JP3763260B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いて画像を形成するプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に関する。特に、その廃トナー容器およびこの容器内に回収された廃トナーを検出するための技術に関するものである。
【従来の技術】
一般に、電子写真技術を用いた画像形成装置は、外周面に感光層を有する感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段と、この現像手段により現像されたトナー像を転写対象である用紙等の記録材に転写させる転写手段と、転写後に感光体の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段とを有している。
また、転写手段としては、感光体上に形成されたトナー像が転写(一次転写)され、このトナー像をさらに転写対象である用紙等の記録材に転写(二次転写)する中間転写体を用いたものが知られており、その中間転写体に対してもクリーニング手段が設けられている。
そして、このような画像形成装置において、クリーニング手段により除去されたトナー(廃トナー)の回収容量の増大化を図るためには、クリーニング手段とは別の廃トナー容器を用いて、クリーニング手段により除去されたトナーを回収するようにすることが望ましい。
また、このような廃トナー容器は、これが廃トナーで一杯になる前に交換することができるように、装置本体に対して着脱可能に構成することが望ましく、そのためには、廃トナー容器が廃トナーで一杯になる前に、これを検出する必要がある。
【0002】
従来、上記のように装置内の異なる箇所(クリーニング手段)で生じた廃トナーを回収する技術として、図7に示すようなものが知られている(実開平7−32667号公報)。
図7において、1はクリーニング器、2は転写ベルトユニット、3は廃トナー容器である。
廃トナー容器3には、上方に伸びるトナー回収突部3aが設けられ、この回収突部3aに回収口3b、3cが設けられている。これら回収口3b、3cに、上記クリーニング器1のトナー排出管1a、転写ベルトユニット2のトナー排出管2aがそれぞれ連結されることによって、クリーニング器1からの廃トナーと、転写ベルトユニット2からの廃トナーとが、廃トナー容器3に回収されるようになっている。
【0003】
また、従来、廃トナー容器が廃トナーで一杯になったことを検出する技術として、図8に示すようなものが知られている(特開昭62−156685号公報)。
図8において、4は感光体、5はクリーニングユニットである。
クリーニングユニット5は、トナー像転写後に感光体4の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレード5aと、このブレード5aにより掻き落とされたトナーを後方の回収室5bに送る回転板5cとを有している。
回収室5bの天板には、膜状ゴムで形成されたカップ状の可撓性部材6が設けられており、この可撓性部材6の上面に反射板7が設けられている。
一方、画像形成装置本体には光源8と、光センサ9とが設けられている。
図(a)に示すように、回収室5b内に廃トナーが一杯になっていない状態では、可撓性部材6が室内側(下方へ)に突出していて、光源8から照射され反射板7で反射された光Lは光センサ9に当たらないが、図(b)に示すように、回収室5b内に廃トナーが一杯になると、そのトナー圧で可撓性部材6が室外側(上方へ)に突出し、反射板7による反射光Lが光センサ9に当たるようになる。これによって、回収室5bが廃トナーで一杯になったことを検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示した従来の技術では、廃トナー容器3の回収口3b、3cが上下方向に並んで設けられているので、これに連結するトナー排出管1a、2aも回収口3b、3cに対応させて上下方向に並べなければならない。トナー排出管1a、2aは、これを曲管とするとトナー搬送性に障害が生ずるおそれがあるので、直管とすることが望ましい。結果として、クリーニング器1および転写ベルトユニット2も上記回収口3b、3cに対応させて配置する必要が生じる。
このため、図7に示した従来の技術では、クリーニング器1および転写ベルトユニット2の構造およびそのレイアウトの自由度、すなわち画像形成装置構成上の自由度が、著しく制限されてしまうという問題があった。
