JP3764122B2 - コーヒー濃縮液の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コーヒー濃縮液の製造方法、特に製造・保存時の濁りの堆積防止を目的とするコーヒー濃縮液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
輸入エキスを主体とする濃縮エキスから濃縮コーヒーを製造する際に、液性として特に沈殿と濁りが問題となる。輸入エキスには、もともと沈殿や濁りが多く、沈殿や濁りの成分として、物理的に除去し易い大きな粒子から除去し難い微細粒子まで存在する。
【0003】
従来より、沈殿や濁りを物理的に除去する方法として、遠心分離が利用されている。しかし、この方法では、微細粒子は除去し難く、完全には除去できない。
【0004】
特開平5−304891号公報では、コーヒー液を所定期間凍結静置し、濁り成分を除去してコーヒー液の清澄化を試みている。この方法では、静置期間が長くかかり、生産性の観点から問題がある。また、特開平1−196257号公報では、コーヒー液にサイクロデキストリンや水溶性のカゼインを添加することで濁りや沈殿を防止しているが、濁りの堆積は防止されていない。さらに、特開平2−222647号公報においては、コーヒー抽出液に重炭酸ナトリウムを添加して濁りの発生を防止しているが、アルカリ剤のみの添加では濁りの堆積防止には十分な効果を発揮できない。
【0005】
したがって、これまでのところ、コーヒー濃縮液の濁りの堆積防止技術は確立されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、保存の際に濁りの堆積のない安定なコーヒー濃縮液の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、濁りの堆積防止について鋭意検討したところ、以下のような方法で上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明のコーヒー濃縮液の製造方法は、濃縮したコーヒー原料液にガラクトマンナン分解酵素を添加し、アルカリ剤および安定剤を加えた後、超音波処理するコーヒー濃縮液の製造方法において、前記ガラクトマンナン分解酵素の添加量がコーヒー固形分に対して0.1〜0.3重量%であると共に、前記安定剤がセルロースである場合の添加量がコーヒー固形分に対して2.0重量%以上かつ5.0重量%未満であり、前記安定剤がショ糖脂肪酸エステルである場合の添加量がコーヒー固形分に対して4.0〜5.0重量%であることを特徴とする。
【0009】
前記ガラクトマンナン分解酵素がアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のマンナナーゼであり、当該酵素の添加量がコーヒー固形分1gに対して1〜50unitsであることが好ましい。
【0010】
前記アルカリ剤が水酸化カリウムまたは炭酸水素ナトリウムであり、当該アルカリ剤の添加量がコーヒー固形分に対して0.01〜5.0重量%であることが好ましい。
【0012】
[作用効果]
本発明のコーヒー濃縮液の製造方法によると、濁り防止に有効なガラクトマンナン分解酵素、アルカリ剤および安定剤を添加し、さらに超音波処理することにより、濃縮コーヒー液の濁りの堆積を長期間有効に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のコーヒー濃縮液の製造方法について、詳細に説明する。
【0014】
本発明のコーヒー濃縮液の製造方法に用いられる濃縮したコーヒー原料液は、通常25〜45重量%程度のコーヒー固形分を有するものであれば特に制限されるものではない。例えば、コーヒー抽出液を公知の方法により濃縮したもの、濃縮したコーヒー液を冷蔵もしくは冷凍保存しておいたもの、粉末コーヒーを所定の濃度に溶解したもの、またはこれらの混合物などが挙げられる。
【0015】
ここで、コーヒー固形分とは、デジタル屈折計により測定した値をいう。
