JPH09135905A - 体内挿入式医療器具用のセンサ及びその製造方法 - Google Patents

体内挿入式医療器具用のセンサ及びその製造方法

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JPH09135905A
JPH09135905A JP7299708A JP29970895A JPH09135905A JP H09135905 A JPH09135905 A JP H09135905A JP 7299708 A JP7299708 A JP 7299708A JP 29970895 A JP29970895 A JP 29970895A JP H09135905 A JPH09135905 A JP H09135905A
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真 村手
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仁 岩田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 器具の先端に加わる圧力を確実にセンシング
できるばかりでなく、構造が簡単であって小型かつ安価
な体内挿入式医療器具用のセンサを提供する。 【解決手段】 このセンサ3は、カテーテル等の体内挿
入式医療器具1の先端に取り付けられその位置において
センシングを行うものであり、弾力導電部材7と、複数
の電極5a,5b,6a,6bと、弾性絶縁部材4と、
保護層9とを備える。弾性導電部材7は樹脂に導電性物
質を分散させたものである。各電極5a〜6bは弾性導
電部材7に接触されるとともに互いに離間して配置され
る。弾性絶縁部材4には電極5a〜6bが設置される。
両部材4,7の変形度合いは、電極5a−5b,6a−
6b間の抵抗値の変化に基づいて検知される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体内挿入式医療器
具用のセンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人体内にある各種の管の中に挿入されそ
こで治療行為等を行う医療器具として、例えば内視鏡や
カテーテル等が従来より知られている。この種の器具
は、通常、体内に挿入される細いガイドチューブと、そ
のガイドチューブを体外にて操作するためにガイドチュ
ーブの基端部に設けられた操作手段とによって成り立っ
ている。また、同ガイドチューブの中には、それぞれの
医療器具において必要な機構、例えば医療用カテーテル
では投薬管やバルーン拡張用の送気管など、内視鏡では
送光手段としての光ファイバなどが収容されている。
【0003】例えば内視鏡を使用するオペレータは、操
作手段によってガイドチューブの先端を操作しながらガ
イドチューブを押し進め、その先端を目的の箇所まで確
実に到達させる必要がある。しかし、体内にある管は必
ずしも直線状ではなく、部分的に屈曲していたり分岐し
ていることが少なくない。それゆえ、熟練度の低いオペ
レータは、所望の部位でない部位に先端を誘導してしま
う場合がある。
【0004】その一方、熟練度の高いオペレータは、ガ
イドチューブの挿入抵抗の増加を自分の手の感覚によっ
て認識することにより屈曲部の存在等を予測し、それに
応じて進行方向を決定する。ところが、熟練度の高いオ
ペレータといえども操作を勘に頼っていることから、常
に目的の箇所まで誘導できるとは限らない。
【0005】上記のような問題を解決するため方策とし
ては、例えばガイドチューブの先端に何らかのセンサを
設け、管内壁との接触によって受ける圧力の大きさ・方
向をそのセンサで測定するという発想がある。また、か
かる発想を具体化した例としては、特開平6−1900
50号公報に開示された技術がある。
【0006】この公報の医療器具においては、ガイドチ
ューブの先端に触覚センサが取り付けられている。この
触覚センサは、圧力を検出するためのストレインゲージ
を軟質チューブの先端縁近傍に配設することによって構
成されている。より詳細にいうと、前記軟質チューブの
先端縁に複数のビームとスリットとが形成され、主とし
て同ビームの部分にストレインゲージが配設されてい
る。従って、管内壁にセンサが接触すると、外力によっ
てビームが弾性変形する。このとき、ストレインゲージ
がビームの歪みを電気インピーダンスに変換して外部に
出力する。その結果、ガイドチューブの先端が受ける圧
力の大きさ・方向が検知され、オペレータが操作する際
における進行方向決定の際の便宜が図られるようになっ
ている。
【0007】また、このような触覚センサの代わりに、
圧力検知部としてのダイヤフラムを有する半導体式圧力
センサ等を設けることも従来より提案されている。な
お、この種のセンサは全体の小型化に向いているという
利点を持つ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の体内
挿入式医療器具用のセンサには、以下のような問題があ
る。
【0009】i)ストレインゲージを利用した触覚センサ
の場合、センサの先端縁に微細なビーム、スリット及び
ストレインゲージを形成する必要があるため、どうして
も構成が複雑になりかつその製造も困難になる。また、
このような構成であると、センサの小型化が妨げられる
おそれもある。
【0010】ii) 近年、体内挿入式医療器具(正確には
被挿入部分であるガイドチューブやセンサ等)は、AI
DS等のようなウィルスの二次感染を防止すべく、使い
捨てにされることが常識化しつつある。従って、それに
使用されるセンサは安価なものであることが好ましい。
しかし、半導体式圧力センサは現状において高価である
ため、この条件を満たしているとはいえない。また、ス
トレインゲージを利用した触覚センサも上記のように製
