JP3759913B2 - 撮像装置および撮像装置付電子機器 - Google Patents
撮像装置および撮像装置付電子機器 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、CCD(Charged coupled device)、C-MOS(Complementary metal oxide semiconductor)センサーなどの固体撮像素子を用いた撮像装置及び撮像装置付電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図37〜図40は従来の撮像装置を示す図で、図37は縦断側面図、図38は図37の要部を拡大して示す要部拡大断面図、図39は図38の点線の円の部分をさらに拡大して示す拡大断面図である。図40は撮像領域形成体を成形する要部の金型を示す外観側面図である。尚、これら図37〜図39に示される従来装置に類似したものとして特開昭63−314978号公報に記載のものがある。
【0003】
図37〜図39において、1は光学レンズ、2は撮像領域形成体で、一般的には前記光学レンズ1が一端に取り付けられていることからレンズホルダーとも言われているものであり、前記光学レンズ1の側の一端2Aと被写体の側の他端2Bとの間の中間部2Cの内径Φが徐々に大きくなるすり鉢状の開口部2Dによって前記光学レンズ1より前記被写体側の撮像領域2E(網掛してある領域)を形成している。2Kは前記撮像領域形成体2の外周2Lに前記撮像領域形成体2と一体に形成された雄ネジ部である。3は金型等によるプラスチック等の成形部品からなる鏡筒部で、その内周3Aに、前記撮像領域形成体2と螺合する雌ネジ部3Bが一体成形されている。4は撮像素子、5は回路基板である。
【0004】
例えば、携帯電話やその他電子機器に使用される今日の小型撮像装置では、光学レンズ1と前記撮像領域形成体2とは、溶着、接着等の手段により、一体的に構成されているものが一般的である。前記撮像領域形成体2と前記鏡筒部3の組み立て方法は、前記撮像領域形成体2の外周部に構成されたネジ部2K、及び鏡筒部3の内周部に構成されたネジ部3Bに螺合することにより組み立てられる。
【0005】
また、このネジ部2K、3Bは、同時に、光学レンズ1の焦点調整機構も兼ねており、光学レンズ1が一体的に設けられた前記撮像領域形成体2を前記鏡筒部3に組み立てると共に、前記開口部2D前記光学レンズ1を介して得られる被写体情報が、前記撮像素子4上に結像するように調整される。
【0006】
次に動作について説明する。CCD、C-MOS等の固体撮像素子を用いた撮像装置では、撮像素子4の法線方向に位置する被写体を光学レンズ1により、撮像素子4の上面に結像させる。次に、撮像素子4上に結像した被写体の光学情報を、撮像素子4上に構成された光電変換回路(図示せず)により電気信号に変換する。次に電気信号に変換された被写体光学情報を、前記回路基板5を介して外部に出力する。尚、撮像素子4と電気回路5とは、微細金属線等(図示せず)により、電気的に接続されている。
【0007】
前記撮像領域形成体2の開口部2Dは撮像素子4側から、被写体側(図37の上方向)にかけて、径が大きくなるように構成される。このときの角度を開口角θと呼ぶ事とする。撮像装置では、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの開口角θは、使用する撮像素子に配置される光電変換回路部の有効寸法、所望する撮像装置の設計画角等と合わせ所定の開口角に設計される。
【0008】
また、CCD、C-MOS等の固体撮像素子を用いた撮像装置は、携帯電話等に代表される電子機器への需要が急増し、被写体情報を電気信号として出力する特徴に加え、小型、軽量化が要求されている。これらの要求を満たすべく、図37〜39で説明した、前記光学レンズ1、前記撮像領域形成体2、鏡筒部3などの撮像装置を構成する部品は、プラスチック成形品により構成されることが多くなってきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記撮像領域形成体2の開口部2D及び被写体側の他端2Bを形成するプラスチック成形の金型は、図40に示すように最も単純な場合でも3個の金型、即ち第1の金型61、第2の金型62、及び第3の金型7により構成される。プラスチック成形品の作り方は、第1の金型62、もしくは第1〜第3の金型61、62、7に、成形したい製品の形状を切削し、3つの金型61、62、7を精度よく組み合わせた状態で、外部から高温加熱により溶融したプラスチック材を高圧で注入する。このとき、前述の金型61、62、7の切削部にプラスチックが充填され、所望の部品の形状、つまり前記撮像領域形成体2の形状となる。次に、プラスチック材の冷却、固体化後、前記組み合わせた3つの金型61、62、7のうち第3の金型7を第1及び第2の金型61、62から分離し、前記切削部に充填されたプラスチックを取り出せば、所望の形状の製品、つまり前記撮像領域形成体2が得られる。
【0010】
第1及び第2の成形金型61、62と、成形後に分離される第3の金型7とを組み合わせた場合の両者の当接部617、627をパーティングラインと呼ぶこととする。プラスチック成形において、このパーティングライン617、627をどのように構成するかは重要な問題である。通常、量産用の成形金型では、1回の成形サイクルで複数の製品が生産できるよう、多数個取りの金型が使用される。また、耐久性が要求されるため、加工が困難な硬質の金型材を用いるため、金型の加工性からは、製品の形状により、パーティングライン部617、627を境に両側の金型61、62、7の加工が容易になるように配慮する。さらに、成形製品に不具合があった場合、微修正を可能とするためにも、極力単純な構造に構成される。
【0011】
一方、撮像装置の撮像領域形成体2を成形部品で構成する場合、図38に示す前記撮像領域形成体2の開口部2Dは「こま」「中子」と呼ばれる交換可能な部品で第2の金型62を構成する。また、第2の金型62は、第1の金型61に着脱可能に嵌合されている。これは、後述する画質改善のため、撮像領域形成体2の開口部2Bの形状の微調整を容易とするために、第2の金型62は、第1の金型61から取り外しできるようにするものである。なお、図40中、612は嵌合部微小隙間で、前記第1の金型61と第2の金型62との嵌合部に、前記着脱可能な構成にすることにより生じる微小隙間である。
【0012】
撮像装置では、開口部2Dの形状により、その開口部2Dに反射した光が光ノイズとして撮像装置上に写り込む場合がある。これら光ノイズは、光学設計や光路解析では要因の排除が困難で、撮像装置開発では、撮像領域形成体2の成形試作を繰り返すことにより、これら光ノイズを排除していくため、前記撮像領域形成体2の開口部2Dは「こま」「中子」と呼ばれる交換可能な部品で金型を構成した方が有利である。
【0013】
ところが、プラスチック成形では、前述のように溶融したプラスチック材を高圧で注入するため、前記第1の金型61と第2の金型62との間の嵌合部微小隙間612に、プラスチック材が侵入する場合がある。この嵌合部微小隙間612に侵入したプラスチック材は、成形した製品に不用な突起部分として一体的に構成される。この不用な突起部分をバリと呼ぶこととする。
【0014】
従来の撮像装置では、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fにバリ2Gが光学レンズ1の法線(光軸)方向に発生し、そのバリ部2Gは撮像領域2E内にあった場合、被写体の光路を遮光するため、撮像装置で撮像した画像に影が移るなどの不具合があった。また、バリ部2Gに反射した光が、光ノイズとして撮像素子に写り込み、撮像画像の画質を低下させる場合があった。
【0015】
さらに、成形部品量産時は、成形部品成形毎に、パーティングラインで第3の金型7を、第1及び第2の金型61、62に対して組み立て、分離のサイクルを繰り返すため、成形部品毎にバリ発生有無の管理が必要であった。
【0016】
また、プラスチック成形部品は傷がつきやすいため、焦点調整のために、装置や専用冶具等で前記撮像領域形成体2を回転させたとき、回転方向の傷が発生しやすく、外観品質を損なうなどの問題があった。
【0017】
また、前記レンズホルダーの外形は、鏡筒径より小さく、焦点調整のために前記撮像領域形成体2を回転しにくく、また、焦点調整後のレンズ固定の接着剤を配置しにくく、光学レンズ1等、不必要な部分に接着剤が付着し、撮像画質に悪影響を与えるなど、生産性の上で不具合があった。
【0018】
この発明は前述のような課題を解決するためになされたものであり、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去の補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも良好な撮像画質を得ることを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る撮像装置は、光学レンズの側の一端と被写体の側の他端との間の中間部の内径が徐々に大きくなるすり鉢状の開口部によって前記光学レンズより前記被写体側の撮像領域を形成する撮像領域形成体を有した撮像装置において、前記開口部の被写体側周縁部のバリが前記撮像領域外に位置するように前記他端と前記中間部との境界領域に大径部を形成したものである。
【0020】
請求項2に係る撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置において、前記他端と前記中間部との境界領域に段差を設けることにより前記大径部を形成したものである。
【0021】
請求項3に係る撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置において、前記すり鉢状の開口部を階段形状に形成すると共に、その最外周の階段部の径方向の段幅を他の階段部の径方向の段幅より広くすることにより前記大径部を形成したものである。
【0022】
請求項4に係る撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置において、前記他端と前記中間部との境界領域に斜面を設けることにより前記大径部を形成したものである。
【0023】
請求項5に係る撮像装置は、請求項1〜請求項4の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体は、前記開口部の中心を中心として回されることにより焦点位置を調整する焦点調整機能を有していると共に、その前記被写体側の他端面に前記中心と同心状に略円形状の模様を有しているものである。
【0024】
請求項6に係る撮像装置は、請求項5に記載の撮像装置において、前記略円形状の模様は、前記撮像領域形成体を回す治具の所定位置へのガイドの機能を有するものである。
【0025】
請求項7に係る撮像装置は、請求項1〜請求項4の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体と螺合し前記撮像領域形成体が回されることにより前記撮像領域形成体を前記開口部の中心に沿った移動による焦点調整を許容する筒体を有し、前記撮像領域形成体は前記被写体側の他端に前記中心からの径方向の長さが前記筒体より長いハンドル部を有しているものである。
【0026】
請求項8に係る撮像装置は、請求項1〜請求項7の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体を成型部品としたものである。
【0027】
請求項9に係る撮像装置付電子機器は、請求項1〜請求項7の何れか一に記載の撮像装置が搭載されたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1の撮像装置の一例について図1〜図5を用いて説明する。図1は撮像装置の縦断側面図、図2は図1に示す撮像装置の正面図、図3は図1に示す撮像装置の要部の拡大縦断側面図、図4は図3に示す撮像装置における点線の円の部分Aを更に拡大して示す拡大縦断側面図である。図5は焦点調節機能部を拡大して示す縦断側面図である。
【0029】
図1〜図5において、1は光学レンズ、1Aはこの光学レンズ1の法線、2は撮像領域形成体で、前記光学レンズ1の側の一端2Aと被写体の側の他端2Bとの間の中間部2Cの内径Φが徐々に大きくなるすり鉢状の開口部2Dによって前記光学レンズ1より前記被写体側の撮像領域2E(網掛してある領域)を形成し、また、前記開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ2Gが前記撮像領域2E外に位置するように前記他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに段差2Iを設けて大径部2Jを形成してある。2IWは前記段差部2Iの径方向の幅、2Kは前記撮像領域形成体2の外周2Lに前記撮像領域形成体2と一体に形成された雄ネジ部である。2Mは前記撮像領域2Eと前記被写体側周縁部2Fとの間隔で、この間隔は前記バリ2Gが前記撮像領域2Eに入らないように確保されている。Θは前記撮像領域形成体2の開口部の開口角、2ΘLは前記開口角Θの引出線である。なお、前記大径部2Jは、前記間隔2Mを確保するため、径が被写体側へ徐々に大きくなる前記中間部2Cの最大径より、前記幅2IWだけ大きくしてある。
【0030】
また、前記撮像領域形成体2は金型等によるプラスチック等の成形部品であり、後述の金型(図11)等を使って、前記光学レンズ1の側の一端2A、前記被写体の側の他端2B、前記中間部2C、前記すり鉢状の開口部2D、前記被写体側周縁部2F、前記境界領域2H、段差2I、大径部2J、雄ネジ部2K、及び外周2Lが同時に一体に成形されたものである。なお、通称のレンズホルダー等はこの撮像領域形成体2に該当する。
【0031】
3はプラスチック等の成形部品からなる筒体で、その内周3Aに、前記撮像領域形成体2と螺合する雌ネジ部3Bが一体成型されている。4はCCD(Charged coupled device)、C-MOS(Complementary metal oxide semiconductor)センサーなどの固体撮像素子で、前記光学レンズ1から所定の距離を隔てた状態に前記筒体3の底部に内蔵されている。5は回路基板で、前記撮像素子4を搭載していると共に前記筒体3が取り付けられている。
【0032】
前記撮像領域形成体2の開口部2Dの開口角Φは、使用する撮像素子4に配置される光電変換回路部(図示せず)の有効寸法、所望する撮像装置の設計画角等と合わせ所定の開口角に設計される。
【0033】
段差部2Iの幅2IWは、撮像装置の設計画角の範囲から十分離れた位置に、前記開口部2Dの前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。つまり、段差部2Iの幅2IWは、撮像装置の撮像領域2Eから十分離れた位置に、前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。その結果として、前記被写体側周縁部2Fのバリ2Gが前記撮像領域2E外に位置する。換言すれば、前記開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ2Gが前記撮像領域2E外に位置するように前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに大径部2Jが形成されている。
【0034】
次に、本発明の実施の形態1の撮像装置の動作について説明する。撮像素子4の法線方向に位置する被写体を、光学レンズ1により撮像素子4の上面に結像させる。次に、撮像素子4上に結像した被写体の光学情報を、撮像素子4上に構成された光電変換回路により電気信号に変換する。次に電気信号に変換された被写体光学情報を、回路基板5を介して外部に出力する。尚、撮像素子4と電気回路5は、図1では図示しない微細金属線等により、電気的に接続されている。
【0035】
撮像装置では、前述のように前記撮像領域形成体2の開口部開口角Θは、使用する撮像素子4に配置される光電変換回路部の有効寸法、所望する撮像装置の設計画角等と合わせ所定の開口角に設計される。従って、前記撮像領域形成体2の開口角Θ内側、即ち光学レンズ1より被写体側の撮像領域2E内に、バリ2G等の突起などがあった場合、その部分が光を遮り、撮像素子上に影となって写る。また、その部分に反射された光が乱反射し、予測しない方向からの光として撮像装置内に入射し、撮像画像に光学ノイズとして現れる。
【0036】
また、開口角Θの内側における前記撮像領域形成体2の開口部2Dの中間部2Cの面は、連続した斜面であるため、前述のような突起は発生しないが、図3及び図4に示す破線丸印で示す前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fでは、前述のようなバリ(突起)が発生しやすいため、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fの形状品質には、十分な検査が必要である。
【0037】
しかしながら、本発明の実施の形態1の撮像装置では、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fに設けた段差部の幅を、撮像装置の設計画角から十分離れた位置に配置しているため、つまり前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに大径部を形成したので、たとえ前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fにバリ(突起)が発生しても、バリ(突起)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像に不具合を与えることは無い。同時に、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fの形状品質管理の負荷も不要となり、突起物(バリ)除去などの補修加工も不要となる。
【0038】
