JP3755407B2 - 補強材付複合梁および小屋組み構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、補強材付複合梁および小屋組み構造に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、断面性能の高い新しい補強材付きの複合梁、およびその補強材付複合梁を用いた新しい小屋組み構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、木質建築構造物において、その構造の強度、安定性、耐久性を向上させるために、水平梁として、H型鋼の上下フランジ部にその長手方向にわたって木質材を配設した複合梁を用い、木質建築の特徴を生かしながら、より安定した構造の建築物とすることが検討されている。
【0003】
一方、近年では木質建築構造物においても、内部空間の多様化に伴い、勾配天井や大屋根等の実現が要求されてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の複合梁では、断面性能の不足により、勾配天井や大屋根等の実現が困難な場合があった。特に勾配天井や大屋根等において積雪荷重に耐え得る断面性能の複合梁はなかったのである。また、ロフト、小屋裏収納、下屋収納などにおける束のない空間も、従来の複合梁では約1間程(たとえば1820〜2000mm)までしか取ることができなかった。
【0005】
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも断面性能の高い新しい補強材付きの複合梁、および大スパンを実現した新しい小屋組み構造を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、H型鋼の上下フランジ部に木質材を配設した複合梁であって、H型鋼のウェブ部にその長手方向に沿う角鋼管状の補強材が接合されており、当該補強材はその接合面とH型鋼のウェブ部とを貫通するボルトにより固定されており、且つこのボルトによる固定は補強材の両端部にてのみ行われていることを特徴とする補強材付複合梁を提供し、この補強材付複合梁において、補強材がH型鋼の長手寸法よりも短尺であることや、H型鋼のウェブ部の一方の側面に補強材が接合され、他方の側面に断熱材が設けられていることをも提供する。
【0007】
また、この出願の発明は、小屋梁もしくは桁またはその両方として、上記の補強材付複合梁が用いられていることを特徴とする小屋組み構造を提供し、この小屋組み構造において、棟木もしくは母屋またはその両方として、H型鋼の上下フランジ部に木質材を配設した複合梁が用いられていることをも提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、以上のとおりの特徴を有するものであるが、以下に、添付した図面に沿って実施例を示し、さらに詳しくこの発明の実施の形態について説明する。
【0009】
【実施例】
[実施例1]
図1(a)(b)は、各々、この出願の発明の補強材付複合梁の一実施例を示したものである。
【0010】
たとえばこれら図1(a)(b)に例示したように、この出願の発明の補強材付複合梁(1)は、H型鋼(11)の上下のフランジ部(111)にその長手方向にわたって木質材(12)を配設した複合梁であって、そのH型鋼(11)のウェブ部(112)に長手方向に沿う角鋼管状の補強材(13)が接合されていることを特徴としており、これにより断面性能の向上を実現している。
【0011】
この場合さらに説明すると、図1の実施例では、H型鋼(11)の上下のフランジ部(111)間において、ウェブ部(112)の一方の側面に、角鋼管状の補強材(13)がボルト固定により当接接合されている。固定用のボルト(14)は、図1(a)に例示したようにウェブ部(112)と補強材(13)の当接接合面とを貫通して締められている。なおこのボルト(14)による固定は、図1(b)に例示したように補強材(13)の両端部にてのみ行う。これは、補強材(13)全体にわたって等間隔でボルト固定する場合と強度が変わらないので、施工手間が省けるためである。
【0012】
このように角鋼管状の補強材(13)をウェブ部(112)の長手方向に沿ってボルト固定により接合させておくことで、この出願の発明の補強材付複合梁(1)は、勾配天井や大屋根などにも耐え得る、従来の複合梁にはない程の高い断面性能を実現することになる。これにより、束の無い空間をも拡大でき、たとえば4間(たとえば3640〜4000mm)や5間(たとえば4550〜5000mm)にも対応できるのである。もちろん、束との接合は、何ら特別な施工方法を必要とせず、従来の施工方法でスムーズに行うことができ、施工性にも優れている。
