JP3756840B2 - 人脈検索システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、知人を介して所望の人を探す際に利用される人脈検索システムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、弁護士・建築士などの専門家、プレス加工工場などの特定の会社に勤務する者、芸術家などを探したい場合、自分の知り合いに問い合わせたり、電話帳で調べるなどしていたが、インターネットの普及に伴い、ホームページを検索することにより、これらの人探しが可能となっている。
このように情報入手方法は多岐に亘るが、その信頼度が高いという点で、自分の知人を介して紹介を受けるという方法が最も多いように思われる。
しかしながら、全ての知人に対して問い合わせることは困難なことも多く、例えば、自分の知人の中に、探している人物と知り合いの者が居るにも拘わらず、それを見つけ出すことができないことがある。また、自分の知人は探している人物を直接的には知らないが、その知人の知人が探している人物と知り合いであることもあり、このような間接的な人脈を辿る人探しは、更に困難を伴う。
【0003】
このような場合、複数人がコンピュータに知人を登録してこれをデータベース化することが考えられる。
例えば、複数人がそれぞれの知人をサーバに記憶させてデータベース化すると、記憶されるデータ量に応じて半無限的に拡がる人脈データベースが構築され、このデータベースを利用して所望の人を検索することにより、自分の知人を起点として、その知人(又は知人の知人、又は更なる知人など)を介して所望の人(本明細書で「検索対象者」という)に至るまでの人脈繋がりを探し出すことができる。
そして、得られた人脈繋がりを参考にして、検索者は、知人に電話などで連絡を取って検索対象者の紹介を受けるシステムが考えられる(類似するシステムとして特開2001−306768公報参照)。
【0004】
しかしながら、かかるシステムでは、以下のような問題がある。
例えば、上記システムで検索者の知人甲の知人乙が検索対象者という検索結果が得られた場合、その知人甲から検索対象者乙に対して検索者に紹介しても良いかどうかが打診されることになるが、その検索対象者乙が本心では断りたいと思っていても、知人甲から直接打診されたが故に、仕方なく承諾しなければならないという場合が考えられる。
【0005】
また、人脈データベースは、多くの人が知人を登録すればするほど極めて広範囲なものを構築することができるが、その反面、本来相応しくない登録がなされる可能性がある。例えば、ある登録人が知人を登録する際、本来知人とまで言えないような人まで知人として登録したり、或いは、悪戯目的や虚偽の内容を登録する場合なども考えられる。例えば、甲が悪戯で乙を知人として登録した場合を想定すると、甲を介して人脈検索で乙が抽出され、乙は意に反して検索者に認識されることがあり、乙のプライバシーが侵害される虞がある。
【0006】
さらに、人脈データベースが広範囲になるに従い、検索で得られる人脈繋がりが複数ルート抽出される場合が想定されるが、検索者にすれば、選択枝が余りに多いと却って使い勝手が悪く、又、この人脈繋がりを参考にして紹介を受けようと行動する際に於いても選択枝が多すぎると時間がかかる。
【0007】
そこで、本発明は、以上のような点に鑑み、人脈繋がり中に存在する各人の意に反することなく円滑に紹介を受け得るように工夫した人脈検索システムを提供することを第1の課題とし、さらに、検索者が迅速に紹介を受け得るように工夫した人脈検索システムを提供することを第2の課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するための手段として、知人から知人へと繋がっている人脈を辿って、検索者が所望の検索対象者を探し、知人を通じて紹介を受けるために利用される人脈検索システムであって、サーバと、前記サーバに送受信可能な端末とからなり、前記サーバは、複数の登録人及びその知人の所定事項を記憶して人脈ネットワークデータベースを構築する人脈記憶手段と、一の登録人を検索者とした場合、その検索者の端末を通じて前記サーバに検索項目が送信されることにより、前記人脈ネットワークデータベースに記憶された登録人及びその知人の所定事項の中から前記検索項目に該当する検索対象者を探すと共に、前記人脈ネットワークデータベースの複数の登録人及びその知人の中から、検索者と検索対象者の間に繋がる介在知人を検索し、検索者から介在知人を介して検索