本発明は、靴底、それを含む靴およびサンダルに関する。
従来、足は、26個の骨により建築学的な構造を有するように構成されていることが知られている。また、足は、関節、靭帯および筋などの足部の全ての要素が一緒になって、1つのシステムとして統一されている。また、足には、縦アーチと横アーチとが存在することが知られている。具体的には、図16に示すように、A−Cを結ぶアーチが内側の縦アーチであり、B−Cを結ぶアーチが外側の縦アーチである。また、A−Bを結ぶアーチが横アーチである。上記した足のアーチは、柔軟性を有するとともに、歩行時に不可欠な緩衝器として機能する。そして、足のアーチが正常である場合に、平坦に整地された路面に立てば、図16の3点(A点〜C点)で体重が支持される。この場合、内側の縦アーチ(A−C)が路面に触れないので、内側の縦アーチ(A−C)が「土踏まず」となる。ここで、足のアーチの異常低下や増強などの病的状態においては、走行、歩行および立位保持に必要な体重支持が不十分になる(たとえば、非特許文献1参照)。
上記した足の構造は、整地されていない路面に足を適応させるとともに、体重の移動によって生じた力を足から路面に伝達するためのものである。たとえば、図17に示すように、上記した「土踏まず」と呼ばれる内側の縦アーチ(A−C)は、路面から突出した石などを包み込む機能を有する。
また、足の形態および機能は、平坦に整地された路面ではなく、柔らかい土や砂の路面、凹凸の路面および傾斜した路面などの様々な地形に適応できるように進化してきたことにより、様々な地形において自由に活動する機能(運動)を獲得したと考えられる。具体的な足の運動としては、図18に示すように、背屈運動および底屈運動がある。なお、基本肢位では、足底が下腿長軸と垂直になっている。また、図19に示すような回外運動および回内運動、図20に示すような内転運動および外転運動、および、図21に示すような内がえし運動および外がえし運動がある。
また、足の運動として、裸足歩行における「あおり」運動がある。ここで、裸足歩行における「あおり」運動とは、足を外から内へあおって歩くことによって、歩行時のエネルギ消費を少なくし、それにより長時間歩くことを可能にすることである。つまり、あおり歩行とは、踵接地から、足の外側縁の接地、足裏全体での接地、踵の離床、つま先支持、キックのように、足は踵接地から足裏全接地までは回外から回内の運動を、足裏全接地からキックまでは逆の回内から回外の運動を行っている。
荻島秀男監訳「関節の生理学II下肢」医歯薬出版株式会社、1986年1月30日、pp.190−213
しかしながら、現代生活では、いつも靴で足を保護し、平坦で舗装された硬い路面ばかりを歩いているので、上記した足の運動が制限されている。その結果、あおり歩行を行うのが困難であるという問題点がある。特に、足の構造が不完全な小児は、歩行が不安定になりやすいので、あおり歩行を行うのがより困難であるという問題点がある。また、足の運動が制限されることによりアーチ支持筋の萎縮が生じるので、足のアーチが低下するという問題点もある。ここで、図22に示すように、足の内側の縦アーチが低下すれば、偏平足になりやすくなる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、足のアーチの低下を抑制し、かつ、あおり歩行を促進することが可能な靴底を提供することである。
この発明のもう1つの目的は、足のアーチの低下を抑制し、かつ、あおり歩行を促進することが可能な靴底を含む靴およびサンダルを提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による靴底は、歩行面に接触する底面と、足の土踏まずに対応する底面の内側の領域に、底面から突出するように形成された第1突起部とを備えている。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による靴底は、歩行面に接触する底面と、足の土踏まずに対応する底面の内側の領域に、底面から突出するように形成された第1突起部と、足の踵近傍に対応する底面の領域のうち、底面の内側の領域に、底面から突出するように形成された第2突起部と、足の踵近傍に対応する底面の領域のうち、底面の外側の領域に、底面から突出するように、第2突起部と所定の間隔を隔てて第2突起部と連続しないように形成された第3突起部とを備え、第2突起部および第3突起部は、歩行方向に延びるように形成されており、第2突起部および第3突起部の底面からの突出長さは、足の踵に対応する領域の後部から足のつま先側の前部に向かって徐々に大きくなるように設定されている。
