JP3763264B2 - プリプレグの積載方法及びプリプレグの積載装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、銅張積層板等の積層体を製造するために、長尺帯状物を切断して定寸としたプリプレグの積載方法及びこの積載方法に使用するプリプレグの積載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、銅張積層板等の積層体を製造するために、長尺帯状物を切断して定寸としたプリプレグを、積載台上に順次積載することが行われている。例えば、図6に示すように、ガラス布、紙等のロール状に巻かれた基材1に樹脂ワニス2を含浸した後、乾燥機3内で乾燥して、半硬化状態とした樹脂成分と基材で構成されている長尺帯状物4を製造し、この長尺帯状物4を切断装置5で切断して定寸のプリプレグ6とし、このプリプレグ6を搬送コンベヤ7で1枚ずつ搬送し、昇降機能を備えた積載台8に順次積載することが行われている。そして、プリプレグ6を積載台8に積載する方法としては、搬送コンベヤ7で1枚ずつ搬送しているプリプレグ6の前端を、積載台8の上方に配置した移動装置9に水平方向に移動自在に設けたクランプ付き搬送アーム11のクランプ10で掴んだ後、搬送アーム11を移動させてプリプレグ6を積載台8上に搬送し、次いでクランプ10を開放して積載台8上にプリプレグを積載する方法が行われている。
【0003】
しかし、このような積載方法では、クランプ10を開放して積載台8上にプリプレグ6を積載した際にプリプレグ6の積載位置が一定しないため、積載台8上のプリプレグ6の積載位置を安定化するには、クランプ10を開放して積載台8上にプリプレグ6を積載した後に、例えば図7に示すような、一定距離間を進退自在であるジョガーと呼ばれる当止部材13A、13B、14A、14Bからなる位置決め装置を配置し、当止部材13A、13B、14A、14Bをプリプレグの外側(4方向すべての外側)で進退運動をさせることによって、プリプレグ6の積載位置を1枚ずつ所定位置に揃える必要があった。なお、当止部材13A、13B、14A、14Bによって、積載されたプリプレグ6の積載位置を一枚ずつ揃える方法としては、各当止部材13A、13B、14A、14Bが所定の内側位置で停止するようにして、前進・後退運動を行わせるようにすることで、プリプレグの搬送方向及びそれと直交する方向について積載位置を所定位置に揃えることが可能である。
【0004】
また、プリプレグ6をクランプ10で保持しながら、高速で移動する搬送アーム11(図7では省略)にブレーキをかけて停止させる際に、搬送して来たプリプレグ6の後部がそれまでの進行方向に惰性で巻きこまれ、その後に積載されるプリプレグによって、巻きこまれた部分が積載物の中に折り込まれてしまい、プリプレグ6が損傷するトラブルが発生することもあった。
【0005】
また、プリプレグ積載工程の次工程では、1枚の銅張積層板等を製造するのに使用する所定枚数(通常は1〜20枚程度)のプリプレグを銅箔等と組み合わせる作業が行われるため、次工程の準備として所定枚数単位でプリプレグを両側方に振り分けて積載台に積載することも行われている。その場合、従来は、図7に示すように、積載台を2台準備し、第1の積載台8で所定枚数に達したプリプレグ1セット(1ブックと呼ぶ)をまとめて、第2の搬送アーム(図7では省略)の第2のクランプ15で掴み、第2の搬送アーム(図7では省略)を移動させて1ブック分の所定枚数のプリプレグ6を第2の積載台16上に搬送して、所定枚数単位で積載位置をずらして積載することが行われている。しかし、この場合、1ブック分の所定枚数のプリプレグ6を、第1の積載台8から第2の積載台16上に搬送するために要する時間が長く、その間は、第1の積載台8上に新たなプリプレグ6を積載することができないため、ライン速度を高速化することが困難であるという問題があった。また、積載台を2台準備する必要があり、設備の設置スペースが大きくなるという欠点もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みて成されたもので、その目的とする所は、長尺帯状物を切断して定寸としたプリプレグを、積載台上に搬送して積載した際にプリプレグの積載位置が安定化するプリプレグの積載方法を提供すること及びこの積載方法に使用する積載装置を提供することである。また、さらには、長尺帯状物を切断して定寸としたプリプレグを積載台上に搬送し、所定枚数単位で両側方に振り分けて積載台に積載する場合に、プリプレグを積載台上に搬送し、両側方に振り分けて積載台に積載する一連の工程のライン速度を高速化することが可能なプリプレグの積載方法を提供すること及びこの積載方法に使用する積載装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のプリプレグの積載方法は、長尺帯状物を切断して定寸のプリプレグとした後、搬送コンベヤで1枚ずつ搬送しているプリプレグの前端を、積載台の上方で水平方向に移動自在であるクランプ付き搬送アームのクランプで掴んだ後、搬送アームを移動させてプリプレグを積載台上に搬送し、次いでクランプを開放することにより、積載台上に順次プリプレグを積載するプリプレグの積載方法において、