対象者まで繋がる一連の人脈繋がりを記憶装置に記憶する検索手段と、前記検索者の端末に対し、前記記憶装置に記憶した人脈繋がりの中の検索対象者及び全ての介在知人を匿名で表示する結果送信手段と、前記人脈繋がりの中の検索対象者の端末に、前記記憶装置に記憶した人脈繋がりに基づいて検索対象者と直接繋がる介在知人を紹介者として承諾するか否かを確認するための電子メールを送受信装置によって送り、前記検索対象者の端末から承諾の旨がサーバに入力された場合、該検索対象者と直接繋がる介在知人の端末に、前記記憶装置に記憶した人脈繋がりに基づいてその介在知人と直接繋がる介在知人を紹介者として承諾するか否かを確認する電子メールを送受信装置によって送り、前記電子メールを受けた介在知人の端末から承諾の旨がサーバに入力された場合、同様の処理を検索者と直接繋がる介在知人にまで順次遡って行う人脈確認手段と、前記検索対象者及び全ての介在知人の承諾の旨がサーバに入力された場合、検索者の端末に対し、前記検索対象者及び全ての介在知人の実名を表示する結果表示手段と、を有することを特徴とする人脈検索システムを提供する。
【0009】
かかる人脈検索システムは、まず、複数の登録人の氏名、住所、メールアドレス、年齢、電話番号、職業、専門などの所定事項が人脈記憶手段に記憶され、更に、その登録人の複数の知人の個人情報が記憶されることにより人脈ネットワークデータベースが構築される。このデータベースに対して、一の登録人が検索者となって検索することにより、検索者の直接知人から知人、又は知人の知人、又は更なる知人などを介して、検索対象者が抽出され、検索者から介在知人を介し検索対象者に至るまで一連に繋がった人脈繋がりが記憶装置に記憶される。
そして、人脈確認手段により、記憶装置に記憶した人脈繋がりの検索対象者に対して、「該対象者に直接繋がる知人を本当に知っているか又は自分自身がその知人を介して紹介されてもよいか」など人脈繋がりを承諾するかを問う意思確認を行う。この確認で検索対象者の端末から承諾の旨がサーバに入力されると、次に、記憶装置に記憶した人脈繋がり中に存在する該検索対象者に直接繋がる介在知人に対し、同様の確認を行い、検索者側へと順次同様の確認を行うことにより、最終的に人脈繋がり中に存在する検索対象者及び全ての介在知人の承諾がサーバに入力されると人脈繋がりが成立し、検索者の端末に対し検索対象者及び全ての介在知人の実名が表示され、これにより、検索者はその検索対象者の紹介を受けることが可能となる。このように、人脈繋がりの末端の者から意思確認を行うので、紹介の当事者となる検索対象者の自由意思を尊重でき、人的なしがらみに囚われることなく円滑な紹介を受けることができる。
【0010】
また、上記システムに於いて、結果送信手段が、検索者の端末に前記人脈繋がり中の各人を匿名で表示することにより、検索者には、具体的に誰が介在しているのか判らない。従って、上記人脈確認手段に於いて、例えば、人脈繋がり中に存在する検索者の知人が紹介を断った(人脈繋がりを否定した)としても検索者にその知人が断ったことを察知されることがなく、人脈繋がり中に存する各人の自由意思をより尊重することができる。また、人脈繋がり中に存在する人が、例えば悪戯目的で登録されていたとしても、その人の個人情報が検索者に認識される虞もない。
【0011】
さらに、上記システムに於いて、前記人脈確認手段が、検索対象者及び介在知人の端末に電子メールを送信する際に、その人に直接繋がる介在知人のみを実名で表示することにより、各人にとっては、誰を紹介するのか又は誰から紹介を受けているのかを認識することができる。従って、上記の人脈繋がりを承諾するか或いは断るかの判断に資することができる。加えて、各人の直接知人(人脈繋がりの前後の者)の実名しか表示されないので、それ以外の者のプライバシーは守られることとなる。
【0012】
また、上記システムに於いて、前記検索手段によって複数ルートの人脈繋がりが得られた場合に、前記人脈確認手段が、全てのルートに対して並行して行われることにより、1つのルートのみに対して人脈繋がりの確認処理を行う場合に比して、少なくとも何れか1つのルートで人脈繋がりが成立する蓋然性が高まり、更には、同時に人脈繋がりが2つ以上のルートで成立する場合もある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る人脈検索システムの各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