この第1の局面による靴底では、上記のように、足の土踏まずに対応する底面の内側の領域に、底面から突出するように第1突起部を形成することによって、底面の内側の第1突起部が接地した際に、底面の外側が接地する方向に傾くので、容易に、体重を外側に移動させることができる。その結果、足を外側から内側へあおって歩くあおり歩行を促進することができる。また、足の土踏まずに対応する底面の内側の領域に、底面から突出するように第1突起部を形成することによって、第1突起部により足の内側の縦アーチを構成する骨の一部を支持することができるので、足の内側の縦アーチの低下を抑制することができる。これにより、足の内側の縦アーチの低下に起因して偏平足になるのを抑制することができる。また、上記第1の局面による靴底において、足の踵近傍に対応する底面の領域のうち、底面の内側の領域に、底面から突出するように形成された第2突起部と、足の踵近傍に対応する底面の領域のうち、底面の外側の領域に、底面から突出するように、第2突起部と所定の間隔を隔てて第2突起部と連続しないように形成された第3突起部とをさらに備える。このように構成すれば、底面の踵に対応する領域に荷重が加わった際に、互いに連続しないように形成された内側の第2突起部および外側の第3突起部を支点として底面の踵に対応する領域を下に凸のアーチ状に撓ませることができる。このため、底面の第2突起部および第3突起部が接地する際に、踵の脂肪層がその下に凸のアーチ状に沿って変形しやすくなる。この場合、靴を履いて歩行したとしても、素足の状態で踵が接地した場合と実質的に同様に踵の脂肪層を変形させることができるので、素足で歩行した場合に足裏が受ける刺激と実質的に同様の刺激を足裏に生じさせることができる。これにより、足の機能や筋力の低下を抑制することができる。また、踵の脂肪層が変形しやすくなるので、歩行中に踵が圧迫されるのを抑制することができる。これにより、歩行が不安定になるのを抑制することができる。また、互いに連続しないように形成された内側の第2突起部および外側の第3突起部によって踵が挟まれるように保持されるので、足が内側に傾く回内足になるのを抑制することができる。これにより、内側の縦アーチの低下をより抑制することができるので、偏平足になるのをより抑制することができる。また、足が外側に傾く回外足になるのも抑制することができる。この場合、好ましくは、第2突起部および第3突起部は、歩行方向に延びるように形成されており、第2突起部および第3突起部の底面からの突出長さは、足の踵に対応する領域の後部から足のつま先側の前部に向かって徐々に大きくなるように設定されている。このように構成すれば、底面の第2突起部および第3突起部に対応する領域が接地した際に、荷重が踵全体に加わるとともに、つま先が上方に向くように底面が傾斜するので、足関節の背屈位が保持しやすくなる。これにより、下腿三頭筋(ふくらはぎ)を伸ばすことができるので、ふくらはぎの拘縮(短縮)を抑制することができる。
上記第1の局面による靴底において、好ましくは、第1突起部は、あおり歩行を促進することが可能な前記底面からの突出長さを有する。このように構成すれば、容易に、あおり歩行を促進することができる。
この場合、好ましくは、第1突起部の中心部近傍の底面からの突出長さは、第1突起部の外縁部近傍の底面からの突出長さよりも大きくなるように設定されている。このように構成すれば、第1突起部の中心部近傍から外縁部近傍に向かって第1突起部の接地面が傾斜した形状になるので、底面の内側の第1突起部が歩行面に接地する際に、底面の外側が接地する方向により傾きやすくなる。これにより、より容易に、外側に体重移動を行うことができるので、あおり歩行をより促進することができる。
上記第1の局面による靴底において、好ましくは、足の踵近傍に対応する底面の領域のうち、底面の内側の領域に、底面から突出するように形成された第2突起部と、足の踵近傍に対応する底面の領域のうち、底面の外側の領域に、底面から突出するように、第2突起部と所定の間隔を隔てて第2突起部と連続しないように形成された第3突起部とをさらに備える。このように構成すれば、底面の踵に対応する領域に荷重が加わった際に、互いに連続しないように形成された内側の第2突起部および外側の第3突起部を支点として底面の踵に対応する領域を下に凸のアーチ状に撓ませることができる。このため、底面の第2突起部および第3突起部が接地する際に、踵の脂肪層がその下に凸のアーチ状に沿って変形しやすくなる。この場合、靴を履いて歩行したとしても、素足の状態で踵が接地した場合と実質的に同様に踵の脂肪層を変形させることができるので、素足で歩行した場合に足裏が受ける刺激と実質的に同様の刺激を足裏に生じさせることができる。これにより、足の機能や筋力の低下を抑制することができる。また、踵の脂肪層が変形しやすくなるので、歩行中に踵が圧迫されるのを抑制することができる。これにより、歩行が不安定になるのを抑制することができる。また、互いに連続しないように形成された内側の第2突起部および外側の第3突起部によって踵が挟まれるように保持されるので、足が内側に傾く回内足になるのを抑制することができる。これにより、内側の縦アーチの低下をより抑制することができるので、偏平足になるのをより抑制することができる。また、足が外側に傾く回外足になるのも抑制することができる。
上記第1の局面において、好ましくは、内側の第2突起部の歩行方向の長さおよび歩行方向と直交する方向の長さのいずれか一方は、外側の第3突起部の対応する長さよりも大きくなるように設定されている。このように構成すれば、底面の内側の第2突起部および外側の第3突起部が接地した際に、底面の外側が接地する方向に傾きやすくなるので、体重が外側に移動しやすくなる。これにより、あおり歩行をより促進することができる。また、底面の外側が接地する方向に傾きやすくなるので、回内足になるのを抑制することができる。
この場合、好ましくは、第1突起部、第2突起部、第3突起部および第4突起部の少なくとも1つは、複数の突起部の集合体からなる。このように構成すれば、第1〜第4突起部の少なくとも1つが分割されるので、底面を撓みやすくすることができる。これにより、容易に、足の動きに対応して底面を変形させることができる。