積載台と積載台上に搬送してきたプリプレグとの間であって、プリプレグの両側端が積載される位置に対応する位置に一対のガイド部材を載置することにより、プリプレグの両側端が積載される位置の積載面の高さを、両側端間の中間域が積載される位置の積載面の高さより高く形成するようにし、
一対のガイド部材それぞれが、その上面を対向して載置する他方のガイド部材側に向かって下り勾配となる傾斜面に形成し、
一対のガイド部材それぞれにプリプレグの側端位置の位置揃え手段を形成していて、ガイド部材上に積載されたプリプレグをこの位置揃え手段を用いて所定枚数に達するまでその側端位置を第1所定位置に揃えて積載した後、ガイド部材を積載を終えたプリプレグの上方に移動させると共に、位置揃え手段で揃える側端位置を第2所定位置に変更することにより、所定枚数単位でプリプレグを両側方に振り分けて積載するようにし、
積載台の上方で所定枚数のプリプレグを積載可能であり、その分割物がプリプレグの搬送方向と直交する方向に進退自在である仮置きステージの上面にガイド部材を配設していて、積載枚数が所定枚数に達するまでは仮置きステージ上にプリプレグを積載し、積載枚数が所定枚数に達したときに、仮置きステージを分割して開くことにより、所定枚数に達したプリプレグを仮置きステージ上から積載台上に移動して、所定枚数単位でプリプレグを両側方に振り分けて積載するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明のプリプレグの積載方法は、位置揃え手段が、一対のガイド部材のそれぞれに配設された、プリプレグの搬送方向と直交する方向に進退自在である当止部材であることを特徴とする請求項1記載のプリプレグの積載方法である。
【0009】
請求項3に係る発明のプリプレグの積載装置は、積載台の上方で水平方向に移動自在であるクランプ付き搬送アームと、積載台を備えるプリプレグの積載装置であって、積載台と積載台上に搬送してきたプリプレグとの間であって、プリプレグの両側端が積載される位置に対応する位置に載置可能な一対のガイド部材を備えていて、プリプレグの両側端が積載される位置の積載面の高さを、両側端間の中間域が積載される位置の積載面の高さより高く形成され、
一対のガイド部材それぞれが、その上面を対向して載置する他方のガイド部材側に向かって下り勾配となる傾斜面に形成され、
積載台の上方で所定枚数のプリプレグを積載可能であり、その分割物がプリプレグの搬送方向と直交する方向に進退自在である仮置きステージを有していて、この仮置きステージの上面にガイド部材を配設していることを特徴とするプリプレグの積載装置である。
【0010】
請求項4に係る発明のプリプレグの積載装置は、一対のガイド部材それぞれにプリプレグの側端位置の位置揃え手段を形成していることを特徴とする請求項3記載のプリプレグの積載装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
本発明のプリプレグの積載方法は、図6に示すように、ガラス布、紙等のロール状に巻かれた基材1に樹脂ワニス2を含浸した後、乾燥機3内で乾燥して、半硬化状態とした樹脂成分と基材で構成されている長尺帯状物4を製造し、この長尺帯状物4を切断装置5で切断して定寸のプリプレグ6とし、このプリプレグ6を搬送コンベヤ7で1枚ずつ搬送し積載台8に順次積載する場合に適用することができる。
【0019】
プリプレグの積載方法の発明についての参考例では、図6に示すように、長尺帯状物4を切断して定寸のプリプレグ6とした後、搬送コンベヤ7で1枚ずつ搬送しているプリプレグ6の前端を、昇降機能を有する積載台8の上方に配置した移動装置9に水平方向に移動自在に設けたクランプ付き搬送アーム11のクランプ10で掴んだ後、搬送アーム11を移動させて、プリプレグ6を積載台8上に搬送し、次いでクランプ10を開放して、積載台8上にプリプレグ6を積載する。そして、図1に示すように、プリプレグの両側端21、22が積載される位置の積載面の高さを、両側端21、22間の中間域23が積載される位置の積載面の高さより高く形成するようにしている。
