JP3757436B2 - 非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物、その製造法および当該化合物を用いた4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物の製造方法 - Google Patents
非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物、その製造法および当該化合物を用いた4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、感熱・感圧記録材料、写真薬、界面活性剤または乳化剤などの工業材料として有用な一般式
【0002】
【化7】
【0003】
(式中、R4 は水素または炭素数1〜21の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を示す。)により表される4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物を製造するために有用な新規原料化合物である非対称な4,4’−ジアルキルオキシヒドロキシジフェニルスルホン化合物、その製造法および前記4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物の新規な製造方法に関する。
【0004】
【従来の技術】
一般式
【0005】
【化8】
【0006】
(式中、R1 は水素またはメチル基を、R2 は炭素数1〜17の直鎖1級アルキル基もしくは側鎖アルキル基を有する1級アルキル基を、R3 は水素または炭素数1〜21の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を示す。但し、R1 が水素で、R2 がメチル基かつR3 が直鎖のプロピル基の場合は除く。)により表される非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物(以下、化合物Iと称することもある。)は新規化合物であり、その製造方法も知られていない。これまで、対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物や4−イソプロピルオキシ−4’−n−ブチルオキシジフェニルスルホンについてはバイルシュタインハンドブック、国際公開WO84/02882号明細書、特開昭60−72788号公報、特開昭63−3990号公報にその製造方法や感熱記録紙の増感剤としての利用が記載されている。しかし、これらの文献に記載されている製造方法では目的物への充分満足できる反応転化率は得られない。特にアルキル化剤にハロゲン化長鎖アルキルを用いる場合、反応転化率が著しく低下するなどの問題がある。さらに、特開昭60−72788号公報の方法ではアセトンやトリエチルアミンなどを使用しなければならず、工業的でないなどの問題があった。しかも、これらの文献には非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホンが工業上有用な4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを製造する場合に有利な合成原料となることについては何等記載されていない。
【0007】
一方、4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物については特開昭58−20493号公報、特開昭58−82788号公報、国際公開WO84/02882号明細書に感熱紙用顕色剤として有用であるとして製造例とともに記載されている。
これまで、4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法として、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(以下、BPSと称することもある。)をハロゲン化アルキルで直接モノエ−テル化する製造方法とアシル基やフェニルオキシカルボニル基などの保護基を利用した製造方法が提案されている。
【0008】
まず、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンをアルカリの存在下、ハロゲン化アルキルと反応して直接モノエ−テル化する方法についてはこれまで数多くの方法が知られている。たとえば、特開昭58−20493号公報、特開昭58−82788号公報、国際公開WO84/02882号明細書、特開昭61−98350号公報などである。この直接モノエ−テル化する方法は、反応選択性やBPSの目的物への反応転化率に問題があり、また、反応溶媒として水を用いた場合にはBPSモノアルカリ塩の水に対する溶解性が小さいために多量の水を使用しなければならず、その結果として反応容器の容積効率が低くなるなどの問題があつた。例えば、前記の各特許公報等に記載されているこれらの方法では対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホンが多量に副生するなど反応選択性に問題があり、また、カラムクロマトグラフィ−など工業的実施が困難な精製法を用いねばならなかった。これらの問題点を克服するため、特開平5−255234号公報には有機溶媒と水の二相系において反応液のpHを調整しつつハロゲン化アルキルを大過剰に分割ないし連続的に加え、対称な4,4’−ジアルコキシジフェニルスルホンの生成を抑制することが記載されている。しかしながら、この方法も前記問題点を充分に改善するものでなく、しかもこの方法では水の使用量に加えてハロゲン化アルキルおよび有機溶媒の使用量も多く、結局、反応器の容積効率がさらに小さくなるなどの欠点がある。また、水やハロゲン化アルキルの使用量が多いため、ハロゲン化アルキルが加水分解されて多量のアルコールが副生するなどの問題がある。特に、油状または難結晶性あるいは低融点の4−長鎖アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを製造する場合には、反応転化率の低下と共に、副生する4,4’−ジ長鎖アルキルオキシジフェニルスルホンや長鎖アルコールおよび原料のBPSからなる組成物から、目的とする4−長鎖アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを分液や再結晶操作などの簡単な操作で分離できないなどの問題があり、その工業的製造は極めて困難となる。
【0009】
また、保護基を利用した製造法として、特開昭63−255259号公報は、アルキルオキシベンゼンスルホニルクロリドとジフェニルカーボネートをルイス酸の存在下に縮合させた後、カーボネート結合を加水分解して4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物を製造する方法を提案している。この方法によれば、選択性の問題は解決できるものの、その製造工程の長いことやジフェニルカーボネートの製造に毒性の強いホスゲンを必要とするなど工業的実施に際しての難点も多い。さらに、特開平6−84004号公報には、保護基としてアシル基を有する4−アシルオキシ−4’−アルキルオキシジフェニルスルホン化合物を基質に用い、これに求核試薬として等量以上のオキシム誘導体やヒドロキサム酸誘導体を反応させて4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物を得る方法が記載されている。この方法も選択性や反応性は解決できるものの、反応基質となる4−アシルオキシ−4’−アルキルオキシジフェニルスルホン化合物の工業的入手が困難であることや比較的高価なオキシム誘導体やヒドロキサム酸誘導体を多量に使用することなどから経済的かつ工業的製法とは言えない。
