JP3755467B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロントホルダを備えたコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハウジング内のキャビティに後方から端子金具を挿入し、キャビティの内壁に沿って設けた片持ち状のランスによって端子金具を抜け止めするコネクタにおいて小型を図る場合、端子金具及びキャビティの幅寸法を小さくすることは比較的容易に実現できるのに対し、端子金具を抜け止めするためのランスについては強度確保の必要上、その幅を小さくすることが困難であることから、ランスの幅寸法がキャビティの幅寸法に近い寸法とならざるを得ない。そのため、ランスと対応する領域及びランスよりも前方の領域においては、キャビティ幅とランス幅の寸法差を利用して端子金具の前端部両側縁を支えるための支持部を形成する、ということができない。たとえ、支持部を形成できたとしても、その支持幅は極めて狭く、端子金具を確実に支持することは期待できない。
【0003】
その対策として、特開2001−167832公報には、キャビティの前端部を構成する壁部(端子金具の前端部と対応する支持壁及び各キャビティの前止まり壁)を有する別体部品としてのフロントホルダを、ハウジングの前面に組み付ける構造について開示されている。このようにすれば、フロントホルダの壁部によって端子金具の前端部を支えることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来公報のコネクタは、キャビティの幅寸法が狭くて端子金具の前端部を支持するための支持部を形成することが困難な幅狭キャビティ群と、キャビティの幅寸法が広くて端子金具の前端部を支持するための支持部を形成することのできる幅広キャビティ群との2種類のキャビティ群を有する、いわゆるハイブリッドタイプのものであるが、フロントホルダとしては、幅狭キャビティ群だけでなく、幅広キャビティ群にも対応するような一枚板状のものとされていた。
【0005】
そのため、極数が多い場合には、フロントホルダが大型化(大面積化)して、その樹脂成形時における収縮量も大きくなり、その分、フロントホルダの寸法のバラツキが大きくなるが、これは、フロントホルダにおけるキャビティとの対応部位(壁部や開口部など)とキャビティとの間での位置ずれが増大することを意味する。
このようになると、フロントホルダの壁部に前端部を嵌合させている端子金具が正規の位置からずれて、相手側端子との接触信頼性低下を来したり、開口部を通過してキャビティ内に挿入される導通検査用治具や端子抜取り用治具などの操作や動作が正確に行われなくなるなどの可能性がある。
【0006】
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、フロントホルダにおけるキャビティとの対応部位がキャビティに対して位置ずれするのを抑制することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、内部に複数のキャビティが形成されているとともに、その各キャビティの内壁に沿ってランスが形成されたハウジングと、前記キャビティに対し後方から挿入されるとともに前記ランスにより抜け止めされる端子金具とを備え、前記キャビティと前記ランスとの幅寸法の差によって前記端子金具の前端部を支持するための支承部が形成された複数のキャビティを集合配置してなる幅広キャビティ群と、前記キャビティと前記ランスとの幅寸法の差が前記幅広キャビティ群における前記キャビティと前記ランスとの幅寸法の差よりも小さく、前記支承部の形成されていない複数のキャビティを集合配置してなる幅狭キャビティ群とが混在されているコネクタにおいて、前記ハウジングには、前記幅広キャビティ群と前記幅狭キャビティ群のうち前記幅狭キャビティ群にのみ対応し、且つその幅狭キャビティ群のキャビティの前端部を構成するとともに前記端子金具の前端部を支持可能な支持部を有するフロントホルダが組み付けられている構成とした。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ハウジングの前面には前記フロントホルダを収容可能な凹部が形成され、この凹部に前記フロントホルダが組み付けられた状態では、そのフロントホルダの前面が前記ハウジングの前面に対してほぼ面一状となる構成とした。
【0009】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
