JP3765736B2 - パチンコ機の球抜き装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機内のパチンコ球を機外に抜き取る(いわゆる「球抜き」)方法を改善したパチンコ機の球抜き装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パチンコ機は、賞球や貸球(CR機の場合)を排出する際に球排出装置を動作させて、パチンコ機背面上部の球貯溜タンクから供給されるパチンコ球を所定数ずつパチンコ機前面下部の球皿に排出する。通常は、球排出装置に供給するパチンコ球を機内に貯えた状態で使用されるため、機台交換時や保守点検時等には、機内からパチンコ球を球抜きする必要がある。このため、従来の一般的なパチンコ機は、球皿に通じる球流下路以外に、機外に通じる球抜き用流下路を設け、球抜き時に流路切換え機構によりパチンコ球の流路を球抜き用流下路に切り換えて、機内に貯えられたパチンコ球を球抜きするようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、球抜き用流下路や流路切換え機構を設けることは、パチンコ球の通路構成が複雑化すると共に、その設置スペースを広くとる必要がある。このため、組付性が悪くなると共に、他の部品の配置スペースが制限されて、設計の自由度が制限されてしまい、近年のパチンコ機の多機能化に伴う部品点数の増加やセンター役物の大型化に対応しにくくなってしまう。特に、最近、提案されている賞球用流下路と貸球用流下路とを別々に設けたパチンコ機では、上記の欠点が一層強くなる。
【0004】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、簡素な通路構成で球抜きすることができ、組付性向上及び設計の自由度増大を実現できるパチンコ機の球抜き装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のパチンコ機の球抜き装置は、球貯溜タンクから供給されるパチンコ球を球排出装置により賞球又は貸球としてパチンコ機前面下部の球皿に排出するパチンコ機において、球抜き制御手段により球排出装置を連続的に動作させて球貯溜タンクから球排出装置までの球供給路内のパチンコ球を球皿に排出して球抜きする構成としたものである。
【0006】
この構成では、球抜きを行う場合、賞球又は貸球を球皿に排出する球流下路を球抜き用流下路として兼用して、球排出装置を連続的に動作させて機内に貯えられたパチンコ球を球皿に排出することで、球抜きを行う。このため、球抜き用流下路や流路切換え機構を省略することができ、簡素な通路構成で球抜きすることができる。
【0007】
この場合、パチンコ機の前面で球抜き操作可能であると、不正な球抜き操作が行われる可能性があるため、請求項2のように、球抜き制御手段を操作する球抜き操作部を、パチンコ機前面から操作できない位置に配置すると良い。つまり、パチンコ機の内部や裏面等、ホール従業員でしか操作できないような位置に球抜き操作部を配置すれば、遊技者等によって不正な球抜き操作が行われることを防止できる。
【0008】
更に、請求項3のように、球抜き操作部をプッシュボタンで構成し、プッシュボタンが特定の操作パターンで操作されたときに球排出装置を連続的に動作させて球抜きするようにすると良い。このようにすれば、プッシュボタンが特定の操作パターンで操作されたときのみに球排出装置が球抜動作するようになるので、不正な球抜きに対する防犯効果を更に高めることができる。
【0009】
ここで、特定の操作パターンは、種々のパターンが考えられるが、請求項4のように、特定の操作パターンは、プッシュボタンが所定時間以上押し続けられる操作パターンとしても良い。この場合、プッシュボタンを所定時間以上押し続けたときのみに球排出装置が球抜動作する。
【0010】
また、請求項5のように、球抜き制御手段をホールコンピュータに接続し、ホールコンピュータから球抜き制御手段に球抜き禁止信号が入力されている時に、球排出装置の球抜き動作が禁止されるようにすると良い。例えば、球抜きする必要がある時(機台交換時や保守点検時等)以外は、ホールコンピュータによって球排出装置の球抜き動作を禁止しておけば、万一、不正な球抜き操作が行われたとしても、球排出装置が球抜き動作しないため、不正な球抜きを防止できる。また、パチンコ店の従業員が遊技中のパチンコ機のトラブル発生時等に間違って球抜き操作してしまったとしても、球抜きされないため、従業員による球抜き操作のミスも防止できる。
