JP3758681B2 - 直交変調器用の平衡トランスバーサルi,qフィルタ - Google Patents

直交変調器用の平衡トランスバーサルi,qフィルタ Download PDF

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Description

発明の背景
1)発明の分野
本発明は、無線送信が隣接チャネルの妨害を生じないようにするために、無線送信のスペクトル封込めを実現する方法および装置に関し、特に、TDMAまたはCDMAセルラ電話信号のような高ビットレートのディジタル送信のスペクトル封込めを実現する方法および装置に関する。
2)関連技術の論考
技術的な進歩は、セルラ・ポータブル電話の電池寿命を増加させつつ、大きさおよび経費の削減において連続的な改善を可能にした。このことは、セルラ電話を常にますます普及させてきた。その結果、セルラ電話システムは、常に増加していく加入者数にサービスを提供するために、拡大する必要がある。
周波数チャネルの使用可能度を高めなければならないという重圧は、欧州GSM TDMAシステム,米国IS−54ディジタルTDMAセルラ規格および米国IS−95 CDMA規格のようなディジタル・セルラ技術の開発に導いた。以上のシステムは全て、まず音声を圧縮されたディジタル形式に変換し、次にそれを多少冗長なコーディングによりコード化し、その後、それを反復するフレーム周期内の1つまたはそれ以上のタイムスロットを用いて送信する。
例えば、GSM TDMAシステムは、畳込みコーディングを用いて音声をコード化し、ハーフレート・チャネルまたはフルレート・チャネルのいずれが割当てられるかにより16タイムスロットのうちの1つまたは2つを用いてそのコード化音声を送信する。IS−54システムもまた、音声を畳込みコーディングし、それを6タイムスロットのうちの1つまたは2つを用いて送信する。IS−95システムは、畳込みコーディングとビット繰返しとを併せて用い、音声の音が有声音であるか無声音であるか無音/背景雑音であるかにより16タイムスロットのうちの2つ,4つ,8つまたは16を用いて送信する。したがって、全ての場合において、音声のビットレートはまず固有冗長性を除去するために圧縮され、次に、ビットレートは、より大きい妨害許容性を有する送信のためにより高いビットレート・ストリームを得るために、インテリジェント・コーディングを用いることにより増大せしめられる。
そのようなディジタル的にコーディングされた信号のための送信機は、好ましくは平衡直交変調器を含む。図1は、任意に変調された信号を合成するための直交変調器の従来技術の構成を示す。ディジタル信号プロセッサ(DSP)30は、所望の複素変調の実数部分および虚数部分の、時間間隔を有するサンプルを計算する。実数部分は、所望の振幅と所望の位相角の予言関数(コサイン)との積により与えられ、一方、虚数部分は、所望の振幅と前記位相角の正弦関数(サイン)との積により与えられる。このようにして振幅変調(AM)信号または位相変調(PM)信号の双方、あるいは、結果が複素変調信号として一般に公知であるこれら双方を含む信号を発生させることができる。DSP30により計算された数値サンプルは、一対のディジタル/アナログ(D/A)変換器31へ転送され、これらの変換器31は、それぞれの数値サンプル対をI(同相)信号およびQ(直交)信号として公知のアナログ電圧の対に変換する。そのような数値サンプルのシーケンスは、I波形およびQ波形を階段状に発生する。
波形内のステップは、抑制しなければ隣接する無線チャネルを妨害する望ましくないスペクトル成分を生ぜしめる。D/A変換のためのいくつかの技術は、隣接するサンプル値間の傾斜波形を与えるサンプル間の補間を提供し、それは望ましくない成分を減少させはするが、望ましくない成分を十分には消去しない。したがって、IおよびQ平滑化フィルタ32が必要となる。これらのフィルタは低域フィルタであり、重要な全ての変調スペクトル成分は通過させるが、D/A変換器31からの階段状または折れ線状のI,Q波形に関連するスペクトルの高周波成分は抑制する。
平滑化されたI,Q波形は、コサインおよびサインの搬送周波数信号といっしょに一対の平衡変調器33へ印加され、この構成は直交変調器として公知である。以上に説明しかつ図1に示した構成は、公知の従来技術に属する。
