JP3763689B2 - コッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置 - Google Patents

コッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド工法により掘削されたトンネル内に、覆工材として組み立てられるセグメントにおいて、周方向に隣接するセグメントピースのピース間継手部にシールド軸心方向にコッターピンを打込んで連結するコッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばセグメントの連結方法としてボルト・ナットを使用する他に、コッターを使用してセグメントピースを互いに連結するものがある。これは、セグメントピースが隣接する締結面に、コッター溝を有する連結金具をそれぞれ埋め込み、セグメントを組立位置に位置決めして連結金具を突き合わせコッター溝によりコッター穴を形成する。そして、このコッター穴にコッターピンを打込む。このようにコッターピンを使用する連結方法では、通常コッターピンを半径方向に打込む垂直コッター式が採用されており、この垂直コッター式の場合、連結後で一定時間経過後に再度コッターピンを打込んで増し締め作業が可能であるという長所がある反面、連結部が半径方向の負荷に対して弱いという問題がある。
【0003】
そのため近年では、垂直コッター式以外に、周方向に隣接するセグメントピースの締結部にシールド軸心方向にコッターピンを打込む水平コッター方式が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この水平コッター方式は、シールド半径方向の負荷に対して大きい強度が確保でき、さらにセグメントの内面に凹凸部が極めて少なくなる点で極めて有望視されている。
【0005】
ところで、水平コッター方式が今まで採用されなかった要因として、推進力の反力受けとして使用されるセグメントと推進ジャッキにより出退駆動される押付部材とのスペースが狭く、このスペースからコッターピンを打込むのが困難であったためであった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決して、セグメントの前端面と推進ジャッキの押付部材とのスペースが狭くても、周方向に隣接するセグメントの締結部にコッターピンを打込んで良好に締結できるコッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、セグメントピースが周方向に隣接されるピース間継手部の締結面に、弧長方向に互いに突き合わされてコッター穴を形成する一対の連結金具を複数組配設し、セグメントピースの前端部からコッターピンを前記各連結金具のコッター穴にそれぞれ打込んでセグメントピースを締結する水平コッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置であって、コッターピンを把持開放可能な複数のコッター把持アームをシールド軸心方向に出退移動してコッターピンをコッター穴に挿入するコッター把持挿入手段と、コッター穴に挿入されたコッターピンを、開放されたコッター把持アーム間から打込み具を駆動して打込むコッター打込み駆動手段と、このコッター打込み駆動手段を、コッター把持アーム間の打込み位置と、コッター把持アームの出退移動に干渉しない待機位置との間でシフトさせる打込み駆動部シフト手段を設けたものである。
【0008】
上記構成によれば、コッターピンをコッター穴に挿入するコッター把持挿入手段と、挿入されたコッターピンをコッター穴に打込むコッター打込み駆動手段とを配置して、打込み駆動部シフト手段によりコッターピンをコッター穴に挿入した後の打込み位置にシフトさせ、コッター把持アーム間から打込み具を駆動してコッターを打込むように構成したので、コッター把持挿入手段とコッター打込み駆動手段とをコッター打込み方向に交差する方向に配置することができる。したがって、セグメントの前端面と推進ジャッキの押付部材とのスペースが狭くても、ピース間継手部にコッターピンを搬入して順次打込むことができる。また、ピース間継手部の締結面に複数組の連結金具を設けて、それぞれにコッターピンを打込むので、取り扱うコッターピンの長さを短く設定することができ、コッターピン打込み装置のコンパクト化に寄与できる。
【0009】
また請求項2記載の発明は、上記構成において、コッターピンは、両セグメントピースの装着された連結金具にそれぞれ嵌合されるフランジ部と、これらフランジ部を互いに連結する連結部からなり、前記フランジ部の内面間距離が、打込み方向の前部側が広く、後部側ほど狭くなるテーパー状に形成され、コッター穴に打ち込まれたコッターピンの前記テーパ面により両連結金具が互いに接近する方向に圧接されて締結されるように構成されたものである。
【0010】
上記構成によれば、周方向に隣接するセグメントピースをそれぞれの連結金具を介して強固に連結することができ、半径方向の負荷に強いピース間継手部を提供することができる。
【0011】
さらに請求項3記載の発明は、コッター把持挿入手段に設けられてコッター把持アームを出退移動する把持アーム出退装置を、コッター把持アームを開閉自在に支持するアーム出退フレームの出退方向の側方に略挿入ストロークの間隔をあけて配置された一対の出退用スプロケットと、挿入駆動モータにより回転される駆動スプロケットと、両端部がアーム出退フレームに連結されて前記出退用スプロケットおよび駆動スプロケットに巻張された挿入駆動チェーンとで構成したものである。
【0012】
上記構成によれば、スプロケットと挿入駆動チェーンとで把持アーム出退装置を構成したので、コッター把持アームが出退する略挿入ストロークの長さ内に把持アーム出退装置を収容することができ、コッター打込み装置のコンパクト化が図れ、セグメントの前端面と推進ジャッキの押付部材との狭いスペース内に容易に挿入することができる。
【0013】
さらにまた請求項4記載の発明は、上記構成において、コッター穴に挿入されてコッターピンの打込みに使用する打込み治具を備え、この打込み治具の後端部に、打込み駆動部シフト手段によるコッター打込み駆動手段のシフト移動により嵌合離脱自在な押込み溝を形成し、この押込み溝に、打込み治具の引抜き時に抜け止めする掛止爪を形成したものである。
【0014】
上記構成によれば、後方の連結金具のコッター穴を挿通できる打込み治具を使用することにより、打込み後にコッター打込み駆動手段の打込み具を後退させることで、掛止爪により打込み具を押込み溝内に抜け止めして打込み治具をコッター穴から抜出すことができ、打込み治具の再利用が可能となる。また打込み駆動部シフト手段によりコッター打込み駆動手段をシフト移動させることで、打込み具を押込み溝に嵌合、離脱することができるので、打込み具と打込み治具との連結も容易に行うことができる。
【0015】
また請求項5記載の発明は、上記構成において、コッター把持アームとコッターピンの一方に把持凹部を形成するとともに、他方にこの把持凹部に嵌合自在な把持凸部を形成し、前記把持凹部に90度隔てた四方向に所定角度で傾斜する傾斜受け面を形成するとともに、前記把持凸部に各傾斜受け面にそれぞれ当て付けられる傾斜押え面を形成したものである。
【0016】
上記構成によれば、コッター把持アームによりコッターピンを把持する際に、把持凹部と把持凸部とを嵌合させることにより、傾斜受け面と傾斜押え面の作用でコッターピンを一定位置に、一定の姿勢で保持することができ、コッターピンを連結金具のコッター穴により正確に挿入することができる。
【0017】
さらに請求項6記載の発明は、請求項1記載の構成において、コッター把持挿入手段とコッター打込み駆動手段と打込み駆動部シフト手段とを具備した打込み装置本体を、シールド半径方向の軸心周りに傾動させてコッターピンの打込み方向を傾斜ピース間継手部に対応させる打込み方向調整機構を設けたものである。
【0018】
上記構成によれば、セグメントリングの最後に組立られるKセグメントとこれに隣接するAセグメントとは、その締結面がシールド軸心方向に対して傾斜するくさび角を有する傾斜ピース間継手部により締結されるが、打込み方向調整機構によりこの傾斜ピース間継手部に対応してコッターピンの打込み方向を容易に変向することができる。
【0019】
また請求項7記載の発明は、請求項6の構成において、ピース間継手部にシールド半径方向に一定間隔をあけて複数の締結部を設け、これら締結部に対応して打込み装置本体をシールド半径方向に複数基配設し、前記打込み装置本体をそれぞれ接線方向にスライドして傾斜ピース間継手部の締結面の逃げ角による締結部の位置ずれに対応させる打込み位置調整機構を設けたものである。
【0020】
上記構成によれば、くさび角を有する傾斜ピース間継手部の傾斜締結面に逃げ角が形成されて、半径方向に複数の締結部が設けられた場合、複数の締結部は、その逃げ角により打込み位置が接線方向に互いにずれることになるが、打込み位置調整機構により打込み装置本体を接線方向にスライドさせて、容易にこれに対応することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明に係るコッター式セグメント締結装置の実施の形態を図1〜図33に基づいて説明する。
