JP3757697B2 - 操舵力検出用磁歪式トルクセンサ - Google Patents

操舵力検出用磁歪式トルクセンサ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵力検出用磁歪式トルクセンサの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
トルク検出回路,整流回路部,比較回路およびトルク信号出力回路等で構成された操舵力検出用磁歪式トルクセンサが既に公知であり、例えば、運転者によるステアリングホイールの操舵力を検出してパワーステアリング・コントローラに制御信号を入力するような場合に広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の操舵力検出用磁歪式トルクセンサ、例えば、特開平2−195221号に開示されるような磁歪式トルクセンサにおいては、トルク検出回路に設けられた発振励磁源の発振周波数に対応してトルクセンサからの最終出力の周波数特性が一義的に決定されていた。
【0004】
このため、操舵力検出用磁歪式トルクセンサからの最終出力を必要とする周辺装置、例えば、パワーステアリング・コントローラ等との間での信号の入出力のマッチングを考慮し、周辺装置の仕様に合わせて発振励磁源の発振周波数を決める必要がある。
【0005】
しかし、近年では、パワーステアリング・コントローラの他にも、例えば、カー・ナビゲーション・システム等のように、操舵力検出用磁歪式トルクセンサからの最終出力を受けてステアリングの操舵状況を把握する必要のある周辺装置が幾つか開発されており、操舵力検出用磁歪式トルクセンサの最終出力にも、様々な仕様の周波数が要求されるようになってきた。
【0006】
一般的に、例えば、パワーステアリング・コントローラに対しては500Hz程度以下の周波数が適当であり、また、カー・ナビゲーション・システムに対しては1kHz程度以下、インストルメント・パネル上のメータ類等に対しては100Hz程度以下の周波数が適当である。
【0007】
しかし、前述した通り、従来の操舵力検出用磁歪式トルクセンサでは、その構造上、発振励磁源の発振周波数に対応してトルクセンサからの最終出力の周波数特性が一義的に決定されてしまうため、周波数の異なる複数の周辺装置を1つの操舵力検出用磁歪式トルクセンサに接続することができなくなるといった問題が生じる。
【0008】
また、周波数特性の異なる複数の周辺装置をどうしても同時に使用しようとするなら、周波数特性の異なる複数のトルク検出回路を併設して配備しなければならず、ステアリングコラム周りの構造が複雑となり、同時に、装置の製造コストも大幅に増大してしまう。
【0009】
【発明の目的】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の欠点を解消し、1つのトルク検出回路によって、周波数特性の異なる複数の周辺装置にステアリングの操舵状況を伝達することのできる操舵力検出用磁歪式トルクセンサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発振励磁源と一対の磁気異方性部材と励磁コイルおよび検出コイルを備えたトルク検出回路と、前記検出コイルの各々から出力された電気信号を整流する一対の整流回路からなる整流回路部と、これらの整流回路から出力された電気信号の偏差を求めてトルク検出信号として出力する比較回路と、この比較回路から出力されたトルク検出信号を所定の周波数特性に基づいて平滑化するローパス・フィルタおよび該ローパス・フィルタの出力の中点電位を調整し所定のゲインを乗じて周辺装置に出力するゲイン・中点電位調整手段を有するトルク信号出力回路とを備えた操舵力検出用磁歪式トルクセンサであって、前記比較回路の下流側に、周波数特性の異なるローパス・フィルタを備えた複数のトルク信号出力回路を並列して接続したことを特徴とする構成を有する。