人脈検索システム1は、図1に示すように、所定の個所に設置されたサーバ2と、クライアント側に設置された端末3とを主たる装置として構成され、サーバ2と各端末3とは、インターネット(WAN)、LANなどの通信回線網5で接続されている。
【0016】
サーバ2は、汎用されているWWWサーバとしての機能を有し、電子情報の一般的な処理ができるように、CPU、ストレージ・ハードディスク・RAMなどの記憶装置、入出力装置、送受信装置、ディスプレイ、印刷装置などの通常有するハードを具備している。
端末3は、パソコン、携帯電話などからなり、サーバ2にアクセスするためのWWWブラウザなどが具備されている。
【0017】
サーバ2のCPUは、端末からのデータの処理、端末に対する送受信処理、登録人から送信される個人情報を記憶装置(人脈記憶手段)に記憶させる処理、検索者(登録人)からの検索要求に応じて人脈繋がりを検索する処理、人脈繋がりが複数ルート得られた場合に、ルートを取捨するルート絞込処理、人脈繋がりが複数ルート得られた場合に、この複数の人脈繋がりを並び替える処理、検索結果を検索者の端末に送信する処理、得られた人脈繋がりの中の各人の端末に、その繋がりの可否を確認する処理、ルート数判別手段など後述する各種の処理を、記憶装置に記憶されているプログラムに従い実行制御する。
【0018】
サーバ2の記憶装置には、登録人やその知人の所定事項が記憶され、人脈記憶手段を構成している。具体的には、登録人及びその知人の個人情報、登録人のIDが記憶されており、個人情報には、氏名、住所、年齢、電話番号、メールアドレス、職業、専門、趣味などが記憶されている。
また、検索の際、検索キーワードのバラツキを防止するため、検索項目として使用頻度が高いと思われる個人情報(職業、専門など)については、弁護士・建築士などの用語が予め付与されており、端末の画面にプルダウンメニューで表示されるようになっている。
その他、記憶装置には、本システムを運用するに必要なプログラムやデータが記憶されている。
【0019】
次に、上記構成からなる本システム1の運用について、図2〜図5を参照しつつ以下説明する。
<実施形態1>
まず、本システム1に参加する登録人が、自身の氏名、住所、年齢、電話番号、職業、専門などの所定事項をサーバに送信し、サーバの送受信手段がこれを受け取る。この際、不正使用を防止するため、サーバでは、クレジットカードや銀行口座などで本人確認を行った上、登録IDを登録人の端末に送信する。
次に、登録人は、自身の知人について、その氏名、住所、年齢、電話番号、職業、専門、続柄などの所定事項をサーバに送信する。この知人登録の際、登録人は、知人の信頼度を送信する。例えば、知人が親の場合には信頼度100、知人が会社の同僚の場合には信頼度70などのように信頼度を数値化して入力する。送られた知人データは、記憶装置に記憶されて蓄積される。
【0020】
この登録人が多くなればなるほど広範囲な人脈ネットワークデータベースが構築される。具体的には、図3の概念図(アルファベットは登録人を示し、丸印は登録人が登録した知人を示し、矢印はどの登録人が登録した知人かを示す。丸囲いアルファベットは、他の登録人から知人として登録された登録人を示す)のように、例えば、登録人Aは、登録人B,D,Fを知人として登録しており、登録人B,Dは、Aを知人として登録しており、A,D及びB,Cは共通する知人を登録しているといった感じである。
【0021】
登録人は、IDを入力して検索行為を行うことができる。図4を参照しつつ説明する。
ステップS1では、一の登録人(つまり検索者)は、端末を利用してサーバの検索画面から検索対象者の所定事項、例えば、弁護士を探している際には弁護士などと入力し、サーバに送信する。
尚、検索用のインターフェース画面は、特に図示しないが、年齢、職種、専門などの所定項目に区分けされた上、その中に登録時に使用した検索用語(弁護士・建築士など)が格納されており、プルダウンメニューにて表示選択できるようになっている。また、検索項目はAND、OR検索など従来公知の検索方法で行えるようになっている。
【0022】
ステップS2では、検索手段によって、送信された検索項目に従い、人脈データベースの人脈を辿って該当する検索対象者を探し、探し出された結果は、検索者から1人又は複数の知人を介して検索対象者に繋がる一連の人脈繋がり結果としてハードディスクやRAMなどに記憶される。この検索手段は、検索者の直接の知人(検索者が登録した知人)を出発点として、その知人から知人へと繋がっている部分のみを辿って検索する。例えば、図3の例では、検索者A→直接知人B→検索対象者、検索者A→直接知人D→検索対象者、検索者A→直接知人F→間接知人G→検索対象者という3つのルートの人脈繋がり結果が得られる。