造上の困難性があることから、ある程度高価なものとな
ってしまうことは避けられない。ゆえに、同センサも前
記条件を満たしているとは言いがたい。
【0011】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その主目的は、器具の先端に加わる圧力を確実
にセンシングすることができるばかりでなく、構造が簡
単であって小型かつ安価な体内挿入式医療器具用のセン
サを提供することにある。
【0012】また、本発明の別の目的は、生体に対する
適合性の高い体内挿入式医療器具用のセンサを提供する
ことにある。さらに、本発明の別の目的は、そのような
センサを効率よく製造することができる体内挿入式医療
器具用のセンサの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、体内挿入式医療器具の
先端に取り付けられるとともに、その位置においてセン
シングを行うセンサであって、弾力性を有する樹脂中に
導電性物質を分散させてなる弾性導電部材と、その弾性
樹脂部材に接触されるとともに互いに離間して配置され
る複数の電極と、前記各電極が設置される弾性絶縁部材
と、生体適合性材料からなり前記各部材を被覆する保護
層とを備え、前記電極間の抵抗値の変化に基づいて前記
弾性導電部材及び前記弾性絶縁部材の変形度合いが検知
されるように構成された体内挿入式医療器具用のセンサ
をその要旨とする。
【0014】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、前記弾性絶縁部材は、センサ内部を中心軸線方向
に沿って複数の室に区画しており、前記弾性導電部材は
前記室のうちの少なくとも1つの中に収容されていると
した。
【0015】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2において、前記弾性絶縁部材は、複数枚の樹脂片を
放射状に配置してなるものであるとした。請求項4に記
載の発明では、請求項3において、前記複数の電極のう
ち一つの対をなすもの同士は、同じ樹脂片において中心
軸線方向に沿って並ぶように配置されているとした。
【0016】請求項5に記載の発明では、請求項3にお
いて、複数枚の樹脂片のうちの少なくとも2枚は中心軸
線を基準として互いに90°をなし、前記複数の電極は
それらの樹脂片に一対づつ設置されているとした。
【0017】請求項6に記載の発明では、請求項3乃至
5のいずれか1項において、前記弾性絶縁部材はインサ
ート成形品であって、前記電極から引き出される配線は
前記樹脂片の外表面から露出しておらず、同電極のみが
前記樹脂片の側部外表面から露出しているとした。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6
のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ
を製造する方法であって、あらかじめ前記電極が設置さ
れている前記弾性絶縁部材に後に保護層となるシリコー
ンゴム製のキャップを嵌着した後、同弾性絶縁部材と同
キャップとがなす室内へ前記弾性導電部材を形成するた
めの流動状材料を充填しかつ同材料を非流動化させるこ
とを特徴とした体内挿入式医療器具用のセンサの製造方
法をその要旨とする。
【0019】次に、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1に記載の発明によると、離間して配置され
ている複数の電極は弾性樹脂部材に接触しているため、
通電を行うと、電極間には前記弾性導電部材を介してあ
る程度の電流が流れることになる。また、センサを構成
する弾性導電部材及び弾性絶縁部材にはともに弾力性が
あるため、外部からの圧力を受けるとそれらは弾性変形
し、外力がなくなると元の形状に復帰する。
【0020】外力が加わることにより弾性導電部材及び
弾性絶縁部材に弾性変形が生じると、その方向によって
は電極間の距離が増減し、それに伴って電極間の抵抗値
も増減する。即ち、弾性導電部材は、いわば電極間に接
続された可変の抵抗体であると把握することもできる。
従って、この抵抗値の変化に基づいて弾性導電部材及び
弾性絶縁部材の変形度合いを検知することができ、さら
にはそのような変形をもたらしている外力の方向・大き
さを検知することができる。以上のように、本発明のセ
ンサによれば、器具の先端に加わる圧力を確実にセンシ
ングすることができる。
【0021】また、本発明のセンサでは、ビーム、スリ
ット及びストレインゲージ等を形成する必要がないの
で、上記した従来のセンサに比較して構成が簡単にな
る。よって、小型化が容易でありかつ製造の困難性も小
さい。また、製造の困難性が小さくなる結果、従来のセ
ンサに比べて安価なものとすることができる。このこと
はセンサの使い捨てを許容することにもつながる。
【0022】さらに、本発明のセンサでは、生体適合性
材料からなる保護層による被覆がなされることにより、
各部材と生体内物質との直接的な接触が回避される。こ
のため、仮に弾性導電部材等が生体適合性材料でなかっ
たとしても、センサ全体としては生体に対する適合性の
高いものとすることができる。なお「生体適合性があ
る」とは、血液、体液、リンパ液、その他の生体内物質
との反応性が低いことをいう。
【0023】請求項2,3に記載の発明によると、複数
の室のうち弾性導電部材が収容されていない室には、軸
線方向に沿って延びる空間ができる。従って、計測や医
療行為を実施するための機器等をその空間に収容するこ
とが可能となり、センサの多機能化を図ることができ
る。
【0024】請求項4に記載の発明によると、上記作用
に加えて次のような作用がある。中心軸線方向(即ちZ
軸方向)からの外力が加わると、弾性導電部材及び弾性
絶縁部材はその外力の大きさ・方向に応じて伸長または
