JP3710861B2 - 体内挿入式医療器具用のセンサ及びそれを用いたセンシング方法 - Google Patents

体内挿入式医療器具用のセンサ及びそれを用いたセンシング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内挿入式医療器具用のセンサ及びそれを用いたセンシング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人体内にある各種の管の中に挿入されそこで治療行為等を行う医療器具として、例えば内視鏡やカテーテル等が従来より知られている。この種の器具は、通常、体内に挿入される細いガイドチューブと、そのガイドチューブを体外にて操作するためにガイドチューブの基端部に設けられた操作手段とによって成り立っている。また、同ガイドチューブの中には、それぞれの医療器具において必要な機構、例えば医療用カテーテルでは投薬管やバルーン拡張用の送気管など、内視鏡では送光手段としての光ファイバなどが収容されている。
【0003】
図14には、従来における内視鏡51の先端部分の構造が例示されている。図示しないガイドチューブの先端口からは、光ファイバ52が突出している。この光ファイバ52の先端面には、円柱状ないし円板状をしたガラス製のレンズ53が取り付けられている。このため、レンズ53の先にある物体が撮像されると、その像は光ファイバ52を介して伝送されるようになっている。
【0004】
上記の内視鏡51を使用するオペレータは、操作手段によってガイドチューブの先端を操作しながらガイドチューブを押し進め、その先端にあるレンズ53を目的の箇所まで確実に到達させる必要がある。しかし、体内にある管は必ずしも直線状ではなく、部分的に屈曲していたり分岐していることが少なくない。それゆえ、熟練度の低いオペレータは、所望の部位でない部位に先端を誘導してしまう場合がある。
【0005】
その一方、熟練度の高いオペレータは、ガイドチューブの挿入抵抗の増加を自分の手の感覚によって認識することにより屈曲部の存在等を予測し、それに応じて進行方向を決定する。ところが、熟練度の高いオペレータといえども操作を勘に頼っていることから、常に目的の箇所に誘導できるとは限らない。
【0006】
上記のような問題を解消するための方策としては、例えばガイドチューブの先端に何らかのセンサを設け、管内壁との接触によって受ける圧力の大きさ・方向をそのセンサで測定すればよいと考えられる。また、かかる発想を具体化した例としては、特開平6−190050号公報に開示された技術がある。
【0007】
この公報の医療器具においては、ガイドチューブの先端に触覚センサが取り付けられている。この触覚センサは、圧力を検出するためのストレインゲージを軟質チューブの先端縁近傍に配設することによって構成されている。より詳細にいうと、前記軟質チューブの先端縁に複数のビームとスリットとが形成され、主として同ビームの部分にストレインゲージが配設されている。従って、管内壁にセンサが接触すると、外力によってビームが弾性変形する。このとき、ストレインゲージがビームの歪みを電気インピーダンスに変換して外部に出力する。その結果、ガイドチューブの先端が受ける圧力の大きさ・方向が検知され、オペレータが操作する際における進行方向決定の際の便宜が図られるようになっている。
【0008】
また、このような触覚センサの代わりに、圧力検知部としてのダイヤフラムを有する半導体式圧力センサ等を設けることも従来より提案されている。なお、この種のセンサは全体の小型化に向いているという利点を持つ。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の体内挿入式医療器具用のセンサには、以下のような問題がある。
【0010】
i)ストレインゲージを利用した触覚センサの場合、センサの先端縁に微細なビーム、スリット及びストレインゲージを形成する必要があるため、どうしても構成が複雑になりかつその製造も困難になる。また、このような構成であると、センサの小型化が妨げられるおそれもある。
【0011】
ii) 近年、体内挿入式医療器具(正確には被挿入部分であるガイドチューブやセンサ等)は、AIDS等のようなウィルスの二次感染を防止すべく、使い捨てにされることが常識化しつつある。従って、それに使用されるセンサは安価なものであることが好ましい。しかし、半導体式圧力センサは現状において高価であるため、この条件を満たしているとはいえない。また、ストレインゲージを利用した触覚センサは電気的構成を必要とすることから、ある程度高価なものとなってしまうことは避けられない。ゆえに、同センサも前記条件を満たしているとは言いがたい。
