JP3763138B2 - 乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一つの送風機の駆動により、室内の空気を室外へ換気したり、室内へ温風を供給して乾燥運転を行う乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の乾燥装置として、例えば、特開平7ー171299号公報に記載されているものが知られている。
【0003】
このものは、一つの送風機の駆動により浴室内の空気を吸い込み、この吸い込んだ空気をダンパーにより、浴室側の風路または換気風路の閉鎖と、浴室側の風路と換気風路の両方に分配して送風できるようにして、乾燥運転時に、室温検知センサーで検知された室温が設定値以下の間は換気風路を閉止し、室温が設定温度になるようにダンパーの開度を制御するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、衣類の乾燥効率の向上を図り乾燥速度を高めるためには、乾燥初期では衣類からの水分の蒸発量が多いために、浴室内の空気の換気量を多めに設定する必要がある。一方、乾燥後期では浴室内の空気の換気量を減らすことで浴室内温度を上昇させ、相対湿度を低下させることによって、乾燥速度を高めるのに望ましい条件である高温、低湿という環境を実現する必要がある。
【0005】
しかしながら、室温検知センサーで検知された室温が設定値以下の間は換気風路を閉止し、室温が設定温度になるようにダンパーの開度を制御するようにしているので、乾燥運転の初期においては浴室内の空気の換気を行っておらず、また、乾燥運転の後期においても浴室内温度を上昇させるようにしていないため、乾燥効率が悪く、衣類の乾燥時間が長くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、衣類の乾燥効率の向上を図り乾燥時間を短縮することのできる乾燥装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明においては、一つの送風機の駆動により、室内の空気を吸い込んで室内へ温風を吹き出すための循環風路と、室内の空気を室外へ換気するための換気風路と、前記循環風路と前記換気風路の開度を調節する風路調節手段と、該風路調節手段を自動的に可変する制御手段とを備え、該制御手段は、乾燥運転の時間経過に伴って前記風路調節手段を可変すべく制御することを特徴としている。
【0008】
このように構成すれば、乾燥運転の時間経過に伴って循環風路と換気風路の開度を自動的に調節するので、乾燥運転の初期には換気風路の開度を大きくして換気量を多くし、乾燥運転の後期には換気風路の開度を小さくして換気量を減らすことが可能になり、簡単な制御で衣類の乾燥効率の向上を図り乾燥時間を短縮することができる。
【0009】
また、本発明の好適な実施形態として、乾燥運転の後期には乾燥運転の前期に比較して換気風量を絞るように風路調節手段を制御するとよく、更に好適な実施形態として、乾燥運転の初期から乾燥運転の終了までに換気風路の開度を徐々に絞るように風路調節手段を制御したり、または、風路調節手段を循環風路を全閉する位置と換気風路を全閉する位置とに一定時間毎に交互に切り替え、乾燥運転の後期に換気風路を全閉する一定時間を長くするように制御することもでき、更にまた、乾燥運転の初期から乾燥運転の終了までに換気風路を全閉する一定時間を徐々に長くするように風路調節手段を制御するようにしてもよく、このように制御することによっても、上記したと同様に、簡単な制御で衣類の乾燥効率の向上を図り乾燥時間を短縮することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面により詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る乾燥装置の断面図である。
【0012】
図1に示すように、浴室Aの天井12開口部を挿通して乾燥装置の本体1が設置されており、本体1の下端部には浴室A内を臨むようにして化粧板11が設けられている。この化粧板11には、浴室A内の空気が吸い込まれる吸込口2と、浴室Aから吸い込まれた空気を浴室A内に吹き出すための吹出口7とが設けられている。
【0013】
そして、本体1には、送風機3と、屋外に通じるダクト(図示せず)に接続する換気口4と、この換気口4に連通する換気風路5と、吹出口7に連通する循環風路8と、これら換気風路5と循環風路8とに送風機3の駆動により吹き出された空気を分配する風路調節手段としてのダンパー9とが設けられている。
【0014】
ダンパー9は、制御手段(図示せず)と電気的に接続されており、モーター10により回動自在に取付けられている。また、循環風路8には、浴室Aから吸い込んだ空気を温風として浴室A内に吹き出すためヒーター6を配設している。
【0015】
以上の構成において、適所に設けられた操作部(図示せず)により暖房運転の指令があると、ダンパー9はモーター10の駆動により実線で示す位置へ移動して換気風路5を全閉する位置で保持され、送風機3の駆動により本体1内に吸込まれた浴室A内の空気は、循環風路8に配置したヒーター6により加熱され、吹出口7より温風として浴室A内に吹き出され、浴室A内を暖房する。
【0016】
また、操作部により換気運転の指令があると、ダンパー9はモーター10の駆動により破線で示す位置へ移動して循環風路8を全閉する位置で保持され、送風機3の駆動により本体1内に吸込まれた浴室A内の空気は、換気風路5を通って換気口4からダクトを介して屋外に排気される。
【0017】
図2は、乾燥運転におけるダンパー9の回動位置を示す部分断面図であり、(a)は乾燥運転の初期におけるダンパー9の回動位置を示す部分断面図、(b)は乾燥運転の後期におけるダンパー9の回動位置を示す部分断面図である。
【0018】
図2(a)に示すように、乾燥運転の前期には、制御手段によりモーター10を駆動してダンパー9を換気風路5と循環風路8の略中間の位置に保持するべく制御して、循環風路8を通過する空気はヒーター6により加熱されて浴室A内に温風として吹き出され、浴室A内の湿気を含んだ空気の一部は換気風路5を通り換気口4よりダクトを介して浴室A外へ排気される。