【0022】
まず、シールド掘進機に掘削された円形断面のトンネル内に組立てられる円形セグメントの締結部を図1〜図3を参照して説明する。
このセグメント1は、シールド掘進機51を使用してシールド工法により掘削された円形断面トンネルの覆工材として、シールド掘進機51の後部に配置されたセグメント組立装置52により組立てられるもので、周方向に複数に分割されたセグメントピース2をピース間継手部3により円形に連結してセグメントリング4に組立て、セグメントリング4同士を複数のリング間継手部5で連結して円筒状に組立てられる。
【0023】
本発明に係るセグメント締結装置53は、セグメント組立装置52に配設されており、図4〜図7に示すように、前記ピース間継手部3に、その前端面2aから複数(ここでは2個)のコッターピン6A,6Bを1個のスペーサ7と打込み治具8を使用して略シールド軸心に沿って後方に打込むことでピース間継手部3を締結するものである。
【0024】
このピース間継手部3は半径方向に締結間隔Rをあけて一対の締結部10が設けられており、これら締結部10にはそれぞれT形断面のコッター溝12aがそれぞれ形成された一対の連結金具11A,11Aと11B,11Bが前後2組、シールド軸心方向に一定間隔をあけて埋め込まれている。そしてセグメントピース2が弧長方向に突き合わされて連結金具11A,11Bのコッター溝12aにより略IまたはH断面のコッター穴12A,12Bが形成される。さらにセグメントピース2の前端面2aから前側連結金具11Aの間に、締結面に形成された挿入溝によりコッターピン6A,6Bおよびスペーサ7ならびに打込み治具8が挿通可能な開口挿入穴13Aが形成され、さらに前側連結金具11Aと後側連結金具11Bの間に、締結面に形成された挿入溝により後側コッターピン6Bおよびスペーサ7が挿通可能な中間挿入穴13Bが形成されている。
【0025】
前記連結金具11A,11Bはそれぞれアンカー筋によりセグメントピース2に固定されており、前記コッター穴12A,12Bはフランジ部空間12bの締結側内面が前部側(打込み方向後部)ほど接近するテーパ面12cに形成されている。そして図5(a)(c)に示すように、前側連結金具12Aのコッター穴12Aは、後側連結金具11Bのコッター穴12Bより大きく、後側コッターピン6Aおよびスペーサ7ならびに打込み治具8が通過可能に形成されている。
【0026】
前記前側コッターピン6Aおよび後側コッターピン6Bは、図5(a)(c)に示すように、それぞれ係合部21と、係合部21の基端側に取付けられた把手部22とで構成されている。前記係合部21は、互いに平行な一対のフランジ部21a,21aを連結部21bにより連結した略IまたはH形断面に形成されるとともに、これらフランジ部21aの内面間距離が前部(打込み方向後部)ほど接近する方向に傾斜するテーパ面21cに形成されている。またフランジ部21aの外側面には、コッターピン6A,6Bを保持搬送するためV形断面の保持溝23と、把持凹部24がそれぞれ形成されている。また把手部22は連結部21bから連続する一定厚さに形成され、左右側面に離脱用凹部25が形成されている。
【0027】
また前側コッターピン6Aと後側コッターピン6Bとは、テーパ面21cの内面幅が異なり、奥側となる後側コッターピン6Bは、前側連結金具11Aの開口挿入穴13Aを通過する必要があるため、テーパ面21cの内面幅が前側コッターピン6Aより大きく設定されている。また他の部分は同一に形成される。
【0028】
さらに前記スペーサ7は、図5(b)に示すように、前側連結金具11Aの前側挿入溝13Aを通過可能な打込み部31と、その後部に取付けられた把手部32により構成されている。そして打込み部31は、一対のフランジ部31a,31aと連結部31bによりテーパ面のない略IまたはH形断面に形成され、コッターピン6A,6Bと同一形状の保持溝33および把持凹部34ならびに離脱用凹部35がコッターピン6A,6Bと同一に形成される。
【0029】
また前記打込み治具8は、図5(d)に示すように、前側連結金具11Aのコッター穴12Aを通過可能な打込み部41と、その後部に取付けられた把手部42により構成されている。そして打込み部41は、一対のフランジ部41a,41aと連結部41bによりテーパ面のない略IまたはH形断面に形成され、連結部41bに2個の保持穴46が貫通形成されるとともに、コッターピン6A,6Bと同一形状の保持溝43と把持用凹部44とが形成される。また把手部42の後端部に押込み溝45と一対の掛止爪45aが形成されており、図5(d)の矢印方向に沿って、打込みジャッキ205(図23)がシフトされた時に打込み具207が押込み溝45に嵌合離脱可能に形成されるとともに、掛止爪45aにより打込みジャッキ205による打込み治具8の打込み後に、打込みジャッキ205を収縮することにより、打込み具207が掛止爪45aに抜け止めされて打込み治具8を引き抜くことができる。
【0030】
次にセグメント組立装置52およびセグメント締結装置53を説明する。
このセグメント締結装置53は、図2,図3に示すように、シールド掘進機51の後部に、セグメントピース2を所定位置に搬送して位置決めするセグメント組立装置52に配設されている。このセグメント組立装置52は、シールド本体51aの後部に設けられた支持壁54に旋回軸受55を介して旋回フレーム56がシールド軸心Oを中心に回転自在に支持され、旋回軸受55の外周側の旋回フレーム56に設けられたリングギヤ57と、このリングギヤ57に噛み合い旋回駆動モータ58に回転駆動される駆動ピニオン59とからなる旋回駆動装置60により回転駆動される。またこの旋回フレーム56には、複数の姿勢調整用シリンダ、すなわち半径方向出退シリンダ61、旋回微調整シリンダ62、ヨーイング用シリンダ63、ローリング用シリンダ64、スライド用シリンダ69およびピッチング用シリンダ68とそれぞれのガイド装置により姿勢制御されるセグメント保持フレーム65が設けられており、このセグメント保持フレーム65に設けられたセグメント把持装置66によりセグメントピース2が保持される。そして、このセグメント締結装置53はセグメント保持フレーム65の両側前部にそれぞれ配設されている。67は組立てられたセグメント1の前端面を押圧部材67aを押付ける反力受けとしてシールド掘進機51を前進させる推進ジャッキである。
【0031】
このセグメント締結装置53は、図8,図9に示すように、複数組のコッター部材、すなわちコッターピン6A,6Bとスペーサ7を収容した実装ケース71を保持するケースクランプ装置72と、このケースクランプ装置72に保持された実装ケース71からコッター部材6A,6B,7を2個ずつ取り出し、あるいは内装された2個の打込み治具8を取り出して順次供給するコッター供給装置73と、このコッター供給装置73からコッター部材6A,6B,7および打込み治具8を受け取りピース間継手部3の締結部10に挿入して打込むコッター打込み装置74とで構成されている。
【0032】
前記実装ケース71は、図10〜図12に示すように、そのケース本体80が前後左右の側板81a,81bと上面の格納板81cとを有する矩形箱形に形成され、その格納板81cに形成された複数の保持穴82に、コッター部材6A,6B,7がそれぞれ貫通した状態で挿入され図13,図14に示すコッターロック装置83により保持されている。また左右の側板81bの外面には、中央部に挿入ガイドスペース85が形成された一対の固定ブロック84,84が対称位置に固定されており、これら固定ブロック84には、底部側で両側に突出された受取用クランプ部84aと、天部側で両側に突出された送出用クランプ部84bとが形成されている。また前部の側板81aにロック用孔86が形成されている。
【0033】
そして、セグメント締結装置53に配設されたケースクランプ装置72には、図11,図13に示すように、供給部フレーム121のケース装着窓121aの外周部に、挿入ガイドスペース85に挿入される一対の挿入ガイド体91と、一対2組のケースクランプ装置72が配設されている。これらケースクランプ装置72は、ロック用爪73aを受取用クランプ部84aの上に出退して供給部フレーム121との間で受取用クランプ部84aをクランプ可能な一対2組の受取用クランプシリンダ93と、ロック用レバー94aを回動して先端部をロック用孔86に嵌合可能なロック用シリンダ94により構成されている。
【0034】
