JP3765772B2 - ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを使用して溶接する際に発生するスラグ及びヒューム中に含まれる水に可溶性のCrの低減を図ったステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
フラックス入りワイヤは、優れた溶接作業性を有し、高能率であることから、近時、フラックス入りワイヤの使用量が増加している。特に、ステンレス鋼の溶接の場合、フラックス入りワイヤの使用比率は高く、各種母材に合わせた組成のフラックス入りワイヤ及び溶接姿勢に応じたフラックス入りワイヤ等が開発されている。しかしながら、従来のステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを使用して溶接を行った場合に発生するスラグ及びヒューム中には、Crが10質量%以上含まれており、このCrには水に可溶性の所謂6価Crが含有されている。
【0003】
近年、ダイオキシン及びフロンに代表されるような地球環境問題に対する意識の高まりがあり、自動車用鋼板としてCrメッキ鋼板の使用が抑制されている。溶接時に発生するスラグに関しては、廃棄物処理の際に、6価Crが規制されており、溶出試験において、6価Crの量が1.5ppmの基準値以下であることが必要である。また、溶接中に発生するヒューム中の溶出6価Crを低減する技術も提案されている(特開昭52−114447公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この公報に記載された発明においては、ヒューム中の溶出6価Crの値は極小値でも700ppmであり、未だ極めて高い値である。
【0005】
なお、6価Crを含有した固体及び廃液を化学的に処理し、6価Crの溶出を抑制する方法が提案されている(特開平10−113676及び特開平9−248543)が、本来、人体に有害性がある6価Crは、その発生自体を抑制することが重要である。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ステンレス鋼の溶接時に発生するスラグ及びヒューム中に含有される6価Crを低減し、良好な溶接作業性を有するステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤは、金属製外皮中にフラックスを充填してなるステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量比で、
金属製外皮及びフラックスの双方又は一方に含有されるSi源の濃度をSiに換算して[Si]としたとき、[Si]=1.0乃至4.0質量%であり、
金属製外皮及びフラックスの双方又は一方に含有されるTi源の濃度をTiに換算して[Ti]とし、金属製外皮及びフラックスの双方又は一方に含有されるZr源の濃度をZrに換算して[Zr]としたとき、Ti源及びZr源の1種又は2種を
[Si]/([Ti]+[Zr])≧0.8
の含有量で含有し、
金属製外皮及びフラックスの双方又は一方に含有されるCr源の濃度をCrに換算して[Cr]としたとき、[Cr]=16乃至30質量%であり、
フラックス中に含有されるNa源の濃度をNaに換算して[Na]、フラックス中に含有されるK源の濃度をKに換算して[K]としたとき、Na源及びK源の1種又は2種を
([Na]+[K])×[Cr]≦50
の含有量で含有し、
[Ti]及び[Zr]の合計が0.8乃至3.0質量%であり、
[Na]及び[K]の合計が0.03乃至0.15質量%であることを特徴とする。
【0008】
このステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤにおいて、例えば、前記金属製外皮が18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼であることを特徴とする。
【0009】
また前記[Ti]及び[Zr]は夫々0.8乃至3.0質量%であり、前記[Na]及び[K]は夫々0.03乃至0.15質量%であることが好ましい
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明者等がCrを含有するステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤについて調査したところ、スラグとヒュームの双方に6価Crが含有される場合、常にヒューム中のCr含有量の値が、スラグ中のCr含有量の数十乃至数百倍も高いことが明らかになった。従って、ヒューム中の6価Cr量を低減すれば、必然的にスラグ中の6価Cr量も目標レベルまで低減可能となる。また、同一Cr含有量のフラックス入りワイヤにおいて、スラグ組成を検討した結果、一般のルチールタイプといわれるワイヤよりも、シリカが多いタイプの方が溶出6価Cr値は低いことが明らかとなった。そこで、これらの観点より、本発明者等が前記課題を解決すべく、鋭意実験研究を重ねた結果、ワイヤ中のスラグ成分を調整し、Na、K量を低減し、フープ(外皮)中のCr量を高めることにより、スラグ及びヒューム中の溶出6価Crを抑制することができ、良好な溶接作業性を得ることができることを見出した。