ローパス・フィルタおよびゲイン・中点電位調整手段によって構成されるトルク信号出力回路を比較回路の下流側に並列して複数配備し、各トルク信号出力回路のローパス・フィルタのカット・オフ周波数特性を個々の周辺装置の周波数特性に合わせる。上流側に位置するトルク検出回路の発振周波数は20kHz〜50kHzと十分に高いので、各トルク信号出力回路におけるローパス・フィルタのカット・オフ周波数特性を、それよりも低い周波数特性を有する各々の周辺装置に合わせて設定するだけで、20kHz〜50kHzを上限とする様々な周波数特性の周辺装置に対して1つのトルク検出回路で対処することができる。
【0011】
また、前記トルク検出回路の下流側に、複数の整流回路部を並列して接続し、少なくとも、その内の一つの整流回路部の下流側に唯1つの比較回路とトルク信号出力回路を接続すると共に、他の整流回路部の下流側には、一つの比較回路と、各々、周波数特性の異なるローパス・フィルタを備えた複数のトルク信号出力回路を並列して接続するようにしてもよい。
【0012】
この構成によれば、高い信頼性の要求される周辺装置、例えば、パワーステアリング・コントローラ等を前記唯一つの比較回路とトルク信号出力回路の下流側に接続することによって該周辺装置の動作の安定性が確保され、また、自動車本来の機能や安全性に直接的な影響を与えることが少ない周辺装置、例えば、カー・ナビゲーション・システムやインストルメント・パネル上のメータ類等を他のトルク信号出力回路の下流側、つまり、他の整流回路部の下流側に並列して接続することにより、整流回路部および比較回路の数を最小限度に抑制することができる。
【0013】
更に、前記トルク信号出力回路のゲイン・中点電位調整手段の各々に中点電位とゲインを設定する調整用制御回路を設け、この調整用制御回路によって前記各トルク信号出力回路のゲイン・中点電位調整手段の各々に中点電位とゲインを設定するように構成することにより、一つの調整用制御回路によって複数のトルク信号出力回路の各々に設けられたゲイン・中点電位調整手段の特性を制御することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明を適用した一実施形態の操舵力検出用磁歪式トルクセンサ1の回路構成の要部を簡略化して示すブロック図である。
【0015】
操舵力検出用磁歪式トルクセンサ1は、概略において、一つのトルク検出回路2と、このトルク検出回路2から出力された電気信号を整流すべく並列して設けられた2組の整流回路部3A,3B、および、一方の整流回路部3Aの下流側に接続された唯一つの比較回路4Aとトルク信号出力回路5A、ならびに、他方の整流回路部3Bの下流側に接続された一つの比較回路4Bと、該比較回路4Bの下流側に並列して接続された複数のトルク信号出力回路5B,5C,5D、更に、トルク信号出力回路5A,5B,5C,5Dの全てに共通する一つの調整用制御回路6によって構成される。
【0016】
このうち、トルク検出回路2は、ステアリングホイールに接続するステアリングシャフトの外周上に軸心に対して約45度の角度で斜交して取りつけられた一対の磁気異方性部材(図示せず)と、この磁気異方性部材の各々に取りつけられた一対の検出コイル7a,7b、および、検出コイル7a,7bの各々に対応して設けられた一対の励磁コイル8a,8bからなるトルク検出部9と、該トルク検出部9の励磁コイル8a,8bを励磁するための発振励磁源となる発振回路10およびバッファ11によって構成される。なお、この実施形態における発振回路10の発振周波数は、50kHz程度である。
【0017】
そして、励磁コイル8a,8bには、発振励磁源となる発振回路10および電流増幅回路を構成するバッファ11を介して励磁電流が供給されるようになっている。また、検出コイル7a,7bの各々は、ステアリングホイールの操作に伴ってステアリングシャフトに生じる微小な捩れを磁気異方性部材の透磁率の変化として検出し、これを電気信号として出力する。
【0018】
検出コイル7a,7bから出力された電気信号は、一方の整流回路部3A内に配備された一対の整流回路3a−1,3a−2で整流されて比較回路4Aに入力されると共に、他方の整流回路部3B内に配備された一対の整流回路3b−1,3b−2によっても前記と同様にして整流され、比較回路4Bに入力される。