この場合、好ましくは、突起部の集合体を構成する複数の突起部は、互いに所定の間隔を隔てて配置されるとともに、各々の突起部は、実質的に正六角形の平面形状を有する。このように構成すれば、各々の突起部の集合体の突起部間の間隔を容易に実質的に均一にすることができるので、突起部の集合体に加わる荷重を容易に実質的に均一に分散することができる。
この場合、好ましくは、各々の突起部の歩行面側の表面には、所定の深さを有する凹部が形成されている。このように構成すれば、突起部が弾性変形しやすくなるので、突起部が接地した際の衝撃を緩和することができる。
この場合、好ましくは、第4突起部の中心部近傍の底面からの突出長さは、第4突起部の外縁部近傍の底面からの突出長さよりも大きくなるように設定されている。このように構成すれば、第4突起部の外縁部近傍が接地した後に、スムーズに第4突起部の中心部近傍を接地させることができる。これにより、容易に、外側から内側に体重移動を行うことができる。
上記第1の局面による靴底において、好ましくは、第1突起部から歩行方向と交差する方向に所定の間隔を隔てた足の第5中足骨粗面近傍に対応する底面の外側の領域に、底面から突出するように形成された第5突起部をさらに備える。このように構成すれば、第5突起部により第5中足骨粗面が低下しないように支持することができるので、第1突起部が歩行面に接地した後に体重が外側に移動する際に、底面が外側に傾きすぎるのを抑制することができる。この場合、第1突起部と第5突起部との間に突起部が形成されていないので、整地されていない凹凸の路面を歩行した場合に、路面の凸状部が第1突起部と第5突起部との間に位置したとしても、第5突起部により第5中足骨粗面が低下しないように支持することができる。
上記第1の局面による靴底において、好ましくは、第1突起部から歩行方向と交差する方向に所定の間隔を隔てた足の第5中足骨の中央部近傍に対応する底面の外側の領域に、底面から突出するように形成された第6突起部をさらに備える。このように構成すれば、第6突起部により第5中足骨の中央部が低下しないように支持することができるので、体重がつま先に移動する際に、底面が外側に傾きすぎるのを抑制することができる。この場合、第1突起部と第6突起部との間に突起部が形成されていないので、整地されていない凹凸の路面を歩行した場合に、路面の凸状部が第1突起部と第6突起部との間に位置したとしても、第6突起部により第5中足骨の中央部が低下しないように支持することができる。
この発明の第2の局面による靴は、請求項1〜14のいずれかに記載の靴底を含む靴である。このように構成すれば、容易に、足のアーチの低下を抑制し、かつ、あおり歩行を促進することが可能な靴を得ることができる。
この発明の第3の局面によるサンダルは、請求項1〜14のいずれかに記載の靴底を含むサンダルである。このように構成すれば、容易に、足のアーチの低下を抑制し、かつ、あおり歩行を促進することが可能なサンダルを得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による靴の靴底と足の骨との位置関係を示した側面図である。図2は、図1に示した第1実施形態による靴底の底面図である。図3は、図2の100−100線に沿った断面図である。図4は、足の構造を示した上面図である。まず、図1〜図4を参照して、第1実施形態による靴の靴底の構造について説明する。なお、図1および図2には、左足用の靴の靴底を図示している。すなわち、図2の上側が靴底の内側であり、下側が靴底の外側である。
第1実施形態による靴100の靴底1は、図1および図2に示すように、ラバー(ゴム)からなる底面1aを有するとともに、足の舟状骨11近傍に対応する底面1aの内側の領域に、ラバー(ゴム)からなる支持部2が一体的に形成されている。ここで、舟状骨11は、足の内側の縦アーチおよび土踏まず(図2の破線で囲まれた領域D)の一部を構成する。そして、支持部2は、足の内側の縦アーチ(土踏まず)に対応する領域D内に配置されている。また、支持部2の歩行方向と直交する方向(Y方向)の幅W2は、足の幅W1の2/3以下である。なお、支持部2は、本発明の「第1突起部」の一例である。この支持部2は、支持部2の中心部近傍に配置された2つの突起部2aと、支持部2の外縁部近傍に配置された8つの突起部2bとによって構成されている。また、中心部近傍の突起部2aの底面1aからの突出長さは、約8mm〜約15mmであり、外縁部近傍の突起部2bの底面1aからの突出長さは、約3mm〜約4mmである。すなわち、図3に示すように、支持部2の中心部近傍の底面1aからの突出長さは、支持部2の外縁部近傍の底面1aからの突出長さよりも大きくなるように設定されている。また、図1および図2に示すように、2つの突起部2aおよび8つの突起部2bは、互いに所定の均一な間隔を隔てて配置されているとともに、正六角形の平面形状を有する。
