JP3757269B2 - 回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法及びその装置 - Google Patents

回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風路内に存在する圧力変動に起因した測定部での圧力変動を軽減して、精度の高い模型試験結果を得ることを可能にする回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続回流式超音速風洞は製造段階において圧縮機の作動範囲が決定されており、一般的には、圧縮機は、比較的高いマッハ数で高い効率で運転されるように設計されているが、低いマッハ数では運転効率が必ずしも良い訳ではない。例えば、図3は横軸を修正流量q、縦軸を圧縮比πとし、修正回転数nと運転効率(断熱効率)ηadとをパラメータとして示した圧縮機の運転特性を示す線図であるが、従来の超音速風洞では記号△で示すように、マッハ数が2.5では運転効率が70%以上と高くなっているのに対して、マッハ数1.5の場合では運転効率が40%前後と極めて低くなっている。なお、図3中、κは気体の比熱比k(空気で1.4)、Zは圧縮係数(同、1.0)、Rはガス定数(29.27m/K)、Tsは基準温度(330K)、Qは吸込み容積流量(m/s)である。
【0003】
運転マッハ数が2.2以下、特に1.5〜1.8の範囲のような低マッハ数領域では、風路内の気流中に渦や音響エネルギー(騒音)が存在していることが認められ、気流中の圧力変動は、ピトー圧変動率として0.1%以上存在していることが観測されている。気流中の渦及び音響エネルギーは、模型が設置されている測定部において気流の圧力変動として観測される。測定部に及んだ圧力変動は、風洞試験の対象として設置された模型の層流境界層を撹乱し、乱流遷移を引き起こすので、測定精度の向上を妨げ風洞試験結果に影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
超音速風洞において、運転マッハ数が上記のような低マッハ数の範囲では、風路内に置かれたセンサの測定結果から、圧縮機から測定部までの風路内に圧力変動が存在していることが検出される。特に、集合胴入口、ノズル入口、及び測定部中心での圧力変動の測定結果からすれば、測定部中心での圧力変動の主要部分は、低い効率で運転される圧縮機からの圧力変動に直接起因していると推定される。上記の運転マッハ数の範囲では、圧縮機から流体に伝えられるエネルギーの多くが熱エネルギーと渦や音響エネルギー(騒音)に変換され、超音速風洞における本来の気流駆動エネルギーに変換されて利用されていない。圧縮機からの気流を冷却器で冷却しても、熱エネルギーが吸収されるのみであり渦及び音響エネルギーは吸収されることなく気流中に残される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように設計された超音速風洞においては、低マッハ数で得られた試験は実機試験と必ずしも一致しなくなるので、超音速風洞での試験結果を有効で信頼性のあるものとするには、風洞試験結果に影響が及ぶような気流中に存在する渦や音響による圧力変動を、測定部の上流側において極力取り除いておくことが求められる。そこで、解決すべき課題として、大流量を必要とする低いマッハ数域では、圧縮機の運転効率に着目して、超音速気流内に含まれる圧力変動を減少させる一方で、測定部では必要なマッハ数を得る工夫を図ることである。
【0006】
この発明の目的は、風洞風路を流れる気流に存在する圧力変動を極力少なくし、測定部での測定結果に影響を及ぼす圧力変動を軽減することで、風洞試験結果の信頼性を高めることができる回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法及びその装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するため、圧縮機によって送出された気流が測定部を含む風路内で循環される回流式超音速風洞における圧力変動低減方法は、前記圧縮機から送出される前記気流を前記測定部の上流に配設された風路抵抗体に通し、前記風路抵抗体を配設しないとしたときに前記測定部における要求マッハ数に対応した運転状態で定まる運転効率よりも高い運転効率で前記圧縮機を運転し、前記風路抵抗体を配設することで生じる前記気流の追加的な圧力損失により前記風路内の気流のマッハ数を前記要求マッハ数に一致させることを特徴としている。