フロントホルダは、幅広キャビティ群と幅狭キャビティ群のうち幅狭キャビティ群にのみ対応する形態とされているので、全てのキャビティに一括して対応する形態のものに比べると、本発明のフロントホルダは小面積のものとなっている。したがって、フロントホルダの樹脂成形時における収縮量が小さく抑えられ、その分、フロントホルダの寸法のバラツキが小さくなり、その結果、フロントホルダにおけるキャビティとの対応部位(壁部や開口部など)とキャビティとの間での位置ずれが抑制される。
【0010】
[請求項2の発明]
フロントホルダは、ハウジングの前面のうちの一部のみを占めるのであるが、組付け状態においてフロントホルダとハウジングの前面同士は面一状となるので、ハウジングの前面形状の簡素化が実現される。
【0011】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図11を参照して説明する。本実施形態のコネクタは、合成樹脂製のハウジング10と、大小2種類の端子金具20L,20Sと、合成樹脂製のフロントホルダ30とを備えて構成されている。
【0012】
ハウジング10は全体として方形のブロック状をなし、その内部には、左右一対の幅広キャビティ群11Lとこの幅広キャビティ群11Lの間に挟まれるように配置された1つの幅狭キャビティ群11Sとが混在して形成されている。
幅広キャビティ群11Lは、上下左右に整列された状態で集合配置された複数の大キャビティ12Lから構成されている。大キャビティ12Lは前後方向に細長く略方形断面をなし、各大キャビティ12L内には後方から大端子金具20Lが挿入されるようになっている。大キャビティ12Lの内部には、大端子金具20Lを抜け止めするためのランス13Lが、大キャビティ12Lの底壁に沿って前方へ片持ち状に突出するとともに下方(=大端子金具20Lの挿入経路外へ退避する方向)へ弾性撓みし得るように形成されている。ランス13Lの左右両側及びランス13Lの前方にはランス13Lを成形するための金型(図示せず)の型抜き空間が形成されているのであるが、大キャビティ12Lの幅寸法はランス13Lの幅寸法に比べて十分大きい寸法であるため、ランス13Lの左右両側及びランス13Lの前方領域においては、大キャビティ12Lの内側面から突出する左右一対の支承部15が形成されている。この支承部15は、大キャビティ12Lの長さ方向(=大端子金具20Lの挿入方向)と平行に前後方向に細長く延びたリブ状をなしており、大キャビティ12Lに挿入された大端子金具20Lの前端部の左右両側縁部がこの両支承部15によって下から支えられるようになっている。
【0013】
大端子金具20Lは、前端部が角筒部21Lとなっているとともに、後端部の電線圧着部22Lに電線23を圧着により接続したものである。大キャビティ12Lに挿入される過程では、大端子金具20Lはその角筒部21Lによってランス13Lを下方へ弾性撓みさせ、正規挿入位置に達すると、ランス13Lが弾性復帰して角筒部21Lの係止部24Lに対して後方から係止し、もって、大端子金具20Lが抜止め状態に保持される。また、正規挿入された大端子金具20Lの前端部、即ち角筒部21Lは支承部15によって下から支えられる。
【0014】
幅狭キャビティ群11Sは、上下左右に整列された状態で集合配置された複数の小キャビティ12Sから構成されている。小キャビティ12Sは前後方向に細長く略方形断面をなしている。この小キャビティ12Sの幅寸法及び高さ寸法はいずれも大キャビティ12Lよりも小さい寸法とされ、また、小キャビティ12S間の左右方向のピッチ及び上下方向のピッチも、大キャビティ12Lのそれよりも小さい寸法に設定されている。各小キャビティ12S内には後方から小端子金具20Sが挿入されるようになっている。小キャビティ12Sの内部には、小端子金具20Sを抜け止めするためのランス13Sが、小キャビティ12Sの底壁に沿って前方へ片持ち状に突出するとともに下方(=小端子金具20Sの挿入経路外へ退避する方向)へ弾性撓みし得るように形成されている。
【0015】
ランス13Sの左右両側及びランス13Sの前方にはランス13Sを成形するための金型(図示せず)の型抜き空間が形成されているのであるが、小キャビティ12Sの幅寸法はランス13Sの幅寸法よりも僅かに大きいだけであるため、ランス13Sの左右両側及びランス13Sの前方領域には、上記大キャビティ12Lに形成された支承部15に相当する手段は形成されていない。したがって、このままでは小キャビティ12Sに挿入された小端子金具20Sの前端部を下から支えることはできないのであるが、その対策として、フロントホルダ30が用いられている。
【0016】