また、第1実施形態では、足の踵12近傍に対応する底面1aの内側の領域に、ラバー(ゴム)からなる支持部3が一体的に形成されている。なお、支持部3は、本発明の「第2突起部」の一例である。この支持部3は、歩行方向(X方向)に沿って所定の均一な間隔を隔てて配列された8つの突起部3a〜3hによって構成されている。また、突起部3a〜3hの底面1aからの突出長さは、底面1aの後部1bから前部1cに向かって徐々に大きくなるように設定されている。すなわち、支持部3の突出長さは、底面1aの後部1bから前部1cに向かって徐々に大きくなっている。なお、突起部3aの底面1aからの突出長さは、約2mm〜約3mmであり、突起部3hの底面1aからの突出長さは、約10mm以下である。また、8つの突起部3a〜3hは、正六角形の平面形状を有する。また、足の踵12近傍に対応する底面1aの外側の領域には、内側の支持部3と連続しないように、ラバー(ゴム)からなる支持部4が一体的に形成されている。なお、支持部4は、本発明の「第3突起部」の一例である。この支持部4は、X方向に沿って配列された8つの突起部4a〜4hによって構成されている。また、突起部4a〜4hは、それぞれ、上記した内側の突起部3a〜3hと同様の底面1aからの突出長さおよび平面形状を有する。
また、第1実施形態では、足の前足部の横アーチを構成する第1中足骨骨頭13a(図4参照)近傍と第5中足骨骨頭13e(図4参照)近傍との間に対応する底面1aの領域に、ラバー(ゴム)からなる支持部5が一体的に形成されている。具体的には、支持部5は、平面的に見て、第3中足骨骨頭13c(図4参照)近傍を中心とし、第2中足骨骨頭13bおよび第4中足骨骨頭13d(図4参照)の一部を含む大きさを有する。なお、支持部5は、本発明の「第4突起部」の一例である。この支持部5は、支持部5の中心部近傍に配置された1つの突起部5aと、支持部5の外縁部近傍に配置された6つの突起部5bとによって構成されている。また、中心部近傍の突起部5aの底面1aからの突出長さは、約3mm〜約5mmであり、外縁部近傍の突起部5bの底面1aからの突出長さは、約2mm〜約3mmである。すなわち、支持部5の中心部近傍の底面1aからの突出長さは、支持部5の外縁部近傍の底面1aからの突出長さよりも大きくなるように設定されている。また、1つの突起部5aおよび6つの突起部5bは、互いに所定の間隔を隔てて配置されているとともに、正六角形の平面形状を有する。
第1実施形態では、上記のように、足の土踏まず(領域D)に対応する底面1aの内側の領域に、底面1aから突出するように支持部2を形成することによって、底面1aの内側の支持部2が接地した際に、底面1aの外側が接地する方向に傾くので、容易に、体重を外側に移動させることができる。さらに、底面1aの内側の支持部2が接地することにより底面1aの外側が接地する方向に傾いた後、体重が歩行方向(X方向)に移動する際に、容易に、支持部2を支点として、外側に移動した体重を内側に弧を描くように移動させることができる。その結果、足を外側から内側へあおって歩くあおり歩行を促進することができる。また、足の土踏まず(領域D)に対応する底面1aの内側の領域に、底面1aから突出するように支持部2を形成することによって、支持部2により足の内側の縦アーチを構成する骨の一部を支持することができるので、足の内側の縦アーチの低下を抑制することができる。これにより、足の内側の縦アーチの低下に起因して偏平足になるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、支持部2を、足の土踏まず(領域D)に対応する底面1aの内側の領域のうち、足の舟状骨11近傍に対応する領域に設けることによって、支持部2により舟状骨11が低下しないように支持することができるので、足の内側の縦アーチの低下を容易に抑制することができる。これにより、足の内側の縦アーチの低下に起因して偏平足になるのを容易に抑制することができる。
また、第1実施形態では、足の踵12に対応する底面1aの内側の領域に、底面1aから突出するように支持部3を形成するとともに、足の踵12に対応する底面1aの外側の領域に、支持部3と連続しないように支持部4を形成することによって、底面1aの踵12に対応する領域に荷重が加わった際に、互いに連続しないように形成された内側の支持部3および外側の支持部4を支点として底面1aの踵12に対応する領域を下に凸のアーチ状に撓ませることができる。このため、底面1aの支持部3および4が接地する際に、踵12の脂肪層がその下に凸のアーチ状に沿って変形しやすくなる。この場合、靴を履いて歩行したとしても、素足の状態で踵12が接地した場合と実質的に同様に踵12の脂肪層を変形させることができるので、素足で歩行した場合に足裏が受ける刺激と実質的に同様の刺激を足裏に生じさせることができる。これにより、足の機能や筋力の低下を抑制することができる。また、踵12の脂肪層が変形しやすくなるので、歩行中に踵12が圧迫されるのを抑制することができる。これにより、歩行が不安定になるのを抑制することができる。また、互いに連続しないように形成された内側の支持部3および外側の支持部4によって踵12が挟まれるように保持されるので、足が内側に傾く回内足になるのを抑制することができる。これにより、内側の縦アーチの低下をより抑制することができるので、偏平足になるのをより抑制することができる。また、足が外側に傾く回外足になるのも抑制することができる。
また、第1実施形態では、支持部3および4の突出長さを、底面1aの後部1bから前部1cに向かって徐々に大きくすることによって、底面1aの支持部3および4が接地した際に、荷重が踵12全体に加わるとともに、つま先が上方に向くように底面1aが傾斜するので、足関節の背屈位が保持しやすくなる。これにより、下腿三頭筋(ふくらはぎ)を伸ばすことができるので、ふくらはぎの拘縮(短縮)を抑制することができる。