要約すると、DSP30は所望のディジタルまたはアナログ変調を表す数値的なIおよびQ波形を発生し、次に、D/A変換器31がこれらの数値的なI,Q表示をアナログI,Q変調波形に変換する。フィルタ32は、数値的なI,Q信号の有限時間サンプリングおよび量子化による不連続性を除去して連続的なI,Q波形を発生し、それにより、隣接無線チャネル内のスペクトル飛散を防止する。平滑化されたI,Q波形は、直交変調器33を用いてサインおよびコサインの無線周波搬送波に印加される。
正確な信号発生のためには、(1)2つの平衡変調器が正確に整合していること、(2)I信号およびQ信号のレベルが互いに対して正確に制御されること、(3)平衡変調器の搬送波漏れまたはオフセットが小さいこと、すなわち、平衡変調器の出力信号はそのそれぞれのIまたはQ変調信号がゼロであるときにはゼロであるべきであることが、重要である。
I信号およびQ信号は正から負へ変化するので、もし回路が単一の正電源のみにより動作することが必要であれば、I波形またはQ波形のゼロ点は、ゼロ電圧であるようには定めえず、供給電圧の半分というようなある正の基準電圧であるように定めなければならない。その場合、I波形またはQ波形がこの基準電圧の下へ振れたときは負として解釈し、上へ振れたときは正として解釈する。
あいにく、D/A変換器がゼロの入力数値によって供給する電圧と正確に等しい基準電圧をDSP30から発生することは困難である。この問題は、図2に示され米国特許第5,530,722号に開示されている平衡構成を用いることにより克服され、この平衡構成は特殊なD/A変換技術を用いてI信号およびQ信号ならびにそれらの補数IおよびQを発生する。
図2においては、図1のD/A変換器31を用いる代わりに、DSP30からの数値的なI信号およびQ信号がデルタ/シグマ(Δ/Σ)変換器41へ転送される。この装置は、入力数値に比例した短期平均値を有する2進法の「1」および「0」の高ビットレート・ストリームを発生するように、公知の技術により構成されている。可能な最大の数値入力により発生せしめられるビットストリームは、11111...となり(「1」の状態の電圧は、選択された供給電圧に等しい。)、一方、最小の数値入力は、ビットパターン00000...を発生させる。中間の大きさの数値入力は、供給電圧の半分に等しい平均電圧を有するビットストリーム1010101010...を発生させる。米国特許第5,530,722号に開示されている発明の一態様によれば、特別インバータ・ゲート42がそれぞれのデルタ/シグマ変換器41の出力に備えられ、さらに補数ビットストリームを発生する。それは、デルタ/シグマ変換器41が供給電圧の1/3の平均を有するビットストリーム100100100100...を発生するとき、補数ビットストリームは供給電圧の2/3の平均を有する011011011011...となることを意味する。これら2つの差は、供給電圧の1/3−2/3=−1/3である。変換器が供給電圧の+3/4の平均を有する111011101110...を発生すれば、補数信号000100010001...は供給電圧の1/4の平均を有するので、差は供給電圧の3/4−1/4=+1/2となる。したがって、I信号またはQ信号を表すために変換器の出力信号とその補数との間の差を用いることにより表された値は、単一の正の供給電圧によっても正または負であり得、基準電圧を発生させる必要がない。したがって、平衡ミクサ43は、シングル・エンド形入力ではなく平衡2線式入力を備えており、それらは2線上の信号の差に応答し、2線上の絶対電圧または共通モード電圧(電圧の和)には応答しない。
高ビットレートのデルタ/シグマ変調ビットストリームは、それらが多数のビットにわたる移動平均電圧を形成することにより表すアナログ電圧へ簡単に変換される。これは、ビットレートの小部分をなす帯域幅ではあるがなお全ての所望の変調成分を通過させるのに十分な帯域幅を有する連続時間低域フィルタを用いて行われ得る。本発明において発展せしめられた平衡信号構成においては、平衡フィルタ44は、デルタ/シグマ変換器の出力とI,Q平衡変調器43との間に介在せしめられる。