【0011】
また、請求項6のように、遊技可能な期間に球排出装置の球抜き動作を禁止する球抜き禁止手段を設けるようにしても良い。このようにすれば、球皿内に賞球や貸球が排出される可能性がある遊技可能な期間に球抜きを禁止することができ、遊技者等による不正な球抜きやパチンコ店の従業員による球抜き操作のミスを防止できる。
【0012】
この場合、請求項7のように、球抜き禁止手段を、遊技可能な期間に球抜き制御手段ヘの電源供給を遮断する電源スイッチにより構成すると良い。このようにすれば、電源スイッチをオフして球抜き制御手段ヘの電源供給を遮断するという極めて簡単な方法で、球抜きを禁止することができる。
【0013】
ところで、通常は、機内のパチンコ球残留量が球皿のパチンコ球貯溜量よりも多いため、球抜きの途中で球皿内が満杯になる。この後も、パチンコ球の排出を続けると、球排出装置と球皿をつなぐ球流下路がパチンコ球で満杯になって、球排出装置の排出口にパチンコ球が詰まってしまうおそれがあり、この状態で、球排出装置が無理に球抜き動作(排出動作)を続けると、球排出装置が故障してしまうおそれがある。
【0014】
この対策として、請求項8のように、球皿側のパチンコ球の貯溜量が満杯であることを検出する満杯検出手段を設け、この満杯検出手段が球皿側のパチンコ球の貯溜量が満杯であることを検出したときに球排出装置の球抜き動作を中断するようにすると良い。このようにすれば、球抜き中に、球皿側のパチンコ球の貯溜量が満杯になると、球排出装置の球抜き動作(排出動作)が中断されるため、球流下路がパチンコ球で詰まることが防止され、球排出装置の排出口にパチンコ球が詰まった状態で球排出装置が無理に球抜き動作(排出動作)を続けることがなくなり、球排出装置の故障を未然に防止することができる。
【0015】
また、球皿を取り付けた前板を開閉可能に取り付けたパチンコ機の場合、前板が前方に開放されているときに球抜きを行うと、パチンコ球が球皿外にこぼれ落ちてしまうため、請求項9のように、前板の開閉を検出する前板開閉検出手段を設け、前板開閉検出手段が前板の開放を検出している間は球排出装置の球抜き動作を中断するようにすると良い。このようにすれば、前板の開放時に、球抜き動作が停止されるため、パチンコ球が球皿外にこぼれ落ちてしまうことを未然に防止できる。
【0016】
更に、請求項10のように、球排出装置の球抜き動作中に報知手段に報知信号を出力するようにしても良い。つまり、球排出装置の球抜き動作中は、その旨が報知手段で報知されるため、万一、不正な球抜きが行われた時に、それを早期に発見することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてパチンコ機11の裏面側の概略構成を説明する。パチンコ機11の裏面上部には、パチンコ球を貯溜する球貯溜タンク12が設けられ、この球貯溜タンク12には、そこから流れ出るパチンコ球を整列状態で流下させるタンクレール13が接続されている。このタンクレール13の下端には、球供給路14が設けられ、その球供給路14の下端に球排出装置15が設けられている。この球排出装置15から排出されるパチンコ球は、球流下路16を通ってパチンコ機11前面側に配置された上球皿29(図3参照)に排出される。また、球流下路16には、パチンコ球の通過を検出する球通過センサ38やパチンコ球貯留量が満杯か否かを検出する満杯検出スイッチ17(満杯検出手段)が設けられている。
【0018】
球排出装置15の下方には制御基板20が設けられている。この制御基板20には、球排出装置15の通常の排出動作(賞球や貸球の排出動作)を制御する払出制御回路18と、球排出装置15の球抜き動作を制御する球抜き制御回路19(球抜き制御手段)とが設けられている。更に、この制御基板20には、球抜き制御回路19を操作するためのプッシュボタン35(球抜き操作部)を有する球抜きスイッチ21が実装されている。プッシュボタン35は、パチンコ機11の前面から操作できない位置、例えばパチンコ機11の裏面側に配置されている。また、パチンコ機11の裏面側には、入賞球を集める集合樋22が設けられ、この集合樋22の下流部に、入賞球(証拠球)の通過を検出する入賞球センサ23が設けられている。
【0019】