収縮し、それに伴って電極間の抵抗値も増減する。従っ
て、Z軸方向の外力の大きさ・方向を検知することがで
きる。さらに、中心軸線方向に直交する方向(即ちX−
Y軸方向)からの外力が加わると、弾性導電部材及び弾
性絶縁部材はいずれかの方向に傾倒する。この場合、伸
長部位と収縮部位とができ、かかる部位に電極が存在し
ていればそれに伴って電極間の抵抗値が増減する。従っ
て、一定の場合には、X−Y軸方向の外力の大きさ・方
向を検知することも可能である。
【0025】請求項5に記載の発明によると、上記の作
用に加えて次のような作用がある。即ち、二対の電極が
互いに直交した配置関係にあることから、X軸方向から
の外力の大きさ・方向及びY軸方向からの外力の大きさ
・方向の両方を確実に検知することができる。
【0026】請求項6に記載の発明によると、上記の作
用に加えて次のような作用がある。即ち、電極から引き
出される配線は絶縁性の樹脂片の中にあることから、弾
性導電部材と直接的に接触することはない。よって、配
線と弾性導電部材との間に絶縁構造を設ける必要もな
く、その分だけ構成が簡単になる。
【0027】請求項7に記載の発明によると、弾性絶縁
部材とキャップとがなす室が、いわば弾性導電部材を所
定形状に形成するための成形型となる。従って、その室
の形状に合った弾性導電部材をあらかじめ形成しておく
ことが不要になる。よって、弾性導電部材を成形する工
程がなくなる分だけ、製造の効率化が図られる。
【0028】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕以下、本発明を具体化した第1の実
施の形態を図1〜図6に基づき詳細に説明する。
【0029】体内挿入式医療器具の一種であるこの血管
拡張用カテーテル1は、体内に挿入される細いガイドチ
ューブと、それを体外にて操作するためにガイドチュー
ブの基端部に設けられる操作手段とによって成り立って
いる。前記操作手段は、例えばガイドチューブ内に挿入
された複数本のワイヤと、それらを操作するワイヤ操作
部とによって構成されている。また、ガイドチューブの
基端部には、エアコンプレッサが設けられている。
【0030】前記エアコンプレッサには、バルーン拡張
用の送気管が接続されている。この送気管はガイドチュ
ーブ内に挿通されており、その先端側はガイドチューブ
の先端口から突出されている。なお、図示しない血管拡
張用のバルーンは、この送気管の先端2から数センチほ
ど基端側に戻った位置に設けられている。前記バルーン
には、送気管を介して圧縮空気が供給される。すると、
同バルーンが膨張することにより、狭窄した血管が拡張
されるようになっている。
【0031】図3に示されるように、この送気管の先端
2には、弾性絶縁部材4、電極5a,5b,6a,6
b、弾性導電部材7、複数の配線8及び保護層9を備え
たセンサ3が取り付けられている。
【0032】図1に示されるように、この弾性絶縁部材
4は、塩化ビニルやナイロン等の軟らかい材質からなる
複数枚の樹脂片10を放射状に配置することによって成
形されたインサート成形品である。本実施形態のセンサ
3では、樹脂片10の数は4枚になっている。そのた
め、弾性絶縁部材4をZ軸方向に対して直角に切断した
ときの断面は略十字状になる。また、隣接する樹脂片1
0同士は、中心軸線C1を基準として互いに90°をな
している。そして、図3に示されるように、この弾性絶
縁部材4は、センサ3の内部を中心軸線C1 の方向に沿
って4つの室R1に区画している。
【0033】図1に示されるように、弾性絶縁部材4を
構成する樹脂片10のうちの1枚には、金または白金か
らなる一対の電極5a,5bが互いに離間して配置され
ている。また、その樹脂片10に隣接する別の樹脂片1
0にも、一対の電極6a,6bが互いに離間して配置さ
れている。前者は主としてX軸方向の外力を検知するた
めのX軸方向用電極5a,5bであり、後者は主として
Y軸方向の外力を検知するためのY軸方向用電極6a,
6bである。
【0034】一つの対をなすX軸方向用電極5a,5b
は、弾性絶縁部材4の中心軸線C1方向に沿って並ぶよ
うに配置されている。同じく、一つの対をなすY軸方向
用電極6a,6bも、弾性絶縁部材4の中心軸線C1 方
向に沿って並ぶように配置されている。X軸方向用電極
5a−5b間の距離とY軸方向用電極6a−6b間の距
離とは、外力が加わっていない状態において等しくなる
ように設計されている。また、X軸方向用電極5a,5
bの面とY軸方向用電極6a,6bの面とは、直交する
位置関係にある。
【0035】各電極5a,5b,6a,6bからは、そ
れぞれ1本ずつ配線8が引き出されている。これらの配
線8は樹脂片10の内部を通っており、その先端は弾性
絶縁部材4の基端面から突出している。これらの突出部
は、送気管の先端2の側に設けられるコネクタに嵌挿さ
れるピンとしての役割を果たしている。なお、配線8は
樹脂片10の側部外表面からは露出しておらず、各電極
5a,5b,6a,6bのみがそこから露出している。
送気管の先端2に設けられたコネクタのケーブルは、ガ
イドチューブ内を通り抜けてその基端部まで到ってい
る。ガイドチューブの基端部まで到ったケーブルの終端
は、抵抗値の測定結果を画面に表示する機能を有するコ
ンピュータの入力側に接続されている。
【0036】図2,図3に示されるように、前記4つの
室R1 内には、それぞれ弾性導電部材7が収容されてい
る。本実施形態では、各室R1 の断面形状と等しい断面
形状のもの、即ち断面四半円状の弾性導電部材7が4つ
使用されている。これらの弾性導電部材7は、弾力性を
有する樹脂としてのシリコーンゴム中に、導電性物質と
してのカーボン粒子を不規則的に分散させてなるもの
(いわゆる感圧ゴム)である。室R1 の中に弾性導電部
材7が収容された場合、各電極5a,5b,6a,6b
の面は、同弾性導電部材7の側面に接触した状態とな