また、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fの形状品質管理を行うにしても、特別大きな突起(バリ)だけの検出をすればよく、突起物(バリ)除去などの補修加工も特別大きな突起(バリ)だけを対象にすればよく、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fの形状品質管理の負荷や突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷は大幅に軽減される。
【0039】
換言すれば、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fの形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、また前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fの前記突起物(バリ)2G除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fにおけるバリ等の突起物2Gの存在下でも良質な撮像画質を保証できる。
【0040】
以上のように本発明の実施の形態1の撮像装置によれば、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fに、段差部2Iを設けて大径部2Jを形成し、前記段差部2Iの幅2IWは撮像装置の設計画角から、十分離れた位置に配置したので、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fに突起物(バリ)2Gが発生しても、その突起物(バリ)2Gによる、撮像画像の不具合を低減できると共に、撮像装置の品質管理費用、加工費用を低減できる。
【0041】
また、今日では、本発明の実施の形態1に示すような、CCD、C-MOS等の固体撮像素子を用いた撮像装置は、携帯電話等に代表される電子機器への需要が急増し、被写体情報を電気信号として出力する特徴に加え、小型、軽量化が要求されている。これらの要求を満たすべく、前記光学レンズ1、前記撮像領域形成体2、筒体(鏡筒)などの撮像装置を構成する部品は、プラスチック成形品により構成されることが多くなってきている。
【0042】
このように本発明の実施の形態1の撮像装置では、前述ようなプラスチック成形品を多用した小型軽量撮像装置に用いても良く、安定した画質の小型軽量撮像装置を得ることが出来る。
【0043】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2の撮像装置について図6及び図7を用いて説明する。図6は本発明の実施の形態2の撮像装置の、光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体2の縦断側面図、図7は図6における点線の円の領域Aを拡大して示す縦断側面図である。
【0044】
本発明の実施の形態2の、前述の本発明の実施の形態1と相違する点は、図6及び図7に示すように、前記前記撮像領域形成体2の開口部2Dの全域を階段状に構成してある点であり、2I1は第1の段差部、2I2は第2の段差部、2I3は第3の段差部である。2IW1は第1の段差部2I1の径方向の幅、2IW2は第2の段差部2I2の径方向の幅である。
【0045】
図7に示すように、前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、前記第2の段差部2I2の前記幅2IW2より広く形成してあり、前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、撮像装置の設計画角の範囲から十分離れた位置に、前記開口部2Dの前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。つまり、前記第1の段差部2I1の幅2IW1は、撮像装置の撮像領域2Eから十分離れた位置に、前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。その結果として、前記被写体側周縁部2Fのバリ2Gが前記撮像領域2E外に位置する。
【0046】
換言すれば、前述の本発明の実施の形態1と同様に、前記開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ(突起)2Gが前記撮像領域2E外に位置するように前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに大径部2Jが形成されている。
【0047】
前記撮像領域形成体2の階段状の開口部2Dは、発明の実施の形態1と同様、撮像素子4側から、被写体側(図6及び図7における上方向)にかけて、径が大きくなるように構成され、各段部の角部が、設計画角内に突出しないように配置されている。
【0048】
従って、本発明の実施の形態1の前述の利点を全て具備している。
【0049】
尚、図6及び図7において、前述の図1〜図5と同一部分には同一符号を付し、図6及び図7についての前述の説明以外の構造及び機能については、前述の図1〜図5と同一であるので、その説明は省略する。本発明の実施の形態2の撮像装置の動作についても、前述の本発明の実施の形態1の撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0050】
本発明の実施の形態2において、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの形状を階段状にするのは、非常に強い光線が入射した時、前記撮像領域形成体2の開口部2D内の面での光の乱反射を低減することが出来るためである。例えば、図1〜図5に示す撮像想定では、非常に強い光線が入射した時、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの中間部2Cにおけるテーパー部の面で光が反射し、不用な光が撮像装置内に入射して撮像画像に光学ノイズとして現れる場合がある。
【0051】
前記撮像領域形成体2の開口部2Dの形状を、中間部2Cも含めて階段状にすると、強い光線が入射しても、階段状部で光が分散され、撮像画像の光学ノイズを発生しにくくすることが出来る。しかしながら、前述のように前記撮像領域形成体2の開口部2Dにおける被写体側周縁部2Fに突起(バリ)2G等があった場合、その部分が光を遮り、撮像素子4(図1に図示)上に影となって写る。また、当該被写体側周縁部2Fに突起(バリ)2Gの部分に反射された光が乱反射し、予測しない方向からの光として撮像装置内に入射し、撮像画像に光学ノイズとして現れる。
【0052】
しかしながら、本発明の実施の形態2の撮像装置によれば、撮像領域形成体2の開口部2Dの全域を階段状に構成した撮像装置において、前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、前記第2の段差部2I2の前記幅2IW2より広く形成し、しかも前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、撮像装置の設計画角の範囲から十分離れた位置に、前記開口部2Dの前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。つまり、前記第1の段差部2I1の幅2IW1は、撮像装置の撮像領域2Eから十分離れた位置に、前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。従って、撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fに突起物(バリ)が発生しても、その突起物(バリ)による、撮像画像の不具合を低減できると共に、撮像装置の品質管理費用、加工費用を低減できる。
【0053】
また、本発明の実施の形態2も、前述の本発明の実施の形態1と同様にプラスチック成形品を多用した小型軽量撮像装置に用いても良く、安定した画質の小型軽量撮像装置を得ることが出来る。
【0054】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3の撮像装置について図8及び図9を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態3の撮像装置の光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体の縦断側面図、図9は図8における点線の円の領域Aを拡大して示す縦断側面図である。
【0055】
この実施の形態3の、前述の本発明の実施の形態1及び実施の形態2と相違する点は、図8及び図9に示すように、前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに平面状の斜面2I4を設けることにより前記大径部2Jを形成することにより、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ(突起)2Gが前記撮像領域2E外に位置するようにした点であり、本発明の実施の形態1の前述の利点を全て具備している。
【0056】
尚、図8及び図9において、前述の図1〜図5と同一部分には同一符号を付し、図8及び図9についての前述の説明以外の構造及び機能については、前述の図1〜図5と同一であるので、その説明は省略する。本発明の実施の形態3の撮像装置の動作についても、撮像装置としての動作は、前述の発明の実施の形態1の撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0057】
撮像装置では前記撮像領域形成体2の開口部2Dの開口角Θは、使用する撮像素子4に配置される光電変換回路部(図示せず)の有効寸法、所望する撮像装置の設計画角等と合わせ所定の開口角に設計されるため、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fに突起(バリ)2Gなどがあった場合、その部分が光を遮り、撮像素子4上に影となって写る。また、当該被写体側周縁部2Fに突起(バリ)2Gの部分で反射された光が乱反射し、予測しない方向からの光として撮像装置内に入射し、撮像画像に光学ノイズとして現れる。
【0058】
本発明の実施の形態3の撮像装置では、本発明の実施の形態1と同様に、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fに突起(バリ)2Gが発生しても、当該突起(バリ)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像にへの悪影響を回避することが出来ると共に、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fに平面状の斜面2I4を構成したので、本発明の実施の形態1のような前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fに段差2Iを設ける場合と比し、例えば、前記撮像領域形成体2を金型を使って作製する場合、中子(金型)切削などで加工するのが容易となり、中子(金型)の加工費を低減することが出来る。
【0059】
本発明の実施の形態3は、前述の本発明の実施の形態2の撮像装置に用いても良い。また、本発明の実施の形態3は、切削加工などで前記撮像領域形成体2を作製する場合も、前記斜面2I3を、面取り加工や倣い制御で加工したり、コンピュ−タによる自動加工でソフトウェアに斜面加工を盛り込むことによっても、前記撮像領域形成体2を容易に加工することが出来、加工費を低減することが出来る。
【0060】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4の撮像装置について図10を用いて説明する。図10は本発明の実施の形態4の撮像装置の光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体の要部の縦断側面図である。
【0061】
この実施の形態4の、前述の本発明の実施の形態3と相違する点は、前述の本発明の実施の形態3においては前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに平面状の斜面(面取り部とも言う)2I4を設けることにより前記大径部2Jを形成することで前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ(突起)2Gが前記撮像領域2E外に位置するようにしてあるのに対し、この実施の形態4においては図10に示すように、前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに設けた平面状の斜面(面取り部とも言う)2I3を、湾曲状の斜面2I5とすることにより前記大径部2Jを形成することで前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ(突起)2Gが前記撮像領域2E外に位置するようにした点であり、本発明の実施の形態3の前述の利点を全て具備している。
【0062】
なお、図10において、前述の図1〜図5、図8及び図9と同一部分には同一符号を付し、図10についての前述の説明以外の構造及び機能については、前述の図1〜図5、図8及び図9と同一であるので、その説明は省略する。本発明の実施の形態4の撮像装置の動作についても、撮像装置としての動作は、前述の発明の実施の形態1の撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0063】
図11〜図14は、前述の本発明の実施の形態1〜実施の形態4の要部を金型成形する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図である。
【0064】
図11は、前述の本発明の実施の形態1(図1〜図5)の要部を金型成型する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図で、61は第1の金型で、下部は筒状をなし上部は円盤状をなしている。61Aはこの第1の金型の円盤状上部を貫通する貫通孔である。62は第2の金型(中子)で、前記撮像領域形成体2の開口部2D側を所望の形状にする為、図示のように第1の円柱状部62Aと、円錐台形状部62Bと、第2の円柱状部62Cとを一体物として同心状に有している。前記第1の円柱状部62Aは、貫通孔61Aに着脱可能に嵌合している。612は嵌合部微小隙間で、前記第1の円柱状部62Aが貫通孔61Aに着脱可能に嵌合していることにより生じる微小隙間である。7は前記第2の金型62と同心状をなす第3の金型で、図示のように第1の円柱状部7Aと、第2の円柱状部7Bとを一体物として有している。前記第1の金型61と前記第2の金型(中子)62と前記第3の金型7とで囲まれる空間内に高温高圧のプラスチック溶剤等が注入された後に冷却されることで所望形状の前記撮像領域形成体2が成形される。また、前記第1の円柱状部62Aが、前述の図1〜図5における前記撮像領域形成体2の前記段差部2I及び大径部2Jを形成する。また、前記円錐台形状部62Bで、前述の図1〜図5における前記すり鉢状の開口部2Dを形成する。
【0065】
前記第2の金型(中子)62は、前記第1の金型61とは別々に製作される別体のものであり、前記撮像領域形成体2を例えばプラスチック注型で成形する際には図示のように結合されているが、相互に分離できるものである。前記第2の金型(中子)62と前記第1の金型61との間には、前述のように嵌合部微小隙間612があるため、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。この数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、前述の本発明の実施の形態1では、撮像画像に支障を来たさないように、前記段差部2Iを設けて大径部2Jを形成することで、当該数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが撮像領域2E外に位置するようにしたものである。
【0066】
図12は、前述の本発明の実施の形態2(図6及び図7)の要部を金型成型する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図で、図11に示した金型とは、第2の金型(中子)62の構造が異なっており、他は同じである。図12において、前記第2の金型(中子)62は、図示のように、第1の円柱状部62Aと、第2の円柱状部62Bと、第3の円柱状部62Cと、第4の円柱状部62Dとを、一体物として同心状に有している。
【0067】
前記第1の円柱状部62Aが、前述の図6及び図7における前記撮像領域形成体2の前記段差部2I1及び大径部2Jを形成する。また、第2の円柱状部62Bと、第3の円柱状部62Cと、第4の円柱状部62Dとで、前述の図6及び図7における前記階段状の開口部2Dを形成する。
【0068】
前記第2の金型(中子)62は、前記第1の金型61とは別々に製作される別体のものであり、前記撮像領域形成体2を例えばプラスチック注型で成形する際には図示のように結合されているが、相互に分離できるものである。前記第2の金型(中子)62と前記第1の金型61との間には、前述のように嵌合部微小隙間612があるため、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。この数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、前述の本発明の実施の形態2では、撮像画像に支障を来たさないように、前記第1の段差部2I1を設けて大径部2Jを形成することで、当該数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが撮像領域2E外に位置するようにしたものである。
【0069】
図13は、前述の本発明の実施の形態3(図8及び図9)の要部を金型成型する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図で、図11及び図12に示した金型とは、第2の金型(中子)62の構造が異なっている。他は同じであるので、図示省略し第2の金型(中子)62のみ図示する。図13において、第2の金型(中子)62は、前記撮像領域形成体2の開口部2D側を所望の形状にする為、図示のように第1の円柱状部62Aと、第1の円錐台形状部62Bと、第2の円錐台形状部62Cと、第2の円柱状部62Dとを一体物として同心状に有している。なお、図示のように、第1の円錐台状部62Bは、第2の円錐台状部62Cより、円錐状の開度を大きくしてある。前記第2の金型(中子)の前記第1の円錐台状部62Bと前記第1の円柱状部62Aとが、前述の図8及び図9における前記撮像領域形成体2の前記斜面2I4及び大径部2Jを形成する。また、前記第2の金型(中子)の前記第1の円錐台状部62Bと前記第2の円錐台状部62Cとで、前述の図8及び図9における前記すり鉢状の開口部2Dを形成する。