【0019】
そして、一方の整流回路部3Aの下流側に接続された唯一つの比較回路4Aは、整流回路3a−1,3a−2からの電気信号の偏差、つまり、ステアリングホイールに作用する操舵力の大きさと操舵方向とを求め、次いで、トルク信号出力回路5A内において平滑回路を構成するローパス・フィルタ5a−1が、この偏差からノイズの影響を除去し、トルク信号出力回路5A内のゲイン・中点電位調整手段5a−2に渡す。
【0020】
トルク信号出力回路5Aのゲイン・中点電位調整手段5a−2は、環境温度の変化に起因するトルク検出部9の感度の特性変化を吸収し、運転者によるステアリングホイールの操作力に比例した適切なトルク信号Ts1が出力できるように出力ゲインを調整するゲイン調整機能を備え、調整用制御回路6の制御部12に配備されたマイクロプロセッサによって出力ゲインの値を制御される。
【0021】
また、トルク信号出力回路5Aのゲイン・中点電位調整手段5a−2は、環境温度の変化によってトルク検出部9に生じる電圧ドリフトを吸収し、ステアリングホイールに作用する実質的な操舵力が「0」であるときにトルク信号出力回路5Aから出力されるトルク信号Ts1の値が予め決められた設定電圧と一致するようにトルク信号Ts1の中点電位を調整する中点電位調整機能を有し、前記と同様、調整用制御回路6の制御部12に配備されたマイクロプロセッサによって中点電位の値を制御される。
【0022】
そして、トルク信号出力回路5Aのゲイン・中点電位調整手段5a−2から出力されたトルク信号Ts1は、図示しないパワーステアリング・コントローラにパワーアシスト指令として入力され、これを受けたパワーステアリング・コントローラは、トルク信号Ts1によりパワーアシスト用の電動機の駆動トルクをフィードバック制御し、運転者によるステアリングホイールの操舵力および操舵量に応じた力でパワーステアリング装置(図示せず)の電動機を作動させる。
【0023】
従って、パワーステアリング装置に与えられる駆動力は、運転者がステアリングホイールに与えた操舵力と比例した力となり、このパワーアシスト力によって自動車の旋回動作がパワーアシストされることになる。
【0024】
この実施形態では、常温状態においてステアリングホイールに作用する実質的な操舵力が「0」であるときにゲイン・中点電位調整手段5a−2から出力されるトルク信号Ts1の値が中点電位2.5ボルトと一致するように設計されており、パワーステアリング・コントローラの側では、この2.5ボルトの入力を実質的なパワーアシスト指令「0」として認識する。つまり、ゲイン・中点電位調整手段5a−2からの出力Ts1が中点電位と同じ2.5ボルトであるとき、これを受けたパワーステアリング・コントローラからパワーアシスト用の電動機に与えられる実質的なトルク指令値が「0」となって、パワーアシストが停止した状態となる。
【0025】
そして、右旋回のパワーアシストは、ゲイン・中点電位調整手段5a−2からの出力Ts1が2.5ボルトを超えたとき、また、左旋回のパワーアシストは、ゲイン・中点電位調整手段5a−2からの出力Ts1が2.5ボルトを下回ったときに作動する。
【0026】
但し、厳密に言えば、パワーステアリング装置の不用意なハンチング動作を防止する必要上、パワーステアリング・コントローラの側で中点電位の上下に或る程度の不感帯を設定し、この不感帯内におけるトルク信号Ts1の変動を無視してパワーアシストを非実行とするのが一般的である。
【0027】
この実施形態で使用したパワーステアリング・コントローラに適した信号入力の周波数特性は500Hz以下であり、この特性に合わせて、トルク信号出力回路5Aのローパス・フィルタ5a−1のカット・オフ周波数特性も500Hzに設定されている。
従って、トルク信号出力回路5Aとパワーステアリング・コントローラとの間で周波数のマッチング不良が生じることはなく、パワーステアリング・コントローラは、トルク信号出力回路5Aを介して、ステアリングホイールに作用する操舵力、つまり、トルク信号Ts1を的確に検出することができる。
【0028】