そして、ハウジング10には、フロントホルダ30を組み付けるための構造が採用されている。即ち、ハウジング10の前面においては、幅広キャビティ群11Lと幅狭キャビティ群11Sのうち幅狭キャビティ群11Sのみに対応する方形領域を切欠した形態の凹部16が形成されている。この凹部16は、ハウジング10の前面だけでなくハウジング10の下面にも開口されており、このハウジング10の下面における開口部からフロントホルダ30が凹部16内に嵌合されるようになっている。また、凹部16の奥端面(=小キャビティ12Sに対する小端子金具20Sの挿入方向と直角な平坦面)においては、全ての小キャビティ12Sが開口され、そのランス13Sの前端部が凹部16の奥端面の直近に臨んでいる。
【0017】
この凹部16の左右両内側面には、上下方向(小キャビティ12Sに対する小端子金具20Sの挿入方向と直交する方向)に直線状に延びる左右対称な一対のガイド溝17が形成されている。このガイド溝17はアリ溝状をなしており、具体的には、ガイド溝17の後側の内面は、凹部16の奥端面に対して面一状に連続しているのに対して、ガイド溝17の前側の内面は後側の内面に対して斜めに対応する平坦面となっている。ガイド溝17の下端はハウジング10の下面に開口されており、このガイド溝17の下端からフロントホルダ30のガイドリブ31が嵌入される。そして、このガイド溝17とガイドリブ31の嵌合により、フロントホルダ30が凹部16への組付け時にガイドされるようになっている。また、ガイド溝17には、そのほぼ中間高さを切欠した形態の抜止孔18が形成されている。この抜止孔18は、フロントホルダ30が凹部16から下方へ離脱することを規制する機能を発揮する。尚、この抜止孔18は、この抜止孔18を金型成形したときに形成された型抜き孔18Hを介してハウジング10の前面に開口されている。
【0018】
また、凹部16には、その天井面における幅方向中央部分を切欠した形態の係止孔19が形成されている。フロントホルダ30が凹部16に正規組付けされた状態では、フロントホルダ30の係止突起33が係止孔19に嵌合されるようになっている。
フロントホルダ30は、凹部16に隙間なく嵌合し得るような方形の厚板状をなし、フロントホルダ30の上下寸法、幅寸法及び厚さ寸法(=前後寸法)は、夫々、凹部16の上下寸法、幅寸法及び奥行き寸法と同じ寸法とされている。そして、フロントホルダ30が凹部16に対して正規組み付けたされた状態では、フロントホルダ30の前面がハウジング10の前面に対して面一状に連なるとともに、フロントホルダ30の下面がハウジング10の下面に対して面一状に連なるようになっている。
【0019】
フロントホルダ30の左右両側面には、上下方向に直線状に延びる左右対称な一対のガイドリブ31が形成されている。このガイドリブ31は凹部16のガイド溝17に対して前後左右のガタ付きなく且つ隙間なく嵌合し得るような形状をなし、ガイドリブ31の後面及び下端面はフロントホルダ30の後面及び下端面に対して面一状に連続している。また、ガイドリブ31の左右外側面には台形をなす抜止め突起32が形成されており、フロントホルダ30が凹部16に対して正規の位置まで組み付けられた状態では、抜止め突起32が凹部16の抜止孔18に嵌合することでフロントホルダ30の下方への遊動及び凹部16からの前方への抜けが規制される。さらに、フロントホルダ30の上面には、その幅方向中央位置から上方へ突出する係止突起33が形成されている。この係止突起33の後面はフロントホルダ30の後面に対して面一状に連続している。そして、フロントホルダ30が凹部16に対して正規組付けされた状態では、係止突起33が凹部16の係止孔19に対して下から嵌入されるようになっている。
【0020】
フロントホルダ30の後面には、各小キャビティ12Sと対応する複数の方形の端子収容部34が形成されている。端子収容部34の幅寸法および高さ寸法は小キャビティ12Sとほぼ同じ寸法とされている。フロントホルダ30が凹部16に正規組付けされた状態においては、端子収容部34を構成する上下左右の周壁は小キャビティ12Sの上下両面及び左右両側面に対してほぼ面一となるような位置関係となる。そして、周壁のうち端子収容部34の下面壁となる部分は、小キャビティ12Sに挿入された小端子金具20Sの前端部を下から支承するための支持部35とされている。また、各端子収容部34の前端は、タブ挿入口37と治具挿入口38とを有する前止まり壁36となっており、これら複数の前止まり壁36の外面(=前面)は、全体として平坦状をなすフロントホルダ30の前面を構成している。
【0021】