【0023】
ステップS3では、検索対象者が存在したか否かを判断する。検索対象者がいなければ、その結果を端末に送信し、再度、検索を実行するか否かを促し、再検索要求があればステップS2へ戻り、再要求がなければ終了する。一方、検索対象者が存在すれば、ステップS4へ移行する。
【0024】
ステップS4では、ルート数判別手段によって、人脈繋がりが1本のルートか複数のルートかを判断する。検索の結果、人脈繋がりが単一の場合には、ステップS6に移行し、複数のルートの場合には、ステップS5へ移行する。
【0025】
ステップS5では、並替手段によって、複数の人脈繋がりを並び替える。この並び替えは、人脈繋がり中に介在する知人(介在知人)が最も少ないものを第1の基準とし、次に、登録した知人の信頼度の高いものを第2の基準として行われる。例えば、図3の例で、A→B→検索対象者、A→D→検索対象者、A→F→G→検索対象者という3つのルートの人脈繋がり結果が得られた際、並替手段は、まず、第1に介在知人の少ないA→B→検索対象者、A→D→検索対象者をA→F→G→検索対象の上位にし、更に、記憶装置を参照して、BとDの信頼度を対比して両者の並び順位を決定する。仮にDがBより信頼度が高い場合には、A→D→検索対象者を最上位に、A→B→検索対象者、A→F→G→検索対象者の順にソートされる。
【0026】
ステップS6では、結果送信手段によって、検索結果を検索者の端末に人脈繋がりに存する全員を匿名で送信する。
例えば、検索者が日本太郎で、その知人Xが特許次郎、その知人Yが商標花子、検索対象者が意匠梅子であった場合、「日本太郎→知人X→知人Y→検索対象者」などのように人脈繋がりの各人を匿名で表示する。尚、ステップS5で複数ルートの人脈繋がりがあると判断された場合には、並び替えられた順序で、且つ全ての人脈繋がりを匿名で表示する。このように匿名で表示することにより、検索者に、検索対象者がヒットしたことは認識されるが、具体的な名前までは判らないため、各人のプライバシーや自由意思が尊重される。
【0027】
検索者が紹介を希望する旨の送信がなされると、ステップS7では、人脈確認手段によって、まず検索対象者に、人脈繋がりの可否を確認する。具体的には、例えば検索対象者(弁護士)に、例えば「Z氏の知人が弁護士を探しています。Z氏を介してあなたに人脈が繋がりました。OKしますか?」などのように、自分自身の紹介を承諾するか断るかの確認を行う。この確認は、好ましくは検索対象者の端末に対して行われ、電子メールなどによって通知される。また、この通知には、検索対象者の判断に資するため、検索対象者の直接知人のみ実名が表示されるようになっている。具体的には、例えば、検索者が日本太郎、その直接知人Xが特許次郎、Xの直接知人Yが商標花子、検索対象者が意匠梅子であった場合、「検索者→知人X→商標花子→意匠梅子」というように表示される。そして、検索対象者は、サーバにアクセスして、承諾又は非承諾を入力し、承諾されると、ステップS8へ、非承諾の場合には、検索者の端末に「人脈は途中で切断しました」旨の通知を行い、検索システムを終了する。
尚、人脈繋がりが複数ルート得られた場合には、並替手段によって順位付けされたうちから最上位の人脈繋がりに対して、この確認処理が実行されるように人脈確認手段を構成してもよいが、全てのルート又は検索者が選択した複数のルートに対して確認処理を並行して実行するように構成されていることが好ましい。1つの人脈繋がりルートにのみ確認処理を行った場合には、介在者のうちの1人が人脈繋がりを否定すると、もはやシステムが終了するか或いは検索を再度行わなければならないが、確認処理を複数のルートに対して並行して行うことにより、1つのルートを確認する場合に比して、何れかのルートで人脈繋がりが成立する蓋然性が高まり、検索者の時間的なロスを省くことができるからである。また、人脈繋がりの成立するルートが同時に複数得られることもあり、成立した人脈繋がりルートのうち、どのルートで紹介を受けるかを検索者が選択できるというメリットもある。
【0028】
次に、ステップS8では、人脈確認手段によって、検索対象者の直接知人に対し、同様の可否を確認する。即ち、検索対象者の直接知人の端末に、承諾の有無を確認する。この際、判断に資するため、検索対象者の直接知人の直接知人のみ実名で表示されるようになっている。具体的には、例えば、検索者が日本太郎、その直接知人Xが特許次郎、Xの直接知人Yが商標花子、検索対象者が意匠梅子であった場合、「検索者→特許次郎→商標花子→意匠梅子」というように表示される。