要約すると、デルタ/シグマ変換器41はDSP30からのサンプル数値を高ビットレートストリームに変換し、その場合の瞬時波形値は、ビットストリーム内の“1”と“0”との割合により、すなわち、平均マーク/スペース比により表される。インバータ42は、マーク/スペース比の差が正および負双方の瞬時波形値を容易に表し得る平衡信号を形成するように、補数ビットストリームを形成する。これもまたここで参照して本願に取り込むこととする米国特許第5,530,722号に開示されているように、高ビットレートの変動は、直交変調器43の平衡入力に印加される連続した平滑化I,Q波形を得るために、平衡フィルタ44により除去される。これらの親出願は、高ビットレートのシグマ/デルタ変調ストリームおよびそれらの補数により複素変調信号波形を表す平衡I,Q信号を用いる利点を開示している。
WO93/14588の図1は、従来のD/A変換器およびアンチ・エリアシング・フィルタを示している。それは、直交変調器が平衡信号により駆動され得ることは開示していない。8107IEEE固体回路ジャーナル28(1993年3月),第3号,第253頁〜第260頁に所載のジャーグ・ヒンダリング他著「CDMA移動局モデムASIC」には、送信機フィルタに接続されたD/A変換器が示され、送信フィルタが解析波形ではなく数値出力を有することが示されている。第256頁の第2欄を参照されたい。1995年1月のIEEE1995カスタム集積回路協議,第315頁〜第318頁に所載のアキラ・ヤスダ他著「小形無加算器Tr/4シフトQPSK信号発生器」には、ディジタル加算器の使用を避けることによりダイの寸法を縮減するために、Δ/Σ変調技術を用い直並列変換器を使用したQPSK信号発生器が開示されている。
発明の要約
本願は、CDMA送信への本発明のスキームの使用を開示し、また、ディジタル集積回路上に構成され得る有利な平衡フィルタを開示する。
送信されるべき信号は、I信号およびQ信号を含む一対の複素ベースバンド信号として最初に形成される。I信号およびQ信号は、それぞれのビットが“0”または“1”である高ビットレートのシグマ/デルタ変調により表すことができる。IストリームとQストリームとそれらの補数とは、それぞれが一対の線上にある平衡I信号および平衡Q信号を形成するために用いられる。同様にして、CDMA信号は、高ビットレートIチップのストリームと高ビットレートQチップのストリームとそれらの補数とにより表され得る。CDMAのI信号およびQ信号は、さらに、例えば、平衡I信号および平衡Q信号の4ビット/チップを与えるチップレートの4倍の倍数でサンプリングされ得る。
平衡I信号および平衡Q信号は、少なくともビットレートでクロックされるシフトレジスタ段において遅延せしめられ、各シフトレジスタ段のq出力および
Figure 0003758681
出力に遅延した平衡I信号および平衡Q信号をそれぞれ発生する。
トランスバーサルフィルタの重みを表す異なる値の抵抗を含む第1の抵抗回路網がシフトレジスタのI出力に接続され、q出力は正の重みのために用いられ、
Figure 0003758681
出力は負の重みのために用いられる。各シフトレジスタの出力は各重み抵抗の一端に接続され、一方、他の抵抗端は第1のフィルタされた出力を与えるために合計される。第1の回路網により用いられないq出力および
Figure 0003758681
出力に接続された第2の同じ抵抗回路網は、補数出力を供給する。同じ第1および第2の抵抗回路網は、Qシフトレジスタのq出力および
Figure 0003758681
出力に同様に接続され、互いに補数であるフィルタされたQ出力を供給する。
平衡Iフィルタされた出力および平衡Qフィルタされた出力は、望ましくない高周波成分を除去するために、平衡抵抗キャパシタ・フィルタにさらに接続され得る。RCフィルタされた平衡信号は、次に、隣接チャネル内への望ましくない入射を減少させるように無線周波信号を変調するためのI,Q変調器(直交変調器)に接続される。
本発明の平衡I,Qトランスバーサルフィルタは、全体を集積回路として半導体基板上に構成し得る。所望のフィルタ機能は抵抗の絶対値ではなく抵抗の比により決定されるので、抵抗の絶対値はしっかりと制御し得ないが抵抗の比は幾何学性により決定されるためにしっかりと制御し得る工程による生産に適している。
【図面の簡単な説明】
次に、本発明を、添付図面に示されている代表的な実施例に関して説明する。添付図面において、
図1は、従来技術のI,Q変調器回路の概略図である。
図2は、ここで開示され、また米国特許第5,530,722号に開示されている、本発明のI,Q変調器回路の概略図である。
図3は、本発明によるI,Qフィルタ回路の概略図である。