小端子金具20Sは、前端部が角筒部21Sとなっているとともに、後端部の電線圧着部22Sに電線23を圧着により接続したものである。小キャビティ12Sに挿入される過程では、小端子金具20Sはその角筒部21Sによってランス13Sを下方へ弾性撓みさせ、正規挿入位置に達すると、ランス13Sが弾性復帰して角筒部21Sの係止部24Sに対して後方から係止し、もって、小端子金具20Sが抜止め状態に保持されるようにらなっている。また、正規挿入された小端子金具20Sの前端部、即ち角筒部21Sは、小端子金具20Sの挿入前に組み付けられているフロントホルダ30の支持部35によって下から支えられるようになっている。
【0022】
さて、本実施形態のコネクタには、フロントホルダ30が正規の姿勢とは上下反転した不正な姿勢(=凹部16に対する組付け方向において正逆反対向きとなる姿勢)で組み付けられるのを防止する手段として、ハウジング10には組付け規制部17Sが形成されているとともに、フロントホルダ30には切欠部39が形成されている。組付け規制部17Sは、各ガイド溝17の上端部(=凹部16に対するフロントホルダ30の組付け方向前方の奥端部)を下方へ方形状に肉盛りした形態で形成され、この組付け規制部17Sの下面は凹部16の天井面(=凹部16に対して正規に組み付けられたフロントホルダ30の上端面が当接又は接近して対応する面)よりも下方に位置する。一方、切欠部39は、各ガイドリブ31の上端部をフロントホルダ30の上面よりも低い位置となるように方形状に切り欠いた形態とされており、この切欠部39の切欠深さは組付け規制部17Sの肉盛り寸法と同じ寸法とされている。したがって、フロントホルダ30が正しい姿勢で凹部16の正規位置まで組み付けられた状態では、切欠部39と組付け規制部17Sとが殆ど隙間なく嵌合するようになっている。
【0023】
次に、本実施形態の作用を説明する。
フロントホルダ30を正規の姿勢で組み付けられる際には、まず、フロントホルダ30の上端部をハウジング10の下面側から凹部16内に少し進入させ、次いで、ガイドリブ31の上端部をガイド溝17の下端部に嵌入させる。後は、ガイド溝17とガイドリブ31との嵌合により、フロントホルダ30が所定の姿勢を保ちつつ上方へスライドする。このとき、フロントホルダ30の抜止め突起32がガイドリブ31よりも外方へ突出しているので、ハウジング10は凹部16の幅を広げるように変形すると同時に、フロントホルダ30がその幅を狭めるように変形する。
【0024】
そして、フロントホルダ30が正規の位置まで組み付けられると、組付け規制部17Sと切欠部39とが嵌合されるとともに、フロントホルダ30の上面が凹部16の天井面に当接又は接近して対応する状態となる(図2及び図7を参照)。この状態では、抜止め突起32が抜止孔18に係止されるため、フロントホルダ30の下方への遊動及び凹部16からの離脱が規制される。また、ガイド溝17とガイドリブ31との係合及び係止突起33と係止孔19の係合により、フロントホルダ30の前方への遊動及び凹部16からの前方への離脱が規制される。以上により、フロントホルダ30は、正規の組付け状態にロックされる。
【0025】
この状態では、フロントホルダ30の各端子収容部34が各小キャビティ12Sと対応し、小端子金具20Sの挿入に備える。また、フロントホルダ30の前面と下面はハウジング10の前面及び下面に対してほぼ面一状となる。フロントホルダ30を組み付けた後、各小キャビティ12Sに小端子金具20Sを挿入すると、各小端子金具20Sの角筒部21Sの前端が端子収容部34内に嵌入される。これにより、角筒部21Sはフロントホルダ30の支持部35によって下から支承される(図7を参照)。
【0026】
さて、フロントホルダ30を上下反転させた不正な姿勢で凹部16に組み付けようとした場合には、組付けの初期においてガイドリブ31がガイド溝17の下端部に嵌合され、その後、凹部16への嵌合が進められる。そして、フロントホルダ30の上面が凹部16の天井面に到達する前に、ガイドリブ31の上端(正しい姿勢のときには下端となる)が組付け規制部17Sに対して下から当接し、それ以上のフロントホルダ30の組み付け動作が規制される(図3を参照)。この状態では、ハウジング10の下面側にフロントホルダ30の一部が突出しているので、この状態を前方又は側方から目視確認することにより、フロントホルダ30の組み付け姿勢が不正であることが判る。また、この不正な組み付け状態では、端子収容部34の高さが小キャビティ12Sよりも低い位置となるため、このまま小端子金具20Sを小キャビティ12Sに挿入しようとしても、角筒部21Sがフロントホルダ30の後面と干渉するため正規位置まで挿入させることはできない。
【0027】
このように、本実施形態では、フロントホルダ30の組み付け姿勢が適正である状態と組み付け姿勢が不正である状態とを目視によって容易に確認することができるので、不正な姿勢で組み付けられたことが看過されることがなく、ひいては、不正な姿勢での組付けを防止することができる。