る。なお、前記弾性導電部材7は、例えば導電性接着剤
等によって樹脂片10の側面に接着される。
【0037】そして、弾性絶縁部材4、電極5a,5
b,6a,6b及び配線8は、生体適合性材料からなる
保護層としてのシリコーンコート層9によって全体的に
被覆されている。なお、本実施形態のセンサ3は、図3
に示されるように、送気管の先端2よりもひとまわり大
きく、全体として円柱状を呈したものとなっている。
【0038】ここで、本実施形態のセンサ3を製造する
方法の一例を簡単に説明する。まず、電極5a,5b,
6a,6b及び配線8となる金属線材を4本用意する。
これらの金属線材を十字状の成形型内にセットし、その
型内に絶縁性樹脂を流し込む。以上のようなインサート
成形を行うことにより、電極5a,5b,6a,6b及
び配線8が埋め込まれた十字状の弾性絶縁部材4が形成
される(図1参照)。次に、この弾性絶縁部材4の樹脂
片10の側面に、あらかじめ形成しておいた弾性導電部
材7を接着する(図2参照)。そして、弾性絶縁部材4
を送気管の先端2に取り付けるとともに、センサ3を構
成する各部材を完全に被覆するようにシリコーンコート
層9を形成する(図3参照)。なお、取付の前にシリコ
ーンコートを実施してもよい。
【0039】ここで、このセンサ3の特性について説明
する。センサ3の頭部や周面が管内壁等に当接すると、
同センサ3は外部から圧力を受けることになる。その
際、センサ3を構成する各部材(主として弾性絶縁部材
4及び弾性導電部材7)に弾性変形が生じる。また、そ
の外力がなくなると、弾性絶縁部材4及び弾性導電部材
7は元の形状に復帰する。
【0040】X軸方向における弾性変形の度合い(Δ
x)とX軸方向の外力の大きさ(Fx)との関係は、下
記のようになる。「X軸方向における弾性変形の度合い
Δx」とは、ここでは、−X方向から+X方向へ外力が
加わった場合の弾性変形に伴ってセンサ3の先端面が移
動する距離と定義する。両者の関係は次の式(1)、即
ち、 Fx=k・Δx …(1) 〔なお、kはセンサ3の寸法や材質等によって求まる弾
性係数〕で表される。この式(1)式は原点を通る単純
増加直線となるため、FxとΔxとは正比例の関係とな
る。
【0041】同様に、Y軸方向における弾性変形の度合
い(Δy)とY軸方向の外力の大きさ(Fy)との関係
は、下記の式(2)、即ち、 Fy=k・Δy …(2) で表される。「Y軸方向における弾性変形の度合いΔ
y」とは、ここでは、−Y方向から+Y方向へ外力が加
わった場合の弾性変形に伴ってセンサ3の先端面が移動
する距離と定義する。
【0042】また、Z軸方向における弾性変形の度合い
(Δz)とZ軸方向の外力の大きさ(Fz)との関係
は、下記の式(3)、即ち、 Fz=k・Δz …(3) で表される。「Z軸方向における弾性変形の度合いΔ
z」とは、ここでは、−Z方向から+Z方向へ外力が加
わった場合の弾性変形に伴ってセンサ3の先端面が移動
する距離と定義する。
【0043】従って、前記式(2),式(3)は、いず
れも式(1)と同様の原点を通る単純増加直線となる。
また、Fy及びΔy、Fz及びΔzは、ともに正比例の
関係となる。
【0044】続いて、前記センサ3によるセンシング方
法について説明する。センシングを行うにあたって、ま
ずX軸方向用電極5a−5b間、及びY軸方向用電極6
a−6b間には通電がなされる。弾性導電部材7には導
電性のカーボン粒子が分散されているので、対をなす電
極5a−5b間,電極6a−6b間にはある程度の電流
が流れる。また、いずれの方向からも外力が加わってい
ない初期状態(図4(a) ,図5(a) ,図6(a) 参照)で
は、X軸方向用電極5a−5b間の抵抗値RxはRx0
となり、Y軸方向用電極6a−6b間の抵抗値RyはR
0 となる。ちなみに、本実施形態のセンサ3では、電
極5a−5b間の距離と電極6a−6b間の距離とが等
しいので、Rx0 =Ry0 となる。
【0045】図4(b)には、+X方向から−X方向へ
外力が加わっているときのセンサ3の変形の様子が示さ
れている。ここで、センサ3の弾性変形の度合い(Δ
x)と電極5a−5b間の抵抗値(Rx)との関係は、
以下のようになる。即ち、電極5a−5b間に仮想の抵
抗体Rxがあるものと考えると、Δx>0のときRx>
Rx0 となり、逆にΔx<0のときRx<Rx0 とな
る。
【0046】+X方向から−X方向へ外力が加わってい
る場合、センサ3の頭部は−X方向に傾倒する(図4
(b) 参照)。また、このとき特にセンサ3の周面には、
伸長部位と収縮部位とができる。なお、伸長・収縮の程
度は、前記先端面の移動距離に比例したものとなる。傾
倒している側にあたる部位、即ち電極5a−5bが設置
されている部位が収縮部位となる。よって、電極5a−
5b間の距離は短くなり(即ち、電極5a−5b間にあ
る弾性導電部材7が短くなり)、Δxは負の値になる。
従って、Rxの値は減少する。逆に、この収縮部位のち
ょうど反対側にあたる部位が伸長部位となる。なお、伸
長部位と収縮部位との中間にあたる部位、即ち電極6a
−6bが設置されている部位には、ほとんど弾性変形が
起こらない。よって、電極6a−6b間の距離は変化せ
ず(即ち、電極6a−6b間にある弾性導電部材7の長
さは変わらず)、Δy=0となる。従って、Ryの値は
変わらない。
【0047】すると、コンピュータは、Ryに変化がな
くRxのみが増加した事実を、例えばディスプレイ画面
上に表示すること等によって可視化する。この場合、オ
ペレータは、Δx=0(即ちRx=Rx0 )となるよう
にカテーテル1を操作すればよい。より具体的にいう
と、ワイヤ操作部を操作することによって、センサ3を
−X方向に進行させればよいことになる。
【0048】逆に、−X方向から+X方向へ外力が加わ
っている場合、センサ3の頭部は+X方向に傾倒する