【0012】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主目的は、器具の先端に加わる圧力を確実にセンシングすることができるばかりでなく、構造が簡単であって小型かつ安価な体内挿入式医療器具用のセンサを提供することにある。
【0013】
また、本発明の別の目的は、生体に対する適合性の高い体内挿入式医療器具用のセンサを提供することにある。
さらに、本発明のさらなる別の目的は、外力を正確にセンシングすることができるため、器具の先端を進行させるべき方向の決定を間違いなく行うことができる前記センサによるセンシング方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、光ファイバを有する体内挿入式医療器具の先端に取り付けられ、その位置においてセンシングを行うセンサであって、前記センサは弾力性及び透光性を有する樹脂部材であり、その樹脂部材にはセンシング用マークが付されていることを特徴とした体内挿入式医療器具用のセンサをその要旨とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記センシング用マークは、前記樹脂部材の端面中心部に付されている中心指示記号と、その中心指示記号の周囲に付されている方向指示記号とからなるとした。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記樹脂部材は中途において括れているとした。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記樹脂部材を構成する樹脂はHEMAであるとした。
【0017】
請求項5に記載の発明は、光ファイバを有する体内挿入式医療器具の先端に取り付けられ、その位置においてセンシングを行うセンサであって、前記センサは弾力性及び透光性を有する樹脂部材であり、その樹脂部材は色分けされていることを特徴とした体内挿入式医療器具用のセンサをその要旨とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具用のセンサを用い、前記器具の先端に対してその中心軸線方向に直交する方向から加わる圧力をセンシングする方法であって、前記センシング用マークの変位方向に基づいて前記圧力の方向を検知するとともに、同マークの変位量に基づいて前記圧力の大きさを検知することを特徴としたセンシング方法をその要旨とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具用のセンサを用い、前記器具に対してその中心軸線方向から加わる圧力をセンシングする方法であって、前記センシング用マークの焦点距離変化の度合いに基づいて前記圧力の大きさを検知することを特徴としたセンシング方法をその要旨とした。
【0020】
以下、本発明の「作用」を説明する。
請求項1に記載の発明によると、体内挿入式医療器具の基端側から光ファイバを介して送られてきた光は、先端に取り付けられた樹脂部材を通過した後、被撮像体である管内壁やその他の物体に到る。そして、これらの被撮像体に到った光はそこで反射された後、再び前記樹脂部材に入射する。この後、前記反射光は、光ファイバを反対方向に進んでやがてその基端部に到る。すると、体内にある被撮像体の像が、例えば光ファイバの基端部に接続されたモニター画面等に映し出される。その結果、オペレータは、画面を通じて人体内部の様子を視覚的に把握することができる。この場合、本発明の樹脂部材は透光性を有することから、光を遮断することがない。よって、前記樹脂部材は、例えば内視鏡において使用される場合においてもレンズとしての機能を保持する。
【0021】
そして、反射光の到達によって被写体の像が映し出される際、樹脂部材に付されているセンシング用マークも、このとき同様に前記モニター画面等に投影される。
【0022】
本発明の樹脂部材は弾力性を有するものであるため、樹脂部材と生体の管内壁等との接触による圧力を受けると弾性変形し、その圧力がなくなると再び元の形状に復帰する。また、樹脂部材に外力が加わっている場合、センシング用マークの投影状態は、外力が加わっていない場合のそれとは異なるものとなる。例えば、中心軸線方向に直交する方向(即ちX−Y軸方向)から外力が加わっている場合、その方向及び大きさに応じてセンシング用マークが所定方向に所定量だけ変位する。従って、変位方向及び変位量に基づいて、そのときに加わっているX,Y軸方向の圧力の方向・大きさを検知することができる。また、中心軸線方向(即ちZ軸方向)から外力が加わっている場合、その大きさに応じてセンシング用マークの焦点距離が変化する。つまり、外力が加わっていない状態において焦点が合っていれば、外力が加わることによって焦点がぼけることになる。従って、焦点距離変化の度合いに基づいて、そのときに加わっているZ軸方向の圧力の大きさを検知することができる。以上のように、本発明のセンサによれば、器具の先端に加わる圧力を確実にセンシングすることができる。