また、第1実施形態では、足の前足部の横アーチを構成する第1中足骨骨頭13a近傍と第5中足骨骨頭13e近傍との間に対応する底面1aの領域に、底面1aから突出するように支持部5を形成することによって、支持部5により前足部の横アーチの低下を抑制することができるので、開帳足になるのを抑制することができ、外反母趾になるのを予防できる。
また、第1実施形態では、支持部2の中心部近傍の底面1aからの突出長さを、支持部2の外縁部近傍の底面1aからの突出長さよりも大きくなるように設定することによって、支持部2の中心部近傍から外縁部近傍に向かって支持部2の接地面が傾斜した形状になるので、底面1aの内側の支持部2が歩行面に接地する際に、底面1aの外側が接地する方向により傾きやすくなる。これにより、より容易に、外側に体重移動を行うことができるので、あおり歩行をより促進することができる。
また、第1実施形態では、支持部5の中心部近傍の底面1aからの突出長さを、支持部5の外縁部近傍の底面1aからの突出長さよりも大きくなるように設定することによって、支持部5の外縁部近傍が接地した後に、スムーズに支持部5の中心部近傍を接地させることができる。これにより、容易に、外側から内側に体重移動を行うことができる。
また、第1実施形態では、支持部2〜5を、それぞれ、複数の突起部2a、2b、3a〜3h、4a〜4h、5aおよび5bによって構成することによって、支持部2〜5がそれぞれ分割されるので、底面1aを撓みやすくすることができる。これにより、容易に、足の動きに対応して底面1aを変形させることができる。
また、第1実施形態では、支持部2〜5をそれぞれ構成する複数の突起部2a、2b、3a〜3h、4a〜4h、5aおよび5bの平面形状を、正六角形にすることによって、各々の支持部2〜5の突起部2a、2b、3a〜3h、4a〜4h、5aおよび5b間の間隔を容易に実質的に均一にすることができるので、各々の支持部2〜5に加わる荷重を容易に実質的に均一に分散することができる。
図5は、第1実施形態の変形例による靴の靴底と足の骨との位置関係を示した靴底の底面図および足の側面図である。図5を参照して、この第1実施形態の変形例では、底面1aに、支持部2〜5に加えて、さらにラバー(ゴム)からなる支持部6および7が一体的に形成されている。なお、支持部6および7は、それぞれ、本発明の「第5突起部」および「第6突起部」の一例である。
具体的には、支持部6は、足の第5中足骨粗面14近傍に対応する底面1aの外側の領域に配置されている。すなわち、支持部6は、支持部2から歩行方向と直交する方向(Y方向)に所定の間隔を隔てて配置されている。また、支持部6は、約2mm〜約4mmの底面1aからの突出長さを有するとともに、正六角形の平面形状を有する。また、支持部7は、足の第5中足骨15の中央部近傍に対応する底面1aの外側の領域に配置されている。すなわち、支持部7は、支持部2からY方向に所定の間隔を隔てて配置されている。また、支持部7は、約2mm〜約4mmの底面1aからの突出長さを有するとともに、正六角形の平面形状を有する。
この第1実施形態の変形例では、上記のように、足の第5中足骨粗面14近傍に対応する底面1aの外側の領域に、底面1aから突出するようにラバー(ゴム)からなる支持部6を形成することによって、支持部6により第5中足骨粗面14が低下しないように支持することができるので、支持部2が歩行面に接地した後に体重が外側に移動する際に、底面1aが外側に傾きすぎるのを抑制することができる。また、支持部6を、支持部2から歩行方向と直交する方向(Y方向)に所定の間隔を隔てて配置することによって、支持部2と支持部6との間に突起部が形成されていないので、整地されていない凹凸の路面を歩行した場合に、路面の凸状部が支持部2と支持部6との間に位置したとしても、支持部6により第5中足骨粗面14が低下しないように支持することができる。
また、第1実施形態の変形例では、足の第5中足骨15の中央部近傍に対応する底面1aの外側の領域に、底面1aから突出するようにラバー(ゴム)からなる支持部7を形成することによって、支持部7により第5中足骨15の中央部が低下しないように支持することができるので、体重がつま先に移動する際に、底面1aが外側に傾きすぎるのを抑制することができる。また、支持部7を、支持部2から歩行方向と直交する方向(Y方向)に所定の間隔を隔てて配置することによって、支持部2と支持部7との間に突起部が形成されていないので、整地されていない凹凸の路面を歩行した場合に、路面の凸状部が支持部2と支持部7との間に位置したとしても、支持部7により第5中足骨15の中央部が低下しないように支持することができる。
(第2実施形態)
図6および図7は、本発明の第2実施形態による靴の靴底を示した側面図および底面図である。図6および図7を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、底面の各領域に形成された支持部が、それぞれ、1つの突起部によって構成されている場合について説明する。なお、図6および図7には、左足用の靴の靴底を図示している。すなわち、図7の上側が靴底の内側であり、下側が靴底の外側である。