図4は、CDMA送信に適用された、本発明によるI,Qフィルタ回路の概略図である。
本発明の実施例の詳細な説明
図3は、平衡フィルタを実現するための図2のインバータ42と平衡フィルタ44との組合せに対しての本発明の別の装置を示す。
デルタ/シグマ変換器41からのIビットストリームまたはQビットストリームは、図3に従って大体構成された図2のフィルタ44に印加される。すなわち、IビットストリームおよびQビットストリームのそれぞれのために1つのフィルタ44が存在する。換言すれば、図3の平衡トランスバーサルフィルタの1つはI信号のために用いられ、もう1つはQ信号のために用いられる。
IビットストリームまたはQビットストリームは、それぞれがqおよび
Figure 0003758681
の相補的出力を有するフリップフロップ(511,512,...51N)を含むシフトレジスタ段(501,502,...50N)の形をとるシフトレジスタ50へ入る。異なる値R1,R2,...RNの抵抗群(601,602,...60N)からなる抵抗回路網60は、正の重み値を得るためにはq出力を用いてまたは負の重み値が所望されるならばシフトレジスタ段503に示されているように
Figure 0003758681
出力を用いてフリップフロップ出力に接続される。どのようにして重みが決定されるかは、以下に説明される。抵抗の他端は、単に加算ジャンクション71であり得る加算器70に接続されている。第2の抵抗回路網80の加算器90または加算器ジャンクション91に発生する波形が第1の抵抗回路網60の加算器70または加算器ジャンクション71における波形の補数であるように、抵抗の同じ組80がフリップフロップの
Figure 0003758681
出力に接続されており、逆もまた同様である。
現在のGSM規格に従うシステムにおいては、13MHzの基準クロックが全てのビットレートおよび周波数用の基準として用いられる。送信されるビットレートは13MHz/48である。デルタ/シグマ変換器41からのデルタ/シグマ・ビットレート出力として13MHzを用いることは、送信されるビット周期毎に48デルタ/シグマ・ビット出力が生じることを意味する。したがって、シフトレジスタ50の便宜な長さは48ビットであり得、抵抗601〜60N(この例においては、「N]は48に等しい。)は、1ビット周期の持続時間を有する所望のインパルス応答を得るように選択される。このインパルス応答は、ビットレートまたはビットレートの数倍の程度の周波数応答帯域幅に対応する。この周波数応答はデルタ−シグマ雑音を除去するために必要なフィルタリングのみを表し、送信された記号遷移の波形整形はデルタ/シグマ変換器41とDSP30とにより決定される。例えば、デルタ/シグマ変換器41は、3つの連続情報ビットの全ての可能なパターンに対応するIおよびQ波形の8つの前もって計算された48ビットパターンを含むリード・オンリー・メモリ(ROM)を含み得る。
一般に、I,Q波形は、そのようなROM変調器によりディジタル送信機用に生成することができ、それはプリ変調フィルタのインパルス応答をビット周期の適度な数Mで打ち切り得ることを頼りとしている。ただし、2Mは適度なサイズのROMを与える。打ち切られたインパルス応答を用いて、フィルタは、有限数2M個の可能な波形の1つを各ビッ間隔にわたって発生し得る。適切なサンプル数/ビットで各I,Q波形をROM内に記憶することにより、変調およびフィルタリングは、そのビット間隔の間波形を出力するようにROMをアドレス指定するMビット・シフトレジスタ(図示せず)を経てデータストリームを単に送ることにより行われる。そのとき、48段を有する図3のフィルタの1ビット周期と比較すると、各波形は3情報ビット周期までの長さを有し得るインパルス応答長を有する。これは以下の理由のために利点を与える。周波数領域におけるフィルタ応答のカットオフの鋭さは、時間領域におけるそのインパルス応答の長さに比例して増加する。したがって、周波数領域において鋭いフィルタリング効果を得るためには、長いインパルス応答が望ましい。望ましいインパルス応答は、一般に、いくつかの情報記号の長さのものであり、例えば、3記号周期のものである。カットオフの鋭さは、依存するROM変調器内に記憶されている各波形の記号の数により決定され、一方、カットオフからさらに離れた成分の減衰は、デルタ−シグマ波形がROM変調器から出た後に、これらのデルタ−シグマ波形に適用されるフィルタリングに依存する。
