JP3763748B2 - バックホウ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロント装置を通常の掘削作業に使用する掘削作業モードと、フロント装置の先端に吊り負荷を作用させて使用するクレーンモードとに切換え可能に構成したバックホウに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成のバックホウにおいては、フロント装置の姿勢を検出する手段と、現在の吊り荷重を検出する手段と、検出されたフロント装置の現在の姿勢に基づいて演算された定格荷重と、検出された現在の吊り荷重を表示する表示装置とが備えられており、前記定格荷重と吊り荷重とが液晶表示型の表示装置で数値表示されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
数値表示によると定格荷重や吊り荷重の絶対値を把握するには適しているが、定格荷重までの余裕などを認識するためには頭の中で計算する必要があり煩わしいものであった。
【0004】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、作業中に瞬時に目視して作業状況を容易に認識することができる表示装置を備えた作業性に優れたバックホウを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1に係る発明の構成、作用および効果〕
【0006】
(構成) 請求項1に係る発明は、フロント装置を通常の掘削作業に使用する掘削作業モードと、フロント装置の先端に吊り負荷を作用させて使用するクレーン作業モードとに切換え可能に構成したバックホウにおいて、フロント装置の姿勢を検出する手段と、現在の吊り荷重を検出する手段と、検出されたフロント装置の現在の姿勢に基づいて演算された定格荷重と、検出された現在の吊り荷重を表示する表示装置とを備えるに、前記前記表示装置にアナログ表示部とデジタル表示部を備え、定格荷重をアナログスケールに対するスポットマークで表示するとともに、前記吊り荷重をアナログスケールに沿って移動する可動マークで表示するよう構成し、前記定格荷重と吊り荷重を数値表示するデジタル表示部を前記アナログ表示部に対して並置してあることを特徴とする。
【0007】
(作用) 上記構成によると、クレーン作業中にフロント装置の姿勢を変えると、その姿勢検出に基づいてその姿勢で安全に吊り作業を行うことにできる定格荷重が演算され、これが表示装置のアナロブスケールに対する所定位置に位置するスポットマークとして表示されるとともに、デジタル表示部に数値表示される。また、実際の吊り荷重が検出され、これが可動マークとしてアナログ表示部に表示されるとともに、デジタル表示部に数値表示される。
従って、表示装置の表示パネルを一見するだけで定格荷重と吊り荷重がそれぞれのマーク位置として認識できるとともに数値でも認識でき、そしてアナログ表示部では、両マークの間隔の大きさが余裕として認識することができる。
【0008】
(効果) 従って、請求項1に係る発明によると、定格荷重と吊り荷重の大きさ、特に吊り作業の余裕を直感的に認識することが容易となり、作業性を向上する上に有効となり、又、それぞれの絶対値を読み取ることもでき、使い勝手の良いものとなる。
【0009】
〔請求項2に係る発明の構成、作用および効果〕
【0010】
(構成) 請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記吊り荷重を表示する可動マークを可動バーグラフとしてあることを特徴とする。
【0011】
(作用・効果) 上記構成によると、吊り荷重の大きさをバーの長さとして容易に認識することができ、請求項1の発明を好適に実施することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に、バックホウの全体側面図が示されている。このバックホウは、左右一対のクローラ型走行装置1L,1Rを装備した走行機台2の上部に、エンジン3および運転部4が装備された旋回台5が縦軸心X1 周りに全旋回可能に搭載され、この旋回台5の前部に、ブーム6、アーム7、および、バケット8を順次連結してなるフロント装置9が装備されるとともに、走行機台2の前部にドーザ作業用の排土板10が装備されている。
【0013】
左右の走行装置1L,1Rは、それぞれ走行用油圧モータML,MRによって正逆転駆動されるとともに、旋回台3は旋回用油圧モータMTによって左右に旋回駆動されるようになっている。フロント装置6のブーム6、アーム7、および、バケット8は、それぞれブームシリンダC1、アームシリンダC2、および、バケットシリンダC3によって駆動されるとともに、フロント作業装置9全体がスイングシリンダC4によって、旋回台3に対して縦軸心X2 周りに左右に揺動駆動されるようになっている。また、排土板10は、ドーザシリンダC5によって上下駆動されるようになっている。
