JP3756353B2 - 半導体素子駆動回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばゲートターンオフ・サイリスタ(以下GTOと略す)などの電力用の半導体素子のオン・オフを制御する半導体素子駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、GTOを主開閉素子として用いたインバータ装置においては、当該GTOおよびこれと逆並列に接続したダイオードとからなるGTO回路に流れる負荷電流が、インバータ出力の半サイクル期間で負の方向から正の方向に移り変わる時点で、GTOにオンゲート信号を供給する必要がある。その場合、GTOに流れる負荷電流の正、負方向を任意の時点で判別するのが面倒なため、ゲート回路にパルストランスを用いる従来のオンゲート制御装置では、インバータ出力の半サイクル期間の全体にわたって高周波でパルストランスの1次側励磁回路を駆動して、当該パルストランスの2次側に連続的な交流矩形波を発生させ、それを整流して直流のオンゲート信号とし、それをGTOのゲート−カソード間に印加していた。このように半サイクルの期間、連続の直流信号によりオンゲート制御する方式を広幅パルス信号制御方式と称する。
【0003】
このような広幅パルス信号制御方式を行う従来の半導体素子駆動回路として、例えば特開昭60−137126号公報に示された、パルストランス式のオンゲート制御装置などがある。図15は上記従来のゲート制御装置の一例を示す回路図であり、GTOを主開閉用の半導体素子とし、そのGTOの駆動回路(ゲート回路)の広幅パルス信号制御方式をパルストランスを用いて行うものである。
【0004】
図において、10は広幅オンゲート信号発生回路であり、20は単一パルスのオーバードライブ信号およびオフゲート信号を発生する単一パルスゲート信号発生回路である。7はインバータ装置の主開閉素子として用いられるGTO、8はこのGTO7に逆極性で並列接続されたダイオード、9aはコンデンサ、9bは抵抗である。これらコンデンサ9a、抵抗9bと、広幅オンゲート信号発生回路10、および単一パルスゲート信号発生回路20の出力端は、GTO7のゲート−カソード間にそれぞれ並列接続されている。Eはこのパルストランス方式オンゲート制御装置に直流電力を供給する直流電源である。
【0005】
上記広幅オンゲート信号発生回路10内において、11はパルストランスであり、12および13はトランジスタ、14および15は整流ダイオード、16は抵抗である。また、上記単一パルスゲート信号発生回路20内において、21はパルストランス、22および23はトランジスタであり、24はオフゲート用サイリスタ、25はオーバードライブ用サイリスタである。
【0006】
次に動作について説明する。
広幅オンゲート信号発生回路10におけるトランジスタ12,13を高周波で所要時間だけ交互にオン・オフ動作させて、パルストランス11の2次巻線に交流矩形波電圧を誘起させ、この電圧をダイオード14,15により整流して得た直流電圧を抵抗16を介してGTO7のゲート−カソード間に加える。この直流電圧は広幅オンゲート信号であり、インバータ出力の半サイクルの期間連続するので、GTOアームに流れる負荷電流の方向が正、負いずれの方向でもよく、負荷電流の方向判別を必要としない。
【0007】
また、単一パルスゲート信号発生回路20においては、トランジスタ22をオンさせて、パルストランス21の2次巻線に図示の・印の極性で誘起電圧を発生させ、この電圧をオーバードライブ用サイリスタ25を介して単一のオンゲートパルス(オーバードライブ用オンゲート信号)としてGTO7のゲート−カソード間に印加する。このオンゲートパルスはGTO7をオーバードライブするための信号である。次にトランジスタ23をオンさせて、パルストランス21の2次巻線に上記とは逆極性の誘起電圧を発生させ、この電圧をオフゲート用サイリスタ24を介して単一のオフゲートパルス(オフゲート信号)としてGTO7のゲート−カソード間に印加する。このオフゲートパルスはGTO7をオフさせるための信号である。
【0008】
ここで、図16は上記のようにしてGTO7に印加されるゲート信号の波形を示したものである。この図16におけるaは前記広幅オンゲート信号である。また、bはGTO7のゲートに入力される信号であり、この図16bのイは前述のオーバードライブ用オンゲート信号、ロはオフゲート信号の各波形である。さらに、図16のcは上記a,bの信号波形を合成した、図15に示すパルストランス方式オンゲート制御装置の出力信号波形である。
【0009】
なお、オンゲート制御装置(半導体素子駆動回路)としては、従来より図17に示すような回路方式も用いられている。図において、10は広幅オンゲート信号発生回路、20は単一パルスゲート信号発生回路、7はインバータ装置の主開閉素子として用いられるGTO、8はこのGTO7に逆極性で並列接続されたダイオードである。広幅オンゲート信号発生回路10、単一パルスゲート信号発生回路20の出力端は、GTO7のゲート−カソード間にそれぞれ並列接続されている。なお、図15に示すパルストランスを用いたオンゲート制御装置にあったコンデンサ9a、抵抗9bはゲートリードの配線インダクタンスによるゲート発生回路の電圧不安定を防止するものであり、この図17のオンゲート制御装置では表記しない。
【0010】
上記広幅オンゲート信号発生回路10内において、12aはオンゲート用スイッチ、16は抵抗であり、17は広幅オンゲート用電圧源、18はその平滑コンデンサである。また、単一パルスゲート信号発生回路20内において、22aはオーバードライブ用スイッチ、23aはオフゲート用スイッチ、26は抵抗であり、27はオーバードライブ用電圧源、28はその平滑コンデンサ、29はオフゲート用電圧源、30はその平滑コンデンサである。また、3aはGTO7のオン・オフ指令に従って、上記オンゲート用スイッチ12a、オーバードライブ用スイッチ22a、およびオフゲート用スイッチ23aを制御するための指令信号を生成する指令信号生成回路である。
【0011】
次に動作について説明する。
指令信号生成回路3aからの指令信号に基づいて、広幅オンゲート信号発生回路10内のオンゲート用スイッチ12aを所要時間だけオン動作させ、広幅オンゲート用電圧源17からの直流電圧をGTO7のゲート−カソード間に加える。この直流電圧は広幅オンゲート信号であり、インバータ出力の半サイクルの期間連続するので、GTOアームに流れる負荷電流の方向が正、負いずれの方向でもよく、負荷電流の方向判別を必要としない。
【0012】
また、単一パルスゲート信号発生回路20においては、オーバードライブ用スイッチ22aをオンさせて、オーバードライブ電圧源27の電圧を単一のオンゲートパルスとしてGTO7のゲート−カソード間に加える。このオンゲートパルスはGTO7をオーバードライブするためのオーバードライブ用オンゲート信号である。次にオフゲート用スイッチ23aをオンさせて、オフゲート電圧源29の電圧を単一のオフゲートパルスとしてGTO7のゲート−カソード間に加える。このオフゲートパルスはGTO7をオフさせるためのオフゲート信号である。なお、その際の信号波形は図16に示したパルストランスを用いた場合と同じになる。
【0013】
ここで、このような広幅パルス信号制御方式ではインバータ出力の半サイクルの期間連続する広幅オンゲート信号をGTO7に加えるようになっているので、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で、高価となる欠点があった。図18は、上記特開昭60−137126号公報に示された、そのような従来のパルストランスを用いた広幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置の改良例を示す回路図である。
【0014】
図において、7はGTO、8はダイオードであり、1はGTO7のアノード−カソード間の電圧レベルを判別する電圧レベル判別回路、2は信号遅延回路、3はゲート制御信号、4はアンド回路、5はゲート回路である。上記電圧レベル判別回路1内にて、1aは定電圧ダイオード、1b,1c,1fは抵抗、1dはトランジスタ、1eはそのバイアス電源、1gはダイオードである。また信号遅延回路2内にて、2aはアンド機能を有する集積回路、2b,2cは抵抗、2dはコンデンサ、2e,2f,2g,2hはダイオードである。さらに、ゲート回路5内の5a,5bはトランジスタ、5cはパルストランス、5dはゲート電源である。
【0015】
電圧レベル判別回路1はGTO7のアノード−カソード間電圧レベルが所定のレベルよりも高いか低いかを判別して、ハイ(H)またはロウ(L)レベルの判別信号を出力する。すなわち、GTO7がオフ状態にあってそのアノード−カソード間電圧か定電圧ダイオード1aのツェナー電圧よりも高い場合には、トランジスタ1dのバイアス電源1eより抵抗1b−定電圧ダイオード1a−抵抗1cを通って電流が流れ、トランジスタ1dがオンになって抵抗1fの両端からHレベルの出力信号が得られる。また、GTO7がオフ状態にあってそのアノード−カソード間電圧が定電圧ダイオード1aのツェナー電圧よりも低い場合には、バイアス電源1eよりGTO7−ダイオード1g−抵抗1cを通って電流が流れ、抵抗1bには電流が流れない。従って、トランジスタ1dはオフになって抵抗1fの両端からLレベルの出力信号が得られる。
【0016】
信号遅延回路2は電圧レベル判別回路1の出力信号を受けて、上記各レベルの判別信号をそれぞれ異なる所定の時間遅延させて出力する。すなわち、アンド機能を有する集積回路2aはそれに設定されたスレッシュホールド電圧に対する、電圧レベル判定回路1の出力信号レベルの高低に応じてHまたはLレベルの信号を出力する。信号入力がHレベルからLレベルに変化する場合には、抵抗2cおよびコンデンサ2dによる時定数によって定まる所定の時間だけHレベルの入力信号を遅延させて信号出力端より出力する。また信号入力レベルがLレベルからHレベルに変化する場合には、抵抗2bおよびコンデンサ2dによる時定数によって定まる所定の時間だけLレベルの入力信号を遅延させて信号出力端より出力する。
【0017】
また、ゲート制御信号3は図示しない指令回路から与えられるGTO7のオン・オフ動作期間を指令制御するための信号であり、アンド回路4はこのゲート制御信号3および上記信号遅延回路2の出力信号を入力信号として、それらの論理積を演算する。ゲート回路5は1次巻線の電流が断続するパルストランス5cを備えて、当該パルストランス5cの2次巻線よりGTO7にオンゲート信号を供給する。このゲート回路5は図15に示したゲート信号発生回路20から、オフゲート用サイリスタ24、およびオーバードライブ用サイリスタ25を除去したものに相当する。図示のオンゲート信号入力端にアンド回路4よりの信号を受けるとトランジスタ5aがオンになり、パルストランス5cの2次側よりオンゲート信号が出力されてGTO7にゲートに加えられる。また、オフゲート信号入力端にアンド回路4よりの信号を受けるとトランジスタ5bがオンになり、パルストランス5cの2次側よりオフゲート信号が出力されてGTO7のゲートに加えられる。
【0018】
次にその動作について図19を用いて説明する。
ここで、図19は図18に示したパルストランスを用いる狭幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置の動作を説明するための波形図である。この図19のVはGTO7のアノード−カソード間電圧の一例を示したもので、この電圧はGTO7のオフ時にはHレベル、オン時にはLレベルとなる。
【0019】
図19の▲1▼はこのアノード−カソード間電圧Vを受けて電圧レベル判別回路1より出力される信号を示したもので、この信号もGTO7のオフ時にはHレベル、オン時にはLレベルとなる。この信号▲1▼を受ける信号遅延回路2は、信号▲1▼のレベルがHからLに変わるときにはHレベルの信号を所定の時間(この例では略10μs)遅延させ、逆にLからHに変わるときにはLレベルの信号を所定の時間t(略30μs)遅延させて出力させる作用をする。このような遅延作用により、信号遅延回路2からは図19の▲2▼に示すような波形の信号が出力されて、アンド回路4の一方の入力となる。
【0020】
図19の▲3▼は図示しない指令回路からインバータ出力の周期に対応してアンド回路4の他方の入力端に与えられ、図18に符号3を付して示した広幅のゲート制御信号である。この信号▲3▼のHレベルはGTO7のオン期間を指令し、LレベルはGTO7のオフ期間を指令するものである。この信号▲3▼のHレベルの信号がアンド回路4に印加されると、一方の入力端に信号遅延回路2より信号▲2▼のHレベルの信号を受けているアンド回路4からは、図19の▲4▼に示した信号の最初のパルスが出力されてゲート回路5を駆動する。この信号▲4▼の最初のパルスで駆動されたゲート回路5からは、図19の▲5▼に示したオンゲート信号の最初のパルスが出力され、GTO7はこの信号▲5▼の最初のパルスによってオン動作する。これによって、電圧レベル判別回路1の出力信号▲1▼がLレベルとなり、それより略10μs遅れて信号遅延回路2の出力信号▲2▼がLレベルとなる。従って、アンド回路4の出力信号▲4▼もLレベルとなる、その結果、信号▲4▼のHレベル信号は時間幅略10μsの狭幅信号となり、ゲート回路5よりGTO7に出力されるオンゲート信号▲5▼も同様な狭幅信号となる。
【0021】
ここで、前述のGTO7に流れていた電流が、GTO7の保持電流以下になった場合にはGTO7はオフになる。図19の信号▲1▼における第2番目のHレベルは、このGTO7のオフにより生じた例を示したものである。信号▲1▼のレベルがLからHに変化すると、信号▲2▼のレベルは信号▲1▼よりも略30μs遅れてLからHに変化する。従って、アンド回路4からは信号▲4▼の第2番目のHレベルの信号が出力され、これによって、ゲート回路5より信号▲5▼の第2番目のオンゲート信号が出力されてGTO7をオン動作させる。その結果、略10μs遅れて信号▲2▼がLレベルとなる。従って、信号▲4▼、および信号▲5▼の第2番目のHレベルの信号も、最初のHレベルと同様に、略10μsの時間幅の狭幅信号となる。この信号▲5▼で駆動されてオンになったGTO7は、オンゲート信号がなくなったときアノード電流がGTO7の保持電流以下であれば再びオフになる。
【0022】
以後、上述の信号▲5▼の第2番目のHレベルの信号が得られたときと同様な動作で、第3番目のHレベルのオンゲート信号が得られる。そして、GTO7のアノード電流がたとえ保持電流以下になっても、信号▲5▼のオンゲート信号が印加される限りはGTO7はオン動作を継続する。
【0023】
次に上述の信号▲1▼〜信号▲5▼とGTO7のオン・オフ動作との関係を理解しやすくするために、上述の各信号と関連させてインバータ装置におけるGTO回路に流れる電流の一例を示した図19の▲6▼について説明する。この電流▲6▼のうちの正方向の電流がGTO7に流れる電流であり、負方向の電流はGTO7に逆並列に接続されたダイオード8に流れる電流である。図の横方向の破線hはGTO7の保持電流レベルを示したもので、このレベル以下ではオンゲート信号が印加されない限りGTO7はオフになる。
【0024】
なお、GTO7のオフゲート制御は、従来のパルストランスを用いた広幅パルス信号制御方式のゲート制御装置の場合と同様の手段で行われる。すなわち、図18のトランジスタ5bのべースに、図16の信号bのロのごときオフゲート信号を加えることによって行われる。
【0025】
上記動作説明からも理解されるように、この狭幅パルス信号制御方式によるオンゲート制御装置では、図19の信号▲5▼の狭幅オンゲート信号は、少なくとも信号▲1▼のLレベルがHレベルに変わるときの信号遅延時間t(ここでは30μs)に相当する時間だけ間隔をおいて生ずるように設定されている。すなわち、従来のパルストランスを用いる広幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置に比べ、制御に有する消費電力が数分の一に低減され装置が小型化される。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体素子駆動回路(オンゲート制御装置)は以上のように構成されているので、図15に示すパルストランスを用いた広幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置では、インバータ出力の半サイクルの期間、連続する広幅のオンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、オンゲート制御装置が大型で、高価となるという課題があった。
【0027】
同様に、図17に示した広幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置でも、インバータ出力の半サイクル期間、連続する広幅のオンゲート信号をGTO7に加えるようになっているので、ゲート回路の消費電力が大きく、オンゲート制御装置が大型で、高価となるという課題があった。
【0028】
また、図18に示すパルストランスを用いた狭幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置においては、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れる期間は、オンゲート信号を出力しないので消費電力が少なくなり効率的になるが、電圧レベル判別回路1がGTO7のアノード−カソード間電圧を監視する必要があるため、GTO7のオフ期間にはインバータの直流電圧に対する耐圧が必要となり、特に電圧レベル判別回路1内のダイオード1gに十分な耐圧を必要とするため、ダイオード1gが大型となり、その結果、電圧レベル判別回路1自身が大型となって高価となるばかりか、オンゲート信号をパルス状にするためにGTO7のゲートラッチに期待する回路方式となるため、高耐圧回路や高信頼性回路には不向きであるなどの課題があった。