図4に示されているように、図3のフィルタは、フィルタされたCDMAコード化信号を発生するためにも用いられ得る。DSP30は、畳込みコーディングされインタリーブされた情報ビットを変換器41へ供給する。変換器41は、デルタ/シグマ変換器の代わりにCDMAコード・スプレッダ95である。例えば、CDMAスプレッディングがDSP30からの各コード化ビットを因子64により広げれば、スプレッダ95からの出力チップレートはコード化情報レートの64倍となり、CDMA規格IS−95の場合には1.2288メガビット/秒のチップレートを与える。このチップストリームは、図3のフィルタ用の入力として用いられ得る。このチップストリームは、さらに4サンプル/チップでサンプリングされて、4.9152メガビット/秒のレートが得られ、これが、例えば48段のシフトレジスタ50へクロック入力される。重み抵抗601〜60Nの適正な選択により送信の良好なスペクトル封込めを可能ならしめるためには、481/4チップまたは12チップの合計インパルス応答長が適切である。
さらに詳述すると、図4は、本発明のCDMAシステムへの応用を示しており、この場合、DSP30は、アナログ音声をディジタル形式にコード化し、または、すでにディジタル形式であるディジタルデータ信号を受け入れ、エラー訂正コーディングを適用する。コード化された音声およびデータは、次に、変調信号のベクトル成分を表すI,Q信号に変換され、それらはさらに、コードスプレッディング・ユニット95によりスプレッドスペクトル・コーディングされ、高ビットレートのIチップストリームおよびQチップストリームが得られる。これらのI,Qチップストリームは、シフトレジスタ段50a,50bをチップレートの倍数(例えば、4倍)でクロック通過せしめられ、シフトレジスタの反転された
Figure 0003758681
出力または非反転q出力は抵抗回路網60a,60bへ印加され、逆は他の抵抗回路網80a,80bへ印加される。その結果、第1の抵抗回路網60a,80aは、第1の平衡RCフィルタ32aへの平衡信号入力を形成する逆位相I信号を発生し、第2の抵抗回路網60b,80bは、第2の平衡RCフィルタ32bへの平衡Q信号出力を形成する。フィルタ32a,32bは、(チップレートの4倍の)サンプリング周波数より高い望ましくないスペクトル成分を除去しさえすればよく、集積RCフィルタであり得、チップレート付近におけるフィルタの主要周波数応答は、重み回路網60a,60b,80a,80bにおける抵抗比により正確に決定されている。フィルタ32a,32bからのフィルタされた平衡I,Q駆動信号は、次に、直交変調器43の平衡入力へ印加される。
このようにして、以上においては、どのようにして本発明の平衡直交変調器が、抵抗の重みを用いた平衡トランスバーサルフィルタにより正確にフィルタされた、送信のためのCDMA信号を発生させるために、有利に用いられ得るかを示した。従来技術においては、トランスバーサルフィルタの重みの値が、所望の周波数応答の逆フーリエ変換の係数に従うべきであることが公知である。したがって、抵抗値601,602,...60Nは、所望の周波数の応答のフーリエ変換に反比例すべきである。これはまた、重み抵抗を、所望のフィルタインパルス応答に関するサンプルに反比例するように選択することと等価である。回路網は有限の長さのものであるから、従来技術において使用可能な知識は、理想的な帯域制限フィルタの無限インパルス応答をどのようにして最良に打ち切って、該打ち切りを補償しつつ、I,Q変調波形の帯域外の望ましくないスペクトル成分の減衰を増加させ続ける、変更された重み値を得るかに関して考慮され得る。
図3および図4の本発明の装置は、半導体(例えば、シリコン)チップの形式で集積され得る。半導体チップの工程は、抵抗を形成するためのさまざまな手段を有する。そのような抵抗の絶対値は正確に制御することが困難であるが、本発明の利点は、抵抗の比のみが最も重要であり、絶対値は2次的な重要性のものでフィルタの周波数応答ではなく回路の電力消費のみに影響することである。電力消費を最小化するためには、抵抗は高い値のものであるべきであり、高い値の抵抗はCMOSプロセスにより、例えば長いN形FETとして製造され、それらは、それらのゲートを正電源に接続することによりオン状態にバイアスされる。その場合、抵抗値は総ゲート長に比例する。