【0010】
上記のように従来の4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物の製造方法はどれも充分満足できるものでなく、さらに工業上有利な製造方法の開発が切望されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
近年、4−アルキルオキシ−4’ヒドロキシジフェニルスルホン化合物の中でも、特に国際公開WO84/02882号公報に開示されている4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンがバーコ−ド用顕色剤などの感熱記録材料として大量に使用されることとなり、その製造方法もかなり改善されてきた。しかし、4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物の工業的な製造方法には前記した問題点を有するため、簡単な工程で、経済的であり、工業的に有利な製造方法の開発が切望されている。本発明の目的は、感熱記録材料等の工業材料として汎用され、特に工業的に入手可能な4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン等を利用して、4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物、特に4−長鎖アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物を簡単な工程で選択的かつ経済的に製造する方法を提供することにあり、そのため非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホンを4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの製造原料として提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物、特に4−長鎖アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物を簡単な工程で選択的かつ経済的にを製造する方法について鋭意検討した結果、共有結合がイオン開裂して生成する炭素原子が正電荷をもつカルボニウムイオンが第三級炭素>第二級炭素>第一級炭素の順に安定であること、すなわち前記した順にイオン開裂しやすくなり、酸に対する反応性に差があることに注目して非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物が4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの有効な合成原料になることを見出し、本発明を完成するに至つた。ここで、第一級炭素とは遊離原子価をもつ炭素原子のうち、他の3つの原子価に結合している水素の数が2または3個である炭素を意味し、第二級炭素とはその数が1個である炭素を、第三級炭素とはその数が0個である炭素を意味する。具体的には、たとえばブチル基がイオン開裂した場合、下記のように分類することができる。
【0013】
【化9】
【0014】
そこで、本発明は(1)一般式
【0015】
【化10】
【0016】
(式中、R1 は水素またはメチル基を、R2 は炭素数1〜17の直鎖1級アルキル基もしくは側鎖アルキル基を有する1級アルキル基を、R3 は水素または炭素数1〜21の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を示す。但し、R1 が水素で、R2 がメチル基かつR3 が直鎖のプロピル基の場合は除く。)により表される非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物(化合物I)、(2)一般式
【0017】
【化11】
【0018】
(式中、R3 は水素または炭素数1〜21の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を示す。但し、直鎖プロピル基は除く。)により表される4−イソプロピルオキシ−4’−アルキルオキシジフェニルスルホン化合物(以下、化合物IIと称することもある。)、(3)一般式
【0019】
【化12】
【0020】
(式中、R1 は水素またはメチル基を、R2 は炭素数1〜17の直鎖1級アルキル基もしくは側鎖アルキル基を有する1級アルキル基を示す。)により表される4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物(以下、化合物IIIと称することもある。)をアルカリの存在下、水溶媒中で一般式
【0021】
【化13】
【0022】
(式中、R3 は水素または炭素数1〜21の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基を、Xは水酸基の反応性原子または基を示す。)により表されるアルキル化剤(以下、化合物IVと称することもある。)と反応することを特徴とする非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物の製造法、(4)アルカリがアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩である前記(3)記載の製造法、(5)水溶媒中に極性溶媒を含有することを特徴とする前記(3)に記載の製造法、(6)極性溶媒がジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、スルホランまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである前記(5)記載の製造法、(7)一般式
【0023】
【化14】
【0024】
(式中、R1 は水素またはメチル基を、R2 は炭素数1〜17の直鎖1級アルキル基もしくは側鎖アルキル基を有する1級アルキルを、R4 は水素または炭素数1〜21の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキルを示す。)により表される非対称の4,4’−ジアルコキシジフェニルスルホン化合物(以下、化合物Vと称することもある。)を酸と反応させることを特徴とする一般式
【0025】
【化15】
【0026】