【0023】
また、本発明のセンサは、電気的にセンシングを行うのでなく光学的にセンシングを行うものであるため、センサ部分に電気的な構造を設ける必要がないという利点がある。しかも、使用する材料も一種類のみで足りる。よって、従来のセンサに比べて安価なものとすることができる。このことはセンサの使い捨てを許容することにもつながる。さらに、このセンサでは、ストレインゲージを利用した触覚センサとは異なり、先端縁に微細な構造を形成する必要がない。従って、構成の簡略化、製造の容易化及び小型化を図ることができる。
【0024】
なお、請求項5に記載の発明のように、センシング用マークを付す代わりに色分けを施すことととしても、上述したのと同様の作用が基本的に得られる。
請求項2に記載の発明によると、樹脂部材に外力が加わっていない場合、その端面中心部に付されている中心指示記号は、画面の中心に投影されることになる。X−Y軸方向から外力が加わった場合、その中心指示記号は、画面の中心から画面の隅へと変位する。このような構成であると、中心からの変位量をもって外力の大きさをより容易にかつ正確に認識することができる。
【0025】
また、中心指示記号の周囲には方向指示記号が付されているため、それがない場合に比べて、外力の加わる方向をより容易にかつ正確に認識することができる。
【0026】
請求項3に記載の発明によると、樹脂部材の中途が括れているため、外力が加わったときにその括れ部分に特に弾性変形が生じやすい。従って、大きさの等しい外力が加わった場合における前記センシング用マークの変位量は、括れのある樹脂部材のほうが括れのないものよりも確実に大きくなる。ゆえに、感度に優れたセンサを実現することができる。
【0027】
請求項4に記載の発明によると、ソフトコンタクトレンズ用材料として知られているHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)は、生体における物質との反応性が低い。その例を挙げると、血液との反応性が低いため血栓を誘発させにくい。よって、生体に対する適合性が高いセンサを実現することができる。しかも、HEMAは、好適な弾力性及び透光性を有しており、その点においてもセンサ用材料として好ましい。また、HEMAはガラス等のような材料に比べて軟質であるため、生体内の管内壁等に損傷を与える可能性が少ない。
【0028】
請求項6に記載の発明によると、上述した前記センサの作用により、X−Y軸方向から加わる圧力の方向・大きさを正確にセンシングすることができる。よって、器具を操作するオペレータは、その先端を進行させるべき方向の決定を間違いなく行うことができる。
【0029】
請求項7に記載の発明によると、上述した前記センサの作用により、Z軸方向から加わる圧力の大きさを正確にセンシングすることができる。よって、器具を操作するオペレータは、その先端を進行させるべき方向の決定を間違いなく行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を内視鏡用のセンサに具体化した一実施の形態を図1〜図6に基づき詳細に説明する。
【0031】
体内挿入式医療器具の一種であるこの内視鏡1は、体内に挿入される細いガイドチューブと、それを体外にて操作するためにガイドチューブの基端部に設けられる操作手段とによって成り立っている。前記操作手段は、例えばガイドチューブ内に挿入された複数本のワイヤと、それらを操作するワイヤ操作部とによって構成されている。また、体外にあるガイドチューブの基端部には、この他にも光源やモニター等が設けられている。なお、光源としては、白色光に加えてレーザー光などが使用される場合もある。
【0032】
前記光源には光ファイバ2の基端側が接続されている。この光ファイバ2はガイドチューブ内に挿通されており、その先端側はガイドチューブの先端口から突出されている。図1(b)に示されるように、この光ファイバ2の中心部には水晶からなる1本のイメージファイバ2aが配置されており、その周囲にはプラスティックからなる複数本かつ小径のライトガイドファイバ2bが配置されている。
【0033】