【0008】
また、圧縮機によって送出された気流が測定部を含む風路内で循環される回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減装置は、運転効率をパラメータとする運転特性に基づいて前記圧縮機を運転制御可能にする運転制御手段と、前記圧縮機の後流で且つ前記測定部の上流に配置された風路抵抗体とを備えることを特徴としている。また、前記運転制御手段は、前記風路抵抗体を配設しないとしたときに前記測定部における要求マッハ数に対応した運転状態で定まる運転効率よりも高い運転効率で前記圧縮機を運転し、前記風路抵抗体を配設することで生じる前記気流の追加的な圧力損失により前記風路内の気流のマッハ数を前記要求マッハ数に一致させる制御を行う。
【0009】
超音速風洞においては、運転マッハ数が低いときに圧縮機がする仕事の非効率な部分は、圧縮機を通過する気流に渦や音の形でエネルギーが消費されている。圧縮機から送出される気流を風路抵抗体に通過させ、その抵抗係数を適切な値に設計することにより、圧縮機は、風路内の気流のマッハ数を変えることなくその運転効率が大幅に上昇した動作点で運転される。圧縮機の運転効率が高いので、気流が有する総エネルギーに対して非効率な仕事の結果生じる圧力変動(音響と渦のエネルギー)の割合が小さくなり、測定部への影響も小さくなる。既存の超音速風洞においては、具体的には、測定部において要求されるマッハ数(要求マッハ数)に理論的に対応した運転効率よりも高い運転効率の動作点が選択され、その動作点と目標圧縮比及び流量(要求マッハ数で規定される)とから風路内における必要な追加的圧力損失が計算され、その圧力損失を実現する風路抵抗体の抵抗係数が求められる。そうした風路抵抗体を、圧縮機の下流で且つ測定部の上流に配設することで、圧縮機を高い運転効率で運転して気流中の圧力変動を少なくしつつ、測定部における気流のマッハ数を要求マッハ数に一致させることが可能になる。
【0010】
回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法及びその装置は、前記要求マッハ数が、1.5〜2.2の低マッハ数範囲であるときに、最も効果的に運転される。この回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法及びその装置において、圧力変動に対して何も対策を講じないとすれば、圧力変動の影響が最も大きくなるのは、測定部でのマッハ数が2.2以下、特に1.5〜1.8の範囲のような低マッハ数となるように圧縮機を運転するときである。風路抵抗体を配設することにより、要求マッハ数が低くても、圧縮機は高い運転効率の動作点で運転可能となる。
【0011】
また、回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法及びその装置において、前記風路抵抗体は、メッシュ板とすることが好ましい。メッシュ板は、金網を多層に積層圧着して板状に成形し、目の粗さや積層数によってその抵抗係数を調節可能にしたものとすることができ、通過する流量が減少すると圧力降下も減少するという一般的特性を備えている。一方、超音速風洞は、高マッハ数領域では流量が減少するという特性を有している。従って、メッシュ板の上記一般的特性と超音速風洞の特性とが相まって、高い圧縮比が要求される高マッハ数域では、メッシュ板を通過するときの実際の圧力降下量が減少し、メッシュ板を配設したことで超音速風洞の運転可能なマッハ数域が大幅に減少するのを避け、メッシュ板を配設したままであっても広範囲なマッハ数で超音速風洞を運転することが可能である。また、メッシュ板は、若干の音響エネルギーを吸収する作用を奏することも判明している。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付した図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明による風路内圧力変動低減装置が適用される回流式超音速風洞の一例を示す平面概略図、図2はメッシュ板の取り付け状態の概要を示す斜視図、図3はメッュ板の装着に対応した運転効率の変化を含む圧縮機の運転特性線図、図4は集合胴出口における総圧変動率を示すグラフ、図5は測定部中心におけるピトー圧変動率を示すグラフ、図6はピトー圧力変動のパワースペクトル線図である。