【0020】
この参考例では、積載台8と積載台8上に搬送してきたプリプレグ6との間であって、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置に対応する位置に一対の長尺のガイド部材24、25を載置することにより、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置の積載面の高さを、両側端21、22間の中間域23が積載される位置の積載面の高さより高く形成するようにしている。この場合、ガイド部材24、25で挟まれる位置の積載面が、両側端21、22間の中間域23が積載される位置の積載面となる。
【0021】
また、一対のガイド部材24、25それぞれは、その上面26、27を対向して載置する他方のガイド部材側に向かって下り勾配となる傾斜面に形成し、その底面を水平面に形成している。従って、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置の積載面となるガイド部材24、25のそれぞれの上面26、27は、内側に傾斜した傾斜面となる。なお、ガイド部材24、25の上にプリプレグ6が積載された後、次の新たなプリプレグが積載される場合には、積載面は既に積載済みのプリプレグ面となるが、その場合も、ガイド部材24、25が配置されているため、新たなプリプレグ6の両側端21、22が積載される位置の積載面の高さは、両側端21、22間の中間域23が積載される位置の積載面の高さより高く形成されるようになる。
【0022】
また、参考例におけるガイド部材24、25は、プリプレグ6の搬送する方向と直交する方向にガイド部材移動手段(図示せず)、によって移動可能に形成していて、ガイド部材24、25上に所定枚数のプリプレグの積載を終えた場合には、ガイド部材24、25をガイド部材移動手段(図示せず)、によって積載物の外側の位置に移動し、その高さを調整して、再度積載済みのプリプレグ上であって、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置に対応する位置に移動して、載置するようにしている。このようにして、積載位置が安定している多量のプリプレグを積載台8上に積載することができる。なお、この場合の所定枚数は、1ブックを形成する枚数に限る必要はなく、単にガイド部材24、25を積載物の外側の位置に移動させる作業がやりやすい枚数とすることができる。そして、ガイド部材移動手段としては例えばエアーシリンダー等を用いることができる。
【0023】
このように、この参考例では、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置の積載面の高さを、両側端21、22間の中間域23が積載される位置の積載面の高さより高く形成しているため、搬送されてくるプリプレグ6は両側方が高く形成されている溝の中を滑りながら搬送されてくる状態になる。そのため、クランプ10を開放して、積載台8上にプリプレグ6を積載する場合に、平坦な積載面の場合に比べて、プリプレグ6の積載位置が安定化する。従って、一定距離間を進退自在であるジョガーと呼ばれる当止部材よりなる位置決め装置等を用いて、プリプレグ6の積載位置を1枚ずつ所定位置に強制的に揃える作業を省略することが可能となり、工程が簡素化される。
【0024】
また、この参考例では、搬送されてくるプリプレグ6は両側方が高く形成されている溝の中を滑りながら搬送されてくる状態になるため、プリプレグ6はクランプ10で保持されている前端以外は、中間域23を底として湾曲した状態で搬送されることになる。湾曲した状態のプリプレグ6は、搬送方向に対してはコシが強くなるので、高速で移動する搬送アーム11にブレーキをかけて停止させる際に、搬送して来たプリプレグ6の後部が惰性で搬送方向に巻きこまれる現象は生じにくくなる。そのため、この参考例によれば、巻きこまれた部分が積載物の中に折り込まれて、プリプレグ6が損傷するというトラブルを防止することができ、それに伴いプリプレグ6の搬送速度を向上させることも可能となる。
【0025】