【0014】
図2に、上記した各種の油圧アクチュエータを駆動する油圧回路の全体が、また、図3にその概略がそれぞれ示されている。図において、V1 は旋回用の制御バルブ、V2 は左走行用の制御バルブ、V3 は右走行用の制御バルブ、V4 はドーザ用の制御バルブ、V5 はアーム用の制御バルブ、V6 はブーム用の制御バルブ、V7 はバケット用の制御バルブ、V8 はスイング用の制御バルブ、V9 は補助作業用の制御バルブであり、左右の走行用の制御バルブV2 ,V3 は運転座席11前方の操縦塔12に配備された左右の走行レバー13によってそれぞれ直接にスプールを切換え操作する人為操作式のものが採用されるとともに、ドーザ用、スイング用、および、補助作業用の各制御バルブV4 ,V8 ,V9 はレバー操作やペダル操作によって直接にスプールを操作する人為操作式のものが採用され、また、旋回用、アーム用、ブーム用、および、バケット用の各制御バルブV1 ,V5 ,V6 ,V7 は、油圧パイロット操作式のものが採用され、操縦塔12に十字操作可能に配備された左右一対の作業用レバー14によって操作されるパイロットバルブPV1 ,PV2 から供給されるパイロット圧によって、レバー操作量に応じた開度に操作されるようになっている。なお、前記制御バルブV1 〜V9 のバルブブロック群は、インレット用ブロックB1 、アウトレット用ブロックB2 とともに並列されて互いに連結されて内部油路によって接続されている。
【0015】
作業用の主ポンンP1 と、パイロット圧供給用のパイロットポンプP2 とを備えた圧油供給部15がエンジン3によって駆動されるようになっている。この主ポンンP1 は、斜板の角度変更によって吐出量を変更可能な可変容量型のものが使用されており、その吐出油が油路aを介してインレットブロックB1 に供給されたのち、各制御バルブV1 〜V9 に供給される。また、パイロットポンプP2 は、定容量のギヤポンプが使用されており、その吐出圧が油路bを介してアンロード部19に供給されたのち、パイロットバルブPV1 ,PV2 の一次側油路cにパイロット元圧として供給されている。
【0016】
図4に示すように、アンロード部19は、レバーロック用のアンロードバルブV10と、高速走行切換え用のアンロードバルブV11とが並列配備されている。アンロードバルブV10は、搭乗運転部4への乗降通路を横切って開閉する牽制レバー27に電気的に連係されており、牽制レバー27を振り上げて乗降通路を開放した状態では、図示のようにアンロード位置に付勢保持され、パイロットバルブPV1 ,PV2 の一次側油路cがドレンされて、作業用レバー14を操作しても制御バルブV1 ,V5 ,V6 ,V7 を切換え操作することができない状態、つまり、レバーロック状態がもたらされる。また、作業者が運転座席11に搭乗した後、乗降通路を横切る位置にまで牽制レバー27を降ろすと、これが電気的に検出されて図示と逆の位置に切換えられ、パイロットバルブPV1 ,PV2 の一次側油路cへのパイロット元圧の供給が行われ、制御バルブV1 ,V5 ,V6 ,V7 の切換え操作が可能となる。
【0017】
また、パイロットバルブPV1 ,PV2 の一次側油路cは、旋回用モータMTに備えたネガティブ・ブレーキNBの解除用の油路eにも連通されており、レバーロック用のアンロードバルブV10がアンロード位置にあるレバーロック時には、ネガティブ・ブレーキNBの解除用油路eがドレンされるので、旋回台5も旋回不能にロックされることになる。
【0018】
また、高速走行切換え用のアンロードバルブV11は、移動走行の際に走行用モータML,MRを高速状態に切換えるためのものであり、常態では図示のようにアンロード位置にある。左右の走行用モータML,MRは、の斜板角の変更によって高低2段の変速が可能なアキシャルプランジャ型の可変容量モータが利用されており、モータケーシングに組込んだシリンダ28L,28Rに圧油を供給することで「高速」が、また、シリンダ28L,28Rから排油することで「低速」がもたらされるよう構成されている。そして、シリンダ28L,28Rを作動制御する流路切換えバルブV12,V13の操作用パイロット油路fがアンロードバルブV11に連通接続されている。
【0019】