更に、パチンコ機11の裏面上部には、外部供給電源24(図2参照)と接続された端子基板25が設けられ、この端子基板25に、外部供給電源24からの電源供給先を切り換える電源切換スイッチ26(電源スイッチ)が実装されている。この電源切換スイッチ26は、図2(a)に示す通常位置と図2(b)に示す球抜き位置とを選択的に切り換えるようになっている。図2(a)の通常位置では、遊技盤28側の電気回路を制御する遊技制御回路27と払出制御回路18に外部供給電源24から電源を供給し、球抜き制御回路19への電源供給を遮断する。一方、図2(b)の球抜き位置では、遊技制御回路27と払出制御回路18ヘの電源供給を遮断し、球抜き制御回路19に外部供給電源24から電源を供給する。この電源切換スイッチ26が特許請求の範囲でいう球抜き禁止手段として機能する。
【0020】
球抜き制御回路19には、操作信号を入力する球抜きスイッチ21が設けられている。電源切換スイッチ26が図2(b)の球抜き位置に切り換えられている時には、球抜き制御回路19に外部供給電源24から電源が供給され、球抜きスイッチ21のプッシュボタン35(図1参照)を特定の操作パターン(例えば所定時間以上押し続けたり、所定回数連続して押し操作すること等)で操作すると、球抜き制御回路19は、球抜きスイッチ21からの特定の操作パターンの操作信号に基づいて球抜き操作が行われたと判断して、球排出装置15を連続的に動作させて球抜きする。その後、電源切換スイッチ26を図2(a)の通常位置に切り換えると、球抜き制御回路19ヘの電源供給が遮断され、球抜き禁止状態となる。尚、球抜き制御回路19は端子基板25を介してホールコンピュータ(図示せず)に接続されている。
【0021】
一方、図3に示すように、パチンコ機11の前面側には、遊技盤28の下方に上球皿29、下球皿30や球発射装置(図示せず)の操作ハンドル31が設けられている。球排出装置15から排出されるパチンコ球で上球皿29内が満杯になったときに、後続のパチンコ球を下球皿30内にオーバーフローさせ、更に、上球皿29及び下球皿30が満杯になって前記満杯検出スイッチ17の検出位置までパチンコ球が溜まると、満杯検出スイッチ17の出力がオン状態となる。尚、満杯検出スイッチ17は下球皿30内に設けるようにしても良い。
【0022】
また、上球皿29が取り付けられている前板32は、パチンコ機11の本体枠33に対して開閉可能に取り付けられている。そして、本体枠33の内側部には、前板32の開閉によってオン/オフされる前板開閉検出スイッチ34(前板開閉検出手段)が設けられている(図4参照)。パチンコ機11の上方部には、球排出装置15の球抜き動作を報知する球抜き報知手段として球抜き報知ランプ(図示せず)が設けられている。
【0023】
以上のように構成したパチンコ機11では、営業中は、ホールコンピュータから球抜き制御回路19に、球排出装置15の球抜き動作を禁止する球抜き禁止信号が入力される。更に、営業中は、電源切換スイッチ26を図2(a)の通常位置に切り換えて、遊技制御回路27と払出制御回路18に外部供給電源24から電源を供給して遊技可能な状態にすると共に、球抜き制御回路19ヘの電源供給を遮断して球抜き禁止状態にする。この状態では、払出制御回路18は、球排出装置15の動作を次のように制御する。
【0024】
遊技中に、パチンコ球が入賞装置(図示せず)に入賞すると、入賞球センサ23から出力される入賞球検出信号に基づいて、球排出装置15を駆動して、入賞価値に応じた所定数のパチンコ球(賞球)を排出する。排出された賞球は球流下路16を通って上球皿29内へ流下する。
【0025】
また、球貸し機能を備えた「CR機」の場合は、パチンコ機11の前面のカードユニット(図示せず)に球貸し用の磁気カードが挿入されて球貸し信号が入力されると、球排出装置15を駆動して、支払い代価に応じた所定数のパチンコ球(貸球)を排出する。排出された貸球は球流下路16を通って上球皿29内へ流下する。
【0026】
更に、前述したように、電源切換スイッチ26を図2(a)の通常位置に切り換えた状態では、球抜き制御回路19ヘの電源供給が遮断されているため、球抜きスイッチ21のプッシュボタン35を特定の操作パターンで操作しても、球抜き制御回路19が作動せず、球排出装置15は球抜き動作しない。
【0027】
一方、機台交換時や保守点検時等、機内からパチンコ球を球抜きする必要がある時は、ホールコンピュータから球抜き制御回路19に球抜き許可信号を入力すると共に、従業員が電源切換スイッチ26を図2(b)の球抜き位置に切り換えて、遊技制御回路27と払出制御回路18ヘの電源供給を遮断して遊技不能状態にすると共に、球抜き制御回路19に外部供給電源24から電源を供給する。この状態では、球抜き制御回路19は、球排出装置15の動作を次のように制御する。
