JP3763086B2

JP3763086B2 - 畳

Info

Publication number: JP3763086B2
Application number: JP06929497A
Authority: JP
Inventors: 洋三森田; 安彦古志
Original assignee: 株式会社三重セラム; 株式会社備後屋
Priority date: 1997-03-06
Filing date: 1997-03-06
Publication date: 2006-04-05
Anticipated expiration: 2017-03-06
Also published as: JPH10243993A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、畳床基材に防菌性を有する材料を積層して構成した畳床を用いた畳に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
微生物は、空中、土壌、動植物体などあらゆるところに成育しており、酒類、チーズ、味噌などの製造や抗生物質など、人類に有用な物質としてもたらしてくれる反面、病原微生物による感染症、食中毒や工業製品の微生物劣化などのマイナスの面もおよぼしている。
従来、生鮮食料品の防腐、防かびなどには、防腐剤や防かび剤を混入したり、加熱殺菌処理をしたりしている。
【０００３】
また、ダニ、かび、食物などのさまざまな抗原が原因となってアトピー性皮膚炎が発生する。新築家屋の接着剤として多用されている揮発性有機化合物、ホルムアルデヒドがその症状を悪化させ、アレルギー体質を作る増悪因子となってきている。
住宅の気密化、暖房による高温・多湿化などにより、畳、カーペット、壁紙、ソファー、その他の建材、家具、日用品にも、かびや細菌が繁殖しやすくなってきているため、さらに悪化の傾向にある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
従来、生鮮食料品に防腐剤や防かび剤を混入するのは、健康上好ましくないという機運が高まってきているとともに、加熱殺菌処理をしない本物志向が高まってきている。
また、かびや細菌の繁殖を防ぐには、適切な手段がなかったため、発生源を減らす以外に防ぐ方法がないとう問題があった。
【０００５】
本発明は、かびや細菌の繁殖を積極的に防止する防菌性を有する材料を使用した畳を提供することを目的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、防菌性を有する材料１５を畳床基材２２に積層して畳床１２を構成し、この畳床１２に畳表１０を被せた畳であって、前記防菌性を有する材料１５は、基材１９に遠赤外線を放射する遠赤外線発生部材１６と抗菌性を有する抗菌剤１７とを混入してなり、前記抗菌剤１７は、抗菌力を有する金属類をガラスに溶解したものと、ｐＨ調整用のガラスとを混合粉末化して、遠赤外線の放射率の高い天然鉱物やセラミックなどの遠赤外線発生部材１６とともに基材１９に混合して成型してなることを特徴とする畳である。
【０００７】
このような構成により、遠赤外線発生部材１６と抗菌剤１７のもつ作用効果のみならず、これらの相乗効果により、食品の腐食防止や人間の健康や美容面へのすぐれた効果を有する。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図１において、１５は、本発明による畳の畳床に積層される防菌性を有する材料である。この防菌性を有する材料１５は、基材１９に遠赤外線を放射する遠赤外線発生部材１６と抗菌性を有する抗菌剤１７とを混合して使用目的に応じた厚さや形状に成型したものである。
【０００９】
前記遠赤外線発生部材１６は、遠赤外線の放射率の高い天然鉱物やセラミックなどが用いられる。また、抗菌剤１７は、抗菌力を有する金属類をガラスに溶解したものと、ｐＨ調整用のガラスとを混合粉末化したものが用いられる。これら遠赤外線発生部材１６と抗菌剤１７の混合物は、無機質の抗菌剤であるから、極めて安全性が高い。
【００１０】
例えば、商品２７としての果物、卵、野菜、その他の生鮮食料品の包装紙として利用する場合には、基材１９としての包装用フィルムに遠赤外線発生部材１６と抗菌剤１７とを混合して成型する。
【００１１】