【0070】
前記第2の金型(中子)7は、前記第1の金型6(図13では図示省略)とは別々に製作される別体のものであり、前記撮像領域形成体2を例えばプラスチック注型で成形する際には前記第1の金型6(図13では図示省略)と結合されているが、相互に分離できるものである。前記第2の金型(中子)62と前記第1の金型61(図13では図示省略)との間には、前述のように嵌合部微小隙間612(図13では図示省略)があるため、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。この数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、前述の本発明の実施の形態3では、撮像画像に支障を来たさないように、前記前記斜面2I4を設けて大径部2Jを形成することで、当該数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが撮像領域2E外に位置するようにしたものである。
【0071】
図14は、前述の本発明の実施の形態4(図10)の要部を金型成型する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図で、図11及び図12に示した金型とは、第2の金型(中子)62の構造が異なっている。他は同じであるので、図示省略し第2の金型(中子)62のみ図示する。図13において、第2の金型(中子)62は、前記撮像領域形成体2の開口部2D側を所望の形状にする為、図示のように第1の円柱状部62Aと、第1の円錐台形状部62Bと、第2の円錐台形状部62Cと、第2の円柱状部62Dとを一体物として同心状に有している。なお、第1の円錐台形状部62Bは、図示のように、外周面を湾曲形状に形成してある。図示のように、第1の円錐台状部62Bは、第2の円錐台状部62Cより、円錐状の開度を大きくしてある。前記第2の金型(中子)の前記第1の円錐台状部62Bと前記第1の円柱状部62Aとが、前述の図10における前記撮像領域形成体2の前記湾曲斜面2I5及び大径部2Jを形成する。また、前記第2の金型(中子)の前記第1の円錐台状部62Bと前記第2の円錐台状部62Cとで、前述の図8及び図9における前記すり鉢状の開口部2Dを形成する。
【0072】
前記第2の金型(中子)7は、前記第1の金型6(図14では図示省略)とは別々に製作される別体のものであり、前記撮像領域形成体2を例えばプラスチック注型で成形する際には前記第1の金型6(図14では図示省略)と結合されているが、相互に分離できるものである。前記第2の金型(中子)62と前記第1の金型61(図14では図示省略)との間には、前述のように嵌合部微小隙間612(図14では図示省略)があるため、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。この数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、前述の本発明の実施の形態4では、撮像画像に支障を来たさないように、前記湾曲斜面2I5を設けて大径部2Jを形成することで、当該数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが撮像領域2E外に位置するようにしたものである。
【0073】
図15〜図18は、前述の本発明の実施の形態1〜実施の形態4の要部を金型成形する場合に使用する金型の他の例を示す外観側面図で、前述の図11〜図14に示した金型とは、第2の金型(中子)62の構成が異なっており、他は同じである。
【0074】
図15は前記図11に対する代替例、図16図は前記図12に対する代替例、図17は前記図13に対する代替例、図18は前記図14に対する代替例であり、何れも、第1の金型61の貫通孔61Aに着脱可能に嵌合する第1の円柱状部62Aと、この第1の円柱状部62Aより大径の第2の円柱状部62Bとを有しており、前記大径の第2の円柱状部62Bは、第1の金型61の円盤状上部の内側面に当接し、当該当接部において当接部微小隙間612が発生する構造のものである。
【0075】
図15において、62Cは円錐台形上部で、前述の図11の円錐台形上部62Bに相当し該円錐台形上部62Bと同じ機能有している。第3の円柱状部62Dは、前述の図11の第2の円柱状部62Cに相当し該第2の円柱状部62Cと同じ機能有している。
【0076】
図15の金型を使用した場合は、当接部微小隙間612は、前記図19に示すように、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。
【0077】
しかしながら、本発明の実施の形態1の撮像装置では、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fに設けた段差部の幅を、撮像装置の設計画角から十分離れた位置に配置しているため、つまり前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに大径部を形成したので、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生したとしても、図19に示すように、バリ(突起)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像に不具合を与えることは無く、前述の特長を呈す。
【0078】
図16において、62Cは第3の円柱状部で、前述の図12の第2の円柱状部62Bに相当し該第2の円柱状部62Bと同じ機能有している。同様に、第4の円柱状部62Dは、前述の図12の第3の円柱状部62Cに相当し該第3の円柱状部62Cと同じ機能有し、第5の円柱状部62Eは、前述の図12の第4の円柱状部62Dに相当し該第4の円柱状部62Dと同じ機能有している。
【0079】
図16の金型を使用した場合も、前述の図15の場合と同様に、当接部微小隙間612は、図20に示すように、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。
【0080】
しかしながら、本発明の実施の形態2の撮像装置によれば、撮像領域形成体2の開口部2Dの全域を階段状に構成した撮像装置において、前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、前記第2の段差部2I2の前記幅2IW2より広く形成し、しかも前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、撮像装置の設計画角の範囲から十分離れた位置に、前記開口部2Dの前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。つまり、前記第1の段差部2I1の幅2IW1は、撮像装置の撮像領域2Eから十分離れた位置に、前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。従って、本発明の実施の形態2の撮像装置によれば、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生したとしても、図20に示すように、バリ(突起)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像に不具合を与えることは無く、前述の特長を呈す。
【0081】
図17において、62Cは第1の円錐台形状部で、前述の図13の第1の円錐台形状部62Bに相当し該第1の円錐台形状部62Bと同じ機能有している。同様に、第2の円錐台形状部62Dは、前述の図13の第2の円錐台形状部62Cに相当し該第2の円錐台形状部62Cと同じ機能有し、第3の円柱状部62Eは、前述の図13の第3の円柱状部62Dに相当し該第3の円柱状部62Dと同じ機能有している。
【0082】
図17の金型を使用した場合も、前述の図15及び図16の場合と同様に、当接部微小隙間612は、図21に示すように、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。
【0083】
しかしながら、本発明の実施の形態3の撮像装置によれば、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、図21に示すように、バリ(突起)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像に不具合を与えることは無く、前述の特長を呈す。
【0084】
図18において、62Cは第1の円錐台形状部で、前述の図14の第1の円錐台形状部62Bに相当し該第1の円錐台形状部62Bと同じ機能有している。同様に、第2の円錐台形状部62Dは、前述の図14の第2の円錐台形状部62Cに相当し該第2の円錐台形状部62Cと同じ機能有し、第3の円柱状部62Eは、前述の図14の第3の円柱状部62Dに相当し該第3の円柱状部62Dと同じ機能有している。
【0085】
図18の金型を使用した場合も、前述の図15、図16及び図17の場合と同様に、当接部微小隙間612は、図22に示すように、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。
【0086】
しかしながら、本発明の実施の形態4の撮像装置によれば、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、図22に示すように、バリ(突起)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像に不具合を与えることは無く、前述の特長を呈す。
【0087】
実施の形態5.
次に本発明の実施の形態5の撮像装置について、図23〜図25を用いて説明する。図23は本発明の実施の形態4の撮像装置の正面図、図24は図23における撮像領域形成体2及び筒体3を拡大して示す正面図、図25は図24における撮像領域形成体2及び筒体3の縦断側面図である。
【0088】
この実施の形態5の、前述の本発明の実施の形態1〜実施の形態4と相違する点は、図23〜図25に示すように、光学レンズ1が一体的に構成された前記撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに略円形状の模様8を設けた点にあり、焦点調整する場合に、後述の焦点調整用治具10により、前記撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに略円形状の筋状の傷が生じても外観上目立たないようにするものである。以下具体的に説明する。
【0089】
図23〜図25において、2N1、2N2は撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに設けられた一対の切欠で、光学レンズ1の中心に対して点対称に配設されている。この切欠は、周方向に等間隔に3箇所、或いは4箇所以上設けてもよい。8は撮像領域形成体2の被写体側の他端面に設けられた略円形状の模様、9はレンズマウントで、前記筒体3が一体的に装着されている。なお、このレンズマウント9は撮像装置が取り付けられる電子機器(図示せず)に応じて設けられたり設けられなかったりする。
【0090】
また、前記一対の切欠2N1、2N2の、前記光学レンズ1の法線1A方向の深さは、何れも、前記撮像領域形成体2の大径部2Jの前記法線1A方向の高さ以下としてあり、従って、これら切欠2N1、2N2を設けることにより突起(バリ)が発生しても、当該突起(バリ)は撮像領域2E外となる。
【0091】
なお、図23〜図25において、前述の図1〜図5、及び図8〜図10と同一部分には同一符号を付し、図23〜図25についての前述の説明以外の構造及び機能については、前述の図1〜図5、及び図8〜図10と同一であるので、その説明は省略する。本発明の実施の形態5の撮像装置の動作についても、撮像装置としての動作は、前述の発明の実施の形態1の撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0092】
図26及び図27は前述の実施の形態5の撮像装置における光学レンズ1の焦点調節作業について説明するための焦点調節作業説明斜視図、図28は同じく焦点調節作業説明側面図である。図26〜図28において、10は焦点調節治具で、焦点調節時に使用され、焦点調節時に前記撮像領域形成体2を、光学レンズ1の中心を中心として回転させるものである。101、102は一対の爪部で、前記焦点調節治具10の下端面周縁部に、前記一対の切欠2N1、2N2に対応して一体に設けられ、前記光学レンズ1の中心に対して点対称となるように配設されている。
【0093】
なお、図26〜図28において、前述の図1〜図5、図8〜図10、及び図23〜図25と同一部分には同一符号を付し、図26〜図28についての前述の説明以外の構造及び機能については、前述の図1〜図5、図8〜図10、及び図23〜図25と同一であるので、その説明は省略する。撮像装置の動作についても、撮像装置としての動作は、前述の発明の実施の形態1の撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0094】
次に本発明の実施の形態5の撮像装置の動作について、図23〜図28を用いて説明する。実施の形態5の撮像装置は、撮像領域形成体2及び筒体3に設けられたネジ部2K、3Bにより、撮像領域形成体2が筒体3に組み立てられると共に、撮像領域形成体2をその中心軸(図示光学レンズ1の法線1A)を中心に回転することにより光学レンズ1の焦点調整がされる。
【0095】
しかしながら、小型の撮像装置においては撮像領域形成体2の直径は筒体3の直径より小さいのみでなく撮像領域形成体2が筒体3から中心軸(図示光学レンズ1の法線1A)方向に被写体側に余り突出してないため、撮像領域形成体2を回転させにくい。従って、専用の焦点調整治具10等を用いて撮像領域形成体2を回転させる。具体的には、図示の17は焦点調整装置などに用いられるレンズホルダー2を回転させるための治具で、前記焦点調整治具10の爪部101、102を撮像領域形成体2のた切欠2N1、2N2に嵌合させて、撮像領域形成体2をその中心軸(図示光学レンズ1の法線1A)を中心に回転させる。
【0096】
通常、撮像領域形成体2回転用の焦点調整治具10は装置側に固定されているため、その真下に撮像装置をセットする。撮像装置がセットされたら、図26に示すように、焦点調整治具10は、撮像領域形成体2に当接するまで下降するが、単に下降しただけでは、撮像領域形成体2の切欠2NI、2N2と、焦点調整治具10の爪部101,102とは、特に事前に位置合わせがされていないので、図28(a)に示すように、嵌合しない場合が多い。従って、図27に示すように、その状態で焦点調整治具10を、撮像領域形成体2を図示上方から図示下方に押さえる方向の微小荷重をかけながら回動させる。
【0097】
焦点調整治具10を回動させ続けると、図28(b)に示すように、撮像領域形成体2の切欠2NI、2N2に、焦点調整治具10の爪部101、102が嵌合される。さらに、図28(c)に示すように、焦点調整治具10を回転させることにより、撮像領域形成体2がその中心軸(図示光学レンズ1の法線1A)を中心に回転させられ、撮像領域形成体2に一体的に取り付けられた光学レンズ1もその法線1A方向に移動し、光学レンズ1の焦点調整を行うことが出来る。
【0098】
しかしながら、前述のように、焦点調整治具10が、図28(a)の状態から図28(b)の状態に至るまでの間に、焦点調整治具10は撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに当接しながら、撮像領域形成体2の切欠2NI、2N2に焦点調整治具10の爪部101、102が嵌合されるまで回転させられるため、撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに不規則なスジ状の傷が発生する。
【0099】
この傷は、撮像装置が、電子機器などに組み込まれたとき、外部から見える場合があり、商品として、外観上の不具合があった。
【0100】
ところが、本発明の実施の形態5の撮像装置によると、撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに予め略円形状の模様8を設けたので、前述の不規則な円形状の傷の発生を目立たなくすることが出来る。
【0101】
以上のように、本発明の実施の形態5の撮像装置では、焦点調整装置などにより発生する、撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bの、不規則な略円形状の傷を目立たなくすることが出来、撮像装置を電子機器等に組み込んだとき、商品として外観を損なうような不具合を低減できる。
【0102】
また、昨今のように撮像装置を軽量化するためプラスチック等の成型部品が多用されることが多いが、プラスチック成形部品は傷が発生しやすいので、本発明の実施の形態5は撮像領域形成体2がプラスチック等の成型部品の場合には特に有効である。
【0103】
さらに、撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに設けた略円形状の模様8は溝にしても良く、その場合、その溝が、撮像領域形成体2回転用の焦点調整治具10の爪部101、102を、撮像領域形成体2の切欠2NI、2N2へ導くガイドの機能を有することも可能であり、その場合、焦点調整治具10により発生する傷が、常に一定の位置、即ち、前記溝部に限定されるようにすることが出来、焦点調整治具10により撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに発生する傷が不規則に発生することを防ぎ、撮像装置を電子機器等に組み込んだとき、商品として外観を損なうような不具合を低減できる。
【0104】
実施の形態6.