【0013】
図1に示すように、回流式超音速風洞1では、模型支持部2を通った流れは、第2スロート3、テレスコープ異形拡散胴4及び第1拡散胴5を通過後、第1屈曲胴6を曲がって第2拡散胴7、第3屈曲胴8を経て、主送風機器である軸流圧縮機9(この発明における圧縮機に相当、以下、単に「圧縮機」という)に至る。圧縮機9からの流れは、乾燥空気又は液体窒素が供給された後、第3拡散胴10内を拡散されつつ流れて、空気冷却器11に送られる。空気冷却器11は流れの上流側の冷却器前部接続胴12と下流側の冷却器後部接続胴13とを備えており、冷却器前部接続胴12にはスクリーンが備わり、冷却器後部接続胴13は第3屈曲胴15に接続されている。第3屈曲胴15は、その後流にバイパス排気部を介して第4屈曲胴16に接続されている。第4屈曲胴16の後流側にはスクリーンを備えた集合胴17が接続されており、集合胴17の後流側には、模型支持部2で支持された模型が置かれる測定部19を備え且つマッハ数変更用の可変ノズル18が配置されている。圧縮機9は、駆動軸を介してモータMによって駆動される。圧縮機9の運転制御装置Cは、圧縮機9の運転状態と図3に示すような運転効率ηをパラメータとする特性曲線に基づいて、モータMを駆動制御する。風洞1は、模型支持部2から可変ノズル18に至る、閉じた風路内を流体が循環する回流式の超音速風洞である。
【0014】
図1及び図2に示すように、風路内の圧力変動を低減するため、小型超音速風洞1の空気冷却器(熱交換器)11の冷却器後部接続胴13と、その下流の第3屈曲胴15の手前側に配置される円筒接続筒14との間において、積層金網から構成される風路抵抗体としてのメッシュ板20が設けられている。メッシュ板20は、抵抗係数を調節するため積層された金網21を備え、外周に固定ボルト24が挿通するボルト孔23(一部のみ符号を付す)が等間隔に形成されたフランジ22を有しており、フランジ22が冷却器後部接続胴13と円筒接続胴14との間でそれぞれのフランジで挟まれた状態で固定ボルト24(一部のみ図示)によって締め付けられる。締め付けに際しては、Oリングのような密封部材を介在させることが好ましい。
【0015】
メッシュ板20は、風路の断面全面に渡って介装されているので、風路を通る気流に対して抵抗となる。そのため、圧縮機9から送出される空気の圧縮比が高くなり、圧縮機9はその運転のための駆動動力は以前よりも大きくなるが、運転効率としては高いところで運転することが可能となる。メッシュ板20による追加的な圧力損失は、性能評価試験運転時のデータから、例えば、圧縮機9の運転動作点がマッハ数2.0でありながら測定部19のマッハ数が1.5となるのに必要な風路抵抗を評価することで求められる。必要な圧力損失が求まれば、風路の断面積と動圧とを考慮して、メッシュ板20に必要な抵抗係数が求められる。
【0016】
一例として、必要な圧力損失(降下量)が28kPa、風路を直径1mの円管、動圧を約22Paとすると、抵抗係数は約1300として求められる。この抵抗係数を持つメッシュ板20を風洞の圧縮機9の後流で且つ測定部19の上流に配置することにより、圧縮機9の前後の流体条件ではメッシュ板20がないときのマッハ数が2.0で運転したときと同じ状況が発生し、同時に、集合胴17の入口から圧縮機9の入口までの流れは可変ノズル18をマッハ数1.5の形状にしておくことで、所定の風路圧力回復率を得ることができる。当然のことながら、メッシュ板20を配設することにより空気抵抗が増大し、メッシュ板20がないときよりも必要な動力が約20%増大するので、この動力増大に見合う分、圧縮機駆動能力に余裕を持たせる必要がある。
【0017】