次に、プリプレグの積載装置の参考例について説明する。上述した、プリプレグの積載方法の発明についての参考例で使用しているのがプリプレグの積載装置の参考例であり、図6に示すように積載台8の上方で、移動装置9によって水平方向に移動自在となっているクランプ付き搬送アーム11と、昇降機能を有する積載台8を備えるプリプレグの積載装置であって、図1に示すように積載台8と積載台8上に搬送してきたプリプレグ6との間であって、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置に対応する位置に載置可能な一対の長尺のガイド部材24、25を備えていて、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置の積載面の高さを、両側端21、22間の中間域23が積載される位置の積載面の高さより高く形成するようにしている。また、一対のガイド部材24、25それぞれは、その上面26、27を対向して載置する他方のガイド部材側に向かって下り勾配となる傾斜面に形成し、その底面を水平面に形成している。
【0026】
このプリプレグの積載装置の参考例を用いると、プリプレグの積載方法の参考例で説明したように、平坦な積載面の積載装置の場合に比べて、プリプレグ6の積載位置が安定化する。また、高速で移動する搬送アーム11にブレーキをかけて停止させる際に、搬送して来たプリプレグ6の後部が惰性で搬送方向に巻きこまれる現象はが生じにくくなり、巻きこまれた部分が積載物の中に折り込まれて、プリプレグ6が損傷するというトラブルを防止することが可能となり、それに伴いプリプレグ6の搬送速度を向上させることも可能となる。
【0027】
次に、プリプレグの積載方法の発明についての実施形態を説明する。この場合、参考例と同様に、図6に示すように、長尺帯状物4を切断して定寸のプリプレグ6とした後、搬送コンベヤ7で1枚ずつ搬送しているプリプレグ6の前端を、昇降機能を有する積載台8の上方に配置した移動装置9に水平方向に移動自在に設けたクランプ付き搬送アーム11のクランプ10で掴んだ後、搬送アーム11を移動させて、プリプレグ6を積載台8上に搬送し、次いでクランプ10を開放して、積載台8上にプリプレグ6を積載する。
【0028】
そして、図2示すように、参考例と同様に、積載台8と積載台8上に搬送してきたプリプレグ6との間であって、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置に対応する位置に一対の長尺のガイド部材24、25を載置することにより、プリプレグの両側端21、22が積載される位置の積載面の高さを、両側端21、22間の中間域23が積載される位置の積載面の高さより高く形成するようにしている。また、一対のガイド部材24、25それぞれは、その上面26、27を対向して載置する他方のガイド部材側に向かって下り勾配となる傾斜面に形成し、その底面を水平面に形成している。従って、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置の積載面となるガイド部材24、25のそれぞれの上面26、27は、内側に傾斜した傾斜面となる。なお、ガイド部材24、25の上にプリプレグ6が積載された後、次の新たなプリプレグが積載される場合には、積載面は既に積載済みのプリプレグ面となるが、その場合も、ガイド部材24、25が配置されているため、新たなプリプレグ6の両側端21、22が
積載される位置の積載面の高さは、両側端21、22間の中間域23が積載される位置の積載面の高さより高く形成されるようになる。
【0029】
そして、本実施形態では、積載台8の上方の位置にあって、少なくとも1ブック分の所定枚数(1枚〜20枚程度)のプリプレグ6を積載可能であり、その分割物30A、30Bがプリプレグ6の搬送方向と直交する方向に進退自在である平板状の仮置きステージ30の上面にガイド部材24、25を配設している。
【0030】
また、一対のガイド部材24、25それぞれには、プリプレグの側端位置の位置揃え手段として、当接部材14A,14Bを形成している。ガイド部材24、25上に積載されたプリプレグ6を、位置揃え手段である当接部材14A,14Bを用いて後述する操作によって、所定枚数に達するまでその側端位置を第1所定位置に揃えて積載する。その後、図3に示すように、仮置きステージ30を分割して開き、仮置きステージの分割物30A、30Bを、積載を終えた所定枚数のプリプレグ6の外側位置に移動させる。この、分割物30A、30Bの進退は、例えばエアーシリンダー等のステージ移動手段(図示せず)を配置することにより行うことができる。
【0031】
次に、図4に示すように、仮置きステージの分割物30A、30B上に配設しているガイド部材24、25を、ガイド部材移動手段(図示せず)、によって積載を終えた所定枚数のプリプレグ6の外側位置に移動することにより、仮置きステージ30上でその側端位置を第1所定位置に揃えられ所定枚数に達していたプリプレグ6を、平坦な積載面となっている積載台8上に移動させる。