図1に示されるように、この光ファイバ2の先端面には、内視鏡1用のセンサ3が取り付けられている。本実施形態において使用されるセンサ3は、弾力性及び透光性を有する樹脂部材4である必要がある。ここでは、具体的には前記樹脂部材4を構成する樹脂として、ソフトコンタクトレンズ用の樹脂材料であるHEMAが選択されている。この樹脂部材4は、頭部4aと底部4bとの中途において曲線的に括れており、いわば砂時計に似た形をしている。また、樹脂部材4において括れ部5ではない部分の外径は、光ファイバ2の外径と同程度になっている。本実施形態では、樹脂部材4の最大径は0.75mmになっている。
【0034】
樹脂部材4の基端面は、フラットかつ円形状であって、図示しない接着剤を介して光ファイバ2の先端面に接着されている。同じくフラットかつ円形状をした樹脂部材4の先端面中心部は、センシング用マークとしての十字状をした中心指示記号6が付されている。この中心指示記号6は、例えば黒色のインクを同面に印刷すること等によって形成される。なお、この中心指示記号6はモニター7の画面に映し出されるとともに、外力に応じてその投影位置が変わるようになっている。
【0035】
樹脂部材4と管内壁8等とが接触した場合、同樹脂部材4は外部から圧力を受けることになる。その際、樹脂部材4には弾性変形が生じる。また、その外力がなくなると、樹脂部材4は再び元の形状に復帰する。
【0036】
図6のグラフには、X軸方向の外力の大きさ(Fx)と中心指示記号6の変位量(Δx)との関係が示されている。同グラフにおいて、縦軸はFxであり、横軸はΔxである。両者の関係は次の式で表される。
【0037】
Fx=k・Δx 〔k:f(L,r,m)〕
ここで、kは弾性係数であって、L(センサ3の長さ),r(センサ3の括れ部5の半径),m(センサ3の材質)の関数である。従って、前式は原点を通る単純増加直線となる。つまり、中心指示記号6の変位量Δxは、外力の大きさ(Fx)に正比例するということになる。なお、グラフの掲載は省略するが、Y軸方向及びZ軸方向についても基本的には同様の関係が成り立つ。
【0038】
内視鏡1の基端側から光ファイバ2を介して送られてきた光L1 は、樹脂部材4を基端面から先端面へ通り抜けた後、被撮像体である管内壁8やその他の物体(血栓のように管内にある異物等)に到る。そして、これらの被撮像体に到った光L1 はそこで反射された後、再び樹脂部材4の先端面に入射する。この後、前記反射光L1 は、光ファイバ2を反対方向に進んでやがてその基端部に到る。すると、体内にある被撮像体の像がモニター7の画面等に映し出される。その結果、オペレータは、モニター7の画面を通じて人体内部の様子を視覚的に把握することができる。そして、樹脂部材4に付されている中心指示記号6も、このとき同様にモニター7の画面等に投影される。
【0039】
次に、上記のセンサ3によるセンシング方法について説明する。
図1(a),図2(a)は外力が加わっていないときのセンサ3を示す概略斜視図であり図2(b)はそのときのモニター7の画面を示す概略図である。図3(a)はX軸方向から外力が加わっているときのセンサ3を示す概略斜視図であり、図3(b)はそのときのモニター7の画面を示す概略図である。図4(a)はY軸方向から外力が加わっているときのセンサ3を示す概略斜視図であり、図4(b)はそのときのモニター7の画面を示す概略図である。図5(a)はZ軸方向から外力が加わっているときのセンサ3を示す概略斜視図であり、図5(b)はそのときのモニター7の画面を示す概略図である。なお、各モニター7の画面中に実際に映し出されている被撮像物の像は、説明の便宜上、省略されている。
【0040】
外力が加わっていない初期の状態においては、センサ3に弾性変形は生じていない。このとき、中心指示記号6は、円形状をしたモニター7の画面のちょうど中心の位置に投影される。また、中心指示記号6の焦点も合っている(図2(b) 参照)。
【0041】
+X方向から外力が加わると、主として括れ部5に生じる弾性変形によって、センサ3の頭部4aが−X方向に傾倒する(図3(a) 参照)。このとき、モニター7の画面を観ると、中心にあった中心指示記号6が、モニター7の−X方向へ所定量だけ変位する(図3(b) 参照)。従って、オペレータは、そのときに加わっているX軸方向の外力の方向・大きさを、中心指示記号6の変位方向及び変位量から視覚的に認識することができる。この場合、オペレータは、中心指示記号6が画面の中心に戻るように内視鏡1を操作すればよい。より詳しくいうと、ワイヤ操作部を操作することによって、センサ3を−X方向に進行させればよいことになる。
【0042】