(図4(c) 参照)。この結果、電極5a−5b間の距離
は長くなり、Δxは正の値になる。従って、Rxの値は
増加する。なお、先端面の移動距離が大きいほど、電極
5a−5b間の距離が長くなる。なお、電極6a,6b
が設置されている部位にはほとんど弾性変形が起こらな
いため、Ryの値は変わらない。以上のことから、オペ
レータは、センサ3を+X方向に進行させればよいこと
になる。
【0049】図5(b)には、+Y方向から−Y方向へ
外力が加わっているときのセンサ3の変形の様子が示さ
れている。ここで、センサ3の弾性変形の度合い(Δ
y)と電極6a−6b間の抵抗値(Ry)との関係は、
以下のようになる。即ち、電極6a−6b間に仮想の抵
抗体Ryがあるものと考えると、Δy>0のときRy>
Ry0 となり、逆にΔy<0のときRy<Ry0 とな
る。
【0050】+Y方向から−Y方向へ外力が加わってい
る場合、センサ3の頭部は−Y方向に傾倒する(図5
(b) 参照)。また、このとき特にセンサ3の周面には、
伸長部位と収縮部位とができる。なお、伸長・収縮の程
度は、前記先端面の移動距離に比例したものとなる。傾
倒している側にあたる部位、即ち電極6a−6bが設置
されている部位が収縮部位となる。よって、電極6a−
6b間の距離は短くなり(即ち、電極6a−6b間にあ
る弾性導電部材7が短くなり)、Δyは負の値になる。
従って、Ryの値は減少する。逆に、この収縮部位のち
ょうど反対側にあたる部位が伸長部位となる。なお、伸
長部位と収縮部位との中間にあたる部位、即ち電極5a
−5bが設置されている部位には、ほとんど弾性変形が
起こらない。よって、電極5a−5b間の距離は変化せ
ず(即ち、電極5a−5b間にある弾性導電部材7の長
さは変わらず)、Δx=0となる。従って、Rxの値は
変わらない。
【0051】すると、コンピュータは、Rxに変化がな
くRyのみが増加した事実を、例えばディスプレイ画面
上に表示すること等によって可視化する。この場合、オ
ペレータは、Δy=0(即ちRy=Ry0 )となるよう
にカテーテル1を操作すればよい。より具体的にいう
と、ワイヤ操作部を操作することによって、センサ3を
−Y方向に進行させればよいことになる。
【0052】逆に、−Y方向から+Y方向へ外力が加わ
っている場合、センサ3の頭部は+Y方向に傾倒する
(図5(c) 参照)。この結果、電極6a−6b間の距離
は長くなり、Δyは正の値になる。従って、Ryの値は
増加する。なお、先端面の移動距離が大きいほど、電極
6a−6b間の距離が長くなる。なお、電極5a,5b
が設置されている部位にはほとんど弾性変形が起こらな
いため、Rxの値は変わらない。以上のことから、オペ
レータは、センサ3を+Y方向に進行させればよいこと
になる。
【0053】図6(b)には、−Z方向から+Z方向へ
外力が加わっているときのセンサ3の変形の様子が示さ
れている。ここで、センサ3の弾性変形の度合い(Δ
z)と電極5a−5b間の抵抗値(Rx)との関係は、
Δz>0のときRx>Rx0 となり、逆にΔz<0のと
きRx<Rx0 となる。また、Δzと電極6a−6b間
の抵抗値(Ry)との関係は、Δz>0のときRy>R
0 となり、逆にΔz<0のときRy<Ry0 となる。
【0054】−Z方向から+Z方向へ外力が加わってい
る場合、センサ3はZ軸方向に沿って全体的に収縮する
ことになる。なお、このときの収縮程度は、先端面の移
動距離に比例したものとなる。その結果、電極5a−5
b間の距離、電極6a−6b間の距離はいずれも短くな
る(図5(b) 参照)。よって、Δx,Δyは負の値にな
り、Rx,Ryの値はともに減少する。
【0055】すると、コンピュータは、Rx,Ryが共
に減少したという事実を、例えばディスプレイ画面上に
表示することにより可視化する。この場合、オペレータ
は、Δx=0かつΔy=0となるようにカテーテル1を
操作すればよい。より具体的にいうと、センサ3を進行
させる力を弱めればよいことになる。
【0056】逆に、+Z方向から−Z方向へ外力が加わ
っている場合、センサ3はZ軸方向に沿って全体的に伸
長することになる(図6(c) 参照)。この結果、電極5
a−5b間の距離、電極6a−6b間の距離はともに長
くなり、Δx,Δyは正の値になる。従って、Rx,R
yの値はともに増加する。
【0057】以下、本実施形態において特徴的な作用効
果について列挙する。 (イ)本実施形態によると、外力が加わることにより弾
性導電部材7及び弾性絶縁部材4に弾性変形が生じるこ
とから、電極5a−5b間、6a−6間の距離(それら
の間にある弾性導電部材7の長さ)が増減する。する
と、それに伴って電極5a−5b間、6a−6b間の抵
抗値Rx,Ryも増減する。従って、この抵抗値Rx,
Ryの変化に基づいて、弾性導電部材7及び弾性絶縁部
材4の変形度合いΔx,Δy,Δzを検知することがで
きる。さらには、そのような変形をもたらしている外力
の方向・大きさを検知することができる。以上のよう
に、このセンサ3によれば、血管拡張用カテーテル1の
先端に加わる圧力を確実にセンシングすることができ
る。よって、オペレータは、その先端を進行させるべき
方向の決定を間違いなく行うことができる。ゆえに、所
望の部位とは違う部位にセンサ3を誘導してしまうとい
うような操作ミスの発生率が極めて少なくなる。
【0058】(ロ)本実施形態の構成であると、ビー
ム、スリット及びストレインゲージ等を形成する必要が
ない。よって、従来のセンサに比較して構成が簡単にな
る。このため、小型化が容易でありかつ製造の困難性も
小さい。また、製造の困難性が小さくなる結果、従来の
センサに比べて安価なものとすることができる。このこ
とはセンサ3の使い捨てを許容することにもつながる。
【0059】(ハ)さらに、本実施形態のセンサ3で
は、弾性絶縁部材4、電極5a,5b,6a,6b及び
弾性導電部材7が、生体適合性材料からなるシリコーン