次に本発明の実施の形態6の撮像装置について、図29〜図36を用いて説明する。図29は実施の形態6の撮像装置の正面図、図30は図29における撮像領域形成体2を拡大して示す正面図、図31は図30IIIXI−IIIXI線における断面を矢印の方向に見た縦断側面図、図32は図30IIIXII−IIIXII線における断面を矢印の方向に見た縦断側面図、図33は図31の外観側面図、図34は図32の外観側面図、図35は撮像領域形成体2を筒体(鏡筒)3に接着剤等で固定した後の状態を示す正面図、図36は図35を側面から見た側面図である。
【0105】
この実施の形態6の、前述の本発明の実施の形態1〜実施の形態6と相違する点は、図29〜図36に示すように、撮像領域形成体2の外形の一部を前記筒体3の外形形状より大きくし、且つ前記撮像領域形成体2の外形形状の他の部分を前記筒体3の外形より小さくした撮像装置で、前記撮像領域形成体2の外形形状の一部を前記筒体3の外形より小さくした部分において、光学レンズ1の焦点調整後に前記撮像領域形成体2が前記筒体3に接着固定されている点にあり、光学レンズ1の焦点調整作業をし易く、しかも前記撮像領域形成体2の前記筒体3への接着固定作業をし易くするものである。
【0106】
換言すれば、撮像領域形成体2と螺合し前記撮像領域形成体2が回されることにより前記撮像領域形成体2をその開口部2Dの中心に沿った移動による焦点調整を許容する筒体3を有し、前記撮像領域形成体2に前記被写体側の他端2Bに前記中心からの径方向の長さが前記筒体3より長いハンドル部を設けることにより、光学レンズ1の焦点調整作業をし易く、しかも前記撮像領域形成体2の前記筒体3への接着固定作業をし易くするものである。
【0107】
図29〜図36において、2P1は前記撮像領域形成体2と一体をなすハンドル部で、図示のように前記撮像領域形成体2の開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ2r1は、前記筒体3の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ3rより長く、前記撮像領域形成体2の外周2Lの被写体側端部から径方向に鍔状に延在している。また、前記撮像領域形成体2の前記ハンドル部2P1が無い短径部2P2の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ2r2は前記筒体3の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ3rより短く形成されている。つまり、前記各径方向の長さ2r1、2r2、3rの大小関係は、2r1>3r>2r2としてある。
【0108】
従って、撮像装置を正面から見た場合、図29、図35に示すように、前記筒体3は、前記撮像領域形成体2の前記ハンドル部2P1に対向する部分は、該ハンドル部2P1に遮られて見えず、前記短径部2P2に対向する部分は、その外周部分の一部が見える状態にある。
【0109】
図35及び図36において、11は接着剤で、焦点調整後に、前記撮像領域形成体2の前記短径部2P2と前記筒体3に跨って付けられ、これら撮像領域形成体2の短径部2P2と筒体3とを固着するものであり、焦点調整後に光学レンズ1の焦点がずれないようにするものである。前述のように、前記短径部2P2の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ2r2と、前記筒体3の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ3rとの大小関係を、3r>2r2としてあるので、前記接着剤11は、前記撮像領域形成体2の前記短径部2P2と前記筒体3に跨って堅固に付けられ、焦点調整後の前記撮像領域形成体2の回動を確実に防止でき、従って焦点調整後における光学レンズ1の焦点のズレを確実に防止できる。
【0110】
この実施の形態6において、光学レンズ1の焦点調整は以下の手順で行う。先ず、図29において、撮像領域形成体2のハンドル部2P1を図示時計回り或いは反時計回りに指で回すと、撮像領域形成体2は中心1Aを中心にして周り、前記撮像領域形成体2の雄ネジ部2K及び前記筒体3の雌ネジ部3B(図25を参照)を介して固定側の筒体3のネジ部3Bに沿って光学レンズ1はその法線1Aに沿って移動し焦点調整が行われる。所定の焦点になった状態で、前述のような状態に接着剤11を、前記撮像領域形成体2の前記短径部2P2と前記筒体3に跨って付ける。
【0111】
なお、前記撮像領域形成体2の前記ハンドル部2P1及び前記短径部2P2は、前記撮像領域形成体2をプラスチック等による注型成型するときに同時に成型される。
【0112】
このように本発明の実施の形態6の撮像装置では、前記撮像領域形成体2に前記被写体側の他端2Bに前記中心からの径方向の長さが前記筒体3より長いハンドル部2P1を設けてあるので、専用工具などを用いずに、容易に前記撮像領域形成体2を回転することが出来、前記撮像領域形成体2と一体的に構成された光学レンズ1の焦点調整作業を容易に行うことが出来る。
【0113】
更に、本発明の実施の形態6の撮像装置では、前述のように、前記撮像領域形成体2の前記短径部2P2の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ2r2と、前記筒体3の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ3rとの大小関係を、3r>2r2としてあるので、前記接着剤11は、前記撮像領域形成体2の前記短径部2P2と前記筒体3に跨って堅固に付けられ、焦点調整後の前記撮像領域形成体2の回動を確実に防止でき、従って焦点調整後における光学レンズ1の焦点のズレを確実に防止できる。
【0114】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の撮像装置の発明は、光学レンズの側の一端と被写体の側の他端との間の中間部の内径が徐々に大きくなるすり鉢状の開口部によって前記光学レンズより前記被写体側の撮像領域を形成する撮像領域形成体を有した撮像装置において、前記開口部の被写体側周縁部のバリが前記撮像領域外に位置するように前記他端と前記中間部との境界領域に大径部を形成したので、撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0115】
請求項2に記載の撮像装置の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記他端と前記中間部との境界領域に段差を設けることにより前記大径部を形成したので、前記他端と前記中間部との境界領域に段差を設けるという簡単な手段で前記大径部を形成でき、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0116】
請求項3に記載の撮像装置の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記すり鉢状の開口部を階段形状に形成すると共に、その最外周の階段部の径方向の段幅を他の階段部の径方向の段幅より広くすることにより前記大径部を形成したので、開口部における光ノイズを発生を防止できると共に、最外周の階段部の径方向の段幅を他の階段部の径方向の段幅より広くする段差を設けるという簡単な手段で前記大径部を形成でき、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0117】
請求項4に記載の撮像装置の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記他端と前記中間部との境界領域に斜面を設けることにより前記大径部を形成したので、前記他端と前記中間部との境界領域に斜面を設けるという簡単な手段で前記大径部を形成でき、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0118】
請求項5に記載の撮像装置の発明は、請求項1〜請求項4の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体は、前記開口部の中心を中心として回されることにより焦点位置を調整する焦点調整機能を有していると共に、その前記被写体側の他端面に前記中心と同心状に略円形状の模様を有しているので、レンズ焦点調整に使用する装置、冶具等によって前記撮像領域形成体の被写体側の他端面に生じる回転方向の傷が目立たず、撮像装置の外観品質を向上させることが出来、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0119】
請求項6に記載の撮像装置の発明は、請求項5に記載の撮像装置において、前記略円形状の模様は、前記撮像領域形成体を回す治具の所定位置へのガイドの機能を有するので、レンズ焦点調整に使用する装置、冶具等によって前記撮像領域形成体の被写体側の他端面に生じる回転方向の傷が不規則に発生しにくく、撮像装置の外観品質を向上させることが出来、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0120】
請求項7に記載の撮像装置の発明は、請求項1〜請求項4の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体と螺合し前記撮像領域形成体が回されることにより前記撮像領域形成体を前記開口部の中心に沿った移動による焦点調整を許容する筒体を有し、前記撮像領域形成体は前記被写体側の他端に前記中心からの径方向の長さが前記筒体より長いハンドル部を有しているので、焦点調整時に前記撮像領域形成体を回転し易い上、焦点調整後の前記撮像領域形成体の位置を確実に固定することができ、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0121】
請求項8に記載の撮像装置の発明は、請求項1〜請求項7の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体が成型部品であるので、前記大径部を簡易に成型できると共に撮像装置を軽量化することができ、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0122】
請求項9に記載の撮像装置付電子機器の発明は、請求項1〜請求項7の何れか一に記載の撮像装置が搭載された撮像装置付電子機器であるので、撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置電子機器を得ることが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の撮像装置の縦断側面図。
【図2】 図1に示す撮像装置の正面図。
【図3】 図1に示す撮像装置の要部の拡大縦断側面図。
【図4】 図3に示す撮像装置における点線の円の部分Aを更に拡大して示す拡大縦断側面図。
【図5】 本発明の実施の形態1の撮像装置の焦点調節機能部を拡大して示す縦断側面図。
【図6】 本発明の実施の形態2の撮像装置の光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体2の縦断側面図。
【図7】 図6における点線の円の領域Aを拡大して示す縦断側面図。
【図8】 本発明の実施の形態3の撮像装置の光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体の縦断側面図。
【図9】 図8における点線の円の領域Aを拡大して示す縦断側面図。
【図10】 本発明の実施の形態4の撮像装置の光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体の要部の縦断側面図。
【図11】 本発明の実施の形態1の要部を金型成形する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図。
【図12】 本発明の実施の形態2の要部を金型成形する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図。
【図13】 本発明の実施の形態3の要部を金型成形する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図。
【図14】 本発明の実施の形態4の要部を金型成形する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図。
【図15】 本発明の実施の形態1の要部を金型成型する場合に使用する金型の他の例を示す外観側面図。
【図16】 本発明の実施の形態2の要部を金型成型する場合に使用する金型の他の例を示す外観側面図。
【図17】 本発明の実施の形態3の要部を金型成型する場合に使用する金型の他の例を示す外観側面図。
【図18】 本発明の実施の形態4の要部を金型成型する場合に使用する金型の他の例を示す外観側面図。
【図19】 図15に示す金型の他の例を使用した場合の本発明の実施の形態1の要部の縦断側面図。
【図20】 図16に示す金型の他の例を使用した場合の本発明の実施の形態2の要部の縦断側面図。
【図21】 図17に示す金型の他の例を使用した場合の本発明の実施の形態3の要部の縦断側面図。
【図22】 図18に示す金型の他の例を使用した場合の本発明の実施の形態4の要部の縦断側面図。
【図23】 本発明の実施の形態5の撮像装置の正面図。
【図24】 図23における撮像領域形成体2及び筒体3を拡大して示す正面図。
【図25】 図24における撮像領域形成体2及び筒体3の縦断側面図。
【図26】 本発明の実施の形態5の撮像装置における光学レンズ1の焦点調節作業について説明するための焦点調節作業説明斜視図。
【図27】 本発明の実施の形態5の撮像装置における光学レンズ1の焦点調節作業について説明するための焦点調節作業説明斜視図。
【図28】 本発明の実施の形態5の撮像装置における光学レンズ1の焦点調節作業について説明するための焦点調節作業説明側面図。
【図29】 本発明の実施の形態6の撮像装置の正面図。
【図30】 図29における撮像領域形成体2を拡大して示す正面図。
【図31】 図30IIIXI−IIIXI線における断面を矢印の方向に見た縦断側面図。
【図32】 図30IIIXII−IIIXII線における断面を矢印の方向に見た縦断側面図。
【図33】 図31の外観側面図。
【図34】 図32の外観側面図。
【図35】 本発明の実施の形態6において撮像領域形成体2を筒体(鏡筒)3に接着剤等で固定した後の状態を示す正面図。
【図36】 図35を側面から見た側面図。
【図37】 従来の撮像装置を示す縦断側面図。
【図38】 図37の要部を拡大して示す要部拡大断面図。
【図39】 図38の点線の円の部分をさらに拡大して示す拡大断面図。
【図40】 従来の撮像装置の撮像領域形成体を成型する要部の金型を示す外観側面図。
【符号の説明】
1:光学レンズ、 1A:光学レンズの法線、
2:撮像領域形成体、 2A:一端
2B:他端、 2C:中間部、
2D:開口部、 2E:撮像領域、
2F:被写体側周縁部、 2G:バリ、
2H:境界領域、 2I、2I1、2I2:段差部、
2I3、2I4:斜面、 2J:大径部、
2K:ネジ部、 2P1:ハンドル部、
3:筒体、 3B:ネジ部、
4:撮像素子、 6:金型、
7:金型(中子)、 8:模様。
【発明の属する技術分野】
この発明は、CCD(Charged coupled device)、C-MOS(Complementary metal oxide semiconductor)センサーなどの固体撮像素子を用いた撮像装置及び撮像装置付電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図37〜図40は従来の撮像装置を示す図で、図37は縦断側面図、図38は図37の要部を拡大して示す要部拡大断面図、図39は図38の点線の円の部分をさらに拡大して示す拡大断面図である。図40は撮像領域形成体を成形する要部の金型を示す外観側面図である。尚、これら図37〜図39に示される従来装置に類似したものとして特開昭63−314978号公報に記載のものがある。
【0003】
図37〜図39において、1は光学レンズ、2は撮像領域形成体で、一般的には前記光学レンズ1が一端に取り付けられていることからレンズホルダーとも言われているものであり、前記光学レンズ1の側の一端2Aと被写体の側の他端2Bとの間の中間部2Cの内径Φが徐々に大きくなるすり鉢状の開口部2Dによって前記光学レンズ1より前記被写体側の撮像領域2E(網掛してある領域)を形成している。2Kは前記撮像領域形成体2の外周2Lに前記撮像領域形成体2と一体に形成された雄ネジ部である。3は金型等によるプラスチック等の成形部品からなる鏡筒部で、その内周3Aに、前記撮像領域形成体2と螺合する雌ネジ部3Bが一体成形されている。4は撮像素子、5は回路基板である。
【0004】
例えば、携帯電話やその他電子機器に使用される今日の小型撮像装置では、光学レンズ1と前記撮像領域形成体2とは、溶着、接着等の手段により、一体的に構成されているものが一般的である。前記撮像領域形成体2と前記鏡筒部3の組み立て方法は、前記撮像領域形成体2の外周部に構成されたネジ部2K、及び鏡筒部3の内周部に構成されたネジ部3Bに螺合することにより組み立てられる。
【0005】