この実施形態ではトルク信号出力回路5Aのローパス・フィルタ5a−1のカット・オフ周波数を500Hzとしているが、当然、それ以外の周波数特性を有するパワーステアリング・コントローラも存在する。適切なカット・オフ周波数特性を備えたローパス・フィルタ5a−1を選択することにより、最高で50kHz(発振回路10自体の発振周波数)までの周波数特性を有するパワーステアリング・コントローラに対処することが可能である。
【0029】
前述した通り、トルク検出回路2の下流側には、自動車の操縦性や安全性に関して非常に重要な働きをするパワーステアリング・コントローラのために専用化して設けられた整流回路部3Aと比較回路4Aおよびトルク信号出力回路5Aが接続され、これらの回路がパワーステアリング・コントローラのためにだけ作動するので、パワーステアリング・コントローラに伝達されるトルク信号Ts1の信頼性は十分に確保され、重要な周辺装置であるパワーステアリング・コントローラを的確に動作させることが可能となる。
【0030】
一方、整流回路部3Aに並列して設けられたもう一つの整流回路部3Bの下流側には、複数のトルク信号出力回路に共通して使用される一つの比較回路4Bが設けられ、該比較回路4Bの下流側には、更に、複数のトルク信号出力回路5B,5C,5Dが並列して接続されている。
【0031】
トルク信号出力回路5B,5C,5Dの基本的な構成に関しては、何れも、前述したトルク信号出力回路5Aと概ね同様である。しかし、トルク信号出力回路5B,5C,5Dの間では、各々のローパス・フィルタ5b−1,5c−1,5d−1のカット・オフ周波数特性に相違がある。
【0032】
つまり、トルク信号出力回路5Bは、前述のパワーステアリング・コントローラに対してバックアップ用のトルク信号Ts2を出力するためのもので、そのローパス・フィルタ5b−1のカット・オフ周波数特性も、前述のパワーステアリング・コントローラに合わせて、前記と同様に500Hz(上限は50kHz)に設定されている。
【0033】
そして、トルク信号出力回路5Bのゲイン・中点電位調整手段5b−2は、前述したゲイン・中点電位調整手段5a−2と同様、環境温度の変化に起因するトルク検出部9の特性変化を吸収して適切なトルク信号Ts2が出力されるように制御部12のマイクロプロセッサによって出力ゲインの値を制御され、同時に、電圧ドリフトを吸収して中点電位が2.5ボルトとなるように、このマイクロプロセッサによって中点電位を制御される。
【0034】
パワーステアリング・コントローラの側では、通常、トルク信号出力回路5Aからのトルク信号Ts1に基づいてパワーステアリング装置を駆動制御するが、前述した整流回路部3A,比較回路4A,トルク信号出力回路5A等に問題が発生してトルク信号Ts1に異常が生じ、かつ、トルク信号Ts2が正常である場合には、トルク信号出力回路5Aからのトルク信号Ts1を無視してトルク信号出力回路5Bからのトルク信号Ts2をパワーアシスト指令として読み込み、このトルク信号Ts2に基づいてパワーステアリング装置を駆動制御するようになっている。
【0035】
つまり、前述の調整用制御回路6に設けられた電圧監視部13は、トルク信号Ts1,Ts2や電源電圧Vc、および、後述するトルク信号Ts3,Ts4の各出力値を常に見張っており、トルク信号Ts1が正常な値の範囲から外れ、かつ、トルク信号Ts2が正常な値の範囲内にあると判定した場合には、パワーステアリング・コントローラに対して、トルク信号Ts1を無視し、トルク信号Ts2の値を採用するように指令するのである。
【0036】
また、トルク信号出力回路5Cは、カー・ナビゲーション・システムに対してトルク信号Ts3を出力するためのもので、そのローパス・フィルタ5c−1のカット・オフ周波数特性は、本実施形態におけるカー・ナビゲーション・システムの特性に合わせて1kHzに設定されている。
従って、トルク信号出力回路5Cとカー・ナビゲーション・システムの間で周波数のマッチング不良が生じることはなく、カー・ナビゲーション・システムは、トルク信号出力回路5Cを介して、ステアリングホイールに作用する操舵力、つまり、トルク信号Ts3を的確に検出することができる。前記と同様、ローパス・フィルタ5c−1のカット・オフ周波数特性を選定することで、最高50kHzまでの周波数特性を有するカー・ナビゲーション・システムに対処することが可能である。