コート層9によって被覆されている。従って、これら各
部材と生体内物質(例えば血液等)との直接的な接触が
回避される。よって、血栓等の発生を未然に防止するこ
とができ、生体に対する適合性の高いセンサ3とするこ
とができる。なお、シリコーンコートを施した場合、そ
れによって被覆される各部材の材料選択の余地もおのず
と広くなるという利点がある。さらに、シリコーンコー
トの別の利点は、薄く形成できるためセンサ3の小径化
を妨げないことである。
【0060】(ニ)このセンサ3では、シリコーンコー
ト層9以外の各部材、即ち弾性絶縁部材4、電極5a,
5b,6a,6b及び弾性導電部材7も同じく生体適合
性材料になっている。以上のこともセンサ3の生体適合
性の向上に貢献している。
【0061】(ホ)本実施形態では、二対の電極5a−
5b,6a−6bが互いに直交した配置関係にあり、さ
らに一対をなすもの同士は中心軸線C1 の方向に沿って
並んでいる。このため、X軸、Y軸及びZ軸という3つ
の方向の外力の大きさ・方向の両方を確実に検知するこ
とができる。
【0062】(ヘ)本実施形態によると、電極5a,5
b,6a,6bから引き出される配線8は絶縁性の樹脂
片10の中にあることから、弾性導電部材7と直接的に
接触することはない。よって、配線8と弾性導電部材7
との間に絶縁構造を設ける必要もなく、その分だけ構成
が簡単になる。 〔第2の実施形態〕次に、第2の実施形態における血管
拡張用カテーテル1用のセンサ21及びその製造方法を
図7〜図9に基づいて説明する。なお、ここでは実施形
態1との相違点を中心に説明を行い、共通点については
その説明を省略する代わりに同一の部材番号を付す。
【0063】本実施形態のセンサ21は、実施形態1に
おいて説明したセンサ3と同様に、弾性絶縁部材4、電
極5a,5b,6a,6b、弾性導電部材7及び配線8
を備えている。ただし、このセンサ21では、シリコー
ンコート層9に代わる保護層として、シリコーンゴム製
のキャップ22が使用されている。図7に示されるこの
キャップ22は、弾力性を有する有底筒状の樹脂部材で
あり、弾性絶縁部材4を全体的に包囲できる程度の大き
さを有している。そして、各弾性導電部材7は、このキ
ャップ22と弾性絶縁部材4とがなす室R1 内に収容さ
れている。
【0064】次に、このセンサ21を製造する手順を説
明する。まず、インサート成形によって、電極5a,5
b,6a,6b及び配線8が埋め込まれた十字状の弾性
絶縁部材4をあらかじめ形成しておく。次に、キャップ
22の底部22aが弾性絶縁部材4の先端面側になるよ
うに、同キャップ22を弾性絶縁部材4に嵌着する(図
7参照)。このときキャップ22の内側には、四半円状
の室R1 が4つ形成される。さらに、キャップ22の開
口部22b側を上に向けて配置するとともに、各室R1
内へ弾性導電部材7を形成するための流動状材料をシリ
ンジ23等を用いて充填する(図8参照)。ここで流動
状材料とは、例えばシリコーンゴム中に導電性物質とし
てのカーボン粒子を分散させてなるものをいう。充填の
完了の後、乾燥等を行うことによって前記材料を非流動
化させる。以上の結果、室R1 内に弾性導電部材7が収
容された状態となり、センサ21が完成する。このよう
にして完成したセンサ21は、図9に示されるように送
気管の先端2に取り付けられる。
【0065】上述した実施形態2のセンサ21であって
も、その基本的な構成は実施形態1のセンサ3のそれと
変わることがないため、実施形態1と同様の作用効果
(即ち上記イ〜ヘ)を奏することはいうまでもない。そ
れに加えて、本実施形態では、キャップ22の内側に形
成される室R1 が、いわば弾性導電部材7を四半円形状
に形成するための成形型となる。従って、実施形態1の
ときとは異なり、その室R1 の形状に合った弾性導電部
材7をあらかじめ形成しておくことが不要になる。よっ
て、四半円形状の弾性導電部材7を成形する工程がなく
なる分だけ、センサ21の製造の効率化を図ることがで
きる。また、このようなキャップ22は肉厚化が比較的
容易であるので、内部にある各部材の保護をより確実な
ものとすることができる。
【0066】なお、本発明は上記の実施形態のみに限定
されることはなく、例えば次のように変更することが可
能である。 (1)図10(a)〜図10(c)に示される別例1の
センサ31の構成について説明する。このセンサ31で
は弾性絶縁部材32の形状が異なっている。この弾性絶
縁部材32は、8枚の樹脂片10を放射状に配置してな
るものであり、いわば断面略「米」字状になっている
(図10(c) 参照)。従って、センサ31の内部には、
円を八等分した形状の室R1 が8つ区画される。これら
の室R1 のうちの4つには、室R1 と同じ断面形状をし
た弾性導電部材35が1つおき収容されている。残りの
4つの室R1 には、弾性導電部材35の代わりにセンサ
屈曲用バルーン33が収容されている。これらのバルー
ン33には、それぞれ専用の送気管34が接続されてい
る。そのため、特定の送気管34へのエアの供給により
バルーン33が膨張し、それに伴う弾性変形によってセ
ンサ31が屈曲するようになっている(図10(b) 参
照)。このようなバルーン33を4箇所に備えたている
ことから、前記センサ31を取り付けたカテーテルは好
適な能動カテーテルとなる。勿論、このようなバルーン
33は血管拡張用としても使用されることが可能であ
る。なお、バルーン33のような流体圧を利用したアク
チュエータに代え、例えば熱膨張性樹脂や形状記憶合金
等からなるアクチュエータを選択することもできる。
【0067】(2)図11に示される別例2のセンサ4
1の弾性絶縁部材42は、板状であってそれら4つがそ
れぞれ独立している。従って、弾性導電部材43は複雑
な形状となっている。
【0068】(3)図12に示される別例3のセンサ5
1では、貫通孔53aを有する筒部53の外周面から4