【0032】
そして、仮置きステージの分割物30A、30B及びガイド部材24、25の高さを調整した後、積載台8上に積載済みであるプリプレグ6上に仮置きステージの分割物30A、30B及びガイド部材24、25を移動すると共に、分割されていた仮置きステージ30を閉じて、図2で示される状態にする。次に、ガイド部材24、25それぞれに形成しているプリプレグの側端位置の位置揃え手段により、ガイド部材24、25上に積載されるプリプレグ6の側端位置を第2所定位置に揃えて所定枚数に達するまで積載するようにする。
【0033】
以下、上記の手順を繰り返すことによって、本実施形態では、所定枚数単位でプリプレグ6を両側方に振り分けて積載台8上に積載するようにしている。この場合の所定枚数は、特に限定するものではないが、1枚の銅張積層板等を製造するのに使用するいわゆる1ブック分に相当する枚数としておくと、次工程での他の材料等との組み合わせが容易にできるので好ましい。
【0034】
位置揃え手段である当接部材14A,14Bを用いて所定枚数に達するまで、プリプレグの側端位置を揃えて積載する操作について説明する。本実施形態でガイド部材24、25それぞれに形成しているプリプレグの側端位置の位置揃え手段は、図2に示すように、一定距離間を進退自在であるジョガーと呼ばれる当止部材14A、14Bを、ガイド部材24、25のそれぞれに対向するように設けたものである。図5に示すように、例えば一方のガイド部材24に設けた当止部材14Aが最外方位置(プリプレグ6の搬送方向と直交する方向における)となる位置を、プリプレグ6の側端位置を揃える第1所定位置(符号31を付した一点鎖線の位置)と設定し、他方のガイド部材24に設けた当止部材14Bが最外方位置(プリプレグ6の搬送方向と直交する方向における)となる位置を、プリプレグ6の側端位置を揃える第2所定位置(符号32を付した一点鎖線の位置)と設定しておく。
【0035】
図5に示すように、クランプ10を開放した時点では搬送されてきたプリプレグ6は、閉じているステージ30の中央位置に積載されるが、一方のガイド部材24に設けた当止部材14Aを最外方位置となる位置(第1所定位置)に固定し、他方のガイド部材24に設けた当止部材14Bを進退運動させることにより、プリプレグ6は中央位置から移動させられて、その一方の側端縁の位置が第1所定位置に揃えられて、積載されるるようになる。同様にして、プリプレグ6の他方の側端縁の位置を第2所定位置に揃えて、積載することもできる。このようにして、所定枚数に達するまではその側端縁の位置を第1所定位置又は第2所定位置に揃えて積載することにより、所定枚数単位でプリプレグ6の積載位置を揃えることができるのである。
【0036】
この積載方法に関する実施形態では、積載方法に関する参考例と同様に、平坦な積載面の場合に比べて、プリプレグ6の積載位置が安定化する。また、高速で移動する搬送アーム11にブレーキをかけて停止させる際に、搬送して来たプリプレグ6の後部が惰性で搬送方向に巻きこまれる現象はが生じにくくなり、巻きこまれた部分が積載物の中に折り込まれて、プリプレグ6が損傷するというトラブルを防止することが可能となり、それに伴いプリプレグ6の搬送速度を向上させることも可能となる。
【0037】
そして、本実施形態のプリプレグの積載方法では、仮置きステージ30の分割物30A、30Bと、ガイド部材24、25を、積載を終えた所定枚数のプリプレグ6の外側位置に移動させることにより、仮置きステージ30上でその側端位置を所定位置に揃えられている所定枚数のプリプレグ6を、平坦な積載面となっている積載台8上に垂直方向に移動させて、所定枚数単位でプリプレグ6を両側方に振り分けて積載台8に積載するようにしている。そのため、本実施形態では、従来の2台の積載台を使用する場合のように、所定枚数のプリプレグを、第1の積載台から第2の積載台上に水平方向に搬送する必要がないため、所定枚数単位でプリプレグ6を両側方に振り分けて積載台8上に積載するのに要する時間が短くできる。そのため、長尺帯状物を切断して定寸としたプリプレグ6を、積載台8上に搬送し、所定枚数単位で両側方に振り分けて積載台8に積載する一連の工程のライン速度を高速化することが可能となる。また、積載台を2台準備する必要がなく、設備の設置スペースが少なくてすむという効果も奏する。
【0039】