【0037】
そして、トルク信号出力回路5Cのゲイン・中点電位調整手段5c−2は、環境温度の変化に起因するトルク検出部9の特性変化を吸収してステアリングホイールの操作力に比例した適切なトルク信号Ts3が出力されるように、制御部12のマイクロプロセッサによって出力ゲインの値を制御され、同時に、電圧ドリフトを吸収して中点電位が保持されるように、このマイクロプロセッサによって中点電位を制御される。
ゲイン・中点電位調整手段5c−2に設定される出力ゲインや中点電位はカー・ナビゲーション・システムの特性に合わせたものであり、パワーステアリング・コントローラ用のそれとは値が相違する。出力ゲインや中点電位の値は、そのトルク信号出力回路5A,5B,5C,5Dに接続される周辺装置の特性に合わせ、調整用制御回路6の制御部12によって任意に設定することが可能である。
【0038】
つまり、制御部12に配備されたマイクロプロセッサの不揮発性メモリには、パワーステアリング・コントローラ用のトルク信号出力回路5A,5Bのゲイン・中点電位調整手段5a−2,5b−2に共通する温度補正データと、カー・ナビゲーション・システム用のトルク信号出力回路5Cのゲイン・中点電位調整手段5c−2のための温度補正データとが合わせて記憶されており、図示しない温度検出手段により検出される環境温度の値に応じ、このマイクロプロセッサが各々の温度補正データから現在の環境温度に対応する中点電位やゲインの設定値を読み込み、これらの値をゲイン・中点電位調整手段5a−2,5b−2やゲイン・中点電位調整手段5c−2に設定するのである。
【0039】
この実施形態によれば、ステアリングホイールに作用する操舵力をトルク信号出力回路5Cを介して直接カー・ナビゲーション・システムに入力することができるので、ステアリング操作による自動車の姿勢変化やウインカー操作を待たずに直ちにカー・ナビゲーション・システム側で運転者のステアリング操作を検出することができ、信号待ちの停車時におけるステアリング操作等も認識可能となる。従って、自動車が発進または進路変更する前の段階で、目的ルートに対する右左折の誤り等を事前に警告表示することも可能となり、カー・ナビゲーション・システムの利便性が一層向上する。
【0040】
また、トルク信号出力回路5Cからの出力を従来のウインカー信号と同等のデータとしてカー・ナビゲーション・システムに入力するように構成することも可能である。図2(b)はトルク信号出力回路5Cのゲイン・中点電位調整手段5c−2からの出力をステアリングホイールの回転操作に対応させて示す概念図である。図2(b)に示すように、ステアリングホイールを左右に回転させた場合には、その操舵トルクに略比例して、中点電位を基準にその出力電圧がリニアに増加または減少する。従って、中点電位の上下に所定の不感帯、例えば、±αボルトの不感帯を設定し、図2(a)に示すように、出力電圧がその不感帯を外れて増大した場合には右旋回のウインカー信号、また、出力電圧がその不感帯を外れて減少した場合には左旋回のウインカー信号として出力することにより、従来と同様のウインカー信号を得ることができる。
【0041】
その最も簡単な構成方法は、ゲイン・中点電位調整手段5c−2の内部に中点電位+αボルト以上でON信号を出力するコンパレータ(比較器)と中点電位−αボルト以下でON信号を出力するコンパレータ(比較器)とを設け、前者を右折信号、また、後者を左折信号としてカー・ナビゲーション・システムに入力することである。また、自動車の車速信号をトルク信号出力回路5Cに取り込むことにより、ステアリングと車速とを組み合わせた情報、例えば、一定速度以上でのステアリング操作情報等を出力することも可能となる。
【0042】
更に、トルク信号出力回路5Cからの出力異常をカー・ナビゲーション・システム側で見張ることにより、操舵力検出用磁歪式トルクセンサ1の故障をカー・ナビゲーション・システム上に警告表示するようなことも可能となる。
【0043】