これによると、通常は、アンロードバルブV11は図示のアンロード位置に付勢保持されており、パイロット油路fがドレンされることで流路切換えバルブV12,V13は図示した「低速」にある。そして、操縦塔12の横側下部に配備した増速ペダル29を踏み込み操作すると、これが電気的に検出されてアンロードバルブV11が逆位置に切換えられ、パイロット油路fに圧が立って流路切換えバルブV12,V13が図示の位置から逆位置に切換えられる。流路切換えバルブV12,V13が逆位置に切換えられた状態では、モータ駆動用の高圧側油路の油圧によってシリンダ28L,28Rが駆動されて、モータ斜板が高速位置に操作されるのである。
【0020】
ポンンP1 は、ロードセンシングシステムによって吐出流量が制御されるようになっており、その流量制御部16が圧油供給部15に隣接して備えられている。流量制御部16には流量補償用バルブV14が装備されるとともに、圧油供給部15には、ポンプP1 を流量調節するための流量補償用ピストンAcが備えられ、流量補償用バルブV14によって流量補償用ピストンAcが作動制御されるようになっている。そして、主ポンプP1 の吐出圧PPSと、各セクションにおける負荷検出ラインのうちの最高負加圧を取出した制御信号圧PLSとが、それぞれインレットブロックB1 から導出された信号ラインL1 ,L2 を介して流量補償用バルブV14に印加されるようになっており、周知のように、吐出圧PPSと制御信号圧PLSとの差が設定値(制御差圧)に維持されるように、流量補償用ピストンAcを介してポンプP1 の吐出流量が制御される。
【0021】
ロードセンシングシステムは、作業負荷圧に応じてポンプ吐出量を制御して、負荷に必要とされる油圧動力をポンプから吐出させることで、動力の節約と操作性を向上することができるシステムであり、この例では、各制御バルブV1 〜V9 のスプールの後にそれぞれ圧力補償バルブCVが接続されたアフターオリフィス型のロードセンシングシステムが利用されている。
【0022】
なお、この例では、ロードセンシングシステムのアンロードバルブV15と主リリーフバルブV16が、インレット用ブロックB1 に組込まれている。また、流量制御部16における流量補償用バルブV14に設定される制御差圧は、図4中に示すように、バネ17と差圧ピストン18とによって与えられるようになっており、エンジン3の回転速度が高くなってパイロットポンプP2 の吐出量が多くなると、差圧ピストン18によって与えられる制御差圧成分が大きくなって、ポンプP1 の流量が多い目に制御され、逆に、エンジン3の回転速度が低くなってパイロットポンプP2 の吐出量が少なくなると、差圧ピストン18によって与えられる制御差圧成分が小さくなって、ポンプP1 の流量が少ない目に制御されるのである。
【0023】
また、このバックホウでは、エンジン3のアクセル装置を自動的に操作するオートアイドリング制御システムが備えられている。すなわち、図3に示すように、エンジン3のガバナ21は、電磁ソレノイドやモータなどの電気アクチュエータ22によって操作されるようになっており、この電気アクチュエータ22を作動制御する制御装置23に、運転部4に備えたポテンショメータ利用のアクセル設定器24と、バルブ作動検出用パイロット油路gの圧を検知する圧力スイッチ25とが接続されている。
【0024】
バルブ作動検出用パイロット油路gは、制御バルブV1 〜V9 の各スプールに直列に連通されてその下流が排油路dに連通接続されるとともに、バルブ作動検出用パイロット油路gの上流は、パイロットポンプP2 の油路bから分岐導出された油路hに絞りsを介して接続されている。従って、制御バルブV1 〜V9 の全てが中立にある状態では、バルブ作動検出用パイロット油路gは排油路dに連通されて、その圧力がほとんど零にまで低下するとともに、制御バルブV1 〜V9 のうちのいずれか一つでも操作されると、バルブ作動検出用パイロット油路gの排油路dへの連通が断たれて、油路gの圧力がパイロットポンプP2 の元圧近くにまで上昇することになり、このバルブ作動検出用パイロット油路gに圧が立っているか否かを圧力スイッチ25で検知することで、制御バルブが操作されているかどうかを判別している。
【0025】
従って、運転者がアクセル設定器24を作業用の高速位置に設定した状態において、制御バルブV1 〜V9 の全てが中立にあると、バルブ作動検出用パイロット油路g圧油が排油路dに流出して大きく低下するために、圧力スイッチ25は感圧作動することがなく、この状態では、ガバナ21は予め設定されているアイドリング位置にまで電気アクチュエータ22によって自動的にアクセルダウン制御される。そして、作業が開始されて制御バルブV1 〜V9 のうちのいずれか一つでも操作されると、バルブ作動検出用パイロット油路g圧が立ち、これが圧力スイッチ25で検知される。圧力スイッチ25が感圧作動すると、ガバナ21はアクセル設定器24で設定された高速位置まで電気アクチュエータ22によって自動的にアクセルアップ制御される。つまり、フロント作業および走行が行われていない非作業時には、エンジン3の回転数を自動的に所定のアイドリング回転にまで落として騒音の低減および燃費の向上を図り、フロント作業あるいは走行が行われるとエンジン3の回転速度を設定した回転数にまで自動的に上げて、必要な油圧動力を供給してフロント作業あるいは走行を効率よく行うことができるようになっているのである。