【0029】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な回路で、アノード・エミッタショート型GTOを用いたGTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTOに逆並列接続されたダイオードに電流が流れる期間に、オンゲート信号を出力しない、またはオンゲート信号によるゲート電流値を減少させてオンゲート用スイッチで発生する損失を減少させることができ、ゲート回路の消費電力が小さく、オンゲート制御装置(半導体素子駆動回路)の小型化、低価格化が可能で、高信頼性が期待される回路にも向いた、半導体素子駆動回路を得ることを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体素子駆動回路は、広幅オンゲート信号発生回路と、単一パルスゲート信号発生回路とを有し、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路にてGTOのゲート−カソード間電圧レベルが所定のレベルより高いか低いかを判別してHまたはLレベルの判別信号を出力し、オンGTOの広幅オンゲート指令信号とゲート−カソード間電圧レベル判別回路の出力とを入力とする第1のアンド回路で、指令信号生成回路からの広幅オンゲート指令信号がオン時でかつ、GTO回路のGTOに逆並列接続したダイオードに電流が流れるのをゲート−カソード間電圧レベル判別回路が判別したとき、広幅オンゲート信号発生回路をオフさせるとともに、GTOのゲート−カソード間にアノード・エミッタショート型GTOを用いたGTO回路に流れる電流の負方向期間が終了する際、ゲート−カソード間の電圧差をなくすためのプルアップ抵抗を備え、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTOに逆並列接続されたダイオードに電流が流れる期間、広幅オンゲート信号発生回路で発生する損失を減少させることができるようにしたものである。
【0031】
この発明に係る半導体素子駆動回路は、広幅オンゲート信号発生回路と、単一パルスゲート信号発生回路とを有し、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路にてGTOのゲート−カソード間電圧レベルが所定のレベルより高いか低いかを判別してHまたはLレベルの判別信号を出力し、オンGTOの広幅オンゲート指令信号とゲート−カソード間電圧レベル判別回路の出力とを入力とする第1のアンド回路で、指令信号生成回路からの広幅オンゲート指令信号がオン時でかつ、GTO回路のGTOに逆並列接続したダイオードに電流が流れるのをゲート−カソード間電圧レベル判別回路が判別したとき、広幅オンゲート信号発生回路をオフさせるとともに、広幅オンゲート信号発生回路のオンゲート用スイッチに第1のバイパス抵抗を並列に接続して、そのオンゲート用スイッチに流れる電流をバイパスさせて、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTOに逆並列接続されたダイオードに電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路で発生する損失を減少させることができるようにしたものである。
【0032】
この発明に係る半導体素子駆動回路は、オンゲート用スイッチに第1のバイパス抵抗が並列に接続された広幅オンゲート信号発生回路と、GTO回路のGTOのゲートとの間に、指令信号生成回路からの広幅オンゲート指令信号と同期してオン・オフするゲート電流遮断用スイッチを直列に接続して、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTOに逆並列接続されたダイオードに電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路で発生する損失を減少させることができるようにしたものである。
【0033】
この発明に係る半導体素子駆動回路は、広幅オンゲート信号発生回路のオンゲート用スイッチに並列接続されて、そこに流れる電流をバイパスさせる第1のバイパス抵抗に、指令信号生成回路からの広幅オンゲート指令信号と同期してオン・オフする第1のバイパス用スイッチを直列に接続して、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTOに逆並列接続されたダイオードに電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路で発生する損失を減少させることができるようにしたものである。
【0034】
この発明に係る半導体素子駆動回路は、広幅オンゲート信号発生回路のオンゲート用スイッチに並列接続され第1のバイパス抵抗に直列に接続された第1のバイパス用スイッチを、一方の入力である広幅オンゲート指令信号がオンでかつ、もう一方の入力である第1のアンド回路の出力が広幅オンゲート信号発生回路をオフさせる出力である場合に、第1のバイパス用スイッチにオン信号を出力するアンド機能を持った第2のアンド回路によって制御することにより、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTOに逆並列接続されたダイオードに電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路で発生する損失を減少させることができるようにしたものである。
【0035】
この発明に係る半導体素子駆動回路は、広幅オンゲート信号発生回路と、単一パルスゲート信号発生回路とを有し、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路にてGTOのゲート−カソード間電圧レベルが所定のレベルより高いか低いかを判別してHまたはLレベルの判別信号を出力し、オンGTOの広幅オンゲート指令信号とゲート−カソード間電圧レベル判別回路の出力とを入力とする第1のアンド回路で、指令信号生成回路からの広幅オンゲート指令信号がオン時でかつ、GTO回路のGTOに逆並列接続したダイオードに電流が流れるのをゲート−カソード間電圧レベル判別回路が判別したとき、広幅オンゲート信号発生回路をオフさせるとともに、第2のバイパス抵抗と第2のバイパス用スイッチとの直列接続体を、GTOのゲート−カソード間に並列に接続し、この第2のバイパス用スイッチを、一方の入力である広幅オンゲート指令信号がオンでかつ、もう一方の入力である第1のアンド回路の出力が広幅オンゲート信号発生回路をオフさせる信号であった場合に、第2のバイパス用スイッチにオン信号を出力するアンド機能を持った第2のアンド回路にて制御することにより、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTOに逆並列接続されたダイオードに電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路で発生する損失を減少させることができるようにしたものである。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による半導体素子駆動回路の構成を示す回路図である。図において、7はこの半導体素子駆動回路にて駆動制御される半導体素子であり、ここではインバータ装置の主開閉素子として用いられるGTOが例示されている。8はこのGTO7に逆極性で並列に接続されたダイオードであり、上記GTO7とこのダイオード8とでGTO回路を構成している。10はこのGTO7のゲート−カソード間に印加する広幅オンゲート信号を発生する広幅オンゲート信号発生回路である。20はGTO7のゲート−カソード間に印加するオーバードライブ信号、およびオフゲート信号を発生する単一パルスゲート信号発生回路である。
【0037】
上記広幅オンゲート信号発生回路10内において、17は広幅オンゲート信号用の直流電圧を生成する広幅オンゲート用電圧源であり、18はこの広幅オンゲート用電圧源17からの直流電圧を平滑化する平滑コンデンサである。12aは所要時間だけオン動作して、広幅オンゲート用電圧源17からの直流電圧より広幅オンゲート信号を生成するオンゲート用スイッチであり、16はこのオンゲート用スイッチ12aと広幅オンゲート用電圧源17、平滑コンデンサ18との間に接続された抵抗である。
【0038】
また、単一パルスゲート信号発生回路20内において、27は単一パルスによるオーバードライブ信号用の直流電圧を生成するオーバードライブ用電圧源、28はこのオーバードライブ用電圧源27からの直流電圧を平滑化する平滑コンデンサであり、22aはオーバードライブ用電圧源27からの直流電圧のオン・オフを行って、単一パルスのオーバードライブ信号を生成するオーバードライブ用スイッチ、26はこのオーバードライブ用スイッチ22aとオーバードライブ用電圧源27、平滑コンデンサ28との間に接続された抵抗である。29は単一パルスによるオフゲート信号用の直流電圧を生成するオフゲート用電圧源、30はこのオフゲート用電圧源29からの直流電圧を平滑化する平滑コンデンサであり、23aはオフゲート用電圧源29からの直流電圧のオン・オフを行って、単一パルスのオフゲート信号を生成するオフゲート用スイッチである。50は上記オーバードライブ用スイッチ22a、抵抗26、オーバードライブ用電圧源27、平滑コンデンサ28よりなるオーバードライブ信号発生回路であり、60は上記オフゲート用スイッチ23a、オフゲート用電圧源29、平滑コンデンサ30よりなるオフゲート信号発生回路である。
【0039】
また、3aはGTO7のオン・オフ指令に従って、上記オンゲート用スイッチ12a、オーバードライブ用スイッチ22a、およびオフゲート用スイッチ23aを制御するための指令信号を生成する指令信号生成回路である。41はGTO7のゲート−カソード間の電圧を監視し、所定のレベルより高いか低いかを判別して、HまたはLレベルの判別信号を出力するゲート−カソード間電圧レベル判別回路である。42は指令信号生成回路3aからのオンGTOの広幅オンゲート指令信号と、前記ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力とを入力とし、広幅オンゲート指令信号がオン時でかつ、GTO回路のGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れるのをゲート−カソード間電圧レベル判別回路41が判別したとき、広幅オンゲート信号発生回路10のオンゲート用スイッチ12aをオフさせる信号を出力するアンド機能を持った第1のアンド回路42である。9cはGTO回路に流れる電流の負方向期間が終了する際、ゲート−カソード間の電圧差をなくすためにゲート−カソード間に並列接続されたプルアップ抵抗である。
【0040】
次に動作について説明する。
ここで、この実施の形態1による半導体素子駆動回路の動作を説明するための波形図を図2に示す。図2のaはGTO回路の電流波形の一例を示したものである。この電流波形a中の破線部は図中に表されないインバータの他のGTO回路に流れる電流である。また、電流波形aの正側部分の電流はGTO回路のGTO7がアノードからカソードにインバータ電流を流していることを表し、負側部分はGTO回路のダイオード8がアノードからカソードにインバータ電流を流していることを表している。また図2のb,c,dは図1の指令信号生成回路3aより出力される各指令信号にあたる各ゲート信号発生回路のオン・オフ指令信号である。この指令信号bは第1のアンド回路42を介してオンゲート用スイッチ12aを制御し、広幅オンゲート信号発生回路10を動作させるためのもととなる広幅オンゲート指令信号である。指令信号cはオーバードライブ用スイッチ22aを制御して、単一パルスによるGTO7のオーバードライブ信号発生回路50を動作させるオーバードライブ指令信号である。指令信号dはオフゲート用スイッチ23aを制御して、オフゲート信号発生回路60を動作させるオフゲート指令信号である。なお、図1に示すオンゲート用スイッチ12a、オーバードライブ用スイッチ22a、およびオフゲート用スイッチ23aは全てロウアクティブで動作するようになっている。
【0041】
図2に示す時刻t0においては、GTO回路を動作させる広幅オンゲート指令信号bはHレベルとなっている。その時、オーバードライブ指令信号cもHレベルとなっているため、オーバードライブ信号発生回路50はオフとなり、オフゲート信号dはLレベルなので、オフゲート信号発生回路60がオンとなっている。従って、図2に示すGTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29からの直流電圧で逆バイアスされ、スレッシュホールド電圧hよりも低くなる。そのため、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベルとなり、よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなる。この第1のアンド回路42の出力gのHレベルによってオンゲート用スイッチ12aが制御され、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0042】
時刻t1において、GTO回路を動作させる広幅オンゲート信号b、およびオーバードライブ指令信号cがLレベルになる。オーバードライブ指令信号cがLレベルになると、オーバードライブ信号発生回路50がオンになり、そのときオフゲート指令信号dはHレベルになるので、オフゲート信号発生回路60がオフとなる。GTO回路では図2のaに示すように、GTO7側に電流が流れているので、GTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分だけ正方向に順バイアスされて、スレッシュホールド電圧hよりも高くなる。従って、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルとなり、よって第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなる。この第1のアンド回路42の出力gのLレベルによってオンゲート用スイッチ12aが制御され、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作になる。
【0043】
時刻t2になると、GTO回路を動作させる広幅オンゲート指令信号bはLレベルであるが、オーバードライブ指令信号cはHレベルとなる。オーバードライブ指令信号cがHレベルになると、オーバードライブ信号発生回路50はオフとなる。なお、オフゲート指令信号dはHレベルなのでオフゲート信号発生回路60はオフする。そのとき、GTO回路ではGTO7側に電流が流れているので、この期間もGTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分だけ正方向に順バイアスされて、スレッシュホールド電圧hよりも高くなっている。従って、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルとなり、第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなる。この第1のアンド回路42の出力gのLレベルによって広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作になり、GTO7のオンを維持するゲート電流IgがGTO7のゲートに供給される。
【0044】
時刻t3においては、GTO回路を動作させる広幅オンゲート指令信号bがHレベルとなり、オーバードライブ指令信号cはHレベルを維持している。このオーバードライブ指令信号cのHレベルによって、オーバードライブ信号発生回路50はオフとなる。また、オフゲート指令信号dはLレベルとなるのでオフゲート信号発生回路60はオンする。従って、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされるため、スレッシュホールド電圧hよりも低くなり、GTO7はオフ動作に入る。これによって、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベル、第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなって、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0045】
時刻t3から時刻t4への期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t4においてGTO7のオフ動作は完了し、以後時刻t5までの間、ゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0046】
時刻t5ではGTO回路の電流aが正方向であるので、この電流aの方向が負方向に変化する時刻t7に到達する前までの間、再び時刻t1から時刻t3と同様の動作を繰り返す。時刻t7付近においてゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fは、ダイオード8に電流が流れはじめてからわずかな時間差をもたせて時刻t7でHレベルになる。このようにする理由は、実際にはGTO回路のGTO7側の電流とダイオード8側の電流がクロスする付近の電圧が不安定になるおそれがあるため、スレッシュホールド電圧hをダイオード8側に電流が流れ始めてダイオード8の順方向オン電圧が確立する程度のマイナス電圧に設定したほうがよいためである。また、実際にはこのスレッシュホールド電圧hにはヒステリシスを持たせた方がよい。よって、この時刻t7において第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0047】