また、トルク信号出力回路5Dは、インストルメント・パネル上のメータ類に対してトルク信号Ts4を出力するためのもので、そのローパス・フィルタ5d−1のカット・オフ周波数特性は、本実施形態におけるメータ類の特性に合わせて100Hzに設定されている。
従って、トルク信号出力回路5Dとメータ類の間で周波数のマッチング不良が生じることはなく、インストルメント・パネル上のメータ類は、トルク信号出力回路5Dを介して、ステアリングホイールに作用する操舵力、つまり、トルク信号Ts4を的確に検出することができる。前記と同様、ローパス・フィルタ5d−1のカット・オフ周波数特性を選定することで、最高50kHzまでの周波数特性を有するメータ類に対処することが可能である。
【0044】
そして、トルク信号出力回路5Dのゲイン・中点電位調整手段5d−2は、環境温度の変化に起因するトルク検出部9の特性変化を吸収してステアリングホイールの操作力に比例した適切なトルク信号Ts4が出力されるように、制御部12のマイクロプロセッサによって出力ゲインの値を制御され、同時に、電圧ドリフトを吸収して中点電位が保持されるように、このマイクロプロセッサによって中点電位を制御される。
ゲイン・中点電位調整手段5d−2に設定される出力ゲインや中点電位はインストルメント・パネル上のメータ類の特性に合わせたものであり、パワーステアリング・コントローラ用およびカー・ナビゲーション・システム用のそれとは値が相違する。
【0045】
つまり、制御部12に配備されたマイクロプロセッサの不揮発性メモリには、パワーステアリング・コントローラ用のトルク信号出力回路5A,5Bのゲイン・中点電位調整手段5a−2,5b−2に共通する温度補正データ、および、カー・ナビゲーション・システム用のトルク信号出力回路5Cのゲイン・中点電位調整手段5c−2のための温度補正データと共に、メータ類用のトルク信号出力回路5Dのゲイン・中点電位調整手段5d−2のための温度補正データが合わせて記憶されており、図示しない温度検出手段により検出される環境温度の値に応じ、このマイクロプロセッサがゲイン・中点電位調整手段5c−2用の温度補正データから現在の環境温度に対応する中点電位やゲインの設定値を読み込み、その値をゲイン・中点電位調整手段5d−2に設定するのである。
【0046】
これらのカー・ナビゲーション・システムやメータ類は自動車の運転に際して便利な機能を有するものであるが、自動車の操縦性や安全性に関して必ずしも重要な働きをするものでもないので、本実施形態においては、トルク検出回路2の下流側に、これらの周辺装置に共通して使用する一組の整流回路部3Bと比較回路4Bを設け、カー・ナビゲーション・システム用のトルク信号出力回路5C、および、メータ類用のトルク信号出力回路5Dを纏めて並列接続することにより、回路の構成に必要とされる整流回路部と比較回路の数を、整流回路部3Bと比較回路4Bの一組に制限している。また、パワーステアリング・コントローラに対するバックアップ出力用のトルク信号出力回路5Bは、整流回路部3A,比較回路4A,トルク信号出力回路5Aの故障に対処するために、比較回路4Bの下流側にトルク信号出力回路5C,5Dと共に並列接続している。
【0047】
無論、周波数特性の異なる他の周辺装置を更に接続する必要があれば、比較回路4Bの下流側に、カット・オフ周波数特性の異なるローパス・フィルタを備えた別のトルク信号出力回路を更に幾つか併設することも可能である。
【0048】
また、トルク検出回路2の下流側に整流回路部3A,3Bと並列して幾つかの整流回路部を併設し、この整流回路部の下流側に、更に、重要な一つの周辺装置のための比較回路と該重要な周辺装置のためのトルク信号出力回路、または、一般的な複数の周辺装置に共通する一つの比較回路と該周辺装置のための複数のトルク信号出力回路を並列配備することも可能である。
【0049】
【発明の効果】
本発明の操舵力検出用磁歪式トルクセンサは、比較回路の下流側に周波数特性の異なるローパス・フィルタを備えた複数のトルク信号出力回路を並列して接続するように構成しているので、単一の発振励磁源およびトルク検出回路により、入力周波数特性の異なる様々な周辺装置に対してステアリング操作に関連するトルク信号を伝達することができる。