枚の樹脂片10を突出させてなる弾性絶縁部材52が使
用されている。従って、弾性導電部材55の形状は、い
わば断面略「瓦」状になっている。中心に貫通孔53a
を有するこのセンサ51は、光を遮らないという利点を
持つため、例えば内視鏡等のセンサ51として好適なも
のとなっている。
【0069】(4)図13に示される別例4のセンサ6
1において使用される弾性絶縁部材62は、90°をな
すように配置された二枚の樹脂片63からなり、断面略
L字状を呈している。なお、このセンサ61では、形状
の異なる弾性導電部材64,65がそれぞれ1つずつ使
用されている。
【0070】(5)図14に示される別例5のセンサ7
1では、実施形態1の弾性絶縁部材4が使用されてお
り、それに対して肉薄の弾性導電部材72が接着されて
いる。従って、弾性導電部材72が収容されている室R
1 においても空間ができる。このような空間があると、
そこに前記のセンサ屈曲用バルーン33などを収容する
ことが可能となり、多機能化に好都合となる。
【0071】(6)図15に示される別例6のセンサ8
1において使用される弾性絶縁部材82は、貫通孔82
aを有する単なる円筒状の樹脂部材となっている。そし
て、電極5a,5b,6a,6bは、この弾性絶縁部材
82の外周面から露出するように設置される。この場
合、弾性導電部材83も円筒状となる。
【0072】(7)シリコーンゴム中に分散されるカー
ボン粒子に代えて、例えば金や銅などの金属粒子を分散
させてもよい。また、シリコーンゴム以外の生体適合性
樹脂を使用してもよい。
【0073】(8)実施形態のセンサ3において、4つ
ある弾性導電部材7のうちセンシングに関与してないも
のについては、省略することが許容される。この場合、
省略により形成される空間に、例えば上記のセンサ屈曲
用バルーン33等のアクチュエータや、計測用機器(例
えば血圧測定用の圧力センサ等)、医療行為実施用機器
(例えば鉗子やレーザーメスの照射部等)等を収容する
ことができる。勿論、上記のいくつかの別例についても
同様である。
【0074】(9)実施形態2において説明した製造方
法に従って別例1,3,5のセンサ31,51,71を
製造することも可能である。 (10)本発明のセンサ3,21,31…81の使用
は、血管や大腸、小腸、十二指腸、その他の消化管に加
えて、尿道、輸卵管、胆管、膣、リンパ管、耳道、鼻
孔、食道、気管支などに挿入される各種医療器具におい
ても有効である。また、本発明のセンサ3,21,31
…81は、カテーテル1や内視鏡のような外部操作式の
医療器具のみならず、マイクロマシン技術を応用した自
走式の医療器具の先端に取り付られてもよい。勿論、医
療器具は人間用に限定されず動物用であってもよい。
【0075】ここで、特許請求の範囲に記載された技術
的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される
技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
【0076】(1) 前記生体適合性材料からなる保護
層は、シリコーンゴム製のキャップである請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具用のセン
サ。この構成であると、効率のよいセンサの製造方法を
実施することができるとともに、内部にある各部材の保
護をより確実なものとすることができる。
【0077】(2) 前記弾性導電部材はシリコーンゴ
ムにカーボン粒子を分散させてなるものであり、かつ前
記電極は金または白金からなる電極である請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の体内挿入式医療器具用のセン
サ。この構成であると、より生体適合性の高いものとす
ることができる。
【0078】なお、本明細書中において使用した技術用
語を次のように定義する。 (3) 請求項2乃至6のいずれか1項に記載のセンサ
において、前記複数の室のうちの1つまたはいくつかに
前記弾性導電部材を収容し、それ以外の室に計測用機
器、医療行為実施用機器及びセンサ屈曲用機器から選択
される少なくともいずれか1つを収容した体内挿入式医
療器具用の多機能センサ。この構成であると、センサ部
分において複数の行為を行うことができる。
【0079】「ガイドチューブ: 体内挿入式医療器具
を構成する部材であって、体内に挿入される長尺状かつ
フレキシブルなチューブをいう。」
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜6に記
載の発明によれば、器具の先端に加わる圧力を確実にセ
ンシングすることができるばかりでなく、構造が簡単で
あって小型かつ安価な体内挿入式医療器具用のセンサを
提供することができる。しかも、生体に対する適合性の
高いものとすることができる。
【0081】請求項2,3に記載の発明によれば、計測
や医療行為を実施するための機器等をその室内に収容す
ることにより、センサの多機能化を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、X軸、Y軸及びZ軸の
各方向の外力の大きさ・方向を確実に検知することがで
きる。請求項6に記載の発明によれば、弾性導電部材と
の間の絶縁構造が不要になり、その分だけ構成を簡単に
することができる。
【0082】請求項7に記載の発明によれば、上記のよ
うな優れたセンサを効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における血管拡張用カテーテル
用のセンサの弾性絶縁部材を示す概略斜視図。
【図2】前記弾性絶縁部材に弾性導電部材を接着した状
態を示す概略斜視図。
【図3】完成したセンサを示す部分破断概略斜視図。
【図4】(a)は外力が加わっていないとき、(b)は