【0019】
また、図2(b)に示すように、乾燥運転の後期には、制御手段によりモーター10を駆動してダンパー9を換気風路5の開度を循環風路8の開度よりも絞る位置に保持するべく制御して、高温になった浴室A内の空気が浴室A外に排気される換気風量を減少させ、浴室A内へ通じる循環風路8に吹き出す循環風量を増加させるので、乾燥速度を高くして衣類等を短時間で乾燥させることができる。
【0020】
このように、乾燥運転の後期には乾燥運転の前期に比較して換気風量を絞るようにダンパー9を回動させる制御態様としては種々のものが考えられ、その制御態様を、図3乃至図6に示すタイミングチャートに基づいて説明する。
【0021】
図3は、乾燥運転時間がt1(例えば、約5時間)とすると、乾燥運転の前期t0(例えば、約3時間)は換気風量を循環風量よりもやや少なくなるようにダンパー9の回動位置を制御し、乾燥運転の後期t1ーt0(約2時間)は換気風量を循環風量よりもかなり少なくなるようにダンパー9の回動位置を制御するようにしたものである。尚、乾燥運転の前期t0において、換気風量と循環風量が略同程度の風量になるようにダンパー9の回動位置を制御するようにしてもよい。
【0022】
図4は、乾燥運転の初期において循環風量よりも換気風量をやや多くなるようにダンパー9の回動位置を制御し、乾燥運転の初期から乾燥運転時間t1の終了までに換気風量を徐々に絞るように(必然的に循環風量は徐々に増加する)ダンパー9の回動位置を制御するようにしたものである。尚、この場合においても、乾燥運転の初期において換気風量と循環風量が略同程度の風量になるようにダンパー9の回動位置を制御するようにしてもよい。
【0023】
図5は、ダンパー9を循環風路8を全閉する位置と換気風路5を全閉する位置とに一定時間毎に交互に切り替えるようにしたもので、乾燥運転の前期t0においては、換気風路5を全閉する一定時間を循環風路8を全閉する一定時間よりもやや短くなるようにダンパー9を制御し、乾燥運転の後期t1ーt0に換気風路5を全閉する一定時間を乾燥運転の前期t0よりも長くするようにダンパー9を制御するようにしたものである。尚、乾燥運転の前期t0において、換気風路5を全閉する一定時間と循環風路8を全閉する一定時間が略同程度になるようにダンパー9を制御するようにしてもよい。
【0024】
図6は、乾燥運転の初期から乾燥運転時間t1の終了までに換気風路5を全閉する一定時間が徐々に長くなるように(必然的に循環風路8を全開する一定時間は徐々に長くなる)ダンパー9を制御したものである。
【0025】
上述したようにダンパー9を制御することにより、乾燥運転の後期には乾燥運転の前期に比較して換気風量を絞ることができるので、衣類の乾燥効率が向上し、乾燥時間を短縮することができる。
【0026】
上述した内容はあくまで本発明の一実施形態に関するものであって、本発明が上記内容のみに限定されることを意味されるものでない。例えば、本発明の実施の形態では、乾燥装置を浴室Aの天井に設置した場合で説明したが、浴室Aの壁面に設置するようにしてもよい。
【0027】
また、湿度センサーや温度センサー等を用いて、浴室A内外の温度、湿度に応じてダンパー9の回動位置やモーター10の駆動による換気風路5と循環風路8の切り替えのタイミングを制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る乾燥装置の断面図である。
【図2】乾燥運転におけるダンパー9の回動位置を示す部分断面図である。
【図3】乾燥運転における換気風量の制御態様を示すタイミングチャートである。
【図4】乾燥運転における換気風量の制御態様を示すタイミングチャートである。
【図5】乾燥運転における換気風量の制御態様を示すタイミングチャートである。
【図6】乾燥運転における換気風量の制御態様を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…本体
2…吸込口
3…送風機
4…換気口
5…換気風路
6…ヒーター
7…吹出口
8…循環風路
9…ダンパー
10…モーター
Claims (5)
- 一つの送風機の駆動により、室内の空気を吸い込んで室内へ温風を吹き出すための循環風路と、
室内の空気を室外へ換気するための換気風路と、
前記循環風路と前記換気風路の開度を調節する風路調節手段と、
前記風路調節手段を自動的に制御するための制御手段と、
を備え、
前記制御手段が、乾燥運転の開始から予め設定された乾燥運転時間が終了するまでの間計時が継続される前記乾燥運転開始時からの実際に経過した乾燥運転時間の長さの、前記設定乾燥運転時間の長さに対する割合に応じて、前記循環風路と前記換気風路の開度を調節するよう、前記風路調節手段を制御することを特徴とする乾燥装置。 - 前記制御手段は、乾燥運転の後期には乾燥運転の前期に比較して換気風量を絞るように前記風路調節手段を制御することを特徴とする請求項1記載の乾燥装置。
- 前記制御手段は、乾燥運転の初期から乾燥運転の終了までに前記換気風路の開度を徐々に絞るように前記風路調節手段を制御することを特徴とする請求項2記載の乾燥装置。
- 前記制御手段は、前記風路調節手段を前記循環風路を全閉する位置と前記換気風路を全閉する位置とに一定時間毎に交互に切り替え、乾燥運転の後期に前記換気風路を全閉する一定時間を長くするように制御することを特徴とする請求項2記載の乾燥装置。
- 前記制御手段は、乾燥運転の初期から乾燥運転の終了までに前記換気風路を全閉する一定時間を徐々に長くするように前記風路調節手段を制御することを特徴とする請求項4記載の乾燥装置。
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JP5892998 | 1998-02-23 | ||
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- 1998-12-28 JP JP37342698A patent/JP3763138B2/ja not_active Expired - Fee Related
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