また、このネジ部2K、3Bは、同時に、光学レンズ1の焦点調整機構も兼ねており、光学レンズ1が一体的に設けられた前記撮像領域形成体2を前記鏡筒部3に組み立てると共に、前記開口部2D前記光学レンズ1を介して得られる被写体情報が、前記撮像素子4上に結像するように調整される。
【0006】
次に動作について説明する。CCD、C-MOS等の固体撮像素子を用いた撮像装置では、撮像素子4の法線方向に位置する被写体を光学レンズ1により、撮像素子4の上面に結像させる。次に、撮像素子4上に結像した被写体の光学情報を、撮像素子4上に構成された光電変換回路(図示せず)により電気信号に変換する。次に電気信号に変換された被写体光学情報を、前記回路基板5を介して外部に出力する。尚、撮像素子4と電気回路5とは、微細金属線等(図示せず)により、電気的に接続されている。
【0007】
前記撮像領域形成体2の開口部2Dは撮像素子4側から、被写体側(図37の上方向)にかけて、径が大きくなるように構成される。このときの角度を開口角θと呼ぶ事とする。撮像装置では、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの開口角θは、使用する撮像素子に配置される光電変換回路部の有効寸法、所望する撮像装置の設計画角等と合わせ所定の開口角に設計される。
【0008】
また、CCD、C-MOS等の固体撮像素子を用いた撮像装置は、携帯電話等に代表される電子機器への需要が急増し、被写体情報を電気信号として出力する特徴に加え、小型、軽量化が要求されている。これらの要求を満たすべく、図37〜39で説明した、前記光学レンズ1、前記撮像領域形成体2、鏡筒部3などの撮像装置を構成する部品は、プラスチック成形品により構成されることが多くなってきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記撮像領域形成体2の開口部2D及び被写体側の他端2Bを形成するプラスチック成形の金型は、図40に示すように最も単純な場合でも3個の金型、即ち第1の金型61、第2の金型62、及び第3の金型7により構成される。プラスチック成形品の作り方は、第1の金型62、もしくは第1〜第3の金型61、62、7に、成形したい製品の形状を切削し、3つの金型61、62、7を精度よく組み合わせた状態で、外部から高温加熱により溶融したプラスチック材を高圧で注入する。このとき、前述の金型61、62、7の切削部にプラスチックが充填され、所望の部品の形状、つまり前記撮像領域形成体2の形状となる。次に、プラスチック材の冷却、固体化後、前記組み合わせた3つの金型61、62、7のうち第3の金型7を第1及び第2の金型61、62から分離し、前記切削部に充填されたプラスチックを取り出せば、所望の形状の製品、つまり前記撮像領域形成体2が得られる。
【0010】
第1及び第2の成形金型61、62と、成形後に分離される第3の金型7とを組み合わせた場合の両者の当接部617、627をパーティングラインと呼ぶこととする。プラスチック成形において、このパーティングライン617、627をどのように構成するかは重要な問題である。通常、量産用の成形金型では、1回の成形サイクルで複数の製品が生産できるよう、多数個取りの金型が使用される。また、耐久性が要求されるため、加工が困難な硬質の金型材を用いるため、金型の加工性からは、製品の形状により、パーティングライン部617、627を境に両側の金型61、62、7の加工が容易になるように配慮する。さらに、成形製品に不具合があった場合、微修正を可能とするためにも、極力単純な構造に構成される。
【0011】
一方、撮像装置の撮像領域形成体2を成形部品で構成する場合、図38に示す前記撮像領域形成体2の開口部2Dは「こま」「中子」と呼ばれる交換可能な部品で第2の金型62を構成する。また、第2の金型62は、第1の金型61に着脱可能に嵌合されている。これは、後述する画質改善のため、撮像領域形成体2の開口部2Bの形状の微調整を容易とするために、第2の金型62は、第1の金型61から取り外しできるようにするものである。なお、図40中、612は嵌合部微小隙間で、前記第1の金型61と第2の金型62との嵌合部に、前記着脱可能な構成にすることにより生じる微小隙間である。
【0012】
撮像装置では、開口部2Dの形状により、その開口部2Dに反射した光が光ノイズとして撮像装置上に写り込む場合がある。これら光ノイズは、光学設計や光路解析では要因の排除が困難で、撮像装置開発では、撮像領域形成体2の成形試作を繰り返すことにより、これら光ノイズを排除していくため、前記撮像領域形成体2の開口部2Dは「こま」「中子」と呼ばれる交換可能な部品で金型を構成した方が有利である。
【0013】
ところが、プラスチック成形では、前述のように溶融したプラスチック材を高圧で注入するため、前記第1の金型61と第2の金型62との間の嵌合部微小隙間612に、プラスチック材が侵入する場合がある。この嵌合部微小隙間612に侵入したプラスチック材は、成形した製品に不用な突起部分として一体的に構成される。この不用な突起部分をバリと呼ぶこととする。
【0014】
従来の撮像装置では、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fにバリ2Gが光学レンズ1の法線(光軸)方向に発生し、そのバリ部2Gは撮像領域2E内にあった場合、被写体の光路を遮光するため、撮像装置で撮像した画像に影が移るなどの不具合があった。また、バリ部2Gに反射した光が、光ノイズとして撮像素子に写り込み、撮像画像の画質を低下させる場合があった。
【0015】
さらに、成形部品量産時は、成形部品成形毎に、パーティングラインで第3の金型7を、第1及び第2の金型61、62に対して組み立て、分離のサイクルを繰り返すため、成形部品毎にバリ発生有無の管理が必要であった。
【0016】
また、プラスチック成形部品は傷がつきやすいため、焦点調整のために、装置や専用冶具等で前記撮像領域形成体2を回転させたとき、回転方向の傷が発生しやすく、外観品質を損なうなどの問題があった。
【0017】
また、前記レンズホルダーの外形は、鏡筒径より小さく、焦点調整のために前記撮像領域形成体2を回転しにくく、また、焦点調整後のレンズ固定の接着剤を配置しにくく、光学レンズ1等、不必要な部分に接着剤が付着し、撮像画質に悪影響を与えるなど、生産性の上で不具合があった。
【0018】
この発明は前述のような課題を解決するためになされたものであり、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去の補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも良好な撮像画質を得ることを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る撮像装置は、光学レンズの側の一端と被写体の側の他端との間の中間部の内径が徐々に大きくなるすり鉢状の開口部によって前記光学レンズより前記被写体側の撮像領域を形成する撮像領域形成体を有した撮像装置において、前記開口部の被写体側周縁部のバリが前記撮像領域外に位置するように前記他端と前記中間部との境界領域に大径部を形成したものである。
【0020】
請求項2に係る撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置において、前記他端と前記中間部との境界領域に段差を設けることにより前記大径部を形成したものである。
【0021】
請求項3に係る撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置において、前記すり鉢状の開口部を階段形状に形成すると共に、その最外周の階段部の径方向の段幅を他の階段部の径方向の段幅より広くすることにより前記大径部を形成したものである。
【0022】
請求項4に係る撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置において、前記他端と前記中間部との境界領域に斜面を設けることにより前記大径部を形成したものである。
【0023】
請求項5に係る撮像装置は、請求項1〜請求項4の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体は、前記開口部の中心を中心として回されることにより焦点位置を調整する焦点調整機能を有していると共に、その前記被写体側の他端面に前記中心と同心状に略円形状の模様を有しているものである。
【0024】
請求項6に係る撮像装置は、請求項5に記載の撮像装置において、前記略円形状の模様は、前記撮像領域形成体を回す治具の所定位置へのガイドの機能を有するものである。
【0025】
請求項7に係る撮像装置は、請求項1〜請求項4の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体と螺合し前記撮像領域形成体が回されることにより前記撮像領域形成体を前記開口部の中心に沿った移動による焦点調整を許容する筒体を有し、前記撮像領域形成体は前記被写体側の他端に前記中心からの径方向の長さが前記筒体より長いハンドル部を有しているものである。
【0026】
請求項8に係る撮像装置は、請求項1〜請求項7の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体を成型部品としたものである。
【0027】
請求項9に係る撮像装置付電子機器は、請求項1〜請求項7の何れか一に記載の撮像装置が搭載されたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1の撮像装置の一例について図1〜図5を用いて説明する。図1は撮像装置の縦断側面図、図2は図1に示す撮像装置の正面図、図3は図1に示す撮像装置の要部の拡大縦断側面図、図4は図3に示す撮像装置における点線の円の部分Aを更に拡大して示す拡大縦断側面図である。図5は焦点調節機能部を拡大して示す縦断側面図である。
【0029】
図1〜図5において、1は光学レンズ、1Aはこの光学レンズ1の法線、2は撮像領域形成体で、前記光学レンズ1の側の一端2Aと被写体の側の他端2Bとの間の中間部2Cの内径Φが徐々に大きくなるすり鉢状の開口部2Dによって前記光学レンズ1より前記被写体側の撮像領域2E(網掛してある領域)を形成し、また、前記開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ2Gが前記撮像領域2E外に位置するように前記他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに段差2Iを設けて大径部2Jを形成してある。2IWは前記段差部2Iの径方向の幅、2Kは前記撮像領域形成体2の外周2Lに前記撮像領域形成体2と一体に形成された雄ネジ部である。2Mは前記撮像領域2Eと前記被写体側周縁部2Fとの間隔で、この間隔は前記バリ2Gが前記撮像領域2Eに入らないように確保されている。Θは前記撮像領域形成体2の開口部の開口角、2ΘLは前記開口角Θの引出線である。なお、前記大径部2Jは、前記間隔2Mを確保するため、径が被写体側へ徐々に大きくなる前記中間部2Cの最大径より、前記幅2IWだけ大きくしてある。
【0030】
また、前記撮像領域形成体2は金型等によるプラスチック等の成形部品であり、後述の金型(図11)等を使って、前記光学レンズ1の側の一端2A、前記被写体の側の他端2B、前記中間部2C、前記すり鉢状の開口部2D、前記被写体側周縁部2F、前記境界領域2H、段差2I、大径部2J、雄ネジ部2K、及び外周2Lが同時に一体に成形されたものである。なお、通称のレンズホルダー等はこの撮像領域形成体2に該当する。
【0031】
3はプラスチック等の成形部品からなる筒体で、その内周3Aに、前記撮像領域形成体2と螺合する雌ネジ部3Bが一体成型されている。4はCCD(Charged coupled device)、C-MOS(Complementary metal oxide semiconductor)センサーなどの固体撮像素子で、前記光学レンズ1から所定の距離を隔てた状態に前記筒体3の底部に内蔵されている。5は回路基板で、前記撮像素子4を搭載していると共に前記筒体3が取り付けられている。
【0032】
前記撮像領域形成体2の開口部2Dの開口角Φは、使用する撮像素子4に配置される光電変換回路部(図示せず)の有効寸法、所望する撮像装置の設計画角等と合わせ所定の開口角に設計される。
【0033】
段差部2Iの幅2IWは、撮像装置の設計画角の範囲から十分離れた位置に、前記開口部2Dの前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。つまり、段差部2Iの幅2IWは、撮像装置の撮像領域2Eから十分離れた位置に、前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。その結果として、前記被写体側周縁部2Fのバリ2Gが前記撮像領域2E外に位置する。換言すれば、前記開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ2Gが前記撮像領域2E外に位置するように前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに大径部2Jが形成されている。
【0034】
次に、本発明の実施の形態1の撮像装置の動作について説明する。撮像素子4の法線方向に位置する被写体を、光学レンズ1により撮像素子4の上面に結像させる。次に、撮像素子4上に結像した被写体の光学情報を、撮像素子4上に構成された光電変換回路により電気信号に変換する。次に電気信号に変換された被写体光学情報を、回路基板5を介して外部に出力する。尚、撮像素子4と電気回路5は、図1では図示しない微細金属線等により、電気的に接続されている。
【0035】
撮像装置では、前述のように前記撮像領域形成体2の開口部開口角Θは、使用する撮像素子4に配置される光電変換回路部の有効寸法、所望する撮像装置の設計画角等と合わせ所定の開口角に設計される。従って、前記撮像領域形成体2の開口角Θ内側、即ち光学レンズ1より被写体側の撮像領域2E内に、バリ2G等の突起などがあった場合、その部分が光を遮り、撮像素子上に影となって写る。また、その部分に反射された光が乱反射し、予測しない方向からの光として撮像装置内に入射し、撮像画像に光学ノイズとして現れる。
【0036】
また、開口角Θの内側における前記撮像領域形成体2の開口部2Dの中間部2Cの面は、連続した斜面であるため、前述のような突起は発生しないが、図3及び図4に示す破線丸印で示す前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fでは、前述のようなバリ(突起)が発生しやすいため、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fの形状品質には、十分な検査が必要である。
【0037】
しかしながら、本発明の実施の形態1の撮像装置では、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fに設けた段差部の幅を、撮像装置の設計画角から十分離れた位置に配置しているため、つまり前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに大径部を形成したので、たとえ前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fにバリ(突起)が発生しても、バリ(突起)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像に不具合を与えることは無い。同時に、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fの形状品質管理の負荷も不要となり、突起物(バリ)除去などの補修加工も不要となる。
【0038】
また、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fの形状品質管理を行うにしても、特別大きな突起(バリ)だけの検出をすればよく、突起物(バリ)除去などの補修加工も特別大きな突起(バリ)だけを対象にすればよく、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fの形状品質管理の負荷や突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷は大幅に軽減される。
【0039】
換言すれば、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fの形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、また前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fの前記突起物(バリ)2G除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fにおけるバリ等の突起物2Gの存在下でも良質な撮像画質を保証できる。
【0040】
以上のように本発明の実施の形態1の撮像装置によれば、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fに、段差部2Iを設けて大径部2Jを形成し、前記段差部2Iの幅2IWは撮像装置の設計画角から、十分離れた位置に配置したので、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fに突起物(バリ)2Gが発生しても、その突起物(バリ)2Gによる、撮像画像の不具合を低減できると共に、撮像装置の品質管理費用、加工費用を低減できる。