このような問題は、廃トナー容器の回収口を水平方向において位置を異にして設けることによって解決することが可能である。
しかしながら、廃トナー容器の回収口を水平方向において位置を異にして設けると、廃トナー容器の水平方向において、その回収口からそれぞれ別々に回収された廃トナーが各回収口の下方においてそれぞれ山状に蓄積されることとなるため、例えば、単に図8に示した検出技術を用いたのでは廃トナー容器の交換時期を適正に検出することが困難になるという別の問題が生じる。
【0005】
この発明の目的は、以上のような問題を解決し、廃トナー容器の回収口を水平方向において位置を異にして設けることによって画像形成装置構成上の自由度を向上させることができると同時に、廃トナー容器の回収口が水平方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器の交換時期を適正に検出することがてきるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の画像形成装置は、装置内の異なる箇所で生じた廃トナーを、別々の回収口を介して回収する廃トナー容器を備えた画像形成装置において、
前記廃トナー容器には前記回収口が水平方向および鉛直方向において位置を異にして設けられているとともに、廃トナー容器の水平方向に関し前記回収口同士の間であって回収口の直下部位外の部位において廃トナーを検出する検出手段が設けられており,この検出手段は、最も低い位置にある回収口側に偏倚した位置であって,前記回収口から回収され廃トナー容器内において山状に蓄積される廃トナーの斜面同士がぶつかる位置を通る鉛直線上またはその近傍において廃トナーを検出することを特徴とする。
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記廃トナー容器には、その側壁において外方に向かって内空の凸状でかつ上記鉛直線方向に伸び、回収された廃トナーによって内方が徐々に満たされる、光透過性を有する薄肉部が一体的に形成されているとともに、
画像形成装置本体には、前記検出手段として前記薄肉部を両側から挟む位置に透過型の光センサが設けられていることを特徴とする。
【0007】
【作用効果】
請求項1記載の画像形成装置によれば、装置内の異なる箇所で生じた廃トナーを、別々の回収口を介して回収する廃トナー容器を備えた画像形成装置において、前記廃トナー容器には、前記回収口が水平方向において位置を異にして設けられているので、画像形成装置構成上の自由度が向上する。
また、廃トナー容器内の廃トナーを検出する検出手段が、廃トナー容器の水平方向に関し前記回収口同士の間であって回収口の直下部位外の部位において廃トナーを検出する構成となっているので、廃トナー容器の回収口が水平方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器の交換時期を適正に検出することが可能となる。すなわち、回収口から回収された廃トナーは廃トナー容器内において山状に蓄積されるから、仮に、検出手段が、回収口同士の間以外の位置あるいはいずれかの回収口の直下部において廃トナーを検出する構成になっていたとすると、廃トナー容器内に所定量(適正量)の廃トナーが回収される前に、廃トナー容器の交換時期が検出されてしまうことになるのに対し、この請求項1記載の画像形成装置によれば、検出手段が、廃トナー容器の水平方向に関し前記回収口同士の間であって回収口の直下部位外の部位において廃トナーを検出する構成となっているので、廃トナー容器の回収口が水平方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器の交換時期を適正に検出することが可能となる。
以上のように、この請求項1記載の画像形成装置によれば、画像形成装置構成上の自由度を向上させることができると同時に、廃トナー容器の回収口が水平方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器の交換時期を適正に検出することがてきるようになる。
【0008】
請求項2記載の画像形成装置によれば、請求項1記載の画像形成装置において、前記回収口は廃トナー容器の鉛直方向において位置を異にして設けられているので、画像形成装置構成上の自由度をより一層向上させることができる。