そして、検索対象者の知人が承諾すると、人脈繋がり中に未確認の介在者(知人)がいる場合には、この残る人物に対し、検索者側へ順次遡りながら確認し、これを繰り返す(ステップ9)。人脈繋がり中の各人全員が承諾すると、人脈繋がりが成立し、ステップ10へ移行する。
尚、検索対象者や介在者が、サーバにアクセスせず、そのまま放置することも考えられるので、確認メールなどを送信したにも拘わらず一定期間(例えば3日など)放置されると、非承諾として扱う時限処理がプログラムされている。
【0029】
ステップS10では、結果表示手段によって、検索者の端末に、人脈繋がり中に存在する全ての人物の実名が表示され、これに従い、検索者は、直接知人から人脈繋がりに介在する知人を経由して検索対象者の紹介を受けることができる。
このように、本実施形態1によれば、検索結果、人脈繋がりが得られた場合でも、直ぐに検索者に人脈繋がりに存する各人の実名が認識されることなく、又、人脈を繋げるか否かの確認を検索対象者から実行するため、紹介の当事者となる検索対象者が気兼ねなく断ることができる。また、確認の際には、前後の者の実名が表示されるので、誰から誰への繋がりを把握することができ、悪戯目的や虚偽の登録で各人に不測の不利益を与える虞がない。
【0030】
<実施形態2>
本実施形態2は、実施形態1の変形例である。上記実施形態1では、ステップS7の人脈確認手段で先ず検索対象者に可否を確認し、その後、順次検索者側へと確認を実行するものであるが、本実施形態2の人脈確認手段は、人脈繋がり中に存在する各人(検索対象者及び1人又は複数の知人)の全員に対して、並行(一斉)に確認処理を実行するものである。具体的には、例えば、検索者→知人X→知人Y→検索対象者という人脈繋がりの場合、ステップS6で検索者の紹介要求があると、知人X、知人Y、検索対象者のそれぞれについて一斉に人脈確認手段が実行される。そして、各人のうち少なくとも1人が人脈繋がりを断った又は放置した場合には、人脈繋がりは結局成立せず、検索システムは終了する。このように人脈繋がり中の各人に一斉に確認処理を行うことにより、確認作業に要する時間を短縮することができる。
尚、実施形態1のように順次実行するか、本実施形態2のように並行して実行するかを、検索者が選択できるように構成されていてもよく、この場合、ステップS6に於いて、検索者にそれを選択するようにプログラムすればよい。
【0031】
<実施形態3>
上記実施形態1では、検索の結果、ステップS4で人脈繋がりが複数のルートがあると判断された場合、ステップS5の並替手段で順位付けされるものであるが、本実施形態3では、図5に示すように、このステップS4で人脈繋がりルートが複数あると判断された場合、ルート絞込み手段が挿入されている。
【0032】
ステップS11では、ルート絞込み手段によって、複数のルート毎に、人脈繋がり中の各人のうちから無作為又は作為的に選ばれた人に対して、人脈繋がりの可否を確認する。具体的には、例えば、A(検索者)→B→C→D(検索対象者)、A→E→F、A→G→H→I、A→J→K→L→M→Nなどのように複数の人脈繋がりルートが検索された場合、ルート絞込み手段は、各ルートの人脈繋がり中に存在する人物のうちから何れかをサーバが無作為に選び(例えば、B、F、H、K、Lなど)、この者に対して電子メールなどで自身の知人を知っているかなどの確認を並行して実行する。この確認処理は、上述の人脈確認手段と同様の手法で行えばよい。
そして、全てのルートで人脈繋がりが否定されると、その旨を検索者に送信してシステムを終了する。何れかのルートで人脈繋がりが承認されると、承認されたルートはいくつあるのかを判断し(ステップS4’)、1つのルートしか承認されなかった場合にはステップS6へ、複数のルートが承認された場合には、ステップS5でそれらをソートし、そして、実施形態1又は2と同様の処理を行う。
【0033】
本実施形態3は、検索後に、まず確認処理を行うので、人脈繋がりが成立する可能性がないルートを予め振るい落とすことができる。従って、その後のステップS8で確認処理を行う際に、人脈繋がりが成立する可能性を高めることができ、特に、人脈データベースが巨大化して極めて多くのルートが検出された場合に有意義である。