一方、セグメント締結装置53のケースクランプ装置72に実装ケース71を装着および離脱するケース搬入出装置(図示せず)の受渡し用ケースクランプ装置95は、図16に示すように、セグメント締結装置53に接近離間自在なケース支持フレーム97のアーム部97a間にケース保持空間96が形成されるとともに、これらアーム部97aに固定ブロック84の送出用クランプ部84bに対応してそれぞれ左右一対のクランプレバー98,98が支持ピン98a,98aを中心に回動自在に配置され、これらクランプレバー98,98の受動端にクランプシリンダ99の作動端と固定端がそれぞれ連結されている。したがってクランプシリンダ99を伸縮することにより、クランプレバー98を支持ピン98aを中心に開閉して各クランプレバー98の作動端で実装ケース71の送出用クランプ部84bに嵌合させ、実装ケース71をケース保持空間96内の一定位置で保持することができる。このように、ケース本体80に設けられた固定ブロック84,84により、ケース装着窓121aに配設されたケースクランプ装置72とケース搬入出装置の受渡し用ケースクランプ装置95との間で安全且つ確実に実装ケース71を受渡しすることができる。
【0035】
次にコッターロック装置83を図13〜図15を参照して説明する。
各保持穴82毎に格納板81cから奥側にコッター部材6A,6B,7の周囲を囲む格納空間101aが形成された平面視がコの字形の格納フレーム101が取り付けられており、この格納空間101aの中間対向位置にコッター部材6A,6B,7の押込みを規制する段部101bが形成されている。また格納フレーム101の両側部に、第1支持ピン102を介してロックアーム(回動部材)104が開閉自在に支持され、このロックアーム104の入口側で円弧状に形成された係止端部104aに、中間部が第支持2ピン106を介して回動自在に支持されたガイドレバー(回動部材)103の駆動端部が連結ピン105aと長穴105bを介して連結連動されている。さらにガイドレバー103の奥側の受動端104bに、係止端部104aが突出される閉動側に付勢するアーム付勢ばね107が連結されており、このアーム付勢ばね107により、ロックアーム104の係止端部104aが突出されてコッター部材6A,6B,7の把持凹部24,34,44に係合され抜け止めされる。しかしこの係止端部104aは円形状に形成されるため、コッター部材6A,6B,7に挿脱方向の押引き力が加わることで、アーム付勢ばね107に抗して把持凹部24,34,44の傾斜面で係止端部104aが押し出されてロックアーム104が開動され、コッター部材6A,6B,7が押込みおよび抜出しが可能となる。
【0036】
そして、これらガイドレバー103の外側部にそれぞれロックアーム104の開動を規制する規制ブロック108が入口側の規制位置(ア)と奥側の開放位置(イ)との間でスライド自在に配置されており、格納フレーム101の上面または下面にガイド部材109aを介して挿脱方向にスライド自在に配設された解除部材109に前記規制ブロック108が取付けられている。また格納フレーム101から挿脱方向に突出されて解除部材109のガイド穴109bに挿入されたガイドロッド110に、解除部材109を規制位置(ア)側に付勢する圧縮ばね111が嵌合されており、規制ブロック108が規制位置(ア)側に付勢されている。
【0037】
したがって、圧縮ばね111に抗して押込み端109cから解除部材109を奥側に押込むことにより、規制ブロック108が規制位置(ア)から開放位置(イ)にスライドされ、さらにコッター部材6A,6B,7が押引きされることで、把持凹部24,34,44から係止端部104aが押し出されてロックアーム104が開動され、コッター部材6A,6B,7を押込みまたは抜出しすることができる。
【0038】
次にコッター供給装置73を図8,図9,図12図17〜図21を参照して説明する。
図8,図9,図17に示すように、ケースクランプ装置72によりケース装着窓121aに実装ケース71が保持される供給部フレーム121には、横行部フレーム122を矢印X−X方向(シールド接線方向)に移動させる横行駆動機構123と、この横行部フレーム122に設けられて縦行部フレーム124を矢印Y−Y方向(シールド軸心方向)に移動させる縦行駆動機構125と、縦行部フレーム124に設けられて把持部フレーム126を矢印Z−Z方向(シールド半径方向)に沿う垂直軸心周りに少なくとも90度の範囲で旋回可能な旋回駆動機構127および矢印Z−Z方向に昇降駆動する昇降駆動機構128が設けられており、この把持部フレーム126に、コッター部材を把持可能な供給把持装置129が設けられている。130は打込み治具8を保持する治具保持機構である。
【0039】
供給部フレーム121は、矩形箱体状に形成され、X−X方向の一側面にケースクランプ装置72が配置されたケース装着窓121aが形成されるとともに、矢印Y−Y方向に沿う切羽側に、コッター出入口121bが形成されている。
【0040】
横行駆動機構123は、供給部フレーム121に設けられてリニアガイド131を介して横行部フレーム122をスライド自在に支持する横行用レール132と、供給部フレーム121に設けられて横行用モータ133により回転駆動される左右一対の横行用ねじ軸134と、横行部フレーム122に設けられて横行用ねじ軸134にそれぞれ嵌合された雌ねじ部材135とを具備し、横行用モータ133により横行用ねじ軸134を回転駆動して雌ねじ部材135により横行部フレーム122を矢印X−X方向に移動させることができる。
【0041】
縦行駆動機構125は、横行部フレーム122に設けられてリニアガイド136を介して縦行部フレーム124をスライド自在に支持する縦行用レール137と、横行部フレーム122に設けられて縦行用モータ138により回転駆動される縦行用ねじ軸139と、縦行部フレーム124に設けられて縦行用ねじ軸139にそれぞれ嵌合された雌ねじ部材140とを具備し、縦行用モータ138により横行用ねじ軸139を回転駆動して雌ねじ部材140により縦行部フレーム122を矢印Y−Y方向に移動させることができる。
【0042】
前記旋回駆動機構127は、縦行部フレーム124に旋回軸受141を介して旋回自在に支持された旋回部フレーム142と、この旋回部フレーム142の背面側に取付けられた円弧状ラック143と、縦行部フレーム124に設けられた旋回用モータ144に回転駆動されて円弧状ラック143に噛み合う旋回用ピニオン145とを具備し、旋回用モータ144により旋回用ピニオン145を回転駆動して円弧状ラック143を旋回させ、旋回部フレーム142を介して供給把持装置129を90度(180度まで)旋回させることができる。
【0043】
昇降駆動機構128は、旋回部フレーム142に設けられてリニアガイド147を介して把持部フレーム126をスライド自在に支持する昇降用レール148と、旋回部フレーム142に設けられて昇降用モータ149により回転駆動される昇降用ねじ軸151と、把持部フレーム126に設けられて昇降用ねじ軸151に嵌合された雌ねじ部材152とを具備し、昇降用モータ149により横行用ねじ軸151を回転駆動して雌ねじ部材152により把持部フレーム126を矢印Z−Z方向に移動させることができる。
【0044】
前記供給把持装置129は、図12,図14,図18に示すように、把持部フレーム126のZ−Z方向に締結部10の締結間隔Rをあけて取付けられた上下一対の支持部材153に、一対2組の供給部把持アーム154がそれぞれ支持ピン155を介して開閉自在に支持され、支持部材153の供給部把持アーム154間にアーム開閉シリンダ156が配設されている。そしてこのアーム開閉シリンダ156の出力ロッドに取付けられた作動部材157の両端部と供給部把持アーム154の間にそれぞれ開閉リンク158が連結ピン159,159を介して連結され、アーム開閉シリンダ156を出退駆動することにより開閉リンク158を介して供給部把持アーム154を開閉し、コッター部材6A,6B,7および打込み治具8を把持開放することができる。そして供給部把持アーム154の遊端部には、コッター部材6A,6B,7および打込み治具8の保持溝23,33,43に係合される把持爪154aと、コッター部材6A,6B,7のフランジ部21a,31a,41aの外面を挟み込む一対の把持用リブ154bがそれぞれ形成されて、コッター部材6A,6B,7および打込み治具8を確実に把持することができる。また支持部材153には、実装ケース71に設けられた解除部材109を押込み端109cから奥側に押込むロック開放部材161が取付けられている。
【0045】
したがって、横行駆動機構123と縦行駆動機構125と旋回駆動機構127と昇降駆動機構128とにより、供給把持装置129の供給部把持アーム154,154が目的のコッターピン6A,6Bまたはスペーサ7に対向され、さらに横行駆動機構123により実装ケース71に接近されることにより、ロック開放部材161が解除部材109を押込んでコッターロック装置83が解除され、さらにアーム開閉シリンダ156により供給部把持アーム154,154が閉動されてコッターピン6A,6Bまたはスペーサ7が把持される。次いで横行駆動機構123により供給把持装置129の供給部把持アーム154,154が実装ケース71から離れる方向に移動されることによりコッターピン6A,6Bまたはスペーサ7が保持穴82から引き出される。さらに、旋回駆動機構127により90°反転された後、横行駆動機構123と縦行駆動機構125と昇降駆動機構128とにより、供給把持装置129が移動されて供給部把持アーム154,154が移動されて供給部フレーム121のコッター出入口121bの受渡し位置に搬送される。