また、前記検出手段は、最も低い位置にある回収口側に偏倚した位置において廃トナーを検出する構成となっているので、廃トナー容器の回収口が水平方向および鉛直方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器の交換時期を適正に検出することが可能となる。すなわち、上述したように回収口から回収された廃トナーは廃トナー容器内において山状に蓄積されるから、例えば仮に、検出手段が、最も高い位置にある回収口側に偏倚した位置において廃トナーを検出する構成となっていたとすると、検出がなされる前に、最も低い位置にある回収口から廃トナーが漏れ出してしまうおそれがあるのに対し、この請求項2記載の画像形成装置によれば、検出手段が、最も低い位置にある回収口側に偏倚した位置において廃トナーを検出する構成となっているので、最も低い位置にある回収口から廃トナーが漏れ出すことを防止することが可能となる。
【0009】
請求項3記載の画像形成装置によれば、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記検出手段は、前記回収口から回収され廃トナー容器内において山状に蓄積される廃トナーの斜面同士がぶつかる位置を通る鉛直線上またはその近傍において廃トナーを検出する構成となっているので、いずれの回収口に関しても、廃トナーが漏れ出すことを効率的に防止することが可能となる。
【0010】
請求項4記載の画像形成装置によれば、請求項1,2,または3記載の画像形成装置において、前記廃トナー容器には、その側壁において外方に向かって内空の凸状でかつ上記鉛直線方向に伸び、回収された廃トナーによって内方が徐々に満たされる、光透過性を有する薄肉部が一体的に形成されているとともに、画像形成装置本体には、前記検出手段として前記薄肉部を両側から挟む位置に透過型の光センサが設けられているので、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、図7に示した従来の技術では、回収室5b内のトナー圧による可撓性部材6の変位によって、廃トナーが一杯になったことを検出するようになっているため、可撓性部材6の作動が不安定になるおそれがある。したがって、廃トナーが一杯になったことを必ずしも確実に検出することができないという難点がある。また、回収室5bとは別に可撓性部材6および反射板7を作成して、これを回収室5bに取り付けなければならず、しかも回収室5b内でトナー圧を生じさせるための回転板5も必要であり、作成が煩雑で構造も複雑であるという難点がある。
これに対し、この請求項4記載の画像形成装置によれば、廃トナー容器に回収された廃トナーの量が次第に増大すると、これに伴って、廃トナー容器の上記薄肉部の内方も廃トナーによって徐々に満たされて行き、この廃トナーが上記光センサの透過光を遮断することによって、廃トナー容器内にトナーが所定量に達したことが検出され、廃トナー容器の交換時期が検出されることとなる。
したがって、この画像形成装置によれば、従来技術では必要であった可撓性部材等が不要となるので、その分確実に廃トナー容器内にトナーが一杯になったことを(あるいは廃トナー容器が一杯になる前にその交換時期を)検出することが可能となる。
また、この請求項4記載の画像形成装置によれば、廃トナー容器の側壁に、その外方に向かって内空の凸状でかつ縦方向に伸びる光透過性を有する薄肉部を一体的に形成し、装置本体には、薄肉部を両側から挟む位置に透過型の光センサを設けるだけでよいので、簡単な構造で、廃トナー容器内にトナーが一杯になったことを(あるいは廃トナー容器が一杯になる前にその交換時期を)検出することが可能となる。
しかも、従来の技術では、回収室5bと別体の可撓性部材6を回収室5bに取り付けてあるため、その取付部からトナーが漏れるおそれがあったが、この請求項4記載の画像形成装置によれば、上記薄肉部は廃トナー容器と一体的に形成されるので、そのようなおそれもなくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施の形態における感光体と中間転写体とを示す概略正面図、図2は廃トナー容器を示す斜視図、図3(a)は図2の部分拡大図、図3(b)は図(a)におけるb−b断面図(端面図)である。
【0012】
図1に示すように、この画像形成装置は、図示矢印方向に回転駆動される、外周面に感光層を有する感光体10と、この感光体10の外周面を一様に帯電させる帯電手段(帯電ローラ)11と、この帯電手段11により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光L1して静電潜像を形成する露光手段12と、この露光手段12により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする4色の現像手段(現像ローラ)13(Y、C、M、K)と、この現像手段13により現像されたトナー像が転写(一次転写)され、このトナー像をさらに転写対象である用紙等の記録材に転写(二次転写)する中間転写体(中間転写ベルト)14と、一次転写後に感光体10の表面に残留しているトナーを除去する第1クリーニング手段20と、二次転写後に中間転写ベルト14上に残留しているトナーを除去する第2クリーニング手段30と、これら第1,第2クリーニング手段からの廃トナーを回収する廃トナー容器40(図2参照)とを有している。