仮置きステージ30を配設しておくと、積載台8上に多量にプリプレグの積載を行った場合に、プリプレグの厚みバラツキ等の影響で積載面の平坦性が損なわれた場合でも、新たに位置揃えをするプリプレグの中央域が積載される位置の積載面の平坦性を、仮置きステージ30によって確保して、正確な位置揃えを達成することが可能であるため、所定枚数単位でプリプレグ6を両側方に振り分けて積載台8上に積載する場合には、仮置きステージ30を配設しておくことが好ましい。
【0040】
次に、プリプレグの積載装置の実施形態について説明する。上述した、プリプレグの積載方法の発明についての実施形態で使用しているのがプリプレグの積載装置の実施形態であり、図6に示すように積載台8の上方で、移動装置9によって水平方向に移動自在となっているクランプ付き搬送アーム11と、昇降機能を有する積載台8を備えるプリプレグの積載装置であって、図2に示すように積載台8と積載台8上に搬送してきたプリプレグ6との間であって、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置に対応する位置に載置可能な一対の長尺のガイド部材24、25を備えていて、プリプレグ6の両側端21、22が積載される位置の積載面の高さを、両側端21、22間の中間域23が積載される位置の積載面の高さより高く形成するようにしている。また、一対のガイド部材24、25それぞれは、その上面26、27を対向して載置する他方のガイド部材側に向かって下り勾配となる傾斜面に、その底面を水平面に形成し形成している。
【0041】
さらに、一対のガイド部材24、25それぞれにプリプレグの側端位置の位置揃え手段として、一定距離間を進退自在であるジョガーと呼ばれる当止部材14A、14Bを、ガイド部材24、25のそれぞれに対向するように設けている。さらに、積載台8の上方で所定枚数のプリプレグ6を積載可能であり、その分割物30A、30Bがプリプレグ6の搬送方向と直交する方向に進退自在である平板状の仮置きステージ30を有していて、この仮置きステージ30の上面に上記ガイド部材24、25を配設している。この、プリプレグの積載装置の実施形態の使用方法及びその作用効果については、プリプレグの積載方法の実施形態で述べたとおりである。
【0042】
【発明の効果】
本発明のプリプレグの積載方法並びにプリプレグの積載装置では、プリプレグの両側端が積載される位置の積載面の高さを、両側端間の中間域が積載される位置の積載面の高さより高く形成しているため、搬送されてくるプリプレグは両側方が高く形成されている溝の中を滑りながら搬送されてくる状態になる。そのため、クランプを開放して、積載台上にプリプレグを積載する場合に、平坦な積載面の場合に比べて、プリプレグの積載位置が安定化する。また、搬送されてくるプリプレグは両側方が高く形成されている溝の中を滑りながら搬送されてくる状態になるため、プリプレグはクランプで保持されている前端以外は、中間域を底として湾曲した状態で搬送されることになり、湾曲した状態のプリプレグは、搬送方向に対してはコシが強くなるので、高速で移動する搬送アームにブレーキをかけて停止させる際に、搬送して来たプリプレグの後部が惰性で搬送方向に巻きこまれる現象は生じにくくなる。従って、長尺帯状物を切断して定寸としたプリプレグを、積載台上に搬送して積載した際に、平坦な積載面の場合に比べて、プリプレグの積載位置が安定化する。また、搬送速度が速い場合でも、搬送して来たプリプレグの後部が惰性で搬送方向に巻きこまれ、積載物の中に折り込まれて、プリプレグが損傷するというトラブルを防止することができるようになる。
【0043】
本発明のプリプレグの積載方法並びにプリプレグの積載装置では、一対のガイド部材それぞれにプリプレグの側端位置の位置揃え手段を形成していて、ガイド部材上に積載されたプリプレグをこの位置揃え手段を用いて所定枚数に達するまでその側端位置を第1所定位置に揃えて積載した後、ガイド部材を積載を終えたプリプレグの上方に移動させると共に、位置揃え手段で揃える側端位置を第2所定位置に変更することにより、所定枚数単位でプリプレグを両側方に振り分けて積載するようにしているので、従来の2台の積載台を使用する場合のように、所定枚数のプリプレグを、第1の積載台から第2の積載台上に水平方向に搬送する必要がないため、所定枚数単位でプリプレグ6を両側方に振り分けて積載台8上に積載するのに要する時間が短くできる。従って、長尺帯状物を切断して定寸としたプリプレグを、積載台上に搬送し、所定枚数単位で両側方に振り分けて積載台に積載する場合に、プリプレグを積載台上に搬送し、所定枚数単位で両側方に振り分けて積載する一連の工程のライン速度を高速化することが可能となる。また、積載台を2台準備する必要がなく、設備の設置スペースが少なくてすむという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例を説明するための斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態における動作を説明するための斜視図である。