また、ハウジング10のうちガイド溝17を形成した部分は、肉が薄くなるのでその分剛性が低くなることが懸念されるのであるが、組付け規制部17Sはガイド溝17の奥端部を肉盛りした形態としたので、組付け規制部17Sを形成した部分の近傍においては剛性向上が図られている。
【0028】
また、フロントホルダ30は、幅広キャビティ群11Lと幅狭キャビティ群11Sのうち幅狭キャビティ群11Sにのみ対応する形態とされているので、全てのキャビティに一括して対応する形態のものに比べると、本実施形態のフロントホルダ30は小面積のものとなっている。したがって、フロントホルダ30の樹脂成形時における収縮量が小さく抑えられ、その分、フロントホルダ30の寸法のバラツキが小さくなり、その結果、フロントホルダ30における小キャビティ12Sとの対応部位(壁部や開口部など)と小キャビティ12Sとの間での位置ずれが抑制されている。
【0029】
また、フロントホルダ30は、ハウジング10の前面のうちの一部のみを占めるのであるが、組付け状態においてフロントホルダ30とハウジング10の前面同士はほぼ面一状となるので、ハウジング10の前面がフラットとなり、前面の形状簡素化が実現されている。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0030】
(1)上記実施形態では1つのハウジングに幅狭キャビティ群が1箇所に集合させた場合について説明したが、本発明は、1つのハウジングに複数の幅狭キャビティ群を配置させたものにも適用することができる。
(2)上記実施形態では幅狭キャビティ群をキャビティにおける幅方向中央に配置した場合について説明したが、本発明は、幅狭キャビティ群が左右いずれか一方に片寄った位置に配置されている場合にも適用することができる。
【0031】
(3)上記実施形態ではフロントホルダを端子金具の挿入後方に対して直交する方向に組み付けるようにしたが、本発明によれば、フロントホルダは、端子金具の挿入方向と平行な方向に組み付けられるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハウジングからフロントホルダを外した状態の一部切欠正面図
【図2】ハウジングにフロントホルダを組み付けた状態の一部切欠正面図
【図3】ハウジングにフロントホルダを上下逆向きに組み付けた状態の正面図
【図4】ハウジングからフロントホルダを外した状態の底面図
【図5】ハウジングにフロントホルダを組み付けた状態の底面図
【図6】ハウジングからフロントホルダを外した状態の断面図
【図7】ハウジングにフロントホルダを組み付けた状態の断面図
【図8】ハウジングにフロントホルダを上下逆向きに組み付けた状態の断面図
【図9】大キャビティに大端子金具を挿入した状態の断面図
【図10】フロントホルダの平面図
【図11】フロントホルダの背面図
【符号の説明】
10…ハウジング
11L…幅広キャビティ群
11S…幅狭キャビティ群
12L…大キャビティ
12S…小キャビティ
13L…ランス
13S…ランス
15…支承部
16…凹部
20L…大端子金具
20S…小端子金具
30…フロントホルダ
35…支持部
Claims (2)
- 内部に複数のキャビティが形成されているとともに、その各キャビティの内壁に沿ってランスが形成されたハウジングと、
前記キャビティに対し後方から挿入されるとともに前記ランスにより抜け止めされる端子金具とを備え、
前記キャビティと前記ランスとの幅寸法の差によって前記端子金具の前端部を支持するための支承部が形成された複数のキャビティを集合配置してなる幅広キャビティ群と、
前記キャビティと前記ランスとの幅寸法の差が前記幅広キャビティ群における前記キャビティと前記ランスとの幅寸法の差よりも小さく、前記支承部の形成されていない複数のキャビティを集合配置してなる幅狭キャビティ群とが混在されているコネクタにおいて、
前記ハウジングには、前記幅広キャビティ群と前記幅狭キャビティ群のうち前記幅狭キャビティ群にのみ対応し、且つその幅狭キャビティ群のキャビティの前端部を構成するとともに前記端子金具の前端部を支持可能な支持部を有するフロントホルダが組み付けられていることを特徴とするコネクタ。 - 前記ハウジングの前面には前記フロントホルダを収容可能な凹部が形成され、この凹部に前記フロントホルダが組み付けられた状態では、そのフロントホルダの前面が前記ハウジングの前面に対してほぼ面一状となる構成としたことを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
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