前記基材１９としては、合成樹脂のフィルムの場合に限られるものではなく、紙、木材、金属板、織物などであってもよく、これらに遠赤外線発生部材１６と抗菌剤１７を含浸または塗布したもの、また、糸に遠赤外線発生部材１６と抗菌剤１７を含浸または塗布して織物に織ったものなどであってもよい。
【００１２】
図５は、包装容器２０の内側に本発明の防菌性を有する材料１５を貼着して、割れ易かったり、傷つき易い商品２７を包装したり、保管したりするときの緩衝材として使用している例を示している。
【００１３】
具体的には、基材１９として、弾力性、難燃性、無吸湿性に富み、経年変化がなく、廃棄還元型で環境にやさしい材料、例えば、ＥＶＡ（Ｅｔｈｙｌｅｎｅ−ｖｉｎｙｌａｃｅｔａｔｅｃｏｐｏｌｉｍｅｒや変性ＥＶＡなど）が用いられる。このＥＶＡ１９内に、前記遠赤外線発生部材１６と抗菌剤１７を混合して、所定の厚さや形状に成型したものである。
【００１４】
図４は、家屋の内装材、外装材、家具、日用品、電気冷蔵庫などの基材１９に本発明の防菌性を有する材料１５を貼着した例を示している。
【００１５】
図２は、従来から知られた畳床基材２２の上面に、防菌性を有する材料１５を積層して畳床１２を構成し、この畳床１２に畳表１０を被せて畳９とした例を示すものである。
【００１６】
具体的には、厚さ２０ｍｍ程度の発泡スチロール板１４の上下面に、厚さ１５ｍｍ程度の木材のチップを圧縮した軟質パーチクル板２３を重ね合わせてインシュレーションボードの畳床基材２２とし、この畳床基材２２の上面に防菌性を有する材料１５を、下面にシート２５を積層して全体を縫製し畳床１２としたものである。
【００１７】
このようなインシュレーションボードの畳床１２に畳表１０を被せ、コーナー材１８や縁布１１を畳糸１３で縫製して畳９を構成している。
前記畳床基材２２は、藁を圧縮して形成したものであってもよい。
【００１８】
図３は、畳表１０の張り代えの際に、これまでの畳床１２に局部的な凹み２１がある場合に、この凹み２１の部分にのみ防菌性を有する材料１５を重ね合わせて畳床１２を補修した例を示し、この補修後の畳床１２に新たに畳表１０が張られるものである。
【００１９】
図６は、公的機関により試験された防菌性を有する材料１５の赤外線分光放射率曲線を示している。この特性曲線からも明らかなように、防菌性を有する材料１５の遠赤外線の放射率は９０％以上であることを示している。
【００２０】
図７は、同様に、公的機関により試験された防菌性を有する材料１５の赤外線分光放射発散度曲線を示している。この特性曲線からも明らかなように、防菌性を有する材料１５（試料）は、黒体（理想的材料）と極めて近似した特性であることを示している。
【００２１】
【発明の効果】
（１）本発明の畳の畳床には、防菌性を有する材料１５を積層したので、この防菌性を有する材料１５の作用により、防腐剤や防かび剤を混入しなくとも、また、加熱殺菌処理をしなくとも、健康上好ましい状態の畳となる。
【００２２】
（２）抗菌剤１７は、抗菌力を有する金属類をガラスに溶解したものと、ｐＨ調整用のガラスとを混合粉末化して、遠赤外線の放射率の高い天然鉱物やセラミックなどの遠赤外線発生部材１６とともに基材１９に混合して成型したものを用いることにより、安全性の極めて高い畳が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による畳に使用される防菌性を有する材料の一実施例を示す斜視図である。
【図２】本発明による畳の畳床に防菌性を有する材料を積層した実施例を示す一部切り欠いた断面図である。
【図３】本発明による畳の畳床に防菌性を有する材料を積層した他の実施例を示す一部切り欠いた断面図である。
【図４】本発明による防菌性を有する材料１５を基材１９に貼着した実施例を示す断面図である。
【図５】本発明による防菌性を有する材料１５を包装容器２０の内側に貼着した実施例を示す断面図である。
【図６】本発明の畳に用いた防菌性を有する材料の赤外線分光放射率曲線図である。
【図７】本発明の畳に用いた防菌性を有する材料の赤外線分光放射発散度曲線図である。

Claims

防菌性を有する材料１５を畳床基材２２に積層して畳床１２を構成し、この畳床１２に畳表１０を被せた畳であって、前記防菌性を有する材料１５は、基材１９に遠赤外線を放射する遠赤外線発生部材１６と抗菌性を有する抗菌剤１７とを混入してなり、前記抗菌剤１７は、抗菌力を有する金属類をガラスに溶解したものと、ｐＨ調整用のガラスとを混合粉末化して、遠赤外線の放射率の高い天然鉱物やセラミックなどの遠赤外線発生部材１６とともに基材１９に混合して成型してなることを特徴とする畳。