この第2実施形態による靴110の靴底21は、図6および図7に示すように、ラバー(ゴム)からなる底面21aを有するとともに、足の舟状骨近傍に対応する底面21aの内側の領域に、ラバー(ゴム)からなる支持部22が一体的に形成されている。この支持部22は、足の内側の縦アーチ(土踏まず)に対応する領域D内に配置されている。また、支持部22の歩行方向と直交する方向(Y方向)の幅W3は、足の幅W1の2/3以下である。なお、支持部22は、本発明の「第1突起部」の一例である。また、支持部22の中心部近傍の底面21aからの突出長さは、約8mm〜約15mmであり、支持部22の外縁部近傍の底面21aからの突出長さは、約3mm〜約4mmである。すなわち、支持部22の中心部近傍の底面21aからの突出長さは、支持部22の外縁部近傍の底面21aからの突出長さよりも大きくなるように設定されている。また、支持部22は、丸みを帯びた角部を有する直角三角形の平面形状を有する。
また、第2実施形態では、足の踵近傍に対応する底面21aの内側の領域に、ラバー(ゴム)からなる支持部23が一体的に形成されている。なお、支持部23は、本発明の「第2突起部」の一例である。この支持部23は、歩行方向(X方向)に沿って延びるように形成されているとともに、支持部23の底面21aからの突出長さは、底面21aの後部21bから前部21cに向かって徐々に大きくなるように設定されている。なお、支持部23の後部21b側の端部23aの底面21aからの突出長さは、約2mm〜約3mmであり、支持部23の前部21c側の端部23bの底面1aからの突出長さは、約10mm以下である。また、支持部23は、外側に向かって凸のアーチ形状の短辺を有する長方形の平面形状を有する。また、足の踵近傍に対応する底面21aの外側の領域には、内側の支持部23と連続しないように、ラバー(ゴム)からなる支持部24が一体的に形成されている。なお、支持部24は、本発明の「第3突起部」の一例である。この支持部24は、歩行方向(X方向)に沿って延びるように形成されているとともに、支持部24の底面21aからの突出長さは、底面21aの後部21bから前部21cに向かって徐々に大きくなるように設定されている。なお、支持部24の後部21b側の端部24aおよび前部21c側の端部24bは、それぞれ、上記した内側の支持部23の端部23aおよび23bと同様の底面21aからの突出長さを有する。また、支持部24は、上記した内側の支持部23と同様の平面形状を有する。
また、第2実施形態では、足の前足部の横アーチを構成する第1中足骨骨頭近傍と第5中足骨骨頭近傍との間に対応する底面21aの領域に、ラバー(ゴム)からなる支持部25が一体的に形成されている。なお、支持部25は、本発明の「第4突起部」の一例である。また、支持部25の中心部近傍の底面21aからの突出長さは、約3mm〜約5mmであり、支持部25の外縁部近傍の底面21aからの突出長さは、約2mm〜約3mmである。すなわち、支持部25の中心部近傍の底面21aからの突出長さは、支持部25の外縁部近傍の底面21aからの突出長さよりも大きくなるように設定されている。また、支持部25は、外側に向かって凸のアーチ形状の2辺を有する二等辺三角形の平面形状を有する。
第2実施形態では、上記のように、足の土踏まず(領域D)に対応する底面21aの内側の領域に、底面21aから突出するように支持部22を形成することによって、上記第1実施形態と同様、底面21aの内側の支持部22が接地した際に、底面21aの外側が接地する方向に傾くので、容易に、体重を外側に移動させることができる。その結果、足を外側から内側へあおって歩くあおり歩行を促進することができる。また、足の土踏まず(領域D)に対応する底面21aの内側の領域に、底面21aから突出するように支持部22を形成することによって、上記第1実施形態と同様、支持部22により足の内側の縦アーチを構成する骨の一部を支持することができるので、足の内側の縦アーチの低下を抑制することができる。これにより、足の内側の縦アーチの低下に起因して偏平足になるのを抑制することができる。
また、第2実施形態では、足の踵に対応する底面21aの内側の領域に、底面21aから突出するように支持部23を形成するとともに、足の踵に対応する底面21aの外側の領域に、支持部23と連続しないように支持部24を形成することによって、上記第1実施形態と同様、底面21aの踵に対応する領域に荷重が加わった際に、互いに連続しないように形成された内側の支持部23および外側の支持部24を支点として底面21aの踵に対応する領域を下に凸のアーチ状に撓ませることができる。このため、底面21aの支持部23および24が接地する際に、踵の脂肪層がその下に凸のアーチ状に沿って変形しやすくなる。この場合、靴を履いて歩行したとしても、素足の状態で踵が接地した場合と実質的に同様に踵の脂肪層を変形させることができるので、素足で歩行した場合に足裏が受ける刺激と実質的に同様の刺激を足裏に生じさせることができる。これにより、足の機能や筋力の低下を抑制することができる。また、踵の脂肪層が変形しやすくなるので、歩行中に踵が圧迫されるのを抑制することができる。これにより、歩行が不安定になるのを抑制することができる。また、互いに連続しないように形成された内側の支持部23および外側の支持部24によって踵が挟まれるように保持されるので、足が内側に傾く回内足になるのを抑制することができる。これにより、内側の縦アーチの低下をより抑制することができるので、偏平足になるのをより抑制することができる。また、足が外側に傾く回外足になるのも抑制することができる。