【0013】
図3は、この補強材付複合梁(1)の一施工例を示したものである。この図3に例示したように、補強材付複合梁(1)を施工する際には補強材(13)が内側へ向くようにして組む。これにより、外側からの風圧等による曲げに対して優れた補強効果が得られるようになる。
【0014】
また、図3の例では、補強材付複合梁(1)の両端部には、H型鋼(21)および上下の木質材(22)のみからなる通常の複合梁(2)(もちろん別の補強材付複合梁でもよい)の側端部が接合されており、このことを考慮して、補強材(13)はH型鋼(11)の長手寸法よりも短尺としておくことが好ましい。またこれにより、端部の面倒な加工を行うことなく、従来のかね金具とひら金具をそのまま利用してコーナー部や延長部を施工することができる。
【0015】
またさらに、図1の実施例では、補強材(13)はH型鋼(11)のウェブ部(112)の一方の側面にのみ接合されており、この場合では、たとえば図2に例示したように、ウェブ部(112)の反対側の側面に断熱材(15)を設けることができる。この出願の発明の補強材付複合梁(1)は、ウェブ部(112)の内側面にのみ補強材(13)を設けていても、上述したように十分に高い断面性能を実現できるため、反対の外側面に対して断熱材(15)の施工が可能となり、より利便性の高い複合梁となる。
【0016】
[実施例2]
図4は、上述の補強材付複合梁(1)を小屋梁(10)および桁(11)として用いた小屋組み構造の一実施例を示したものである。
【0017】
この図4に例示したように、大スパン部の小屋梁(10)もしくは桁(11)またはその両方として、断面性能の高い補強材付複合梁(1)を用いることで、たとえば4間や5間などという従来にはない非常に広い束の無い空間を有する小屋組み構造を実現することができるのである。
【0018】
またこの場合において、母屋(12)や棟木(13)としては、木材に代えて通常の複合梁(2)を用いることが好ましい。これにより、木材を用いた場合とは異なり、より一層大きなスパンを確保でき、またバラツキがなくなって、より安定した強度を確保した高品質な小屋組み構造を実現できるようになる。なおさらなる高品質化を図るべく、束に集成材を用いてもよい。
【0019】
もちろんこの図4の実施例は補強材付複合梁(1)の使用が小屋梁(10)や桁(11)に限定されるということを意味するものでなく、補強材付複合梁(1)は、母屋(12)や棟木(13)などとして用いてもよいことは言うまでもない。
【0020】
この発明は以上の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この出願の発明によって、断面性能の高い新しい補強材付複合梁、およびその補強材付複合梁を用いて大スパンを実現した新しい小屋組み構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は、各々、この出願の発明の補強材付複合梁の一実施例を示した正面図および側面図である。
【図2】この出願の発明の補強材付複合梁の別の一実施例を示した正面図である。
【図3】この出願の発明の補強材付複合梁の施工の一例を示した斜視図である。
【図4】補強材付複合梁を用いたこの出願の発明の小屋組み構造の一実際例を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 補強材付複合梁
11 H型鋼
111 フランジ部
112 ウェブ部
12 木質材
13 補強材
14 ボルト
15 断熱材
2 複合梁
21 H型鋼
22 木質材
10 小屋梁
11 桁
12 母屋
13 棟木
Claims (5)
- H型鋼の上下フランジ部に木質材を配設した複合梁であって、H型鋼のウェブ部にその長手方向に沿う角鋼管状の補強材が接合されており、当該補強材はその接合面とH型鋼のウェブ部とを貫通するボルトにより固定されており、且つこのボルトによる固定は補強材の両端部にてのみ行われていることを特徴とする補強材付複合梁。
- 前記補強材はH型鋼の長手寸法よりも短尺である請求項1の補強材付複合梁。
- H型鋼のウェブ部の一方の側面に前記補強材が接合され、他方の側面に断熱材が設けられている請求項1または2の補強材付複合梁。
- 小屋梁もしくは桁またはその両方として、請求項1ないし3のいずれかの補強材付複合梁が用いられていることを特徴とする小屋組み構造。
- 棟木もしくは母屋またはその両方として、H型鋼の上下フランジ部に木質材を配設した複合梁が用いられている請求項4の小屋組み構造。
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