ポリシリコン・ステップまたは拡散ステップのような他のプロセス・ステップをトランスバーサルフィルタの重み抵抗を製造するために用いることもでき、上述のものとは異なる他の変調も適切なI,Q信号の形成に至らしめられ、かつ、本発明によりフィルタされまた直交変調され得る。

Claims (8)

  1. 無線信号に対し所望の変調を行う直交変調器であって、該直交変調器が、所望の無線信号変調を表すI信号およびQ信号を形成するディジタル信号処理手段(30,95)であって、前記I信号およびQ信号のそれぞれが、サンプリングクロックの連続する間隔において単一の信号値またはその補数値のみをとる前記ディジタル信号処理手段(30,95)を含み、前記直交変調器が、
    前記I信号およびQ信号をそれぞれ前記サンプリングクロックを用いてレジスタ段へクロック入力させ、かつそれぞれの段から遅延したI出力またはQ出力およびその論理的逆である補数出力を発生させるための第1(I)シフトレジスタ手段および第2(Q)シフトレジスタ手段(50a,50b)と、
    前記第1(I)シフトレジスタの選択されたI出力またはそれらの補数出力に接続された第1重み手段(60a)、および該第1重み手段により選択されなかった反対出力に接続された第2の同じ重み手段(80a)であって、前記第1および第2重み手段が第1および第2重み付き出力信号を発生する、前記第1および第2重み手段と、
    前記第1(Q)シフトレジスタの選択されたQ出力またはそれらの補数出力に接続された第3重み手段(60b)、および該第3重み手段により選択されなかった反対出力に接続された第4の同じ重み手段(80b)であって、前記第3および第4重み手段が第3および第4重み付き出力信号を発生する、前記第3および第4重み手段と、
    無線周波搬送信号に対し前記所望の変調を行うための、前記第1ないし第4重み付き出力信号を受ける入力を有する直交変調手段(43)と、
    をさらに含むことを特徴とする、直交変調器。
  2. 前記第1および第2重み付き出力信号を平滑化して第1平滑化平衡信号出力を発生するための第1平滑化手段(32a)と、
    前記第3および第4重み付き出力信号を平滑化して第2平滑化平衡信号出力を発生するための第2平滑化手段(32b)であって、前記直交変調手段(43)が、無線周波搬送信号に対し前記所望の変調を行うために、前記第1および第2平衡信号出力にそれぞれ接続された第1および第2平衡入力を有する、前記第2平滑化手段(32b)と、
    をさらに含む、請求項1記載の直交変調器。
  3. コード分割多元接続スプレッドスペクトル信号送信機であって、該送信機が、送信のための音声信号またはデータ信号をディジタル信号内へコーディングするためのディジタル信号処理手段(30)を含み、前記送信機が、
    前記ディジタル信号を、与えられたチップレートで「I]チップストリームおよび「Q」チップストリームへ変換するためのスプレッドスペクトル・コーディング手段(45)であって、前記チップストリームが信号値またはそれらの補数のシーケンスを含む、前記スプレッドスペクトル・コーディング手段(45)と、
    前記IおよびQチップストリームをそれぞれ、前記チップレートまたはその倍数に等しいサンプリングクロックを用いてレジスタ段へクロック入力させ、かつそれぞれの段から遅延したI出力またはQ出力およびその論理的逆である補数出力を発生させるための第1(I)シフトレジスタ手段および第2(Q)シフトレジスタ手段(50a,50b)と、
    前記第1(I)シフトレジスタの選択されたI出力またはそれらの補数出力に接続された第1重み手段(60a)、および該第1重み手段により選択されなかった反対出力に接続された第2の同じ重み手段(80a)であって、前記第1および第2重み手段が第1および第2重み付き出力信号を発生する、前記第1および第2重み手段と、
    前記第1(Q)シフトレジスタの選択されたQ出力またはそれらの補数出力に接続された第3重み手段(60b)、および該第3重み手段により選択されなかった反対出力に接続された第4の同じ重み手段(80b)であって、前記第3および第4重み手段が第3および第4重み付き出力信号を発生する、前記第3および第4重み手段と、
    無線周波搬送信号に対し前記コード分割多元接続スプレッドスペクトル変調を行うための、前記第1ないし第4重み付き出力信号を受ける入力を有する直交変調手段(43)と、