時刻t8に至るまでのGTO7のゲート−カソード間電圧eについては、オフゲート用スイッチ23aが理想スイッチであれば、オンゲート用スイッチ12aが切り離されるので、GTO7のゲート−カソード間の電圧はプルアップ抵抗9cによりカソード電位まで引き上げられようとするが、カソード電位まで引き上げられて、再び広幅オンゲート信号発生回路10がオンしようとすると、GTO7のアノードショート部に流れている電流によりアノードショート部の順方向オン電圧が上昇し、再び広幅オンゲート信号発生回路10がオフになる動作を繰り返し、GTO7のゲート−カソード間電圧eは時刻t8に至るまでの期間、スレッシュホールド電圧hで固定されるようになる。
【0048】
時刻t8から時刻t9までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t9でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t10までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0049】
時刻t10においてはGTO回路の電流aが負方向となっているが、この時刻t10から時刻t11では再び時刻t1から時刻t2と同様の動作を繰り返す。なお、時刻t10になると、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせて、ゲート−カソード間電圧eをスレッシュホールド電圧hに固定しておく。この期間は広幅オンゲート指令信号bがHレベルになる時刻t12まで継続する。このようにゲート−カソード間電圧eをスレッシュホールド電圧hに固定しておくのは、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用し、当該スイッチの両端に寄生する容量により発生するプルアップ抵抗9cとの時定数分の動作遅延されないようにするためである。
【0050】
時刻t12から時刻t13までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t13にてGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t14までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0051】
時刻t14においてもGTO回路の電流aは負方向であり、この時刻t14から時刻t15までの期間では時刻t10から時刻t11と同様の動作を繰り返す。なお、時刻t14になると、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用し、その両端に寄生する容量により発生するプルアップ抵抗9cとの時定数分の動作遅延されないように行うために、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを時刻t16までスレッシュホールド電圧hで固定しておく。
【0052】
時刻t16はGTO回路の電流aの方向が負から正に切り替わるときであり、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41のスレッシュホールド電圧hをマイナスにしておくことにより、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fに、ダイオード8に電流が流れ終わる前にわずかな時間差をもたせることができ、時刻t16においてゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fをLレベル、第1のアンド回路42の出力gをLレベルにし、広幅オンゲート信号発生回路10をオン動作にして、GTO7の正方向電流を流すためのオン定常ゲート信号として待機するようになる。よって時刻t16から時刻t17までの期間は、GTO7はオン動作をすることになる。
【0053】
時刻t17から時刻t18までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t18にてGTO7のオフ動作が完了し、以後、ゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0054】
以上のように、この実施の形態1によれば、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路10で発生する損失をなくすことができるようになるため、図15に示した従来のGTOのパルストランス方式のオンゲート制御装置における、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅オンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、同様に、図17に示す従来のオンゲート制御装置についても、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅のオンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、また、図18に示す従来の狭幅パルス信号制御方式トランス方式のオンゲート制御装置による電圧レベル判別回路における、アノード−カソード間電圧を監視するためにGTOオフ期間にはインバータの直流電圧に対する耐圧が必要なり、特に判別回路1内のダイオード1gが耐圧を必要となるという課題を解消することが可能となるなどの効果が得られ、また広幅式広幅オンゲート信号発生回路の安定性をもつ理想的な回路が実現できる。
【0055】
実施の形態2.
次にこの発明の実施の形態2について説明する。
図3はこの発明の実施の形態2による半導体素子駆動回路の構成を示す回路図である。図において、7は半導体素子としてのGTO、8はこのGTO7とGTO回路を構成しているダイオードである。10はオンゲート用スイッチ12a、抵抗16、広幅オンゲート用電圧源17、および平滑コンデンサ18よりなる広幅オンゲート信号発生回路である。20はオーバードライブ用スイッチ22a、抵抗26、オーバードライブ用電圧源27、平滑コンデンサ28を備えたオーバードライブ信号発生回路50と、オフゲート用スイッチ23a、オフゲート電圧源29、平滑コンデンサ30を備えたオフゲート信号発生回路60よりなる単一パルスゲート信号発生回路である。
【0056】
また、3aはGTO7のオン・オフ指令に応じた指令信号を生成する指令信号生成回路であり、41はGTO7のゲート−カソード間の電圧が所定のレベルより高いか低いかを判別するゲート−カソード間電圧レベル判別回路、42は広幅オンゲート指令信号がオンであり、かつGTO回路のダイオード8に電流が流れるのが検出された場合に、オンゲート用スイッチ12aをオフさせる第1のアンド回路である。なお、これら各部は、図1に同一符号を付して示した実施の形態1のそれらと同等の部分である。
【0057】
43はオンゲート用スイッチ12aに並列接続された第1のバイパス抵抗であり、オンゲート用スイッチ12aがオフした後に、抵抗16とこの第1のバイパス抵抗43の直列接続体によりオンゲート用電圧源17を利用して、GTO7のゲートに微少電流を流すようにするためのものである。なお、この実施の形態2の半導体素子駆動回路では、GTO7のゲート−カソード間には、GTO回路に流れる電流の負方向期間が終了する際に、GTO7のゲート−カソード間の電圧差をなくすためのプルアップ抵抗9cは並列に接続されていない。このように、この実施の形態2の半導体素子駆動回路は、プルアップ抵抗9cを省き、オンゲート用スイッチ12aに第1のバイパス抵抗43を並列に接続している点で、実施の形態1のそれとは異なっている。
【0058】
次に動作について説明する。
ここで、この実施の形態2による半導体素子駆動回路の動作を説明するための波形図を図4に示す。図4のaはGTO回路の電流波形の一例を示したものである。この電流波形a中の破線部は図中に表されないインバータの他のGTO回路に流れる電流である。また、電流aの正側部分はGTO回路のGTO7がアノードからカソードにインバータ電流を流していることを表し、負側部分はGTO回路のダイオード8がアノードからカソードにインバータ電流を流していることを表している。図4のb,c,dは図3の指令信号生成回路3aから送出される各ゲート信号発生回路のオン・オフ指令信号であり、bは広幅オンゲート信号発生回路10を動作させるためのもととなる広幅オンゲート指令信号、cは単一パルスによるGTO7のオーバードライブ信号発生回路50を動作させるオーバードライブ指令信号、dはオフゲート信号発生回路60を動作させるオフゲート指令信号である。また、図3に示すオンゲート用スイッチ12a、オーバードライブ用スイッチ22a、オフゲート用スイッチ23aは全てロウアクティブで動作するようになっている。
【0059】
図4の時刻t0においては、広幅オンゲート指令信号bはHレベル、オーバードライブ指令信号cもHレベルであり、このオーバードライブ指令信号cのHレベルによって、オーバードライブ信号発生回路50がオフとなる。そのときオフゲート指令信号dがLレベルなので、オフゲート信号発生回路60し、オンとなっている。従って、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされて、スレッシュホールド電圧hよりも低くなる。そのため、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベルとなり、よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなる。これによりオンゲート用スイッチ12aがオフとなり、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0060】
時刻t1において、広幅オンゲート指令信号bとオーバードライブ指令信号cがLレベルになり、このオーバードライブ指令信号cのLレベルによって、オーバードライブ信号発生回路50がオンとなる。そのときオフゲート信号指令dがHレベルになるのでオフゲート信号発生回路60がオフとなる。GTO回路では図2のaのように、GTO7側に電流が流れているので、GTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分だけ正方向に順バイアスされて、スレッシュホールド電圧hよりも高くなる。従って、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルとなるため、第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなる。これによりオンゲート用スイッチ12aがオンとなり、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作になる。
【0061】
時刻t2になると、広幅オンゲート指令信号bはLレベルであるが、オーバードライブ指令信号cはHレベルとなる。オーバードライブ指令信号cがHレベルになると、オーバードライブ信号発生回路50はオフとなる。なお、オフゲート指令信号dはHレベルのままなのでオフゲート信号発生回路60はオフとなっている。そのとき、GTO回路ではGTO7側に電流が流れているので、この期間もGTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分だけ正方向に順バイアスされて、スレッシュホールド電圧hよりも高くなる。従って、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fと、第1のアンド回路42の出力gはともにLレベルとなる。この第1のアンド回路42の出力gのLレベルによって広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作になり、GTO7のオンを維持するゲート電流IgがGTO7のゲートに供給される。
【0062】
時刻t3においては、広幅オンゲート指令信号bがHレベルとなり、オーバードライブ指令信号cはHレベルをそのまま維持している。このオーバードライブ指令信号cのHレベルによって、オーバードライブ信号発生回路50はオフのままとなる。また、オフゲート指令信号dはLレベルとなるのでオフゲート信号発生回路60はオンする。従って、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされて、スレッシュホールド電圧hよりも低くなり、GTO7はオフ動作に入る。これにより、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベル、第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなって、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0063】
時刻t3から時刻t4への期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t4においてGTO7のオフ動作は完了し、以後時刻t5までの間、ゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0064】
時刻t5においてはGTO回路の電流aが正の方向であるので、再び時刻1から時刻t3と同様な動作を時刻t7に到達する前まで繰り返す。時刻t7付近においてゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fは、ダイオード8に電流が流れはじめてからわずかな時間差をもたせ、時刻t7でHレベルになる。このようにする理由は、実際にはスレッシュホールド電圧hをGTO回路のGTO7側の電流とダイオード8側の電流がクロスする付近の電圧が不安定になるおそれがあるため、ダイオード8側に電流が流れ始めてダイオード8の順方向オン電圧が確立する程度のマイナス電圧に設定したほうがよいためである。よって、この時刻t7において第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0065】
次に時刻t8に至るまでの動作について説明する。ここで、図5はGTOの内部モデルと回路モデルを示した説明図であり、同図のa1は重金属ドープ型GTOの内部モデルを、a2は重金属ドープ型GTOの回路モデルを示しており、同図のb1はアノード・エミッタショート型GTOの内部モデルを、b2はアノード・エミッタショート型GTOの回路モデルを示している。また、図6はGTO回路のダイオード8に電流が流れて順方向オン電圧が発生したときの回路図を示している。この図6において、7aはアノード・エミッタショート型のGTO7のアノード−ゲート間に寄生するダイオード、8aはダイオード8に電流が流れたときに発生する順方向オン電圧、23bはオフゲート用スイッチ23aに寄生する容量である。
【0066】
この発明は、特にアノード・エミッタショート型GTOに関するものであるため、その内部モデルは図5のb1に示す通りであり、GTO7のアノードAとゲートGとの間には逆並列にダイオードが寄生しているため、回路図モデルは図5のb2のように表される。ここで、GTO7のアノードAを基準にすると、ダイオード8の順方向オン電圧8aの電圧値をVF1、オンゲート用電圧源17の電圧値をV2、GTO7のアノードA−ゲートG間に寄生するダイオード7aの順方向オン電圧値をVF3とし、抵抗16の抵抗値をR1、第1のバイパス抵抗43の抵抗値をR2とすると、Ig=(VF1+V2−VF3)/(R1+R2)で決まる電流がGTO7のゲートよりアノードヘ流れる。この電流は通常のゲート電流Ig=V2/R1より低く、例えば1/100程度に設定するので、この期間の広幅オンゲート信号発生回路10の発生ロスは極小になる。これより、時刻t8に至るまでのゲート−カソード間電圧eについては−(VF1−VF3)が発生することになる。
【0067】
なお、この実施の形態2において、実施の形態1の場合のように、広幅オンゲート信号発生回路10をGTO回路のダイオード8側に電流が流れる際に完全にオフしないのは次の理由からである。すなわち、上記図6に示すオフゲート用スイッチ23aに、例えばFET等を使用した場合、このオフゲート用スイッチ23aの両端に寄生する容量23bが、オフゲート信号発生回路60がオンの期間中にオフゲート電圧源29の電圧まで充電されていた電圧よりダイオード8に電流が流れる際に発生する順方向オン電圧8a分だけ減少し、再充電しないとGTO7のゲート電圧が負電圧のままになってしまうためであり、実施の形態1のようにカソード電位より充電するよりも、オンゲート電圧源29の電圧より充電した方が遅延せずにすむからである。
【0068】
時刻t8から時刻t9までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t9でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t10までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0069】
時刻t11においてはGTO回路の電流aが負方向であるが、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合に、当該スイッチの両端に寄生する容量23bにより発生する、抵抗16と第1のバイパス抵抗43の時定数分の動作遅延されないように行うためには、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを−(VF1−VF3)にしておく。
【0070】
時刻t12から時刻t13までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t13でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t14までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0071】
時刻t14においてもGTO回路の電流aが負方向であるが、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合に、当該スイッチの両端に寄生する容量23bにより発生する、抵抗16と第1のバイパス抵抗43の時定数分の動作遅延されないように行うためには、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを−(VF1−VF3)にしておく。