【0041】
また、今日では、本発明の実施の形態1に示すような、CCD、C-MOS等の固体撮像素子を用いた撮像装置は、携帯電話等に代表される電子機器への需要が急増し、被写体情報を電気信号として出力する特徴に加え、小型、軽量化が要求されている。これらの要求を満たすべく、前記光学レンズ1、前記撮像領域形成体2、筒体(鏡筒)などの撮像装置を構成する部品は、プラスチック成形品により構成されることが多くなってきている。
【0042】
このように本発明の実施の形態1の撮像装置では、前述ようなプラスチック成形品を多用した小型軽量撮像装置に用いても良く、安定した画質の小型軽量撮像装置を得ることが出来る。
【0043】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2の撮像装置について図6及び図7を用いて説明する。図6は本発明の実施の形態2の撮像装置の、光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体2の縦断側面図、図7は図6における点線の円の領域Aを拡大して示す縦断側面図である。
【0044】
本発明の実施の形態2の、前述の本発明の実施の形態1と相違する点は、図6及び図7に示すように、前記前記撮像領域形成体2の開口部2Dの全域を階段状に構成してある点であり、2I1は第1の段差部、2I2は第2の段差部、2I3は第3の段差部である。2IW1は第1の段差部2I1の径方向の幅、2IW2は第2の段差部2I2の径方向の幅である。
【0045】
図7に示すように、前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、前記第2の段差部2I2の前記幅2IW2より広く形成してあり、前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、撮像装置の設計画角の範囲から十分離れた位置に、前記開口部2Dの前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。つまり、前記第1の段差部2I1の幅2IW1は、撮像装置の撮像領域2Eから十分離れた位置に、前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。その結果として、前記被写体側周縁部2Fのバリ2Gが前記撮像領域2E外に位置する。
【0046】
換言すれば、前述の本発明の実施の形態1と同様に、前記開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ(突起)2Gが前記撮像領域2E外に位置するように前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに大径部2Jが形成されている。
【0047】
前記撮像領域形成体2の階段状の開口部2Dは、発明の実施の形態1と同様、撮像素子4側から、被写体側(図6及び図7における上方向)にかけて、径が大きくなるように構成され、各段部の角部が、設計画角内に突出しないように配置されている。
【0048】
従って、本発明の実施の形態1の前述の利点を全て具備している。
【0049】
尚、図6及び図7において、前述の図1〜図5と同一部分には同一符号を付し、図6及び図7についての前述の説明以外の構造及び機能については、前述の図1〜図5と同一であるので、その説明は省略する。本発明の実施の形態2の撮像装置の動作についても、前述の本発明の実施の形態1の撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0050】
本発明の実施の形態2において、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの形状を階段状にするのは、非常に強い光線が入射した時、前記撮像領域形成体2の開口部2D内の面での光の乱反射を低減することが出来るためである。例えば、図1〜図5に示す撮像想定では、非常に強い光線が入射した時、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの中間部2Cにおけるテーパー部の面で光が反射し、不用な光が撮像装置内に入射して撮像画像に光学ノイズとして現れる場合がある。
【0051】
前記撮像領域形成体2の開口部2Dの形状を、中間部2Cも含めて階段状にすると、強い光線が入射しても、階段状部で光が分散され、撮像画像の光学ノイズを発生しにくくすることが出来る。しかしながら、前述のように前記撮像領域形成体2の開口部2Dにおける被写体側周縁部2Fに突起(バリ)2G等があった場合、その部分が光を遮り、撮像素子4(図1に図示)上に影となって写る。また、当該被写体側周縁部2Fに突起(バリ)2Gの部分に反射された光が乱反射し、予測しない方向からの光として撮像装置内に入射し、撮像画像に光学ノイズとして現れる。
【0052】
しかしながら、本発明の実施の形態2の撮像装置によれば、撮像領域形成体2の開口部2Dの全域を階段状に構成した撮像装置において、前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、前記第2の段差部2I2の前記幅2IW2より広く形成し、しかも前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、撮像装置の設計画角の範囲から十分離れた位置に、前記開口部2Dの前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。つまり、前記第1の段差部2I1の幅2IW1は、撮像装置の撮像領域2Eから十分離れた位置に、前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。従って、撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fに突起物(バリ)が発生しても、その突起物(バリ)による、撮像画像の不具合を低減できると共に、撮像装置の品質管理費用、加工費用を低減できる。
【0053】
また、本発明の実施の形態2も、前述の本発明の実施の形態1と同様にプラスチック成形品を多用した小型軽量撮像装置に用いても良く、安定した画質の小型軽量撮像装置を得ることが出来る。
【0054】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3の撮像装置について図8及び図9を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態3の撮像装置の光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体の縦断側面図、図9は図8における点線の円の領域Aを拡大して示す縦断側面図である。
【0055】
この実施の形態3の、前述の本発明の実施の形態1及び実施の形態2と相違する点は、図8及び図9に示すように、前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに平面状の斜面2I4を設けることにより前記大径部2Jを形成することにより、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ(突起)2Gが前記撮像領域2E外に位置するようにした点であり、本発明の実施の形態1の前述の利点を全て具備している。
【0056】
尚、図8及び図9において、前述の図1〜図5と同一部分には同一符号を付し、図8及び図9についての前述の説明以外の構造及び機能については、前述の図1〜図5と同一であるので、その説明は省略する。本発明の実施の形態3の撮像装置の動作についても、撮像装置としての動作は、前述の発明の実施の形態1の撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0057】
撮像装置では前記撮像領域形成体2の開口部2Dの開口角Θは、使用する撮像素子4に配置される光電変換回路部(図示せず)の有効寸法、所望する撮像装置の設計画角等と合わせ所定の開口角に設計されるため、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fに突起(バリ)2Gなどがあった場合、その部分が光を遮り、撮像素子4上に影となって写る。また、当該被写体側周縁部2Fに突起(バリ)2Gの部分で反射された光が乱反射し、予測しない方向からの光として撮像装置内に入射し、撮像画像に光学ノイズとして現れる。
【0058】
本発明の実施の形態3の撮像装置では、本発明の実施の形態1と同様に、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fに突起(バリ)2Gが発生しても、当該突起(バリ)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像にへの悪影響を回避することが出来ると共に、前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fに平面状の斜面2I4を構成したので、本発明の実施の形態1のような前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fに段差2Iを設ける場合と比し、例えば、前記撮像領域形成体2を金型を使って作製する場合、中子(金型)切削などで加工するのが容易となり、中子(金型)の加工費を低減することが出来る。
【0059】
本発明の実施の形態3は、前述の本発明の実施の形態2の撮像装置に用いても良い。また、本発明の実施の形態3は、切削加工などで前記撮像領域形成体2を作製する場合も、前記斜面2I3を、面取り加工や倣い制御で加工したり、コンピュ−タによる自動加工でソフトウェアに斜面加工を盛り込むことによっても、前記撮像領域形成体2を容易に加工することが出来、加工費を低減することが出来る。
【0060】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4の撮像装置について図10を用いて説明する。図10は本発明の実施の形態4の撮像装置の光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体の要部の縦断側面図である。
【0061】
この実施の形態4の、前述の本発明の実施の形態3と相違する点は、前述の本発明の実施の形態3においては前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに平面状の斜面(面取り部とも言う)2I4を設けることにより前記大径部2Jを形成することで前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ(突起)2Gが前記撮像領域2E外に位置するようにしてあるのに対し、この実施の形態4においては図10に示すように、前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに設けた平面状の斜面(面取り部とも言う)2I3を、湾曲状の斜面2I5とすることにより前記大径部2Jを形成することで前記撮像領域形成体2の開口部2Dの被写体側周縁部2Fのバリ(突起)2Gが前記撮像領域2E外に位置するようにした点であり、本発明の実施の形態3の前述の利点を全て具備している。
【0062】
なお、図10において、前述の図1〜図5、図8及び図9と同一部分には同一符号を付し、図10についての前述の説明以外の構造及び機能については、前述の図1〜図5、図8及び図9と同一であるので、その説明は省略する。本発明の実施の形態4の撮像装置の動作についても、撮像装置としての動作は、前述の発明の実施の形態1の撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0063】
図11〜図14は、前述の本発明の実施の形態1〜実施の形態4の要部を金型成形する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図である。
【0064】
図11は、前述の本発明の実施の形態1(図1〜図5)の要部を金型成型する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図で、61は第1の金型で、下部は筒状をなし上部は円盤状をなしている。61Aはこの第1の金型の円盤状上部を貫通する貫通孔である。62は第2の金型(中子)で、前記撮像領域形成体2の開口部2D側を所望の形状にする為、図示のように第1の円柱状部62Aと、円錐台形状部62Bと、第2の円柱状部62Cとを一体物として同心状に有している。前記第1の円柱状部62Aは、貫通孔61Aに着脱可能に嵌合している。612は嵌合部微小隙間で、前記第1の円柱状部62Aが貫通孔61Aに着脱可能に嵌合していることにより生じる微小隙間である。7は前記第2の金型62と同心状をなす第3の金型で、図示のように第1の円柱状部7Aと、第2の円柱状部7Bとを一体物として有している。前記第1の金型61と前記第2の金型(中子)62と前記第3の金型7とで囲まれる空間内に高温高圧のプラスチック溶剤等が注入された後に冷却されることで所望形状の前記撮像領域形成体2が成形される。また、前記第1の円柱状部62Aが、前述の図1〜図5における前記撮像領域形成体2の前記段差部2I及び大径部2Jを形成する。また、前記円錐台形状部62Bで、前述の図1〜図5における前記すり鉢状の開口部2Dを形成する。
【0065】
前記第2の金型(中子)62は、前記第1の金型61とは別々に製作される別体のものであり、前記撮像領域形成体2を例えばプラスチック注型で成形する際には図示のように結合されているが、相互に分離できるものである。前記第2の金型(中子)62と前記第1の金型61との間には、前述のように嵌合部微小隙間612があるため、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。この数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、前述の本発明の実施の形態1では、撮像画像に支障を来たさないように、前記段差部2Iを設けて大径部2Jを形成することで、当該数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが撮像領域2E外に位置するようにしたものである。
【0066】
図12は、前述の本発明の実施の形態2(図6及び図7)の要部を金型成型する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図で、図11に示した金型とは、第2の金型(中子)62の構造が異なっており、他は同じである。図12において、前記第2の金型(中子)62は、図示のように、第1の円柱状部62Aと、第2の円柱状部62Bと、第3の円柱状部62Cと、第4の円柱状部62Dとを、一体物として同心状に有している。
【0067】
前記第1の円柱状部62Aが、前述の図6及び図7における前記撮像領域形成体2の前記段差部2I1及び大径部2Jを形成する。また、第2の円柱状部62Bと、第3の円柱状部62Cと、第4の円柱状部62Dとで、前述の図6及び図7における前記階段状の開口部2Dを形成する。
【0068】
前記第2の金型(中子)62は、前記第1の金型61とは別々に製作される別体のものであり、前記撮像領域形成体2を例えばプラスチック注型で成形する際には図示のように結合されているが、相互に分離できるものである。前記第2の金型(中子)62と前記第1の金型61との間には、前述のように嵌合部微小隙間612があるため、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。この数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、前述の本発明の実施の形態2では、撮像画像に支障を来たさないように、前記第1の段差部2I1を設けて大径部2Jを形成することで、当該数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが撮像領域2E外に位置するようにしたものである。
【0069】
図13は、前述の本発明の実施の形態3(図8及び図9)の要部を金型成型する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図で、図11及び図12に示した金型とは、第2の金型(中子)62の構造が異なっている。他は同じであるので、図示省略し第2の金型(中子)62のみ図示する。図13において、第2の金型(中子)62は、前記撮像領域形成体2の開口部2D側を所望の形状にする為、図示のように第1の円柱状部62Aと、第1の円錐台形状部62Bと、第2の円錐台形状部62Cと、第2の円柱状部62Dとを一体物として同心状に有している。なお、図示のように、第1の円錐台状部62Bは、第2の円錐台状部62Cより、円錐状の開度を大きくしてある。前記第2の金型(中子)の前記第1の円錐台状部62Bと前記第1の円柱状部62Aとが、前述の図8及び図9における前記撮像領域形成体2の前記斜面2I4及び大径部2Jを形成する。また、前記第2の金型(中子)の前記第1の円錐台状部62Bと前記第2の円錐台状部62Cとで、前述の図8及び図9における前記すり鉢状の開口部2Dを形成する。