図3に示すように、測定部19において要求される圧縮比の大きいマッハ数が2.5であるときには、風路にメッシュ板20を配設しても、圧縮機9の運転効率ηadは約82%のままで格別の変化はないが、圧縮比が小さいマッハ数が1.5では、運転効率ηadはメッシュ板20が設けられない風路で約33%であったが、メッシュ板20を挿入することにより、運転効率ηadを約53%にまで高めた状態で圧縮機9を運転することができる。また、マッハ数が2.0では、運転効率ηadはメッシュ板20が設けられない風路で約63%であったが、メッシュ板20を挿入することにより、運転効率ηadを約72%にまで高めた状態で圧縮機9を運転することができる。なお、超音速風洞には、図1に示すように、幾つかの所定の位置にスクリーン25が設けられている。スクリーン25は、上流から流れてくる渦を細かく砕いて渦スケールを小さくし、渦を早く減衰させて粘性によるエネルギー散逸を加速させる働きをするものである。スクリーン25自体が渦発生源に成り得るので、素線は細く(素線径が0.112mm,又は0.27mm)且つ素線の密度(メッシュ(1インチ当たりの本数))は粗く設定され(50メッシュ、又は20メッシュ)、空隙率は0.6以上とされている。メッシュ板20は、スクリーン20よりも抵抗係数が100倍以上大きく、空隙率も極めて小さく、圧縮機9の運転動作点を変更するために積極的に圧力損失を加えるものである。
【0018】
マッハ数Mに対する集合胴出口での総圧変動率の変化が図4に示されている。メッシュ板20が設けられていない場合、マッハ数Mが1.5〜2.2の範囲ではマッハ数Mが低下するに従って圧力変動が増大し、マッハ数Mが2.3〜2.5の範囲では圧力変動は略一定である。即ち、圧縮機9が運転効率の低い範囲で運転されているマッハ数域では集合胴17での圧力変動が大きく、且つ運転効率が低いほどそれに応じて圧力変動も大きくなることが分かる。一方、メッシュ板20が設けられている場合には、マッハ数Mに依存することなく圧力変動は略一定であり、圧縮機9の運転効率の上げ下げに関わらず圧力変動は殆ど変化しないことが読み取れる。このことから、圧縮機9からの渦、圧力及び音響変動はメッシュ板20の存在によって低減しているものと考えられ、マッハ数Mが1.5〜2.2の範囲では、メッシュ板20の存在下で圧縮機9の運転効率を上げて運転したことにより、集合胴17の出口での圧力変動が低下したことが理解される。
【0019】
メッシュ板20を取り付けた場合と取り付けない場合との測定部19の圧力変動の割合を比較検討した結果、超音速風洞として重要な測定部19においても圧力変動率が大幅に減少していることを確認することができた。測定部19中心においてピトー管の先端に圧力変換器を取り付けてピトー圧変動を検出することで得られた、風洞総圧が55kPaのときのマッハ数に対するピトー圧変動率の変化が図5に示されている。メッシュ板20が設けられていない場合の試験と比較すると、圧縮機9を運転効率の高い作動点で運転し、メッシュ板20を配設していることにより、特に低マッハ数域でピトー圧変動率が明らかに減少していることがわかる。この変動水準では、静粛風洞であるための必要条件とされる圧力変動率0.1%未満という条件を満たすことができる。
【0020】
図6には、上記の測定部19中心に配置された圧力変換器によって検出されたピトー圧力変動のパワースペクトル線図が示されている。マッハ数が2.5では殆ど有意の差を見出せないが、図6の線図に示すように、マッハ数1.5程度の低いマッハ数では、6kHzから30kHzの周波数範囲と4kHz以下の低周波数とで、大幅なピトー圧変動の低下が観測され、メッシュ板20の圧力変動軽減効果を裏付けている。
【0021】
マイクロフォンによってメッシュ板20の直下流での騒音レベルを検出すると、メッシュ板20を配設しない場合と比較して大幅に低下していることが分かるので、メッシュ板20はそれ自体で騒音低減作用も奏することが理解される。即ち、メッシュ板20の下流でマイクロフォンを用いた音圧レベルを計測した結果、そのスペクトルから、圧縮機9の運転域がマッハ数で約0.3〜0.4ほど高いところの運転域に移行していることが確認できた。同時に、音圧レベルも、以前のものと比較して、大幅に減少していることが確認できた。
【0022】
【発明の効果】