【0028】
球抜き制御回路19は、球抜きスイッチ21から入力される操作信号を監視し、特定の操作パターンの操作信号が入力されると、球抜き操作が行われたと判断して、球排出装置15を連続的に排出動作(球抜き動作)させて、球貯溜タンク12から球排出装置15までの球供給路14内のパチンコ球を、賞球や貸球が流下するのと同じ球流下路16を通して上球皿29内へ排出して球抜きする。この球抜き中に、上球皿29が球抜きしたパチンコ球で満杯になると、後続のパチンコ球はオーバーフローして下球皿30内に流れ込む。
【0029】
球排出装置15が球抜き動作している期間中は、パチンコ機11の上方部の球抜き報知ランプに報知信号を出力して球抜き報知ランプを点灯又は点滅させる。これにより、球抜き中であることを、パチンコ店の従業員に報知する。また、球排出装置15が球抜き動作している期間中に、報知信号をホールコンピュータに送信して、ホールコンピュータにより球抜き情報を報知するようにしても良い。この場合、ホールコンピュータが報知手段として機能する。
【0030】
球抜き中に、上球皿29及び下球皿30が満杯になって満杯検出スイッチ17がオン状態に切り換わると、球抜き制御回路19は、球排出装置15の球抜き動作を中断する。これにより、球抜き中に、球流下路16がパチンコ球で詰まることを防止できるため、球排出装置15の排出口にパチンコ球が詰まった状態で球排出装置15が無理に球抜き動作を続けることがなくなり、球排出装置15の故障の発生を未然に防止することができる。その後、球皿29,30内のパチンコ球が回収されて、満杯検出スイッチ17がオフ状態に切り換わると、球排出装置15の球抜き動作を再開させ、機内の残りのパチンコ球を球抜きする。
【0031】
また、球抜き中に、前板32が開放されて、前板開閉検出スイッチ34がオン状態に切り換わると、球抜き制御回路19は、球排出装置15の球抜き動作を中断する。これにより、前板32の開放された時に、球抜きしたパチンコ球が球皿29,30外にこぼれ落ちてしまうことを未然に防止できる。その後、前板32が閉鎖されて前板開閉検出スイッチ34がオフ状態に切り換わると、球排出装置15の球抜き動作を再開させ、機内の残りのパチンコ球を球抜きする。
【0032】
尚、球排出装置15の球抜き動作前から、満杯検出スイッチ17又は前板開閉検出スイッチ34がオン状態のときには、球抜きスイッチ21のプッシュボタン35を特定の操作パターンで操作しても、球排出装置15の球抜き動作を開始しない。
【0033】
球排出装置15の球抜き動作中に、球通過センサ38により、パチンコ球の通過が検出されない時間が所定時間以上となったときに、機内のパチンコ球が全て球抜きされたと判断して、球排出装置15の球抜き動作を終了する。
【0034】
また、営業中に、万一、不正に電源切換スイッチ26を図2(b)の球抜き位置に切り換えて、球抜きスイッチ21のプッシュボタン35を特定の操作パターンで操作したとしても、ホールコンピュータから球抜き制御回路19に球抜き禁止信号が入力されているため、球排出装置15は球抜き動作しない。
【0035】
以上説明した実施形態によれば、賞球又は貸球を上球皿29に排出する球流下路16を球抜き用流下路として兼用して、球排出装置15を連続的に排出動作させて機内に貯えられたパチンコ球を上球皿29に排出することで、球抜きを行うようにしている。このため、球抜き用流下路や流路切換え機構を省略して、パチンコ球の通路構成を簡素化することができ、組付性を向上できると共に、設計の自由度を増大することができ、近年のパチンコ機の多機能化に伴う部品点数の増加やセンター役物の大型化に対応することができる。
【0036】
尚、賞球用流下路と貸球用流下路を別々に設けたパチンコ機の場合は、賞球用流下路と貸球用流下路の両方又はいずれか一方を球抜き用流下路として兼用すれば良い。
【0037】
更に、本実施形態では、球排出装置15を球抜き動作させるためのプッシュボタン35を、パチンコ機11裏面の制御基板20に配置したので、ホール従業員でしかプッシュボタン35を操作することができず、遊技者によって不正な球抜き操作が行われることを防止することができる。尚、プッシュボタン35の配置位置は、制御基板20に限定されず、パチンコ機11の内部や裏面等、ホール従業員でしか操作できないような位置に配置すれば良い。
【0038】