【0013】
第1クリーニング手段20は、感光体10の表面から残留トナーを掻き落とすクリーニングブレード21と、このブレード21で掻き落とされたトナーを廃トナーボトル40(図2参照)へ向けて搬送するスクリュー内蔵の搬送パイプ22とを有している。
第2クリーニング手段30は、中間転写ベルト14の表面から残留トナーを掻き落とすクリーニングブレード31と、このブレード31で掻き落とされたトナーを廃トナーボトル40(図2参照)へ向けて搬送するスクリュー内蔵の搬送パイプ32とを有している。
【0014】
図2に示すように、廃トナー容器40は、容器本体50と、この容器本体50の上部で最上部に形成された、上記第1クリーニング手段20の搬送パイプ22との連結部(廃トナーの回収口でもある)41と、同じく容器本体50の上部に形成された、上記第2クリーニング手段30の搬送パイプ32との連結部(廃トナーの回収口でもある)42とを有している。
これら回収口41,42は、水平方向および鉛直方向において位置を異にして設けられている。
【0015】
廃トナー容器40は、画像形成装置本体の適所に着脱可能に取り付けられていて、装着されたとき、上記搬送パイプ22、32と回収口41、42とがそれぞれ連結され、上記クリーニング手段20,30からの廃トナーが搬送パイプ22、32を通じて廃トナー容器40内に回収されるようになっている。搬送パイプ22、32からの廃トナーは、自然落下によって廃トナー容器40内に貯留される。このようにして回収口41,42から回収された廃トナーは、通常、図4に破線T’で示すように、容器40内において山状に蓄積される。
【0016】
図2および図3に示すように、容器本体50の、画像形成装置本体側(図2において手前側)の側壁51には、その外方(図2において手前側(図3(b)において下方))に向かって内空の凸状でかつ縦方向に伸び、回収された廃トナーによって内方が徐々に満たされる、光透過性を有する薄肉部52が一体的に形成されている。
この実施の形態では、容器本体50は、透明(または半透明)の合成樹脂をブロー成形することによって作成され、したがって、上記薄肉部52はこのブロー成形によって容器本体50と同時に形成される。
【0017】
一方、画像形成装置本体の適所16(図3(b)参照)には、廃トナー容器40が装置本体に装着されたときに、廃トナー容器40の上記薄肉部52を両側から挟む位置に、検出手段としての透過型の光センサ17が設けられている。
光センサ17は、投光部17aと受光部17bとを有し、その光路(薄肉部52を横切る光路)にトナーがないとき、すなわち薄肉部52がトナーで満たされていないときには、投光部17aからの光が薄肉部52を透過して受光部17bで受光され、薄肉部52がトナーで満たされると、投光部17aからの光が薄肉部52内のトナーで遮光されて、受光部17bによる受光がなされなくなる。これによって、薄肉部52における検出位置がトナーで満たされたこと、すなわち、この実施の形態では廃トナー容器40の交換時期が検出されることとなる。
【0018】
以上のような光センサ17は、図4に明示するように、廃トナー容器40の水平方向に関し回収口41,42同士の間であって回収口41,42の直下部位外の部位において廃トナーを検出する。
また、光センサ17は、最も低い位置にある回収口(この場合回収口42)側に偏倚した位置において廃トナーを検出する。
またさらに、光センサ17は、回収口から回収され廃トナー容器40内において山状に蓄積される廃トナーTの斜面T1,T2同士がぶつかる位置Pを通る鉛直線V上またはその近傍において廃トナーを検出する。すなわち、上記薄肉部52は上記鉛直線Vまたはその近傍に沿って形成されている。
【0019】
またこの実施の形態では、図4に示すように、
トナーの安息角をθ、
廃トナー容器40内底面から回収口41までの距離をA、
廃トナー容器40内底面から回収口42までの距離をB、
回収口41,42間の水平方向における距離をC、
廃トナー容器40内底面から光センサ17による検出位置(符号P参照)までの距離をL、
