JP3756280B2 - 接地検出器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は接地検出器に関し、詳しくは、信号用各種電源相互間の混触を防止するために非接地状態にある電源ケーブルについて、ケーブル対大地間の絶縁抵抗を監視する接地検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、信号用各種電源相互間の混触を防止するために非接地状態にある電源ケーブルについて、ケーブル対大地間の絶縁抵抗を監視する装置として接地検出器がある。
【0003】
従来、この接地検出器は、電源ケーブルの絶縁抵抗を検出し、その検出値をアナログ表示するもので、その検出値が、予め設定された基準値よりも低くなった時点で、その電源ケーブルの絶縁抵抗が所定値以下となっていることを警告する信号を出力し、表示ランプの点灯やブザーの発音などにより報知するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように従来の接地検出器はアナログ表示式のものであるため、作業者が接地検出器の表示部で指針を判読しなければならない。このような電源ケーブルの絶縁抵抗を指し示す指針を判読することは非常に面倒な作業である。また、これらの作業は、接地検出器が設置されている場所に行かなければならず、そのために時間と労力が必要となって好適な手段ではなかった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、電源ケーブルの絶縁抵抗のどの程度の値であるか容易に認知でき、その検出作業の省力化を実現し得る接地検出器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、信号用各種電源相互間の混触を防止するために非接地状態にある複数回線の電源ケーブルについて、ケーブル対大地間の絶縁抵抗切り換えながら取り込んで今回の検出値と前回の検出値とを比較して低い方の検出値をその電源ケーブルの回線ごとに順次読み込み、この複数回線についての絶縁抵抗検出動作を所定のインターバルで実行しながら、その読み込まれた低い方の検出値およびその電源ケーブルの回線番号と共にその検出時刻を含む検出データを通信回線でもってホストコンピュータへ転送する接地検出器であって、前記低い方の検出値および電源ケーブルの回線番号を検出器側でデジタル表示可能としたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の接地検出器の実施形態を図1乃至図5に示して詳述する。
【0008】
この実施形態の接地検出器は、図1に示すように直方体形状のハウジング1内に後述の検出回路を組み込んだもので、そのハウジング1の前面に電源ケーブルの回線番号及び絶縁抵抗の検出値をデジタル表示する表示部2を具備した外観を有する。この表示部2は、検出対象の電源ケーブルの回線番号を赤色発光ダイオードによる7セグメントでデジタル表示する回線表示部3と、その回線の電源ケーブルの絶縁抵抗の検出値を赤色発光ダイオードによる7セグメントでデジタル表示する絶縁抵抗表示部4とを具備し、その他、時計合わせ押釦5,6、テスト押釦7、表示押釦8、動作表示ランプ9が配設されている。
【0009】
前記の時計合わせ押釦5,6は、接地検出器に内蔵された時計機能を利用することにより、絶縁抵抗の検出値と共にその検出時刻を記録するために現在時刻を設定するものである。テスト押釦7は、電源ケーブルの絶縁抵抗を擬似的に検出してその検出値を表示することにより、検出回路の動作を確認するためのものである。表示押釦8は、前述の回線表示部3及び絶縁抵抗表示部4を必要な時に所定時間だけ点灯させるためのもので、この表示押釦8をオンしなければ、常時は消灯した状態に設定されている。動作表示ランプ9は、後述するように電源ケーブルの絶縁抵抗が所定の基準値以下になった時点で点灯し、この接地検出器が接点出力を送出したことを示すものである。
【0010】
この接点検出器の動作原理は、図2に示すように例えば低圧直流トランス11が負荷12に接続された回路13の非接地状態にある電源ケーブル14に対して、一定の電圧E及び抵抗Rを有する電源15及び検出抵抗16をスイッチ17を介して大地間に直列接続する。ここで、同図に示すように電源ケーブル14の一部で大地間に地絡抵抗18が発生すると、スイッチ17のオンにより、そのスイッチ17を介して検出抵抗16−大地−地絡抵抗18−電源ケーブル14の閉回路が形成され、この閉回路に電流i=E/(R+Rg)が流れる。この電流iにより検出抵抗16の両端に検出電圧e=RE/(R+Rg)が発生する。上式から地絡抵抗Rg=R(E−e)/eが得られ、電源電圧E、検出電圧R及び検出抵抗Rgから求められる。
【0011】
本発明の接点検出器は、前述した動作原理に基づいて電源ケーブル14の絶縁抵抗を検出してデジタル表示する検出回路を具備する。
【0012】
この検出回路21は、図3に示すように電源ケーブル14の絶縁抵抗の検出入力をデジタル変換するA/D変換回路22と、そのA/D変換回路22によりデジタル変換された絶縁抵抗の検出値に基づいて所定のデータ処理を実行するCPU23と、そのCPU23によりデータ処理の実行を制御するためのプログラムを格納したROM24と、絶縁抵抗の検出値等の測定データを格納したRAM25と、絶縁抵抗の検出時刻を記録するために現在時刻を発生させるためのRTC26(内部時計)と、I/Oポート27を介して電源ケーブル14の回線番号と絶縁抵抗の検出値とを7セグメント表示するための赤色発光ダイオードを駆動する表示ドライバ28と、絶縁抵抗の検出値等の検出データを転送するI/Oポート29(RS232C)及びレベルシフト30とで構成されている。