この発明による回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法及びその装置によれば、風路抵抗体を配設しない場合と比較して圧縮機を高い運転効率を示す運転動作点で運転することにより、圧縮機の非効率な運転部分による渦や音響エネルギーへの変換が少なくなり、連続運転ができる点を維持しながら、風洞風路内の主気流に存在する圧力変動を極力少なくすることができる。また、風路抵抗体であるメッシュ板自体も、圧力変動低減効果及び騒音低減効果を奏する。その結果、測定部において測定結果に影響を及ぼす圧力変動が少なくなり、風洞試験結果の信頼性を高めることができる。また、メッシュ板のような風路抵抗体を風路に配設させていても、超音速風洞の特性と風路抵抗体の特性によって運転可能な高マッハ数域を大幅に減少させることがないので、既存の超音速風洞に対して風路抵抗体を装着させる等の僅かな変更のみで、高マッハ数での風洞試験に影響を与えることなく、低マッハ数での風洞試験の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による風路内圧力変動低減装置が適用される回流式超音速風洞の一例を示す平面概略図である。
【図2】メッシュ板の取り付け状態の概要を示す斜視図である。
【図3】この発明による風路内圧力変動低減装置が適用される回流式超音速風洞における圧縮機の運転効率の変化を含む運転特性の一例を示す図である。
【図4】この発明による風路内圧力変動低減装置が適用される回流式超音速風洞における集合胴出口での総圧変動率を示すグラフである。
【図5】この発明による風路内圧力変動低減装置が適用される回流式超音速風洞における測定部中心でのピトー圧力変動率を示すグラフである。
【図6】この発明による風路内圧力変動低減装置が適用される回流式超音速風洞におけるピトー圧力変動のパワースペクトル線図である。
【符号の説明】
1 回流式超音速風洞
9 圧縮機
19 測定部
20 メッシュ板(風路抵抗体)
ηad 運転効率
M モータ
C 運転制御手段

Claims (6)

  1. 圧縮機によって送出された気流が測定部を含む風路内で循環される回流式超音速風洞において、前記圧縮機から送出される前記気流を前記測定部の上流に配設された風路抵抗体に通し、前記風路抵抗体を配設しないとしたときに前記測定部における要求マッハ数に対応した運転状態で定まる運転効率よりも高い運転効率で前記圧縮機を運転し、前記風路抵抗体を配設することで生じる前記気流の追加的な圧力損失により前記風路内の気流のマッハ数を前記要求マッハ数に一致させることを特徴とする回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法。
  2. 前記要求マッハ数は、1.5〜2.2の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法。
  3. 前記風路抵抗体は、メッシュ板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減方法。
  4. 圧縮機によって送出された気流が測定部を含む風路内で循環される回流式超音速風洞において、運転効率をパラメータとする運転特性に基づいて前記圧縮機を運転制御可能にする運転制御手段と、前記圧縮機の後流で且つ前記測定部の上流に配置された風路抵抗体とを備えてなり、前記運転制御手段は、前記風路抵抗体を配設しないとしたときに前記測定部における要求マッハ数に対応した運転状態で定まる運転効率よりも高い運転効率で前記圧縮機を運転し、前記風路抵抗体を配設することで生じる前記気流の追加的な圧力損失により前記風路内の気流のマッハ数を前記要求マッハ数に一致させることを特徴とする回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減装置。
  5. 前記要求マッハ数は、1.5〜2.2の範囲にあることを特徴とする請求項に記載の回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減装置。
  6. 前記風路抵抗体は、メッシュ板であることを特徴とする請求項4又5に記載の回流式超音速風洞における風路内圧力変動低減装置。
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