【0016】
本発明のコーヒー濃縮液の製造方法においては、前記コーヒー原料液に存在する沈殿物や濁りを除去するために、遠心分離の前処理をすることが好ましい。遠心分離の条件は、特に制限されるものではないが、通常、5000〜8000rpm程度である。
【0017】
まず、前記コーヒー原料液または遠心分離した原料液に、ガラクトマンナン分解酵素を添加する。
【0018】
前記ガラクトマンナン分解酵素は、ガラクトマンナンを分解し、かつ食品製造に使用される酵素であれば特に制限されるものではないが、ガラクトマンナンに対する特異性が高いアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のマンナナーゼであって、力価は10000units/g以上であることが好ましい。
【0019】
前記マンナナーゼの力価(ガラクトマンナン糖化力)は、ローカストビーンガム(pH5.0)を基質とし、40℃、1分間に1μmoleのマンノースに相当する還元力の増加をもたらす酵素量を1unitとする。
【0020】
前記アスペルギルス・ニガー由来のマンナナーゼを用いた場合、この酵素の添加量は、ガラクトマンナンの分解を必要かつ十分に行うためには前記固形分1gに対して1〜50unitsが好ましく、10〜30unitsがより好ましい。
【0021】
なかでも、前記ガラクトマンナン分解酵素は、セルロシンGM5(商品名、阪急バイオインダストリー製、Aspergillus niger 由来、10000units/g)がより好ましい。この酵素の添加量は、ガラクトマンナンの分解を必要かつ十分に行うためにはコーヒー液の固形分あたり0.1〜0.3重量%とする。
【0022】
酵素反応条件としては、使用する酵素に応じて適する条件下で行えばよいが、反応温度は通常30℃〜75℃、好ましくは40℃〜65℃、反応時間は1時間程度である。
【0023】
酵素反応後、コーヒー原料液にアルカリ剤を加える。本発明において使用されるアルカリ剤は、濃縮コーヒー液の酸化を防止して濁りの堆積を防止するものであり、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム等の弱アルカリ性塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ塩等が挙げられるが、風味の点から炭酸水素ナトリウムまたは水酸化カリウムが好ましい。
【0024】
本発明における「濁りの堆積」とは、保存中に底面に堆積した微細粒子の蓄積をいい、濃縮コーヒー液をメスシリンダーに入れて目視観察することにより測定する。
【0025】
アルカリ剤の添加量は、コーヒー固形分に対して0.1〜5.0重量%が好ましく、0.5〜3.0重量%がより好ましい。
【0026】
次に、コーヒー原料液に安定剤を加える。安定剤としては、セルロース、またはショ糖脂肪酸エステルを用いる。なかでも、低粘性で、コーヒー濃縮液の粘度を増加させないためにはセルロースが好ましい。セルロースとしては、平均粒子径の小さい結晶セルロースが好ましく、セルロース単体よりは結晶セルロースに天然ゴムやカルボキシメチルセルロースナトリウムを配合したものがより好ましく、セオラスSC−900(商品名、旭化成製)、アビセルRC(商品名、旭化成製)等が例示される。これらの安定剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
前記安定剤の添加量は、コーヒーの濁り成分の堆積を防止しうる量以上で、かつ用いる安定剤につき食品中に許容されうる限度量以下であるように設定する。例えば、セルロースの場合、コーヒー固形分あたり2.0重量%以上かつ5.0重量%未満添加する。また、ショ糖脂肪酸エステルの場合、コーヒー固形分あたり4.0〜5.0重量%添加する。
【0028】
本発明において、コーヒー原料液にガラクトマンナン分解酵素、アルカリ剤および安定剤を添加した後、超音波処理を行う。
【0029】