【0072】
時刻t16はGTO回路の電流aの方向が負から正に切り替わるときであり、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41のスレッシュホールド電圧hをマイナスにしておくことにより、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fに、ダイオード8に電流が流れ終わる前にわずかな時間差をもたせることができ、時刻t16においてゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fをLレベル、第1のアンド回路42の出力gをLレベルにし、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作にして、GTO7の正方向電流を流すためのオン定常ゲート信号として待機するようになり、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合の当該スイッチの両端に寄生する容量23bを急速に充電する。よって時刻t16から時刻t17までの期間は、GTO7はオン動作をすることになる。
【0073】
時刻t17から時刻t18までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t18でGTO7のオフ動作が完了し、以後、ゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0074】
以上のように、この実施の形態2においても、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路10で発生する損失をなくすことができるようになるため、図15に示した従来のGTOのパルストランス方式のオンゲート制御装置における、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅オンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、同様に、図17に示す従来のオンゲート制御装置についても、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅のオンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、また、図18に示す従来の狭幅パルス信号制御方式トランス方式のオンゲート制御装置による電圧レベル判別回路における、アノード−カソード間電圧を監視するためにGTOオフ期間にはインバータの直流電圧に対する耐圧が必要になり、特に判別回路1内のダイオード1gが耐圧を必要とするという課題を解消することが可能となるなどの効果が得られ、また広幅式広幅オンゲート信号発生回路の安定性をもつ理想的な回路が実現できる。
【0075】
実施の形態3.
次にこの発明の実施の形態3について説明する。
図7はこの発明の実施の形態3による半導体素子駆動回路の構成を示す回路図であり、実施の形態2の各部分に相当する部分には図3と同一符号を付してその説明を省略する。この実施の形態3による半導体素子駆動回路は実施の形態2の場合と同様に、オンゲート用スイッチ12aに第1のバイパス抵抗43を並列に接続しておき、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41でGTO7のゲート−カソード間電圧を監視し、広幅オンゲート指令信号がオンのときにGTO回路のGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れると、第1のアンド回路42の出力で広幅オンゲート信号発生回路10のオンゲート用スイッチ12aをオフさせ、オンゲート用スイッチ12aがオフした後に、抵抗16と第1のバイパス抵抗43の直列接続体を介してGTO7のゲートに微少電流を流し、アノード・エミッタショート型GTOを用いたGTO回路のGTO7に逆並列されたダイオード8に電流が流れる期間、広幅オンゲート信号発生回路10を動作させないようにする回路であるが、オンゲート用スイッチ12aには、さらにスイッチが直列に接続されている。
【0076】
図において、44がそのオンゲート用スイッチ12aに直列に接続されたゲート電流遮断用スイッチであり、指令信号生成回路3aからの広幅オンゲート指令信号に同期してオン・オフし、GTO7がオフしている期間に、オフゲート用スイッチ23aをオンさせるために広幅オンゲート信号発生回路10からオフゲート電圧源29に向かって流れる電流を遮断するためのものである。この実施の形態3の半導体素子駆動回路は、当該ゲート電流遮断用スイッチ44が設けられている点で実施の形態2とは異なっている。
【0077】
次に動作について説明する。
ここで、この実施の形態3による半導体素子駆動回路の動作波形も図4に示すものと同一になる。図4のaはGTO回路の電流波形の一例を示したもので、この電流波形a中の破線部は図中に表されないインバータの他のGTO回路に流れる電流を表し、正側部分はGTO回路のGTO7が、負側部分はGTO回路のダイオード8がそれぞれインバータ電流を流していることを表している。図4のb,c,dは図7の指令信号生成回路3aからの各ゲート信号発生回路のオン・オフ指令信号であり、bは広幅オンゲート指令信号、cはオーバードライブ指令信号、dはオフゲート指令信号である。また、図7に示すオンゲート用スイッチ12a、オーバードライブ用スイッチ22a、オフゲート用スイッチ23a、およびゲート電流遮断用スイッチ44は全てロウアクティブで動作するようになっている。
【0078】
図4の時刻t0においては、広幅オンゲート指令信号bがHレベルなのでゲート電流遮断用スイッチ44はオフとなり、オーバードライブ指令信号cもHレベルなのでオーバードライブ信号発生回路50もオフとなる。そのときオフゲート指令信号dがLレベルなのでオフゲート信号発生回路60はオンしている。従って、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされていてスレッシュホールド電圧hよりも低いために、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作している。
【0079】
時刻t1においては、広幅オンゲート指令信号bがLレベルになるのでゲート電流遮断用スイッチ44はオンとなり、オーバードライブ指令信号cもLレベルになり、オーバードライブ信号発生回路50もオンとなる。また、オフゲート指令信号dがHレベルになるのでオフゲート信号発生回路60がオフする。そのときGTO7側に電流が流れているので、GTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分だけ正方向に順バイアスされて、スレッシュホールド電圧hよりも高くなるため、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなって、オンゲート用スイッチ12aはオンとなり、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作している。
【0080】
時刻t2になると、広幅オンゲート指令信号bはLレベルのままであるが、オーバードライブ指令信号cはHレベルとなるため、ゲート電流遮断用スイッチ44はオンとなり、オーバードライブ信号発生回路50はオフとなる。また、オフゲート指令信号dはHレベルのままなのでオフゲート信号発生回路60はオフとなっている。そのときGTO7側に電流が流れているので、この期間もGTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分正方向に順バイアスされていて、スレッシュホールド電圧hよりも高いため、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルになる。よって第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなって、オンゲート用スイッチ12aはオンとなる。これにより、広幅オンゲート信号発生回路10がオン動作し、GTO7のゲートにゲート電流Igが供給され、GTO7のオンは維持される。
【0081】
時刻t3においては、広幅オンゲート指令信号bがHレベルになってゲート電流遮断用スイッチ44はオフとなり、オーバードライブ指令信号cはそのままHレベルであるためオーバードライブ信号発生回路50はオフとなる。また、オフゲート指令信号dはLレベルになるのでオフゲート信号発生回路60はオンとなる。そのため、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされてスレッシュホールド電圧hよりも低くなる。従って、GTO7はオフ動作に入り、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aもオフとなるため、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0082】
時刻t3から時刻t4までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t4でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t5までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0083】
時刻t5においてはGTO回路の電流aが正の方向であるので、再び時刻1から時刻t3と同様な動作を時刻t7に到達する前まで繰り返す。時刻t7付近においてゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fは、ダイオード8に電流が流れはじめてからわずかな時間差をもたせ、時刻t7でHレベルになる。このようにする理由は、実際にはスレッシュホールド電圧hをGTO回路のGTO7側の電流とダイオード8側の電流がクロスする付近の電圧が不安定になるおそれがあるため、ダイオード8側に電流が流れ始めてダイオード8の順方向オン電圧が確立する程度のマイナス電圧に設定したほうがよいためである。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aはオフとなって広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0084】
次に時刻t8に至るまでの動作について説明する。なお、図8はGTO回路のダイオード8に電流が流れて順方向オン電圧が発生したときの回路図を示しており、各部には図6の相当部分と同一の符号を付してその説明を省略する。この場合もアノード・エミッタショート型GTOに関するもので、GTO7の内部モデルは図5のb1に示す通りであり、そのアノードAとゲートGの間に逆並列にダイオードが寄生しているため、回路図モデルは図5のb2のように表される。GTO7のアノードAを基準にすると、ダイオード8の順方向オン電圧8aの電圧値をVF1、オンゲート用電圧源17の電圧値をV2、GTO7の寄生ダイオード7aの順方向オン電圧値をVF3とし、抵抗16の抵抗値をR1、第1のバイパス抵抗43の抵抗値をR2とすると、Ig=(VF1+V2−VF3)/(R1+R2)で決まる電流がGTO7のゲートよりアノードヘ流れる。この電流は通常のゲート電流Ig=V2/R1より低く、例えば1/100程度に設定するので、この期間の広幅オンゲート信号発生回路10の発生ロスは極小になる。これより、時刻t8に至るまでのゲート−カソード間電圧eについては−(VF1−VF3)が発生することになる。
【0085】
なお、この実施の形態3においては、実施の形態1の場合のように、広幅オンゲート信号発生回路10をダイオード8側に電流が流れる際に完全にオフしないのは、例えば図8に示すようにオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合、その両端に寄生する容量23bが、オフゲート信号発生回路60がオンの期間中にオフゲート電圧源29の電圧まで充電されていた電圧よりダイオード8に電流が流れる際に発生する順方向オン電圧8a分だけ減少し、再充電しないとゲート電圧が負電圧のままになってしまうためであり、実施の形態1のようにカソード電位より充電するよりも、オンゲート電圧源29の電圧より充電した方が遅延せずにすむからである。
【0086】
実施の形態2の半導体素子駆動回路では、GTO7がオフしている期間はオフゲート用スイッチ23aがオンするため、広幅オンゲート信号発生回路10からは電流がオフゲート用電圧源29に向かって流れることになり、それによる損失が抵抗16と第1のバイパス抵抗43に発生しているが、この実施の形態3のように、ゲート電流遮断用スイッチ44を設けることよって、その損失を抑えることが可能となる。
【0087】
時刻t8から時刻t9までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t9でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t10までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0088】
時刻t11においてはGTO回路の電流aが負方向であるが、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合に、当該スイッチの両端に寄生する容量23bにより発生する、抵抗16と第1のバイパス抵抗43の時定数分の動作遅延されないように行うためには、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを−(VF1−VF3)にしておく。またゲート電流遮断用スイッチ44をオンにして、GTO7のゲートに微少なゲート電流Igを流している。
【0089】
時刻t12から時刻t13までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t13でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t14までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0090】
時刻t14においてもGTO回路の電流aが負方向であるが、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合に、当該スイッチの両端に寄生する容量23bにより発生する、抵抗16と第1のバイパス抵抗43の時定数分の動作遅延されないように行うためには、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを−(VF1−VF3)にしておく。またゲート電流遮断用スイッチ44をオンにして、GTO7のゲートに微少なゲート電流Igを流している。
【0091】
時刻t16はGTO回路の電流aの方向が負から正に切り替わるときであり、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41のスレッシュホールド電圧hをマイナスにしておくことにより、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fに、ダイオード8に電流が流れ終わる前にわずかな時間差をもたせることができ、時刻t16でゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fをLレベル、第1のアンド回路42の出力gをLレベルにし、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作にして、GTO7の正方向電流を流すためのオン定常ゲート信号として待機するようになり、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合の当該スイッチの両端に寄生する容量23bを急速に充電する。これによって、時刻t16から時刻t17までの期間は、GTO7はオン動作をすることになる。
【0092】
時刻t17から時刻t18までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t18でGTO7のオフ動作が完了し、以後、ゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0093】
以上のように、この実施の形態3においても、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路10で発生する損失をなくすことができるようになるため、図15に示した従来のGTOのパルストランス方式のオンゲート制御装置における、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅オンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、同様に、図17に示す従来のオンゲート制御装置についても、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅のオンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、また、図18に示す従来の狭幅パルス信号制御方式トランス方式のオンゲート制御装置による電圧レベル判別回路における、アノード−カソード間電圧を監視するためにGTOオフ期間にはインバータの直流電圧に対する耐圧が必要になり、特に判別回路1内のダイオード1gが耐圧を必要とするという課題を解消することが可能となるなどの効果が得られ、また広幅式広幅オンゲート信号発生回路の安定性をもつ理想的な回路が実現できる。
【0094】
実施の形態4.