また、第2実施形態では、足の前足部の横アーチを構成する第1中足骨骨頭近傍と第5中足骨骨頭近傍との間に対応する底面21aの領域に、底面21aから突出するように支持部25を形成することによって、支持部25により前足部の横アーチの低下を抑制することができるので、開帳足(外反母趾)になるのを抑制することができる。
なお、第2実施形態では、複数の突起部の集合体からなる支持部を底面に形成した第1実施形態と異なり、支持部22〜25が、それぞれ、1つの突起部によって構成されているので、第1実施形態に比べて、底面21aが撓みにくくなる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
図8は、第2実施形態の変形例による靴の靴底を示した底面図である。図8を参照して、この第2実施形態の変形例では、底面21aに、支持部22〜25に加えて、さらにラバー(ゴム)からなる支持部26および27が一体的に形成されている。なお、支持部26および27は、それぞれ、本発明の「第5突起部」および「第6突起部」の一例である。
具体的には、支持部26は、足の第5中足骨粗面近傍に対応する底面21aの外側の領域に配置されている。すなわち、支持部26は、支持部22から歩行方向と直交する方向(Y方向)に所定の間隔を隔てて配置されている。また、支持部26は、約2mm〜約4mmの底面21aからの突出長さを有するとともに、正六角形の平面形状を有する。また、支持部27は、足の第5中足骨の中央部近傍に対応する底面21aの外側の領域に配置されている。すなわち、支持部27は、支持部22からY方向に所定の間隔を隔てて配置されている。また、支持部27は、約2mm〜約4mmの底面21aからの突出長さを有するとともに、正六角形の平面形状を有する。
この第2実施形態の変形例では、上記のように、足の第5中足骨粗面近傍に対応する底面21aの外側の領域に、底面21aから突出するように支持部26を形成することによって、上記第1実施形態の変形例と同様、支持部26により第5中足骨粗面が低下しないように支持することができるので、支持部22が接地した後に体重が外側に移動する際に、底面21aが外側に傾きすぎるのを抑制することができる。また、支持部26を、支持部22から歩行方向と直交する方向(Y方向)に所定の間隔を隔てて配置することによって、上記第1実施形態の変形例と同様、支持部22と支持部26との間に突起部が形成されていないので、整地されていない凹凸の路面を歩行した場合に、路面の凸状部が支持部22と支持部26との間に位置したとしても、支持部26により第5中足骨粗面が低下しないように支持することができる。
また、第2実施形態の変形例では、足の第5中足骨の中央部近傍に対応する底面21aの外側の領域に、底面21aから突出するように支持部27を形成することによって、上記第1実施形態の変形例と同様、支持部27により第5中足骨の中央部が低下しないように支持することができるので、体重がつま先に移動する際に、底面21aが外側に傾きすぎるのを抑制することができる。また、支持部27を、支持部22から歩行方向と直交する方向(Y方向)に所定の間隔を隔てて配置することによって、上記第1実施形態の変形例と同様、支持部22と支持部27との間に突起部が形成されていないので、整地されていない凹凸の路面を歩行した場合に、路面の凸状部が支持部22と支持部27との間に位置したとしても、支持部27により第5中足骨の中央部が低下しないように支持することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、ラバー(ゴム)からなる靴底の底面に、ラバー(ゴム)からなる支持部(突起部)を一体的に形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、ラバー(ゴム)やEVA(エチレンビニルアセテイト)などからなる靴底の底面に、ラバー(ゴム)やEVAなどからなる突起部を後付けしてもよい。また、EVAなどからなる中敷(ミッドソール)に突起部を一体的に形成するとともに、その中敷の突起部に対応する領域に穴部を有するラバー(ゴム)を貼り付けることによって、ラバーからなる底面の穴部からEVAなどからなる中敷の突起部を突出させてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、正六角形や三角形などの平面形状を有する支持部(突起部)を用いたが、本発明はこれに限らず、正六角形や三角形以外の平面形状を有する突起部を用いてもよい。たとえば、円形や正方形などの平面形状を有する突起部を用いてもよい。また、突起部を複数の突起部の集合体により形成する場合に、同じ平面形状で異なる大きさの複数の突起部を組み合わせて用いてもよいし、異なる平面形状の複数の突起部を組み合わせて用いてもよい。また、図9および図10に示すように、靴底31の底面31aの所定領域に設けられた突起部32aおよび32bの歩行面側の表面に、それぞれ、所定の深さを有する凹部32cおよび32dを形成してもよい。