としたとき、光センサ17は、次式1,2を同時に満たす位置に設ける。
L<B−(C−D)tanθ ・・・式1
L<A−Dtanθ ・・・式1
【0020】
なお、図2において、43は廃トナー容器40を交換する際に掴まれる掴み部、44は画像形成装置本体側に設けられた図示しない突片と係合することによる位置決め凹部、45は例えばメーカー等により回収された廃トナー容器40から廃トナーを捨てる際に開けられるキャップである。
【0021】
以上のような画像形成装置によれば、次のような作用効果が得られる。
(a)画像形成装置内の異なる箇所である感光体10用の第1クリーニング手段20と中間転写体14用の第2クリーニング手段30とで生じた廃トナーを、別々の回収口41,42を介して回収する廃トナー容器40を備え、廃トナー容器40には、前記回収口41,42が水平方向において位置を異にして設けられているので、画像形成装置構成上の自由度が向上する(図1に示すように感光体10用の第1クリーニング手段20と中間転写体14用の第2クリーニング手段30とを水平方向において位置を異にして設けることが可能となる)。
また、図4に示すように、廃トナー容器内40の廃トナーを検出する検出手段17が、廃トナー容器40の水平方向に関し回収口41,42同士の間であって回収口41,42の直下部位外の部位において廃トナーを検出する構成となっているので、廃トナー容器40の回収口41,42が水平方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器40の交換時期を適正に検出することが可能となる。
この点に関し、図4〜図6を参照して説明する。
図4に示すように、回収口41,42から回収された廃トナーTは廃トナー容器40内において山状に蓄積される。
この実施の形態の場合、感光体10から中間転写体14への転写率、および中間転写体14から記録材(用紙等)への転写率が適正であれば、感光体10(第1クリーニング手段20)からの廃トナーの方が多くなるため、図4に示すように、回収口41側のトナーの方が高い山状となる。
ここで、上記両転写率が適正であるという前提において、廃トナーが図4に実線Tで示すように蓄積された時点で廃トナー容器40の交換時期を検出しようとした場合、検出手段17は必ずしもこの実施の形態の位置に設ける必要はなく、例えば、図4に171あるいは172で示すように、回収口41,42同士の間以外の位置に設けても、上記検出を行うことは可能である。
しかしながら、実際には、上記両転写率が適正であるとは限らない。
例えば何らかの理由によって中間転写体14から記録材への転写効率が低下すると、中間転写体14(第2クリーニング手段30)からの廃トナーの方が多くなって、図5に例えば破線T3で示すように、回収口42側のトナーの方が高い山状となってしまうことがあり得る。
このような状況において、仮に、検出手段が、回収口41,42同士の間以外の位置、例えば、上記符号171で示す位置において廃トナーを検出する構成になっていたとすると、上記破線T3から明らかなように、検出手段171がトナーを検出する前に、回収口42側の山状トナーの頂部T4が同回収口42に達してしまい、ここからトナーが漏れ出してしまうこととなる。このような事態は検出手段を回収口41の直下部に設けた場合にも同様に生じる。
このような事態は、検出手段171の位置をより低くする(例えば図5に符号171’で示す位置にする)ことによって防止することはできるが、そうすると、上記両転写率が適正であり、したがって、通常通りの山形状(図4のT’参照)で廃トナーが蓄積された際に、図5に一点鎖線T’で示すように蓄積された時点で廃トナー容器40の交換時期が検出されてしまい、所定量(適正量)の廃トナー(実線T参照)が回収される前に、廃トナー容器40の交換時期が検出されてしまうことになる。
また、例えば何らかの理由によって感光体10から中間転写体14への転写効率が低下すると、感光体10(第1クリーニング手段20)からの廃トナーの方が著しく多くなって、図6に例えば破線T6で示すように、回収口41側のトナーの方が著しく高い山状となってしまうことがあり得る。
このような状況において、仮に、検出手段が、回収口41,42同士の間以外の位置例えば、水平方向において回収口42の外側である位置172において廃トナーを検出する構成になっていたとすると、上記破線T6から明らかなように、検出手段172がトナー(T6)を検出する前に、回収口41側の山状トナーの頂部T7が同回収口41に達してしまい、ここからトナーが漏れ出してしまうこととなる。このような事態は検出手段を回収口42の直下部に設けた場合にも同様に生じる。