次にこの発明の実施の形態4について説明する。
図9はこの発明の実施の形態4による半導体素子駆動回路の構成を示す回路図であり、実施の形態2の各部分に相当する部分には図3と同一符号を付してその説明を省略する。この実施の形態4による半導体素子駆動回路は実施の形態2の場合と同様に、オンゲート用スイッチ12aに第1のバイパス抵抗43を並列に接続しておき、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41でGTO7のゲート−カソード間電圧を監視し、広幅オンゲート指令信号がオンのときにGTO回路のGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れると、第1のアンド回路42の出力で広幅オンゲート信号発生回路10のオンゲート用スイッチ12aをオフさせ、オンゲート用スイッチ12aがオフした後に、抵抗16と第1のバイパス抵抗43の直列接続体を介してGTO7のゲートに微少電流を流し、アノード・エミッタショート型GTOを用いたGTO回路のGTO7に逆並列されたダイオード8に電流が流れる期間、広幅オンゲート信号発生回路10を動作させないようにする回路であるが、オンゲート用スイッチ12aには第1のバイパス抵抗43とスイッチの直列接続体が並列に接続されている。
【0095】
図において、45がそのオンゲート用スイッチ12aに並列に接続された第1のバイパス抵抗43に直列接続された第1のバイパス用スイッチであり、指令信号生成回路3aからの広幅オンゲート指令信号に同期して動作し、オンゲート用電圧源17より抵抗16と第1のバイパス抵抗43との直列接続体を介してGTO7のゲートに流している微少電流をオン・オフするものである。この実施の形態4による半導体素子駆動回路は、この第1のバイパス用スイッチ45と第1のバイパス抵抗43との直列接続体がオンゲート用スイッチ12aに並列に接続されている点で実施の形態2とは異なっている。
【0096】
次に動作について説明する。
ここで、この実施の形態4による半導体素子駆動回路の動作波形も図4に示すものと同一になる。図4のaはGTO回路の電流波形の一例を示したもので、この電流波形a中の破線部は図中に表されないインバータの他のGTO回路に流れる電流を表し、正側部分はGTO回路のGTO7が、負側部分はGTO回路のダイオード8がそれぞれインバータ電流を流していることを表している。図4のb,c,dは図9の指令信号生成回路3aからの各ゲート信号発生回路のオン・オフ指令信号であり、bは広幅オンゲート指令信号、cはオーバードライブ指令信号、dはオフゲート指令信号である。また、図9に示すオンゲート用スイッチ12a、オーバードライブ用スイッチ22a、オフゲート用スイッチ23a、および第1のバイパス用スイッチ45は全てロウアクティブで動作するようになっている。
【0097】
図4の時刻t0においては、広幅オンゲート指令信号bがHレベルなので第1のバイパス用スイッチ45はオフとなり、オーバードライブ指令信号cもHレベルなのでオーバードライブ信号発生回路50もオフとなる。そのときオフゲート指令信号dはLレベルなのでオフゲート信号発生回路60はオンしている。従って、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされていてスレッシュホールドレベルhよりも低いために、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aおよび第1のバイパス用スイッチ45がともにオフとなって、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作している。
【0098】
時刻t1においては、広幅オンゲート指令信号bがLレベルになるので第1のバイパス用スイッチ45はオンとなり、オーバードライブ指令信号cもLレベルになってオーバードライブ信号発生回路50もオンとなる。また、オフゲート指令信号dがHレベルになるのでオフゲート信号発生回路60がオフする。そのときGTO7側に電流が流れているので、GTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分だけ正方向に順バイアスされて、スレッシュホールド電圧hよりも高くなるため、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなって、オンゲート用スイッチ12aはオンとなり、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作している。
【0099】
時刻t2になると、広幅オンゲート指令信号bはLレベルのままであるが、オーバードライブ指令信号cはHレベルとなるため、第1のバイパス用スイッチ45はオンとなり、オーバードライブ信号発生回路50はオフとなる。また、オフゲート指令信号dはHレベルのままなのでオフゲート信号発生回路60はオフとなっている。そのときGTO7側に電流が流れているので、この期間もGTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分正方向に順バイアスされていて、スレッシュホールド電圧hよりも高いため、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルになる。よって第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなって、オンゲート用スイッチ12aはオンとなる。これにより、広幅オンゲート信号発生回路10がオン動作し、GTO7のゲートにゲート電流Igが供給され、GTO7のオンは維持される。
【0100】
時刻t3においては、広幅オンゲート指令信号bがHレベルになって第1のバイパス用スイッチ45はオフとなり、オーバードライブ指令信号cはそのままHレベルであるためオーバードライブ信号発生回路50はオフとなる。また、オフゲート指令信号dはLレベルになるのでオフゲート信号発生回路60はオンとなる。そのため、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされてスレッシュホールド電圧hよりも低くなる。従って、GTO7はオフ動作に入り、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aもオフとなるため、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0101】
時刻t3から時刻t4までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t4でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t5までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0102】
時刻t5においては、GTO回路の電流aが正の方向であるので、再び時刻1から時刻t3と同様な動作を時刻t7に到達する前まで繰り返す。時刻t7付近においてゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fは、ダイオード8に電流が流れはじめてからわずかな時間差をもたせ、時刻t7でHレベルになる。このようにする理由は、実際にはスレッシュホールド電圧hをGTO回路のGTO7側の電流とダイオード8側の電流がクロスする付近の電圧が不安定になるおそれがあるため、ダイオード8側に電流が流れ始めてダイオード8の順方向オン電圧が確立する程度のマイナス電圧に設定したほうがよいためである。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aはオフとなって広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。なお、その時、第1のバイパス用スイッチ45はオンしているので、GTO7のゲートにはゲート電流Igとして微少電流が流れる。
【0103】
次に時刻t8に至るまでの動作について説明する。なお、図10はGTO回路のダイオード8に電流が流れて順方向オン電圧が発生したときの回路図を示しており、各部には図6の相当部分と同一の符号を付してその説明を省略する。この場合もアノード・エミッタショート型GTOに関するもので、GTO7部モデルは図5のb1に示す通りであり、そのアノードAとゲートGの間に逆並列にダイオードが寄生しているため、回路図モデルは図5のb2のように表される。GTO7のアノードAを基準にすると、ダイオード8の順方向オン電圧8aの電圧値をVF1、オンゲート用電圧源17の電圧値をV2、GTO7の寄生ダイオード7aの順方向オン電圧値をVF3とし、抵抗16の抵抗値をR1、第1のバイパス抵抗43の抵抗値をR2とすると、Ig=(VF1+V2−VF3)/(R1+R2)で決まる電流がGTO7のゲートよりアノードヘ流れる。この電流は通常のゲート電流Ig=V2/R1より低く、例えば1/100程度に設定するので、この期間の広幅オンゲート信号発生回路10の発生ロスは極小になる。これより、時刻t8に至るまでのゲート−カソード間電圧eについては−(VF1−VF3)が発生することになる。
【0104】
なお、この実施の形態4においては、実施の形態1の場合のように、広幅オンゲート信号発生回路10をダイオード8側に電流が流れる際に完全にオフしないのは、例えば図10に示すようにオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合、その両端に寄生する容量23bが、オフゲート信号発生回路60がオンの期間中にオフゲート電圧源29の電圧まで充電されていた電圧よりダイオード8に電流が流れる際に発生する順方向オン電圧8a分だけ減少し、再充電しないとゲート電圧が負電圧のままになってしまうためであり、実施の形態1のようにカソード電位より充電するよりも、オンゲート電圧源29の電圧より充電した方が遅延せずにすむからである。
【0105】
ここで、例えば上記実施の形態3の場合には、ゲート電流遮断用スイッチ44が広幅オンゲート信号発生回路10の出力に直列に接続されているので、それにFET等のスイッチング素子を利用した場合には、そのオン抵抗によって通常の広幅オンゲート信号出力の時のロスがその分だけ大きくなるが、この実施の形態4のように、第1のバイパス抵抗43と第1のバイパス用スイッチ45の直列接続体をオンゲート用スイッチ12aに並列に接続することにより、広幅オンゲート信号発生回路10の出力を直接GTO7のゲートに接続することができ、実施の形態3のゲート電流遮断用スイッチ44による損失を抑えることが可能となる。
【0106】
時刻t8から時刻t9までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t9でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t10までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0107】
時刻t11においてはGTO回路の電流aが負方向であるが、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合に、当該スイッチの両端に寄生する容量23bにより発生する、抵抗16と第1のバイパス抵抗43の時定数分の動作遅延されないように行うためには、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを−(VF1−VF3)にしておく。なお、その時、第1のバイパス用スイッチ45は広幅オンゲート指令信号bがLレベルであるためオンしており、GTO7のゲートにはゲート電流Igとして微少電流が流れる。
【0108】
時刻t12から時刻t13までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t13でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t14までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0109】
時刻t14においてもGTO回路の電流aが負方向であるが、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合に、当該スイッチの両端に寄生する容量23bにより発生する、抵抗16と第1のバイパス抵抗43の時定数分の動作遅延されないように行うためには、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを−(VF1−VF3)にしておく。なお、その時、第1のバイパス用スイッチ45は広幅オンゲート指令信号bがLレベルになるためオンとなり、GTO7のゲートにはゲート電流Igとして微少電流が流れる。
【0110】
時刻t16はGTO回路の電流aの方向が負から正に切り替わるときであり、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41のスレッシュホールド電圧hをマイナスにしておくことにより、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fに、ダイオード8へ電流が流れ終わる前にわずかな時間差をもたせることができ、時刻t16でゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力f、および第1のアンド回路42の出力gをLレベルにし、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作にして、GTO7の正方向電流を流すためのオン定常ゲート信号として待機するようになり、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合の当該スイッチの両端に寄生する容量23bを急速に充電する。これによって、時刻t16から時刻t17までの期間、GTO7はオン動作をすることになる。
【0111】
時刻t17から時刻t18までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t18でGTO7のオフ動作が完了し、以後、ゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0112】
以上のように、この実施の形態4においても、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路10で発生する損失をなくすことができるようになるため、図15に示した従来のGTOのパルストランス方式のオンゲート制御装置における、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅オンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、同様に、図17に示す従来のオンゲート制御装置についても、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅のオンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、また、図18に示す従来の狭幅パルス信号制御方式トランス方式ゲート制御装置による電圧レベル判別回路における、アノード−カソード間電圧を監視するためにGTOオフ期間にはインバータの直流電圧に対する耐圧が必要となり、特に判別回路1内のダイオード1gが耐圧を必要とするという課題を解消することが可能となるなどの効果が得られ、また広幅式広幅オンゲート信号発生回路の安定性をもつ理想的な回路が実現できる。
【0113】
実施の形態5
次にこの発明の実施の形態5について説明する。
図11はこの発明の実施の形態5による半導体素子駆動回路の構成を示す回路図であり、実施の形態4の各部分に相当する部分には図9と同一符号を付してその説明を省略する。この実施の形態5による半導体素子駆動回路は実施の形態4の場合と同様に、オンゲート用スイッチ12aに第1のバイパス抵抗43と第1のバイパス用スイッチ45の直列接続体を並列に接続しておき、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41でGTO7のゲート−カソード間電圧を監視し、広幅オンゲート指令信号がオンのときにGTO回路のGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れると、第1のアンド回路42の出力で広幅オンゲート信号発生回路10のオンゲート用スイッチ12aをオフさせ、オンゲート用スイッチ12aがオフした後に抵抗16と第1のバイパス抵抗43の直列接続体を介してGTO7のゲートに流す微少電流を第1のバイパス用スイッチ45でオン・オフし、アノード・エミッタショート型GTOを用いたGTO回路のGTO7に逆並列されたダイオード8に電流が流れる期間、広幅オンゲート信号発生回路10を動作させないようにする回路であるが、第1のバイパス抵抗43と直列接続された第1のバイパス用スイッチ45を指令信号生成回路3aからの広幅オンゲート指令信号にて直接制御せず、第1のアンド回路42の出力との論理積によって制御している。