【0013】
尚、31はAC100VをDC5Vに変換する電源回路である。また、32はハウジング1の前面に配設されて回線番号及び絶縁抵抗の検出値を7セグメント表示する赤色発光ダイオード、33は時計合わせ押釦5,6、テスト押釦7、表示押釦8からなる押釦スイッチ群である。
【0014】
次に、本発明の接地検出器の動作を詳述する。
【0015】
本発明の接地検出器は、複数の電源ケーブル14に対して各電源ケーブル14の絶縁抵抗を順次検出していく。まず、前述した原理に基づいて得られた電源ケーブル14の絶縁抵抗の検出入力を取り込んでA/D変換回路22によりデジタル変換し、その絶縁抵抗の検出値をRAM25に格納する。この絶縁抵抗の検出は、各電源ケーブル14について実行され、すべての電源ケーブル14に関して絶縁抵抗の検出が完了すると、所定のインターバル(例えば5分間)経過した後、各電源ケーブル14の絶縁抵抗の検出が再度実行される。
【0016】
第1番目(CH1)の電源ケーブル14の絶縁抵抗の検出入力をデジタル変換してその検出値を取り込み、今回の絶縁抵抗の検出値を前回の検出値と比較する( 図4参照) 。すなわち、今回の検出値が前回の検出値よりも大きければ、その電源ケーブル14の絶縁抵抗が低下していないわけであるから、そのまま、次の2番目(CH2)の電源ケーブル14の絶縁抵抗の検出を実行する。逆に、今回の検出値が前回の検出値よりも小さければ、その電源ケーブル14の絶縁抵抗が低下しているわけであるから、RAM25に格納されていた前回の検出値を今回の検出値に書き換える。この検出値の書き換えと共にその絶縁抵抗の検出時刻を読み込んでRAM25に格納する。
【0017】
これにより、第1番目(CH1)の電源ケーブル14の検出動作を完了し、次の2番目(CH2)の電源ケーブル14の絶縁抵抗の検出動作に移行する。この2番目以降(例えばチャンネル8まで)の電源ケーブル14の絶縁抵抗の検出動作は、前述した第1番目の電源ケーブル14の検出動作と同様に実行される。
【0018】
このようにして得られた各電源ケーブル14の絶縁抵抗の検出値は、CPU23の制御によりI/Oポート27を介して表示ドライバ28により赤色発光ダイオードでもって7セグメント表示される。すなわち、表示部2の表示押釦8をオンすると、前述のようにして検出された各電源ケーブル14の回線番号及びその電源ケーブル14の絶縁抵抗の検出値を順次デジタル表示する。これにより、現時点でどの回線番号の電源ケーブル14がどのくらいの絶縁抵抗を有しているかが正確に認知でき、絶縁抵抗が低下している電源ケーブル14の有無が判明する。なお、表示押釦8のオン後、所定時間(例えば1分間)が経過すると、回線番号及び絶縁抵抗の検出値の表示は自動的に消灯する。
【0019】
また、本発明の接地検出器では、図5に示すようにI/Oポート29(RS232C)を介して接続されたモデム34,35により通信回線36でもって事務所37などに設置されたホストコンピュータ38に前述した回線番号、絶縁抵抗の検出値及び検出時刻などのデータを転送することができてリアルタイムで処理できる。また、ある電源ケーブル14の絶縁抵抗が低下し、その検出値が予め設定された所定の基準値以下になると、表示部2の動作表示ランプ9が点灯し、接点出力を送出してその接点出力により所定の警告処理を実行することが可能となる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、複数回線の電源ケーブルについての前記絶縁抵抗を検出して各回線ごとに絶縁抵抗の検出値をデジタル表示することができるので、どの電源ケーブルがどの程度の絶縁抵抗を現時点で有しているのかが瞬時にして判明するので、従来のアナログ表示方式による指針の判読を誤まるような事態が発生することが皆無となり、絶縁抵抗の検出作業において作業時間の短縮化が図れ、信頼性が大幅に向上する。
【0021】
また、絶縁抵抗の検出値と共にその検出時刻を含む最小データを転送可能であるので、電源ケーブルの絶縁抵抗の状況を事務所などで集中的に管理することができ、絶縁抵抗の検出作業のために接地検出器が設置されている現場に行く必要がなくなり、時間と労力の面でも検出作業の省力化が図れてその実用的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における接地検出器の外観を示す斜視図
【図2】絶縁抵抗の検出における動作原理を説明するための回路図
【図3】本発明の接地検出器の構成回路を示すブロック図
【図4】本発明の接地検出器による検出動作を説明するためのフローチャート
【図5】本発明の接地検出器をホストコンピュータに接続した状態を示すブロック図
【符号の説明】
14 電源ケーブル

Claims (1)

  1. 信号用各種電源相互間の混触を防止するために非接地状態にある複数回線の電源ケーブルについて、ケーブル対大地間の絶縁抵抗切り換えながら取り込んで今回の検出値と前回の検出値とを比較して低い方の検出値をその電源ケーブルの回線ごとに順次読み込み、この複数回線についての絶縁抵抗検出動作を所定のインターバルで実行しながら、その読み込まれた低い方の検出値およびその電源ケーブルの回線番号と共にその検出時刻を含む検出データを通信回線でもってホストコンピュータへ転送する接地検出器であって、前記低い方の検出値および電源ケーブルの回線番号を検出器側でデジタル表示可能としたことを特徴とする接地検出器。
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