超音波処理は、コーヒー原料液の濁りの堆積を防止し、前記酵素反応を促進し、かつ、アルカリ剤の溶解性や安定剤の溶解・分散性を高めるために行う。本発明においては、超音波処理、酵素処理、アルカリ剤の添加および安定剤の添加の相乗作用により、得られるコーヒー濃縮液の濁りの堆積防止を長期間にわたって防止することができる。
【0030】
超音波処理の条件は、市販の超音波発生装置を使用して、常法により行えばよく、特に限定されるものではないが、コーヒー濃縮液の濁りの堆積を有効に防止するためには、90〜350Wの出力で、35〜100kHzの周波数で15〜60分行うことが好ましく、100〜200Wの出力で、40〜80kHzの周波数で30〜40分行うことがより好ましい。
【0031】
超音波処理終了後、コーヒー液を85〜130℃で60分〜30秒間加熱することにより、酵素の失活と殺菌を行い、適宜香料を添加し、最終製品の濃縮コーヒー液を得る。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
[コーヒー固形分の濃度]
コーヒー固形分の濃度は、デジタル屈折計(RX−5000、アタゴ製)にて測定した。
【0034】
[ガスクロマトグラフィーによる香気量の測定]
実施例および比較例において、測定試料液10mlを、22mlのバイアル瓶に採取し、密栓した。密栓したバイアル瓶を、Tekmar社製ガスクロマトグラフィー用オートサンプラにて80℃で20分間加温した後サンプリングし、ガスクロマトグラフィーで分析した。香気量の値は、得られたピーク面積値を算出して求めた。
【0035】
測定条件
測定装置:日立製ガスクロマトグラフィーG−3000
カラム:ジーエルサイエンス(株)製TC−WAX 0.53mm×30m
キャリヤーガス:ヘリウム
キャリヤーガス流量:1ml/分
カラム温度:40℃(5分)→220℃(5℃/分で昇温)
検出器:FID。
【0036】
[試験例1]
固形濃度30重量%のコーヒー原料液を8000rpmで遠心分離し、分離液にガラクトマンナン分解酵素(セルロシンGM5、阪急バイオインダストリー製、Aspergillus niger 由来、10000units/g)をコーヒー固形分に対して0.1重量%添加し、40℃で1時間反応させた。その後、水酸化カリウムをコーヒー固形分に対して1.0重量%添加した。
【0037】
次に、前記コーヒー液を、30分間撹拌し、または超音波振動装置(ブランソニック 2510J−MTH)にて、出力125W、周波数42kHzで30分間処理した。その後、90℃で10分間加熱して酵素を失活させた。
【0038】
酵素失活後のコーヒー液を、400メッシュフィルターにて濾過し、冷却し、香料を添加した。得られたコーヒー濃縮液を5℃で4〜7日間メスシリンダー中に静置し、濁りの堆積を目視により測定し、濃縮液100mlに対して、底面に蓄積した濁り量(ml)を濁り堆積率(%)として示した。また、超音波処理後の上澄み液の濁りの有無についても、目視により観察した。
【0039】
【表1】
表1より、アルカリ剤添加よりも酵素処理の方が濁り堆積率が減少し、両者を組み合わせた方がその効果が高いことがわかる。また、撹拌処理よりも超音波処理の方が、濁り堆積率を減少させることがわかる。また、超音波処理単独あるいは超音波処理とアルカリ剤添加の場合、上澄み液部に浮遊した濁りが多く存在する。この浮遊した濁りは、いずれ沈降して堆積するものと考えられ、実際7日目には濁り堆積率が上昇していることがわかる。即ち、ガラクトマンナン分解酵素を添加しない場合は、単に濁りの堆積を遅らせているだけであり、この酵素の添加は、濁りの堆積の防止に有効である。
【0040】
(実施例1〜6)
固形濃度30重量%のコーヒー原料液を8000rpmで遠心分離し、分離液にガラクトマンナン分解酵素(セルロシンGM5、阪急バイオインダストリー製、Aspergillus niger 由来、10000units/g)をコーヒー固形分に対して0.1重量%添加し、40℃で1時間反応させた。その後、水酸化カリウムをコーヒー固形分に対して1.0重量%添加し、さらに結晶セルロース(セオラスSC−900、旭化成製)をコーヒー固形分に対して、下記表2に記載のように添加した。