【0070】
前記第2の金型(中子)7は、前記第1の金型6(図13では図示省略)とは別々に製作される別体のものであり、前記撮像領域形成体2を例えばプラスチック注型で成形する際には前記第1の金型6(図13では図示省略)と結合されているが、相互に分離できるものである。前記第2の金型(中子)62と前記第1の金型61(図13では図示省略)との間には、前述のように嵌合部微小隙間612(図13では図示省略)があるため、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。この数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、前述の本発明の実施の形態3では、撮像画像に支障を来たさないように、前記前記斜面2I4を設けて大径部2Jを形成することで、当該数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが撮像領域2E外に位置するようにしたものである。
【0071】
図14は、前述の本発明の実施の形態4(図10)の要部を金型成型する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図で、図11及び図12に示した金型とは、第2の金型(中子)62の構造が異なっている。他は同じであるので、図示省略し第2の金型(中子)62のみ図示する。図13において、第2の金型(中子)62は、前記撮像領域形成体2の開口部2D側を所望の形状にする為、図示のように第1の円柱状部62Aと、第1の円錐台形状部62Bと、第2の円錐台形状部62Cと、第2の円柱状部62Dとを一体物として同心状に有している。なお、第1の円錐台形状部62Bは、図示のように、外周面を湾曲形状に形成してある。図示のように、第1の円錐台状部62Bは、第2の円錐台状部62Cより、円錐状の開度を大きくしてある。前記第2の金型(中子)の前記第1の円錐台状部62Bと前記第1の円柱状部62Aとが、前述の図10における前記撮像領域形成体2の前記湾曲斜面2I5及び大径部2Jを形成する。また、前記第2の金型(中子)の前記第1の円錐台状部62Bと前記第2の円錐台状部62Cとで、前述の図8及び図9における前記すり鉢状の開口部2Dを形成する。
【0072】
前記第2の金型(中子)7は、前記第1の金型6(図14では図示省略)とは別々に製作される別体のものであり、前記撮像領域形成体2を例えばプラスチック注型で成形する際には前記第1の金型6(図14では図示省略)と結合されているが、相互に分離できるものである。前記第2の金型(中子)62と前記第1の金型61(図14では図示省略)との間には、前述のように嵌合部微小隙間612(図14では図示省略)があるため、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。この数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、前述の本発明の実施の形態4では、撮像画像に支障を来たさないように、前記湾曲斜面2I5を設けて大径部2Jを形成することで、当該数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが撮像領域2E外に位置するようにしたものである。
【0073】
図15〜図18は、前述の本発明の実施の形態1〜実施の形態4の要部を金型成形する場合に使用する金型の他の例を示す外観側面図で、前述の図11〜図14に示した金型とは、第2の金型(中子)62の構成が異なっており、他は同じである。
【0074】
図15は前記図11に対する代替例、図16図は前記図12に対する代替例、図17は前記図13に対する代替例、図18は前記図14に対する代替例であり、何れも、第1の金型61の貫通孔61Aに着脱可能に嵌合する第1の円柱状部62Aと、この第1の円柱状部62Aより大径の第2の円柱状部62Bとを有しており、前記大径の第2の円柱状部62Bは、第1の金型61の円盤状上部の内側面に当接し、当該当接部において当接部微小隙間612が発生する構造のものである。
【0075】
図15において、62Cは円錐台形上部で、前述の図11の円錐台形上部62Bに相当し該円錐台形上部62Bと同じ機能有している。第3の円柱状部62Dは、前述の図11の第2の円柱状部62Cに相当し該第2の円柱状部62Cと同じ機能有している。
【0076】
図15の金型を使用した場合は、当接部微小隙間612は、前記図19に示すように、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。
【0077】
しかしながら、本発明の実施の形態1の撮像装置では、前記撮像領域形成体2の開口部被写体側周縁部2Fに設けた段差部の幅を、撮像装置の設計画角から十分離れた位置に配置しているため、つまり前記撮像領域形成体2の被写体側の他端2Bと前記中間部2Cとの境界領域2Hに大径部を形成したので、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生したとしても、図19に示すように、バリ(突起)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像に不具合を与えることは無く、前述の特長を呈す。
【0078】
図16において、62Cは第3の円柱状部で、前述の図12の第2の円柱状部62Bに相当し該第2の円柱状部62Bと同じ機能有している。同様に、第4の円柱状部62Dは、前述の図12の第3の円柱状部62Cに相当し該第3の円柱状部62Cと同じ機能有し、第5の円柱状部62Eは、前述の図12の第4の円柱状部62Dに相当し該第4の円柱状部62Dと同じ機能有している。
【0079】
図16の金型を使用した場合も、前述の図15の場合と同様に、当接部微小隙間612は、図20に示すように、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。
【0080】
しかしながら、本発明の実施の形態2の撮像装置によれば、撮像領域形成体2の開口部2Dの全域を階段状に構成した撮像装置において、前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、前記第2の段差部2I2の前記幅2IW2より広く形成し、しかも前記第1の段差部2I1の前記幅2IW1は、撮像装置の設計画角の範囲から十分離れた位置に、前記開口部2Dの前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。つまり、前記第1の段差部2I1の幅2IW1は、撮像装置の撮像領域2Eから十分離れた位置に、前記被写体側周縁部2Fが位置するように設定してある。従って、本発明の実施の形態2の撮像装置によれば、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生したとしても、図20に示すように、バリ(突起)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像に不具合を与えることは無く、前述の特長を呈す。
【0081】
図17において、62Cは第1の円錐台形状部で、前述の図13の第1の円錐台形状部62Bに相当し該第1の円錐台形状部62Bと同じ機能有している。同様に、第2の円錐台形状部62Dは、前述の図13の第2の円錐台形状部62Cに相当し該第2の円錐台形状部62Cと同じ機能有し、第3の円柱状部62Eは、前述の図13の第3の円柱状部62Dに相当し該第3の円柱状部62Dと同じ機能有している。
【0082】
図17の金型を使用した場合も、前述の図15及び図16の場合と同様に、当接部微小隙間612は、図21に示すように、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。
【0083】
しかしながら、本発明の実施の形態3の撮像装置によれば、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、図21に示すように、バリ(突起)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像に不具合を与えることは無く、前述の特長を呈す。
【0084】
図18において、62Cは第1の円錐台形状部で、前述の図14の第1の円錐台形状部62Bに相当し該第1の円錐台形状部62Bと同じ機能有している。同様に、第2の円錐台形状部62Dは、前述の図14の第2の円錐台形状部62Cに相当し該第2の円錐台形状部62Cと同じ機能有し、第3の円柱状部62Eは、前述の図14の第3の円柱状部62Dに相当し該第3の円柱状部62Dと同じ機能有している。
【0085】
図18の金型を使用した場合も、前述の図15、図16及び図17の場合と同様に、当接部微小隙間612は、図22に示すように、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生する原因となる。
【0086】
しかしながら、本発明の実施の形態4の撮像装置によれば、前記撮像領域形成体2の他端2Bの内周側周縁部に光学レンズ1の法線方向(光軸方向)と直角を成す方向に延在する例えば数μから数十μの前述のバリ(突起)2Gが発生しても、図22に示すように、バリ(突起)2Gは撮像領域2E外となり、撮像画像に不具合を与えることは無く、前述の特長を呈す。
【0087】
実施の形態5.
次に本発明の実施の形態5の撮像装置について、図23〜図25を用いて説明する。図23は本発明の実施の形態4の撮像装置の正面図、図24は図23における撮像領域形成体2及び筒体3を拡大して示す正面図、図25は図24における撮像領域形成体2及び筒体3の縦断側面図である。
【0088】
この実施の形態5の、前述の本発明の実施の形態1〜実施の形態4と相違する点は、図23〜図25に示すように、光学レンズ1が一体的に構成された前記撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに略円形状の模様8を設けた点にあり、焦点調整する場合に、後述の焦点調整用治具10により、前記撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに略円形状の筋状の傷が生じても外観上目立たないようにするものである。以下具体的に説明する。
【0089】
図23〜図25において、2N1、2N2は撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに設けられた一対の切欠で、光学レンズ1の中心に対して点対称に配設されている。この切欠は、周方向に等間隔に3箇所、或いは4箇所以上設けてもよい。8は撮像領域形成体2の被写体側の他端面に設けられた略円形状の模様、9はレンズマウントで、前記筒体3が一体的に装着されている。なお、このレンズマウント9は撮像装置が取り付けられる電子機器(図示せず)に応じて設けられたり設けられなかったりする。
【0090】
また、前記一対の切欠2N1、2N2の、前記光学レンズ1の法線1A方向の深さは、何れも、前記撮像領域形成体2の大径部2Jの前記法線1A方向の高さ以下としてあり、従って、これら切欠2N1、2N2を設けることにより突起(バリ)が発生しても、当該突起(バリ)は撮像領域2E外となる。
【0091】
なお、図23〜図25において、前述の図1〜図5、及び図8〜図10と同一部分には同一符号を付し、図23〜図25についての前述の説明以外の構造及び機能については、前述の図1〜図5、及び図8〜図10と同一であるので、その説明は省略する。本発明の実施の形態5の撮像装置の動作についても、撮像装置としての動作は、前述の発明の実施の形態1の撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0092】
図26及び図27は前述の実施の形態5の撮像装置における光学レンズ1の焦点調節作業について説明するための焦点調節作業説明斜視図、図28は同じく焦点調節作業説明側面図である。図26〜図28において、10は焦点調節治具で、焦点調節時に使用され、焦点調節時に前記撮像領域形成体2を、光学レンズ1の中心を中心として回転させるものである。101、102は一対の爪部で、前記焦点調節治具10の下端面周縁部に、前記一対の切欠2N1、2N2に対応して一体に設けられ、前記光学レンズ1の中心に対して点対称となるように配設されている。
【0093】
なお、図26〜図28において、前述の図1〜図5、図8〜図10、及び図23〜図25と同一部分には同一符号を付し、図26〜図28についての前述の説明以外の構造及び機能については、前述の図1〜図5、図8〜図10、及び図23〜図25と同一であるので、その説明は省略する。撮像装置の動作についても、撮像装置としての動作は、前述の発明の実施の形態1の撮像装置と同様であるので、その説明は省略する。
【0094】
次に本発明の実施の形態5の撮像装置の動作について、図23〜図28を用いて説明する。実施の形態5の撮像装置は、撮像領域形成体2及び筒体3に設けられたネジ部2K、3Bにより、撮像領域形成体2が筒体3に組み立てられると共に、撮像領域形成体2をその中心軸(図示光学レンズ1の法線1A)を中心に回転することにより光学レンズ1の焦点調整がされる。
【0095】
しかしながら、小型の撮像装置においては撮像領域形成体2の直径は筒体3の直径より小さいのみでなく撮像領域形成体2が筒体3から中心軸(図示光学レンズ1の法線1A)方向に被写体側に余り突出してないため、撮像領域形成体2を回転させにくい。従って、専用の焦点調整治具10等を用いて撮像領域形成体2を回転させる。具体的には、図示の17は焦点調整装置などに用いられるレンズホルダー2を回転させるための治具で、前記焦点調整治具10の爪部101、102を撮像領域形成体2のた切欠2N1、2N2に嵌合させて、撮像領域形成体2をその中心軸(図示光学レンズ1の法線1A)を中心に回転させる。
【0096】
通常、撮像領域形成体2回転用の焦点調整治具10は装置側に固定されているため、その真下に撮像装置をセットする。撮像装置がセットされたら、図26に示すように、焦点調整治具10は、撮像領域形成体2に当接するまで下降するが、単に下降しただけでは、撮像領域形成体2の切欠2NI、2N2と、焦点調整治具10の爪部101,102とは、特に事前に位置合わせがされていないので、図28(a)に示すように、嵌合しない場合が多い。従って、図27に示すように、その状態で焦点調整治具10を、撮像領域形成体2を図示上方から図示下方に押さえる方向の微小荷重をかけながら回動させる。
【0097】
焦点調整治具10を回動させ続けると、図28(b)に示すように、撮像領域形成体2の切欠2NI、2N2に、焦点調整治具10の爪部101、102が嵌合される。さらに、図28(c)に示すように、焦点調整治具10を回転させることにより、撮像領域形成体2がその中心軸(図示光学レンズ1の法線1A)を中心に回転させられ、撮像領域形成体2に一体的に取り付けられた光学レンズ1もその法線1A方向に移動し、光学レンズ1の焦点調整を行うことが出来る。
【0098】
しかしながら、前述のように、焦点調整治具10が、図28(a)の状態から図28(b)の状態に至るまでの間に、焦点調整治具10は撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに当接しながら、撮像領域形成体2の切欠2NI、2N2に焦点調整治具10の爪部101、102が嵌合されるまで回転させられるため、撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに不規則なスジ状の傷が発生する。
【0099】
この傷は、撮像装置が、電子機器などに組み込まれたとき、外部から見える場合があり、商品として、外観上の不具合があった。
【0100】
ところが、本発明の実施の形態5の撮像装置によると、撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに予め略円形状の模様8を設けたので、前述の不規則な円形状の傷の発生を目立たなくすることが出来る。
【0101】
以上のように、本発明の実施の形態5の撮像装置では、焦点調整装置などにより発生する、撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bの、不規則な略円形状の傷を目立たなくすることが出来、撮像装置を電子機器等に組み込んだとき、商品として外観を損なうような不具合を低減できる。
【0102】
また、昨今のように撮像装置を軽量化するためプラスチック等の成型部品が多用されることが多いが、プラスチック成形部品は傷が発生しやすいので、本発明の実施の形態5は撮像領域形成体2がプラスチック等の成型部品の場合には特に有効である。
【0103】
さらに、撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに設けた略円形状の模様8は溝にしても良く、その場合、その溝が、撮像領域形成体2回転用の焦点調整治具10の爪部101、102を、撮像領域形成体2の切欠2NI、2N2へ導くガイドの機能を有することも可能であり、その場合、焦点調整治具10により発生する傷が、常に一定の位置、即ち、前記溝部に限定されるようにすることが出来、焦点調整治具10により撮像領域形成体2の被写体側の他端面2Bに発生する傷が不規則に発生することを防ぎ、撮像装置を電子機器等に組み込んだとき、商品として外観を損なうような不具合を低減できる。
【0104】
実施の形態6.