+Y方向から外力が加わると、主として括れ部5に生じる弾性変形によって、センサ3の頭部4aが−Y方向に傾倒する(図4(a) 参照)。このとき、モニター7の画面を観ると、中心にあった中心指示記号6が、モニター7の−Y方向へ所定量だけ変位する(図4(b) 参照)。従って、オペレータは、そのときに加わっているY軸方向の外力の方向・大きさを、中心指示記号6の変位方向及び変位量から視覚的に認識することができる。この場合、オペレータは、中心指示記号6が画面の中心に戻るように内視鏡1を操作すればよい。より詳しくいうと、ワイヤ操作部を操作することによって、センサ3を−Y方向に進行させればよいことになる。
【0043】
+Z方向から外力が加わると、弾性変形によってセンサ3全体がZ軸方向に沿って収縮する(図5(a) 参照)。このとき、モニター7の画面を観ると、中心指示記号6は中心から変位しないものの、焦点距離の変化によって幾分ぼけた状態となる(図5(b) 参照)。従って、オペレータは、そのときに加わっているZ軸方向の外力の大きさを、中心指示記号6の焦点距離の変化の度合い(即ち、ぼやけの度合い)から視覚的に認識することができる。この場合、オペレータは、中心指示記号6がぼやけていない元の状態となるように内視鏡1を操作すればよい。より詳しくいうと、センサ3を進行させる力を弱めればよいことになる。
【0044】
以下、本実施形態において特徴的な作用効果を列挙する。
(イ)本実施形態のセンサ3を構成する樹脂部材4は、好適な弾力性を有する。そのため、この樹脂部材4は外力を受けると弾性変形し、外力がなくなると再び元の形状に復帰する。そして、X−Y軸方向の外力の方向及び大きさは、画面上での中心指示記号6の変位方向及び変位量に基づいて検知される。また、Z軸方向の外力の大きさは、画面上での中心指示記号6の焦点距離変化の度合いに基づいて検知される。以上のように、本実施形態によれば、センサ3に加わる外力を確実にしかも正確にセンシングすることができる。よって、オペレータは、その先端を進行させるべき方向の決定を間違いなく行うことができる。ゆえに、所望の部位でない部位に先端を誘導してしまうといった操作ミスの発生率が極めて少なくなる。
【0045】
(ロ)本実施形態のセンサ3を構成する樹脂部材4は、好適な透光性を有するため、光を遮断することがない。よって、この樹脂部材4であると、内視鏡1において必要とされるレンズとしての機能も保持される。
【0046】
(ハ)本実施形態のセンサ3は、電気的にセンシングを行うのでなく光学的にセンシングを行うものであるため、センサ3部分に電気的な構造を設ける必要がないという利点がある。しかも、使用する材料も一種類のみで足りる。よって、従来のセンサ3に比べて安価なものとすることができる。このことはセンサ3の使い捨てを許容することにもつながる。さらに、このセンサ3では、ストレインゲージを利用した触覚センサとは異なり、先端縁に微細な構造を形成する必要がない。従って、構成の簡略化、製造の容易化及び小型化を図ることができる。
【0047】
(ニ)本実施形態によると、樹脂部材4に外力が加わっていない場合、センシング用マークとしての中心指示記号6は、画面の中心に投影されることになる。従って、X−Y軸方向から外力が加わった場合、その中心指示記号6は、画面の中心から画面の隅へと変位する。このような構成であると、中心からの変位量をもって外力の大きさをより容易にかつ正確に認識することができる。
【0048】
(ホ)本実施形態によると、樹脂部材4の中途が括れているため、外力が加わったときにその括れ部分に特に弾性変形が生じやすい。従って、大きさの等しい外力が加わった場合における中心指示記号6の変位量は、括れのないものに比較して確実に大きくなる。ゆえに、本実施形態によると、感度に優れたセンサ3を実現することができる。
【0049】
(ヘ)本実施形態によると、センサ3用の樹脂材料として、生体内物質と反応しにくいHEMAが選択されている。従って、仮にこのセンサ3が血液に触れたとしても、血液との反応によって血栓を誘発させてしまうこともない。よって、本実施形態によると、生体に対する適合性が高いセンサ3を実現することができる。しかも、HEMAは、好適な弾力性及び透光性を有しており、その点においてもセンサ3用材料として好ましい。また、HEMAはガラス等のような材料に比べて軟質であるため、そもそも管内壁8等に損傷を与える可能性が少ないという利点がある。
【0050】
なお、本発明は上記の実施形態のみに限定されることはなく、例えば次のように変更することが可能である。
(1)センサの形状は、実施形態のような砂時計状のみに限定されるわけではない。例えば、図7に示される別例1のセンサ11のように、頭部12a、底部12b及び括れ部13の形状を非曲線的にしてもよい。
【0051】