【図3】 本発明の実施形態における図2に続く動作を説明するための斜視図である。
【図4】 本発明の実施形態における図3に続く動作を説明するための斜視図である。
【図5】 本発明の実施形態における、側端位置を揃える動作を説明するための平面図である。
【図6】 従来の方法及び、本発明の方法及び装置が適用されるプリプレグの積載方法を説明するための概略図である。
【図7】 従来のプリプレグの積載方法及び積載装置を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1 基材
2 樹脂ワニス
3 乾燥機
4 長尺帯状物
5 切断装置
6 プリプレグ
7 搬送コンベヤ
8 積載台
9 移動装置
10 クランプ
11 搬送アーム
13A、13B、14A、14B 当止部材
15 第2のクランプ
16 第2の積載台
21、22 側端
23 中間域
24、25 ガイド部材
26、27 上面
30 仮置きステージ
30A、30B 分割物
31 第1所定位置
32 第2所定位置
Claims (4)
- 長尺帯状物を切断して定寸のプリプレグとした後、搬送コンベヤで1枚ずつ搬送しているプリプレグの前端を、積載台の上方で水平方向に移動自在であるクランプ付き搬送アームのクランプで掴んだ後、搬送アームを移動させてプリプレグを積載台上に搬送し、次いでクランプを開放することにより、積載台上に順次プリプレグを積載するプリプレグの積載方法において、
積載台と積載台上に搬送してきたプリプレグとの間であって、プリプレグの両側端が積載される位置に対応する位置に一対のガイド部材を載置することにより、プリプレグの両側端が積載される位置の積載面の高さを、両側端間の中間域が積載される位置の積載面の高さより高く形成するようにし、
一対のガイド部材それぞれが、その上面を対向して載置する他方のガイド部材側に向かって下り勾配となる傾斜面に形成し、
一対のガイド部材それぞれにプリプレグの側端位置の位置揃え手段を形成していて、ガイド部材上に積載されたプリプレグをこの位置揃え手段を用いて所定枚数に達するまでその側端位置を第1所定位置に揃えて積載した後、ガイド部材を積載を終えたプリプレグの上方に移動させると共に、位置揃え手段で揃える側端位置を第2所定位置に変更することにより、所定枚数単位でプリプレグを両側方に振り分けて積載するようにし、
積載台の上方で所定枚数のプリプレグを積載可能であり、その分割物がプリプレグの搬送方向と直交する方向に進退自在である仮置きステージの上面にガイド部材を配設していて、積載枚数が所定枚数に達するまでは仮置きステージ上にプリプレグを積載し、積載枚数が所定枚数に達したときに、仮置きステージを分割して開くことにより、所定枚数に達したプリプレグを仮置きステージ上から積載台上に移動して、所定枚数単位でプリプレグを両側方に振り分けて積載するようにしたことを特徴とするプリプレグの積載方法。 - 位置揃え手段が、一対のガイド部材のそれぞれに配設された、プリプレグの搬送方向と直交する方向に進退自在である当止部材であることを特徴とする請求項1記載のプリプレグの積載方法。
- 積載台の上方で水平方向に移動自在であるクランプ付き搬送アームと、積載台を備えるプリプレグの積載装置であって、積載台と積載台上に搬送してきたプリプレグとの間であって、プリプレグの両側端が積載される位置に対応する位置に載置可能な一対のガイド部材を備えていて、プリプレグの両側端が積載される位置の積載面の高さを、両側端間の中間域が積載される位置の積載面の高さより高く形成され、
一対のガイド部材それぞれが、その上面を対向して載置する他方のガイド部材側に向かって下り勾配となる傾斜面に形成され、
積載台の上方で所定枚数のプリプレグを積載可能であり、その分割物がプリプレグの搬送方向と直交する方向に進退自在である仮置きステージを有していて、この仮置きステージの上面にガイド部材を配設していることを特徴とするプリプレグの積載装置。 - 一対のガイド部材それぞれにプリプレグの側端位置の位置揃え手段を形成していることを特徴とする請求項3記載のプリプレグの積載装置。
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