【0046】
前記治具保持機構130は、図19〜図21に示すように、供給部フレーム121内でコッター出入口121bに臨んで取付けられた支持フレーム162に一対のリニアレール163がZ−Z方向に配設され、このリニアレール163にリニアガイド164A,164Bを介して内周側可動フレーム165Aと外周側可動フレーム165Bがスライド自在に設けられている。そして、内周側可動フレーム165Aには、締結部10の締結間隔Rをあけて内周側保持ブロック166Aがそれぞれ取り付けられ、外周側可動フレーム165Bには、締結部10の締結間隔Rをあけて外周側保持ブロック166Bが取り付けられており、これら内外周側保持ブロック166A,166Bにより、一対の打込み治具8を締結間隔Rをあけて挟持するように構成されている。さらに、内周側保持ブロック166Aの把持面には、打込み治具8の保持穴46に嵌合自在な一対の保持ピン167が突設され、外周側保持ブロック166Bの把持面に保持ピン167の先端部が嵌合する受け穴168が形成されている。また前記内周側可動フレーム165Aは、供給部フレーム121の背面上部に取付けられた内周側保持用シリンダ169Aのピストンロッドが連結部材を介して連結され、さらに外周側可動フレーム165Bは、供給部フレーム121の背面下部に取付けられた外周側保持用シリンダ169Bのピストンロッドが連結部材を介して連結されている。
【0047】
したがって、打込み治具8の使用行程になると、横行駆動機構123と縦行駆動機構125と旋回駆動機構127と昇降駆動機構128とにより、供給把持装置129が治具保持機構130に対向して停止され、供給部把持アーム154,154により打込み治具8,8が把持される。そして、内外周側保持用シリンダ169A,169Bがそれぞれ伸展されて両可動フレーム165A,165Bを介して内外周側保持ブロック166A,166Bが互いに離間され、打込み治具8の保持穴46から保持ピン167が離脱される。さらに横行駆動機構123と縦行駆動機構125により、供給把持装置129が移動されて供給部把持アーム154,154に把持された打込み治具8,8が供給部フレーム121のコッター出入口121bの受渡し位置に搬送される。
【0048】
打込み治具8の使用が終了すると、供給部フレーム121のコッター出入口121bの受渡し位置に取り出された打込み治具8,8が供給部把持アーム154,154に把持され、供給把持装置129が移動されて打込み治具8が内外周側可動フレーム165A,165B間に挿入されると、内外周側保持用シリンダ169A,169Bがそれぞれ収縮され両可動フレーム165A,165Bを介して内外周側保持ブロック166A,166Bが互いに接近され、保持ピン167が打込み治具8の保持穴46に嵌合されて連結部41bが内外周側保持ブロック166A,166Bに挟持される。
【0049】
さらに前記コッター打込み装置74を図6,図8,図9,図22〜図27を参照して説明する。
このコッター打込み装置74は、一対のコッター把持アーム75,75によりコッター部材6A,6B,7または打込み治具8を2個ずつ受け取って把持し、受取り位置(挿入打込み位置D)から搭載位置Cに後退させた後、受給位置Aからピース間締結部3に対向する送給位置Bにシールド半径方向に移動させる。次いで、コッター把持挿入手段76によりコッター把持アーム75,75をシールド軸心方向に挿入打込み位置Dまで突出移動させてコッター部材6A,6B,7または打込み治具8を開口挿入穴13Aから連結金具11Aのコッター穴12Aに挿入する。そして、図24,図25に示すように、打込み駆動部シフト手段78により、打込み具207をコッター把持アーム75の出退移動に干渉しない待機位置Eから打込み位置Fにシフトさせる。さらにこのコッター打込み駆動手段77によりコッター把持アーム75,75間から打込み具207を突出させてコッター部材6A,6B,7および打込み治具8を連結金具11A,11Bのコッター穴12A,12Bに打込むように構成されている。
【0050】
以下コッター打込み装置74の詳細を説明する。
前記コッター把持挿入手段76およびコッター打込み駆動手段77ならびに打込み駆動部シフト手段78を具備した打込み装置本体171A,171Bは、図8,図22に示すように、ピース間継手部3の締結部10,10に対応して、シールド半径方向に締結間隔Rをあけて2基が設置されている。
【0051】
ところで、前記セグメントピース2のピース間継手部4は、図6(a),図7(a)に示すように、シールド軸心Oと平行でシールド半径方向に沿う直角締結面を有している。しかしセグメントピース2のうち、セグメントリング4の組立行程で最後に組立てられるKセグメントピース14は、図28,図29に示すように、リング最後の嵌め合わせが容易なように正面視が台形状に形成されている。すなわち、Kセグメントピース14はシールド軸心Oに対してくさび角αを有するとともに、シールド軸心O側に延長された左右の締結面の交点がシールド軸心Oより遠方あるいは平行もしくは離間するように半径方向に対して逃げ角βを有する傾斜締結面14aが形成されて台形状に形成されている。またこのKセグメントピース14の両側には、傾斜締結面14aに対応してくさび角αおよび逃げ角βに相対する傾斜角を有する傾斜締結面16aが形成された直角台形状のAセグメントピース16が配置されている。このため、Kセグメントピース14とAセグメントピース16との傾斜ピース間継手部15では、傾斜締結面14a,16aがくさび角αおよび逃げ角βを持って弧長方向に突き合わされ、図面上では、たとえばくさび角αは12°前後、逃げ角βは11°前後である。
【0052】
前記傾斜ピース間継手部15の傾斜締結面14a,16aは、ピース間継手部2の直角締結面に比較して長く、この直角締結面と同様に均等な締結力を得るために、傾斜ピース間継手部15の連結金具11A,11Bをピース間継手部3の連結金具11A,11Bと同一の円周上に配置すればよい。しかしこれを実施すると、連結金具11A,11B間の距離が他のピース間継手部3の連結金具11A,11Bより長くなることになる。すると、セグメント締結装置53による打込み距離やスペーサ7の長さを、傾斜ピース間継手部15のみ特別に設定する必要が生じる。
【0053】
これを解決するためにこの実施の形態では、図6(b),図7(b)に示すように、セグメントピース2,14,16の幅方向の中心を通りシールド軸心Oに直交する中心面Cとコッターピン6A,6Bの中心線の交点OA,OBを中心として一定の配設距離La=Lbだけ離れて連結金具11A,11Bが配設されている。この配設距離La,Lbは、直角締結面を有する他のピース間継手部3の連結金具11A,11B間の配設距離と同一に設定されているため、コッターピン6A,6B、スペーサ7および打込み治具8も同一部材を使用することができる。そして、セグメント締結装置53は、内周側と外周側に配置された打込み装置本体171A,171Bを、傾斜ピース間継手部70の打込み作業時のみ、コッター打込み方向をくさび角αだけ傾斜させるとともに、逃げ角βに起因する周方向のずれ量δだけ接線方向にシフトさせればよい。このように、シールド掘進機51に設けられたセグメント締結装置53による打込み位置や打込み方向などの位置制御や方向制御の基準要素も、他のピース間継手部3と共通させることができ、また締結強度も前後で均等にすることができる。
【0054】
したがって、供給部フレーム121に、打込み方向調整機構170および半径方向出退機構180ならびに打込み位置調整機構181を介して打込み装置本体171A,171Bが配設されている。
【0055】
すなわち、打込み方向調整機構170は、図8,図22に示すように、供給部フレーム121に旋回軸受172,172を介して傾動アーム173,173がシールド半径方向の軸心周りに回動自在に支持され、供給部フレーム121と傾動アーム173との間に連結された傾動用シリンダ174により打込み装置本体171A,171Bをくさび角αだけ傾動してコッター部材6A,6B,7および打込み治具8の打込み方向を調整可能に構成されている。
【0056】
また半径方向出退機構180は、図9に示すように、傾動アーム173,173の先端部間に連結された半径方向フレーム173a,173aに一対の出退用レール175,175が配設され、これら出退用レール175,175にリニアガイド176aを介して出退用フレーム176がシールド半径方向に移動自在に配置されている。そして半径方向フレーム173a,173aに取付けられた一対の出退用ラック177,177と、これら出退用ラック177,177にそれぞれ噛み合う出退用ピニオン178,178と、これら出退用ピニオン178,178を減速機を介してそれぞれ回転駆動する出退用モータ179,179とを有する出退駆動装置により、打込み装置本体171A,171Bが供給部フレーム121のコッター出入口121bに対向するコッター受給位置Aとコッター送給位置Bとの間で出退移動するように構成されている。