【0011】
以下、本発明に係るステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤについて、成分添加理由及び組成限定理由について説明する。なお、以下の説明において、例えば、[Si]と表示したときは、Siに換算したSi源の濃度であり、その他の元素及びその元素の供給源の量についても同様である。
【0012】
▲1▼Si:1.0乃至4.0質量%
溶出Cr量を低減するためには、スラグ及びヒュームを非晶質化(ガラス化)することが重要である。非晶質化を促進すると共に、その添加により溶接作業性を損なわないようにするためには、Si源を添加することが有効である。但し、Si源が1.0質量%未満ではこの効果が得られず、4.0質量%を超えると溶接スラグの剥離性が極端に劣化する。Si源としては、金属外皮中に含有されるSi以外に、フラックス中に含有される金属Si、Fe−Si、珪砂、長石等の化合物がある。
【0013】
▲2▼Ti及びZrの1種又は2種:[Si]/([Ti]+[Zr])≧0.8
Ti及びZrは主に溶接作業性の調整のために添加されるが、この含有量(複合添加の場合は総量)がSiの量よりも多くなると、スラグ及びヒュームのガラス化率が低くなり、溶出Cr量が増加する傾向にある。このため、そのTi及びZrの量(複合添加の場合は総量)をSiの含有量に関連付けて規制する。即ち、ガラス化率を確保し、溶出Cr量を低減するために、([Ti]+[Zr])≦[Si]/0.8とする。但し、Ti及びZrには、溶接時に発生するスラグの被包性を改善し、ビード形状を良好にする作用があり、この効果を得るためには、[Ti]+[Zr]を0.8質量%以上とすることが好ましい。また、[Ti]+[Zr]が3.0質量%を超えると、スラグが硬くなり、スラグ剥離性が劣化する。従って、[Ti]+[Zr]が0.8乃至3.0質量%となるように添加することが好ましい。
【0014】
Ti源としては、金属外皮中に含有されるTi及びフラックス中に含有される金属Ti又はFe−Tiと、ルチール等の酸化物がある。Zr源としては、金属外皮中に含有されるZr及びフラックス中に含有される酸化Zr又はジルコンサンド等の化合物が挙げられる。
【0015】
▲3▼Cr:16乃至30質量%
ステンレス鋼としての必須成分であるCrの含有量が16質量%未満では、溶接中に発生するスラグ及びヒューム中の溶出Cr量は問題にならないレベルである。また、Cr含有量が30質量%を超えて含有される場合には、その作業性の調整が極めて困難であるため、Cr含有量は16乃至30質量%にする。
【0016】
更に好ましくは、金属外皮として、18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼を使用することにより、即ち、ステンレス鋼の溶接に使用するフラックス入りワイヤにおいて、Crの供給源として、フラックスではなく、金属外皮(18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼)とすることにより、溶出Cr量を低減できる。18質量%以上Crを含有するステンレス鋼としては、JIS記載のSUS430、SUS304,SUS304L、SUS309S等が挙げられる。
【0017】
▲4▼Na源及びK源の1種又は2種:([Na]+[K])×[Cr] ≦50
Na及びK量が増加すると、スラグ及びヒューム中の溶出Cr量も増加することが確認され、このため、Na及びKは少ない方が好ましいが、ー方で、これらのNa及びKの添加はアーク安定性の向上に有効である。また、本発明者等は、溶出Cr量とワイヤCr量には相関関係があり、ワイヤ中のCr量が増加するに従い、特にヒューム中の溶出Cr量は指数関数的に増加することを知見した。
【0018】
図1はワイヤ中のCr含有量と溶接時に発生したヒューム及びスラグ中に含まれる水に可溶性のCrの量との関係を示すグラフ図である。溶接条件は下記表5のNo.1である。この図1に示されているように、ワイヤ中のCr量と、スラグ中及びヒューム中の水に可溶性のCr量との間には、相関関係があり、ワイヤ中のCr量が増加するにつれて、スラグ中及びヒューム中の水に可溶性のCr量が指数関数的に増加している。また、ワイヤ中のCr含有量が同一である場合に、水に可溶性のCrはヒューム中に多量に含まれ、ヒューム中にスラグ中の100倍以上含有されている。
【0019】
そこで、本発明者等は、ワイヤ中のCr量並びにワイヤ中のNa及びK量と、ヒューム中の水に可溶性のCr量との間の関係を調査した結果、上式を満足することで、溶出Cr量の低減と作業性の維持を両立できることを見いだした。図2は横軸にワイヤ中のCr量をとり、縦軸にワイヤ中の(Na+K)量をとって、ワイヤ中のCr量及び(Na+K)量と、ヒューム中の水に可溶性のCr量との関係を示すグラフ図である。溶接条件は表5の溶接条件No.1である。図2において、ヒューム中の水に可溶性のCr量が100ppm以下の場合を△で示し、更にヒューム中の水に可溶性のCr量が10ppm以下の場合を○で示し、ヒューム中の水に可溶性のCr量が100ppmを超える場合を×で示すが、この図2に示すように、ワイヤ中のNa+K量をワイヤ中のCr量に応じて低減することにより、ヒューム中の水に可溶性のCr量を100ppm以下(△及び○)にすることができる。この△を結ぶ線分を数式で表すと、([Na]+[K])×[Cr]=50となり、([Na]+[K])×[Cr]が50以下であれば、○又は△になり、ヒューム中の水に可溶性のCr量が100ppm以下になる。よって、本発明においては、ヒューム中の水に可溶性のCr量を100ppm以下にするため、([Na]+[K])×[Cr]≦50とする。