しかも、本実施形態では、プッシュボタン35を特定の操作パターン(所定時間以上押し続けたり、所定回数連続して押し操作すること等)で操作したときに球抜き操作が行われたと判断して、球排出装置15を連続的に動作させるようにしたので、プッシュボタン35を特定の操作パターンで操作したときのみしか球排出装置15が球抜動作しなくなり、不正な球抜きに対する防犯効果を更に高めることができる。
【0039】
また、本実施形態では、営業中は、電源切換スイッチ26を通常位置に切り換えて球抜き制御回路19ヘの電源供給を遮断するので、万一、球抜きスイッチ21が不正に操作されたたとしても、球排出装置15が球抜き動作せず、不正な球抜きを防止できる。また、パチンコ店の従業員が遊技中のパチンコ機11のトラブル発生時等に間違って球抜きスイッチ21を操作してしまったとしても、球抜きされないため、従業員による球抜き操作のミスも防止できる。
【0040】
更に、本実施形態では、球抜きを行わないときには、ホールコンピュータから球抜き制御回路19に球抜き禁止信号が入力されているため、万一、不正に電源切換スイッチ26を球抜き位置に切り換えて、球抜きスイッチ21のプッシュボタン35を特定の操作パターンで操作したとしても、球排出装置15が球抜き動作せず、不正な球抜きを確実に防止できる。
【0041】
但し、球抜き動作を禁止する方法は、ホールコンピュータから球抜き制御回路19への球抜き信号の入力と、電源切換スイッチ26による球抜き制御回路19ヘの電源供給の遮断のどちらか一方のみにしても良い。
【0042】
また、上記実施形態では、1つの電源切換スイッチ26で遊技制御回路27と払出制御回路18ヘの電源供給と、球抜き制御回路19ヘの電源供給を選択的に切り換えるようにすることで、遊技可能な期間(遊技制御回路27と払出制御回路18に電源供給されている期間)は、必ず、球抜き制御回路19ヘの電源供給を遮断できるようにしたが、球抜き制御回路19ヘの電源を供給/遮断する電源スイッチを専用に設けるようにしても良い。
【0043】
また、上記実施形態では、上下の2つの球皿29,30を有するパチンコ機11に本発明を適用したが、例えば大型化された球皿を1つのみ有するパチンコ機に本発明を適用しても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1のパチンコ機の球抜き装置によれば、賞球又は貸球を球皿に排出する球流下路を球抜き用流下路として兼用して、球排出装置を連続的に動作させて機内のパチンコ球を球皿に排出することで球抜きするようにしたので、簡素な通路構成で球抜きすることができ、組付性向上及び設計の自由度増大を実現することができる。
【0045】
また、請求項2では、球抜き操作部を、パチンコ機の内部や裏面等、パチンコ機前面から操作できない位置に配置するようにしたので、遊技者等によって不正な球抜き操作が行われることを防止することができる。
【0046】
更に、請求項3では、球抜き操作部をプッシュボタンで構成し、プッシュボタンが特定の操作パターンで操作されたときに球排出装置を連続的に動作させて球抜きするようにしたので、不正な球抜きに対する防犯効果を更に高めることができる。
【0047】
また、請求項4では、特定の操作パターンを、プッシュボタンが所定時間以上押し続けられる操作パターンとしたので、プッシュボタンを所定時間以上押し続けたときのみに球排出装置が球抜き動作する。
【0048】
更に、請求項5では、ホールコンピュータから球抜き禁止信号が入力されている時には球排出装置の球抜き動作が禁止されるようにしたので、球抜きする必要がある時(機台交換時や保守点検時等)以外は、ホールコンピュータによって球排出装置の球抜き動作を禁止しておけば、遊技者等による不正な球抜きやパチンコ店の従業員による球抜き操作のミスを防止できる。
【0049】
また、請求項6では、遊技可能な期間に球排出装置の球抜き動作を禁止する球抜き禁止手段を設けるようにしたので、上記請求項5と同じく、遊技者等による不正な球抜きやパチンコ店の従業員による球抜き操作のミスを防止できる。
【0050】
更に、請求項7では、球抜き禁止手段を遊技可能な期間に球抜き制御手段ヘの電源供給を遮断する電源スイッチで構成するようにしたので、電源スイッチをオフして球抜き制御手段ヘの電源供給を遮断するという極めて簡単な方法で、球排出装置の球抜き動作を禁止することができる。
【0051】
また、請求項8では、満杯検出手段が球皿側のパチンコ球の貯溜量が満杯であることを検出したときに球排出装置の球抜き動作を中断するようにしたので、球流下路がパチンコ球で詰まることを防止して、球排出装置の故障を未然に防止することができる。