【0057】
さらに打込み位置調整機構181は、図8,図22に示すように、出退用フレーム176に、リニアガイドおよびリニアレールからなる第1接線方向ガイド装置を介して内周側打込み装置本体171Aがスライド自在に配設され、さらに内周側打込み装置本体171Aにリニアガイドおよびリニアレールからなる第2接線方向ガイド装置183を介して外周側打込み装置本体171Bが所定範囲でスライド自在に配設されている。そして、出退フレーム176に垂設された側部アーム176aに、内周側打込み装置本体171Aに連結されて所定範囲でスライドさせる第1位置調整用シリンダ184Aと、外周側打込み装置本体171Bに連結されて所定範囲でスライドさせる第2位置調整用シリンダ184Bとが取り付けられている。
【0058】
2基設置された打込み装置本体171A,171Bは同一構造であるため、一方のみを説明する。
すなわち、打込み装置本体171Aに設けられたコッター把持挿入手段76は、図23,図24に示すように、本体フレーム191の外周側にリニアレールおよびリニアガイドからなる挿入ガイド装置192を介してシールド軸心方向にスライド自在に配置されたアーム出退フレーム193と、このアーム出退フレーム193の先端側(坑内側)に接線方向に所定間隔をあけて配設されアーム支持ピン194,194を中心に開閉自在な一対のコッター把持アーム75,75とを具備し、これらコッター把持アーム75,75間に後述する打込みジャッキ205の打込み具207が通過可能な間隔が形成されている。
【0059】
そして、アーム出退フレーム193の左右の外側部には、コッター把持アーム75を開閉する開動用シリンダ195aおよび閉動用シリンダ195bからなる2個一組のアーム開閉装置195,195がそれぞれ設けられている。さらにこの本体フレーム191には、アーム出退フレーム193の左右両側に把持アーム出退装置199,199が配設されており、この把持アーム出退装置199は、挿入ストロークSより少し大きい間隔をあけて配置された一対の出退用スプロケット196A,196Bと、出退用スプロケット196A,196B間で挿入駆動モータ197により回転される駆動スプロケット196Cと、テンション用スプロケット196Dと、両端部がアーム出退フレーム193に連結されてこれらスプロケット196A〜196Dに巻張された挿入駆動チェーン198とで構成されている。そしてこの把持アーム出退装置199により、図27に示すように、コッター把持アーム75を切羽側のコッター搭載位置Cと坑内側のコッター受渡し位置(挿入打込み位置Dと同じ)との間でシールド軸心方向に挿入ストロークだけ往復移動させることができる。またこの把持アーム出退装置199は、組立てられたセグメントピースとシールド掘進機51の推進ジャッキ67の押圧部材67aの間の限られた図2に示す空間に打込み装置本体171A,171Bが挿入されるため、アーム出退フレーム193の挿入ストロークの範囲に収まるようにコンパクトに形成されている。
【0060】
またこれらコッター把持アーム75の先端側内面には、図26に示すように、コッター部材6A,6B,7と打込み治具8の把持凹部24,34,44に嵌合する把持凸部201が形成されている。これら把持凹部24,34,44には、前後方向に略45°で傾斜する前後傾斜受け面24a,24aと、左右両側で左右方向に略45°で傾斜する左右傾斜受け面24b,24bが形成されており、一方コッター把持アーム75の把持凸部201には、各前後傾斜受け面24aにそれぞれ当接する前後傾斜押え面201a,201aと各左右傾斜受け面24bにそれぞれ当接する左右傾斜押え面201b,201bとが形成され、これら傾斜押え面201a,201bにより、コッターピン6A,6Bを前後方向および左右方向に位置決めして正確な位置および姿勢で把持することができ、コッター部材6A,6B,7および打込み治具8を前側連結金具11Aのコッター穴12Aにスムーズに挿入することができる。
【0061】
またコッター打込み駆動手段77は、図23〜図25,図27に示すように、コッター把持供給手段76の内周側に配置されており、打込み駆動部シフト手段78により、アーム出退フレーム193の挿入移動経路上の打込み位置Fとその内周側の待機位置Eの間でシフトされる。すなわち、本体フレーム191の左右両側にシールド半径方向のシフト用レール202aおよびリニアガイド202bからなるシフトガイド装置202を介してシフトフレーム203がスライド自在に支持されている。そしてシフトフレーム203の両側にシフト駆動装置であるシフト用シリンダ208の本体が取り付けられ、そのピストンロッドが本体フレーム191に連結されて打込み駆動部シフト手段78が構成されている。
【0062】
また前記シフトフレーム203には、リニアレールおよびリニアガイドからなる位置決めガイド装置204を介して打込み駆動手段である打込みジャッキ205がシールド軸心方向に所定範囲でスライド自在に支持されるとともに、シフトフレーム203から垂設された受けブラケット203aと打込みジャッキ205のブラケット205aの間で、ブラケット205aから突設されたスライド軸205bに外嵌された位置決め用ばね206により、打込みジャッキ205が後退側(切羽側)に付勢されている。さらにこの打込みジャッキ205の出力ロッドにT形の打込み具207が取り付けられており、この打込み具207により、コッター部材6A,6B,7をそれぞれ打込み可能で、かつ打込み治具8の押込み溝45に嵌合させて打込み可能で、かつ掛止爪45aにより引抜き可能に構成される。
【0063】
また図23に示すように、前記打込みジャッキ205の打込み方向の両側にはそれぞれ位置決めブロック211が突設されている。一方、アーム出退フレーム193とコッター把持アーム75の基端部内面には、前記挿入打込み位置Dで位置決めブロック(図示せず)が嵌合可能な位置決め凹部212と係合凹部213が形成されている。またこの位置決め凹部には、L形の位置決めストッパ212が取付けられている。
【0064】
したがって、コッター把持アーム75,75によりコッター部材6A,6B,7および打込み治具8のいずれかを把持させ、把持アーム出退装置199の挿入駆動モータ197を起動して駆動用スプロケット196Cを回転させ挿入駆動用チェーン198を移動させることにより、コッター把持アーム75,75をコッター搭載位置Cから挿入打込み位置D(コッター受渡し位置)に移動させ、コッター部材6A,6B,7または打込み治具8をピース間継手部3の開口挿入穴13Aから連結金具11Aのコッター穴12Aに挿入する。ついで、シフト用シリンダ208を駆動して打込みジャッキ205を待機位置Eから打込み位置Fにスライドさせ、位置決めブロック211を位置決め凹部212に嵌合させる。さらに把持アーム出退装置199を再駆動してアーム出退フレーム193をわずかに前進させることにより、位置決め用ばね206の作用で位置決めブロック211を位置決めストッパ212aに当て付けて位置決めを行う。さらにアーム開閉装置195を駆動してコッター把持アーム75,75を開動し、基端部に形成された係合凹部213を位置決めブロック21に嵌合させて、コッター把持アーム75,75と打込みジャッキ205とを連結固定する。次いで打込みジャッキ205を伸展して打込み具207によりコッター部材6A,6B,7または打込み治具8を連結金具11Aのコッター穴12Aに打込むことができる。
【0065】
次にこのセグメント締結装置53による締結動作を順を追って説明する。
1.受渡し用ケースクランプ装置95により実装ケース71を保持した支持フレーム97が、セグメント締結装置53の供給部フレーム121に接近移動され、その実装ケース71がケース装着窓121aに搬入され、挿入ガイド体91に固定ブロック84の挿入ガイドスペース85が嵌合されると、ケース保持手段72の受取り用クランプシリンダ93が駆動されてロック用爪93aが受取用クランプ部84aに突出されてクランプされる。同時にロック用シリンダ94によりロック用レバー94aがロック用穴86に嵌合される。そして、受渡し用ケースクランプ装置95のクランプシリンダ99によりクランプレバー98が開動されて固定ブロック84の送出用クランプ部84bが開放され、実装ケース71が支持フレーム97から供給部フレーム121にスムーズに受け渡される。
【0066】
2.セグメント組立装置52によりセグメントピース2が所定位置に運ばれて位置決めされる作業中に、セグメント締結装置53では各駆動機構123,125,128と旋回駆動機構127により供給把持装置129が移動されて、実装ケース71の目的のコッターピン6B,6Bが把持され、実装ケース71から引き抜かれて供給部フレーム121のコッター出入口121bに搬送される。
【0067】