次に本発明の実施の形態6の撮像装置について、図29〜図36を用いて説明する。図29は実施の形態6の撮像装置の正面図、図30は図29における撮像領域形成体2を拡大して示す正面図、図31は図30IIIXI−IIIXI線における断面を矢印の方向に見た縦断側面図、図32は図30IIIXII−IIIXII線における断面を矢印の方向に見た縦断側面図、図33は図31の外観側面図、図34は図32の外観側面図、図35は撮像領域形成体2を筒体(鏡筒)3に接着剤等で固定した後の状態を示す正面図、図36は図35を側面から見た側面図である。
【0105】
この実施の形態6の、前述の本発明の実施の形態1〜実施の形態6と相違する点は、図29〜図36に示すように、撮像領域形成体2の外形の一部を前記筒体3の外形形状より大きくし、且つ前記撮像領域形成体2の外形形状の他の部分を前記筒体3の外形より小さくした撮像装置で、前記撮像領域形成体2の外形形状の一部を前記筒体3の外形より小さくした部分において、光学レンズ1の焦点調整後に前記撮像領域形成体2が前記筒体3に接着固定されている点にあり、光学レンズ1の焦点調整作業をし易く、しかも前記撮像領域形成体2の前記筒体3への接着固定作業をし易くするものである。
【0106】
換言すれば、撮像領域形成体2と螺合し前記撮像領域形成体2が回されることにより前記撮像領域形成体2をその開口部2Dの中心に沿った移動による焦点調整を許容する筒体3を有し、前記撮像領域形成体2に前記被写体側の他端2Bに前記中心からの径方向の長さが前記筒体3より長いハンドル部を設けることにより、光学レンズ1の焦点調整作業をし易く、しかも前記撮像領域形成体2の前記筒体3への接着固定作業をし易くするものである。
【0107】
図29〜図36において、2P1は前記撮像領域形成体2と一体をなすハンドル部で、図示のように前記撮像領域形成体2の開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ2r1は、前記筒体3の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ3rより長く、前記撮像領域形成体2の外周2Lの被写体側端部から径方向に鍔状に延在している。また、前記撮像領域形成体2の前記ハンドル部2P1が無い短径部2P2の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ2r2は前記筒体3の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ3rより短く形成されている。つまり、前記各径方向の長さ2r1、2r2、3rの大小関係は、2r1>3r>2r2としてある。
【0108】
従って、撮像装置を正面から見た場合、図29、図35に示すように、前記筒体3は、前記撮像領域形成体2の前記ハンドル部2P1に対向する部分は、該ハンドル部2P1に遮られて見えず、前記短径部2P2に対向する部分は、その外周部分の一部が見える状態にある。
【0109】
図35及び図36において、11は接着剤で、焦点調整後に、前記撮像領域形成体2の前記短径部2P2と前記筒体3に跨って付けられ、これら撮像領域形成体2の短径部2P2と筒体3とを固着するものであり、焦点調整後に光学レンズ1の焦点がずれないようにするものである。前述のように、前記短径部2P2の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ2r2と、前記筒体3の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ3rとの大小関係を、3r>2r2としてあるので、前記接着剤11は、前記撮像領域形成体2の前記短径部2P2と前記筒体3に跨って堅固に付けられ、焦点調整後の前記撮像領域形成体2の回動を確実に防止でき、従って焦点調整後における光学レンズ1の焦点のズレを確実に防止できる。
【0110】
この実施の形態6において、光学レンズ1の焦点調整は以下の手順で行う。先ず、図29において、撮像領域形成体2のハンドル部2P1を図示時計回り或いは反時計回りに指で回すと、撮像領域形成体2は中心1Aを中心にして周り、前記撮像領域形成体2の雄ネジ部2K及び前記筒体3の雌ネジ部3B(図25を参照)を介して固定側の筒体3のネジ部3Bに沿って光学レンズ1はその法線1Aに沿って移動し焦点調整が行われる。所定の焦点になった状態で、前述のような状態に接着剤11を、前記撮像領域形成体2の前記短径部2P2と前記筒体3に跨って付ける。
【0111】
なお、前記撮像領域形成体2の前記ハンドル部2P1及び前記短径部2P2は、前記撮像領域形成体2をプラスチック等による注型成型するときに同時に成型される。
【0112】
このように本発明の実施の形態6の撮像装置では、前記撮像領域形成体2に前記被写体側の他端2Bに前記中心からの径方向の長さが前記筒体3より長いハンドル部2P1を設けてあるので、専用工具などを用いずに、容易に前記撮像領域形成体2を回転することが出来、前記撮像領域形成体2と一体的に構成された光学レンズ1の焦点調整作業を容易に行うことが出来る。
【0113】
更に、本発明の実施の形態6の撮像装置では、前述のように、前記撮像領域形成体2の前記短径部2P2の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ2r2と、前記筒体3の前記開口部2Dの中心1Aからの径方向の長さ3rとの大小関係を、3r>2r2としてあるので、前記接着剤11は、前記撮像領域形成体2の前記短径部2P2と前記筒体3に跨って堅固に付けられ、焦点調整後の前記撮像領域形成体2の回動を確実に防止でき、従って焦点調整後における光学レンズ1の焦点のズレを確実に防止できる。
【0114】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の撮像装置の発明は、光学レンズの側の一端と被写体の側の他端との間の中間部の内径が徐々に大きくなるすり鉢状の開口部によって前記光学レンズより前記被写体側の撮像領域を形成する撮像領域形成体を有した撮像装置において、前記開口部の被写体側周縁部のバリが前記撮像領域外に位置するように前記他端と前記中間部との境界領域に大径部を形成したので、撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0115】
請求項2に記載の撮像装置の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記他端と前記中間部との境界領域に段差を設けることにより前記大径部を形成したので、前記他端と前記中間部との境界領域に段差を設けるという簡単な手段で前記大径部を形成でき、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0116】
請求項3に記載の撮像装置の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記すり鉢状の開口部を階段形状に形成すると共に、その最外周の階段部の径方向の段幅を他の階段部の径方向の段幅より広くすることにより前記大径部を形成したので、開口部における光ノイズを発生を防止できると共に、最外周の階段部の径方向の段幅を他の階段部の径方向の段幅より広くする段差を設けるという簡単な手段で前記大径部を形成でき、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0117】
請求項4に記載の撮像装置の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記他端と前記中間部との境界領域に斜面を設けることにより前記大径部を形成したので、前記他端と前記中間部との境界領域に斜面を設けるという簡単な手段で前記大径部を形成でき、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0118】
請求項5に記載の撮像装置の発明は、請求項1〜請求項4の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体は、前記開口部の中心を中心として回されることにより焦点位置を調整する焦点調整機能を有していると共に、その前記被写体側の他端面に前記中心と同心状に略円形状の模様を有しているので、レンズ焦点調整に使用する装置、冶具等によって前記撮像領域形成体の被写体側の他端面に生じる回転方向の傷が目立たず、撮像装置の外観品質を向上させることが出来、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0119】
請求項6に記載の撮像装置の発明は、請求項5に記載の撮像装置において、前記略円形状の模様は、前記撮像領域形成体を回す治具の所定位置へのガイドの機能を有するので、レンズ焦点調整に使用する装置、冶具等によって前記撮像領域形成体の被写体側の他端面に生じる回転方向の傷が不規則に発生しにくく、撮像装置の外観品質を向上させることが出来、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0120】
請求項7に記載の撮像装置の発明は、請求項1〜請求項4の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体と螺合し前記撮像領域形成体が回されることにより前記撮像領域形成体を前記開口部の中心に沿った移動による焦点調整を許容する筒体を有し、前記撮像領域形成体は前記被写体側の他端に前記中心からの径方向の長さが前記筒体より長いハンドル部を有しているので、焦点調整時に前記撮像領域形成体を回転し易い上、焦点調整後の前記撮像領域形成体の位置を確実に固定することができ、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0121】
請求項8に記載の撮像装置の発明は、請求項1〜請求項7の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体が成型部品であるので、前記大径部を簡易に成型できると共に撮像装置を軽量化することができ、しかも撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置を得ることが出来る効果がある。
【0122】
請求項9に記載の撮像装置付電子機器の発明は、請求項1〜請求項7の何れか一に記載の撮像装置が搭載された撮像装置付電子機器であるので、撮像領域形成体の被写体側開口部周縁部にバリが発生しても、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の形状品質管理の負荷を皆無もしくは軽減し、前記撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部の前記突起物(バリ)除去などの補修加工の負荷を皆無もしくは軽減しても、つまり、撮像領域形成体の開口部の被写体側周縁部におけるバリ等の突起物の存在下でも、必要とされる所定の撮像領域形成体開口部開口角を構成しながら、前記バリ部が光路を遮ったり、光ノイズを発生させない、良好な画質の撮像装置電子機器を得ることが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の撮像装置の縦断側面図。
【図2】 図1に示す撮像装置の正面図。
【図3】 図1に示す撮像装置の要部の拡大縦断側面図。
【図4】 図3に示す撮像装置における点線の円の部分Aを更に拡大して示す拡大縦断側面図。
【図5】 本発明の実施の形態1の撮像装置の焦点調節機能部を拡大して示す縦断側面図。
【図6】 本発明の実施の形態2の撮像装置の光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体2の縦断側面図。
【図7】 図6における点線の円の領域Aを拡大して示す縦断側面図。
【図8】 本発明の実施の形態3の撮像装置の光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体の縦断側面図。
【図9】 図8における点線の円の領域Aを拡大して示す縦断側面図。
【図10】 本発明の実施の形態4の撮像装置の光学レンズが一体的に構成された撮像領域形成体の要部の縦断側面図。
【図11】 本発明の実施の形態1の要部を金型成形する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図。
【図12】 本発明の実施の形態2の要部を金型成形する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図。
【図13】 本発明の実施の形態3の要部を金型成形する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図。
【図14】 本発明の実施の形態4の要部を金型成形する場合に使用する金型の一例を示す外観側面図。
【図15】 本発明の実施の形態1の要部を金型成型する場合に使用する金型の他の例を示す外観側面図。
【図16】 本発明の実施の形態2の要部を金型成型する場合に使用する金型の他の例を示す外観側面図。
【図17】 本発明の実施の形態3の要部を金型成型する場合に使用する金型の他の例を示す外観側面図。
【図18】 本発明の実施の形態4の要部を金型成型する場合に使用する金型の他の例を示す外観側面図。
【図19】 図15に示す金型の他の例を使用した場合の本発明の実施の形態1の要部の縦断側面図。
【図20】 図16に示す金型の他の例を使用した場合の本発明の実施の形態2の要部の縦断側面図。
【図21】 図17に示す金型の他の例を使用した場合の本発明の実施の形態3の要部の縦断側面図。
【図22】 図18に示す金型の他の例を使用した場合の本発明の実施の形態4の要部の縦断側面図。
【図23】 本発明の実施の形態5の撮像装置の正面図。
【図24】 図23における撮像領域形成体2及び筒体3を拡大して示す正面図。
【図25】 図24における撮像領域形成体2及び筒体3の縦断側面図。
【図26】 本発明の実施の形態5の撮像装置における光学レンズ1の焦点調節作業について説明するための焦点調節作業説明斜視図。
【図27】 本発明の実施の形態5の撮像装置における光学レンズ1の焦点調節作業について説明するための焦点調節作業説明斜視図。
【図28】 本発明の実施の形態5の撮像装置における光学レンズ1の焦点調節作業について説明するための焦点調節作業説明側面図。
【図29】 本発明の実施の形態6の撮像装置の正面図。
【図30】 図29における撮像領域形成体2を拡大して示す正面図。
【図31】 図30IIIXI−IIIXI線における断面を矢印の方向に見た縦断側面図。
【図32】 図30IIIXII−IIIXII線における断面を矢印の方向に見た縦断側面図。
【図33】 図31の外観側面図。
【図34】 図32の外観側面図。
【図35】 本発明の実施の形態6において撮像領域形成体2を筒体(鏡筒)3に接着剤等で固定した後の状態を示す正面図。
【図36】 図35を側面から見た側面図。
【図37】 従来の撮像装置を示す縦断側面図。
【図38】 図37の要部を拡大して示す要部拡大断面図。
【図39】 図38の点線の円の部分をさらに拡大して示す拡大断面図。
【図40】 従来の撮像装置の撮像領域形成体を成型する要部の金型を示す外観側面図。
【符号の説明】
1:光学レンズ、 1A:光学レンズの法線、
2:撮像領域形成体、 2A:一端
2B:他端、 2C:中間部、
2D:開口部、 2E:撮像領域、
2F:被写体側周縁部、 2G:バリ、
2H:境界領域、 2I、2I1、2I2:段差部、
2I3、2I4:斜面、 2J:大径部、
2K:ネジ部、 2P1:ハンドル部、
3:筒体、 3B:ネジ部、
4:撮像素子、 6:金型、
7:金型(中子)、 8:模様。
Claims (9)
- 光学レンズの側の一端と被写体の側の他端との間の中間部の内径が徐々に大きくなるすり鉢状の開口部によって前記光学レンズより前記被写体側の撮像領域を形成する撮像領域形成体を有した撮像装置において、前記開口部の被写体側周縁部のバリが前記撮像領域外に位置するように前記他端と前記中間部との境界領域に大径部を形成したことを特徴とする撮像装置。
- 請求項1に記載の撮像装置において、前記他端と前記中間部との境界領域に段差を設けることにより前記大径部を形成したことを特徴とする撮像装置。
- 請求項1に記載の撮像装置において、前記すり鉢状の開口部を階段形状に形成すると共に、その最外周の階段部の径方向の段幅を他の階段部の径方向の段幅より広くすることにより前記大径部を形成したことを特徴とする撮像装置。
- 請求項1に記載の撮像装置において、前記他端と前記中間部との境界領域に斜面を設けることにより前記大径部を形成したことを特徴とする撮像装置。
- 請求項1〜請求項4の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体は、前記開口部の中心を中心として回されることにより焦点位置を調整する焦点調整機能を有していると共に、その前記被写体側の他端面に前記中心と同心状に略円形状の模様を有していることを特徴とする撮像装置。
- 請求項5に記載の撮像装置において、前記略円形状の模様は、前記撮像領域形成体を回す治具の所定位置へのガイドの機能を有することを特徴とする撮像装置。
- 請求項1〜請求項4の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体と螺合し前記撮像領域形成体が回されることにより前記撮像領域形成体を前記開口部の中心に沿った移動による焦点調整を許容する筒体を有し、前記撮像領域形成体は前記被写体側の他端に前記中心からの径方向の長さが前記筒体より長いハンドル部を有していることを特徴とする撮像装置。
- 請求項1〜請求項7の何れか一に記載の撮像装置において、前記撮像領域形成体が成型部品であることを特徴とする撮像装置。
- 請求項1〜請求項7の何れか一に記載の撮像装置が搭載された撮像装置付電子機器。
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