また、実際に操舵力を検出するピックアップの部分(トルク検出回路)は一つで済むので、ステアリングコラム周りの構造が複雑となることはなく、複数の周辺装置を取り付ける場合であっても、構造の複雑化や製造コストの増大が最小限に抑制される。
【0050】
しかも、トルク検出回路の下流側に、複数の整流回路部を並列して接続し、少なくとも、その内の1つの整流回路部の下流側には重要な周辺装置のみによって使用される比較回路とトルク信号出力回路を接続すると共に、他の整流回路部の下流側には、比較的重要度の低い他の複数の周辺装置のための一つの比較回路と、これら他の複数の周辺装置毎のトルク信号出力回路を並列して接続するようにしているので、重要な周辺装置の動作が十分に保証される一方、比較的重要度の低い周辺装置を多数増設する場合であっても、そのための回路構成の複雑化や製造コストの増大は、最小限に抑制することができる。
【0051】
また、各トルク信号出力回路の中点電位やゲインは単一の調整用制御回路によって調整することができるので、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の操舵力検出用磁歪式トルクセンサの回路構成の要部を簡略化して示すブロック図である。
【図2】図2(a)はウインカー信号に相当する信号出力を示す概念図、図2(b)はトルク信号出力回路からの出力をステアリングホイールの回転操作に対応させて示す概念図である。
【符号の説明】
1 操舵力検出用磁歪式トルクセンサ
2 トルク検出回路
3A,3B 整流回路部
3a−1,3a−2 一対の整流回路
3b−1,3b−2 一対の整流回路
4A,4B 比較回路
5A,5B,5C,5D トルク信号出力回路
5a−1,5b−1,5c−1,5d−1 ローパス・フィルタ
5a−2,5b−2,5c−2,5d−2 ゲイン・中点電位調整手段
6 調整用制御回路
7a,7b 検出コイル
8a,8b 励磁コイル
9 トルク検出部
10 発振回路(発振励磁源)
11 バッファ(発振励磁源)
12 制御部
13 電圧監視部

Claims (4)

  1. 発振励磁源と一対の磁気異方性部材と励磁コイルおよび検出コイルを備えたトルク検出回路と、前記検出コイルの各々から出力された電気信号を整流する一対の整流回路からなる整流回路部と、これらの整流回路から出力された電気信号の偏差を求めてトルク検出信号として出力する比較回路と、前記比較回路から出力されたトルク検出信号を所定の周波数特性に基づいて平滑化するローパス・フィルタおよび該ローパス・フィルタの出力の中点電位を調整し所定のゲインを乗じて周辺装置に出力するゲイン・中点電位調整手段を有するトルク信号出力回路とを備えた操舵力検出用磁歪式トルクセンサであって、
    前記比較回路の下流側に、周波数特性の異なるローパス・フィルタを備えた複数のトルク信号出力回路を並列して接続したことを特徴とする操舵力検出用磁歪式トルクセンサ。
  2. 前記トルク検出回路の下流側に、複数の整流回路部を並列して接続し、少なくとも、その内の1つの整流回路部の下流側には唯一つの比較回路とトルク信号出力回路を接続すると共に、他の整流回路部の下流側には、一つの比較回路と、各々、周波数特性の異なるローパス・フィルタを備えた複数のトルク信号出力回路を並列して接続したことを特徴とする請求項1記載の操舵力検出用磁歪式トルクセンサ。
  3. 前記唯一つのトルク信号出力回路の下流側には、周辺装置としてのパワーステアリング・コントローラが接続されていることを特徴とする請求項2記載の操舵力検出用磁歪式トルクセンサ。
  4. 前記各トルク信号出力回路のゲイン・中点電位調整手段の各々に中点電位とゲインを設定する調整用制御回路を設けたことを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3の何れか一項に記載の操舵力検出用磁歪式トルクセンサ。
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