【0020】
しかしながら、Na及びKの含有量を零にすると、アーク安定性が劣化するため、好ましくは、[Na]+[K]が0.03乃至0.15質量%の範囲になるように、Na又はKを添加する。Na源及びK源としては、フラックス中に含有されるこれらのNa及びKのフッ化物又は酸化物及び長石等の化合物がある。
【0021】
図3は横軸に溶接電流をとり、縦軸にヒューム中の水に可溶性のCr量をとって、両者の関係を示すグラフ図である。なお、シールドガスは100%COである。この図3に示すように、溶接電流が250A以上、更には300A以上になると、ヒューム中の水に可溶性のCr量が増大する。よって、溶接電流は、好ましくは、250A以下、更に好ましくは200A以下とする。
【0022】
また、図4は横軸にシールドガス中のArガスの割合(残部がCOガス)をとり、縦軸にヒューム中の水に可溶性のCr量をとって、両者の関係を示すグラフ図である。なお、溶接電流は200Aである。この図4に示すように、シールドガスがCOの場合には、ヒューム中の水に可溶性のCr量は極めて少ないが、シールドガス中のArガスの割合が60%以上、更には80%以上になると、ヒューム中の水に可溶性のCr量が増大する。よって、Arガス及びCOガスからなるシールドガス中のArガスの割合は、好ましくは、80%以下、更に好ましくは60%以下とする。
【0023】
【実施例】
下記表1乃至表3に示す各種フラックス入りワイヤを、下記表4に示す成分組成(単位は質量%)の金属外皮を用いて製造し、下記表5に示す溶接条件で溶接試験を行い、溶出Cr量と溶接作業性を評価した。その結果を下記表6及び表7に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0003765772
【0025】
【表2】
Figure 0003765772
【0026】
【表3】
Figure 0003765772
【0027】
【表4】
Figure 0003765772
【0028】
【表5】
Figure 0003765772
【0029】
【表6】
Figure 0003765772
【0030】
【表7】
Figure 0003765772
【0031】
具体的な試験方法は以下に示すとおりである。
【0032】
[溶接方法及びヒューム・スラグの採取方法]
ヒュームの採取は、JIS Z3930(被覆アーク溶接棒の全ヒューム量測定方法)に準拠した。即ち、被覆アーク溶接棒の全ヒューム量測定方法であるJIS Z3930の方法を改良し、ヒューム量測定装置内に、溶接卜一チ部、試験板及び走行台車を入れて、フラックス入りワイヤにおいてもヒュームを採取できるようにした。この装置を用い、各ワイヤを使用して表5に示す溶接条件にて溶接を行い、発生するヒュームを捕集した。溶接終了後に、ろ紙を取り外し、ヒュームを集めて試験に供した。
【0033】
スラグの採取は、表5の条件にて下向きの肉盛溶接を実施し、2層目以上の溶接ビードから行った。また、採取したスラグは形及び長さが一定ではないため、一旦、めのう乳鉢にて粉砕し、篩い分けした後、0.5〜5.0mmの大きさに揃えてから、試験に供した。
【0034】
(溶出試験方法)
溶出方法は、産業廃棄物に含まれる金属等の検出方法(昭48.2.17環告13号、以降改正アリ)に準拠した。スラグに関しては、具体的には、以下の方法により溶出した。
▲1▼スラグ50gに対して、混合水が合計500ccになるように蒸留水を混合した。
▲2▼▲1▼の液を常温常圧で、振とう機により200回/分で6時間振とうした。
▲3▼▲2▼の液をガラス繊維フィルター(1μm)にてろ過し、溶出検液とした。
【0035】
ヒュームに関しては、発生量が少ないため、採取量を少なくし簡便な方法とした。具体的には、以下の方法により溶出した。
▲1▼ヒューム1gに対して、混合水が合計100ccになるように蒸留水を混合した。
▲2▼▲1▼の液を常温常圧で、5分間振とう後、恒温振とう水槽にて70℃×2時間振とうした。
▲3▼▲2▼の液を静置し、室温まで冷却後、ガラス繊維フィルター(0.45μm)にてろ過し、溶出検液とした。
【0036】
以上のような手順で作成した各溶出検液における6価Cr濃度を、JIS K0102により測定した。但し、ヒュームの測定結果は値を10倍とし、スラグの検液濃度に合わせた。
【0037】
下記表6及び表7に夫々比較例及び実施例の試験結果を示す。表1に示すワイヤNo.9〜No.19は本発明の実施例のワイヤであり、表7に示すように、これらのワイヤを使用した実施例1乃至14においては、いずれも溶出Cr量の低減と溶接作業性の両立を達成できた。