【0026】
また、このバックホウでは本来の掘削作業の他に、フロント装置9を利用したクレーン作業を行うことができるようになっている。つまり、図1中に示すように、前記バケット8の背面に設けられたブラケット8aには、吊り下げリンク31が回動可能に枢支連結されている。この吊り下げリンク31は、フロント装置9が通常の掘削作業に用いられる時にはバケットリンク8bに沿って格納保持され、フロント装置9を用いてクレーン作業を行う際には、図示のように、掻き込み姿勢にしたバケット8の背部において振り出されて、フックなどの吊り下げ具32が装着される。
【0027】
また、クレーン作業を行うために油圧系に多少の改造が加えられている。つまり、図5に示すように、ブーム6が下降作動する際にブームシリンダC1 からの排油路となる油路tと、アーム7が下降作動(掻込み)する際にアームシリンダC2 からの排油路となる油路uにはロックバルブRV1 ,RV2 がそれぞれ介在されており、バックホウを用いてクレーン作業を行う場合、ブーム6およびアーム7が不測に下降作動を防止するように構成されている。なお、ブーム下降阻止用のロックバルブRV1 は、ブーム下降のためのパイロット油路vのパイロット圧によってロック解除され、また、アーム下降阻止用のロックバルブRV2 は、アーム掻き込みのためのパイロット油路wのパイロット圧によってロック解除されるようになっている。
【0028】
また、バケット用の制御バルブV7 に接続されたダンプ側のパイロット油路xに電磁バルブMVが介在されており、クレーンモードが選択されると電磁バルブMVが遮断されて、掻き込み姿勢のバケット12が不用意にダンプ作動されることがないように構成されている。
【0029】
また、クレーン作業用には次のような検出手段も備えられている。つまり、ブームシリンダC1 の基部とアーム11の基部には、フロント装置の姿勢を検出する手段として、ポテンショメータを利用した角度センサS1 ,S2 がそれぞれ配備されているとともに、ブームシリンダC1 の上昇作動時に圧油供給側となる油路には圧力センサPSが接続されており、クレーン作業時にブームシリンダC1 に発生する負荷圧が検出されるようになっている。また、前記制御装置23には、図7に示すような表示装置33が接続されており、この表示装置33には、液晶式の横長の表示パネル34、クレーンモードを入り切りするクレーンスイッチ35、表示パネル34での表示形態を切換える表示切換えスイッチ36が備えられている。
【0030】
そして、クレーンモードが選択されている状態においては、フロント装置姿勢情報に基づいて、旋回用の縦軸心X1 から吊り下げ点Yまでの水平距離である吊り下げ旋回半径、および、吊り下げ点Yの地上高が割り出されるとともに、ブームシリンダC1 に働く負荷圧から、吊下げ点Yに働く吊り荷重が演算され、現在の姿勢のフロント装置8で十分安全に吊り下げることのできる定格荷重、演算された現在の吊り荷重、演算された吊下げ旋回半径、吊下げ高さ、などが後述のように表示され、運転作業者に現在の作業状況を認識させることができるようになっている。
【0031】
表示パネル34での表示の形態を以下に説明する。
【0032】
クレーンスイッチ35を切りにした通常の掘削作業モードでは、図8に示すように、このスイッチを押すとクレーンモードに切換わるメッセージが表示される。
【0033】
クレーンスイッチ35を入れてクレーンモードに切換えると、表示パネル34の下部がアナロブ表示部となり、現在のフロント装置姿勢における定格荷重が、アナログスケールscに対して所定の位置に十字形のスポットマークmaとして表示されるとともに、現在の吊り荷重がアナログスケールscに沿って移動するバーグラフとして表示される。そして、上記アナログ表示部の上側は文字表示部となっており、上記定格荷重と吊り荷重の絶対値が文字および数字で表示されるようになっている。
【0034】
また、表示切換えスイッチ36を押すと、図7の表示から図9の示すように、上記アナログ表示を残したままで、吊下げ旋回半径(旋回と表示)と吊り下げ高さを文字表示する状態に切換えられ、表示切換えスイッチ36を再度押すと図7の表示状態に復帰する。
【0035】