(式中、R4 は前記と同義である。)により表される4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物(以下、化合物VIと称することもある。)の製造方法、(8)酸がプロトン酸またはルイス酸である前記(7)記載の製造方法、(9)R4 が炭素数4から21個の直鎖または分枝鎖状のアルキルである前記(7)記載の製造方法、(10)酸がプロトン酸である前記(7)または(8)記載の製造方法、(11)プロトン酸が無機酸または有機スルホン酸である前記(8)または(10)記載の製造方法、(12)プロトン酸が塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、燐酸、過塩素酸、次亜塩素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、トリメチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、トルエンジスルホン酸、5−スルホサリチル酸、ピリジンスルホン酸、1−ピペリジンスルホン酸、ベンゼンスルフィン酸またはトルエンスルフィン酸である前記請求項(8)または(10)記載の製造方法、(13)プロトン酸が硫酸、硝酸、過塩素酸、次亜塩素酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、トリメチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、トルエンジスルホン酸またはピリジンスルホン酸である前記(8)または(11)記載の製造方法、(14)酸がルイス酸である前記(7)または(8)記載の製造方法、(15)ルイス酸が塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化銅、塩化コバルト、塩化マグネシウム、塩化チタン、塩化錫、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素または三塩化ホウ素である前記(8)または(14)記載の製造方法、および(16)ルイス酸が塩化亜鉛、塩化チタン、塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素である前記(8)または(14)記載の製造方法に関する。
【0027】
本発明によって得られる化合物Iの新規な非対称4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物としては、具体的には、4−イソプロピルオキシ−4’−メチルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−エチルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−n−プロピルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−n−アミルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−イソアミルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−ヘキシルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−(2−エチルヘキシル)オキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−ヘプチルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−オクチルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−ノニルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−デシルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−セチルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−ドデシルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−オクタデシルオキシジフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシ−4’−ドコサニルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−メチルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−エチルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−n−プロピルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−n−ブチルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−n−アミルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−ヘキシルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−オクチルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−デシルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−セチルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−ドデシルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−オクタデシルオキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−ドコサニルオキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−エチルオキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−n−プロピルオキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−n−ブチルオキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−ヘキシルオキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−(2−エチルヘキシル)オキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−オクチルオキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−ノニルオキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−セチルオキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−ドデシルオキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−オクタデシルオキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−ドコサニルオキシジフェニルスルホン、4−tert−オクチルオキシ−4’−n−プロピルオキシジフェニルスルホン、4−tert−オクチルオキシ−4’−ヘキシルオキシジフェニルスルホン、4−tert−オクチルオキシ−4’−ドデシルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−メチルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−エチルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−n−プロピルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−n−ブチルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−n−アミルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−ヘキシルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−(2−エチルヘキシル)オキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−オクチルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−デシルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−セチルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−ドデシルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−オクタデシルオキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−ドコサニルオキシジフェニルスルホンなどを挙げることができる。このうち、4−イソプロピルオキシ体が化合物IIの例示化合物である。
【0028】
そして、本発明の化合物Iを用いることにより製造される化合物VIの4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物は、具体的には、4−メチルオキシ−4’ヒドロキシジフェニルスルホン、4−エチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−n−プロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−n−アミルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−イソアミルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヘキシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−(2−エチルヘキシル)オキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヘプチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−オクチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ノニルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−デシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−セチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ドデシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−オクタデシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ドコサニルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−エイコサニルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンである。また、4−ブチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが、たとえば化合物Vの代表例である4−イソプロピルオキシ−4’−ブチルオキシジフェニルスルホンから本発明方法によって工業的に製造される。
【0029】
次に、本発明の製造方法を実施するにあたり、本発明の反応基質として用いられる化合物IIIの4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物としては、4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−tert−ブチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−tert−オクチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−tert−アミルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンなどをあげることができる。好ましい化合物としては、4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−sec−ブチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−sec−アミルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンがあげられる。
【0030】
本発明方法において用いられる化合物IVのアルキル化剤としては、メチルハライド、エチルハライド、n−プロピルハライド、n−ブチルハライド、n−アミルハライド、iso−アミルハライド、ヘキシルハライド、2−エチルヘキシルハライド、ノニルハライド、セシルハライド、デシルハライド、ドデシルハライド、オクタデシルハライド、ドコサニルハライドなどのハロゲン化物、アミルアルコ−ル、2−エチルヘキサノール、ドデシルアルコ−ルなどのスルホン酸エステルがあげられる。好ましくはハロゲン化物であるが、ハロゲン化物のなかでも臭化物、塩化物が特に好ましい。用いられるアルキル化剤の量は4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物1モルに対し0.8〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モルである。
【0031】
また、アルカリとしては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩であり、好ましいアルカリは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などのアルカリ金属水酸化物である。使用されるアルカリ量は4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物1モルに対し0.8〜3.0モル、好ましくは0.8〜1.5モルである。
【0032】