【0114】
図において、46がその第1のバイパス抵抗43に直列接続された第1のバイパス用スイッチ45のオン・オフを制御する第2のアンド回路であり、第1のバイパス用スイッチ45をオンさせるために、第1のアンド回路42の出力と指令信号生成回路3aからの広幅オンゲート指令信号を入力とし、第1のアンド回路42の出力がオンゲート用スイッチ12aをオフさせる信号を出力し、かつ広幅オンゲート信号がGTO7をオンさせる信号を出力しているときに、第1のバイパス用スイッチ45をオンさせる出力になるアンド機能を持っている。この実施の形態5による半導体素子駆動回路は、この第2のアンド回路46の出力で第1のバイパス用スイッチ44のオン・オフを制御している点で実施の形態4とは異なっている。
【0115】
次に動作について説明する。
ここで、この実施の形態5による半導体素子駆動回路の動作を説明するための波形図を図12に示す。図12のaはGTO回路の電流波形の一例を示したものである。この電流波形a中の破線部は図中に表されないインバータの他のGTO回路に流れる電流である。また、電流aの正側部分はGTO回路のGTO7がアノードからカソードにインバータ電流を流していることを表し、負側部分はGTO回路のダイオード8がアノードからカソードにインバータ電流を流していることを表している。図12のb,c,dは図11の指令信号生成回路3aからの各ゲート信号発生回路のオン・オフ指令信号であり、bは広幅オンゲート信号発生回路10を動作させるためのもととなる広幅オンゲート指令信号、cは単一パルスによるGTO7のオーバードライブ信号発生回路50を動作させるオーバードライブ指令信号、dはオフゲート信号発生回路60を動作させるオフゲート指令信号である。また、図11に示すオンゲート用スイッチ12a、オーバードライブ用スイッチ22a、オフゲート用スイッチ23a、および第1のバイパス用スイッチ45は全てロウアクティブで動作するようになっている。
【0116】
図12の時刻t0においては、広幅オンゲート指令信号bおよびオーバードライブ指令信号cはともにHレベルとなっている。このオーバードライブ指令信号cのHレベルによって、オーバードライブ信号発生回路50はオフとなっている。そのときオフゲート指令信号dはLレベルなのでオフゲート信号発生回路60がオンしている。従って、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされてスレッシュホールド電圧hよりも低いために、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aはオフとなる。また、この時には広幅オンゲート指令信号bがHレベルであるため、第2のアンド回路46の出力iもHレベルになる。従って、第1のバイパス用スイッチ45もオフとなって広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作している。
【0117】
時刻t1においては、広幅オンゲート指令信号bとオーバードライブ指令信号cがともにLレベルになるので、オーバードライブ信号発生回路50はオーバードライブ指令信号cのLレベルによってオンになる。また、オフゲート指令信号dがHレベルになるのでオフゲート信号発生回路60がオフする。そのときGTO7側に電流が流れているので、GTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分だけ正方向に順バイアスされて、スレッシュホールド電圧hよりも高くなるため、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなって、オンゲート用スイッチ12aはオンとなり、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作している。
【0118】
時刻t2になると、広幅オンゲート指令信号bはLレベルのままであるが、オーバードライブ指令信号cはHレベルになる。このオーバードライブ指令信号cはHレベルによって、オーバードライブ信号発生回路50がオフとなる。また、オフゲート指令信号dはHレベルのままなのでオフゲート信号発生回路60がオフとなっている。そのときGTO7側に電流が流れているので、この期間もGTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分正方向に順バイアスされており、スレッシュホールド電圧hよりも高いため、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルになる。よって第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなって、オンゲート用スイッチ12aはオンとなる。これにより、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作し、GTO7のゲートにゲート電流Igが供給され、GTO7のオンは維持される。
【0119】
時刻t3においては、広幅オンゲート指令信号bがHレベルになり、オーバードライブ指令信号cはそのままHレベルを維持している。このオーバードライブ指令信号cのHレベルによってオーバードライブ信号発生回路50はオフのままとなる。また、オフゲート指令信号dはLレベルになるのでオフゲート信号発生回路60はオンとなる。そのため、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされてスレッシュホールド電圧hよりも低くなる。従って、GTO7はオフ動作に入り、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aもオフとなるため、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0120】
時刻t3から時刻t4までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t4でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t5までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0121】
時刻t5においては、GTO回路の電流aが正の方向であるので、再び時刻1から時刻t3と同様な動作を時刻t7に到達する前まで繰り返す。時刻t7付近においてゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fは、ダイオード8に電流が流れはじめてからわずかな時間差をもたせ、時刻t7でHレベルになる。このようにする理由は、実際にはスレッシュホールド電圧hをGTO回路のGTO7側の電流とダイオード8側の電流がクロスする付近の電圧が不安定になるおそれがあるため、ダイオード8側に電流が流れ始めてダイオード8の順方向オン電圧が確立する程度のマイナス電圧に設定したほうがよいためである。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aはオフとなって広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。なお、このときはじめて、第2のアンド回路46に入力されている第1のアンド回路42の出力gがHレベルとなり、指令信号生成回路3aからの広幅オンゲート指令信号bがLレベルとなるので、第2のアンド回路46の出力iはLレベルになる。そのため、これまでオフしていた第1のバイパス用スイッチ45がオンとなり、GTO7のゲートにはゲート電流Igとして微少電流が流れる。
【0122】
次に時刻t8に至るまでの動作について説明する。この場合もアノード・エミッタショート型GTOに関するもので、GTO7の内部モデルは図5のb1に示す通りであり、そのアノードAとゲートGの間に逆並列にダイオードが寄生しているため、回路図モデルは図5のb2のように表される。GTO7のアノードAを基準にすると、ダイオード8の順方向オン電圧8aの電圧値をVF1、オンゲート用電圧源17の電圧値をV2、GTO7の寄生ダイオード7aの順方向オン電圧値をVF3とし、抵抗16の抵抗値をR1、第1のバイパス抵抗43の抵抗値をR2とすると、Ig=(VF1+V2−VF3)/(R1+R2)で決まる電流がGTO7のゲートGよりアノードAヘ流れる。この電流は通常のゲート電流Ig=V2/R1より低く、例えば1/100程度に設定するので、この期間の広幅オンゲート信号発生回路10の発生ロスは極小になる。これより、時刻t8に至るまでのゲート−カソード間電圧eについては−(VF1−VF3)が発生することになる。
【0123】
なお、この実施の形態5においては、実施の形態1の場合のように、広幅オンゲート信号発生回路10をダイオード8側に電流が流れる際に完全にオフしないのは、例えば図10に示すようにオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合、その両端に寄生する容量23bが、オフゲート信号発生回路60がオンの期間中にオフゲート電圧源29の電圧まで充電されていた電圧よりダイオード8に電流が流れる際に発生する順方向オン電圧8a分だけ減少し、再充電しないとゲート電圧が負電圧のままになってしまうためであり、実施の形態1のようにカソード電位より充電するよりも、オンゲート電圧源29の電圧より充電した方が遅延せずにすむためである。
【0124】
ここで、上記実施の形態4の場合は、通常のGTO7のオン期間にGTO7のゲートに流れるゲート電流Igは、オンゲート用スイッチ12a側と第1のバイパス用スイッチ45側とに分流して流れているため、第1のバイパス用スイッチ45として電流容量に余裕を持ったスイッチ素子の選定が必要となるが、第2のアンド回路46を設けて第1のバイパス用スイッチ45を制御することにより、ダイオード8に電流が流れる期間だけを考慮すると、おおよそ実施の形態4の場合の半分の電流容量のスイッチ素子を選択できるようになる。
【0125】
時刻t8から時刻t9までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t9でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t10までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。また、このとき指令信号生成回路3aより第2のアンド回路46に入力されている広幅オンゲート指令信号bがHレベルとなっているので、第2のアンド回路46の出力はHレベルとなり、第1のバイパス用スイッチ45はオフとなる。
【0126】
時刻t11においてはGTO回路の電流aが負方向であるが、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合に、当該スイッチの両端に寄生する容量23bにより発生する、抵抗16と第1のバイパス抵抗43の時定数分の動作遅延されないように行うためには、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを−(VF1−VF3)にしておく。なお、その時、第2のアンド回路46に入力される広幅オンゲート指令信号bはLレベル、第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなる。従って、第2のアンド回路46の出力iはLレベル出力となって第1のバイパス用スイッチ45はオンとなり、GTO7のゲートにはゲート電流Igとして微少電流が流れる。
【0127】
時刻t12から時刻t13までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t13でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t14までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。またこの期間では、第2のアンド回路46に入力される広幅オンゲート指令信号bがHレベルとなるので、第2のアンド回路46の出力iはHレベルとなり、第1のバイパス用スイッチ45はオフする。
【0128】
時刻t14においてもGTO回路の電流aが負方向であるが、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合に、当該スイッチの両端に寄生する容量23bにより発生する、抵抗16と第1のバイパス抵抗43の時定数分の動作遅延されないように行うためには、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを−(VF1−VF3)にしておく。また、その時、第2のアンド回路46に入力される広幅オンゲート指令信号bがLレベル、第1のアンド回路42の出力gがHレベルとなるので、第2のアンド回路46の出力iはLレベルとなり、第1のバイパス用スイッチ45はオンして、GTO7のゲートにはゲート電流Igとして微少電流が流れる。
【0129】
時刻t16はGTO回路の電流aの方向が負から正に切り替わるときであり、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41のスレッシュホールド電圧hをマイナスにしておくことにより、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fに、ダイオード8に電流が流れ終わる前にわずかな時間差をもたせることができ、時刻t16でゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力f、および第1のアンド回路42の出力gをLレベルにし、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作にして、GTO7の正方向電流を流すためのオン定常ゲート信号として待機するようになり、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合の、当該スイッチの両端に寄生する容量23bを急速に充電する。これによって時刻t16から時刻t17までの期間、GTO7はオン動作をすることになる。また、その時、第2のアンド回路46に入力される広幅オンゲート指令信号bがLレベル、第1のアンド回路42の出力gがLレベルとなるので、第2のアンド回路46の出力iはHレベルとなり、第1のバイパス用スイッチ45はオフする。
【0130】
時刻t17から時刻t18までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t18でGTO7のオフ動作が完了し、以後、ゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0131】
以上のように、この実施の形態5においても、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路10で発生する損失をなくすことができるようになるため、図15に示した従来のGTOのパルストランス方式のオンゲート制御装置における、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅オンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、同様に、図17に示す従来のオンゲート制御装置についても、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅のオンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、また、図18に示す従来の狭幅パルス信号制御方式トランス方式ゲート制御装置による電圧レベル判別回路における、アノード−カソード間電圧を監視するためにGTOオフ期間にはインバータの直流電圧に対する耐圧が必要となり、特に判別回路1内のダイオード1gが耐圧を必要とするという課題を解消することが可能となるなどの効果が得られ、また広幅式広幅オンゲート信号発生回路の安定性をもつ理想的な回路が実現できる。
【0132】
実施の形態6.