3.このコッターピン6B,6Bがコッター把持挿入手段76のコッター把持アーム75,75に把持されて搭載位置Cまで後退され、さらにセグメントピース2の位置決めが完了すると、半径方向出退機構180の出退用モータ179が駆動されて打込み装置本体171A,171Bがコッター受給位置Aからピース間締結部3に対向するコッター送給位置Bまで外周側に移動される。
【0068】
4.後述する手順に従って、コッターピン6B,6Bの打込みが終了すると、次いで実装ケース71および治具保持機構130からスペーサ7,7、打込み治具8、コッターピン6A,6Aの順に順次取り出されてコッター打込み装置74に受け渡され、ピース間継手部3に打込まれる。これにより周方向に隣接するセグメントピース2が強固に締結される。なお、打込み治具8は、使用後に治具保持機構130に戻されて再使用される。
【0069】
5.また、傾斜ピース間継手部15の場合には、打込み方向調整機構170によりコッター打込み装置74の打込み方向がくさび角αに対応されるとともに、打込み位置調整機構181により第1,第2傾動部シフト用シリンダ184A,184Bが伸縮されて打込み装置本体171A,171Bの打込み位置を逃げ角βによるずれ量δに対応される。
【0070】
次に図30〜図33を参照してコッター打込み装置74によるピース間継手3の締結方法を説明する。
a.コッター供給装置73により供給された後側コッターピン6Bをコッター把持アーム75,75で受け取り、把持アーム出退装置199により後側コッターピン6Bが搭載位置に後退される。そして図30(a)に示すように、半径方向出退機構180により打込み装置本体171A,171Bがピース間締結部3の対向位置に移動されて後側コッターピン6Bが移送される。
【0071】
そして、図30(b)に示すように、把持アーム出退装置199によりコッター把持アーム75,75が搭載位置Cから挿入打込み位置Dに移動されて、後側コッターピン6Bが開口挿入穴13Aから前側連結金具11Aのコッター穴12Aの入口に挿入される。さらに打込み駆動部シフト手段78のシフト用シリンダ208により打込みジャッキ205が待機位置Eから打込み位置Fにスライドされ、またアーム開閉装置195によりコッター把持アーム75,75が開動されて後側コッターピン6Bが解放される。
【0072】
b.図30(c)に示すように、打込みジャッキ205が伸展されて打込み具207によりコッター部材6Bが連結金具11Aのコッター穴12Aに打込まれる。さらに、コッター把持アーム75,75が閉動された後、シフト用シリンダ208により打込みジャッキ205が打込み位置Fから待機位置Eに後退され、次いでコッター把持アーム75,75が搭載位置Cまで後退される。そして半径方向出退機構180により打込み装置本体171A,171Bをコッター供給装置73の対応位置まで後退させてスペーサ7を受け取る。
【0073】
c.図30(d)に示すように、コッター受給位置Aでコッター供給装置73からスペーサ7を受け取った打込み装置本体171A,171Bがコッター送給位置Bに移動されると、図31(e)に示すように、把持アーム出退装置199によりコッター把持アーム75が搭載位置Cから挿入打込み位置Dに移動され、スペーサ7が開口挿入穴13Aから前側連結金具11Aのコッター穴12Aに挿入される。このスペーサ7の挿入により、後側コッターピン6Bがコッター穴12Aから中間挿入穴13B側に押し出される。さらに打込み駆動部シフト手段78のシフト用シリンダ208により打込みジャッキ205が待機位置Eから打込み位置Fにスライドされる。
【0074】
d.さらに図31(f)に示すように、アーム開閉装置195によりコッター把持アーム75,75が開動されてスペーサ7が解放されると、打込みジャッキ205が伸展されて打込み具207により連結金具11Aのコッター穴12Aに打込まれる。これにより、後側コッターピン6Bが中間挿入穴13Bに押し出される。さらに、同様の動作で打込みジャッキ205が打込み位置Fから待機位置Eに後退され、次いでコッター把持アーム75,75が後方の搭載位置Cまで後退される。そして半径方向出退機構180により打込み装置本体171A,171Bがコッター供給装置73の対応位置まで後退されて治具保持機構130から取り出された打込み治具8を受け取る。
【0075】
e.図31(g)に示すように、コッター受給位置Aで打込み治具8が受け取った打込み装置本体171A,171Bがコッター送給位置Bに移動されると、図31(h)に示すように、把持アーム出退装置199によりコッター把持アーム75が搭載位置Cから挿入打込み位置Dに移動され、打込み治具8が開口挿入穴13Aから前側連結金具11Aのコッター穴12Aに挿入される。この打込み治具8の挿入により、スペーサ7を介して後側コッターピン6Bの先端部が後側連結金具11Aのコッター穴12に挿入される。次に打込みジャッキ205が打込み位置にスライドされ、コッター把持アーム75,75が開動されて打込み治具8が解放される。
【0076】
f.さらに図32(i)に示すように、打込みジャッキ205が伸展されて打込み具207により打込み治具8が打込まれると、スペーサ7を介して後側コッターピン6Bが後側連結金具11Bのコッター穴12Bに打込まれる。これにより後側コッターピン6Bのテーパ面21cの作用で後側連結金具11B,11Bが強固に締結される。
【0077】
g.次いで図32(j)に示すように、打込みジャッキ205が収縮されると、打込み具207が押込み溝45内で掛止爪45aに係合されることから、打込み治具8が打込み前の挿入打込み位置に戻される。さらに図32(k)に示すように、コッター把持アーム75,75により打込み治具8が把持され、把持アーム出退装置199によりコッター把持アーム75が挿入打込み位置Dから搭載位置Cに戻される。そして半径方向出退機構180により打込み装置本体171A,171Bがコッター送給位置Bからコッター受給位置Aにコッター供給装置73の対応位置まで後退されて打込み治具8が返送され、さらに前側コッターピン6Aを受け取る。
【0078】
h.図33(l)に示すように、コッター供給装置73から受け取った前側コッターピン6Aがコッター送給位置Bに移動されると、図33(m)に示すように、把持アーム出退装置199によりコッター把持アーム75が搭載位置Cから挿入打込み位置Dに移動され、前側コッターピン6Aが開口挿入穴13Aから前側連結金具11Aのコッター穴12Aに挿入される。さらに打込みジャッキ205が待機位置Eから打込み位置Fにスライドされる。
【0079】
i.図33(n)に示すように、アーム開閉装置195によりコッター把持アーム75,75が開動されてコッターピン6Aが解放されると、打込みジャッキ205が伸展されて打込み具207により前側連結金具11Aのコッター穴12Aに打込まれる。これにより前側コッターピン6Aのテーパ面21cの作用で前側連結金具11A,11Aが強固に連結される。
【0080】
上記実施の形態によれば、複数のコッター部材6A,6B,7を装填した実装ケース71から、コッター供給装置73によりコッター部材6A,6B,7を順次取り出してコッター打込み装置74に渡し、コッター打込み装置74によりコッター部材6A,6B,7をピース間継手部3の締結部10に打込むように構成したので、比較的重量のあるコッター部材6A,6B,7を、実装ケース71を介して能率良く供給することができる。
【0081】
また供給部フレーム121内に治具保持機構130を介して打込み治具8を装備させて繰り返し使用可能に構成し、供給把持装置129の供給部把持アーム154により、実装ケース71からコッター部材6A,6B,7を取り出してコッター打込み装置74に供給するとともに、治具保持機構130とコッター打込み装置74との間で打込み治具8の受渡しを行うように構成したので、コッター打込み装置74に短時間でコッター部材6A,6B,7および打込み治具8を順次供給して、スムーズにコッター部材6A,6B,7を直接、あるいは打込み治具8を介してピース間継手部3の締結部10に打込むことができ、締結に要する作業時間を短縮することができる。
【0082】
さらに実装ケース71に装填されたコッター部材6A,6B,7をコッターロック装置83により確実に保持することができ、搬送やセグメント締結装置53の姿勢変向による実装ケース71の変位変動があってもコッター部材6A,6B,7の脱落を防止でき、また供給把持装置129のロック解放部材161により、解除部材109を介してコッターロック装置83を解除することができ、供給部把持アーム154によるコッター部材6A,6B,7の取り出しも容易に行うことができる。
【0083】
さらにまた回動部材であるロックアーム104とガイドレバー103とが連結された係止端部104aをアーム付勢ばね107により突出側に付勢させ、ガイドレバー103の後退を規制する規制ブロック108によりコッター部材6A,6B,7の抜け止めができ、簡単な構成でコッター部材6A,6B,7を確実に保持できて、解除部材109により規制ブロック108を移動するだけでロックを解除でき、しかもコッター部材6A,6B,7を押引きしないと抜け出ることがないので、単に解除部材109が他の部材に接触しただけでコッター部材6A,6B,7が抜け落ちることが無く、複数のコッター部材6A,6B,7を安定して搬送供給することができる。