このような事態は、検出手段172の位置をより低くする(例えば図6に符号172’で示す位置にする)ことによって防止することはできるが、そうすると、上記両転写率が適正であり、したがって、通常通りの山形状(図4のT’参照)で廃トナーが蓄積された際に、図6に一点鎖線T’で示すように蓄積された時点で廃トナー容器40の交換時期が検出されてしまい、所定量(適正量)の廃トナー(実線T参照)が回収される前に、廃トナー容器40の交換時期が検出されてしまうことになる。
すなわち、仮に、検出手段が、回収口41,42同士の間以外の位置あるいはいずれかの回収口の直下部において廃トナーを検出する構成になっていたとすると、廃トナー容器40内に所定量(適正量)の廃トナーが回収される前に、廃トナー容器40の交換時期が検出されてしまうこととなる。
これに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、検出手段17が、廃トナー容器40の水平方向に関し回収口41,42同士の間であって回収口41,42の直下部位外の部位において廃トナーを検出する構成となっているので、廃トナー容器40の回収口41,42が水平方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器40の交換時期を適正に検出することが可能となる。
以上のように、この実施の形態の画像形成装置によれば、画像形成装置構成上の自由度を向上させることができると同時に、廃トナー容器40の回収口41,42が水平方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器40の交換時期を適正に検出することがてきるようになる。
【0022】
(b)回収口41,42は廃トナー容器40の鉛直方向において位置を異にして設けられているので、画像形成装置構成上の自由度をより一層向上させることができる。
また、検出手段17は、最も低い位置にある回収口42側に偏倚した位置において廃トナーを検出する構成となっているので、廃トナー容器40の回収口41,42が水平方向および鉛直方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器40の交換時期を適正に検出することが可能となる。すなわち、上述したように回収口41,42から回収された廃トナーは廃トナー容器40内において山状に蓄積されるから、例えば仮に、検出手段が、最も高い位置にある回収口41側に偏倚した位置(例えば図5において符号173で示す位置)において廃トナーを検出する構成となっていたとすると、検出がなされる前に、最も低い位置にある回収口42から廃トナーが漏れ出してしまうおそれがあるのに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、検出手段17が、最も低い位置にある回収口42側に偏倚した位置において廃トナーを検出する構成となっているので、最も低い位置にある回収口42から廃トナーが漏れ出すことを防止することが可能となる。
【0023】
(c)検出手段17は、回収口41,42から回収され廃トナー容器40内において山状に蓄積される廃トナーの斜面T1,T2(図4参照)同士がぶつかる位置を通る鉛直線V上またはその近傍において廃トナーを検出する構成となっているので、いずれの回収口41,42に関しても、廃トナーが漏れ出すことを効率的に防止することが可能となる。
【0024】
(d)廃トナー容器40には、その側壁51において外方に向かって内空の凸状でかつ上記鉛直線V方向に伸び、回収された廃トナーによって内方が徐々に満たされる、光透過性を有する薄肉部52が一体的に形成されているとともに、画像形成装置本体には、検出手段として薄肉部52を両側から挟む位置に透過型の光センサ17が設けられているので、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、図7に示した従来の技術では、回収室5b内のトナー圧による可撓性部材6の変位によって、廃トナーが一杯になったことを検出するようになっているため、可撓性部材6の作動が不安定になるおそれがある。したがって、廃トナーが一杯になったことを必ずしも確実に検出することができないという難点がある。また、回収室5bとは別に可撓性部材6および反射板7を作成して、これを回収室5bに取り付けなければならず、しかも回収室5b内でトナー圧を生じさせるための回転板5も必要であり、作成が煩雑で構造も複雑であるという難点がある。