【0041】
次に、前記コーヒー液を、超音波振動装置(ブランソニック 2510J−MTH)にて、出力125W、周波数42kHzで30分間処理した。その後、90℃で10分間加熱して酵素を失活させた。
【0042】
酵素失活後のコーヒー液を、400メッシュフィルターにて濾過し、冷却し、香料を添加した。得られたコーヒー濃縮液を5℃で20日間メスシリンダー中に静置し、濁りの堆積の有無を目視にて調べた。濁り分散性については、目視により調べた。結果を表2に示す。
【0043】
(比較例1〜6)
固形濃度30重量%のコーヒー原料液を8000rpmで遠心分離し、分離液にガラクトマンナン分解酵素(セルロシンGM5、阪急バイオインダストリー製、Aspergillus niger 由来、10000units/g)をコーヒー固形分に対して0.1重量%添加し、40℃で1時間反応させた。その後、水酸化カリウムをコーヒー固形分に対して1.0重量%添加し、さらに結晶セルロース(セオラスSC−900、旭化成製)をコーヒー固形分に対して、下記表2に記載のように添加した。
【0044】
次に、前記コーヒー液を、30分間撹拌し、その後、90℃で10分間加熱して酵素を失活させた。
【0045】
酵素失活後のコーヒー液を、400メッシュフィルターにて濾過し、冷却し、香料を添加した。得られたコーヒー濃縮液を5℃で20日間静置し、濁りの堆積の有無と濁り分散性について、実施例1と同様に目視により調べた。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
<濁り分散性>
◎:非常に良好
○:良好
△:普通
×:悪い。
【0047】
表2より、セルロース添加による濁り堆積防止効果は、超音波処理の場合にその効果が大きく、添加したすべての濃度で濁り堆積防止効果が得られた。比較例の撹拌処理では、セルロースの分散性が不完全であると考えられ、濁り堆積防止効果が小さい。
【0048】
(実施例7〜9)
固形濃度30重量%のコーヒー原料液を8000rpmで遠心分離し、分離液にガラクトマンナン分解酵素(セルロシンGM5、阪急バイオインダストリー製、Aspergillus niger 由来、10000units/g)をコーヒー固形分に対して0.1重量%添加し、40℃で1時間反応させた。その後、水酸化カリウムをコーヒー固形分に対して1.0重量%添加し、さらに結晶セルロースとしてセオラスSC−900(商品名、旭化成製)をコーヒー固形分に対して2.0重量%添加した。
【0049】
次に、前記コーヒー液を、超音波振動装置(ブランソニック 2510J−MTH)にて、出力125W、周波数42kHzで10分間、20分間または30分間処理した。このときの液温は、約60℃であった。その後、90℃で10分間加熱して酵素を失活させた。
【0050】
酵素失活後のコーヒー液を、400メッシュフィルターにて濾過し、冷却し、濃縮コーヒー液を得た。得られた濃縮コーヒー液の香気量をガスクロマトグラフィーにより測定した。また、実施例1と同様にして、濁り分散性を調べた。さらに、前記濃縮コーヒー液を26倍に希釈し、5名のパネラーによる官能試験を行った。結果を表3に示す。
【0051】
(実施例10〜12)
実施例7〜9において、結晶セルロースとしてアビセルRC(商品名、旭化成製)を使用したこと以外は、実施例7〜9と同様にして濃縮コーヒー液を得た。得られた濃縮コーヒー液の香気量をガスクロマトグラフィーにより測定した。また、実施例1と同様にして、濁り分散性を調べた。さらに、前記濃縮コーヒー液を26倍に希釈し、5名のパネラーによる官能試験を行った。結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
表3より、超音波処理時間による香気量と風味にはほとんど差がないことがわかる。しかし、超音波処理時間は、濁りの分散性に影響し、濁り堆積防止の観点から、処理時間は30分以上が好ましい。