次にこの発明の実施の形態6について説明する。
図13はこの発明の実施の形態6による半導体素子駆動回路の構成を示す回路図である。図において、7,8はGTO回路を構成しているGTOとダイオードであり、10はオンゲート用スイッチ12a、抵抗16、広幅オンゲート用電圧源17、および平滑コンデンサ18よりなる広幅オンゲート信号発生回路、20はオーバードライブ用スイッチ22a、抵抗26、オーバードライブ用電圧源27、平滑コンデンサ28を備えたオーバードライブ信号発生回路50と、オフゲート用スイッチ23a、オフゲート電圧源29、平滑コンデンサ30を備えたオフゲート信号発生回路60よりなる単一パルスゲート信号発生回路である。また、3aは指令信号生成回路、41はゲート−カソード間電圧レベル判別回路、42は第1のアンド回路である。なお、これら各部は、図1に同一符号を付して示した実施の形態1のそれらと同等の部分である。
【0133】
9dはGTO回路を形成しているGTO7のゲートとカソードの間に並列に接続される、GTO7のカソードからゲートへ流れる電流をバイパスさせるための第2のバイパス抵抗であり、47はこの第2のバイパス抵抗9dのGTO7のゲート−カソード間への並列接続をオン・オフする第2のバイパス用スイッチである。なお、46は図11に同一符号を付して示した実施の形態5におけるそれと同等のアンド機能を持ち、上記第2のバイパス用スイッチ47のオン・オフを制御する第2のアンド回路である。このように、この実施の形態6の半導体素子駆動回路は、プルアップ抵抗9cに代えて第2のバイパス抵抗9dと第2のバイパス用スイッチ47の直列接続体をGTO7のゲート−カソード間に並列に接続し、その第2のバイパス用スイッチ47のオン・オフを第2のアンド回路46で制御している点で、実施の形態1とは異なっている。
【0134】
次に動作について説明する。
ここで、この実施の形態6による半導体素子駆動回路の動作波形も図12に示すものと同一になる。図12のaはGTO回路の電流波形の一例を示したもので、この電流波形a中の破線部は図中に表されないインバータの他のGTO回路に流れる電流を表し、正側部分はGTO回路のGTO7が、負側部分はGTO回路のダイオード8がそれぞれインバータ電流を流していることを表している。図12のb,c,dは図13の指令信号生成回路3aからの各ゲート信号発生回路のオン・オフ指令信号であり、bは広幅オンゲート指令信号、cはオーバードライブ指令信号、dはオフゲート指令信号である。また、図13に示すオンゲート用スイッチ12a、オーバードライブ用スイッチ22a、オフゲート用スイッチ23a、および第2のバイパス用スイッチ47は全てロウアクティブで動作するようになっている。
【0135】
図12の時刻t0においては、広幅オンゲート指令信号bおよびオーバードライブ指令信号cはともにHレベルとなっている。このオーバードライブ指令信号cのHレベルによってオーバードライブ信号発生回路50はオフとなっている。そのときオフゲート指令信号dはLレベルなのでオフゲート信号発生回路60がオンしている。従って、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされてスレッシュホールド電圧hよりも低いために、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aはオフとなって、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作している。
【0136】
時刻t1においては、広幅オンゲート指令信号bとオーバードライブ指令信号cがともにLレベルになるので、オーバードライブ信号発生回路50はこのオーバードライブ指令信号cのLレベルによってオンになる。また、オフゲート指令信号dがHレベルになるのでオフゲート信号発生回路60がオフする。そのときGTO7側に電流が流れているので、GTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分だけ正方向に順バイアスされて、スレッシュホールド電圧hよりも高くなるため、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなって、オンゲート用スイッチ12aはオンとなり、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作している。
【0137】
時刻t2になると、広幅オンゲート指令信号bはLレベルのままであるが、オーバードライブ指令信号cはHレベルになる。このオーバードライブ指令信号cのHレベルによってオーバードライブ信号発生回路50がオフとなる。また、オフゲート指令信号dはHレベルのままなのでオフゲート信号発生回路60がオフとなっている。そのときGTO7側に電流が流れているので、この期間もGTO7のゲート−カソード間電圧eはゲート−カソード間のP−N接合部分の順方向オン電圧分正方向に順バイアスされており、スレッシュホールド電圧hよりも高いため、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはLレベルになる。よって第1のアンド回路42の出力gはLレベルとなって、オンゲート用スイッチ12aはオンとなる。これにより、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作し、GTO7のゲートにゲート電流Igが供給され、GTO7のオンは維持される。
【0138】
時刻t3においては、広幅オンゲート指令信号bがHレベルになり、オーバードライブ指令信号cはそのままHレベルを維持している。このオーバードライブ指令信号cのHレベルによって、オーバードライブ信号発生回路50はオフのままとなる。また、オフゲート指令信号dはLレベルになるのでオフゲート信号発生回路60はオンとなる。そのため、GTO7のゲート−カソード間電圧eはオフゲート用電圧源29の直流電圧で逆バイアスされてスレッシュホールド電圧hよりも低くなる。従って、GTO7はオフ動作に入り、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fはHレベルとなる。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aもオフとなるため、広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。
【0139】
時刻t3から時刻t4までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t4でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t5までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0140】
時刻t5においては、GTO回路の電流aが正の方向であるので、再び時刻1から時刻t3と同様な動作を時刻t7に到達する前まで繰り返す。時刻t7付近においてゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fは、ダイオード8に電流が流れはじめてからわずかな時間差をもたせ、時刻t7でHレベルになる。このようにする理由は、実際にはスレッシュホールド電圧hをGTO回路のGTO7側の電流とダイオード8側の電流がクロスする付近の電圧が不安定になるおそれがあるため、ダイオード8側に電流が流れ始めてダイオード8の順方向オン電圧が確立する程度のマイナス電圧に設定したほうがよいためである。よって第1のアンド回路42の出力gはHレベルとなり、オンゲート用スイッチ12aはオフとなって広幅オンゲート信号発生回路10はオフ動作になる。なお、このときはじめて、第2のアンド回路46に入力されている第1のアンド回路42の出力gがHレベルとなり、指令信号生成回路3aからの広幅オンゲート指令信号bがLレベルとなるので、第2のアンド回路46の出力iはLレベルになる。これによって、それまでオフしていた第2のバイパス用スイッチ47がオンとなって、GTO回路のGTO7に逆並列に接続したダイオード8の順方向オン電圧により、第2のバイパス抵抗9dを介してGTO7のカソードからの電流がバイパスされ、GTO7のゲートにはゲート電流Igとして微少電流が流れる。
【0141】
次に時刻t8に至るまでの動作について説明する。なお、図14はGTO回路のダイオード8に電流が流れて順方向オン電圧が発生したときの回路図を示しており、各部には図6の相当部分と同一の符号を付してその説明を省略する。この場合もアノード・エミッタショート型GTOに関するもので、GTO7の内部モデルは図5のb1に示す通りであり、そのアノードAとゲートGの間に逆並列にダイオードが寄生しているため、回路図モデルは図5のb2のように表される。GTO7のアノードAを基準にすると、ダイオード8の順方向オン電圧8aの電圧値をVF1、GTO7の寄生ダイオード7aの順方向オン電圧値をVF3とし、第2のバイパス抵抗9dの抵抗値をR3とすると、Ig=(VF1−VF3)/R3で決まる電流がGTO7のゲートGよりアノードAヘ流れる。この電流は通常のゲート電流Ig=V2/R1より低く、例えば1/100程度に設定するので、この期間の広幅オンゲート信号発生回路10の発生ロスは極小になる。これにより、時刻t8に至るまでのゲート−カソード間電圧eについては−(VF1−VF3)が発生することになる。
【0142】
このように、この実施の形態6においては、例えば図14に示すようにオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合、その両端に寄生する容量23bが、オフゲート信号発生回路60のオン期間中にオフゲート電圧源29の直流電圧まで充電されていた電圧よりダイオード8に電流が流れる際に発生する順方向オン電圧8a分だけ減少して、再充電しないとゲート電圧が負電圧のままになってしまうのを防止する際、実施の形態1で用いたプルアップ抵抗9cでは、抵抗値が高くないとオフ期間中にも損失が発生するのに対して、第2のアンド回路46の出力でオン・オフされる第2のバイパス用スイッチ47を設けることにより、第2のバイパス抵抗9dの抵抗値を低くすることを可能にし、オフゲート用スイッチ23aに寄生する容量23bの再充電のための遅延を防止している。
【0143】
時刻t8から時刻t9までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t9でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t10までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。また、このとき指令信号生成回路3aより第2のアンド回路46に入力されている広幅オンゲート指令信号bがHレベルとなっているので、第2のアンド回路46の出力iはHレベルとなり、第2のバイパス用スイッチ47はオフとなる。
【0144】
時刻t11においてはGTO回路の電流aが負方向であるが、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合に、当該スイッチの両端に寄生する容量23bにより発生する、抵抗16と第2のバイパス抵抗9dの時定数分の動作遅延されないように行うためには、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを−(VF1−VF3)にしておく。なお、その時、第2のアンド回路46に入力される広幅オンゲート指令信号bはLレベル、第1のアンド回路の出力gはHレベルとなる。従って、それらが入力される第2のアンド回路46の出力iはLレベルとなって第2のバイパス用スイッチ47はオンとなる。第2のバイパス用スイッチ47がオンすると、GTO回路のGTO7に逆並列に接続したダイオード8の順方向オン電圧8aによって、GTO7のゲートにはゲート電流Igとして微少電流が流れる。
【0145】
時刻t12から時刻t13までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t13でGTO7のオフ動作が完了し、以後時刻t14までの間はゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。またこの期間では、第2のアンド回路46に入力される広幅オンゲート指令信号bがHレベルとなるので、第2のアンド回路46の出力iはHレベルとなり、第2のバイパス用スイッチ47はオフする。
【0146】
時刻t14においてもGTO回路の電流aが負方向であるが、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41による電圧判別を、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合に、当該スイッチの両端に寄生する容量23bにより発生する、抵抗16と第2のバイパス抵抗9dの時定数分の動作遅延されないように行うためには、GTO7のオーバードライブ指令信号cをLレベルにしてオーバードライブ信号発生回路50をオンさせ、ゲート−カソード間電圧eを−(VF1−VF3)にしておく。また、その時、第2のアンド回路46に入力される広幅オンゲート指令信号bがLレベル、第1のアンド回路42の出力がHレベルとなるので、第2のアンド回路46の出力iはLレベルとなり、第2のバイパス用スイッチ47はオンして、GTO7のゲートにはゲート電流Igとして微少電流が流れる。
【0147】
時刻t16はGTO回路の電流aの方向が負から正に切り替わるときであり、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41のスレッシュホールド電圧hをマイナスにしておくことにより、ゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力fに、ダイオード8に電流が流れ終わる前にわずかな時間差をもたせることができ、時刻t16でゲート−カソード間電圧レベル判別回路41の出力f、および第1のアンド回路42の出力gをLレベルにし、広幅オンゲート信号発生回路10はオン動作にして、GTO7の正方向電流を流すためのオン定常ゲート信号として待機するようになり、例えばオフゲート用スイッチ23aにFET等を使用した場合の、当該スイッチの両端に寄生する容量23bを急速に充電する。これによって時刻t16から時刻t17までの期間、GTO7はオン動作をすることになる。また、その時、第2のアンド回路46に入力される広幅オンゲート指令信号bがLレベル、第1のアンド回路42の出力gがLレベルとなるので、第2のアンド回路46の出力iはHレベルとなり、第2のバイパス用スイッチ47はオフする。
【0148】
時刻t17から時刻t18までの期間は、GTO7をオフ動作させるためにゲート−カソード間のキャリアを抜く期間であり、時刻t18でGTO7のオフ動作が完了し、以後、ゲート電流IgはGTO7のオフ状態を維持するだけの微少電流しか流れていない。
【0149】
以上のように、この実施の形態5においても、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTO7に逆並列接続されたダイオード8に電流が流れる期間は、広幅オンゲート信号発生回路10で発生する損失をなくすことができるようになるため、図15に示した従来のGTOのパルストランス方式のオンゲート制御装置における、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅オンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、同様に、図17に示す従来のオンゲート制御装置についても、インバータ出力の半サイクル期間連続する広幅のオンゲート信号をGTO7に加えるようになっているため、ゲート回路の消費電力が大きく、ゲート制御装置が大型で高価になるという課題を解消することが可能となり、また、図18に示す従来の狭幅パルス信号制御方式トランス方式ゲート制御装置による電圧レベル判別回路における、アノード−カソード間電圧を監視するためにGTOオフ期間にはインバータの直流電圧に対する耐圧が必要になり、特に判別回路1内のダイオード1gが耐圧を必要とするという課題を解消することが可能となるなどの効果が得られ、また広幅式広幅オンゲート信号発生回路の安定性をもつ理想的な回路が実現できる。
【0150】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、GTOのゲートとカソードの間にプルアップ抵抗を接続するように構成したので、GTO回路に流れる電流の負方向期間が終了する際、GTOのゲート−カソード間の電位差がなくなるため、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTOに逆並列接続されたダイオードに電流が流れている期間は、オンゲート信号が出力されなくなってゲート電流値が減少し、オンゲート用スイッチで発生する損失をなくすことが可能になる効果がある。
【0151】
この発明によれば、オンゲート用スイッチに第1のバイパス抵抗を並列に接続するように構成したので、オンゲート用スイッチがオフした後、広幅オンゲート信号発生回路の抵抗とこのバイパス抵抗の直流接続体によって微少電流が流れ、GTO回路に流れる電流が負方向の場合、つまりGTOに逆並列接続されたダイオードに電流が流れている期間は、ゲート電流値が減少し、オンゲート用スイッチで発生する損失を少なくすることが可能となる効果がある。
【0152】