【0084】
また実装ケース71のケース本体80の対向する側面に固定した固定ブロック84の両側に、受取り用クランプ部84aと送出用クランプ部84bとを設けたので、セグメント締結装置53とケース搬入出装置との間で実装ケース71を、固定ブロック84を介して受渡しを安全かつ確実に行うことができ、実装ケース71やクランプ装置72,95の構造を簡易化することができる。
【0085】
また、コッター部材6A,6B,7および打込み治具8を開口挿入穴13Aから前側連結金具11Aのコッター穴12Aに挿入するコッター把持挿入手段76と、コッター部材6A,6B,7および打込み治具8をコッター穴12A,12Bに打込むコッター打込み駆動手段77とをシールド半径方向に配置して、打込み駆動部シフト手段78により、打込み駆動手段77である打込みジャッキ205を待機位置Eから打込み位置Fにシフトさせ、打込みジャッキ205により打込み具207をコッター把持アーム75,75間から突出駆動してコッター部材6A,6B,7および打込み治具8を打込むように構成したので、コッター把持挿入手段76と打込みジャッキ205とをコッター打込み方向に交差するシールド半径方向に配置することができる。したがって、セグメントピース2の前端面2aと推進ジャッキ67の押付部材67aとのスペースが狭くても、ピース間継手部3にコッターピン6A,6Bを順次搬入して打込むことができる。また、ピース間継手部3の締結面に複数組の連結金具11A,11Bを設けて、それぞれにコッターピン6A,6Bを打込むので、取り扱うコッターピン6A,6Bの長さを短く設定することができ、コッターピン打込み装置74のコンパクト化に寄与できる。
【0086】
さらに、IまたはH形断面のコッターピン6A,6Bにより、周方向に隣接するセグメントピース2をそれぞれの連結金具11A,11Bを介して強固に連結することができ、半径方向の負荷に強いピース間継手部3を提供することができる。
【0087】
さらにまた、コッター把持アーム75,75を搭載位置Cから挿入打込み位置Dまで出退駆動する把持アーム出退装置199を、スプロケット196A〜196Dと挿入駆動チェーン198と、出退駆動モータ197とで構成したので、コッター把持アーム75が出退する略挿入ストロークSの長さ範囲の前後に把持アーム出退装置199を収容することができ、コッター打込み装置74のコンパクト化が図れてセグメントピース2の前端面2aと推進ジャッキ67の押付部材67aとの狭いスペース内に容易に挿入することができる。
【0088】
また、前側連結金具11Aのコッター穴12Aを挿通できる打込み治具8を使用することにより、後側連結金具11Bのコッター穴12Bにコッターピン6Bを容易に打込むことができる。また打込み後、打込みジャッキ205の打込み具207を後退させることで、掛止爪45aにより打込み具8を押込み溝45内に抜け止めして打込み治具8をコッター穴12Aから抜出すことができる。また打込み駆動部シフト手段78により打込みジャッキ205を待機位置Eと打込み位置Fとの間でシフト移動させることで、打込み具207を容易に押込み溝45に嵌合、離脱することができるので、打込み治具8の装着も容易となる。
【0089】
またコッター把持アーム75,75によりコッター部材6A,6B,7および打込み治具8を把持するに際して、コッター把持アーム75の把持凸部201を把持凹部24,34,44に嵌合させることにより、傾斜受け面24a,24bと傾斜押え面201a,201bの作用でコッター部材6A,6B,7および打込み治具8を一定位置で一定姿勢に保持することができ、コッター部材6A,6B,7および打込み治具8を前側連結金具11Aのコッター穴12Aに正確に挿入することができる。
【0090】
上記実施の形態では、コッターピンおよびコッター穴を略IまたはH形断面としたが、図34に示すように、連結部302,312とフランジ部303,313からなり、フランジ部303,313の内面をテーパ面303a,313aとしたチャンネル形断面のコッターピン301およびコッター穴310(スペーサや打込み治具も同一断面)にすることもできる。
【0091】
【発明の効果】
以上に述べたごとく本発明の請求項1記載の発明によれば、コッターピンをコッター穴に挿入するコッター把持挿入手段と、挿入されたコッターピンをコッター穴に打込むコッター打込み駆動手段とを配置して、打込み駆動部シフト手段によりコッターピンをコッター穴に挿入した後の打込み位置にシフトさせ、コッター把持アーム間から打込み具を駆動してコッターを打込むように構成したので、コッター把持挿入手段とコッター打込み駆動手段とをコッター打込み方向に交差する方向に配置することができる。したがって、セグメントの前端面と推進ジャッキの押付部材とのスペースが狭くても、ピース間継手部にコッターピンを搬入して順次打込むことができる。また、ピース間継手部の締結面に複数組の連結金具を設けて、それぞれにコッターピンを打込むので、取り扱うコッターピンの長さを短く設定することができ、コッターピン打込み装置のコンパクト化に寄与できる。
【0092】
また請求項2記載の発明によれば、周方向に隣接するセグメントピースをそれぞれの連結金具を介して強固に連結することができ、半径方向の負荷に強いピース間継手部を提供することができる。
【0093】
さらに請求項3記載の発明によれば、スプロケットと挿入駆動チェーンとで把持アーム出退装置を構成したので、コッター把持アームが出退する略挿入ストロークの長さ内に把持アーム出退装置を収容することができ、コッター打込み装置のコンパクト化が図れ、セグメントの前端面と推進ジャッキの押付部材との狭いスペース内に容易に挿入することができる。
【0094】
さらにまた請求項4記載の発明によれば、後方の連結金具のコッター穴を挿通できる打込み治具を使用することにより、打込み後にコッター打込み駆動手段の打込み具を後退させることで、掛止爪により打込み具を押込み溝内に抜け止めして打込み治具をコッター穴から抜出すことができ、打込み治具の再利用が可能となる。また打込み駆動部シフト手段によりコッター打込み駆動手段をシフト移動させることで、打込み具を押込み溝に嵌合、離脱することができるので、打込み具と打込み治具との連結も容易に行うことができる。
【0095】
また請求項5記載の発明によれば、コッター把持アームによりコッターピンを把持する際に、把持凹部と把持凸部とを嵌合させることにより、傾斜受け面と傾斜押え面の作用でコッターピンを一定位置に、一定の姿勢で保持することができ、コッターピンを連結金具のコッター穴により正確に挿入することができる。
【0096】
さらに請求項6記載の発明によれば、セグメントリングの最後に組立られるKセグメントとこれに隣接するAセグメントとは、その締結面がシールド軸心方向に対して傾斜するくさび角を有する傾斜ピース間継手部により締結されるが、打込み方向調整機構によりこの傾斜ピース間継手部に対応してコッターピンの打込み方向を容易に変向することができる。
【0097】
また請求項7記載の発明によれば、くさび角を有する傾斜ピース間継手部の傾斜締結面に逃げ角が形成されて、半径方向に複数の締結部が設けられた場合、複数の締結部は、その逃げ角により打込み位置が接線方向に互いにずれることになるが、打込み位置調整機構により打込み装置本体を接線方向にスライドさせて、容易にこれに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコッター式セグメント締結装置により締結されるセグメントの実施の形態を示す斜視図である。
【図2】 同コッター式セグメント締結装置を有するセグメント組立装置を示す側面図である。
【図3】 同コッター式セグメント締結装置を有するセグメント組立装置を示す背面図である。
【図4】 同コッター式セグメント締結装置により締結されるピース間継手部とコッター部材を示す斜視図である。
【図5】 (a)〜(d)はそれぞれ同コッター式セグメント締結装置により使用されるコッター部材を示し、(a)は後側コッターピンの斜視図、(b)はスペーサを示す斜視図、(c)は前側コッターピンの斜視図、(d)はスペーサを示す斜視図である。
【図6】 (a),(b)はそれぞれ同コッター式セグメント締結装置により締結されるピース間継手部を示し、(a)は通常のピース間継手部を示す平面断面図、(b)は傾斜ピース間継手部を示す平面断面図である。
【図7】 (a),(b)はそれぞれ同コッター式セグメント締結装置により締結されるピース間継手部を示し、(a)は通常のピース間継手部を示す正面図、(b)は傾斜ピース間継手部を示す正面図である。
【図8】 同コッター式セグメント締結装置を示す一部切欠き側面図である。
【図9】 同コッター式セグメント締結装置を示す平面断面図である。
【図10】 同コッター式セグメント締結装置に使用する実装ケースを示す斜視図である。