(2)図8(a)〜図8(c)に示される別例2のセンサ16のように、単なる円柱状の樹脂部材17を使用することも可能である。弾力性を有していれば、このような樹脂部材17であっても弾性変形しうるからである。ただし、上記実施形態のように括れているもののほうが感度は高くなる。
【0052】
(3)図9に示される別例3のセンサ21では、樹脂部材4の先端面中心に中心表示記号6が付されており、同面においてその周囲に方向指示記号22である4つのアルファベット文字「A,B,C,D」の鏡像が付されている。このような構成であると、方向指示記号22が付されていない場合に比べて、オペレータは外力の加わる方向をより容易にかつ正確に認識することができる。
【0053】
(4)図10に示される別例4のセンサ26では、樹脂部材4の先端面が4色のインクを用いて色分けされている。同図においてハッチングが異なるのは、それぞれの色が異なることを表している。この場合、例えば第1象限27が赤、第2象限28が青、第3象限29が黄、第4象限30が緑というように着色される。この構成であっても、実施形態と基本的には同様の作用効果を奏する。なお、この別例4の構成のように、中心指示記号6を付すこと及び色分けの両方を行うことは極めて好ましい。
【0054】
(5)モニター7の画面上に、例えば複数の同心円を描いてもよい。図11に示される変形例では、アウターサークル31と、それよりもひとまわり小さなインナーサークル32とが描かれている。このようにすると、中心指示記号6の変位量をより容易に把握することができる。また、図12に示される変形例では、これに対してさらに色分けが施されている。即ち、アウターサークル31よりも外側となるアウターゾーン38は、濃青色に着色されている。アウターサークル31とインナーサークル32とによって囲まれるインターメディエイトゾーン37は、薄青色に着色されている。なお、インナーサークル32の内側は、何ら着色されていないため無色透明になっている。このような構成であると、中心指示記号6の変位量をよりいっそう容易に把握することができる。
【0055】
(6)図13に示される変形例のように、モニター7の画面上に例えばメジャースケール41等を設けてもよい。
(7)センシング用マーク6,22は印刷された文字や記号ばかりでなく、例えば刻印などによって形成された凹凸等であってもよい。また、センシング用マーク6,22は必ずしも先端面の表層に形成されていなくてもよく、ある程度内層であってもよい。
【0056】
(8)本発明のセンサ3の使用は、血管などに挿入される医療器具1の他、例えば大腸、小腸、十二指腸、その他の消化管、尿道、輸卵管、リンパ管、胆管、膣、耳道、鼻孔、食道、気管支などに挿入される各種医療器具においても有効である。また、本発明のセンサ3は、内視鏡1やカテーテルのような外部操作式の医療器具のみならず、マイクロマシン技術を応用した自走式の医療器具の先端に取り付られてもよい。勿論、医療器具は人間用に限定されず動物用であってもよい。
【0057】
ここで、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
(1) 請求項1または5において、センシング用マークは、前記樹脂部材の端面中心部に付されている中心指示記号である体内挿入式医療器具用のセンサ。この構成であると、中心からの変位量をもって外力の大きさをより容易にかつ正確に認識することができる。
【0058】
(2) 請求項5,技術的思想(1) において、前記樹脂部材は中途において括れている体内挿入式医療器具用のセンサ。この構成であると、樹脂部材に弾性変形が生じやすくなることから、感度に優れたセンサを実現することができる。
【0059】
(3) 請求項5,技術的思想(1),(2) において、前記樹脂部材を構成する樹脂はHEMAである体内挿入式医療器具用のセンサ。この構成であると、生体に対する適合性が高いセンサを実現することができる。
【0060】
なお、本明細書中において使用した技術用語を次のように定義する。
「樹脂部材の色分け: 樹脂部材における特定の領域に1色または複数色を付すことをいい、その場合色が付されない無色の領域が残されていてもよい。」
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1,5に記載の発明によれば、器具の先端に加わる圧力を確実にセンシングすることができるばかりでなく、構造が簡単であって小型かつ安価な体内挿入式医療器具用のセンサを提供することができる。
【0062】
請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加え、外力の方向や大きさをより容易にかつ正確に認識することができる。