この発明によれば、オンゲート用スイッチに第1のバイパス抵抗を並列に接続するとともに、広幅オンゲート信号発生回路とGTOのゲートの間にゲート電流遮断用スイッチを直列に接続するように構成したので、オンゲート用スイッチで発生する損失を少なくすることが可能となるばかりか、GTOがオフしている期間にオフゲート用スイッチがオンするため、オンゲート信号発生回路からオフゲート電圧源に向かって流れる電流を遮断することによって、当該電流によって発生する広幅オンゲート信号発生回路の抵抗と第1のバイパス抵抗による損失を抑えることが可能になるなどの効果がある。
【0153】
この発明によれば、オンゲート用スイッチに第1のバイパス抵抗を並列に接続するとともに、この第1のバイパス抵抗に直列に第1のバイパス用スイッチを接続するように構成したので、オンゲート用スイッチで発生する損失を少なくすることが可能となるばかりか、オンゲート用スイッチがGTOのゲートに直接接続されるため、スイッチ素子としてFETスイッチ等を利用してもそのオン抵抗の影響はなくなり、通常のオンゲート信号電流によってこのFETスイッチ等のオン抵抗による損失をなくすことが可能になるなどの効果がある。
【0154】
この発明によれば、第1のバイパス抵抗と第1のバイパス用スイッチの直列接続体をオンゲート用スイッチと並列に接続するとともに、この第1のバイパス用スイッチを第2のアンド回路の出力で制御するように構成したので、オンゲート用スイッチで発生する損失を少なくすることが可能となり、FETスイッチ等のオン抵抗による損失をなくすことが可能になるばかりか、第1のバイパス用スイッチの電流容量に余裕を持たせる必要がなくなり、小さな電流容量のスイッチ素子を選択することが可能となるなどの効果がある。
【0155】
この発明によれば、GTOのゲートとカソードの間に第2のバイパス抵抗と第2のバイパス用スイッチの直列接続体を接続するように構成したので、GTO回路に流れる電流の負方向期間が終了する際、GTOのゲート−カソード間の電位差がなくなって、オンゲート用スイッチで発生する損失をなくすことが可能となり、また、オフゲート用スイッチにFET等使用した場合でも、そのスイッチ両端に寄生する容量の影響を防止するため、高抵抗値が要求されていたプルアップ抵抗の位置に、低抵抗値の第2のバイパス抵抗を挿入すればよくなり、オフゲート用スイッチの寄生容量を再充電するための遅延がなくなるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による半導体素子駆動回路を示す回路図である。
【図2】 実施の形態1の半導体素子駆動回路の動作を説明するための波形図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による半導体素子駆動回路を示す回路図である。
【図4】 実施の形態2,3および4の半導体素子駆動回路の動作を説明するための波形図である。
【図5】 GTOの内部モデルと回路モデルを示す説明図である。
【図6】 実施の形態2のGTO回路のダイオードに電流が流れて、順方向オン電圧が発生したときの回路図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による半導体素子駆動回路を示す回路図である。
【図8】 実施の形態3のGTO回路のダイオードに電流が流れて、順方向オン電圧が発生したときの回路図である。
【図9】 この発明の実施の形態4による半導体素子駆動回路を示す回路図である。
【図10】 実施の形態4および5のGTO回路のダイオードに電流が流れて、順方向オン電圧が発生したときの回路図である。
【図11】 この発明の実施の形態5による半導体素子駆動回路を示す回路図である。
【図12】 実施の形態5および6の半導体素子駆動回路の動作を説明するための波形図である。
【図13】 この発明の実施の形態6による半導体素子駆動回路を示す回路図である。
【図14】 実施の形態6のGTO回路のダイオードに電流が流れて、順方向オン電圧が発生したときの回路図である。
【図15】 従来のパルストランスを用いた広幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置を示す回路図である。
【図16】 上記従来のパルストランスを用いた広幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置の信号波形図である。
【図17】 従来の他の広幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置を示す回路図である。
【図18】 従来のパルストランスを用いた狭幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置を示す回路図である。
【図19】 上記従来のパルストランスを用いた狭幅パルス信号制御方式のオンゲート制御装置の動作を説明するための波形図である。
【符号の説明】
3a 指令信号生成回路、7 GTO、8 ダイオード、9c プルアップ抵抗、9d 第2のバイパス抵抗、10 広幅オンゲート信号発生回路、20 単一パルスゲート信号発生回路、41 ゲート−カソード間電圧レベル判別回路、42 第1のアンド回路、43 第1のバイパス抵抗、44 ゲート電流遮断用スイッチ、45 第1のバイパス用スイッチ、46 第2のアンド回路、47 第2のバイパス用スイッチ。

Claims (6)

  1. アノード・エミッタショート型のゲートターンオフ・サイリスタを駆動するための、前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に印加する広幅オンゲート信号を発生する広幅オンゲート信号発生回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタに逆並列接続されてゲートターンオフ・サイリスタ回路を形成するダイオードの一端及び前記ゲートターンオフ・サイリスタのカソードに接続したオーバードライブ用電圧源及びオフゲート用電圧源と、前記オーバードライブ用電圧源に一端が接続し、他端が前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲートに接続するスイッチであって、前記オーバードライブ用電圧源からの直流電圧をオン・オフすることで、前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に印加する単一パルスのオーバードライブ信号を発生するオーバードライブ用スイッチと、前記オフゲート用電圧源に一端が接続し、他端が前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲートに接続し、両端に容量が寄生するスイッチであって、前記オフゲート用電圧源からの直流電圧をオン・オフすることで、前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に印加する単一パルスのオフゲート信号を発生するオフゲート用スイッチとを有する単一パルスゲート信号発生回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間電圧レベルが所定のレベルより高いか低いかを判別して、ハイまたはロウレベルの判別信号を出力するゲート−カソード間電圧レベル判別回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタのオン・オフ指令に従って、前記広幅オンゲート信号発生回路と単一パルスゲート信号発生回路の各スイッチとを制御するための指令信号を生成する指令信号生成回路と、
    前記指令信号生成回路が生成した広幅オンゲート指令信号と前記ゲート−カソード間電圧レベル判別回路の出力とを入力とし、前記広幅オンゲート指令信号がオン時でかつ、前記ゲートターンオフ・サイリスタに逆並列接続されてゲートターンオフ・サイリスタ回路を形成するダイオードに電流が流れるのを、前記ゲート−カソード間電圧レベル判別回路が判別したときに、その出力が前記広幅オンゲート信号発生回路をオフさせる信号となるアンド機能を持った第1のアンド回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に並列接続され、前記ゲートターンオフ・サイリスタ回路に流れる電流の負方向期間が終了する際、ゲート−カソード間の電圧差をなくすためのプルアップ抵抗とを備え、
    記ゲートターンオフ・サイリスタに逆並列接続されたダイオードに電流が流れる間、前記オフゲート用スイッチの両端に寄生する容量と前記プルアップ抵抗とによる時定数分の動作遅延を抑制するように、前記オーバドライブ用スイッチにより前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に印加する単一パルスのオーバードライブ信号を発生してゲート−カソード間電圧を前記所定のレベルに固定する半導体素子駆動回路。
  2. アノード・エミッタショート型のゲートターンオフ・サイリスタを駆動するための、前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に印加する広幅オンゲート信号を発生する広幅オンゲート信号発生回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタに逆並列接続されてゲートターンオフ・サイリスタ回路を形成するダイオードの一端及び前記ゲートターンオフ・サイリスタのカソードに接続したオーバードライブ用電圧源及びオフゲート用電圧源と、前記オーバードライブ用電圧源に一端が接続し、他端が前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲートに接続するスイッチであって、前記オーバードライブ用電圧源からの直流電圧をオン・オフすることで、前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に印加する単一パルスのオーバードライブ信号を発生するオーバードライブ用スイッチと、前記オフゲート用電圧源に一端が接続し、他端が前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲートに接続し、両端に容量が寄生するスイッチであって、前記オフゲート用電圧源からの直流電圧をオン・オフすることで、前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に印加する単一パルスのオフゲート信号を発生するオフゲート用スイッチとを有する単一パルスゲート信号発生回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間電圧レベルが所定のレベルより高いか低いかを判別して、ハイまたはロウレベルの判別信号を出力するゲート−カソード間電圧レベル判別回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタのオン・オフ指令に従って、前記広幅オンゲート信号発生回路と単一パルスゲート信号発生回路の各スイッチを制御するための指令信号を生成する指令信号生成回路と、
    前記指令信号生成回路が生成した広幅オンゲート指令信号と前記ゲート−カソード間電圧レベル判別回路の出力とを入力とし、前記広幅オンゲート指令信号がオン時でかつ、前記ゲートターンオフ・サイリスタに逆並列接続されてゲートターンオフ・サイリスタ回路を形成するダイオードに電流が流れるのを、前記ゲート−カソード間電圧レベル判別回路が判別したときに、その出力が前記広幅オンゲート信号発生回路をオフさせる信号となるアンド機能を持った第1のアンド回路と、
    前記広幅オンゲート信号発生回路のオンゲート用スイッチに並列接続され、第1の抵抗を介してオンゲート用電源と接続して、前記オンゲート用スイッチに流れる電流をバイパスさせる第1のバイパス抵抗とを備え、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタに逆並列接続されたダイオードに電流が流れる間、前記オフゲート用電圧源の電圧まで充電されていた前記オフゲート用スイッチの両端の寄生容量が前記ダイオードに発生する順方向オン電圧分だけ減少するのを抑制するように、前記オンゲート用電圧源及び前記ダイオードに発生した順方向オン電圧により、前記第1の抵抗と前記第1のバイパス抵抗との直列接続体を介して前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲートに微少電流を流す半導体素子駆動回路。
  3. 広幅オンゲート信号発生回路とゲートターンオフ・サイリスタのゲートとの間に、指令信号生成回路より出力される広幅オンゲート指令信号と同期してオン・オフするゲート電流遮断用スイッチを直列に接続したことを特徴とする請求項2記載の半導体素子駆動回路。
  4. 広幅オンゲート信号発生回路のオンゲート用スイッチに並列に接続されている第1のバイパス抵抗に、指令信号生成回路より出力される広幅オンゲート指令信号と同期してオン・オフする第1のバイパス用スイッチを直列に接続したことを特徴とする請求項2記載の半導体素子駆動回路。
  5. 一方の入力を指令信号生成回路からの広幅オンゲート指令信号とし、もう一方の入力を第1のアンド回路の出力とする第2のアンド回路を有し、
    前記広幅オンゲート指令信号がオンでかつ、前記第1のアンド回路の出力が広幅オンゲート信号発生回路のオンゲート用スイッチをオフさせるものであった場合に、前記第2のアンド回路の出力で第1のバイパス用スイッチをオンにすることを特徴とする請求項4記載の半導体素子駆動回路。
  6. アノード・エミッタショート型のゲートターンオフ・サイリスタを駆動するための、前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に印加する広幅オンゲート信号を発生する広幅オンゲート信号発生回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタに逆並列接続されてゲートターンオフ・サイリスタ回路を形成するダイオードの一端及び前記ゲートターンオフ・サイリスタのカソードに接続したオーバードライブ用電圧源及びオフゲート用電圧源と、前記オーバードライブ用電圧源に一端が接続し、他端が前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲートに接続するスイッチであって、前記オーバードライブ用電圧源からの直流電圧をオン・オフすることで、前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に印加する単一パルスのオーバードライブ信号を発生するオーバードライブ用スイッチと、前記オフゲート用電圧源に一端が接続し、他端が前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲートに接続し、両端に容量が寄生するスイッチであって、前記オフゲート用電圧源からの直流電圧をオン・オフすることで、前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間に印加する単一パルスのオフゲート信号を発生するオフゲート用スイッチとを有する単一パルスゲート信号発生回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間電圧レベルが所定のレベルより高いか低いかを判別して、ハイまたはロウレベルの判別信号を出力するゲート−カソード間電圧レベル判別回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタのオン・オフ指令に従って、前記広幅オンゲート信号発生回路と単一パルスゲート信号発生回路を制御するための指令信号を生成する指令信号生成回路と、
    前記指令信号生成回路が生成した広幅オンゲート指令信号と前記ゲート−カソード間電圧レベル判別回路の出力とを入力とし、前記広幅オンゲート指令信号がオン時でかつ、前記ゲートターンオフ・サイリスタに逆並列接続されてゲートターンオフ・サイリスタ回路を形成するダイオードに電流が流れるのを、前記ゲート−カソード間電圧レベル判別回路が判別したときに、その出力が前記広幅オンゲート信号発生回路をオフさせる信号となるアンド機能を持った第1のアンド回路と、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲートとカソードの間に並列に接続される、前記ゲートターンオフ・サイリスタのカソードからゲートに流れる電流をバイパスさせるための第2のバイパス抵抗と、
    前記第2のバイパス抵抗の前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲート−カソード間への並列接続をオン・オフする第2のバイパス用スイッチと、
    一方の入力である前記広幅オンゲート指令信号がオンでかつ、もう一方の入力である前記第1のアンド回路の出力が前記広幅オンゲート信号発生回路をオフさせる信号であった場合に、前記第2のバイパス用スイッチにオン信号を出力するアンド機能を持った第2のアンド回路とを備え、
    前記ゲートターンオフ・サイリスタに逆並列接続されたダイオードに電流が流れる間、前記オフゲート電圧源の電圧まで充電されていた前記オフゲート用スイッチの両端の寄生容量が、前記ダイオードに発生する順方向オン電圧分だけ減少するのを抑制するように、前記ダイオードに発生した順方向オン電圧により、前記第2のバイパス抵抗を介して前記ゲートターンオフ・サイリスタのカソードからの電流をバイパスし、前記ゲートターンオフ・サイリスタのゲートに微少電流を流す半導体素子駆動回路。
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