さらに、極性溶媒としてはメタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン、ピリジン、ジメチルアセトアミド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどがあげられるが、好ましくはジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである。
【0033】
アルキル化反応は、水溶媒単独または水と極性溶媒との混合溶媒中で行われ、用いる水の量は4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物1重量部に対し0.2〜1.2重量部、好ましくは0.3〜1重量部、更に好ましくは0.3〜0.8重量部である。一方、極性溶媒の量は水1重量部に対し0.001〜1.0重量部、好ましくは0.005〜0.5重量部である。
【0034】
このアルキル化反応は、30℃〜150℃の反応温度で、4時間〜24時間で行われるが、好ましくは50℃〜120℃、5時間〜12時間かけて行われる。反応生成物は水に非混和性の有機溶媒(ベンゼン、トルエン、クロロホルム、ジクロロエタンなど)に溶解した後、アルカリ水(水酸化ナトリウム水など)で水洗することにより精製することができる。さらに、高純度の目的化合物が必要であれば再結晶等を行うことにより容易に得ることができる。
【0035】
次に、本発明のもう一つの概念である化合物Vまたは化合物Iからの4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法において用いられる脱イソプロピル化用酸のうち、プロトン酸としては塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、燐酸、過塩素酸、次亜塩素酸などの無機酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、トリメチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、トルエンジスルホン酸、5−スルホサリチル酸、ピリジンスルホン酸、1−ピペリジンスルホン酸、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸などのスルホン酸およびスルフィン酸をあげることができる。このうち、好ましいプロトン酸としては硫酸、硝酸、過塩素酸、次亜塩素酸メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、トリメチレンベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、トルエンジスルホン酸またはピリジンスルホン酸であり、特に硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸が好ましい。また、用いられるルイス酸としては、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化銅、塩化コバルト、塩化マグネシウム、塩化チタン、塩化錫、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素または三塩化ホウ素などが、好ましいルイス酸としては塩化亜鉛、塩化チタン、塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素があげられる。なお、三フッ化ホウ素を用いる場合、通常エーテル(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、フェノールなど)に溶解した溶液の形で用いる。三臭化ホウ素を用いる場合、そのまま使用することもできるが、通常1.0Mの塩化メチレン溶液、1.0Mのヘプタン溶液、1.0Mのヘキサン溶液の形で用い、さらにメチルスルフィドとの錯体を1.0Mの塩化メチレン溶液の形で用いることもできる。三塩化ホウ素を用いる場合、通常メチルスルフィドとの錯体を2.0Mの塩化メチレン溶液の形で用いる。
【0036】
脱イソプロピル化反応で使用される酸の量は化合物V1モルに対し、0.01〜10モルであるが、好ましくは0.1〜5モルである。さらに好ましくは0.3〜3モルであり、特に0.3〜1.5モルが好ましい。
当該反応は溶媒中で行うことができ、使用できる溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、オクタン、灯油、アイソパーE(エクソン社製、商品名)、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、シェルゾール(シェル化学社製、商品名)などの沸点が50℃以上の炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物があげられる。このうち好ましいトルエン、o−ジクロロベンゼンがあげられる。なお、本反応は化合物が当該反応温度下では油状物質であることから、無溶媒で行うこともできる。しかし、化合物Vは前記した溶媒に対する溶解度が大きいため溶媒中で行うことがより好ましい。さらに反応を溶媒中で行う場合、化合物Vが溶媒に易浴であることから非常に少ない溶媒量で反応を行うことができる。
【0037】
反応は化合物、酸、さらに必要があれば溶媒を加えて加熱して行う。反応温度は室温から180℃、好ましくは40〜150℃であり、特に60〜110℃が好ましい。反応時間は1〜24時間、好ましくは1〜12時間であり、特に3〜7時間が好ましい。反応終了後、反応液に溶媒を加えて有機層を水洗し、酸を除去した後、さらに再結晶などにより精製することにより化合物が容易に得られる。
【0038】
【作用】
本発明によって、工業的に有用な新規非対称4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物が得られ、その製造法としては収率が著しく向上し、また反応時間の短縮や反応温度の低下が可能となつた。さらに、本発明によって得られる非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物を用いて特定のアルキル基のみを選択的に且つ定量的に脱離することができる。その結果、工業材料として有用な4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物を簡単な工程で容易に製造することが可能となつた。この非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物は、各種有機溶媒に対する溶解度が大きく、しかも反応を均一系で行うことが可能となったため、反応は著しく速くなり、また反応器当りの仕込量も大幅に増加し、工業的に遊離である。
【0039】
【実施例】
以下、実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン29.2g、水酸化ナトリウム4.2gおよび水15gを仕込み加熱溶解し、反応液にn−アミルブロミド15.5gを加えた。反応液を加熱し、内温を110℃に保持して5時間反応した。反応液にトルエンを加え、有機層をアルカリ水にて洗浄した。希塩酸で有機層を中和し、溶媒を留去した。残留物をメタノールから結晶化して融点69℃の4−イソプロピルオキシ−4’−n−アミルオキシジフェニルスルホン35.1gを得た。
実施例2