+X方向から外力が加わっているとき、(c)は−X方
向から外力が加わっているときの弾性変形の様子を示す
概略図。
【図5】(a)は外力が加わっていないとき、(b)は
+Y方向から外力が加わっているとき、(c)は−Y方
向から外力が加わっているときの弾性変形の様子を示す
概略図。
【図6】(a)は外力が加わっていないとき、(b)は
−Z方向から外力が加わっているとき、(c)は+Z方
向から外力が加わっているときの弾性変形の様子を示す
概略図。
【図7】第2の実施形態のセンサの弾性絶縁部材及びキ
ャップを示す概略分解斜視図。
【図8】同じく弾性導電部材を形成するための樹脂を充
填する様子を示す概略斜視図。
【図9】同じく完成したセンサの概略斜視図。
【図10】(a)は別例1のセンサの通常の状態を示す
概略斜視図、(b)は同センサにエアが供給されたとき
の状態を示す概略斜視図、(c)は同センサの断面図。
【図11】別例2のセンサを示す概略斜視図。
【図12】別例3のセンサを示す概略斜視図。
【図13】別例4のセンサを示す概略斜視図。
【図14】別例5のセンサを示す概略斜視図。
【図15】別例6のセンサを示す部分破断概略斜視図。
【符号の説明】
1…体内挿入式医療器具としての血管拡張用カテーテ
ル、3,21,31,41,51,61,71,81…
体内挿入式医療器具用のセンサ、4,32,42,5
2,62,82…弾性絶縁部材、5a,5b,6a,6
b…電極、7,35,43,55,64,65,72,
83…弾性導電部材、8…配線、9…保護層としてのシ
リコーンコート層、10…樹脂片、22…保護層として
のシリコーンゴム製のキャップ、C1 …中心軸線、R1
…室。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】体内挿入式医療器具(1)の先端に取り付
    けられるとともに、その位置においてセンシングを行う
    センサ(3,21,31,41,51,61,71,8
    1)であって、 弾力性を有する樹脂中に導電性物質を分散させてなる弾
    性導電部材(7,35,43,55,64,65,7
    2,83)と、その弾性導電部材(7,35,43,5
    5,64,65,72,83)に接触されるとともに互
    いに離間して配置される複数の電極(5a,5b,6
    a,6b)と、前記各電極(5a,5b,6a,6b)
    が設置される弾性絶縁部材(4,32,42,52,6
    2,82)と、生体適合性材料からなり前記各部材を被
    覆する保護層(9)とを備え、前記電極(5a,5b,
    6a,6b)間の抵抗値(Rx,Ry)の変化に基づい
    て前記弾性導電部材(7,35,43,55,64,6
    5,72,83)及び前記弾性絶縁部材(4,32,4
    2,52,62,82)の変形度合い(Δx,Δy,Δ
    z)が検知されるように構成された体内挿入式医療器具
    用のセンサ。
  2. 【請求項2】前記弾性絶縁部材(4,32,52,6
    2,82)は、センサ内部を中心軸線(C1 )方向に沿
    って複数の室(R1 )に区画しており、前記弾性導電部
    材(7,35,55,64,65,72,83)は前記
    室(R1 )のうちの少なくとも1つの中に収容されてい
    る請求項1に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  3. 【請求項3】前記弾性絶縁部材(4)は、複数枚の樹脂
    片(10)を放射状に配置してなるものである請求項1
    または2に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  4. 【請求項4】前記複数の電極(5a,5b,6a,6
    b)のうち一つの対をなすもの同士(5a−5b,6a
    −6b)は、同じ樹脂片(10)において中心軸線(C
    1 )方向に沿って並ぶように配置されている請求項3に
    記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  5. 【請求項5】複数枚の樹脂片(10)のうちの少なくと
    も2枚は中心軸線(C1 )を基準として互いに90°を
    なし、前記複数の電極(5a,5b,6a,6b)はそ
    れらの樹脂片(10)に一対づつ設置されている請求項
    3に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  6. 【請求項6】前記弾性絶縁部材(4,52,62,7
    2)はインサート成形品であって、前記電極(5a,5
    b,6a,6b)から引き出される配線(8)は前記樹
    脂片(10)の側部外表面から露出しておらず、同電極
    (5a,5b,6a,6b)のみが前記樹脂片(10)
    の外表面から露出している請求項3乃至5のいずれか1
    項に記載の体内挿入式医療器具用のセンサ。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項に記載の体
    内挿入式医療器具(1)用のセンサ(21)を製造する
    方法であって、 あらかじめ前記電極(5a,5b,6a,6b)が設置
    されている前記弾性絶縁部材(4)に後に前記保護層と
    なるシリコーンゴム製のキャップ(22)を嵌着した
    後、同弾性絶縁部材(4)と同キャップ(22)とがな
    す室(R1 )内へ前記弾性導電部材(7)を形成するた
    めの流動状材料を充填しかつ同材料を非流動化させるこ
    とを特徴とした体内挿入式医療器具用のセンサの製造方
    法。
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