    をさらに含むことを特徴とする、コード分割多元接続スプレッドスペクトル信号送信機。
  4. 前記第1および第2重み付き出力信号を平滑化して第1平滑化平衡信号出力を発生するための第1平滑化手段(32a)と、
    前記第3および第4重み付き出力信号を平滑化して第2平滑化平衡信号出力を発生するための第2平滑化手段(32b)であって、前記直交変調手段が、無線周波信号に対し前記コード分割多元接続スプレッドスペクトル変調を行うために、前記第1および第2平衡信号出力にそれぞれ接続された第1および第2平衡入力を有する、前記第2平滑化手段(32b)と、
    をさらに含む、請求項3記載のコード分割多元接続スプレッドスペクトル信号送信機。
  5. 無線信号に対し所望の変調を行う直交変調の方法であって、該方法が、所望の無線信号変調を表すI信号およびQ信号を形成するステップであって、前記I信号およびQ信号のそれぞれが、サンプリングロックの連続する間隔において単一の信号値またはその補数値のみをとる前記形成するステップを含み、前記方法が、
    前記I信号およびQ信号をそれぞれ前記サンプリングクロックを用いてレジスタ段へクロック入力させ、かつそれぞれの段から遅延したI出力またはQ出力およびその論理的逆である補数出力を発生させるステップと、
    前記遅延したI出力およびその論理的逆である補数出力に重みを付け、第1重み付き出力信号および第2重み付き出力信号を発生させるステップと、
    前記遅延したQ出力およびその論理的逆である補数出力に重みを付け、第3重み付き出力信号および第4重み付き出力信号を発生させるステップと、
    前記第1ないし第4重み付き出力信号に応答して、直交変調手段において無線周波搬送信号に対し前記所望の変調を行うステップと、
    をさらに含むことを特徴とする、直交変調の方法。
  6. 前記第1および第2重み付き出力信号を平滑化して第1平滑化平衡信号出力を発生するステップと、
    前記第3および第4重み付き出力信号を平滑化して第2平滑化平衡信号出力を発生するステップであって、前記直交変調手段が、無線周波搬送信号に対し前記所望の変調を行うために、前記第1および第2平衡信号出力にそれぞれ接続された第1および第2平衡入力を有する、前記ステップと、
    をさらに含む、請求項5記載の直交変調の方法。
  7. コード分割多元接続スプレッドスペクトル信号送信の方法であって、該方法が、送信のための音声信号またはデータ信号をディジタル信号内へコーディングするステップと、前記ディジタル信号を、与えられたチップレートで「I」チップストリームおよび「Q」チップストリームへ変換するステップであって、前記チップストリームが信号値またはそれらの補数のシーケンスを含む、前記変換するステップと、を含み、前記方法が、
    前記IおよびQチップストリームをそれぞれ、前記チップレートまたはその倍数に等しいサンプリングクロックを用いてレジスタ段へクロック入力させ、かつそれぞれの段から遅延したI出力またはQ出力およびその論理的逆である補数出力を発生させるステップと、
    前記遅延したI出力およびその論理的逆である補数出力に重みを付け、第1重み付き出力信号および第2重み付き出力信号を発生させるステップと、
    前記遅延したQ出力およびその論理的逆である補数出力に重みを付け、第3重み付き出力信号および第4重み付き出力信号を発生させるステップと、
    直交変調手段において無線周波信号に対し前記コード分割多元接続スプレッドスペクトル変調を行うステップと、
    をさらに含むことを特徴とする、コード分割多元接続スプレッドスペクトル信号送信の方法。
  8. 前記第1および第2重み付き出力信号を平滑化して第1平滑化平衡信号出力を発生するステップと、
    前記第3および第4重み付き出力信号を平滑化して第2平滑化平衡信号出力を発生するステップであって、前記直交変調手段が、無線周波信号に対し前記コード分割多元接続スプレッドスペクトル変調を行うために、前記第1および第2平衡信号出力にそれぞれ接続された第1および第2平衡入力を有する、前記ステップと、
    をさらに含む、請求項7記載のコード分割多元接続スプレッドスペクトル信号送信の方法。
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