、それ以外の室に計測用機器、医療行為実施用機器及びセンサ屈曲用機器から選択される少なくともいずれか1つを収容した体内挿入式医療器具用の多機能センサ。この構成であると、センサ部分において複数の行為を行うことができる。
なお、本明細書中において使用した技術用語を次のように定義する。
【0079】
「ガイドチューブ: 体内挿入式医療器具を構成する部材であって、体内に挿入される長尺状かつフレキシブルなチューブをいう。」
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜6に記載の発明によれば、器具の先端に加わる圧力を確実にセンシングすることができるばかりでなく、構造が簡単であって小型かつ安価な体内挿入式医療器具用のセンサを提供することができる。しかも、生体に対する適合性の高いものとすることができる。
【0081】
請求項2,3に記載の発明によれば、計測や医療行為を実施するための機器等をその室内に収容することにより、センサの多機能化を図ることができる。請求項5に記載の発明によれば、X軸、Y軸及びZ軸の各方向の外力の大きさ・方向を確実に検知することができる。請求項6に記載の発明によれば、弾性導電部材との間の絶縁構造が不要になり、その分だけ構成を簡単にすることができる。
【0082】
請求項7に記載の発明によれば、上記のような優れたセンサを効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における血管拡張用カテーテル用のセンサの弾性絶縁部材を示す概略斜視図。
【図2】前記弾性絶縁部材に弾性導電部材を接着した状態を示す概略斜視図。
【図3】完成したセンサを示す部分破断概略斜視図。
【図4】(a)は外力が加わっていないとき、(b)は+X方向から外力が加わっているとき、(c)は−X方向から外力が加わっているときの弾性変形の様子を示す概略図。
【図5】(a)は外力が加わっていないとき、(b)は+Y方向から外力が加わっているとき、(c)は−Y方向から外力が加わっているときの弾性変形の様子を示す概略図。
【図6】(a)は外力が加わっていないとき、(b)は−Z方向から外力が加わっているとき、(c)は+Z方向から外力が加わっているときの弾性変形の様子を示す概略図。
【図7】第2の実施形態のセンサの弾性絶縁部材及びキャップを示す概略分解斜視図。
【図8】同じく弾性導電部材を形成するための樹脂を充填する様子を示す概略斜視図。
【図9】同じく完成したセンサの概略斜視図。
【図10】(a)は別例1のセンサの通常の状態を示す概略斜視図、(b)は同センサにエアが供給されたときの状態を示す概略斜視図、(c)は同センサの断面図。
【図11】別例2のセンサを示す概略斜視図。
【図12】別例3のセンサを示す概略斜視図。
【図13】別例4のセンサを示す概略斜視図。
【図14】別例5のセンサを示す概略斜視図。
【図15】別例6のセンサを示す部分破断概略斜視図。
【符号の説明】
1…体内挿入式医療器具としての血管拡張用カテーテル、3,21,31,41,51,61,71,81…体内挿入式医療器具用のセンサ、4,32,42,52,62,82…弾性絶縁部材、5a,5b,6a,6b…電極、7,35,43,55,64,65,72,83…弾性導電部材、8…配線、9…保護層としてのシリコーンコート層、10…樹脂片、22…保護層としてのシリコーンゴム製のキャップ、C1 …中心軸線、R1 …室。

Claims (7)

  1. 体内挿入式医療器具(1)の先端に取り付けられるとともに、その位置においてセンシングを行うセンサ(3,21,31,41,51,61,71,81)であって、
    弾力性を有する樹脂中に導電性物質を分散させてなる弾性導電部材(7,35,43,55,64,65,72,83)と、その弾性導電部材(7,35,43,55,64,65,72,83)に接触されるとともに互いに離間して配置される対をなす電極(5a,5b,6a,6b)と、前記対をなす電極(5a,5b,6a,6b)が設置される弾性絶縁部材(4,32,42,52,62,82)と、生体適合性材料からなり前記各部材を被覆する保護層(9)とを備え、
    前記弾性導電部材及び前記弾性絶縁部材は、センサ内部の中心軸線方向及びその中心軸線と交差する方向から前記保護層に加わる外力によって変形を生じるべく、該中心軸線と直交する方向に並列に配置され、
    前記対をなす電極は、前記弾性絶縁部材においてそれぞれ前記中心軸線方向に沿って設置され、
    前記保護層に加わる外力により生じる前記弾性導電部材及び前記弾性絶縁部材の変形に伴う前記電極(5a,5b,6a,6b)間の抵抗値(Rx,Ry)の変化に基づいて前記弾性導電部材(7,35,43,55,64,65,72,83)及び前記弾性絶縁部材(4,32,42,52,62,82)の変形度合い(Δx,Δy,Δz)が検知されるように構成された体内挿入式医療器具用のセンサ。
  2. 前記弾性絶縁部材(4,32,52,62,82)は、センサ内部を中心軸線(C1 )方向に沿って複数の室(R1 )に区画しており、前記弾性導電部材(7,35,55,64,65,72,83)は前記室(R1 )のうちの少なくとも1つの中に収容されている請求項1に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  3. 前記弾性絶縁部材(4)は、複数枚の樹脂片(10)を放射状に配置してなるものである請求項1または2に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  4. 前記複数の電極(5a,5b,6a,6b)のうち一つの対をなすもの同士(5a−5b,6a−6b)は、同じ樹脂片(10)において中心軸線(C1 )方向に沿って並ぶように配置されている請求項3に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  5. 複数枚の樹脂片(10)のうちの少なくとも2枚は中心軸線(C1 )を基準として互いに90°をなし、前記複数の電極(5a,5b,6a,6b)はそれらの樹脂片(10)に一対づつ設置されている請求項3に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  6. 前記弾性絶縁部材(4,52,62,72)はインサート成形品であって、前記電極(5a,5b,6a,6b)から引き出される配線(8)は前記樹脂片(10)の側部外表面から露出しておらず、同電極(5a,5b,6a,6b)のみが前記樹脂片(10)の外表面から露出している請求項3乃至5のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具(1)用のセンサ(21)を製造する方法であって、
    あらかじめ前記電極(5a,5b,6a,6b)が設置されている前記弾性絶縁部材(4)に後に前記保護層となるシリコーンゴム製のキャップ(22)を嵌着した後、同弾性絶縁部材(4)と同キャップ(22)とがなす室(R1 )内へ前記弾性導電部材(7)を形成するための流動状材料を充填しかつ同材料を非流動化させることを特徴とした体内挿入式医療器具用のセンサの製造方法。
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