請求項3に記載の発明によれば、上記効果に加え、樹脂部材に弾性変形が生じやすくなることから、感度に優れたセンサを実現することができる。
【0063】
請求項4に記載の発明によれば、上記効果に加え、生体に対する適合性が高いセンサを実現することができる。
請求項6,7に記載の発明によれば、外力を正確にセンシングすることができるため、器具の先端を進行させるべき方向の決定を間違いなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は一実施形態の体内挿入式医療器具用のセンサを示す概略斜視図、(b)はその光ファイバ部分の概略断面図。
【図2】(a)は外力が加わっていないときのセンサを示す概略斜視図、(b)はそのときのモニター画面を示す概略図。
【図3】(a)はX軸方向から外力が加わっているときのセンサを示す概略斜視図、(b)はそのときのモニター画面を示す概略図。
【図4】(a)はY軸方向から外力が加わっているときのセンサを示す概略斜視図、(b)はそのときのモニター画面を示す概略図。
【図5】(a)はZ軸方向から外力が加わっているときのセンサを示す概略斜視図、(b)はそのときのモニター画面を示す概略図。
【図6】外力の大きさとセンシング用マークの変位量との関係を示すグラフ。
【図7】別例1のセンサを示す概略斜視図。
【図8】(a)〜(c)は別例2のセンサを示す概略斜視図。
【図9】別例3のセンサを示す部分概略斜視図。
【図10】別例4のセンサを示す部分概略斜視図。
【図11】モニター画面の変形例を示す概略図。
【図12】モニター画面の変形例を示す概略図。
【図13】モニター画面の変形例を示す概略図。
【図14】従来の体内挿入式医療器具における先端の様子を示す部分概略斜視図。
【符号の説明】
1…体内挿入式医療器具としての内視鏡、2…光ファイバ、3,11,16,21,26…体内挿入式医療器具用のセンサ、4,12,17…樹脂部材、6…センシング用マークとしての中心指示記号、22…センシング用マークとしての方向指示記号、C1 …中心軸線。

Claims (7)

  1. 光ファイバ(2)を有する体内挿入式医療器具(1)の先端に取り付けられ、その位置においてセンシングを行うセンサ(3,11,16,21)であって、前記センサ(3,11,16,21)は弾力性及び透光性を有する樹脂部材(4,12,17)であり、その樹脂部材(4,12,17)にはセンシング用マーク(6,22)が付されていることを特徴とした体内挿入式医療器具用のセンサ。
  2. 前記センシング用マーク(6,22)は、前記樹脂部材(4)の端面中心部に付されている中心指示記号(6)と、その中心指示記号(6)の周囲に付されている方向指示記号(22)とからなることを特徴とした請求項1に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  3. 前記樹脂部材(4,12)は中途において括れている請求項1または2に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  4. 前記樹脂部材(4,12,17)を構成する樹脂はHEMAである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  5. 光ファイバ(2)を有する体内挿入式医療器具(1)の先端に取り付けられ、その位置においてセンシングを行うセンサ(26)であって、
    前記センサ(26)は弾力性及び透光性を有する樹脂部材(4)であり、その樹脂部材(4)は色分けされていることを特徴とした体内挿入式医療器具用のセンサ。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具(1)用のセンサ(3,11,16,21)を用い、前記器具(1)の先端に対してその中心軸線(C1 )方向に直交する方向から加わる圧力をセンシングする方法であって、
    前記センシング用マーク(4,22)の変位方向に基づいて前記圧力の方向を検知するとともに、同マーク(4,22)の変位量に基づいて前記圧力の大きさを検知することを特徴としたセンシング方法。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具(1)用のセンサ(3,11,16,21)を用い、前記器具(1)に対してその中心軸線(C1 )方向から加わる圧力をセンシングする方法であって、
    前記センシング用マーク(4,22)の焦点距離変化の度合いに基づいて前記圧力の大きさを検知することを特徴としたセンシング方法。
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