尚、この絞込み手段を実行するか否かを検索者が選択できるように構成されていてもよく、この場合、ステップS4とステップS11の間に、それを検索者が選択できるようなインターフェース画面を表示するなどのようなプログラムを挿入すればよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る人脈検索システムは、検索者が人脈データベースを利用し、知人を介して検索対象者を検索した後、該検索対象者から介在知人を介して検索者側へと順次人脈繋がりの承諾を確認するため、紹介の当事者となる検索対象者などの自由意思を尊重できる。
従って、検索対象者や介在者が本心から紹介したい思う場合にのみ、人脈繋がりが成立し、この人的繋がりを辿ることにより検索者は円滑な紹介を受けることができる。
【0035】
また、結果送信手段が、検索者の端末に人脈繋がり中の検索対象者及び全ての介在知人を匿名で表示するので、検索者に具体的に誰が介在しているのか認識されず、人脈繋がり中の検索対象者及び介在知人は、検索者などに気兼ねすることなく人脈繋がりを否定することもできる。従って、人脈繋がり中に存する検索対象者及び全ての介在知人の自由意思をより尊重することができる。また、悪戯目的などで登録された人の個人情報が検索者に認識される虞もない。
【0036】
さらに、人脈確認手段が、人脈繋がり中に存在する検索対象者及び介在知人の端末を通じて行われると共に、検索対象者及び全ての介在知人の端末にその人に直接繋がる知人のみを実名で表示するので、誰を紹介するのか又は誰から紹介を受けているのかを認識することができる。
【0037】
また、検索手段によって複数ルートの人脈繋がりが得られた場合に、人脈確認手段が、全てのルートに対して並行して行われるように構成された人脈検索システムは、人脈繋がりが成立する蓋然性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人脈検索システムを示す概略図。
【図2】同概念図。
【図3】本発明の人脈データベースに於ける人脈関係を示す概念図。
【図4】実施形態1の処理手順を示すフローチャート図。
【図5】実施形態3の処理手順を示すフローチャート図。
【符号の説明】
1…人脈検索システム、2…サーバ、3…端末
Claims (3)
- 知人から知人へと繋がっている人脈を辿って、検索者が所望の検索対象者を探し、知人を通じて紹介を受けるために利用される人脈検索システムであって、
サーバと、前記サーバに送受信可能な端末とからなり、
前記サーバは、複数の登録人及びその知人の所定事項を記憶して人脈ネットワークデータベースを構築する人脈記憶手段と、
一の登録人を検索者とした場合、その検索者の端末を通じて前記サーバに検索項目が送信されることにより、前記人脈ネットワークデータベースに記憶された登録人及びその知人の所定事項の中から前記検索項目に該当する検索対象者を探すと共に、前記人脈ネットワークデータベースの複数の登録人及びその知人の中から、検索者と検索対象者の間に繋がる介在知人を検索し、検索者から介在知人を介して検索対象者まで繋がる一連の人脈繋がりを記憶装置に記憶する検索手段と、
前記検索者の端末に対し、前記記憶装置に記憶した人脈繋がりの中の検索対象者及び全ての介在知人を匿名で表示する結果送信手段と、
前記人脈繋がりの中の検索対象者の端末に、前記記憶装置に記憶した人脈繋がりに基づいて検索対象者と直接繋がる介在知人を紹介者として承諾するか否かを確認するための電子メールを送受信装置によって送り、前記検索対象者の端末から承諾の旨がサーバに入力された場合、該検索対象者と直接繋がる介在知人の端末に、前記記憶装置に記憶した人脈繋がりに基づいてその介在知人と直接繋がる介在知人を紹介者として承諾するか否かを確認する電子メールを送受信装置によって送り、前記電子メールを受けた介在知人の端末から承諾の旨がサーバに入力された場合、同様の処理を検索者と直接繋がる介在知人にまで順次遡って行う人脈確認手段と、
前記検索対象者及び全ての介在知人の承諾の旨がサーバに入力された場合、検索者の端末に対し、前記検索対象者及び全ての介在知人の実名を表示する結果表示手段と、
を有することを特徴とする人脈検索システム。 - 前記人脈確認手段が、検索対象者及び介在知人の端末に電子メールを送信する際に、その人に直接繋がる介在知人のみを実名で表示する請求項1記載の人脈検索システム。
- 前記検索手段に於いて複数ルートの人脈繋がりが得られた場合に、
前記人脈確認手段は、全てのルートに対して並行して行われる請求項1又は2記載の人脈検索システム。
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