実施例1のn−アミルブロミド15.5gを2−エチルヘキシルブロミド19.3gに代える以外実施例1と同様の操作を行い、融点41℃の4−イソプロピルオキシ−4’−(2−エチルヘキシル)オキシジフェニルスルホン39.2gを得た。
実施例3
4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン29.2g、水酸化ナトリウム4.2g、水15gおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン2gを仕込み加熱溶解し、反応液にドデシルブロミド24.9gを加えた。反応液を加熱し、内温を110℃に保持して7時間反応した。反応液にトルエンを加え、有機層をアルカリ水にて洗浄した後、実施例1と同様の操作を行い、融点73℃の4−イソプロピルオキシ−4’−ドデシルオキシジフェニルスルホン44.2gを得た。
実施例4
実施例3の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン2gをジメチルスルホキシド3gに、また、ドデシルブロミド24.9gをオクタデシルブロミド33.3gに代える以外実施例3と同様の操作を行い、融点80℃の4−イソプロピルオキシ−4’−オクタデシルオキシジフェニルスルホン51.7gを得た。
実施例5
実施例1の4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン29.2gを4−tert−ブチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン30.6gに、また、n−アミルブロミド15.5gをオクチルブロミド19.3gに代える以外実施例1と同様の操作を行い、融点70℃の4−tert−ブチルオキシ−4’−n−オクチルオキシジフェニルスルホン40.5gを得た。実施例6
実施例5のn−アミルブロミド15.5gをn−ブチルブロミド13.7gに代え、また、反応温度を100℃にする以外実施例5と同様の操作を行い、融点70℃の4−tert−ブチルオキシ−4’−n−ブチルオキシジフェニルスルホン35.1gを得た。
実施例7
実施例5のn−アミルブロミド15.5gをn−プロピルブロミド12.3gに代え、また、反応温度を80℃にする以外実施例5と同様の操作を行い、融点54℃の−4−sec−アミルオキシ−4’−n−プロピルオキシジフェニルスルホン35.1gを得た。
実施例8
実施例3のドデシルブロミド24.9をn−ブチルブロミド15.5gに代え、また、反応温度を100℃にするる以外実施例3と同様の操作を行い、融点106℃の4−イソプロピルオキシ−4’−n−ブチルオキシジフェニルスルホン33.7gを得た。
実施例9
4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン29.2g、水酸化ナトリウム4.2g、水30gを仕込み、加熱溶解した。この溶液にオクチルブロミド20gを加え、100〜120℃で8時間反応させた。反応終了後、反応液にトルエン50g加えて水洗した後、トルエン層を分取した。次いでトルエンを留去し、メタノールを加えて結晶を析出させた。結晶を濾取乾燥することにより融点74℃の4−イソプロピルオキシ−4’−オクチルオキシジフェニルスルホン39.6gを得た。
【0040】
上記と同様にして、融点106℃の4−イソプロピルオキシ−4’−プロピルオキシジフェニルスルホンが得られる。
比較例1
4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン29.2g、n−ブチルヨ−ダイド26.9gおよびトリエチルアミン14.6gをアセトン292ml中に加え2時間加熱還流した後、アセトンを留去し、残留物にトルエン146ml、水146gおよび水酸化ナトリウム5.8gを加え加熱した。冷却後、分液しトルエンを留去し4’−イソプロピルオキシ−4’−n−ブチルオキシジフェニルスルホン26.9gを得た。
比較例2
4−イソプロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン29.2g、水酸化ナトリウム4.2gおよび水120gを仕込み加熱溶解し、反応液にn−アミルブロミド15.5gを加えた。反応液を5時間加熱還流した。反応液にトルエンを加え、有機層をアルカリ水にて洗浄した。希塩酸で有機層を中和した後、溶媒、未反応n−アミルブロミドおよびn−アミルアルコ−ルを留去した。残留物をメタノールから結晶化して、4−イソプロピルオキシ−4’−n−アミルオキシジフェニルスルホン27.9gを得た。
実施例10
実施例3で得られた4−イソプロピルオキシ−4’−ドデシルオキシジフェニルスルホン23gおよびトルエン50gを仕込み、70℃に加温した後、硫酸2gを加え、同温度で5時間反応した。反応液中の反応生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%は4−ドデシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン:98.8%、4−イソプロピルオキシ−4’−ドデシルオキシジフェニルスルホン:0.1%、BPS:0.4%、その他不明体:0.6%であつた。反応液にトルエンと水を加えて有機層を分液した。トルエンを留去し、残留物にメタノールを加え結晶を析出させた。結晶を濾取し、乾燥して融点65℃の4−ドデシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン20.5g(純度99.6%)を得た。
実施例11
4−イソプロピルオキシ−4’−プロピルオキシジフェニルスルホン33.4gをトルエン30gに溶解した後、トリフルオロメタンスルホン酸5gを加えた。反応液を加温し、100℃で4時間反応させた。反応液中の生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%は4−イソプロピルオキシ−4’−プロピルオキシジフェニルスルホン0.1%以下、4−プロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン98.0%、BPS0.4%、その他不明体0.9%であった。反応液にトルエンと水を加えて有機層を75℃で水洗し、トリフルオロメタンスルホン酸を除去した。トルエン層を分取し、トルエン溶液を冷却すると結晶が析出した。この結晶を濾取することによって、4−プロピルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン39.6gを得た。融点154℃
実施例12
4−イソプロピルオキシ−4’−n−ブチルオキシジフェニルスルホン34.8gをトルエン30gに溶解した後、メタンスルホン酸8gを加えた。反応液を加温し100℃で4時間反応させた。反応液中の生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%は4−イソプロピルオキシ−4’−n−ブチルオキシジフェニルスルホン0.1%以下、4−n−ブチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン98.8%、BPS0.4%、その他不明体0.6%であった。反応液にトルエンと水を加えて、有機層を75℃で水洗し、メタンスルホン酸を除去した。トルエン層を分取し、トルエンを留去すると30.4gの残渣を得た。得られた残渣を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、4−n−ブチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの面積は99.5%であった。融点119℃