【0038】
但し、ワイヤNo.9のワイヤを高電流で溶接(表5の溶接条件2)した実施例2の場合、又は、ワイヤNo.9のワイヤをAr−20%COシールドで溶接(表5の溶接条件4)した実施例4の場合は、夫々、低電流(表5の溶接条件3)の実施例3の場合、及び100%CO(表5の溶接条件1)の実施例1の場合に比して、ヒューム中の水に可溶性のCr量は若干増加する傾向にあった。
【0039】
また、ワイヤNo.12のワイヤは、ワイヤ中の[Ti]+[Zr]量が少ないために、それを使用した実施例7は、スラグ被包性がやや劣っていた。また、ワイヤNo.13は[Ti]+[Zr]が多いために、それを使用した実施例8はスラグが硬く、スラグ剥離性が若干劣っていた。
【0040】
また、ワイヤNo.18のワイヤは、表4に示すように、外皮No.2の外皮を使用しており、ワイヤ全Cr量に対して金属外皮中のCr量が少ないために、また、ワイヤNo.16のワイヤは、表1に示すように、ワイヤ中のCr量が多い割には、外皮中のCr量が少ない(外皮No.1)ために、これらを使用した実施例11,13は、水に可溶性のCr量が若干増加していた。更に、ワイヤNo.19は[Na]+[K]の量が多いために、それを使用した実施例14は水に可溶性のCr量が若干増加していた。
【0041】
これに対して比較例No.1〜No.8のワイヤは以下に示す問題点がある。比較例No.1はSi含有量が少なく、[Si]/([Ti]+[Zr])比も小さいため、溶出Cr量が抑制されていない。比較例No.2はSi含有量が高すぎるため、溶接スラグの剥離が極端に悪く、実用不可能のレベルであった。比較例No.3及び4は、[Si]/([Ti]+[Zr])比が小さいため、溶出Cr量を抑制できていない。比較例No.5及び6は、[Cr]量に対して[Na]+[K]量が多すぎるため、([Na]+[K])×[Cr]の値が大きすぎ、溶出Crの抑制が不十分であった。比較例No.7は[Na]+[K]量に対して、[Cr]量が多すぎるために、([Na]+[K])×[Cr]の値が大きすぎ、溶出Crの抑制が不十分であった。比較例No.8はCr含有量が高すぎるため、溶出Cr量の抑制と溶接作業性が不十分であった。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ステンレス鋼の溶接時に発生するスラグ及びヒューム中に含有される6価Crを低減し、溶接作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ中のCr含有量と溶接時に発生したヒューム及びスラグ中に含まれる水に可溶性のCr量との関係を示すグラフ図である。
【図2】ワイヤ中のCr含有量とNa+K量がヒューム中の水に可溶性のCr量に及ぼす影響を示すグラフ図である。
【図3】溶接電流がヒューム中の水に可溶性のCr量に及ぼす影響(シールドガス:100%CO)を示すグラフ図である。
【図4】シールドガス中に含まれるArガス量が、ヒューム中の水に可溶性のCr量に及ぼす影響(溶接電流:200A)を示すグラフ図である。

Claims (3)

  1. 金属製外皮中にフラックスを充填してなるステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量比で、
    金属製外皮及びフラックスの双方又は一方に含有されるSi源の濃度をSiに換算して[Si]としたとき、[Si]=1.0乃至4.0質量%であり、
    金属製外皮及びフラックスの双方又は一方に含有されるTi源の濃度をTiに換算して[Ti]とし、金属製外皮及びフラックスの双方又は一方に含有されるZr源の濃度をZrに換算して[Zr]としたとき、Ti源及びZr源の1種又は2種を
    [Si]/([Ti]+[Zr])≧0.8
    の含有量で含有し、
    金属製外皮及びフラックスの双方又は一方に含有されるCr源の濃度をCrに換算して[Cr]としたとき、[Cr]=16乃至30質量%であり、
    フラックス中に含有されるNa源の濃度をNaに換算して[Na]、フラックス中に含有されるK源の濃度をKに換算して[K]としたとき、Na源及びK源の1種又は2種を
    ([Na]+[K])×[Cr]≦50
    の含有量で含有し、
    [Ti]及び[Zr]の合計が0.8乃至3.0質量%であり、
    [Na]及び[K]の合計が0.03乃至0.15質量%であることを特徴とするステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. 前記金属製外皮が18質量%以上のCrを含有するステンレス鋼であることを特徴とする請求項1に記載のステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
  3. 前記[Ti]及び[Zr]は夫々0.8乃至3.0質量%であり、前記[Na]及び[K]は夫々0.03乃至0.15質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
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