【図11】 同コッター式セグメント締結装置のケースクランプ装置を示す正面図である。
【図12】 同コッター式セグメント締結装置の実装ケースと供給把持装置を示す側面図である。
【図13】 同コッター式セグメント締結装置の実装ケースとケースクランプ装置を示す側面図である。
【図14】 同コッター式セグメント締結装置のコッターロック装置を示す平面断面図である。
【図15】 同コッター式セグメント締結装置のコッターロック装置を示す平面図である。
【図16】 同コッター式セグメント締結装置に実装ケースを受け渡す受け渡し用ケースクランプ装置を示す正面図である。
【図17】 同コッター式セグメント締結装置のコッター供給手段を示す正面断面図である。
【図18】 同コッター供給手段の供給把持装置を示す拡大平面図である。
【図19】 同(a)〜(c)はそれぞれコッター供給手段の治具保持機構を示し、(a)は上部昇降部材を示す側面図、(b)は下部昇降部材を示す側面図、(c)は上部および下部昇降部材を組み合わせた治具保持機構を示す側面図である。
【図20】 同コッター供給手段の治具保持機構を示す平面図である。
【図21】 同(a)〜(c)はそれぞれコッター供給手段の治具保持機構を示し、(a)は上部昇降部材を示す正面図、(b)は下部昇降部材を示す正面図、(c)は上部および下部昇降部材を組み合わせた治具保持機構を示す正面図である。
【図22】 同コッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置を示す全体背面図である。
【図23】 同コッター打込み装置のコッター把持挿入手段およびコッター打込み駆動手段を示す平面断面図である。
【図24】 同コッター式セグメント締結装置の駆動部シフト機構を示す部分背面断面図である。
【図25】 同コッター式セグメント締結装置の駆動部シフト機構を示す平面断面図である。
【図26】 同コッター打込み装置のコッター把持アームの先端部とコッター部材との嵌合部を示す部分斜視図である。
【図27】 同コッター打込み装置を示す概略側面断面図である。
【図28】 同コッター式セグメント締結装置により締結されるKセグメントピースを示すセグメントリングの全体平面図である。
【図29】 同コッター式セグメント締結装置により締結されるKセグメントピースを示すセグメントリングの全体正面図である。
【図30】 (a)〜(d)はそれぞれ同コッター式セグメント締結装置による締結手順を示す説明図である。
【図31】 (e)〜(h)はそれぞれ同コッター式セグメント締結装置による締結手順を示す説明図である。
【図32】 (i)〜(k)はそれぞれ同コッター式セグメント締結装置による締結手順を示す説明図である。
【図33】 (l)〜(n)はそれぞれ同コッター式セグメント締結装置による締結手順を示す説明図である。
【図34】 コッター式セグメント締結装置に使用するコッターピンおよび連結金具の他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 セグメント
2 セグメントピース
3 ピース間継手部
4 セグメントリング
5 リング間継手部
6A,6B コッターピン
7 スペーサ
8 打込み治具
10 締結部
11A,11B 連結金具
12A,12B コッター穴
13A 開口挿入穴
13B 中間挿入穴
14 Kセグメント
15 傾斜ピース間継手部
16 Aセグメント
24,34,44 把持凹部
24a 前後傾斜受け面
24b 左右傾斜受け面
45 押込み溝
45a 掛止爪
51 シールド掘進機
52 セグメント組立装置
53 セグメント締結装置
67 推進ジャッキ
71 実装ケース
72 ケースクランプ装置
73 コッター供給装置
74 コッター打込み装置
75 コッター把持アーム
76 コッター把持挿入手段
77 コッター打込み駆動手段
78 打込み駆動部シフト手段
83 コッターロック装置
103 ガイドレバー
104 ロックアーム
104a 係止端部
107 アーム付勢ばね
108 規制ブロック
109 解除部材
129 供給把持装置
130 治具保持機構
154 供給部把持アーム
170 打込み方向調整機構
180 半径方向出退機構
181 打込み位置調整機構
199 把持アーム出退装置
201 把持凸部
201a 前後傾斜押え面
201b 左右傾斜押え面
205 打込みジャッキ
207 打込み具
A コッター受給位置
B コッター送給位置
C 搭載位置
D 挿入打込み位置
E 待機位置
F 打込み位置

Claims (7)

  1. セグメントピースが周方向に隣接されるピース間継手部の締結面に、弧長方向に互いに突き合わされてコッター穴を形成する一対の連結金具を複数組配設し、セグメントピースの前端部からコッターピンを前記各連結金具のコッター穴にそれぞれ打込んでセグメントピースを締結するコッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置であって、
    コッターピンを把持開放可能な複数のコッター把持アームをシールド軸心方向に出退移動してコッターピンをコッター穴に挿入するコッター把持挿入手段と、
    コッター穴に挿入されたコッターピンを、開放されたコッター把持アーム間から打込み具を駆動して打込むコッター打込み駆動手段と、
    このコッター打込み駆動手段を、コッター把持アーム間の打込み位置と、コッター把持アームの出退移動に干渉しない待機位置との間でシフトさせる打込み駆動部シフト手段を設けた
    ことを特徴とするコッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置。
  2. コッターピンは、両セグメントピースの装着された連結金具にそれぞれ嵌合されるフランジ部と、これらフランジ部を互いに連結する連結部からなり、前記フランジ部の内面間距離が、打込み方向の前部側が広く、後部側ほど狭くなるテーパー状に形成され、
    コッター穴に打ち込まれたコッターピンの前記テーパ面により両連結金具が互いに接近する方向に圧接されて締結されるように構成された
    ことを特徴とする請求項1記載のコッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置。
  3. コッター把持挿入手段に設けられてコッター把持アームを出退移動する把持アーム出退装置を、コッター把持アームを開閉自在に支持するアーム出退フレームの出退方向の側方に略挿入ストロークの間隔をあけて配置された一対の出退用スプロケットと、挿入駆動モータにより回転される駆動スプロケットと、両端部がアーム出退フレームに連結されて前記出退用スプロケットおよび駆動スプロケットに巻張された挿入駆動チェーンとで構成した
    ことを特徴とする請求項1または2記載のコッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置。
  4. コッター穴に挿入されてコッターピンの打込みに使用する打込み治具を備え、
    この打込み治具の後端部に、打込み駆動部シフト手段によるコッター打込み駆動手段のシフト移動により嵌合離脱自在な押込み溝を形成し、
    この押込み溝に、打込み治具の引抜き時に抜け止めする掛止爪を形成した
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置。
  5. コッター把持アームとコッターピンの一方に把持凹部を形成するとともに、他方にこの把持凹部に嵌合自在な把持凸部を形成し、
    前記把持凹部に90度隔てた四方向に所定角度で傾斜する傾斜受け面を形成するとともに、前記把持凸部に各傾斜受け面にそれぞれ当て付けられる傾斜押え面を形成した
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のコッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置。
  6. コッター把持挿入手段とコッター打込み駆動手段と打込み駆動部シフト手段とを具備した打込み装置本体を、シールド半径方向の軸心周りに傾動させてコッターピンの打込み方向を傾斜ピース間継手部に対応させる打込み方向調整機構を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のコッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置。
  7. ピース間継手部にシールド半径方向に一定間隔をあけて複数の締結部を設け、
    これら締結部に対応して打込み装置本体をシールド半径方向に複数基配設し、
    前記打込み装置本体をそれぞれ接線方向にスライドして傾斜ピース間継手部の締結面の逃げ角による締結部の位置ずれに対応させる打込み位置調整機構を設けた
    ことを特徴とする請求項6記載のコッター式セグメント締結装置のコッター打込み装置。
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