実施例13
4−イソプロピルオキシ−4’−オクチルオキシジフェニルスルホン40.0gをo−ジクロロベンゼン40gに溶解した後、p−トルエンスルホン酸10gを加えた。反応液を加温し100℃で6時間反応させた。反応液中の生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%は4−イソプロピルオキシ−4’−オクチルオキシジフェニルスルホン1.5%、4−オクチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン97.6%、BPS0.4%、その他不明体0.5%であった。反応液にo−ジクロロベンゼンを加えて有機層を水洗した。有機層を分取し、濃縮して得られた残渣の4−オクチルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンは、高速液体クロマトグラフィーによる分析で97.6%面積であった。
実施例14
4−イソプロピルオキシ−4’−オクタデシルオキシジフェニルスルホン54.4gをトルエン30gに溶解した後、硫酸10gを加えた。反応液を加温し60℃で3時間反応させた。反応液中の生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%は4−イソプロピルオキシ−4’−オクタデシルオキシジフェニルスルホン0.1%以下、4−オクタデシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン98.8%、BPS0.4%、その他不明体0.6%であった。反応液にトルエンと水を加えて有機層を75℃で水洗した。トルエン層を分取し、トルエンを留去して残渣を得た。得られた残渣を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、4−オクタデシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの面積%は99.0%であった。融点83℃
実施例15
4−イソプロピルオキシ−4’−n−アミルオキシジフェニルスルホン36.2gをトルエン20gに溶解した後、メタンスルホン酸8gを加えた。反応液を加温し110℃で7時間反応させた。反応液中の生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%は4−イソプロピルオキシ−4’−n−アミルオキシジフェニルスルホン0.1%以下、4−n−アミルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン98.8%、BPS0.4%、その他不明体0.6%であった。反応液にトルエンと水を加えて有機層を75℃で水洗した。トルエン層を分取し、トルエンを留去して残渣を得た。得られた残渣を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、4−n−アミルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの面積%は99.5%であった。融点90℃
比較例3
BPS25g、水酸化ナトリウム4.2gおよび水150gを仕込み、加熱撹拌した。ドデシルブロミド25gを滴下し、加熱還流下に反応を7時間行った。反応液中の反応生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%はBPS:99%以上%、4−ドデシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン:1%以下であつた。
比較例4
BPS25g、炭酸カリウム15gおよび水200gを仕込み、70℃に加熱撹拌した。ドデシルブロミド25gを少量ずつ滴下した。滴下後反応を5時間行った。反応液中の反応生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%はBPS:99%以上、4−ドデシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン:1%以下であつた。
比較例5
BPS25g、水酸化ナトリウム4.2gおよびジメチルスルホキシド100gを仕込み、加熱撹拌した。ドデシルブロミド25gを滴下し、100℃で加熱し、反応を7時間行った。反応液中の反応生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%はBPS:34.4%、4−ドデシルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン:40.3%、4,4’−ジ−ドデシルオキシジフェニルスルホン:25.3%であつた。反応液にトルエンと水を加え分液し、ジメチルスルホキシドと未反応BPSを除去した。トルエンを留去し、残留物にメタノールを加え結晶化した。結晶の純度は61%であつた。比較例6
BPS25g、水125g、水酸化ナトリウム4.4gを仕込み、加熱溶解させた後、n−アミルプロミド13.6gを加えて、80℃で12時間反応させた。反応終了後、反応液中の生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%はBPS44%、4−n−アミルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン53%、4,4’−ジ−n−アミルオキシジフェニルスルホン3%であった。
比較例7
BPS25g、水25g、水酸化ナトリウム4gを仕込み加熱したが、内容物は溶解せず、スラリー状であった。このスラリーにプロピルブロミド12.3gを加えて65〜72℃で12時間反応させた。反応終了後、反応液中の生成物の組成比を高速液体クロマトグラフィーにて分析すると、それぞれの面積%はBPS90%、4−プロピルオキシ−4’−ヒドロキシフェニルスルホン10%、4,4’−ジプロピルオキシジフェニルスルホンが痕跡量であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によると、実施例および比較例から明らかなように高収率で非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物を製造することができ、経済的である。また、本発明の非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物は感熱・感圧記録材料、写真薬、界面活性剤および乳化剤などの工業材料として有用な4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物を製造するために有用な製造原料となることがわかる。さらに、本発明によると、非対称な4,4’−ジアルキルオキシジフェニルスルホン化合物から工業材料として有用な4−アルキルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物が容易かつ収量よく、しかも高純度にて製造される。
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