そして、図10(イ)に示すように、吊り荷重が定格荷重に接近すると(例えば定格荷重の90〜100%)、警報ブザーが断続して鳴動するとともに、警報ランプが点滅する。また、図10(ロ)に示すように、吊り荷重が定格荷重を越えると(定格荷重の100%以上)、警報ブザー37が連続鳴動するとともに警報ランプ38が連続点灯して、運転作業者に注意を促す。
【0036】
また、フロント装置9の姿勢やセンサ類の以上が認められた場合にも表示装置33を用いて以下のような表示が行われる。
【0037】
(1)ブーム6が上昇限度に到達すると、油圧クッション領域に入ってリリーフ作動して正確な負荷圧が検出できなくなるので、図11(イ)に示すように、ブームの下げ操作を促すメッセージが表示が行われる。
【0038】
(2)ブーム6を上げてアーム7を伸ばすと、吊り下げ具32がバケット8に干渉する姿勢になるので、フロント装置9がこのような姿勢になると、図11(ロ)に示すように、ブーム下げおよびアーム掻込み操作を促すメッセージが表示が行われる。
【0039】
(3)アーム7のダンプ方向にはロックバルブが備えられていないので、フロント装置9の姿勢によっては油圧ホースが破損した時にアーム7がダンプ方向に自重で下降するおそれがある。そこで、このようなフロント装置姿勢が認識されるとので、図11(ハ)に示すように、アーム伸ばし操作を促すメッセージが表示が行われる。
【0040】
(4)図12(イ)〜(ト)に示すように、センサ類に異常があると、異常の内容とクレーン作業禁止を促すメッセージが交互に表示され、かつ、警報ブザー37が連続鳴動するとともに、警報ランプ38が連続点灯する。
【0041】
なお、複数の警告項目が同時に発生すると、予め設定した優先順位に従って一項目のみを表示し、警告項目が解消されると次の順位のももの表示に移行する。例えば、上記状態(1),(2),(3)が最優先順位となり、次に、(4)吊り荷重が定格荷重を越えた場合、(5)吊り荷重が定格荷重に接近した場合、となる。
【0042】
また、クレーンモードが選択されると、上記したオートアイドリング制御システムは停止され、アクセル設定器24によるアクセルセットによってエンジン回転速度が設定される。しかも、クレーンモードでは、アクセル設定器24によるアクセルセットの上限が通常の上限より低回転に制限され、クレーンモードでアクセル設定器24を不用意に最高回転速度位置に操作しても、実際のアクセルセットは予め設定されたクレーンモード用の最高回転速度に制限され、負荷を吊った状態でフロント装置9が高速で作動するようなことが未然に回避されるようになっている。
【0043】
〔別実施形態〕
表示装置におけるアナログ表示部において、吊り荷重を表示する可動マークとしては、上記のようにバー表示を行う他に、定格荷重を表示するスポットマークと異なるスポット状のマークを使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 バックホウの全体側面図
【図2】 全体の油圧回路図
【図3】 全体の油圧回路図の概略図
【図4】 走行および旋回セクションの油圧回路図
【図5】 ブーム、アーム、および、バケットセクションの油圧回路図
【図6】 制御ブロック図
【図7】 表示装置の正面図
【図8】 クレーンモード切り時における表示状態を示す正面図
【図9】 クレーンモードでの表示例を示す正面図
【図10】 クレーンモードでの表示例を示す正面図
【図11】 クレーンモードでの表示例を示す正面図
【図12】 クレーンモードでの表示例を示す正面図
【符号の説明】
9 フロント装置
33 表示装置
ma スポットマーク
mb 可動マーク
sc アナログスケール
Claims (2)
- フロント装置を通常の掘削作業に使用する掘削作業モードと、フロント装置の先端に吊り負荷を作用させて使用するクレーンモードとに切換え可能に構成したバックホウにおいて、
フロント装置の姿勢を検出する手段と、現在の吊り荷重を検出する手段と、検出されたフロント装置の現在の姿勢に基づいて演算された定格荷重と、検出された現在の吊り荷重を表示する表示装置とを備えるに、
前記表示装置にアナログ表示部とデジタル表示部を備え、定格荷重をアナログスケールに対するスポットマークで表示するとともに、前記吊り荷重をアナログスケールに沿って移動する可動マークで表示するよう構成し、前記定格荷重と吊り荷重を数値表示するデジタル表示部を前記アナログ表示部に対して並置してあることを特徴とするバックホウ。 - 前記吊り荷重を表示する可動マークを可動バーグラフとしてあることを特徴とする請求項1記載のバックホウ。
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