【0052】
更に、請求項9では、前板開閉検出手段が前板の開放を検出している間は球排出装置の球抜き動作を中断するようにしたので、前板の開放時に、球抜きしたパチンコ球が球皿外にこぼれ落ちてしまうことを未然に防止できる。
【0053】
一方、請求項10では、球排出装置の球抜き動作中に報知手段に報知信号を出力して、球抜き動作中である旨を報知するようにしたので、不正な球抜きが行われたときに、それを早期に発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すパチンコ機の裏面図
【図2】(a)は電源切換スイッチを通常位置に切り換えたときのブロック図、(b)は電源切換スイッチを球抜き位置に切り換えたときのブロック図
【図3】パチンコ機の正面図
【図4】前板開閉検出スイッチ及びその周辺部の斜視図
【符号の説明】
11…パチンコ機、12…球貯留タンク、14…球供給路、15…球排出装置、16…球流下路、17…満杯検出スイッチ(満杯検出手段)、18…払出制御回路、19…球抜き制御回路(球抜き制御手段)、20…制御基板、21…球抜きスイッチ、26…電源切換スイッチ(球抜き禁止手段,電源スイッチ)、29…上球皿、30…下球皿、32…前板、34…前板開閉検出スイッチ(前板開閉検出手段)、35…プッシュボタン(球抜き操作部)。

Claims (10)

  1. 球貯溜タンクから供給されるパチンコ球を球排出装置により賞球又は貸球としてパチンコ機前面下部の球皿に排出するパチンコ機において、
    前記球排出装置を連続的に動作させて前記球貯溜タンクから前記球排出装置までの球供給路内のパチンコ球を前記球皿に排出して球抜きする球抜き制御手段を備えていることを特徴とするパチンコ機の球抜き装置。
  2. 前記球抜き制御手段を操作する球抜き操作部は、パチンコ機前面から操作できない位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機の球抜き装置。
  3. 前記球抜き操作部はプッシュボタンで構成され、
    前記球抜き制御手段は、前記プッシュボタンが特定の操作パターンで操作されたときに前記球排出装置を連続的に動作させて球抜きすることを特徴とする請求項2に記載のパチンコ機の球抜き装置。
  4. 前記特定の操作パターンは、前記プッシュボタンが所定時間以上押し続けられる操作パターンであることを特徴とする請求項3に記載のパチンコ機の球抜き装置。
  5. 前記球抜き制御手段はホールコンピュータに接続され、このホールコンピュータから前記球抜き制御手段に球抜き禁止信号が入力されている時には前記球排出装置の球抜き動作が禁止されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパチンコ機の球抜き装置。
  6. 遊技可能な期間に前記球排出装置の球抜き動作を禁止する球抜き禁止手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のパチンコ機の球抜き装置。
  7. 前記球抜き禁止手段は、遊技可能な期間に前記球抜き制御手段ヘの電源供給を遮断する電源スイッチにより構成されていることを特徴とする請求項6に記載のパチンコ機の球抜き装置。
  8. 前記球皿側のパチンコ球の貯溜量が満杯であることを検出する満杯検出手段を備え、
    前記球抜き制御手段は、前記満杯検出手段が前記球皿側のパチンコ球の貯溜量が満杯であることを検出したときに前記球排出装置の球抜き動作を中断することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のパチンコ機の球抜き装置。
  9. パチンコ機前面下部に前記球皿を取り付けた前板を開閉可能に取り付けると共に、前記前板の開閉を検出する前板開閉検出手段を設け、
    前記球抜き制御手段は、前記前板開閉検出手段が前記前板の開放を検出している期間は前記球排出装置の球抜き動作を中断することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のパチンコ機の球抜き装置。
  10. 前記球抜き制御手段は、前記球排出装置の球抜き動作中に報知手段に報知信号を出力することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のパチンコ機の球抜き装置。
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