これに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、廃トナー容器40に回収された廃トナーの量が次第に増大すると、これに伴って、廃トナー容器40の上記薄肉部52の内方も廃トナーによって徐々に満たされて行き、この廃トナーが上記光センサ17の透過光を遮断することによって、廃トナー容器40内にトナーが所定量に達したことが検出され、廃トナー容器40の交換時期が検出されることとなる。
したがって、この画像形成装置によれば、従来技術では必要であった可撓性部材等が不要となるので、その分確実に、廃トナー容器の交換時期を検出することが可能となる。
また、この画像形成装置によれば、廃トナー容器40の側壁51に、その外方に向かって内空の凸状でかつ縦方向に伸びる光透過性を有する薄肉部52を一体的に形成し、装置本体には、薄肉部52を両側から挟む位置に透過型の光センサ17を設けるだけでよいので、簡単な構造で、廃トナー容器40の交換時期を検出することが可能となる。
しかも、従来の技術では、回収室5bと別体の可撓性部材6を回収室5bに取り付けてあるため、その取付部からトナーが漏れるおそれがあったが、この実施の形態の画像形成装置によれば、上記薄肉部52は廃トナー容器本体50と一体的に形成されるので、そのようなおそれもなくなる。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、上記実施の形態では回収口が2つである場合について説明したが3つ以上である場合にも本発明は適用可能である。
【0026】
【発明の効果】
請求項1〜4記載のいずれの画像形成装置によっても、装置構成上の自由度を向上させることができると同時に、廃トナー容器の回収口が水平方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器の交換時期を適正に検出することがてきるようになる。
さらに、
請求項2記載の画像形成装置によれば、装置構成上の自由度をより一層向上させることができるとともに、廃トナー容器の回収口が水平方向および鉛直方向において位置を異にして設けられているにもかかわらず、廃トナー容器の交換時期を適正に検出することが可能となる。
請求項3記載の画像形成装置によれば、いずれの回収口に関しても、廃トナーが漏れ出すことを効率的に防止することが可能となる。
請求項4記載の画像形成装置によれば、簡単な構造で確実に、廃トナー容器内にトナーが一杯になったことを(あるいは廃トナー容器が一杯になる前にその交換時期を)検出することが可能となる。しかも、トナー漏れのおそれもなくなる。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施の形態における感光体と中間転写体とを示す概略正面図。
【図2】廃トナー容器を示す斜視図。
【図3】(a)は図2の部分拡大図、(b)は図(a)におけるb−b断面図(端面図)。
【図4】検出手段17の配置の説明図。
【図5】作用説明図。
【図6】作用説明図。
【図7】従来技術の説明図。
【図8】(a)(b)は従来技術の説明図。
【符号の説明】
17 光センサ(検出手段)
40 廃トナー容器
41,42 回収口
51 側壁
52 薄肉部
T1,T2 廃トナーの斜面
Claims (2)
- 装置内の異なる箇所で生じた廃トナーを、別々の回収口を介して回収する廃トナー容器を備えた画像形成装置において、
前記廃トナー容器には前記回収口が水平方向および鉛直方向において位置を異にして設けられているとともに、廃トナー容器の水平方向に関し前記回収口同士の間であって回収口の直下部位外の部位において廃トナーを検出する検出手段が設けられており,この検出手段は、最も低い位置にある回収口側に偏倚した位置であって,前記回収口から回収され廃トナー容器内において山状に蓄積される廃トナーの斜面同士がぶつかる位置を通る鉛直線上またはその近傍において廃トナーを検出することを特徴とする画像形成装置。 - 前記廃トナー容器には、その側壁において外方に向かって内空の凸状でかつ上記鉛直線方向に伸び、回収された廃トナーによって内方が徐々に満たされる、光透過性を有する薄肉部が一体的に形成されているとともに、
画像形成装置本体には、前記検出手段として前記薄肉部を両側から挟む位置に透過型の光センサが設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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