【0053】
(実施例13)
固形濃度30重量%のコーヒー原料液を8000rpmで遠心分離し、分離液にガラクトマンナン分解酵素(セルロシンGM5、阪急バイオインダストリー製、Aspergillus niger 由来、10000units/g)をコーヒー固形分に対して0.1重量%添加し、40℃で1時間反応させた。その後、水酸化カリウムをコーヒー固形分に対して1.0重量%添加し、さらに結晶セルロースとしてセオラスSC−900(商品名、旭化成製)をコーヒー固形分に対して0.5〜5.0重量%添加した。
【0054】
次に、前記コーヒー液を、超音波振動装置(ブランソニック 2510J−MTH)にて、出力125W、周波数42kHzで10〜30分間処理した。このときの液温は、約60℃であった。その後、90℃で10分間加熱して酵素を失活させた。
【0055】
酵素失活後のコーヒー液を、400メッシュフィルターにて濾過し、冷却し、濃縮コーヒー液を得た。得られた濃縮コーヒー液の香気量をガスクロマトグラフィーにより測定した。また、実施例1と同様にして、濁り分散性を調べた。さらに、前記濃縮コーヒー液を26倍に希釈し、5名のパネラーによる官能試験を行った。結果を表4に示す。
【0056】
(実施例14)
実施例13において、結晶セルロースとしてアビセルRC(商品名、旭化成製)を使用した以外は実施例13と同様にして、濃縮コーヒー液を得た。得られた濃縮コーヒー液の香気量をガスクロマトグラフィーにより測定した。また、実施例1と同様にして、濁り分散性を調べた。さらに、前記濃縮コーヒー液を26倍に希釈し、5名のパネラーによる官能試験を行った。結果を表5に示す。
【0057】
(実施例15)
実施例13において、結晶セルロースの代わりにショ糖脂肪酸エステルのシュガーエステルA(商品名、三菱化学フーズ製)をコーヒー固形分に対して1.0〜4.0重量%添加したこと以外は実施例13と同様にして、濃縮コーヒー液を得た。得られた濃縮コーヒー液の香気量をガスクロマトグラフィーにより測定した。また、実施例1と同様にして、濁り分散性を調べた。さらに、前記濃縮コーヒー液を26倍に希釈し、5名のパネラーによる官能試験を行った。結果を表6に示す。
【0058】
【表4】
【表5】
【表6】
<濁り分散性>
◎:非常に良好
○:良好
△:普通
<官能(風味)>
◎:非常に良好
○:良好
△:普通。
【0059】
表4〜6より、結晶セルロースを使用した場合、添加した濃度の内2重量%以上で濁り堆積の防止および濁り分散性に効果があった。なお、添加量が5重量%になると、コーヒーの風味が低下する傾向があった。風味の点から、結晶セルロースの添加量は、5重量%未満にする。4重量%以上かつ5重量%未満にする。一方、ショ糖脂肪酸エステルを使用した場合、濁り分散性の効果を発揮させるためには、4重量%以上添加する。
Claims (3)
- 濃縮したコーヒー原料液にガラクトマンナン分解酵素を添加し、アルカリ剤および安定剤を加えた後、超音波処理するコーヒー濃縮液の製造方法において、
前記ガラクトマンナン分解酵素の添加量がコーヒー固形分に対して0.1〜0.3重量%であると共に、前記安定剤がセルロースである場合の添加量がコーヒー固形分に対して2.0重量%以上かつ5.0重量%未満であり、前記安定剤がショ糖脂肪酸エステルである場合の添加量がコーヒー固形分に対して4.0〜5.0重量%であることを特徴とするコーヒー濃縮液の製造方法。 - 前記ガラクトマンナン分解酵素がアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のマンナナーゼであり、当該酵素の添加量がコーヒー固形分1gに対して1〜50unitsである請求項1に記載の方法。
- 前記アルカリ剤が水酸化カリウムまたは炭酸水素ナトリウムであり、当該アルカリ剤の添加量がコーヒー固形分に対して0.01〜5.0重量%である請求項1または2に記載の方法。
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