このような凹部32cおよび32dが形成された突起部32aおよび32bを用いれば、突起部32aおよび32bが弾性変形しやすくなるので、突起部32aおよび32bが接地した際の衝撃を緩和することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、足の踵近傍に対応する底面の内側および外側の領域に、それぞれ、互いに同じ平面形状を有する支持部(突起部)を形成したが、本発明はこれに限らず、内側の突起部の歩行方向(X方向)の長さおよび歩行方向と直交する方向(Y方向)の長さのいずれか一方を、外側の突起部の対応する長さよりも大きくなるように設定してもよい。たとえば、図11に示すように、第1実施形態の構成において、内側の8つの突起部3a〜3hとY方向に隣接するように、さらに8つの突起部43a〜43hを形成することにより、内側の突起部のY方向の長さを外側の突起部のY方向の長さよりも大きくしてもよい。また、図12に示すように、外側の突起部4b〜4gの数(6つ)を、内側の突起部3a〜3hの数(8つ)よりも少なくすることにより、内側の突起部のX方向の長さを外側の突起部のX方向の長さよりも大きくしてもよい。このように構成すれば、底面1aの踵に対応する領域が接地した際に、底面1aの外側が接地する方向に傾きやすくなるので、体重が外側に移動しやすくなる。これにより、あおり歩行をより促進することができるとともに、回内足になるのを抑制することができる。なお、図11に示したように、内側の8つの突起部3a〜3hとY方向に隣接するように、さらに8つの突起部43a〜43hを形成する場合には、突起部43a〜43hの突出長さを突起部3a〜3hの突出長さよりも小さくするのが好ましい。このように構成すれば、底面1aの踵に対応する領域に荷重が加わった際に、底面1aの踵に対応する領域が撓みにくくなるのを抑制することができる。
また、図13に示すように、外側の8つの突起部4a〜4hとY方向に隣接するように、さらに8つの突起部53a〜53hを形成することにより、外側の突起部のY方向の長さを内側の突起部のY方向の長さよりも大きくしてもよい。また、図14に示すように、内側の突起部3b〜3gの数(6つ)を、外側の突起部4a〜4hの数(8つ)よりも少なくすることにより、外側の突起部のX方向の長さを内側の突起部のX方向の長さよりも大きくしてもよい。このように構成すれば、底面1aの踵に対応する領域が接地した際に、底面1aの内側が接地する方向に傾きやすくなるので、体重が外側に移動しやすくなる。これにより、回外足になるのを抑制することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、靴の靴底に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限らず、靴以外の履物の靴底にも適用可能である。たとえば、図15に示すように、第1実施形態の靴底1をサンダル200に用いた場合にも、足のアーチの低下を抑制し、かつ、あおり歩行を促進することができる。
本発明の第1実施形態による靴の靴底と足の骨との位置関係を示した側面図である。
図1に示した第1実施形態による靴底の底面図である。
図2の100−100線に沿った断面図である。
足の構造を示した上面図である。
第1実施形態の変形例による靴の靴底と足の骨との位置関係を示した靴底の底面図および足の側面図である。
本発明の第2実施形態による靴の靴底を示した側面図である。
本発明の第2実施形態による靴の靴底を示した底面図である。
第2実施形態の変形例による靴の靴底を示した底面図である。
第1実施形態の変形例による靴の靴底の突起部を示した底面図である。
図9の200−200線に沿った断面図である。
第1実施形態の変形例による靴の靴底を示した底面図である。
第1実施形態の変形例による靴の靴底を示した底面図である。
第1実施形態の変形例による靴の靴底を示した底面図である。
第1実施形態の変形例による靴の靴底を示した底面図である。
本発明の第1実施形態の靴底をサンダルに適用した場合の側面図である。
従来の足のアーチ構造を説明するための側面図である。
従来の足の運動を説明するための斜視図である。
従来の足の基本肢位、背屈および底屈運動を説明するための側面図である。
従来の足の回外および内回運動を説明するための斜視図である。
従来の足の内転および外転運動を説明するための斜視図である。
従来の足の内がえしおよび外がえし運動を説明するための斜視図である。
従来の足のアーチが低下した状態を示した側面図である。
符号の説明
1、21 靴底
1a、21a、31a 底面
2、22 支持部(第1突起部)
2a、2b、3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h、4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h、5a、5b、32a、32b、43a、43b、43c、43d、43e、43f、43g、43h、52a、52b、53a、53b、53c、53d、53e、53f、53g、53h 突起部
3、23 支持部(第2突起部)
4、24 支持部(第3突起部)
5、25 支持部(第4突起部)
6、26 支持部(第5突起部)
7、27 支持部(第6突起部)
11 舟状骨
12 踵
13a 第1中足骨骨頭
13e 第5中足骨骨頭
32c、32d 凹部
100、110 靴
200 サンダル